JP5253592B2 - 基板処理方法 - Google Patents
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スピンチャックによって回転されている基板の表面の回転中心付近に、洗浄液ノズルから洗浄液を供給することにより、当該洗浄液が基板の回転による遠心力を受けて基板の表面の全域に行き渡る。これにより、基板の表面全域を覆う洗浄液の液膜が形成され、基板の表面に洗浄処理が行われる。
この発明によれば、基板保持手段によって保持された基板の主面に処理液を供給して前記主面の全域に処理液の液膜を形成した後、前記液膜が形成された前記主面に、ガスノズルから不活性ガスを供給して、前記主面の周縁を含む領域に、前記液膜が除去された液膜除去領域を形成する。
この発明によれば、前記液膜除去領域形成工程および液膜除去領域移動工程において、前記処理液ノズルから前記主面に処理液が供給される。そのため、前記主面上における処理液量は多く保たれ、前記主面上の前記液膜除去領域以外の領域が、処理液の前記液膜によって覆われた状態を維持することができる。したがって、当該領域で処理液が蒸発して乾燥不良が生じることを抑制することができる。
この発明によれば、前記処理液ノズル移動手段によって前記処理液ノズルを移動させることにより、前記液膜除去領域から最も遠くなる前記主面の周縁部に当該処理液ノズルを配置させる。これにより、処理液ノズルから前記主面に供給された処理液が前記液膜除去領域に到達して当該液膜除去領域内に処理液の液滴が形成されることを抑制または防止でき、このような液滴に起因する乾燥不良を抑制することができる。
この発明によれば、前記処理液ノズルから前記主面への処理液の供給位置を、前記液膜除去領域から最も遠くなる前記主面の周縁部に配置させることより、当該処理液ノズルから前記主面に供給される処理液が前記液膜除去領域に到達しないようにすることができる。これにより、前記液膜除去領域に乾燥不良が生じることを抑制することができる。
請求項5記載の発明は、前記処理液ノズル移動手段により、前記液膜除去領域形成工程および液膜除去領域移動工程における前記主面に対する前記処理液ノズルの位置を、前記液膜形成工程における当該処理液ノズルの位置よりも前記主面に近づけさせる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の基板処理方法である。
この発明によれば、前記処理液ノズルから前記主面への処理液の供給流量を少なくすることにより、前記液膜除去領域形成工程および液膜除去領域移動工程における前記処理液ノズルから前記主面への処理液の勢いを、前記液膜形成工程における前記勢いよりも弱めることができる。これにより、基板の主面に供給されて跳ね返った処理液飛沫が前記液膜除去領域に到達することを抑制または防止でき、これにより、乾燥不良を抑制できる。
この発明によれば、前記液膜除去領域形成工程および液膜除去領域移動工程において、前記処理液ノズルから前記主面に処理液が供給されない。そのため、前記液膜除去領域に処理液が進入することを阻止することができる。これにより、前記液膜除去領域内に処理液の液滴が形成されることを抑制または防止することができる。ゆえに、このような液滴に起因する乾燥不良を抑制することができる。
ガスノズルからの不活性ガスの供給を停止した状態で液膜除去領域を基板主面上に維持するために、基板を回転させて液膜除去領域の外側の液膜に遠心力を作用させておくことが好ましい。また、基板を回転させる代わりに、前記対向部材に備えられたガス吐出口から基板の主面に向けて不活性ガスを吐出させて、液膜除去領域への液膜の進入を阻止するようにしてもよい。
この発明によれば、前記ガスノズルまたはガス吐出口から吐出された不活性ガスによって、前記主面を保護しつつ当該主面を乾燥させることができるので、前記主面に乾燥不良が生じることを確実に抑制することができる。
