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JP5133701B2 - 2つの脂肪分解酵素を使用する脂肪酸アルキルエステルの製造 - Google Patents

2つの脂肪分解酵素を使用する脂肪酸アルキルエステルの製造 Download PDF

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Description

発明の分野
本発明は、トリグリセリドの脂肪酸アルキルエステルへの転化を促進する第1脂肪分解酵素および遊離脂肪酸の脂肪酸アルキルエステルへの転化を促進する第2脂肪分解酵素を使用することによって、トリグリセリドから脂肪酸アルキルエステルを製造する方法に関する。
バイオディーゼルは、一般に、脂肪および油のモノアルキルエーテルとして分類され、環境的有益性のために、最近注目されるようになった。バイオディーゼルは現在化学的に (触媒として、例えば、NaOHおよび/またはナトリウムメトキシドを使用して) 首尾よく製造されるが、その発展を制限するいくつかの関連する問題、例えば、遊離脂肪酸の高い含有率のための前処理、エステル相およびグリセロール相からの化学的触媒の除去およびグリセロール回収間の無機塩類の除去が存在する。
化学的触媒により引き起こされる欠点は、触媒として脂肪分解酵素を使用することによって大きく防止され、近年、バイオディーゼルを製造するエステル交換において固定化されているか、あるいは固定化されていない脂肪分解酵素を使用することに関心がもたれるようになった。
エステルの酵素的製造において真菌エステラーゼを使用することができ、ここで鉱酸 (例えば、硫酸、塩化水素およびクロロスルホン酸) 、I、II、IIIおよびIV族の金属の両性水酸化物およびその他のような触媒の代わりに、真菌エステラーゼを使用することができる。エステル合成に酵素、特に下記の命名法によりEC 3.1.1カルボン酸エステルヒドロラーゼに分類される酵素を使用することは先行技術において記載されている: 酵素の命名法 (Enzyme Nomenclature) (Recommendations of the Nomenclature Committee of the International Union of Biochemistry and Molecular Biology、1992年以降) 。
WO 88/02775には、カンジダ・アンタルクチカ (Candida antarctica) からのリパーゼAおよびBが開示されている。カンジダ・アンタルクチカ (C. antarctica) リパーゼB (CALB) が酵素合成のためにいっそう有効であることが記載されている。
クチナーゼは基質クチンを加水分解できる脂肪分解酵素である。クチナーゼは種々の真菌から知られている (P. E. Kolattukudy、”Lipase”、編者B. BorgstroemおよびH. L. Brockman、Elsevie、1984、471-504) 。フミコラ・インソレンス (Humicola insolens) からのクチナーゼのアミノ酸配列は発表された (米国特許第5,827,719号) 。
多数の研究者らが報告しているように、有機溶媒の存在下にアルキルエステルの高い収率に到達させることができるが、有機溶媒の毒性および引火性のために、無溶媒培地中のリパーゼが触媒するアルコーリシスはいっそう望ましい。リパーゼが触媒するメタノリシスは、有機溶媒を含まない水含有系において起こることが示された。このような系において、メタノールに対する感受性が低いリパーゼが有利である (Kaleda 他、J. Biosci. Boieng. 2001、91: 12-15) 。過剰量の短鎖アルコール、例えば、メタノールはリパーゼを著しく不活性化することはよく知られている。しかしながら、油をその対応するメチルエステルに完全に転化するために、少なくとも3モル当量のメタノールが必要である。Du 他 (Biotechnol. Appl. Biochem. 2003、38: 103-106) は、不連続的バッチおよび連続的バッチの操作間における油/メタノールのモル比の効果を比較的に研究した。
リパーゼの不活性化を回避するために、反応を通じてメタノールを段階的に添加することによって、メタノール濃度は低く保持されてきている (Shimada 他、J. Mol. Catalysis Enzymatic、2002、17: 133-142; Xu 他、2004、Biocat. Biotransform. 22: 45-48) 。
カンジダ・デフォルマンス (Candida deformans) からのリパーゼはトリグリセリド (TG) のアルコーリシスおよび遊離脂肪酸 (FAA) のエステル化 の両方を触媒することができるが、同一条件ではないことを、Boutur 他 (J. Biotechnol. 1995、42: 23-33) は報告した。Boutur 他が記載する条件下に、エステル化のみが触媒された。
バイオディーゼルのための脂肪酸アルキルエステルをいっそう経済的に製造するために、脂肪および油をそれらの対応するメチルエステルにより速く転化しかつ前記転化の収率をより高くすることが必要とされている。
発明の要約
