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JP5136114B2 - ガスバリア膜の作製方法及び作製装置 - Google Patents

ガスバリア膜の作製方法及び作製装置 Download PDF

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JP5136114B2 JP2008038558A JP2008038558A JP5136114B2 JP 5136114 B2 JP5136114 B2 JP 5136114B2 JP 2008038558 A JP2008038558 A JP 2008038558A JP 2008038558 A JP2008038558 A JP 2008038558A JP 5136114 B2 JP5136114 B2 JP 5136114B2
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Description

本発明は、透過率のよいガスバリア膜を備えたガスバリアフィルム、そのガスバリア膜の作製方法及び作製装置に関する。
近年、フレキシブルディスプレイの実現のため、フレキシブルな基材フィルム上に有機EL素子や半導体素子を作製する試みが広く行われている。しかし、有機EL素子を構成する発光材料や半導体素子を構成する半導体材料は、水や酸素で劣化が進行するものが多く、その劣化を防ぐため、高いガスバリア性を有するガスバリア膜の研究開発が行われている。ガスバリア膜のガスバリア性能を高めるためには、ガスバリア性を有する膜を多層化することが効果的であり、例えば特許文献1には、スパッタリング法により形成した酸窒化ケイ素膜の積層体からなるガスバリア膜が提案されている。また、組成の異なる膜(例えばSiON膜とSiO膜)を積層してガスバリア性を改善している例もある。
特開2004−276564号公報
しかしながら、上記特許文献1で例示されるガスバリア膜は、ガスバリア性の向上の点では効果的ではあるものの、上記のようなディスプレイ用途に使用する場合には、積層した各層の界面が光学界面となって光の反射が生じて透過率が減少したり干渉色が発生したりするという難点がある。また、組成の異なる膜を積層したガスバリア膜は、それぞれの膜の屈折率が異なるために、上記同様、積層した各層の界面が光学界面となって透過率が減少したり干渉色が発生したりするという難点がある。こうした問題に対し、各層の膜厚を調整して、透過率や色みを調整することは原理的には可能であるが、精密な膜厚制御が必要なため大量生産には適さない。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、ディスプレイ用途に好ましく用いることができる、透過率と色味に優れたガスバリア膜を備えたガスバリアフィルムを提供することにある。また、本発明の他の目的は、そうしたガスバリア膜の作製方法及び作製装置を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明のガスバリアフィルムは、基材フィルムと、該基材フィルム上に設けられた、ケイ素、酸素及び窒素を含有するガスバリア膜とを少なくとも有するガスバリアフィルムであって、前記ガスバリア膜は、その厚さ方向に、酸素含有量が窒素含有量よりも多い領域Aと、窒素含有量が酸素含有量よりも多い領域Bと、領域Aと領域Bとの間にあって領域Aの酸素含有量が徐々に減少するとともに領域Bに向かって窒素含有量が徐々に増加する領域Cと、を有することを特徴とする。
この発明によれば、ガスバリア膜はその厚さ方向において、領域Aの酸素含有量が徐々に減少するとともに領域Bに向かって窒素含有量が徐々に増加する領域Cの前後に、領域A(酸素含有量が窒素含有量よりも多い領域)と領域B(窒素含有量が酸素含有量よりも多い領域)が形成されているので、従来の積層タイプのガスバリア膜のような光学界面が存在しない。その結果、このガスバリアフィルムをディスプレイ用途に適用した場合に、積層体を構成する各層の界面(光学界面)での光の反射が生じないので、透過率の低下や干渉色の発生が起こらない。
本発明のガスバリアフィルムの好ましい態様は、前記ガスバリア膜が、前記基材フィルム側から、(1)領域A、領域C、領域Bの順で形成された積層体、(2)領域B、領域C、領域Aの順で形成された積層体、(3)領域A、領域C、領域B、領域C、領域Aの順で形成された積層体、のいずれかであるように構成する。
これらの発明によれば、領域Cの前後に領域Aと領域Bが形成され、酸素と窒素の含有量がガスバリア膜の厚さ方向で連続的に変化して光学界面が存在しないように構成されているので、このガスバリアフィルムをディスプレイ用途に適用した場合に、光の反射による透過率の低下が生じない。さらに、(1)と(3)の構成では、基材フィルム側に酸素含有量の多い領域Aが形成されているが、この領域Aは、窒素含有量が多く比較的脆いがガスバリア性能に優れる領域Bの緩衝膜として作用するので、基材フィルムが曲げや熱膨張により伸縮等した場合であっても、クラックや欠陥のないガスバリア膜を構成することができ、ガスバリア性を向上させることができる。また、(2)と(3)の構成では、基材フィルムの反対側に酸素含有量の多い領域Aが形成されているが、この領域Aは、窒素含有量が多い領域Bに比べて屈折率が小さいので、低反射膜として作用し、空気層との界面での光の反射を低減することができる。
本発明のガスバリアフィルムの好ましい態様は、前記基材フィルムと前記ガスバリア膜との間に及び/又は前記ガスバリア膜の上に、平坦化膜が形成されているように構成する。基材フィルムとガスバリア膜との間に平坦化膜を形成すれば、基材フィルム表面が有する凹凸や突起をなくすことができるので、ガスバリア膜を均一に形成することができ、ガスバリア性をより高めることができる。また、ガスバリア膜の上に平坦化膜を形成すれば、最外層のガスバリア膜の表面が有する凹凸や突起をなくすことができるので、特にディスプレイ用途に適用した場合に、ムラやぎらつき等をなくすことができる。
本発明のガスバリアフィルムの好ましい態様は、前記ガスバリア膜が、前記基材フィルムの両面に形成されているように構成する。この発明によれば、上記作用効果を奏するガスバリア膜を基材フィルムの両面に設けるので、透過率がよく、ガスバリア性のよいガスバリアフィルムとすることができる。
上記課題を解決するための本発明のガスバリア膜の作製方法は、長尺の基材フィルムの移動方向にケイ素、酸素及び窒素を含むガスバリア膜を形成する複数の成膜ステップを有するガスバリア膜の作製方法であって、前記成膜ステップのうち隣接する成膜ステップには、酸素及び/又は窒素を含んだ組成の異なるガスを供給し、前記隣接する成膜ステップ間が開口部を有する隔壁で仕切られ、前記成膜ステップ内に供給されたガスの一部が前記開口部を通って隣接する成膜ステップ内に混合し、その状態下で各成膜ステップで成膜が行われることを特徴とする。
この発明によれば、複数の成膜ステップのうち隣接する成膜ステップには、酸素及び/又は窒素を含んだ組成の異なるガスが供給され、隣接する成膜ステップ間が開口部を有する隔壁で仕切られ且つ成膜ステップ内に供給されたガスがその開口部を通って隣接する成膜ステップ内に混合するので、その状態下で各成膜ステップで成膜を行うことにより、各成膜ステップで順次成膜されたガスバリア膜は、開口部のない隔壁を用いて成膜した膜のような層間界面が存在しない。すなわち、本発明で作製されたガスバリア膜は、ガスバリア膜の厚さ方向において、酸素含有量が窒素含有量よりも多い領域Aと、窒素含有量が酸素含有量よりも多い領域Bと、領域Aと領域Bとの間にあって領域Aの酸素含有量が徐々に減少するとともに領域Bに向かって窒素含有量が徐々に増加する領域Cとを有するように成膜されるので、従来の積層タイプのガスバリア膜のような光学界面が存在しない。その結果、得られたガスバリアフィルムをディスプレイ用途に適用した場合に、積層体を構成する各層の界面(光学界面)での光の反射が生じないので、透過率の低下や干渉色の発生が起こらない。本発明のガスバリア膜の作製方法は、上記作用効果を奏するガスバリア膜を、長尺の基材フィルムの移動方向に、開口部を有する隔壁で仕切った複数の成膜ステップで順次成膜するという大量生産に適した簡易で効率的な製造方法である。
本発明のガスバリア膜の作製方法の好ましい態様として、前記成膜ステップが、前記基材フィルムの移動方向に、酸素ガスを主に供給して酸素含有量が窒素含有量よりも多い膜を形成する成膜ステップIと、窒素ガスを主に供給して窒素含有量が酸素含有量よりも多い膜を形成する成膜ステップIIと、を少なくとも有するように構成する。
具体的には、前記基材フィルムの移動方向に、(1)成膜ステップI、成膜ステップIIの順で配置されている、(2)成膜ステップII、成膜ステップIの順で配置されている、(3)成膜ステップI、成膜ステップII、成膜ステップIの順で配置されている、のいずれかとなるように構成する。
