JP5246280B2 - 高強度鋼管用鋼板及び高強度鋼管 - Google Patents
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Description
0.6<Cu+Cr+Ni+Mo<1.5 (1)
ここで、式(1)中の各元素記号には、各元素の含有量(質量%)が代入される。
本発明者らは、鋼管が耐HIC性を有するとともに厚肉にするためには、C及びMnの含有量を低減してC及びMnの偏析を抑制するだけでなく、P及びSの含有量も低減してP及びSの偏析も抑制すべきと考えた。
割れ面積率CAR=試験片に発生したHICの面積/試験片の面積 (A)
0.6<Cu+Cr+Ni+Mo<1.5 (1)
ここで、式(1)中の各元素記号には、各元素の含有量(質量%)が代入される。
本発明による高強度鋼管用鋼板は、以下の化学組成を有する。上述のとおり、元素に関する%は、質量%を意味する。
炭素(C)は鋼の強度を高める。C含有量が0.020%以上であれば、パイプライン用鋼管として必要な強度が得られる。一方、Cが過剰に含有されれば、連続鋳造により製造された鋳片の厚み中心部に、マクロ偏析が形成されやすくなる。マクロ偏析は、HICの発生起点となる。したがって、C含有量は、0.020〜0.070%である。好ましいC含有量は、0.020%を超え、0.070%未満である。C含有量のさらに好ましい下限は0.030%であり、さらに好ましくは、0.040%である。C含有量のさらに好ましい上限は、0.065%であり、さらに好ましくは、0.060%である。
シリコン(Si)は鋼を脱酸する。Siはさらに、鋼の強度を高める。一方、Siが過剰に含有されれば、縞状マルテンサイトが生成し、HAZ靭性が低下する。さらに、Siが過剰に含有されれば、TiNが生成しやすくなる。TiNが生成されると、TiNを核として、Nb炭窒化物が生成されやすくなる。つまり、Siが過剰に含有されれば、耐HIC性が低下する。したがって、Si含有量は、0.05〜0.50%である。好ましいSi含有量は、0.05%を超え、0.50%未満である。Si含有量のさらに好ましい下限は、0.010%である。Si含有量のさらに好ましい上限は、0.40%である。
Mnは鋼の強度を高める。一方、Mnが過剰に含有されれば、鋳造時に、Mnが鋼の中心偏析部で濃化しやすく、鋼の耐HIC性を低下する。したがって、Mn含有量は、1.10〜1.60%である。好ましいMn含有量は、1.10%を超え、1.60%未満である。Mn含有量のさらに好ましい下限は、1.15%であり、さらに好ましくは、1.20%である。Mn含有量のさらに好ましい上限は、1.50%であり、さらに好ましくは1.40%である。
燐(P)は不純物である。鋼が凝固するとき、固溶界面におけるPの分配係数は小さい。そのため、Pは鋼の中心偏析部で濃化しやすく、耐HIC性を低下する。つまり、Pの偏析により、鋼の耐HIC性が低下する。そのため、Pの含有量はなるべく低い方が好ましい。したがって、P含有量は、0.008%以下である。好ましいP含有量は0.008%未満であり、さらに好ましくは、0.007%以下であり、さらに好ましくは、0.006%以下であり、さらに好ましくは、0.005%以下である。
硫黄(S)は不純物である。Sは、Pと同様に、鋼の中心偏析部に濃化しやすい。Sはさらに、鋼の中心偏析部でMnSを形成する。MnSは、HICの発生起点となる。そのため、S含有量はなるべく低い方が好ましい。したがって、S含有量は、0.0006%以下である。好ましいS含有量は、0.0006%未満であり、さらに好ましくは、0.0005%以下であり、さらに好ましくは、0.0004%以下である。