この発明によれば、たとえば純水を含む処理液の液膜が前記主面に形成されている場合に、前記基板乾燥工程において、前記純水よりも揮発性の高い有機溶剤の蒸気を含む不活性ガスを前記主面に供給することにより、不活性ガスによって前記主面を保護しつつ、前記主面に付着している処理液を前記有機溶剤に置換させながら基板を乾燥させることができる。これにより、前記主面に乾燥不良が生じることを確実に抑制するとともに、前記主面を速やかに乾燥させることができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る基板処理方法を実施するための基板処理装置1の構成を説明するための図解図である。この基板処理装置1は、処理対象の基板としての半導体ウエハW(以下、単に「ウエハW」という。)に処理液(薬液または純水その他のリンス液)による処理を施すための枚葉式の処理装置であり、ウエハWをほぼ水平に保持して回転させるスピンチャック2と、スピンチャック2に保持されたウエハWの表面(上面)に処理液を供給する処理液ノズル3と、スピンチャック2に保持されたウエハWの表面にガスを供給するガスノズル4とを備えている。
すなわち、複数本のチャックピン7は、スピンベース6の上面周縁部において、ウエハWの外周形状に対応する円周上で適当な間隔をあけて配置されており、ウエハWの裏面(下面)周縁部を支持しつつ、ウエハWの周面の異なる位置に当接することにより、互いに協働してウエハWを挟持し、このウエハWをほぼ水平に保持することができるようになっている。
なお、スピンチャック2としては、このような構成のものに限らず、たとえば、ウエハWの裏面を真空吸着することによりウエハWをほぼ水平な姿勢で保持し、さらにその状態で鉛直な軸線まわりに回転することにより、その保持したウエハWを回転させることができる真空吸着式のもの(バキュームチャック)が採用されてもよい。
ガスノズル4は、その吐出口をウエハW側(下方)に向けた状態で、ほぼ水平に延びるアーム15の先端に取り付けられている。アーム15は、ほぼ鉛直に延びる支持軸16に支持されており、この支持軸16の上端部からほぼ水平に延びている。支持軸16は、その中心軸線まわりに回転可能に設けられている。
図2は、前記基板処理装置1の電気的構成を説明するためのブロック図である。この基板処理装置1は、制御装置22を備えている。制御装置22は、チャック回転駆動機構8、処理液ノズル移動機構11、処理液ノズル昇降駆動機構12およびガスノズル移動機構17の動作を制御する。また、制御装置22は、DIWバルブ14および窒素ガスバルブ20の開閉を制御する。
以下では、図1〜図4を参照しつつ、薬液(フッ酸)による処理がその表面に施され、前記表面が疎水性となったウエハWを処理する場合について説明する。
ウエハWがスピンチャック2に受け渡されると、制御装置22は、チャック回転駆動機構8を制御して、スピンチャック2に保持されたウエハWを所定の低回転速度(たとえば、50rpm以下。好ましくは、10rpm以下)で回転させる。また、制御装置22は、処理液ノズル移動機構11を制御して、処理液ノズル3を、スピンチャック2に保持されたウエハWの上方に配置させる。
ウエハWの表面に供給されたDIWは、ウエハWの回転による遠心力を受けてウエハWの表面全域に行き渡る。これにより、ウエハWの表面がDIWによって洗浄され、ウエハWの表面全域にリンス処理が施される。また、ウエハWの表面には、当該表面全域を覆うDIWの液膜が形成されており(液膜形成工程)、この液膜の膜厚は、ウエハWの表面が親水性である場合に比べて厚くなっている。
次に、制御装置22は、チャック回転駆動機構8を制御して、非回転状態でスピンチャック2に保持されたウエハWを所定の高回転速度まで、連続的または段階的にその回転速度を上げながら加速回転させるとともに、ガスノズル4から窒素ガスを吐出させつつガスノズル移動機構17を制御して、ガスノズル4を前記周縁の上方に向けて移動させる(ステップS5)。
具体的には、遮断板24は、ウエハWとほぼ同じ直径(あるいはウエハWよりも少し小さい直径)を有する円板状の部材であり、その下面が前記対向面23となっている。遮断板24の上面には、スピンチャック2の回転軸5と共通の鉛直な中心軸線に沿う回転軸25が固定されている。
また、回転軸25には、遮断板昇降駆動機構29と、遮断板回転駆動機構30とが結合されている。遮断板昇降駆動機構29によって、回転軸25および遮断板24を昇降させることにより、遮断板24をスピンチャック2に保持されたウエハWの表面に近接した近接位置(図5に示す位置)と、スピンチャック2の上方に大きく退避した退避位置との間で昇降させることができる。遮断板回転駆動機構30によって、遮断板24をスピンチャック2によるウエハWの回転にほぼ同期させて(あるいは若干回転速度を異ならせて)回転させることができる。