これらの発明によれば、前記ガスバリア膜が、前記基材フィルム側から、(1)領域A(酸素含有量が窒素含有量よりも多い領域)、領域C(領域Aの酸素含有量が徐々に減少するとともに領域Bに向かって窒素含有量が徐々に増加する領域)、領域B(窒素含有量が酸素含有量よりも多い領域)の順で形成された積層体、(2)領域B、領域C、領域Aの順で形成された積層体、(3)領域A、領域C、領域B、領域C、領域Aの順で形成された積層体、のいずれかであるように構成することができる。
本発明のガスバリア膜の作製方法の好ましい態様は、前記成膜ステップの前に及び/又は後に、平坦化膜を形成するステップを有するように構成する。
上記課題を解決する本発明のガスバリア膜の作製装置は、長尺の基材フィルムの移動方向にケイ素、酸素及び窒素を含むガスバリア膜を形成する複数の成膜室を有するガスバリア膜の作製装置であって、前記基材フィルムを供給する供給装置と、前記ガスバリア膜を形成した後の基材フィルムを巻き取る巻取装置と、前記供給装置と巻取装置との間に設けられて前記ガスバリア膜を形成する複数の成膜室とを少なくとも有し、前記成膜室のうち隣接する成膜室には、酸素及び/又は窒素を含んだ組成の異なるガスを供給する供給配管が設けられ、前記隣接する成膜室間には、開口部を有する隔壁が設けられていることを特徴とする。
この発明によれば、上記の作製方法と同様、複数の成膜室のうち隣接する成膜室には、酸素及び/又は窒素を含んだ組成の異なるガスを供給する供給配管が設けられ、隣接する成膜室間には、開口部を有する隔壁が設けられているので、成膜室内に供給されたガスがその開口部を通って隣接する成膜室内に混合する。その結果、そうした状態下で各成膜室で成膜を行うことにより、各成膜室で順次成膜されたガスバリア膜は、開口部のない隔壁を用いて成膜した膜のような層間界面が存在しない。
すなわち、本発明の作製装置で作製されたガスバリア膜は、ガスバリア膜の厚さ方向において、酸素含有量が窒素含有量よりも多い領域Aと、窒素含有量が酸素含有量よりも多い領域Bと、領域Aと領域Bとの間にあって領域Aの酸素含有量が徐々に減少するとともに領域Bに向かって窒素含有量が徐々に増加する領域Cとを有するように成膜されるので、従来の積層タイプのガスバリア膜のような光学界面が存在しない。その結果、得られたガスバリアフィルムをディスプレイ用途に適用した場合に、積層体を構成する各層の界面(光学界面)での光の反射が生じないので、透過率の低下や干渉色の発生が起こらない。本発明のガスバリア膜の作製装置は、上記作用効果を奏するガスバリア膜を、長尺の基材フィルムの移動方向に、開口部を有する隔壁で仕切った複数の成膜室で順次成膜するという大量生産に適した簡易で効率的な製造装置である。
本発明のガスバリアフィルムによれば、従来の積層タイプのガスバリア膜のような光学界面が存在しないので、のガスバリアフィルムをディスプレイ用途に適用した場合に、積層体を構成する各層の界面(光学界面)での光の反射が生じず、透過率の低下や干渉色の発生が起こらない。
本発明のガスバリア膜の作製方法によれば、各成膜ステップで順次成膜されたガスバリア膜は、開口部のない隔壁を用いて成膜した膜のような層間界面が存在しないので、従来の積層タイプのガスバリア膜のような光学界面が存在しない。その結果、得られたガスバリアフィルムをディスプレイ用途に適用した場合に、積層体を構成する各層の界面(光学界面)での光の反射が生じず、透過率の低下や干渉色の発生が起こらない。この作製方法は、上記作用効果を奏するガスバリア膜を、長尺の基材フィルムの移動方向に、開口部を有する隔壁で仕切った複数の成膜ステップで順次成膜するという大量生産に適した簡易で効率的な製造方法である。
本発明のガスバリア膜の作製装置によれば、上記の作製方法と同様、成膜室内に供給されたガスがその開口部を通って隣接する成膜室内に混合するので、そうした状態下で各成膜室で成膜を行うことにより、各成膜室で順次成膜されたガスバリア膜は、開口部のない隔壁を用いて成膜した膜のような層間界面が存在しない。その結果、得られたガスバリアフィルムをディスプレイ用途に適用した場合に、従来の積層タイプのガスバリア膜のような積層体を構成する各層の界面(光学界面)での光の反射が生じないので、透過率の低下や干渉色の発生が起こらない。この作製装置は、上記作用効果を奏するガスバリア膜を、長尺の基材フィルムの移動方向に、開口部を有する隔壁で仕切った複数の成膜室で順次成膜するという大量生産に適した簡易で効率的な製造装置である。
次に、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を超えない範囲において任意に変形して実施することができる。最初に、ガスバリアフィルムについて説明した後、ガスバリアフィルムを構成するガスバリア膜の作製装置と作製方法について説明する。
[ガスバリアフィルム]
図1は、本発明のガスバリアフィルムの例を示す断面図である。本発明のガスバリアフィルム1(1A,1B,1C)は、図1(A)〜(C)に示すように、基材フィルム2と、その基材フィルム2上に設けられたガスバリア膜3とを少なくとも有している。ガスバリア膜3は、ケイ素、酸素及び窒素を含有し、その厚さ方向に、酸素含有量が窒素含有量よりも多い領域Aと、窒素含有量が酸素含有量よりも多い領域Bと、領域Aと領域Bとの間にあって領域Aの酸素含有量が徐々に減少するとともに領域Bに向かって窒素含有量が徐々に増加する領域Cと、を有している。
(基材フィルム)
基材フィルム2は、ガスバリア膜3を形成することができるフィルムであれば特に制限はない。基材フィルム2の具体的な構成材料としては、環状ポリオレフィン等の非晶質ポリオレフィン(APO)系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン2,6−ナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂、ポリイミド(PI)樹脂、ポリエーテルイミド(PEI)樹脂、ポリサルホン(PS)樹脂、ポリエーテルサルホン(PES)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリアリレート(PAR)樹脂、シクロポリオレフィン(CPO)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、ポリアミド(PA)樹脂、エチレン−四フッ化エチレン共重合体(ETFE)、三フッ化塩化エチレン(PFA)、四フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(FEP)、フッ化ビニリデン(PVDF)、フッ化ビニル(PVF)、パーフルオロ−パーフロロプロピレン−パーフロロビニルエーテル共重合体(EPA)等のいずれかからなる高分子基材であれば特に制限はない。
また、基材フィルム2の構成材料として、上記の樹脂以外にも、ラジカル反応性不飽和化合物を有するアクリレート化合物よりなる樹脂組成物や、上記アクリレート化合物とチオール基を有するメルカプト化合物よりなる樹脂組成物、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、メタクリレート等のオリゴマーを多官能アクリレートモノマーに溶解した樹脂組成物等の光硬化性樹脂、及びこれらの混合物等を用いることもできる。さらに、これらの樹脂の1種又は2種以上をラミネート、コーティング等の手段により積層させたものを基材フィルム2として用いることもできる。
上記の構成材料からなる基材フィルム2の中でも、ディスプレイ用途では、透明で、ある程度の耐熱性を有する基材フィルムが特に好ましい。その理由は、ガスバリアフィルムをディスプレイ用途に使用する場合、150℃以上の温度がガスバリアフィルムに加わる場合が多く、少なくともガラス転移温度が60℃以上、好ましくは100℃以上、より好ましくは150℃以上であるような耐熱性を有する基材フィルムを用いることが好ましい。こうした基材フィルム2としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂、ポリカーポネート(PC)樹脂、ポリエーテルスルホン(PES)樹脂、透明ポリイミド(PI)樹脂、シクロポリオレフィン(CPO)樹脂、ポリアリレート(PAR)樹脂のいずれかからなる基材フィルムを好ましく挙げることができる。
基材フィルム2の厚さは、3μm以上500μm以下、好ましくは12μm以上300μm以下程度であることが好ましい。この範囲内の厚さの基材フィルム2は、フレキシブルであるとともに、ロール状に巻き取ることもできるので好ましい。