銅(Cu)は、鋼の焼入れ性を向上し、鋼の強度を高める。一方、Cuが過剰に含有されれば、鋼の熱間加工性や被削性が低下する。Cuが過剰に含有されればさらに、連続鋳造時において、鋳片の表面が割れやすくなる。したがって、Cu含有量は、0.05〜0.50%である。好ましいCu含有量は、0.05%を超え、0.50%未満である。Cu含有量のさらに好ましい下限は、0.10%であり、さらに好ましくは、0.15%である。Cu含有量のさらに好ましい上限は、0.45%であり、さらに好ましくは、0.40%である。
クロム(Cr)は、鋼の強度を大幅に高める。Crはさらに、鋼の靭性を高める。一方、Crが過剰に含有されれば、溶接性が低下し、溶接割れが発生しやすくなる。したがって、Cr含有量は、0.05〜0.50%である。好ましいCr含有量は、0.05%を超え、0.50%未満である。好ましいCr含有量の下限は、0.10%であり、さらに好ましくは、0.15%である。鋼の溶接性の低下を抑制する場合、Cr含有量の好ましい上限は、0.45%であり、さらに好ましくは0.40%である。
ニッケル(Ni)は、固溶強化により鋼の強度を高める。Niはさらに、鋼の靭性を高める。一方、Niが過剰に含有されれば、その効果は飽和し、さらに過剰に含有されれば、鋼の溶接性が低下する。したがって、Ni含有量は、0.05〜1.00%である。好ましいNi含有量は、0.05%を超え、1.00%未満である。Ni含有量の好ましい下限は、0.10%であり、さらに好ましくは、0.15%である。Ni含有量の好ましい上限は、0.80%であり、さらに好ましくは、0.60%である。
モリブデン(Mo)は、選択元素である。Moは、鋼の焼入れ性を向上し、鋼の強度を高める。さらに、Moのミクロ偏析は生じにくいため、Moは、中心偏析に起因するHICの発生を抑制する。一方、Moは高価であるため、製造コストを増大させる。したがって、Mo含有量は、0.50%以下である。好ましいMo含有量は、0.50%未満である。Mo含有量の好ましい下限は、0.02%である。Mo含有量のさらに好ましい上限は、0.30%以下である。
ニオブ(Nb)は、鋼中で炭窒化物を形成する。Nb炭窒化物は、鋼の強度及び靭性を高める。Nbは特に、鋼板のミクロ組織を制御する。一方、Nbが過剰に含有されれば、Nb炭窒化物が粗大化して、耐HIC性が低下する。したがって、Nb含有量は、0.005〜0.080%である。好ましいNb含有量は、0.005%を超え、0.080%未満である。Nb含有量のさらに好ましい下限は、0.010%であり、さらに好ましくは、0.020%である。Nb含有量のさらに好ましい上限は、0.060%であり、さらに好ましくは、0.050%である。
バナジウム(V)は、鋼中に固溶したり、炭窒化物を形成したりすることにより、鋼の強度を高める。一方、Vが過剰に含有されれば、溶接熱影響部でV炭窒化物が粗大化し、鋼の靭性が低下する。したがって、V含有量は、0.005〜0.080%である。好ましいV含有量は、0.005%を超え、0.080%未満である。V含有量のさらに好ましい下限は、0.010%であり、さらに好ましくは、0.020%である。V含有量のさらに好ましい上限は、0.060%であり、さらに好ましくは、0.050%である。
チタン(Ti)は、鋼の強度を高める。Tiはさらに、窒素(N)と結合してTiNを形成する。TiNは、NbNやAlNの生成を抑制する。NbNやAlNは、連続鋳造時においてγ粒界に動的析出し、鋳片の表面割れを引き起こすので、Tiは、NbN及びAlNによる鋳片の表面割れも抑制する。一方、Tiが過剰に含有されれば、溶接靭性が低下する。さらに、Tiが過剰に含有され、過剰にTiNが生成されれば、TiNが核となり、粗大なNb炭窒化物が生成される。粗大なNb炭窒化物は、耐HIC性を低下する。さらに、過剰にTiが含有されると、過剰なTi炭窒化物が形成される。Ti炭窒化物も、Nb炭窒化物と同様に、耐HIC性を低下する。したがって、Ti含有量は、0.005〜0.030%である。好ましいTi含有量は、0.005%を超え、0.030%未満である。Ti含有量のさらに好ましい下限は、0.008%である。Ti含有量のさらに好ましい上限は、0.025%である。
