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JP5133634B2 - 冷蔵庫 - Google Patents

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JP5133634B2
JP5133634B2 JP2007231046A JP2007231046A JP5133634B2 JP 5133634 B2 JP5133634 B2 JP 5133634B2 JP 2007231046 A JP2007231046 A JP 2007231046A JP 2007231046 A JP2007231046 A JP 2007231046A JP 5133634 B2 JP5133634 B2 JP 5133634B2
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  • Cold Air Circulating Systems And Constructional Details In Refrigerators (AREA)

Description

本発明は、冷却器で生成した冷気を送風機によって吐出口を介して冷却室に吐出する冷蔵庫に関する。
従来の冷蔵庫は特許文献1に開示されている。この冷蔵庫は冷蔵室の下方に冷凍室が配され、冷蔵室と冷凍室との間には製氷室及び温度切替室が左右に隣接して設けられる。温度切替室は冷凍温度帯から冷蔵温度帯まで室内温度を切り替えることができる。冷凍室の背面中央部には冷気を生成する冷却器が配され、冷蔵室の背面にはダンパを介して冷却器からの冷気が流通する冷気通路が設けられる。また、製氷室の背面には冷蔵室の冷気通路に連通した連通路内に送風機が設けられる。
冷却器で冷却された冷気は送風機によって製氷室に送出され、製氷室に連通する冷凍室を流通する。また、冷却器の冷熱が冷凍室の背壁を介して冷凍室内に伝えられ、連通路を流通する冷気の冷熱が製氷室の背壁を介して製氷室内に伝えられる。これにより、製氷室及び冷凍室が冷却される。
冷蔵室がダンパを開くと冷却器で冷却された冷気は送風機によって冷蔵室の冷気通路に導かれ、冷気通路を流通して冷蔵室に吐出される。また、冷気通路を流通する冷気の冷熱は冷蔵室の背壁を介して冷蔵室内に伝えられる。これにより、冷蔵室が冷却される。送風機の下流で分岐した連通路を流通する冷気が温度切替室に吐出され、温度切替室が冷却される。
特開平11−270956号公報(第3頁−第8頁、第4図)
しかしながら、上記従来の冷蔵庫によると、冷却器が冷凍室の背面中央部に配され、送風機が一方の側方に配置される。このため、冷却器で熱交換した冷気は送風機に向かって連通路内を屈曲して流通し、更に送風機を通過後に屈曲して冷蔵室の冷気通路に流入する。従って、風路長が長くなるとともに屈曲によって圧力損失が大きくなり、送風効率が悪い問題があった。特に、冷蔵庫の横幅が広くなると風路長がより長くなるため更に送風効率が悪くなる。
本発明は、送風効率を向上できる冷蔵庫を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、貯蔵物を冷却保存する冷却室と、前記冷却室に流入する冷気を生成する冷却器と、前記冷却器で生成された冷気を流通させる第1の送風機と、前記冷却器と前記第1の送風機が配される第1の冷気通路と、前記第1の冷気通路の一部であって、前記第1の送風機の前方に配される圧力室と、前記圧力室の前記冷却室側に左右に並設して開口する複数の吐出口と、前記第1の冷気通路から冷気が流入する流入部を有するとともに前記第1の冷気通路の上に設けられた第2の冷気通路とを備え、前記冷却器、前記第1の送風機及び前記流入部が左右方向の一方に偏って配置され、前記第2の冷気通路は前記流入部から分岐した左側に配される第1通路と右側に配される第2通路を有し、前記第1、第2通路の一方は前記流通部から直接上方に延びて形成され、他方は前記流通部から横方向に延びる横通路を介して上方に延びて形成され、前記冷却器、前記第1の送風機、前記流入部及び前記第1通路が上下に並設されるか、前記冷却器、前記第1の送風機、前記流入部及び前記第2通路が上下に並設され、前記送風機に近い前記吐出口の上下方向の幅が前記送風機から離れた前記吐出口の上下方向の幅よりも小さいことを特徴としている。
