JP5251919B2 - 光半導体素子封止用樹脂組成物 - Google Patents
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Description
(A)下記平均組成式(1)で表される、エポキシ基含有非芳香族基を有する第一のシリコーン樹脂 50〜90質量部
x及びyは互いに独立に0、1又は2の整数であり、
aは0.25〜0.75の数、
bは0.25〜0.75の数、
cは0〜0.3の数、但しa+b+c=1、であり、
nは2〜20の整数である)
(B)下記平均組成式(2)で表される、エポキシ基含有非芳香族基を有する第二のシリコーン樹脂 10〜50質量部
dは0.5〜0.8の数、
eは0.2〜0.5の数、
但しd+e=1、である)
(C)エポキシ基との反応性の官能基を有する硬化剤 (A)成分中と(B)成分中のエポキシ基の合計1モルに対し、該エポキシ基と反応性の官能基が0.4〜1.5モルとなる量
(D)硬化触媒 (A)成分と(B)成分の合計100質量部に対し0.01〜3重量部。
本発明の組成物において、(A)エポキシ基含有非芳香族基を有する第一のシリコーン樹脂は、下記平均組成式(1)で表される。
下記式(4):
で表されるエポキシ基含有シランを、必要に応じて、式(5):
で表されるシランとともに、定法に従い加水分解及び縮合反応させることによって得ることができる。
(B)エポキシ基含有非芳香族基を有する第二のシリコーン樹脂は、下記平均組成式(2)で表される。
(C)硬化剤としては、アミン系硬化剤、フェノール系硬化剤、酸無水物系硬化剤が挙げられ、そのうち酸無水物系硬化剤が好ましい。
(D)硬化触媒としては、テトラブチルホスホニウム・O,O−ジエチルホスホロジチオエート、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレートなどの第四級ホスホニウム塩系硬化触媒、トリフェニルフォスフィン、ジフェニルフォスフィン等の有機フォスフィン系硬化触媒、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリエタノールアミン、ベンジルジメチルアミン等の三級アミン系硬化触媒、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7のフェノール塩、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7のオクチル酸塩、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7のトルエンスルホン酸塩等の第四級アンモニウム塩系硬化触媒、2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾールなどのイミダゾール系硬化触媒などを挙げられ、好ましくは第四級ホスホニウム塩、第四級アンモニウム塩である。
以下の合成例において、生成物を示す平均組成式におけるnの平均値は、GPC測定による分子量分布のチャートにおいて、各nと各nにおけるピーク面積との積の総和を、全ピーク面積の総和で除して求めた値である。例えば、ある生成物のnが2〜20の整数の場合、[2×(n=2のピーク面積)+3×(n=3のピーク面積)+ … +20×(n=20のピーク面積)]/[(n=2のピーク面積)+(n=3のピーク面積)+ … +(n=20のピーク面積)]の計算から求めた値である。
<合成例1>
MeO(Me)2SiO(Me2SiO)mSi(Me)2OMe(mは0〜8の整数で、平均は1.5)1695.6g(5.966モル)OMe、イソプロピルアルコール3000ml、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(KBM303、信越化学工業(株)製)1470g(5.966モル)を仕込んだ後、水酸化テトラメチルアンモニウムの25%水溶液72g、水648gを添加し室温で3時間攪拌した。反応終了後、系内にトルエン3000mlを入れた。リン酸二水素ナトリウム水溶液で中和し、分液漏斗を用いて分離した有機層を熱水にて洗浄した。減圧下トルエンを除去したところ、下記の平均組成式で示される構造を有する、目的の樹脂(樹脂1)を得た。