窒素(N)は、転炉等を用いて大気中で溶製する場合、鋼中に不可避的に含有される。NはAlやTi等と結合し、窒化物を形成する。これらの窒化物は、熱間加工工程において、結晶粒を微細化する。一方、Nが過剰に含有されれば、粗大なNb窒化物、Nb炭窒化物が形成され、耐HIC性が低下する。Nが過剰に含有されればさらに、上述のとおり、連続鋳造時において、Nb窒化物やAl窒化物がγ粒界に過剰に動的析出し、鋳片表面割れを引き起こす。したがって、N含有量は、0.0015〜0.0070%である。好ましいN含有量は、0.0015%を超え、0.0070%未満である。N含有量のさらに好ましい下限は、0.0020%であり、さらに好ましくは、0.0025%である。N含有量のさらに好ましい上限は、0.0050%であり、さらに好ましくは、0.0040%である。
アルミニウム(Al)は、鋼を脱酸する。Alはさらに、鋳造時における鋼中のCa含有量の歩留まりを高め、鋼の耐HIC性を向上する。Al含有量が少なすぎれば、鋼が十分に脱酸されず、鋼中のCaの歩留まりが低下する。鋼中のCa含有量の歩留まりが低下すれば、硫化物が生成しやすくなり、又は、Sの偏析が生じやすくなる。硫化物やS偏析は、耐HIC性を低下する。一方、Alが過剰に含有されれば、脱酸により生成されるアルミナが過剰に生成され、HICの起点となる。したがって、Al含有量は、0.005〜0.060%である。好ましいAl含有量は、0.005%を超え、0.060%未満である。Al含有量のさらに好ましい下限は、0.010%であり、さらに好ましくは、0.015%である。Al含有量のさらの好ましい上限は、0.050%であり、さらに好ましくは、0.045%である。
カルシウム(Ca)は、HICの発生起点となるMnSの形態を球状に制御し、HICの発生を抑制する。Caはさらに、CaSを形成し、MnSの生成を抑制する。一方、Caが過剰に含有されれば、その効果は飽和し、製造コストが増加する。したがって、Ca含有量は、0.0005%〜0.0060%である。好ましいCa含有量は、0.0005%を超え、0.0060%未満である。Ca含有量のさらに好ましい下限は、0.0010%である。Ca含有量のさらに好ましい上限は、0.0040%である。
0.6<Cu+Cr+Ni+Mo<1.5 (1)
ここで、式(1)中の各元素記号には、各元素の含有量(質量%)が代入される。
本発明による高強度鋼管用鋼板の組織は、ベイニティックフェライト単相である。ここでいう単相とは、ベイニティックフェライトと、介在物や析出物とを含有する。本発明による高強度鋼管用鋼板の組織は、マルテンサイト等の低温変態組織を含有しない。そのため、CやMn、P及びS等の中心偏析の発生が抑制される。
本発明による高強度鋼管は溶接管である。高強度鋼管は、管状に成形された上述の高強度鋼管用鋼板である母材と、溶接部とを備える。溶接部は鋼管長手方向に延びる直線状であってもよいし、鋼管に対してスパイラル状であってもよい。溶接部は、熱影響部(HAZ)と溶接金属とを含む。要するに、本発明による高強度鋼管は、母材と、溶接金属とを備える。以下、溶接金属について詳述する。
高強度鋼管の溶接金属の化学組成は、以下の元素を含有する。
炭素(C)は、溶接金属の強度を高める。一方、Cが過剰に含有されれば、溶接金属の靭性が低下する。したがって、C含有量は、0.010〜0.150%である。
シリコン(Si)は、溶接金属を脱酸する。Si含有量が少なすぎれば、溶接金属に空気が混入し、欠陥を形成する。一方、Siが過剰に含有されれば、溶接金属の靭性が低下する。したがって、Si含有量は、0.02〜0.60%である。