基材フィルム2は、長尺材であってもよいし枚葉材であってもよいが、長尺の基材フィルムを好ましく用いることができる。長尺の基材フィルム2の長手方向の長さは特に限定されないが、例えば10m以上の長尺フィルムが好ましく用いられる。なお、長さの上限は限定されず、例えば10km程度のものであってもよい。
(ガスバリア膜)
ガスバリア膜3は、ケイ素、酸素及び窒素を含有するケイ素化合物からなる膜であって、上記の基材フィルム2上に設けられている。このガスバリア膜3は、図1に示すように、その厚さ方向に、酸素含有量が窒素含有量よりも多い領域Aと、窒素含有量が酸素含有量よりも多い領域Bと、領域Aと領域Bとの間にあって領域Aの酸素含有量が徐々に減少するとともに領域Bに向かって窒素含有量が徐々に増加する領域Cと、を有している。
具体的なガスバリア膜3としては、基材フィルム側から、「領域A、領域C、領域B」の順で形成された積層体(図1(A))、「領域B、領域C、領域A」の順で形成された積層体(図1(B))、又は、「領域A、領域C、領域B、領域C、領域A」の順で形成された積層体(図1(C))、のいずれかを挙げることができる。さらに、それらを繰り返したもの、例えば、基材フィルム側から、「領域A、領域C、領域B、領域C、領域A、領域C、領域B」の順で形成された積層体、「領域B、領域C、領域A、領域C、領域B、領域C、領域A」の順で形成された積層体、「領域A、領域C、領域B、領域C、領域A、領域C、領域B、領域C、領域A」の順で形成された積層体、等を挙げることができる。
図2は、ガスバリア膜を構成するケイ素化合物中の各元素の含有割合の模式図である。図2に示すように、ガスバリア膜3は、その厚さ方向において、領域Aの酸素含有量が徐々に減少するとともに領域Bに向かって窒素含有量が徐々に増加する領域Cの前後に、領域A(酸素含有量が窒素含有量よりも多い領域)と領域B(窒素含有量が酸素含有量よりも多い領域)が形成されている。このように、領域Cの前後に領域Aと領域Bが形成され、酸素と窒素の含有量がガスバリア膜の厚さ方向で連続的に変化して光学界面が存在しないように構成されているので、従来の積層タイプのガスバリア膜のように、異なる組成が段差となって表れる層間界面がなく、光の屈折率が顕著に異なるいわゆる光学界面が存在しない。その結果、このガスバリア膜3を基材フィルム2上に形成してなるガスバリアフィルム1をディスプレイ用途に適用した場合に、積層体(ガスバリア膜3)を構成する各層の界面(光学界面)での光の反射が生じないので、透過率の低下や干渉色の発生が起こらないという効果がある。なお、図2に示す各元素の含有量は、厚さ方向において変化する態様を説明するための相対的なものであって、酸素と窒素の含有量の大小を絶対値として示すものではないので、図2に示す態様に限定されない。
本発明において、ケイ素、酸素及び窒素を含有するケイ素化合物からなるガスバリア膜3は、SiNとして表すことができる。各領域(A,B,C)の組成は、例えば領域A(酸素含有量が窒素含有量よりも多い領域)は、x<y、x=0〜0.1、y=1〜2、好ましくは1.5〜1.8の範囲を例示でき、領域B(窒素含有量が酸素含有量よりも多い領域)は、y≦1.5x+2、y≧1.5x+1.6、0.05≦y≦0.5の範囲を例示できる。これらの各領域の組成は、化学量論比である必要はなく、ケイ素に酸素と窒素が化合したものであれば化学量論比からずれていてもよい。
各領域について詳しく説明すれば、領域Aは、酸素含有量が多いので、窒素含有量が多い領域Bに比べて脆くない。そのため、この領域Aを基材フィルム側に設けることにより、基材フィルム2が曲げや熱膨張により伸縮等した場合であっても、比較的脆い領域Bに生じるおそれのあるクラックや欠陥の発生を防ぎ、ガスバリア性を向上させることができる。すなわち、図1(A)(C)に示すように、基材フィルム上に設けられた領域Aは、領域Bに生じるおそれのあるクラックや欠陥の発生を防ぐための緩衝膜として作用する。
また、酸素含有量の多い領域Aは、窒素含有量が多い領域Bに比べて屈折率が低い。具体的には、窒素が含まれないSiO膜の屈折率(1.45程度)と同程度又はそれよりも若干大きい値となっており、高分子材料からなる基材フィルム2の屈折率に近く、例えば1.45〜1.55程度の範囲となっている。そのため、ディスプレイ用途に用いた場合においては、図1(B)(C)に示すように、領域Aを空気層と接する最表面側(基材フィルム2の反対側)に設ければ、その領域Aは、低反射膜として作用し、空気層(屈折率=1.0)との界面での光の反射を低減することができ、ガスバリアフィルム1全体の透過率の向上にも寄与することができる。
一方、領域Bは、窒素含有量が多いので、Si−N結合の量が多く、膜密度が高い。その結果、窒素含有量が少ない領域Aよりもガスバリア性が高い。さらに、領域Bには酸素が含まれているので、純粋な窒化ケイ素に比べて膜応力が低減され、脆さが低減されている。すなわち、領域Bを有するガスバリア膜3は、ガスバリア性がよく、また、膜応力と脆さが低減されているのでカールの発生も抑制できる。
また、窒素含有量の多い領域Bは、酸素含有量が多い領域Aに比べて屈折率が高いが、酸素が含まれないSi膜の屈折率(2.0程度)よりも小さい値となっており、例えば1.60〜1.80程度の範囲となっている。そのため、ディスプレイ用途に用いた場合においては、図1(B)(C)に示すように、領域Bを低屈折率の領域Aの下層として設けることが、光反射の低減の観点からは好ましい。
なお、ガスバリア性を主とした用途に用いる場合には、図1(A)に示すように、領域Bをガスバリア膜3の最表面として設けた態様であってもよい。なお、図1(A)に示した態様のガスバリアフィルム1であっても、屈折率の高い領域Bの表面に、有機化合物や無機化合物からなる低屈折率膜を形成すれば、前記同様、ディスプレイ用途に用いることができる。こうした低屈折率膜の構成材料としては、MgF、SiO、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、環状ポリオレフィン等を挙げることができる。
領域Cは、領域Aの酸素含有量が徐々に減少するとともに領域Bに向かって窒素含有量が徐々に増加する領域であり、xとyは上記領域AとBのほぼ中間的な値となっている。そのため、領域Cの膜応力や脆さ、さらには屈折率は、領域Aと領域Bとの中間になっている。なお、ガスバリア膜3の厚さ方向の各部の屈折率の測定は、その各部と同一組成のガスバリア膜の屈折率を屈折率計(エリプソメーター)によって測定して評価した。
ガスバリア膜3には、上記の作用効果を損なわない範囲で、例えば炭素等の不純物や添加剤が含まれていてもよいが、その含有量は20%以下であることが望ましい。炭素がガスバリア膜3に含まれる場合があるが、この炭素は、基材フィルム2の構成成分である炭素がガスバリア膜3中に入り込んだり、又は、後述する平坦化膜等の有機膜を設ける場合には、その構成成分である炭素がガスバリア膜3中に入り込んだりしたものである。
ガスバリア膜3が、上記の組成範囲であるか否かは、例えば、Si、N、Oの原子数比を求めることにより確認することができる。こうした原子数比を求める方法としては、従来公知の方法を用いることができ、例えば、XPS(X線光電子分析装置)等の分析装置で得られた結果で評価できる。本発明においては、XPSの測定は、XPS(VG Scientific社製、ESCA LAB220i−XL)により測定している。X線源としては、Ag−3d−5/2ピーク強度が300Kcps〜1McpsとなるX線源であるMgKα線を用い、直径約1mmのスリットを使用している。測定は、測定に供した試料面の法線上に検出器をセットした状態で行い、適正な帯電補正を行っている。測定後の解析は、上述のXPS装置に付属されたソフトウエアEclipseバージョン2.1を使用し、Si:2p、C:1s、N:1s、O:1sのバインディングエネルギーに相当するピークを用いて行っている。このとき、C:1sのピークのうち、炭化水素に該当するピークを基準として、各ピークシフトを修正し、ピークの結合状態を帰属させる。そして、各ピークに対して、シャーリーのバックグラウンド除去を行い、ピーク面積に各元素の感度係数補正(C=1.0に対して、Si=0.87、N=1.77、O=2.85)を行い、原子数比を求めている。得られた原子数比について、Si原子数を1とし、他の成分であるNとOの原子数を算出して成分割合としている。
ガスバリア膜3の厚さは、通常5nm以上、好ましくは20nm以上、特に好ましくは50nm以上、通常10μm以下、好ましくは1000nm以下、特に好ましくは500nm以下である。ガスバリア膜3の厚さを上記範囲とすれば、透過率と色味に優れ、ガスバリア性にも優れたガスバリア膜3とすることができる。ガスバリア膜3の厚さが5nm未満では、ガスバリア膜3で基材表面全体を覆うことができず、高いガスバリア性が得られないことがあり、その厚さが10μmを超えると、クラックが発生し易く、ガスバリア性が低下することがある。こうした厚さは、ガスバリア膜3内に領域Cが1つ存在する場合には、図1(A)(B)に示すように、「領域A、領域C、領域B」の順で形成された積層体の厚さであるか「領域B、領域C、領域A」の順で形成された積層体の厚さであり、一方、ガスバリア膜3内に領域Cが2つ存在する場合には、例えば図1(C)に示すような「領域A、領域C、領域B、領域C、領域A」の順で形成された積層体の厚さである。なお、後述する平坦化膜や透明導電膜等の機能膜を設ける場合には、1層設ける毎に、0.1μm〜10μmの範囲で膜厚が増すことになる。