本発明は、脂肪酸アルキルエステル、例えば、脂肪酸メチルエステル (FAME) および脂肪酸エチルエステルを製造する方法に関する。このようなエステルは、また、バイオディーゼルと呼ばれる。なぜなら、更新可能な資源に部分的に基づく、無硫黄の高オクタン価の燃料を得るために、このようなエステルは鉱物ディーゼルへの添加物として使用されるからである。
本発明の方法は、アルコール、トリグリセリドおよび/または遊離脂肪酸を含んでなる溶液を包含し、前記溶液を特異性が異なる第1脂肪分解酵素および第2脂肪分解酵素と接触させ、ここで脂肪分解酵素はトリグリセリドまたは遊離脂肪酸または両方の混合物の脂肪酸アルキルエステルへの転化を触媒する。第1脂肪分解酵素は遊離脂肪酸に対するよりもトリグリセリドに対してより高い活性を示すことを特徴とするが、第2脂肪分解酵素はトリグリセリドに対するよりも遊離脂肪酸に対してより高い活性を示すことを特徴とする。第1脂肪分解酵素および第2脂肪分解酵素の活性は、実施例1および2に記載されている方法を使用することによって決定される。
第1脂肪分解酵素は、TGに対する活性/FFAに対する活性の比が0.2以下である。第2脂肪分解酵素は、TGに対する活性/FFAに対する活性の比が0.5以上である。
本発明による第1脂肪分解酵素と第2脂肪分解酵素との組合わせは、トリグリセリドおよびトリグリセリドと遊離脂肪酸との組合わせの脂肪酸アルキルエステルへの転化に対して相乗効果を生じ、これにより短時間でより高い転化百分率が得られる。
さらに、本発明は、前述の第1脂肪分解酵素および第2脂肪分解酵素を使用して脂肪酸アルキルエステルを製造するバッチ方法または連続的、段階的方法に関し、ここでアルコールを連続的または段階的に添加し、そして酵素をリサイクルさせるか、あるいはただ1回使用する。
発明の詳細な説明
本発明は、脂肪酸アルキルエステルを製造する方法に関する。本発明の方法は、アルコールと、トリグリセリドおよび/または遊離脂肪酸を含んでなる基質とを含んでなる溶液を包含する。この溶液を特異性が異なる第1脂肪分解酵素および第2脂肪分解酵素と接触させ、ここで脂肪分解酵素はトリグリセリドまたは遊離脂肪酸または両方の混合物の脂肪酸アルキルエステルへの転化を触媒する。
基質 本発明による脂肪酸アルキルエステルを製造するために適当な基質は、広範な種類の植物油および脂肪である; ナタネ油および大豆油は普通に使用されるが、他の作物、例えば、マスタード、ヒマワリ、カノーラ、ココナツ、アサ、ヤシの油およびさらに藻類が有望である。基質は粗製の品質であるか、あるいはさらに処理 (精製、漂白および脱臭) することができる。また、動物脂肪、例えば、獣脂、ラード、海産油ならびに普通に黄色および褐色グリースとして知られている廃棄植物および動物の脂肪および油を使用することができる。基質の脂肪および油は、純粋なトリグリセリドまたは廃棄された植物および動物の脂肪および油の中に見られるトリグリセリドと遊離脂肪酸との混合物であることができる。
基質は、また、植物油脱臭剤蒸留物から得ることができる。基質中の脂肪酸の種類は、植物および動物の脂肪および油の中にグリセリドとして天然に存在するものを含んでなる。これらは、少数の例を挙げれば、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、パルミチン酸およびラウリン酸である。粗製植物油中の少量構成成分は、典型的には、リン脂質、遊離脂肪酸および部分的グリセリド、すなわち、モノグリセリドおよびジグリセリドである。本明細書において使用するとき、句「脂肪酸残留物」は、遊離脂肪酸またはエステル化された脂肪酸、例えば、トリグリセリド、ジグリセリド、モノグリセリドまたは脂肪酸アルキルエステルを意味する。
バイオディーゼル 脂肪酸アルキルエステル、例えば、脂肪酸メチルエステル (FAME) および脂肪酸エチルエステルは、化石ディーゼルに対する添加物として使用できるので、また、バイオディーゼルと呼ばれる。バイオディーゼルは、更新可能な資源から製造されるので、化石油に基づくディーゼル燃料のための、重要性が増加している添加物または代替物を構成する。
アルコール 本発明の方法において使用するアルコールは、1〜5個の炭素原子を有する (C1-C5) 低級アルコールであることが好ましい。好ましいアルコールはメタノールおよびエタノールである。
脂肪分解酵素 本発明による第1脂肪分解酵素は遊離脂肪酸に対するよりもトリグリセリドに対してより高い活性を示すことを特徴とするが、第2脂肪分解酵素はトリグリセリドに対するよりも遊離脂肪酸に対してより高い活性を示すことを特徴とする。トリグリセリドおよび遊離脂肪酸に対する脂肪分解酵素の活性は、それぞれ実施例1および実施例2に記載されているようにして決定される。
本発明によれば、第1脂肪分解酵素は、0.2以下のトリグリセリドに対する活性 (トリグリセリドの脂肪酸アルキルエステルへの転化として測定される)/FFAに対する活性 (FFAの脂肪酸アルキルエステルへの転化として測定される) の比を有する酵素として定義される。第2脂肪分解酵素は、0.5以上のトリグリセリドに対する活性 (トリグリセリドの脂肪酸アルキルエステルへの転化として測定される)/FFAに対する活性 (FFAの脂肪酸アルキルエステルへの転化として測定される) の比を有する酵素として定義される。