マンガン(Mn)は、溶接金属の強度と靭性とを高める。Mnはさらに、フェライトの析出核となる複合酸化物を形成する。Mnが複合酸化物を形成すると、フェライトが形成され、鋼の靭性が高める。一方、Mnが過剰に含有されれば、溶接金属の靭性が低下する。したがって、Mn含有量は、0.60〜3.00%である。
ニッケル(Ni)は、溶接金属の強度と靭性とを高める。一方、Niが過剰に含有されれば、鋼の溶接性が低下する。したがって、Ni含有量は、0.10〜2.00%である。好ましくは、溶接金属のNi含有量は、母材のNi含有量よりも高い。さらに好ましくは、溶接金属のNi含有量は、母材のNi含有量よりも0.2%以上高い。この場合、溶接金属の腐食電位が母材の腐食電位よりも高くなる。そのため、溶接金属の腐食が抑制される。
チタン(Ti)は、溶接金属の靭性を高める。具体的には、Tiは複合酸化物を形成する。複合酸化物は、フェライトの析出核となる。Tiにより複合酸化物が形成されると、フェライトが形成され、溶接金属の靭性が高まる。一方、Tiが過剰に含有されれば、溶接金属の靭性が低下する。したがって、Ti含有量は、0.003〜0.030%である。
アルミニウム(Al)は、Tiと同様に、複合酸化物を形成する。そのため、Alは溶接金属の靭性を高める。一方、Alが過剰に含有されれば、溶接金属の靭性が低下する。したがって、Al含有量は、0.004〜0.080%である。
本実施の形態による高強度鋼管用鋼板及び高強度鋼管の製造方法について説明する。上述した本発明の高強度鋼管用鋼板の化学組成を満たす溶鋼を連続鋳造法により鋳片にする(連続鋳造工程)。製造された鋳片を圧延して高強度鋼管用鋼板にする(圧延工程)。高強度鋼管用鋼板を製管して高強度鋼管にする(製管工程)。以下、それぞれの工程について詳細に説明する。
周知の方法により精錬された溶鋼を連続鋳造法により鋳片(スラブ)にする。このとき、連続鋳造中のスラブ内の未凝固溶鋼を電磁攪拌し、かつ、最終凝固位置近傍でスラブを圧下してもよい。この場合、P偏析度及びS偏析度が、より低減される。
連続鋳造工程で製造されたスラブを加熱炉で加熱する(加熱工程)。加熱されたスラブを圧延機で圧延して鋼板にする(加工工程)。圧延後の鋼板を直ちに冷却する(冷却工程)。冷却後、必要に応じて焼き戻しを実施する(焼き戻し工程)。以下に示す加熱工程、加工工程、冷却工程及び焼き戻し工程に基づいて圧延工程を実施すれば、高強度鋼管用鋼板は上述の組織を有する。
加熱炉でのスラブの加熱温度は1000〜1250℃にする。加熱温度が高すぎれば、オーステナイト粒が粗大化するため、結晶粒を微細化できない。一方、加熱温度が低すぎれば、圧延中の結晶粒の微細化及び圧延後の析出強化に寄与するNbを固溶できない。つまり、加熱温度を1000〜1250℃にすることで、オーステナイト粒の粗大化を抑制し、かつ、Nbを固溶させることができる。
6770/(2.26−log(Nb×C))−73>T≧6770/(2.26−log(Nb×C))−273 (2)
ここで、式(2)中の各元素記号には、各元素の含有量(質量%)が代入される。
この場合、鋼中のNbが固溶しやすい。
圧延中の素材温度はオーステナイト未再結晶温度域とする。オーステナイト未再結晶温度域とは、圧延等の加工により導入された高密度の転位が界面の移動を伴いながら急激に消失する温度域であり、具体的には、Ar3点−60℃〜Ar3点の温度域である。
Ar3=910−310×C−80×Mn−20×Cu−15×Cr−55×Ni−80×Mo+0.35−(t−8) (3)
ここで、式(3)中の各元素記号には、各元素の含有量(質量%)が代入される。また、記号tには、最終圧延完了後の鋼板の厚さ(mm)が代入される。
圧延率={スラブの断面積(厚さ×幅)}/{最終圧延完了後の鋼板の断面積(厚さ×幅)}×100 (4)