HO(Me)2SiO[(Me)2SiO]mSi(Me)2OH(mは3〜18の整数で、平均は8)1500g(1.975モル)、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(KBM303、信越化学工業(株)製)973.2g(3.950モル)、イソプロピルアルコール2300mlを仕込んだ後、水酸化テトラメチルアンモニウムの25%水溶液49.90g、水449.10gを添加し、室温で3時間攪拌した。反応終了後、系内にトルエン2300mlを入れ、リン酸二水素ナトリウム水溶液で中和した。分液漏斗を用いて分離した有機層を熱水にて洗浄した。減圧下トルエンを除去したところ、下記の平均組成式で示される構造を有する、目的の樹脂(「樹脂2」とする)を得た。GPCで測定されたポリスチレン換算の重量平均分子量は5600であった。エポキシ当量は570g/molであった。
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM403、信越化学工業(株)製80)933.30g(3.950モル)、HO(Me)2SiO[(Me)2SiO]mSi(Me)2OH(mは3〜18の整数で、平均は8)1500g(1.975モル)、イソプロピルアルコール2300mlを仕込んだ後、水酸化テトラメチルアンモニウムの25%水溶液92.15g、水444.96gを添加し、室温で3時間攪拌した。反応終了後、系内にトルエン2300mlを入れ、リン酸二水素ナトリウム水溶液で中和した。分液漏斗を用いて分離した有機層を熱水にて洗浄した。減圧下トルエンを除去したところ、下記の平均組成式で示される構造を有する、目的の樹脂(「樹脂3」とする)を得た。GPCで測定されたポリスチレン換算の重量平均分子量は4300であった。エポキシ当量は570g/molであった。
<合成例4>
ジメチルジメトキシシラン(KBM−22、信越化学工業(株)製)187.00g(1.566モル)、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(KBM303、信越化学工業(株)製)766.67g(3.111モル)、イソプロピルアルコール900mlを仕込んだ後、水酸化テトラメチルアンモニウムの25%水溶液21.69g、水195.21gを添加し、室温で3時間攪拌した。反応終了後、系内にトルエン1000mlを入れ、リン酸二水素ナトリウム水溶液で中和した。分液漏斗を用いて分離した有機層を熱水にて洗浄した。減圧下トルエンを除去したところ、下記の平均組成式で示される構造を有する、目的の樹脂(「樹脂4」とする)を得た。GPCで測定されたポリスチレン換算の重量平均分子量は4200であった。エポキシ当量は267g/molであった。
ジメチルジメトキシシラン(KBM−22、信越化学工業(株)製)187.00g(1.566モル)、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(KBM303、信越化学工業(株)製)383.33g(1.566モル)、イソプロピルアルコール540mlを仕込んだ後、水酸化テトラメチルアンモニウムの25%水溶液12.97g、水203.93gを添加し、室温で3時間攪拌した。反応終了後、系内にトルエン1000mlを入れ、リン酸二水素ナトリウム水溶液で中和した。分液漏斗を用いて分離した有機層を熱水にて洗浄した。減圧下トルエンをしたところ、下記の平均組成式で示される構造を有する、目的の樹脂(「樹脂5」とする)を得た。GPCで測定されたポリスチレン換算の重量平均分子量は3100であった。エポキシ当量は359g/molであった。
ジメチルジメトキシシラン(KBM−22、信越化学工業(株)製)187.00g(1.566モル)、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM403、信越化学工業(株)製)735.24g(3.111モル)、イソプロピルアルコール900mlを仕込んだ後、水酸化テトラメチルアンモニウムの25%水溶液20.98g、水188.82gを添加し、室温で3時間攪拌した。反応終了後、系内にトルエン1000mlを入れ、リン酸二水素ナトリウム水溶液で中和した。分液漏斗を用いて分離した有機層を熱水にて洗浄した。減圧下トルエンを除去したところ、下記の平均組成式で示される構造を有する、目的の樹脂(「樹脂6」とする)を得た。GPCで測定されたポリスチレン換算の重量平均分子量は3500であった。エポキシ当量は295g/molであった。
得られた各樹脂を用いて、表1に示す各組成物を調製した。同表において、硬化剤以外の数値の単位は質量部であり、各成分は以下のとおりである。
・(C)硬化剤:4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(リカシッドMH、新日本理化(株)製)