したがって、本発明は、トリグリセリドおよびアルコールを含んでなる溶液を、トリグリセリドに対する活性/FFAに対する活性の比が0.2以下である第1脂肪分解酵素およびトリグリセリドに対する活性/FFAに対する活性の比が0.5以上である第2脂肪分解酵素と接触させることを特徴とする、脂肪酸アルキルエステルを製造する方法に関する。
第1脂肪分解酵素は、0.01〜0.2、より好ましくは0.01〜0.1より好ましくは0.0125〜0.05、より好ましくは0.015〜0.025、なおより好ましくは0.02〜0.024の範囲のトリグリセリドに対する活性/FFAに対する活性の比を有する。第2脂肪分解酵素は、好ましくは0.5〜20、より好ましくは0.6〜10、より好ましくは0.7〜5、より好ましくは0.8〜1.5の範囲のトリグリセリドに対する活性/FFAに対する活性の比を有する。
前述したように、トリグリセリドおよび遊離脂肪酸に対する脂肪分解酵素の活性は、それぞれ実施例1および実施例2に記載されているようにして決定される。下記において、実施例1におけるように測定したトリグリセリドに対する活性 (TGと略す)/ 実施例2におけるように測定した遊離脂肪酸に対する活性 (FFA) の比を、試験した脂肪分解酵素について計算した:
CALB:
TG/FFA = 0.55/26.41 = 0.021
フミコラ・インソレンス (H. insolens) クチナーゼ:
TG/FFA = 12.13/10 = 1.213
サーモミセス・ラヌギノスス (T. lanuginosus) リパーゼ:
TG/FFA = 13.22/16.25 = 0.814
本発明による第1脂肪分解酵素と第2脂肪分解酵素との組合わせは、トリグリセリドおよび/または遊離脂肪酸の脂肪酸アルキルエステルへの転化に対して相乗効果を有し、これにより短時間でより高い転化百分率が得られる。
本発明の方法の好ましい態様において、本発明の第1脂肪分解酵素はWO 88/02775に開示されているカンジダ・アンタルクチカ (Candida antarctica) からのリパーゼB (CALB) であるが、第2脂肪分解酵素はWO 00/60063において例示されているサーモミセス・ラヌギノスス (Thermomyces lanuginosus) (以前においてフミコラ・ラヌギノサ (Humicola lanuginosa)) リパーゼ変異型およびWO 01/92502の実施例2に開示されているフミコラ・インソレンス (Humicola insolens) クチナーゼ変異型、以後においてそれぞれサーモミセス・ラヌギノスス (T. lanuginosus) リパーゼおよびフミコラ・インソレンス (H. insolens) クチナーゼの1つである。
第2 の好ましい態様において、第1脂肪分解酵素はハイフォジマ (Hyphozyma) 種リパーゼおよびカンジダ・パラプシロシス (Candida parapsilosis) リパーゼを包含するが、本発明の第2脂肪分解酵素はWO 88/02775に開示されているカンジダ・アンタルクチカ (C. antarctica) リパーゼAおよびフミコラ・ラヌギノサ (Humicola lanuginosa) (EP 258 068) 、カンジダ・ルゴサ (Candida rugosa) 、シュードモナス・セパシア (Pseudomonas cepacia) 、ゲトリカム・カンジヅム (Geotricum candidum) 、リゾムコル・ミエヘイ (Rhizomucor miehei) 、クリプトスポリオプシス (Cryptosporiopsis) 種S-2およびカンジダ・パラプシロシス (Candida parapsilosis) からのリパーゼを包含する。
第3の態様において、第1脂肪分解酵素はCALB、ハイフォジマ (Hyphozyma) 種リパーゼまたはカンジダ・パラプシロシス (Candida parapsilosis) リパーゼと相同的であるが、第2脂肪分解酵素はサーモミセス・ラヌギノスス (T. lanuginosus) リパーゼ、フミコラ・インソレンス (H. insolens) クチナーゼまたはフミコラ・ラヌギノサ (Humicola lanuginosa) (EP 258 068) 、カンジダ・ルゴサ (Candida rugosa) 、シュードモナス・セパシア (Pseudomonas cepacia) 、ゲトリカム・カンジヅム (Geotricum candidum) 、リゾムコル・ミエヘイ (Rhizomucor miehei) 、クリプトスポリオプシス (Cryptosporiopsis) 種S-2およびカンジダ・パラプシロシス (Candida parapsilosis) からのリパーゼのいずれかと相同的である。
好ましくは、本発明による第1脂肪分解酵素はCALBと60%同一であるが、第2脂肪分解酵素はサーモミセス・ラヌギノスス (T. lanuginosus) リパーゼ、フミコラ・インソレンス (H. insolens) クチナーゼと60%同一である。より好ましくは、第1脂肪分解酵素はCALBと70%同一であり、さらにより好ましくは第1脂肪分解酵素はCALBと75%、80%、85%、88%、90%、92%、94%、95%、96%、97%、98%またはさらに99%同一である。同様に、第2脂肪分解酵素は好ましくはサーモミセス・ラヌギノスス (T. lanuginosus) リパーゼおよびフミコラ・インソレンス (H. insolens) クチナーゼと70%同一であり、より好ましくは第2脂肪分解酵素はサーモミセス・ラヌギノスス (T. lanuginosus) リパーゼまたはフミコラ・インソレンス (H. insolens) クチナーゼと75%、80%、85%、88%、90%、92%、94%、95%、96%、97%、98%またはさらに99%同一である。