最終圧延完了後、速やかに鋼板を冷却する。つまり、加速冷却を実施する。圧延後の冷却速度は、10〜50℃/secとするのが好ましい。冷却速度が遅すぎれば、鋼板の組織が、ベイニティックフェライト単相になりにくい。一方、冷却速度が速すぎれば、表面硬さが過剰に高くなる。冷却方法はたとえば水冷である。
冷却後、必要に応じてAc1点未満で焼き戻しを実施する。たとえば、表面硬さや靭性を調整する必要がある場合、焼き戻しを実施する。なお、焼き戻しは必須の処理ではないため、焼き戻し処理を実施しなくてもよい。
上述の圧延工程により製造された鋼板をUプレス、Oプレス等により成形しオープンパイプにする。続いて、オープンパイプの長手方向の両端面をサブマージアーク溶接法等の周知の溶接法により、上述の溶接金属を含む溶接部を形成する。以上の工程により溶接鋼管である高強度鋼管が製造される。溶接部が形成された高強度鋼管に対して焼き入れを実施し、必要に応じて焼き戻しを実施する。
JISZ2201に準拠した引張試験片を、製造された鋼管から採取した。引張試験片は、鋼管の肉厚中央部から鋼管軸方向と垂直な方向(鋼管の周方向)に採取した。得られた引張試験片を用いて、常温で引張試験を実施し、鋼管周方向の引張強度(MPa)を測定した。
各試験番号の鋼管のP偏析度を以下の方法で求めた。鋼管の横断面(鋼管軸方向と垂直方向の断面)から、鋼管の肉厚中央部を含むサンプルを採取した。採取されたサンプルに対してマクロエッチを実施し、肉厚中心部の偏析線を確認した。偏析線内の任意の5箇所でEPMAによる線分析を実施し、5箇所のPの偏析ピーク値の算術平均値をP(t/2)と定義した。
P偏析度=P(t/2)/P(t/4) (5)
S偏析度=S(t/2)/S(t/4) (6)
各試験番号の鋼管から試験片(厚さ10mm、幅20mm、長さ100mm)を採取した。採取された試験片を用いてHIC試験を行った。pHが4.0で5%の食塩水を含有し、H2S分圧が0.01×105Pa(残部は窒素)の気体で飽和させた、25℃の酢酸水溶液を試験液として準備した。準備された試験液に試験片を96時間浸漬した。試験後の各試験片に発生したHICの面積を超音波探傷法により測定し、式(A)より割れ面積率CARを求めた。なお、式(A)中の試験片の面積は20mm×100mmとした。
表1中の試験結果を示す。表1中の「偏析度」欄に、P偏析度及びS偏析度を示す。「引張強度」欄に、引張強度(MPa)を示す。「CAR」欄に、HIC試験により得られた割れ面積率CAR(%)を示す。
Claims (2)
- 質量%で、C:0.020〜0.070%、Si:0.05〜0.50%、Mn:1.10〜1.60%、P:0.008%以下、S:0.0006%以下、Cu:0.05〜0.50%、Cr:0.05〜0.50%、Ni:0.05〜1.00%、Mo0.50%以下、Nb:0.005〜0.080%、V:0.005〜0.080%、Ti:0.005〜0.030%、N:0.0015〜0.0070%、Al:0.005〜0.060%及びCa:0.0005〜0.0060%を含有し、残部はFe及び不純物からなり、式(1)を満たし、管状に形成された母材と、
質量%で、C:0.010〜0.150%、Si:0.02〜0.60%、Mn:0.60〜3.00%、Ni:0.10〜2.00%、Ti:0.003〜0.030%及びAl:0.004〜0.080%を含有する溶接金属とを備え、
前記溶接金属のNi含有量は、前記母材のNi含有量よりも0.2%以上高く、前記溶接金属の腐食電位は、前記母材に対して貴である、高強度鋼管。
0.6<Cu+Cr+Ni+Mo<1.5 (1)
ここで、式(1)中の各元素記号には、各元素の含有量(質量%)が代入される。 - 請求項1に記載の高強度鋼管であって、
前記母材の肉厚は30.00mm以上であり、前記母材の周方向の引張強度は、570MPa以上である、高強度鋼管。
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