そして前記液膜除去領域移動工程の後、制御装置22は、チャック回転駆動機構8を制御して、スピンチャック2に保持されたウエハWを所定の低回転速度(たとえば、50rpm以下。好ましくは、10rpm以下)で回転させる。その後、制御装置22は、窒素ガスバルブ20を閉じてガスノズル4からの窒素ガスの吐出を停止させ、ガスノズル移動機構17を制御して、ウエハWの上方からガスノズル4を退避させる(ステップS10)。このとき、ウエハWは前記所定の低回転速度で回転されているので、環状の液膜は、液膜除去領域Tの周囲に前記回転による遠心力を受けて維持されている。したがって、液膜除去領域Tは、前記中心部で維持されている。
具体的には、遮断板32は、ウエハWよりも小さい直径(あるいはウエハWとほぼ同じ直径)を有する円板状の部材であり、その下面が前記対向面31となっている。遮断板32は、ガスノズル4と同軸(ガスノズル4および遮断板32の中心軸線が同軸)となるようにガスノズル4に取り付けられている。
この第3実施形態に係る基板処理装置1bによるウエハWの処理の一例では、前記液膜除去領域形成工程まで(ステップS1〜S3まで)、前述の基板処理装置1によるウエハWの処理の一例と同一の処理が行われる。
この第4実施形態に係るウエハWの処理例では、液膜形成工程(ステップS1,S2)の終了まで、第1実施形態にかかるウエハWの処理例と同一の処理が行われる。
この発明は、以上の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。たとえば、前述の第1〜4実施形態では、前記基板乾燥工程において、主として、前記所定の高回転速度までウエハWを加速回転させることにより、DIWの液膜をウエハWの周囲に振り切る例について説明したが、ウエハWを回転させずに、または一定の回転速度で回転させつつ、ウエハWの表面への窒素ガスの供給流量を増加させることにより、前記液膜を前記周縁に追いやって当該表面から排除してもよい。
さらに、前述の第1〜第4実施形態では、ウエハWの表面に窒素ガスが供給される例について説明したが、前記表面に供給される窒素ガスに、純水よりも揮発性の高い有機溶剤であるIPA(イソプロピルアルコール)の蒸気が含まれていてもよい(図1、図5、図7参照)。
また、IPAの蒸気を含む窒素ガスをウエハWの表面に供給する場合、前記基板乾燥工程において、ウエハWを回転させずに前記IPAの蒸気を含む窒素ガスの供給流量を増加させることにより、ウエハWの表面からDIWの液膜を排除して当該ウエハWを乾燥させてもよい。
また、前述の第1〜第4実施形態では、前記液膜除去領域移動工程において、スピンチャック2の回転を停止させながら、ガスノズル4を前記回転中心の上方に移動させる例について説明したが、スピンチャック2およびウエハWを低回転速度で回転させながら、ガスノズル4を移動させてもよい。
また、前述の第1〜第4実施形態では、リンス液としてDIWを例示したが、DIWに限らず、純水、オゾン水、水素水、炭酸水などの他のリンス液を用いてもよい。
さらにまた、前述の第1〜第4実施形態では、処理対象の基板として半導体ウエハWを取り上げたが、半導体ウエハWに限らず、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、FED用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板などの他の種類の基板が処理対象とされてもよい。
1,1a,1b 基板処理装置
2 スピンチャック(基板保持手段)
3 処理液ノズル
4 ガスノズル
8 チャック回転駆動機構(基板回転手段)
11 処理液ノズル移動機構(処理液ノズル移動手段)
12 処理液ノズル昇降駆動機構(処理液ノズル移動手段)
17 ガスノズル移動機構(ガスノズル移動手段)
22 制御装置(制御手段)
23,31 対向面
24,32 遮断板(対向部材)
27 ガス吐出口
29 遮断板昇降駆動機構(対向部材移動手段)
O 中心
T 液膜除去領域
W ウエハ(基板)
Claims (12)
- 基板保持手段によって保持された基板の主面に処理液ノズルから処理液を供給することにより、前記主面の全域に処理液の液膜を形成する液膜形成工程と、