これらの酵素は、凍結乾燥した粉末として、固定化された状態でまたは溶液の形態で適用することができる。
本発明の目的に対して、同一性の程度は下記の文献に記載されている方法に従い適当に決定できる: Needleman S. B. およびWunsch C. D. (1970) Journal of Molecular Biology 48、443-45、ポリペプチド配列の比較のために下記の設定を使用する: 3.0のGAP発生ペナルティーおよび0.1のGAPエクステンションペナルティー。この決定はコンピュータプログラム、例えば、GCGプログラムパッケージで提供されるGAP (Program Manual for the Wisconsin Package、Version 8、August 1994、Genetics Computer Group、575 Sequence Drive、米国ウィスコンシン州マディソン53711) により実施することができる。
Needleman (前掲) に記載されている方法に従い同一パラメーターを使用して、2つの所定の配列を整列させることができる。これはGAPプログラム (前掲) により実施することができる。
さらに、本発明は、前述の第1脂肪分解酵素および第2脂肪分解酵素を使用して、脂肪酸アルキルエステルを製造するバッチ方法および/または連続的、段階的方法に関し、ここでアルコールを連続的または段階的に添加し、そして酵素をリサイクルするか、あるいはただ1回使用する。酵素が水性相中に存在する場合、この相をデカンター、沈降タンクまたは遠心により分離することができる。連続的方法において、2相、それぞれ油相および水性相を向流的に処理することができる。Kosugi Y.、Tanaka H. およびTomizuka (1990) 、Biotechnology and Bioengineering、vol. 36、617-622には、植物油を固定化されたリパーゼにより加水分解する連続的、向流方法が記載されている。
脂肪酸アルキルエステル製造の一般的説明
トリグリセリドを含んでなる基質をアルコール、好ましくはメタノールまたはエタノールと混合し、30〜60℃、好ましくは50℃に往復水震蘯浴 (200 rpm) 上で加熱する。好ましくは、水を添加し、混合し、必要な温度にさらに加熱する。酵素を添加し、この溶液を激しく混合し、必要な温度、好ましくは50℃および200 rpmにおいて往復水震蘯浴上に放置して反応させる。高剪断ミキサー、例えば、植物油の酵素的脱ガムにおいて使用されているような型 (SilversonまたはIKA Labortechnik) を使用することによって、反応混合物の相を混合することができる (Clausen K. (2001) 、European Journal of Lipid Science and Technology、vol. 103、333-340) 。
[メタノール]/[脂肪酸アルキルエステル] のモル比は少なくとも0.1かつ最大10、好ましくは0.3〜5、より好ましくは0.4〜2の範囲であるべきである。アルコールは経時的に反応に段階的に添加できる。水は別々に添加するか、あるいは水性酵素溶液内に添加することができる。反応混合物中の水最終濃度は、0〜50% (w/w) 、好ましくは5〜40% (w/w) 、より好ましくは5〜30% (w/w) であることができる。基質は1〜99% (w/w) 、好ましくは70〜95% (w/w) の範囲のトリグリセリドを含んでなる。さらに、基質は0.01〜95% (w/w) 、好ましくは0.01〜30% (w/w) の範囲の遊離脂肪酸を含んでなることができる。また、モノグリセリドおよびジグリセリドおよびリン脂質が存在することができる。
ある反応時間後、試料を反応混合物から抜き出すことによって、反応経過を追跡することができる。試料を14,000 rpmにおいて14分間遠心する。上相は水相中に溶解しない脂肪物質から成り、これを1H NMR (溶媒としてCDCl3を使用する) により分析する。反応が終了した後、グリセロール相をデカンテーションまたは遠心により除去する。
脂肪分解酵素をコードするDNA配列のクローニング
親脂肪分解酵素をコードするDNA配列は、この分野においてよく知られている種々の方法により、問題の脂肪分解酵素を産生する微生物細胞から単離することができる。まず、研究すべき脂肪分解酵素を産生する生物からの染色体DNAまたはメッセンジャーDNAを使用して、ゲノムDNAおよび/またはcDNAライブラリーを構築すべきである。次いで、脂肪分解酵素のアミノ酸配列が既知である場合、標識化オリゴヌクレオチドプローブを合成し、これを使用して、問題の生物から調製したゲノムライブラリーから脂肪分解酵素をコードするクローンを同定することができる。選択的に、低いストリンジェンシイのハイブリダイゼーション条件および洗浄条件下に、プローブとして他の既知の脂肪分解酵素遺伝子に対して相同的である配列を含有する標識化オリゴヌクレオチドプローブを使用して、脂肪分解酵素をコードするクローンを同定することができる。