この構成によると、左右方向の一方に偏って配置される冷却器で生成された冷気は冷却器と同じ側に偏った送風機の駆動によって前方の圧力室に流入する。圧力室には冷気が溜められ、左右に並ぶ複数の吐出口を介して冷気が所定の圧力で冷却室に吐出される。この時、送風機に近い吐出口は冷気が吐出し易いため上下方向の幅を小さくして送風機から遠い吐出口と同程度の吐出量で冷気が吐出される。複数の吐出口は左右方向の幅が同じでもよく、一部を更に左右に分割して異なる幅にしてもよい。
また本発明は上記構成の冷蔵庫において、前記吐出口の一端は左右方向において前記送風機の冷蔵庫外壁に近い側の端部近傍に配置されることを特徴としている。この構成によると、例えば送風機が左方に偏って配置され、送風機の左端と左方の吐出口の左端とは左右方向において略同じ位置に配される。
また本発明は上記構成の冷蔵庫において、前記第1の冷気通路の上部の前方に貯蔵室を配置したことを特徴としている
また本発明は上記構成の冷蔵庫において、前記流入部には第2の送風機が配置されていることを特徴としている
本発明によると、冷却器及び送風機が左右の一方向に偏って配置されるので、冷却器と送風機との間の通路を屈曲させずに形成できる。このため、圧力損失を低減して送風効率を向上することができる。また、送風機に近い吐出口の上下方向の幅が送風機から離れた吐出口の上下方向の幅よりも小さいので、冷却室内に均一に冷気を吐出して冷却室内の温度分布を均一にすることができる。
また本発明によると、吐出口の一端が左右方向において送風機の冷蔵庫外壁に近い側の端部近傍に配置されるので、冷却室の左右方向の中央部に寄せて冷気が吐出される。従って、冷却室内の温度分布を更に均一にすることができる。
た、冷却器と流入部との間の通路を屈曲させずに形成できる。このため、圧力損失を低減して送風効率をより向上することができる。
た、流入部に導かれる冷気の冷熱を放出することができる。従って、冷気の冷熱が奪われず、冷蔵庫の冷却効率を向上することができる。
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1、図2は第1実施形態の冷蔵庫を示す正面図及び右側面図である。冷蔵庫1は上部に冷蔵室2(第1貯蔵室)が配され、冷蔵室2の下方には製氷室4(第2貯蔵室)及び温度切替室3(第3貯蔵室)が左右に並設される。温度切替室3及び製氷室4の下方には冷凍室6(冷却室)が配され、冷凍室6の下方に野菜室5が配されている。
冷蔵室2は貯蔵物を冷蔵保存し、野菜室5は冷蔵室2よりも高い室内温度(約8℃)で野菜を冷却保存する。温度切替室3は詳細を後述するように、使用者により室温を切り替えられるようになっている。製氷室4及び冷凍室6は連通して氷点以下に維持される。冷凍室6は貯蔵物を冷凍保存し、製氷室4は氷を製氷して貯氷する。
図3は冷蔵庫1の本体部の正面図を示している。冷蔵庫1の本体部は発泡断熱材を充填した断熱箱体を有している。製氷室4及び温度切替室3と冷蔵室2との間は断熱壁7により隔離され、冷凍室6と野菜室5との間は断熱壁8により隔離される。また、温度切替室3と冷凍室6との間は断熱壁35により隔離され、温度切替室3と製氷室4との間は縦断熱壁36により隔離されている。