こうしたガスバリア膜3を、透明性が必要とされる有機ELディスプレイ等の発光素子のガスバリア膜として用いる場合には、ガスバリア膜3は透明であることが好ましいが、上記のように、本発明に係るガスバリア膜3は、光学界面を有さず、透過率と色味に優れるので、好ましく用いることができる。より具体的には、例えば400nm〜700nmの可視領域の範囲内でのガスバリア膜3の平均光透過率が75%以上の透明性を有するように構成することが好ましい。
ガスバリア膜3の作製方法は特に制限はないが、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、Cat−CVD法やプラズマCVD法、大気圧プラズマCVD法等を用いることができる。こうした作製方法は、成膜材料の種類、成膜のし易さ、工程効率等を考慮して選択すればよい。以下に、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法等の代表的な作製方法を説明する。
真空蒸着法は、抵抗加熱、高周波誘導加熱、電子線やイオンビーム等のビーム加熱等により、るつぼに入った材料を加熱、蒸発させて基材フィルム2に付着させ、ガスバリア膜3を成膜する方法である。ガスバリア膜3の厚さ方向の組成を例えば図2に示すように変化させるためには、材料が単一の場合は、導入ガス組成を経時的に変化させればよい。また、材料が複数の場合は、各材料からの蒸発量を経時的に変化させればよい。なお、ガスバリア膜3の組成等により加熱温度、加熱方法を変化させることができ、成膜時に酸化反応等を起こさせる反応性蒸着法も使用できる。
スパッタリング法は、真空チャンバー内にターゲットを設置し、高電圧をかけてイオン化した希ガス元素(通常はアルゴン)をターゲットに衝突させて、ターゲット表面の原子をはじき出し、基材フィルム2上に膜9に付着させ、ガスバリア膜3を成膜する方法である。このとき、チャンバー内に所定量の窒素ガスや酸素ガスを流すことにより、ターゲットからはじき出された元素と、窒素や酸素とを反応させてガスバリア膜3を形成する、反応性スパッタリング法を用いてもよい。スパッタリング法としては、例えば、DC2極スパッタリング、RF2極スパッタリング、3極・4極スパッタリング、ECRスパッタリング、イオンビームスパッタリング、及びマグネトロンスパッタリング等を挙げることができるが、工業的にはマグネトロンスパッタリングを用いることが好ましい。ガスバリア膜3の厚さ方向の組成を例えば図2に示すように変化させるためには、ターゲットの組成や、チャンバー内に供給する窒素や酸素の量を経時的に変化させればよい。
イオンプレーティング法は、真空蒸着とプラズマの複合技術であり、原則としてガスプラズマを利用して、蒸発粒子の一部をイオンもしくは励起粒子とし、活性化して薄膜を形成する方法である。イオンプレーティング法においては、反応ガスのプラズマを利用して蒸発粒子と結合させ、化合物膜を合成させる反応性イオンプレーティングが有効である。プラズマ中の操作であるため、安定なプラズマを得るのが第1条件であり、低ガス圧の領域での弱電離プラズマによる低温プラズマを用いる場合が多い。このため、混合物や複合酸化物を形成する場合に好ましく用いられる。放電を起こす手段から、直流励起型と高周波励起型に大別されるが、ほかに蒸発機構にホローカソード、イオンビームを用いる場合もある。こうしたイオンプレーティング法を用い、ガスバリア膜3の厚さ方向の組成を例えば図2に示すように変化させるためには、材料が単一の場合は、導入ガス組成を経時的に変化させればよい。また材料が複数の場合は、各材料からの蒸発量を経時的に変化させればよい。
プラズマCVD法は、化学気相成長法の一種である。プラズマCVD法においては、プラズマ放電中に原料を気化して供給し、系内のガスを衝突により相互に活性化してラジカル化するため、熱的励起のみによっては不可能な低温下での反応が可能となる。基材フィルム2は背後からヒータによって加熱され、電極間の放電中での反応によりガスバリア膜が形成される。プラズマの発生に用いる周波数により、HF(数十〜数百kHz)、RF(13.56MHz)、及びマイクロ波(2.45GHz)に分類される。マイクロ波を用いる場合は、反応ガスを励起し、アフターグロー中で成膜する方法と、ECR条件を満たす磁場(875Gauss)中にマイクロ波導入するECRプラズマCVDに大別される。また、プラズマ発生方法で分類すると、容量結合方式(平行平板型)と誘導結合方式(コイル方式)に分類される。こうしたプラズマCVD法を用い、ガスバリア膜3の厚さ方向の組成を例えば図2に示すように変化させるためには、導入ガス組成を経時的に変化させればよい。
なお、後述する本発明に係る作製方法や作製装置を用いてガスバリア膜を作製することは、生産性に優れるので好ましい。また、こうしたガスバリア膜3は、基材フィルム2の片面に形成されるが、基材フィルム2の両面に形成してもよく、ガスバリア性をより向上させることができる。
(その他の膜)
本発明のガスバリアフィルム1には、必要に応じて各種の膜を設けることができる。例えば、平坦化膜、透明導電膜、ハードコート膜、保護膜、帯電防止膜、防汚膜、防眩膜、カラーフィルタ等から選ばれるいずれかを挙げることができる。これらのうち、平坦化膜、透明導電膜、帯電防止膜、防汚膜、防眩膜、カラーフィルタを、ガスバリアフィルムの構成要素として設けることが好ましい。
中でも、平坦化膜(図示しない)を、基材フィルム2とガスバリア膜3との間に形成したり、ガスバリア膜3の上(表面)に形成したりすることが好ましい。基材フィルム2とガスバリア膜3との間に平坦化膜を形成すれば、基材フィルム2の表面が有する凹凸や突起をなくして平坦面にすることができるので、ガスバリア膜3を欠陥なく均一に形成することができ、ガスバリア性をより高めることができる。また、ガスバリア膜3の上に平坦化膜を形成すれば、ガスバリア膜表面が有する凹凸や突起をなくして平坦面にすることができるので、特にディスプレイ用途に適用した場合に、ムラやぎらつき等をなくすことができる。
平滑化膜としては、従来公知のものを適宜用いればよく、その材料としては、例えば、ゾル・ゲル材料、電離放射線硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、及びフォトレジスト材料等を挙げることができる。こうした有機材料で形成した平坦化膜は、応力緩和機能も兼ね備えることから好ましい。
平滑化膜の形成材料としては、アクリレートを含む高分子化合物が汎用的なものとして挙げられるが、他には、スチレン、フェノール、エポキシ、ニトリル、アクリル、アミン、エチレンイミン、エステル、シリコーン、アルキルチタネート化合物、イオン高分子錯体等、光硬化あるいは熱硬化性のもの、高分子化合物と金属アルコキシドの加水分解生成物の混合物等を含む、高分子化合物が適宜使用される。
特にガスバリア機能を保持させつつ膜の形成を容易にする観点からは、電離放射線硬化型樹脂を用いることが好ましい。より具体的には、エポキシ基をもつ反応性のプレポリマー、オリゴマー、及び/又は単量体を適宜混合した電離放射線硬化型樹脂や、その電離放射線硬化型樹脂に必要に応じてウレタン系、ポリエステル系、アクリル系、ブチラール系、ビニル系等の熱可塑性樹脂を混合して液状とした液状組成物のような、分子中に重合性不飽和結合を有し、紫外線(UV)や電子線(EB)を照射することにより、架橋重合反応を起こして3次元の高分子構造に変化する樹脂を好ましく用いることができる。
平滑化膜は、こうした樹脂を、例えば、ロールコート法、ミヤバーコート法、及びグラビアコート法等の従来公知の塗布方法で塗布・乾燥・硬化させることにより形成することができる。また、平滑化膜の形成材料として、ガスバリア膜3との良好な密着性を確保する観点からは、ガスバリア膜3と同材料系の塗膜を形成できるゾル・ゲル法を用いたゾル・ゲル材料を用いることも好ましい。ゾル・ゲル法とは、有機官能基と加水分解基を有するシランカップリング剤と、このシランカップリング剤が有する有機官能基と反応する有機官能基を有する架橋性化合物とを少なくとも原料として構成された塗料組成物の塗工方法、及び塗膜のことをいう。有機官能基と加水分解基を有するシランカップリング剤としては、従来公知のものを適宜用いることができる。また、平滑化膜の材料として、耐熱性の観点からは、従来公知のカルドポリマーを用いることも好ましい。