脂肪分解酵素をコードするクローンを同定するなお他の方法は、発現ベクター、例えば、プラスミドの中にゲノムDNAフラグメントを挿入し、生ずるゲノムDNAライブラリーでクチナーゼ陰性細菌を形質転換し、次いで形質転換された細菌を脂肪分解酵素の基質 (すなわち、トリグリセリド) を含有する寒天上に配置し、これにより脂肪分解酵素を発現するクローンの同定を可能とすることを含む。
選択的に、この酵素をコードするDNA配列は、確立された方法、例えば、下記の方法により合成的に製造することができる: S. L. BeaucageおよびM. H. Caruthers (1981) Tetrahedron Letters 22、p. 1859-1869に記載されているホスホアミダイト法またはMatthes 他 (1984) EMBO J. 3、p. 801-805に記載されている方法。ホスホアミダイト法において、オリゴヌクレオチドを、例えば、自動DNA合成装置により合成し、精製し、アニリーングし、結合し、そして適当なベクター中でクローニングする。
最後に、DNA配列は混合ゲノムおよび合成由来、混合合成およびcDNA由来または混合ゲノムおよびcDNA由来であることができ、合成、ゲノムまたはcDNA由来のフラグメント (適当ならば、全DNA配列の種々の部分に対応するフラグメント) を標準技術に従い結合することによって製造される。DNA配列は、また、ポリメラーゼ連鎖反応 (PCR) により、特異的プライマーを使用して、例えば、下記の文献に記載されているようにして製造することができる: 米国特許第4,683,202号またはP. K. Saiki 他 (1988) Science 239、1988、pp. 487-491。
発現ベクター
本発明の脂肪分解酵素をコードするDNA配列を担持する組換え発現ベクターは、組換えDNA手順に好都合に付すことができる任意のベクターであることができ、そしてベクターの選択はしばしばそれを導入すべき宿主細胞に依存する。ベクターは、宿主細胞の中に導入したとき、宿主細胞ゲノム中に組込まれ、そしてそれが組込まれた1または2以上の染色体と一緒に複製するベクターであることができる。適当な発現ベクターの例はpMT838である。
本発明の発現ベクターは、また、適当に転写ターミネーターおよび、真核生物において、本発明の脂肪分解酵素をコードするDNA配列に作用可能に接続されているポリアデニル化配列を含んでなることができる。停止配列およびポリアデニル化配列は、プロモーターと同一の配列に適当に由来することができる。
ベクターは、問題の宿主細胞においてベクターの複製を可能とするDNA配列をさらに含んでなることができる。このような配列の例は、プラスミドpUC19、pACYC177、pUB110、pE194、pAMB1およびpIJ702の複製起点である。
ベクターは、また、選択可能なマーカー、例えば、その産物が宿主細胞における欠陥を補足する遺伝子、例えば、バシラス・サチリス (B. subtilis) またはバシラス・リヘニフォルミス (B. licheniformis) からのdal遺伝子、または抗生物質耐性、例えば、アンピシリン、カナマイシン、クロラムフェニコールまたはテトラサイクリンの耐性を与える遺伝子を含んでなることができる。さらに、ベクターはアスペルギルス (Aspergillus) 選択マーカー、例えば、amdS、argB、niaDおよびsC、すなわち、ヒグロマイシン耐性を生ずるマーカーを含んでなることができるか、あるいは選択は共形質転換により、例えば、WO 91/17243に記載されているように達成することができる。
それぞれクチナーゼ変異型をコードする本発明のDNA構築物、プロモーター、ターミネーターおよび他の要素を結合し、かつ複製に必要な情報を含有する適当なベクター中にそれらを挿入するために使用する手順はこの分野においてよく知られている (例えば、下記の文献を参照のこと: Sambrook 他、Molecular Cloning: A Laboratory Manual、第2版、Cold Spring Harbor、1989) 。
プロモーター
ベクターにおいて、DNA配列は適当なプロモーター配列に作用可能に接続されているべきである。プロモーターは選択した宿主細胞において転写活性を示す任意のDNA配列であることができ、そして宿主細胞に対して相同的または異種的であるタンパク質をコードする遺伝子に由来することができる。
特に細菌宿主において、本発明の脂肪分解酵素をコードするDNA配列の転写を指令するために適当なプロモーターの例は次の通りである: 大腸菌 (E. coli) のlacオペロンのプロモーター、ストレプトマイセス・ケリコロル (Streptomyces coelicolor) アガロース遺伝子dagAプロモーター、バシラス・リヘニフォルミス (Bacillus licheniformis) α-アミラーゼ遺伝子 (amyL) のプロモーター、バシラス・ステアロサーモフィラス (Bacillus stearothermophilus) マルトジェニックアミラーゼ遺伝子 (amyM) のプロモーター、バシラス・アミロリクファシエンス (Bacillus amyloliquefaciens) α-アミラーゼ (amyQ) のプロモーター、バシラス・サチリス (Bacillus subtilis) xylAおよびxylB遺伝子のプロモーターおよびその他。