野菜室5には樹脂成形品から成る収納ケース45b、45cが上下2段に設けられる。収納ケース45b、45cはスライド自在に形成されている。また、野菜室5の収納ケース45bの上面はスライド自在の蓋45aにより閉じられる。冷凍室6には樹脂成形品から成る収納ケース46a、46bが上下2段に設けられる。収納ケース46a、46bはスライド自在に形成されている。温度切替室3には金属製の収納ケース43が設けられる。製氷室4には製氷トレイ73を有した製氷装置72が設けられる。製氷装置72の下方には製氷トレイ73で形成された氷を貯氷する樹脂成形品の貯氷ケース44が設けられる。
冷蔵室2には貯蔵物を載置する複数の仕切棚41が設けられる。下段の仕切棚41の下方は縦に延びる仕切壁61、62によって仕切られ、隔離室となるチルド室21、小物収納室65及び水タンク室70が左右に並設される。
チルド室21(第1隔離室)は樹脂成形品から成る収納ケース42が配され、収納ケース42の前面上部は開閉自在のカバー42aにより覆われる。チルド室21内は冷蔵室2の他の領域よりも低温のチルド温度帯(約−2℃〜0℃)に維持される。
小物収納室65は上下にそれぞれ樹脂成形品から成る収納ケース47、48が配される。上段の収納ケース47には卵を収納する複数の円孔を有した卵用容器49が設けられる。水タンク室70は製氷装置72に給水する水タンク71が収納される。
図4は冷蔵庫1の正面断面図を示している。また、図5は冷蔵庫1の小物収納室65を通る側面断面図を示している。野菜室5の背後には機械室50が設けられ、機械室50内に圧縮機57が配される。圧縮機57には凝縮器、膨張器(いずれも不図示)及び冷却器11が接続され、圧縮機57の駆動によりイソブタン等の冷媒が循環して冷凍サイクルが運転される。これにより、冷却器11が冷凍サイクルの低温側となる。
冷凍室6の背後には背面板6aで仕切られる冷気通路31が設けられる。冷気通路31は仕切板31cにより前部31aと後部31bとに仕切られ、後部31bに冷却器11が配される。また、冷却器11は製氷室4が配される左方に偏って配置される。前部31aは仕切板31dによって上下に仕切られ、冷凍室6に吐出される冷気は仕切板31dの上方を流通する。
冷気通路31の前部31aの前面には一部を突出した突出部31g、31hが形成される。突出部31gは収納ケース46aの上方に設けられ、突出部31hは収納ケース46bの上方に設けられる。
図6は突出部31g、31hの詳細を示す正面図である。突出部31gには収納ケース46aに冷気を吐出する吐出口6b〜6dが左右に並設して開口する。突出部31hには収納ケース46bに冷気を吐出する吐出口6e〜6gが左右に並設して開口する。吐出口6b〜6d及び吐出口6e〜6gを介して冷気が収納ケース46a、46b内に吐出される。
冷却器11は冷媒が流通する冷媒管11aが蛇行して形成され、冷媒管11aの左右端部がエンドプレート11bにより支持されている。冷媒管11aには放熱用の多数のフィン(不図示)が接して設けられている。また、冷媒管11aの上部には気液分離器11cが接続される。
仕切板31dの下方には冷却器11の前面に開口する冷凍室戻り口22が設けられる。冷却器11が冷凍室6の背面側に配されるため、冷却器11の冷熱が仕切板31c、前部31a、背面板6aを介して冷凍室6側へ放出される。これにより、冷凍室6が効率よく間接冷却され、冷却効率が向上されるようになっている。
冷凍サイクルの低温側となる冷却器11と冷気通路31を流通する空気とが熱交換して冷気が生成される。冷却器11の下方には冷却器11を除霜する除霜ヒータ33が設けられている。除霜ヒータ33の下方には除霜による水を受けるドレンパン83が設けられる。ドレンパン83にはドレンパイプ84が設けられ、機械室50内に配された蒸発皿85(図7参照)にドレンパイプ84を介して除霜水が導かれる。
冷蔵室2の背後には冷蔵室ダンパ20を介して冷気通路31と連通する冷気通路32が設けられる。冷気通路32は冷気通路31から冷気が流入する側に流入部32aが設けられる。流入部32aは左方に偏って小物収納室65の背後に配置される。このため、冷気通路31の上部は左方に偏った冷却器11から製氷室4の背後を通って流入部32aに連通する。これにより、冷気通路31の上部を流通する冷気の冷熱が製氷室4に放出され、製氷室4が冷却される。