平滑化膜の厚さは、通常0.05μm以上、好ましくは0.1μm以上、また、通常10μm以下、好ましくは5μm以下とする。
透明導電膜(図示しない)を、ガスバリア膜3の上に設けてもよい。特に、本発明のガスバリアフィルム1を有機ELディスプレイ用途に用いる場合、ガスバリア膜3の上に設けられた透明導電膜を、有機EL素子の陽極として利用することができる。透明導電膜は、特に限定されないが、その形成材料としては、インジウム−錫系酸化物(ITO)、インジウム−錫−亜鉛系酸化物(ITZO)、ZnO系、CdO系、及びSnO系等を挙げることができ、特にITO膜が好ましい。これらは、抵抗加熱蒸着法、誘導加熱蒸着法、EB蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、熱CVD法、及びプラズマCVD法等の真空成膜法によって形成することができる。また、透明導電膜を、金属アルコキシド等の加水分解物や、透明導電粒子と金属アルコキシド等の加水分解物を塗布して形成される無機酸化物を主成分とするコーティング膜としてもよい。
透明導電膜4の厚さは、通常10nm以上、好ましくは60nm以上、より好ましくは100nm以上、また、通常1000nm以下、好ましくは450nm以下、より好ましくは200nm以下とする。
なお、上記の平坦化膜、透明導電膜以外の機能膜であるハードコート膜、保護膜、帯電防止膜、防汚膜、防眩膜、カラーフィルタ等についての説明は省略するが、それらの膜については、従来公知の技術を適用できる。
(ガスバリアフィルム)
上記した各構成要素によって構成されたガスバリアフィルム1は、ガスバリア膜3の厚さ方向において、領域Aの酸素含有量が徐々に減少するとともに領域Bに向かって窒素含有量が徐々に増加する領域Cの前後に、領域A(酸素含有量が窒素含有量よりも多い領域)と領域B(窒素含有量が酸素含有量よりも多い領域)が形成されてなるガスバリア膜3を有するので、従来の積層タイプのガスバリア膜のような光学界面が存在しない。その結果、このガスバリアフィルム1をディスプレイ用途に適用した場合に、積層体を構成する各層の界面(光学界面)での光の反射が生じないので、透過率の低下や干渉色の発生が起こらない。
本発明のガスバリアフィルム1は、ガスバリア性においても良好であり、酸素透過率や水蒸気透過率を好ましい水準とすることができる。酸素透過率は、1cc/m/day・atm以下、好ましくは0.1cc/m/day・atm以下であり、水蒸気透過率は、1g/m/day以下、好ましくは0.1g/m/day以下である優れたガスバリア性を発現する。
こうしたガスバリア性を有する本発明のガスバリアフィルム1は、各種の用途に適用可能であり、例えば、液晶表示パネル用、有機EL表示パネル用、太陽電池用、電子デバイス等のパッケージ材料用、食品や医薬品等の包装材料用等に利用可能である。
特に透明性が必要とされる有機ELディスプレイ等の発光素子用途に用いる場合には透明性に優れていることが好ましいが、本発明のガスバリアフィルム1は、光学界面を有さないので、良好な透過率を示すことができ、ディスプレイ用途として好ましく用いることができる。具体的には、本発明のガスバリアフィルム1の全光線透過率は、少なくとも75%以上で、好ましくは80%以上であり、また、色味(YI)は、少なくとも5以下で、好ましくは3以下である。YIが高いほどガスバリアフィルム1が黄色く見えるため、YIは上記範囲に制御される。なお、全光線透過率及びYIの測定は、例えば、分光測色計を用いて測定することができる。本発明においては、全光線透過率及びYIの測定は、SMカラーコンピューターSM−C(スガ試験機製)を使用し、JIS K7105に準拠して測定している。
なお、本発明のガスバリアフィルム1は、枚葉形態としても、ロール形態としてもよく、用途や適用工程に応じて任意に作製できる。例えば、有機ELディスプレイ等に本発明のガスバリアフィルム1を適用する場合には、適用工程に応じていずれかの形態のガスバリアフィルム1を適用できる。
[ガスバリア膜の作製装置]
図3は、本発明のガスバリア膜の作製装置の一例を示す模式的な構成図であり、図4は、本発明のガスバリア膜の作製装置の他の一例を示す模式的な構成図である。本発明のガスバリア膜の作製装置10(10A,10B)は、図3及び図4に示すように、長尺の基材フィルム2の移動方向にケイ素、酸素及び窒素を含むガスバリア膜3を形成する複数の成膜室11(11A,11B,11C)を有する装置である。この装置10(10A,10B)は、基材フィルム2を供給する供給装置21と、ガスバリア膜3を形成した後の基材フィルム2’を巻き取る巻取装置22と、供給装置21と巻取装置22との間に設けられてガスバリア膜3を形成する成膜装置30(30A,30B)とを少なくとも有している。
図3の装置10Aは、1つのドラムの外周面上に複数の成膜室を配置した装置であり、図4に示す装置10Bは、1つの成膜室に対し1つのドラムを配置し、成膜室の数だけドラムを配置した装置である。図3及び図4に示すガスバリア膜の作製装置10A,10Bは3つの成膜室11A,11B,11Cを有するものであり、図1(C)に示す態様のガスバリア膜3の作製に好ましく用いられるが、成膜室の数は特に限定されず、2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。以下、各構成要素を説明する。
(供給装置)
供給装置21は、長尺の基材フィルム2を供給する装置であり、例えば芯材24上に巻かれたロール状フィルム23を両側から回転可能に保持するクランプ部材(図示しない)等を有している。この供給装置21は、一定の速度で基材フィルム2を送り出すことができるように制御可能な駆動モータ(図示しない)を備えている。駆動モータによる送り出しの制御は、例えば、いずれかのガイドローラ54に設けられたロータリーエンコーダ(図示しない)の回転信号を受信して行うことができる。また、この供給装置21から送り出された基材フィルム2を成膜室11Aに一定の張力下で安定して供給するために、供給装置21と成膜室11Aとの間のガイドローラ27が設けられている領域に、張力調製のためのダンパー(図示しない)を設けてもよい。
(巻取装置)
巻取装置22は、基材フィルム2上にガスバリア膜3を作製したもの(フィルム2’ともいう。)を芯材26上に巻き取る装置である。この巻取装置22も上記の供給装置21と同様、一定の速度でフィルム2’を巻き取ることができるように制御可能な駆動モータ(図示しない)を備えている。駆動モータによる巻き取り制御は、例えば、いずれかのガイドローラ28に設けられたロータリーエンコーダ(図示しない)の回転信号を受信して行うことができる。また、フィルム2’を一定の張力下で安定して巻き取るために、巻取装置22には可変可能なトルク装置を設けることが好ましい。
供給装置21と巻取装置22が配置される領域には、1又は2以上の排気ポンプ90が圧力調整バルブ91を介して接続され、内部の圧力を調整している。なお、供給装置21と仕切板92との間で、成膜前の基材フィルム2を脱ガスしてもよく、例えば加熱ロール(図示しない)を設置してもよい。また、同様に、基材フィルム2を表面処理してガスバリア膜との密着を高める等の目的のため、プラズマ処理装置による表面処理を行ってもよい。
(成膜装置)
図3と図4に示す成膜装置30(30A,30B)は、複数の成膜室11A,11B,11Cを有し、それらのうち隣接する成膜室には、酸素及び/又は窒素を含んだ組成の異なるガスを供給する供給配管12A,12B,12Cが設けられ、その隣接する成膜室間には、開口部13A,13Bを有する隔壁14A,14Bが設けられている。
具体的には、図3に示す成膜装置30Aは、1つのドラム50の外周面上に3つの成膜室11A,11B,11Cを回転方向に配置した装置であり、全体としてチャンバー31内に収容されている。各成膜室は、仕切板92により供給装置21と巻取装置22の領域と隔離されている。各成膜室11A,11B,11Cには、それぞれの内部を減圧するための排気ポンプ90が圧力調整バルブ91を介して接続されており、成膜室毎に減圧条件を設定できる構成になっている。また、成膜室毎に、成膜用電源15が成膜用ターゲット16A,16B,16Cに接続されている。さらに、各成膜室内には、酸素及び/又は窒素を含んだ組成のガスの供給配管12A,12B,12Cが導入されており、ドラム50上を搬送される基材フィルム2上への真空成膜が可能となっている。
各成膜室は、隔壁14A,14Bで区画されている。本発明においては、その隔壁14A,14Bに開口部13A,13Bが形成されていることに特徴がある。隣接する成膜室には酸素及び/又は窒素を含んだ組成の異なるガスが供給されるが、そのガスは、開口部13A,13Bから隣接する成膜室内に混ざり込むことになる。こうしたガスの混ざり込みによって、開口部13A,13Bに近い所で成膜された膜組成と、開口部13A,13Bから離れた所で成膜された膜組成とを異なるものとなる。この開口部13A,13Bの大きさや形状は特に限定されず、ガスの供給圧や量、求める成膜組成等によって調整すべきものであるが、一例として挙げるとすれば、例えば、隔壁のドラムの長手方向に高さ50mm〜100mm程度のスリットを例示できる。