・(D)硬化触媒:第4級ホスホニウム塩(UCAT5003、サンアプロ(株)製)
シランカップリング剤:3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM−802)
・エポキシ樹脂:3,4−エポキシシクロヘキシルメチル3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(セロキサイド2021P、ダイセル化学工業(株)製)
樹脂1を80質量部、樹脂4を20質量部、該樹脂1及び該樹脂4のエポキシ基の合計1モルに対し、酸無水物基が1モルとなる量の硬化剤、更に、該樹脂1、該樹脂4及び該硬化剤の混合物100質量部に対し、硬化触媒0.39質量部及びシランカップリング剤0.25質量部を溶融混合し、組成物を得た。溶融混合は、先ず硬化剤、硬化触媒を60℃のオーブンで溶融し、攪拌器(「あわとり錬太郎」(商品名)、シンキー社)を用いて、2000rpmで1分間、他の成分と混合し、次いで、2200rpmで1分間、脱泡して行った。
樹脂1を80質量部、樹脂5を20質量部、該樹脂1及び該樹脂5のエポキシ基の合計1モルに対し、酸無水物基が1モルとなる量の硬化剤、更に、該樹脂1、該樹脂5及び該硬化剤の混合物100質量部に対し、硬化触媒0.39質量部及びシランカップリング剤0.25質量部を、実施例1と同様に溶融混合し、組成物を得た。
樹脂2を80質量部、樹脂4を20質量部、該樹脂2及び該樹脂4のエポキシ基の合計1モルに対し、酸無水物基が1モルとなる量の硬化剤、更に、該樹脂2、該樹脂4及び該硬化剤の混合物100質量部に対し、硬化触媒0.39質量部及びシランカップリング剤0.25質量部を、実施例1と同様に溶融混合し、組成物を得た。
樹脂2を80質量部、樹脂5を20質量部、該樹脂2及び該樹脂5のエポキシ基の合計1モルに対し、酸無水物基が1モルとなる量の硬化剤、更に、該樹脂2、該樹脂5及び該硬化剤の混合物100質量部に対し、硬化触媒0.39質量部及びシランカップリング剤0.25質量部を、実施例1と同様に溶融混合し、組成物を得た。
樹脂3を80質量部、樹脂6を20質量部、該樹脂3及び該樹脂6のエポキシ基の合計1モルに対し、酸無水物基が1モルとなる量の硬化剤、更に、該樹脂3、該樹脂6及び該硬化剤の混合物100質量部に対し、硬化触媒0.39質量部及びシランカップリング剤0.25質量部を、実施例1と同様に溶融混合し、組成物を得た。
樹脂1を80質量部、樹脂4を20質量部、該樹脂1及び該樹脂4のエポキシ基の合計1モルに対し、酸無水物基が1モルとなる量の硬化剤、更に、該樹脂1、該樹脂4及び該硬化剤の混合物100質量部に対し、硬化触媒0.39質量部を、実施例1と同様に溶融混合し、組成物を得た。
樹脂1を100質量部、該樹脂1のエポキシ基1モルに対し、酸無水物基が1モルとなる量の硬化剤、更に、該樹脂1及び該硬化剤の混合物100質量部に対し、硬化触媒0.39質量部及びシランカップリング剤0.25質量部を、実施例1と同様に溶融混合し、組成物を得た。
樹脂1を78質量部、エポキシ樹脂を22質量部、該樹脂1及び該エポキシ樹脂のエポキシ基の合計1モルに対し、酸無水物基が1モルとなる量の硬化剤、更に、該樹脂1、該エポキシ樹脂及び該硬化剤の混合物100質量部に対し、硬化触媒0.39質量部及びシランカップリング剤0.25質量部を、実施例1と同様に溶融混合し、組成物を得た。
樹脂2を90質量部、エポキシ樹脂を10質量部、該樹脂2及び該エポキシ樹脂のエポキシ基の合計1モルに対し、酸無水物基が1モルとなる量の硬化剤、更に、該樹脂2、該エポキシ樹脂及び該硬化剤の混合物100部に対し、硬化触媒0.39質量部及びシランカップリング剤0.25質量部を、実施例1と同様に溶融混合し、組成物を得た。
各組成物について以下の試験を行い、結果を表2に示す。
(1)物理的特性:組成物を、100℃で2時間加熱して硬化させ、さらにポストキュアを150℃で4時間行い、厚み5mmの棒状硬化物を得た。この棒状硬化物を用いて、外観、硬度(ショアD)、曲げ弾性率及び曲げ強度(JIS K−6911)を測定した。
(2)耐熱変色性:(1)と同様にして作製した棒状硬化物を高温エージング(150℃、1000時間)に付した後の外観を調べた。
(3)耐UV試験:組成物を100℃で30分プレス成形により厚さ2mmの硬化片(6cm×6cm)に成形し、ついで150℃4時間のポストキュアを行い、試験片を作成した。該試験片に2時間UV照射(高圧水銀灯 30mW/cm2、365nm)後の光透過率を測定した。透過率は800〜300nmまで走査して透過率を測定し、初期の400nmにおける透過率を100%としたときの透過率を求めた。