真菌宿主における転写のために、有効なプロモーターの例は下記をコードする遺伝子に由来するものである: アスペルギルス・オリゼ (A. oryzae) TAKAアミラーゼ、サッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) からのTPI (トリオースリン酸イソメラーゼ) プロモーター (Alber 他 (1982) J. Mol. Appl. Genet. 1、p. 419-434) 、リゾムコル・ミエヘイ (Rhizomucor miehei) アスパラギン酸プロテイナーゼ、アスペルギルス・ニガー (A. niger) 中性α-アミラーゼ、アスペルギルス・ニガー (A. niger) 酸安定性α-アミラーゼ、アスペルギルス・ニガー (A. niger) グルコアミラーゼ、リゾムコル・ミエヘイ (Rhizomucor miehei) リパーゼ、アスペルギルス・オリゼ (A. oryzae) アルカリ性プロテアーゼ、アスペルギルス・オリゼ (A. oryzae) トリオースリン酸イソメラーゼまたはアスペルギルス・ニヅランス (A. nidulans) アセトアミダーゼ。
宿主細胞
上に定義した本発明のDNA構築物または発現ベクターを含んでなる、本発明の細胞は、本発明の脂肪分解酵素の組換え製造において宿主細胞として好都合に使用される。脂肪分解酵素をコードする本発明のDNA構築物で、好都合には宿主染色体中にDNA構築物 (1または2以上のコピーで) を組込むことによって、細胞を形質転換することができる。DNA配列は細胞中に安定に維持される傾向があるので、この組込みは一般に有利であると考えられる。宿主染色体中のDNA構築物の組込みは、慣用法に従い、例えば、相同的または異種的組換えにより実施することができる。選択的に、細胞は異なる型の宿主細胞に関して前述した発現ベクターで形質転換することができる。
本発明の細胞は、高等生物、例えば、哺乳動物または昆虫の細胞、特に微生物細胞、例えば、細菌または真菌 (酵母を包含する) 細胞であることができる。
適当な細菌の例は次の通りである: グラム陽性細菌、例えば、バシラス・サチリス (Bacillus subtilis) 、バシラス・リヘニフォルミス (Bacillus licheniformis) 、バシラス・レンツス (Bacillus lentus) 、バシラス・ブレビス (Bacillus brevis) 、バシラス・ステアロサーモフィラス (Bacillus stearothermophilus) 、バシラス・アルカロフィルス (Bacillus alkalophillus) 、バシラス・アミロリクファシエンス (Bacillus amyloliquefaciens) 、バシラス・コアギュランス (Bacillus coagulans) 、バシラス・サーキュランス (Bacillus circulans) 、バシラス・ラウツス (Bacillus lautus) 、バシラス・メガテリウム (Bacillus megaterium) 、バシラス・スリンジェンシス (Bacillus thuringiensis) またはストレプトマイセス・リビダンス (Streptomyces lividans) またはストレプトマイセス・ムリヌス (Streptomyces murinus) 、またはグラム陰性細菌、例えば、大腸菌 (E. coli) 。細菌の形質転換は、例えば、プロトプラスト形質転換によりまたはそれ自体知られている方法においてコンピテント細胞を使用することによって実施することができる。
酵母生物は、サッカロマイセス (Saccharomyces) またはシゾサッカロマイセス (Schizosaccharomyces) 、例えば、サッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) から好適に選択することができる。
宿主細胞は、また、糸状真菌、例えば、下記に属する菌株であることができる: アスペルギルス (Aspergillus) 種、特にアスペルギルス・オリゼ (Aspergillus oryzae) またはアスペルギルス・ニガー (Aspergillus niger) 、またはフザリウム (Fusarium) の菌株、例えば、フザリウム・オキシスポラム (Fusarium oxysporum) 、フザリウム・グラミネアラム (Fusarium graminearum) (完全な状態の名称ジッベレラ・セエ (Gibberella zeae) 、以前においてスフェリア・ゼエ (Sphaeria zeae) 、ジッベレラ・ロゼウム (Gibberella roseum) およびジッベレラ・ロゼウム (Gibberella roseum) f. 種セレアリス (cerealis)) またはフザリウム・スルフレウム (Fusarium sulphureum) (完全な状態の名称ジッベレラ・プリカリス(Gibberella puricaris)、同義フザリウム・トリコテキオイデス (Fusarium trichothecioides) 、フザリウム・バクトリジオイデス (Fusarium bactridioides) 、フザリウム・サムブシヌム (Fusarium sambucinum) 、フザリウム・ロゼウム (Fusarium roseum) およびフザリウム・ロゼウム (Fusarium roseum) var. グラミネアルム (graminearum)) 、フザリウム・セレアリス (Fusarium cerealis) (同義フザリウム・クロックウェレンセ (Fusarium crookwellense)) またはフザリウム・ベネナツム (Fusarium venenatum) の菌株。