具体的には、例えば図3に示す第1の成膜室11Aに酸素ガスとキャリアーガス(Arガス)をガスとして供給し、第2の成膜室11Bに窒素ガスとキャリアーガス(Arガス)をガスとして供給し、第3の成膜室11Cに第1の成膜室11Aと同じガス(酸素ガスとArガス)を供給した場合において、第1の成膜室11Aに搬送された基材フィルム2上には、最初は酸化ケイ素膜又は僅かに窒素を含む酸化ケイ素膜が形成されるが、基材フィルム2が開口部13Aに近づくにしたがって、第2の成膜室11B内の窒素ガスが開口部13Aから侵入し、ある程度の窒素ガスを含む雰囲気になっているので、徐々に窒素含有量が増した酸化ケイ素膜(酸窒化ケイ素膜)が形成される。
次の第2の成膜室11Bは、供給された窒素ガスをガスとしているが、第1の成膜室11A内の酸素ガスが開口部13Aから侵入し、ある程度の酸素ガスを含む雰囲気になっているので、開口部13Aに近い所では酸素含有量が多い酸窒化ケイ素膜が形成される。その後、開口部13Aから離れるにしたがって酸素ガスの割合が減っていき、それに伴って成膜された酸窒化ケイ素膜中の酸素含有量が減っていき、窒素含有量の多い酸窒化ケイ素膜が形成される。しかし、基材フィルム2が開口部13Bに近づくにしたがって、第3の成膜室11C内の酸素ガスが開口部13Bから侵入し、ある程度の酸素ガスを含む雰囲気になっているので、徐々に酸素含有量が増した酸窒化ケイ素膜が形成される(図2を参照)。
次の第3の成膜室11Cは、供給された酸素ガスをガスとしているが、第2の成膜室11B内の窒素ガスが開口部13Bから侵入し、ある程度の窒素ガスを含む雰囲気になっているので、開口部13Bに近い所では窒素含有量が多い酸窒化ケイ素膜が形成される。その後、開口部13Bから離れるにしたがって窒素ガスの割合が減っていき、それに伴って成膜された酸窒化ケイ素膜中の窒素含有量が減っていき、酸素含有量の多い酸窒化ケイ素膜が形成される。こうして、図1(C)に示すようなガスバリア膜1Cを形成することができる。
一方、図4に示す成膜装置30Bでは、1つの成膜室に対して1つのドラムを配置し、成膜室の数だけドラムを配置した装置である。具体的には、第1の成膜室11Aには第1のドラム51Aを配置し、第2の成膜室11Bには第2のドラム51Bを配置し、第3の成膜室11Cには第3のドラム51Cを配置した装置であり、全体としてチャンバー31内に収容されている。
図3に示す成膜装置30Aと同様、各成膜室は、仕切板92により供給装置21と巻取装置22の領域と隔離されている。各成膜室11A,11B,11Cには、それぞれの内部を減圧するための排気ポンプ90が圧力調整バルブ91を介して接続されており、成膜室毎に減圧条件を設定できる構成になっている。また、成膜室毎に、成膜用電源15が成膜用ターゲット16A,16B,16Cに接続されている。さらに、各成膜室内には、酸素及び/又は窒素を含んだ組成のガスの供給配管12A,12B,12Cが導入されており、ドラム50上を搬送される基材フィルム2上への真空成膜が可能となっている。
各成膜室は、隔壁14A,14Bで区画され、その隔壁14A,14Bに開口部13A,13Bが形成されていることも、上記同様である。したがって、隣接する成膜室内へのガスの混ざり込みに基づく、膜組成の変化も、上記した図3の場合と同様であるので、ここではその説明を省略する。この図4の成膜装置30Bにおいても、図1(C)に示すようなガスバリア膜1Cを形成することができる。
図3及び図4に示す成膜装置30(30A,30B)には、成膜用電源15と成膜用ターゲット16A,16B,16Cとを設けているので、スパッタリング法による成膜装置であるが、特に制限はなく、イオンプレーティング成膜装置、イオンビームアシスト成膜装置、クラスターイオンビーム成膜装置、プラズマCVD成膜装置、プラズマ重合成膜装置、熱CVD成膜装置、触媒反応型CVD成膜装置等に改良することもできる。なお、プラズマの種類は特に限定なく、CCPプラズマ、ICPプラズマ、マイクロ波プラズマ、リモートプラズマ、等各種のプラズマを使用できる。いずれにしても、各成膜室に供給するガスが、隔壁に設けられた開口部から隣接する成膜室に侵入し、各部におけるガスの混合状態を変化させ、膜厚方向に連続した組成変化を生じさせるようになっていればよい。
ガスの混合状態は、成膜室のサイズ、各隔壁に設けた開口部の位置や大きさ、導入したガス量、排気量、供給配管の先端から導入されるガスの導入位置、排気口位置、等々、多くの要因で変化させることができる。
図3や図4に示すようなスパッタリング法による成膜装置30A,30Bである場合、ターゲット16A,16B,16CとしてはSiを使用する。このSiには、導電率を向上させるためBやP等をドーピングしたものが使用に適すが、特に制限はない。また、Si以外のSi化合物も使用可能である。スパッタ用の成膜用電源15としては、DC電源、パルスDC電源、RF(10kHz〜1MHz、13.56MHz)電源等が使用可能であるが、特に制限はない。また、ターゲット16A,16B,16Cを横に2つ並べて各ターゲットに交互にパルスDCやRFを印加するデュアルマグネトロン方式も好適に使用できる。さらに、イオン源を別途設置したイオンビームスパッタリングも適用可能である。
ドラム50,51A,51B,51C(以下、50,51に略す。)は、基材フィルム2をその表面に接触させた状態で、基材フィルム2を一定速度で搬送するように回転する。通常、基材フィルム2の幅以上の幅をもつ円筒状のドラムが用いられる。ドラム50,51の直径は特に限定されず、ドラム50,51の外周上に設けられた成膜室の数や有効長さ、また、基材フィルム2の搬送速度等によって構造設計される。
ドラム50,51には、基材フィルム2を加熱又は冷却するための温度制御手段が付加されていることが好ましい。ドラム50,51の温度制御手段としては各種のものを挙げることができ、例えばドラム内部にチラー(冷却器)から排出される熱媒を通す経路を設け、その熱媒をドラム表面に熱伝達させる手段や、成膜ドラム上部(フィルムをだいていない部分)にIRランプを設けてドラム表面を加熱する手段や、成膜ドラム上部(フィルムをだいていない部分)にプラズマ加熱装置を設けてドラム表面を加熱する手段や、ヒーターをドラムの内部に巻き付けたりする手段や、冷却媒体をドラムの内部に通過させる手段等を例示できる。こうした温度制御手段によってドラム表面の温度を制御することができ、成膜組成や膜質を調整することができる。なお、制御温度としては、基材フィルム2のガラス転移温度又は基材フィルム2の分解開始温度を超えないことが好ましい。
以上、本発明のガスバリア膜の作製装置によれば、成膜室内に供給されたガスが開口部を通って隣接する成膜室内に混合するので、そうした状態下で各成膜室で成膜を行うことにより、各成膜室で順次成膜されたガスバリア膜3は、開口部のない隔壁を用いて成膜した膜のような層間界面が存在しない。その結果、得られたガスバリアフィルム1をディスプレイ用途に適用した場合に、従来の積層タイプのガスバリア膜のような積層体を構成する各層の界面(光学界面)での光の反射が生じないので、透過率の低下や干渉色の発生が起こらない。この作製装置は、上記作用効果を奏するガスバリア膜を、長尺の基材フィルムの移動方向に、開口部を有する隔壁で仕切った複数の成膜室で順次成膜するという大量生産に適した簡易で効率的な製造装置であり、生産性を大幅に向上させることができ、得られるガスバリア膜の成膜コストを著しく低減させることができる。
[ガスバリア膜の作製方法]
次に、ガスバリア膜の作製方法について説明する。本発明のガスバリア膜3の作製方法は、図3及び図4で例示したガスバリア膜の作製装置等によって行われるものであり、長尺の基材フィルム2の移動方向にケイ素、酸素及び窒素を含むガスバリア膜を形成する複数の成膜ステップを有する方法である。そして、その成膜ステップのうち隣接する成膜ステップには、酸素及び/又は窒素を含んだ組成の異なるガスを供給し、隣接する成膜ステップ間が開口部を有する隔壁で仕切られ、成膜ステップ内に供給されたガスの一部が開口部を通って隣接する成膜ステップ内に混合し、その状態下で各成膜ステップで成膜が行われる。
この方法を構成する「成膜ステップ」は、図3及び図4に示す成膜装置における「成膜室11A,11B,11C」に対応する。また、組成の異なるガスを供給は、上記成膜装置の供給配管12A,12B,12Cから行われる。また、隔壁、開口部については、上記した成膜装置のものと同様である。