前記液膜が形成された前記主面に、ガスノズルから不活性ガスを供給することにより、前記主面の周縁を含む領域に、前記液膜が除去された液膜除去領域を形成する液膜除去領域形成工程と、
前記液膜除去領域形成工程の後、前記ガスノズルから不活性ガスを前記主面に供給しつつ、ガスノズル移動手段によって前記ガスノズルを移動させることにより、前記液膜除去領域を前記主面の周縁を含む領域から移動させて、当該液膜除去領域内に前記主面の中心を配置させる液膜除去領域移動工程と、
前記液膜除去領域移動工程の後、前記液膜除去領域を拡大させることにより前記主面から処理液を排除して基板を乾燥させる基板乾燥工程とを含む、基板処理方法。 - 前記液膜除去領域形成工程および液膜除去領域移動工程において、前記処理液ノズルから前記主面に処理液を供給する、請求項1に記載の基板処理方法。
- 前記液膜除去領域形成工程および液膜除去領域移動工程において、処理液ノズル移動手段により、前記液膜除去領域から最も遠くなる前記主面の周縁部に当該処理液ノズルを配置させる、請求項2に記載の基板処理方法。
- 前記液膜除去領域形成工程および液膜除去領域移動工程において、前記処理液ノズル移動手段により前記処理液ノズルを移動させて、前記処理液ノズルから前記主面への処理液の供給位置を、前記液膜除去領域から最も遠くなる前記主面の周縁部に配置する、請求項3に記載の基板処理方法。
- 前記処理液ノズル移動手段により、前記液膜除去領域形成工程および液膜除去領域移動工程における前記主面に対する前記処理液ノズルの位置を、前記液膜形成工程における当該処理液ノズルの位置よりも前記主面に近づけさせる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の基板処理方法。
- 前記液膜除去領域形成工程および前記液膜除去領域移動工程における前記処理液ノズルから前記主面への処理液の供給流量を、前記液膜形成工程における供給流量よりも少なくする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の基板処理方法。
- 前記液膜除去領域形成工程および前記液膜除去領域移動工程中は、前記処理液ノズルから前記主面に処理液を供給しない、請求項1に記載の基板処理方法。
- 前記液膜除去領域移動工程の後、前記ガスノズル移動手段によって前記ガスノズルを前記基板から退避させ、その後、対向部材移動手段によって対向部材を移動させることにより、前記対向部材の対向面を前記主面に対向配置させるとともに、前記対向面に形成されたガス吐出口から不活性ガスを吐出し、前記対向面が前記主面に対向配置された状態で、前記基板乾燥工程を実行する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の基板処理方法。
- 前記ガスノズルおよび当該ガスノズルと一体にされた対向部材を前記ガスノズル移動手段によって一体移動させることにより、前記液膜除去領域移動工程において、前記液膜除去領域内に前記中心を配置させつつ、前記対向部材の対向面を前記主面に対向配置させ、前記対向面が前記主面に対向配置された状態で、前記基板乾燥工程を実行する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の基板処理方法。
- 前記ガスノズルから前記主面に不活性ガスを供給しつつ、前記基板乾燥工程を実行する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の基板処理方法。
- 前記基板乾燥工程において、前記主面に供給される不活性ガスには、純水よりも揮発性の高い有機溶剤の蒸気が含まれている、請求項10に記載の基板処理方法。
- 前記基板乾燥工程において、基板回転手段により前記基板保持手段に保持された基板を所定の回転速度で回転させるとともに、前記ガスノズルから前記主面に向けて不活性ガスを吐出しつつ、前記ガスノズル移動手段によって前記ガスノズルを移動させることにより、前記ガスノズルから前記主面への不活性ガスの供給位置を前記中心から前記主面の周縁に向けて移動させて前記基板を乾燥させる、請求項1〜11のいずれか一項に記載の基板処理方法。
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