本発明の特定の態様において、宿主細胞はプロテアーゼ欠乏菌株またはプロテアーゼマイナス菌株である。これは、例えば、名称 「alp」 のアルカリ性プロテアーゼ遺伝子が欠失したプロテアーゼ欠乏菌株アスペルギルス・オリゼ (Aspergillus oryzae) JaL 125であることができる。この菌株はWO 97/35956 (Novo Nordisk) に記載されている。
糸状真菌細胞は、それ自体知られている方法において、プロトプラストの形成およびプロトプラストの形質転換および引き続く細胞壁の再生を含む方法により形質転換することができる。宿主微生物としてのアスペルギルス (Aspergillus) の使用はEP 238 023 (Novo Nordisk) (その内容は引用することによって本明細書の一部とされる) に記載されている。
形質転換体の培養による脂肪分解酵素の製造
本発明は、なかでも、本発明の脂肪分解酵素を製造する方法に関し、この方法は脂肪分解酵素の製造を促進する条件下に宿主細胞を培養し、細胞および/または培地から脂肪分解酵素を回収することを含んでなる。
細胞を培養するために使用する培地は、問題の宿主細胞を増殖させ、本発明の脂肪分解酵素を発現させるために適当な任意の慣用培地であることができる。適当な培地は商業的供給会社から入手可能であるか、あるいは発表された調製法 (例えば、American Type Culture Collectionのカタログに記載されているような) に従い調製することができる。
宿主細胞から分泌される脂肪分解酵素は、よく知られている手順、例えば、下記の手順により培地から好都合に回収できる: 遠心または濾過による培地からの細胞の分離、および塩、例えば、硫酸アンモニウムによる培地からのタンパク質成分の沈降、引き続くクロマトグラフィー手順、例えば、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィーまたはその他の使用。
材料および方法
トリブチリンに対するリパーゼ活性 (LU)
脂肪分解酵素のための基質は、乳化剤としてアラビアゴムを使用してトリブチリン (グリセリントリブチレート) を乳化することによって調製される。30℃、pH 7におけるトリブチリンの加水分解をpHスタット滴定実験において追跡する。リパーゼ活性の1単位 (1 LU) は、標準的条件において1 μmの酪酸/分を解放できる酵素の量に等しい。
脂肪酸アルキルエステルの製造
8.00 gの基質をメタノールと混合する (0.500 ml → 0.395 g) 。下記のタイプの基質を使用した:
実施例1) 100%のサラダ油 (精製し、漂白し、脱臭したサラダ油、RBO SBO);
実施例2) 100%のオレイン酸;
実施例3) RBO SBO中の20% w/wのオレイン酸の混合物。
基質-メタノール混合物を往復水震蘯浴 (200 rpm) 上で50℃に加熱する。全混合物の32% w/wに対応する、脱イオン水を添加する (容積は添加した酵素の容積に依存する; 水の全量 : 酵素添加からの水を含む4.00 ml) 。この混合物を50℃に加熱する。次いで酵素を混合物に添加し、10秒間激しく混合し、50℃、200 rpmにおいて往復水震蘯浴上に放置する。反応混合物の相を高剪断ミキサー、例えば、型 (Silverson Ltd. 英国またはIKA Kunkelからの) の高剪断ミキサーにより混合することができる。
3時間の反応後、試料を反応混合物から抜き出し、14,000 rpmにおいて14分間遠心する。上層は水相中に溶解しない脂肪物質から成り、これを1H NMR (溶媒としてCDCl3を使用する) Varian 400 MHz分光計 (Varian Inc. 米国カリフォルニア州) により分析する。脂肪酸メチルエステル、-COOCH 3からのメチル信号 (3.70 ppm)/脂肪酸残留物からのCH 3CH2- (1.0〜0.9 ppm) の比により、脂肪酸残留物の脂肪酸メチルエステルへの転化を決定する。
酵素の投与量は少なくとも0.4 mgのタンパク質/8.00 gの基質に基づく。組合わせた2つの酵素の相乗効果を試験するために、0.2 mgの各酵素を8 gの基質に添加し、0.4 mgの投与量/8 gの基質において単一酵素の各々と比較した。タンパク質の量を酵素活性にに関係づけるために、標準的酵素活性アッセイ、この場合において上に記載したLUアッセイ (トリブチリンに対するリパーゼ活性) を適用することができる。下記の酵素調製物を使用した:
1. サーモミセス・ラヌギノスス (T. lanuginosus) リパーゼ (TLL、比活性7,000 LU/mg タンパク質)