流入部32aは左右方向の通路幅が狭く、冷気通路32は流入部32aの下流側で左右方向に広がって設けられる。即ち、流入部32aの下流側は冷蔵室2の左側に配される第1通路32bと右側に配される第2通路32cに分岐する。第1通路32bは左方に偏る流入部32aから上方に延びて形成される。第2通路32cは流入部32aから横方向に延びる横通路32dを介して上方に延びて形成される。
第1、第2通路32b、32cの上端には側方に向かって冷蔵室2に冷気を吐出する吐出口2aが設けられる。また、第2通路32cの側壁には複数の吐出口2bが上下に並んで開口する。冷蔵室2から冷気が流出する冷蔵室戻り口2cは冷蔵室2の右側の下部に開口する。
第1通路32bは流入部32aから直接上方に延びるため第2通路32cよりも容易に冷気が流通する。しかし、第2通路32cに複数の吐出口2bを設けて冷蔵室戻り口2cを右側に配置することにより、左方に偏って配置される流入部32aから右側の第2通路32cに冷気を導きやすくなる。従って、第1、第2通路32b、32cに均一に冷気を流通させることができる。また、吐出口2bと同様の吐出口を第1通路32bに設け、第2通路32c側の吐出口2bの開口面積が第1通路32b側よりも大きくなるように調整しても同様の効果を得ることができる。
第1、第2通路32b、32cの間には空間部32eが設けられる。これにより、冷蔵室2が広くても第1、第2通路32b、32cの流路面積を必要な大きさに保ち、冷気の流速の著しい低下を抑制することができる。従って、冷蔵室2内に冷気を行き届かせることができる。尚、冷蔵室送風機23に充分な送風能力があれば、空間部32eを省いてもよい。この時、チルド室21の吐出口21aに冷気を導く横方向に延びるガイド壁を設けるとよい。
横通路32dの下部にはチルド室21に冷気を吐出する吐出口21aが開口する。流入部32aから冷気通路32に流入した冷気は直ちに吐出口21aから吐出されるため、チルド室21を低温に維持することができる。
また、流入部32aの前面側には断熱材39が設けられる。これにより、流入部32aに流入した冷気の冷熱がチルド室21よりも高温の小物収納室65に奪われることを抑制し、チルド室21を効率よく冷却することができる。また、流入部32aに流入した直後の低温の冷気による小物収納室65の結露や卵の凍結を防止することができる。
後述するように流入部32aは冷蔵室送風機23が配されるため奥行方向に広くなっている。仕切壁61、62は流入部32aの側壁よりも外側に設けられ、水タンク室70及びチルド室21は流入部32aの前方に配置されない。図7、図8はそれぞれ冷蔵庫1の水タンク室70及びチルド室21を通る側面断面図を示している。これらの図に示すように、水タンク室70及びチルド室21は流入部32aの前方に配置されないため、背面に出っ張りがなく奥行を広くとることができる。
これにより、水タンク71から製氷皿73に給水する給水ポンプ74を水タンク室70の後部に設置しても、水タンク71の容量を大きくすることができる。また、チルド室21の内容積を大きくすることができる。従って、冷蔵庫1の利便性が向上する。
尚、流入部32aの前方の小物収納室65には奥行の小さい小物を収納するためスペースを有効利用することができる。また、小物収納室65はチルド室21よりも高温に維持され、貯蔵物に応じて小物収納室65とチルド室21とを使い分けることができる。
冷気通路31の上部及び流入部32aには冷凍室送風機12(送風機)及び冷蔵室送風機23がそれぞれ配される。詳細を後述するように、冷却器11で生成された冷気は冷凍室送風機12の駆動により冷気通路31の前部31aを流通し、冷凍室6、製氷室4及び温度切替室3に供給される。また、該冷気は冷蔵室ダンパ20を開いた後に冷蔵室送風機23を駆動して、冷気通路32を介して冷蔵室2、チルド室21及び野菜室5に供給される。