成膜ステップは、基材フィルム2の移動方向に、酸素ガスを主に供給して酸素含有量が窒素含有量よりも多い膜を形成する成膜ステップIと、窒素ガスを主に供給して窒素含有量が酸素含有量よりも多い膜を形成する成膜ステップIIとを少なくとも有している。具体的には、基材フィルム2の移動方向に、(1)成膜ステップI、成膜ステップIIの順で配置されているもの、(2)成膜ステップII、成膜ステップIの順で配置されているもの、(3)成膜ステップI、成膜ステップII、成膜ステップIの順で配置されているもの、のいずれかとなるように構成されている。こうした順で成膜ステップを配置することにより、得られたガスバリア膜3は、基材フィルム2側から、(1)領域A(酸素含有量が窒素含有量よりも多い領域)、領域C(領域Aの酸素含有量が徐々に減少するとともに領域Bに向かって窒素含有量が徐々に増加する領域)、領域B(窒素含有量が酸素含有量よりも多い領域)の順で形成された積層体、(2)領域B、領域C、領域Aの順で形成された積層体、(3)領域A、領域C、領域B、領域C、領域Aの順で形成された積層体、のいずれかであるように構成される。なお、各成膜ステップが前記のような順で構成されていれば、それらの配置順がさらに繰り返されていてもよい。
こうした方法により、複数の成膜ステップのうち隣接する成膜ステップには、酸素及び/又は窒素を含んだ組成の異なるガスが供給される。そして、隣接する成膜ステップ間が開口部13A,13B(図3及び図4を参照。以下、符号を付した構成について同じ。)を有する隔壁14A,14Bで仕切られ、且つ成膜ステップ内に供給されたガスがその開口部13A,13Bを通って隣接する成膜ステップ内に混合する。こうした状態下で各成膜ステップで成膜を行うことにより、各成膜ステップで順次成膜されたガスバリア膜3は、開口部のない隔壁を用いて成膜した膜のような層間界面が存在しない。
すなわち、本発明の方法で作製されたガスバリア膜3は、ガスバリア膜の厚さ方向において、図2に示すように、酸素含有量が窒素含有量よりも多い領域Aと、窒素含有量が酸素含有量よりも多い領域Bと、領域Aと領域Bとの間にあって領域Aの酸素含有量が徐々に減少するとともに領域Bに向かって窒素含有量が徐々に増加する領域Cとを有するように成膜される。そのため、従来の積層タイプのガスバリア膜のような光学界面が存在しない。
本発明のガスバリア膜の作製方法で得られたガスバリアフィルム1をディスプレイ用途に適用した場合に、積層体を構成する各層の界面(光学界面)での光の反射が生じないので、透過率の低下や干渉色の発生が起こらない。そして、この作製方法は、上記作用効果を奏するガスバリア膜を、長尺の基材フィルムの移動方向に、開口部を有する隔壁で仕切った複数の成膜ステップで順次成膜するという大量生産に適した簡易で効率的な製造方法であり、大幅に生産性を向上させることができ、ガスバリア膜の成膜コストを著しく低減させることができる。
なお、本発明のガスバリア膜の作製方法においては、成膜ステップの前に及び/又は後に、平坦化膜を形成するステップを有するように構成してもよい。この平坦化膜は、ガスバリアフィルムの説明欄で説明したのと同じであるので、ここではその説明を省略する。
次に、実施例を示して本発明を更に詳細に説明する。
(実施例1)
図3に示したガスバリア膜の作製装置10Aを使用して、図1(C)に示す態様のガスバリア膜3を作製した。厚さ100μmで幅30cmで長さ1kmのポリエチレンナフタレート(PEN)フィルムのロール巻きを基材フィルム2として供給装置21に装着した。次に、基材フィルム2の先端を、成膜装置30Aのドラム50に巻いた状態で引き出し、巻取装置22の芯材26に固定し、基材フィルム2を0.2m/分の一定速度で回転させながら巻き取りを開始した。その状態で、スパッタリング法により、基材フィルム2上にガスバリア膜3を作製した。
この成膜装置30Aには、3つの成膜室11A,11B,11Cがあり、各成膜室の処理時間は120秒であり、各層当たりの厚さが約50nmとなるように成膜条件を設定した。それぞれの成膜室には、スパッタリングターゲット16A,16B,16Cとして、デュアルカソードのSiターゲットを使用し、スパッタ電源15から40kHz、4kWの電力を印加してスパッタリングを行った。各成膜室はターボ分子ポンプ90で排気され、成膜室内の圧力はコンダクタンスバルブ91で調整し、いずれも0.1Paとした。ドラム50は、直径100cmで軸方向長さが35cmの円柱形態であり、冷却・加熱できるようになっている。各成膜室間の隔壁14A,14Bは一部除去されて開口部13A,13Bが形成され、成膜室内のガスはその開口部13A,13Bから隣接する成膜室内に侵入する。開口部13A,13Bの寸法は、隔壁の端部がドラム50表面から5cmの長さ後退し、ドラム50の軸方向に28cm延びた形態をなしている。
第1の成膜室11Aと第3の成膜室11Cには、酸素ガス(20sccm)とアルゴンガス(30sccm)を流し、第2の成膜室11Bには、窒素ガス(20sccm)とアルゴンガス(30sccm)を流してガスバリア膜3を成膜した。各ガスは一定の量が流れるように設定してあるが、プラズマのインピーダンスが変化した場合にはガス流量を調整して、プラズマ状態を一定に保った。インピーダンスでのプラズマ制御が困難な場合は、プラズマの発光状態からガス流量を調整して、プラズマ状態を一定に保つようにした。なお、基材フィルム2の応力が大きく、基材フィルム2のそりが大きい場合は、成膜圧力を増加させるか、作製膜厚を低減するようにした。
こうした装置10Aにより、基材フィルム2上に厚さ150nmのガスバリア膜3を作製した。図5は、ガスバリア膜3の深さ方向の組成分析結果を示すグラフである。組成分析は、XPS装置を用い、ガスバリア膜3の表面から深さ方向にArエッチングを行いながら組成分析した。得られたガスバリア膜3は、基材フィルム2側から見た場合、図5に示すように、ガスバリア膜3の表面から厚さ方向に、領域A(酸素含有量が窒素含有量よりも多い領域)と、領域C(領域Aの酸素含有量が徐々に減少するとともに領域Bに向かって窒素含有量が徐々に増加する領域)と、領域B(窒素含有量が酸素含有量よりも多い領域)と、領域Cと、領域Aとの順で形成された積層体であった。このガスバリア膜3は、全領域において、Si含有量が約40原子%で、炭素含有量が約5原子%であった。領域Aでは、酸素含有量は50原子%〜60原子%程度、窒素含有量は0原子%を超え10原子%程度であり、領域Bでは、酸素含有量は10原子%〜20原子%程度、窒素含有量は40原子%〜50原子%程度であり、領域Cにおいては、酸素含有量は20原子%〜50原子%程度、窒素含有量は40原子%〜10原子%程度であった。
また、得られたガスバリアフィルム1の水蒸気透過率は0.01g/m/dayであり、酸素透過率は0.05cc/m/day・atmであった。また、ガスバリアフィルム1の全光線透過率は92%であった。ここで、水蒸気透過率(WVTR)は、JIS−K7129に準拠し、水蒸気透過率測定装置(MOCON社製、PERMATRAN−W 3/31)を用い、40℃、100%Rhの条件で測定した。水蒸気透過率の測定限界は0.01g/m・dayである。一方、酸素透過率は、酸素ガス透過率測定装置(MOCON社製、OX−TRAN 2/20)を用い、温度23℃、ドライ(0%RH)の条件で測定した。測定はバックグラウンドを除去する測定方式“インディビジュアルゼロあり”で行った。酸素透過率の測定限界は0.05cc/m/day・atmである。また、全光線透過率は、SMカラーコンピューター(スガ試験機社製)を用い測定した。
(実施例2)
実施例1で用いた成膜装置の成膜室をさらに2つ増設して合計5つの成膜室を備える成膜装置を用いてガスバリア膜3を成膜した他は、実施例1と同様にして実施例2のガスバリアフィルムを作製した。
この実施例2においては、成膜室の長さ(大きさ)を狭くしたため、その大きさに合わせて搬送速さを0.25m/分としたが、各成膜室での処理時間と成膜厚さは実施例1と同じにした。得られたガスバリア膜3は、基材フィルム2側から、領域A、領域C、領域B、領域C、領域A、領域C、領域B、領域C、領域Aの順で形成された積層体であった。このガスバリア膜3の組成は実施例1と同様であった。また、得られたガスバリアフィルム1の水蒸気透過率は0.01g/m/dayであり、酸素透過率は0.05cc/m/day・atmであった。また、ガスバリアフィルム1の全光線透過率は、91%であった。
(比較例1)
実施例2において、各成膜室間に設けた隔壁に開口部を設けない他は、実施例2と同様にして、比較例1のガスバリアフィルムを作製した。
この比較例1で得られたガスバリア膜は、基材フィルム側から、酸化ケイ素膜、酸窒化ケイ素膜、酸化ケイ素膜、酸窒化ケイ素膜、酸化ケイ素膜の順で形成された積層体であった。このガスバリア膜の組成は、実施例1のようではなく、組成比は各層の界面で段差になっていた。得られたガスバリアフィルム1の水蒸気透過率は0.03g/m/dayであり、酸素透過率は0.1cc/m/day・atmであった。また、ガスバリアフィルム1の全光線透過率は85%であった。