2. カンジダ・アンタルクチカ (C. antarctica) リパーゼB (CALB、比活性500 LU/mg タンパク質)
3. フミコラ・インソレンス (H. insolens) (クチナーゼ、比活性 1,800 LU/mg タンパク質)
単一酵素を使用する実験のための酵素の投与量および追加の水の容積:
1. TLL: 0.700 mlの4,000 LU/mlの酵素溶液 + 3.30 mlの水
2. CALB: 1.680 mlの119 LU/ mlの酵素溶液 + 2.32 mlの水
3. クチナーゼ: 0.450 mlの1,600 LU/ mlの酵素溶液 + 3.55 mlの水
酵素の組合わせを使用する実験のための酵素の投与量および追加の水の容積:
1. TLL + CALB: (0.350 mlの4,000 LU/mlのTLL溶液 + 0.840 mlの119 LU/ mlのCALB溶液 + 2.810 mlの水)
2. クチナーゼ + CALB: (0.225 mlの1,600 LU/ mlのクチナーゼ溶液 + 0.840 mlの119 LU/ mlのCALB溶液 + 2.935 mlの水)
実施例1トリグリセリドからの脂肪酸アルキルエステルの製造
精製し、漂白し、脱臭した大豆油 (RBO SBO、サラダ油) を、前述の一般的方法に従い基質として使用した。
異なる脂肪分解酵素を使用する3時間の反応後における、FAMEへの脂肪酸残留物の転化率 (%) を表1に示すが、CALBとTLLとの組合わせを使用して達成された転化率 (%) を表2に示す。4回の同一実験の変動係数% (CV%) は2.2%であると決定された。
Figure 0005133701
Figure 0005133701
実施例2オレイン酸からの脂肪酸アルキルエステルの製造
オレイン酸を前述の一般的方法に従い基質として使用した。異なる脂肪分解酵素を使用する3時間の反応後におけるFAMEへの脂肪酸残留物の転化率 (%) を表3に示す。
Figure 0005133701
実施例3遊離脂肪酸を含有するトリグリセリドからの脂肪酸アルキルエステルの製造
RBO SBO中の20% w/wのオレイン酸の混合物を、前述の一般的方法に従い基質として使用した。異なる脂肪分解酵素および前記酵素の組合わせを使用する3時間の反応後におけるFAMEへの脂肪酸残留物の転化率 (%) を表4および表5に示す。
Figure 0005133701
Figure 0005133701

Claims (15)

  1. (a)トリグリセリドを含んでなる基質と(b)1〜5個の炭素原子を有するアルコールとを含んでなる溶液を、カンジダ・アンタルクチカ(Candida antarctica)からのリパーゼBである第1脂肪分解酵素およびサーモミセス・ラヌギノスス(T. lanuginosus)リパーゼまたはフミコラ・インソレンス(H. insolens)クチナーゼである第2脂肪分解酵素と接触させることによって、反応混合物を調製する、脂肪酸アルキルエステルを製造する方法。
  2. 前記基質が遊離脂肪酸をさらに含んでなる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記遊離脂肪酸が0.01〜95重量%の範囲にある、請求項2に記載の方法。
  4. 前記トリグリセリドが、植物油フィードストック、ナタネ油、大豆油、マスタード油、ヒマワリ油、カノーラ油、ヤシ油、麻実油、パーム油、タル油及び動物脂肪の1または2以上に由来する、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記動物脂肪が、獣脂、ラード、家禽油又は魚油である、請求項4に記載の方法。
  6. アルコール/脂肪酸残留物のモル比が少なくとも1かつ最大10である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記アルコール/脂肪酸残留物のモル比が0.3〜5である、請求項6に記載の方法。
  8. 前記アルコール/脂肪酸残留物のモル比が0.4〜3である、請求項7に記載の方法。
  9. 前記アルコールがメタノールまたはエタノールである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記反応混合物が水をさらに含んでなる、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記水の量が50%(w/w)までである、請求項10に記載の方法。
  12. 工程をバッチモードで進行させる、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 工程を連続的モードで進行させる、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記反応混合物中で溶液相を高剪断ミキサーにより混合する、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. この方法を向流モードで進行させる、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
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