冷凍室送風機12は軸流ファンから成り、排気側を前方に向けて配置される。また、冷凍室送風機12は冷却器11と同様に、製氷室4が配される左方に偏って配置される。冷気通路31の前部31aは冷凍室送風機12の前方に配され、冷凍室送風機12の駆動によって冷気が前部31aに送られる。
前部31aは冷凍室送風機12の吐き出し面積よりも急激に広がった空間になっているため、前部31aに流れ込んだ冷気は急速に流速が低下する。このため、冷気の流速低下分は動圧から静圧に変換される。従って、冷気通路31の前部31aは動圧を静圧に変換する圧力室を構成する。そして、前部31aの庫内側の開口部(例えば、吐出口6b〜6g)から所定量の冷気が冷凍室6及び製氷室4に吐出される。
前述の図6に示すように、突出部31g、31hの前面は吐出口6b〜6gの周囲が塞がれる。このため、冷気は広い空間の前部31aからある程度狭められた空間の突出部31g、31hを通過する。これにより、前部31aで流速を一旦下げられた冷気は突出部31g、31hで徐々に流速を上げられ、吐出部6b〜6gから冷凍室6に吐出される。従って、冷凍室送風機12の風力の影響を低減して各吐出口6b〜6gから均一に所定の流速で冷気を吐出することができる。
突出部31hの冷凍室送風機12に近い吐出口6e、6fの上下方向の幅は冷凍室送風機12から離れた吐出口6gの上下方向の幅よりも小さくなっている。即ち、冷凍室送風機12に近い吐出口6e、6fは冷気が吐出し易い。このため、吐出口6e、6fの上下方向の幅を小さくして吐出口6gと同程度の吐出量で冷気が吐出される。これにより、収納ケース46b内の温度分布を均一にすることができる。
また、吐出口6e、6fの上方は前面が遮蔽されるため、遮蔽部分によって吐出口6e側から吐出口6gに冷気を案内することができる。これにより、冷凍室送風機12から離れた吐出口6gに冷気が流れ易くなり、吐出口6gから吐出される冷気量を増加させて吐出口6e、6fの吐出量により近づけることができる。
尚、突出部31gの吐出口6b、6cの上下方向の幅を吐出口6dの上下方向の幅よりも小さくしてもよい。吐出口6b〜6gはそれぞれ左右方向に更に分割してもよく、一部(例えば、吐出口6eと吐出口6f)を連結してもよい。
また、吐出口6b、6eの左端は冷凍室送風機12の左端と左右方向において略同じ位置に配される。これにより、冷凍室6の左右方向の中央部に寄せて冷気が吐出される。従って、収納ケース46a、46b内の温度分布を更に均一にすることができる。
冷蔵室送風機23は軸流ファンから成り、排気側を斜め上方に向けて配置される。これにより、上方へ効率よく冷気を流通させて低騒音化及び省エネルギー化を図ることができる。また、冷蔵室送風機23は断熱壁7と正面投影において一部が重なるように同一水平面内に配置される。これにより、使用頻度の高い冷蔵室2の背後に冷蔵室送風機23が配置される領域を少なくでき、冷蔵室2の容積を広く確保することができる。
また、流入部32aは冷蔵室送風機23が配されるため下部の奥行が広く、上部が後方に後退する傾斜面32fを前面に有して上部の奥行が狭くなっている。例えば、流入部32aの下部の奥行きが例えば80mmに形成され、上部の奥行は例えば12mmに形成されている。奥行の広い流入部32aの下部に冷蔵室送風機23が傾けて配置される。これにより、流入部32aの前後方向の突出量を抑えるとともに、冷蔵室送風機23の吸気側と排気側の空間を容易に確保することができる。
冷蔵室送風機23、冷蔵室ダンパ20及び冷凍室送風機12は上下方向にほぼ並べて配置される。即ち、冷蔵室送風機23、冷蔵室ダンパ20及び冷凍室送風機12は平面投影において重なるように配置されている。これにより、冷気通路31の上部及び流入部32aの左右方向の幅を狭くできるとともに、冷気通路31、32を短縮して容積効率や送風効率をより向上することができる。