(実施例3)
実施例1と同様、図3に示したガスバリア膜の作製装置10Aを使用して、図1(B)に示す態様のガスバリア膜3を作製した。実施例1と同様、厚さ100μmで幅30cmで長さ1kmのポリエチレンナフタレート(PEN)フィルムのロール巻きを基材フィルム2として供給装置21に装着し、次に、基材フィルム2の先端を成膜装置30Aのドラム50に巻いた状態で引き出し、巻取装置22の芯材26に固定し、基材フィルム2を所定の速度で回転させながら巻き取りを開始した。その状態で、スパッタリング法により、基材フィルム2上にガスバリア膜3を作製した。
この成膜装置30Aには、3つの成膜室11A,11B,11Cがあるが、この実施例3ではそのうち2つの成膜室11A,11Bを使用した。上記した基材フィルム2の速度と成膜室内での処理時間を調整して、各層当たりの厚さが約80nmとなるように成膜条件を設定した。それぞれの成膜室には、スパッタリングターゲット16A,16Bとして、デュアルカソードのSiターゲットを使用し、スパッタ電源15から40kHz、4kWの電力を印加してスパッタリングを行った。各成膜室はターボ分子ポンプ90で排気され、成膜室内の圧力はコンダクタンスバルブ91で調整し、いずれも0.3Paとした。ドラム50も実施例1と同様、直径100cmで軸方向長さが35cmの円柱形態であり、冷却・加熱できるようになっている。2つの成膜室間の隔壁14Aは一部除去されて開口部13Aが形成され、成膜室内のガスはその開口部13Aから隣接する成膜室内に侵入する。開口部13ABの寸法は、隔壁の端部がドラム50表面から5cmの長さ後退し、ドラム50の軸方向に28cm延びた形態をなしている。
第1の成膜室11Aには、窒素ガス(20sccm)とアルゴンガス(30sccm)を流し、第2の成膜室11Bには、酸素ガス(20sccm)とアルゴンガス(30sccm)を流してガスバリア膜3を成膜した。実施例1と同様、各ガスは一定の量が流れるように設定してあるが、プラズマのインピーダンスが変化した場合には酸素ガスや窒素ガス流量を調整して、プラズマ状態を一定に保った。インピーダンスでのプラズマ制御が困難な場合は、プラズマの発光状態からガス流量を調整して、プラズマ状態を一定に保つようにした。なお、基材フィルム2の応力が大きく、基材フィルム2のそりが大きい場合は、成膜圧力を増加させるか、作製膜厚を低減するようにした。
こうした装置10Aにより、基材フィルム2上に厚さ240nmのガスバリア膜3を作製した。各層の組成分析はXPS装置を用い、ガスバリア膜3の表面から深さ方向にArエッチングを行い、各層のほぼ中間位置の組成を当該層の組成とした。得られたガスバリア膜3は、基材フィルム2側から見た場合、図2の右側から左側に向かうように、その厚さ方向(図1(B)の下から上に向かって)に、領域B(窒素含有量が酸素含有量よりも多い領域)80nmと、領域C(領域Aの酸素含有量が徐々に減少するとともに領域Bに向かって窒素含有量が徐々に増加する領域)80nmと、領域A(酸素含有量が窒素含有量よりも多い領域)80nmとの順で形成された積層体であった。このガスバリア膜3は、全領域において、Si含有量が約40原子%で、炭素含有量が約5原子%であった。領域Bでは、酸素含有量は10原子%〜20原子%程度、窒素含有量は40原子%〜50原子%程度であり、領域Cにおいては、酸素含有量は20原子%〜50原子%程度、窒素含有量は40原子%〜10原子%程度であり、領域Aでは、酸素含有量は50原子%〜60原子%程度、窒素含有量は0原子%を超え10原子%程度であった。このガスバリア膜において、領域Bの組成は、SiNxOyでx=1.2、y=0.08であった。なお、領域Aの組成は、SiNxOyで、x<0.1、y=1.7〜1.8であった。
また、得られたガスバリアフィルム1の水蒸気透過率は0.01g/m/day未満であった。また、ガスバリアフィルム1の全光線透過率は90%であった。測定方法は実施例1と同様である。その結果を表1に示した。
(実施例4〜8)
実施例3において、窒素ガスの流量とアルゴンガスの流量を調整して表1に示す組成からなるガスバリア膜を作製した。それ以外は実施例3と同様にして、実施例4〜8のガスバリアフィルムを作製した。得られたガスバリアフィルムの水蒸気透過率と、透過率と、B領域の組成を表1に示した。
(比較例2〜5)
実施例3において、窒素ガスの流量とアルゴンガスの流量を調整して表1に示す組成からなるガスバリア膜を作製した。それ以外は実施例3と同様にして、比較例2〜5のガスバリアフィルムを作製した。得られたガスバリアフィルムの水蒸気透過率と、透過率と、B領域の組成を表1に示した。なお、比較例4,5については、ガスバリアフィルムが黄色に変色しており、NGとした。
(評価)
表1の結果から、領域Bにおける好ましいSiNxOyの組成範囲を図6に示した。図6に示す実線で囲まれたガスバリア膜の組成範囲は、y≦1.5x+2、y≧1.5x+1.6、0.05≦y≦0.5、の範囲で表され、この実線の範囲内の組成範囲を有するSiNxOyは、その範囲外の組成のものに比べて水蒸気透過率が小さく、良好なバリア性を示していることが確認された。
Figure 0005136114
本発明のガスバリアフィルムの例を示す断面図である。 ガスバリア膜を構成するケイ素化合物中の各元素の含有割合の模式図である。 本発明のガスバリア膜の作製装置の一例を示す模式的な構成図である。 本発明のガスバリア膜の作製装置の他の一例を示す模式的な構成図である。 ガスバリア膜の深さ方向の組成分析結果を示すグラフである。 領域Bにおける好ましいSiNxOyの組成範囲を示すグラフである。
符号の説明
1,1A,1B,1C ガスバリアフィルム
2 基材フィルム
2’ フィルム(ガスバリア膜が形成された後の基材フィルム)
3 ガスバリア膜
10,10A,10B ガスバリア膜の作製装置
11,11A,11B,11C 成膜室
12A,12B,12C 供給配管
13A,13B 開口部
14A,14B 隔壁
15 成膜用電源(スパッタ電源)
16A,16B,16C 成膜用ターゲット
21 供給装置
22 収容装置
23,25 ロール状フィルム
24,26 芯材
27,28,29 ガイドローラ
30,30A,30B 成膜装置
31 チャンバー
50,51A,51B,51C ドラム
90 排気ポンプ
91 圧力調整バルブ
92 仕切板

Claims (7)

  1. 長尺の基材フィルムの移動方向にケイ素、酸素及び窒素を含むガスバリア膜を形成する複数の成膜ステップを有するガスバリア膜の作製方法であって、
    前記成膜ステップのうち隣接する成膜ステップには、酸素及び/又は窒素を含んだ組成の異なるガスを供給し、
    前記隣接する成膜ステップ間が開口部を有する隔壁で仕切られ、前記成膜ステップ内に供給されたガスの一部が前記開口部を通って隣接する成膜ステップ内に混合し、
    その状態下で各成膜ステップで成膜が行われることを特徴とするガスバリア膜の作製方法。
  2. 前記成膜ステップは、前記基材フィルムの移動方向に、
    酸素ガスを主に供給して酸素含有量が窒素含有量よりも多い膜を形成する成膜ステップIと、窒素ガスを主に供給して窒素含有量が酸素含有量よりも多い膜を形成する成膜ステップIIと、を少なくとも有する請求項に記載のガスバリア膜の作製方法。
  3. 前記基材フィルムの移動方向に、成膜ステップI、成膜ステップIIの順で配置されている、請求項に記載のガスバリア膜の作製方法。
  4. 前記基材フィルムの移動方向に、成膜ステップII、成膜ステップIの順で配置されている、請求項に記載のガスバリア膜の作製方法。
  5. 前記基材フィルムの移動方向に、成膜ステップI、成膜ステップII、成膜ステップIの順で配置されている、請求項に記載のガスバリア膜の作製方法。
  6. 前記成膜ステップの前に及び/又は後に、平坦化膜を形成するステップを有する、請求項1〜5のいずれかに記載のガスバリア膜の作製方法。
  7. 長尺の基材フィルムの移動方向にケイ素、酸素及び窒素を含むガスバリア膜を形成する複数の成膜室を有するガスバリア膜の作製装置であって、
    前記基材フィルムを供給する供給装置と、
    前記ガスバリア膜を形成した後の基材フィルムを巻き取る巻取装置と、
    前記供給装置と巻取装置との間に設けられて前記ガスバリア膜を形成する複数の成膜室とを少なくとも有し、
    前記成膜室のうち隣接する成膜室には、酸素及び/又は窒素を含んだ組成の異なるガスを供給する供給配管が設けられ、
    前記隣接する成膜室間には、開口部を有する隔壁が設けられていることを特徴とするガスバリア膜の作製装置。
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