(4)スライドガラス上に、該スライドガラスの外周に沿ってポリテトラフロロエチレン製のテープ(厚さ180μm)を貼り付け、形成された凹部に組成物を流し入れて、100℃で2時間、さらにポストキュアを150℃で4時間行って薄膜硬化物を作った。超微小硬度計(島津製作所(株)、DUH−W201S)を用いて該薄膜硬化物の微小硬度を測定した。
*1:硬化物が脆弱であり、曲げ強度を測定することができなかった。
*2:硬化物がゴム様で、曲げ強度を測定することができなかった。
各組成物について以下の試験を行い、結果を表3に示す。
実施例1、3及び比較例1の組成物を用いて、以下の方法でLED装置を各3個ずつ作成した。厚さ1mm、一辺が3mmで開口部が直径2.6mm、底辺部が銀メッキされたLED用プレモールドパッケージにInGaN系青色発光素子を銀ペーストにより固定した。次に外部電極と発光素子を金ワイヤーにて接続した。各組成物をパッケージ開口部に注入した。100℃で1時間、さらに150℃で2時間組成物を硬化させることでLED装置を作成した。作成したLED装置を用い、下記条件での温度サイクル試験と、65℃/95%RH下で500時間LED点灯試験(LEDの波長:450nm)を行い、パッケージ界面の接着不良、クラックの有無、並びに変色の有無を目視観察した。結果を表3に示す。
一サイクル:−40℃で20分間置き、次に125℃で20分間置く。
実施例1、3及び比較例1の組成物を用いて、以下の方法で接着試験片を作成した。銀メッキ銅板の上に各組成物を薄く塗付した上に、2mm四方のシリコンチップを置き、100℃で1時間、さらに150℃で2時間硬化させることで接着試験片を作成した。作成した接着試験片に対し、ダイボンドテスター(装置名:Dage Series 4000 Bondtester、テストスピード:200μm/s、テスト高さ:10.0μm、測定温度:25℃)を用いて切断時による接着力を測定した。
Claims (9)
- 下記(A)、(B)、(C)及び(D)成分を含み、(A)成分のエポキシ当量が200〜800g/モルであり、(B)成分のエポキシ当量が(A)成分のエポキシ当量よりも、少なくとも30g/モル小さい光半導体素子封止用組成物
(A)下記平均組成式(1)で表される、エポキシ基含有非芳香族基を有する第一のシリコーン樹脂 50〜90質量部
(式(1)において、R1はエポキシ基含有非芳香族基、R2は互いに独立に水酸基、C1-20一価炭化水素基、及びC1-6アルコキシ基から選ばれる基、R3は、互いに独立に、C1-20一価炭化水素基であり、
x及びyは互いに独立に0、1又は2の整数であり、
aは0.25〜0.75の数、
bは0.25〜0.75の数、
cは0〜0.3の数、但しa+b+c=1、であり、
nは2〜20の整数である)
(B)下記平均組成式(2)で表される、エポキシ基含有非芳香族基を有する第二のシリコーン樹脂 10〜50質量部
(式(2)において、R1、R2及びR3は上記のとおりであり、zは互いに独立に0、1又は2の整数であり、
dは0.5〜0.8の数、
eは0.2〜0.5の数、
但しd+e=1、である)
(C)エポキシ基との反応性の官能基を有する硬化剤 (A)成分中と(B)成分中のエポキシ基の合計1モルに対し、該エポキシ基と反応性の官能基が0.4〜1.5モルとなる量
(D)硬化触媒 (A)成分と(B)成分の合計100質量部に対し0.01〜3重量部。 - nが3〜20の整数である、請求項1に係る組成物。
- (A)成分のポリスチレン換算の重量平均分子量が3,000〜10,000である、請求項1に係る組成物。
- R1がβ−(3,4−エポキシシクロへキシル)エチル基またはγ−グリシドキシアルキル基である、請求項1に係る組成物。
- R3がメチル基である、請求項1に係る組成物。
- (A)成分のエポキシ当量が300〜600g/モルであり、(B)成分のエポキシ当量が250〜400g/モルである、請求項1に係る組成物。
- (C)成分が酸無水物である請求項1に係る組成物。
- メルカプト系シランカップリング剤をさらに含む請求項1に係る組成物。
- 光半導体素子と、請求項1〜8のいずれか1項記載の組成物を硬化させてなり、該光半導体素子を封止する硬化物とを有する半導体装置。
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