冷気通路31は冷却器11が配される下部の横幅が大きく、冷凍室送風機12が配される上部の横幅が傾斜面31e、31fを介して狭くなっている。傾斜面31e、31fによって冷気通路31内の無駄な空間を省き、冷気を冷却器11の全体から上方へ乱流を発生させずに円滑に導くことができる。従って、冷却器11による冷却効率を向上することができる。
冷蔵室2の背面下部の冷蔵室戻り口2cは温度切替室3の背面を通る連結路34によって野菜室5の右側に設けた野菜室流入口5aに連結される。これにより、冷蔵室2と野菜室5が連通する。連結路34は温度切替室送風機18の側方に断熱層を介して設けられている。野菜室5の背面上部には冷気通路31に連通する戻り通路19が設けられている。戻り通路19は野菜室5の中央よりも左方に偏って配置されている。
冷却器11が左方に偏って配置されるため、冷却器11の側方を通る連結路34は左右方向の幅を広くしても側方の断熱層(不図示)の厚みを充分とることができる。更に、連結路34の前後方向の幅を少なくして、庫内側の断熱層(不図示)の厚みも充分とることもできる。このため、冷凍室6の冷熱によって連結路34に発生する結露を低減することができる。また、連結路34を流通する比較的温度の高い冷気から冷凍室6への熱伝導が減少し、熱ロスを低減することができる。
冷気通路31の上部には温度切替室3に冷気を導く導入通風路15が分岐して設けられる。導入通風路15には温度切替室吐出ダンパ37が配される。温度切替室吐出ダンパ37を開くことによって温度切替室3に冷気が流入する。温度切替室吐出ダンパ37の開閉量によって導入通風路15から温度切替室3に流入する風量が調整される。
温度切替室3の上部にはヒータ16及び温度切替室送風機18が配される。温度切替室3の下部には開口部38a、38b(図9参照)を有する温度切替室戻りダンパ38が配される。温度切替室戻りダンパ38は下方に延びる戻り通路17により冷気通路31に連結される。戻り通路17は図8に示すように、連結路34の後方に配置される。
温度切替室3から戻り通路17を流通する空気は冷却器11の上下方向の中間に設けた流出口17aから冷却器11に戻される。また、冷凍室戻り口22を介して冷凍室6から流出する冷気は冷却器11の下部に戻り、野菜室5から流出して戻り通路19を通る冷気は冷却器11の下方に戻る。
従って、各貯蔵室から流出した冷気は冷却器11に分散して戻される。このため、各貯蔵室を循環して戻ってきた水分を含む冷気による霜が一部に集中的に発生せずに、冷却器11全体に分散して発生する。これにより、霜による冷気流れの目詰まりが防止され、冷却器11の冷却性能低下を防止することができる。
また、容積の狭い温度切替室3を流通した冷気が冷却器11の上部で冷却され、容積の広い冷蔵室3、野菜室5及び冷凍室6を流通した冷気が冷却器11の上下方向の全体で冷却される。従って、温度切替室3から流出した冷気が必要以上に冷却器11と熱交換されず、冷却器11の熱交換効率を向上することができる。
また、冷凍室戻り口22を介して冷凍室6から流出した冷気は両側のエンドプレート11bの間に導かれる。野菜室5から流出した冷気は戻り通路19を介して冷却器11の両側のエンドプレート11bの内側及び外側の左右方向全体に導かれる。
これにより、野菜室5から流出した冷気の熱交換面積が冷凍室6から流出した冷気の熱交換面積よりも大きくなる。従って、冷凍室6から戻る低温の冷気を必要以上に冷却させず、野菜室5から戻る高温の冷気を冷却器11全体で冷却して冷却器11の熱交換効率をより向上することができる。
温度切替室3は冷凍温度に維持される場合があるため、エンドプレート11bには戻り通路17の流出口17aに対向する位置に切欠き(不図示)が設けられる。これにより、温度切替室3を流出した冷気を両側のエンドプレート11bの間に導いて冷気を分散させることができる。従って、冷却器11の結露を分散して目詰まりをより防止することができる。
図9は温度切替室3の側面断面図を示している。温度切替室3の上下面は断熱壁7、35により冷蔵室2及び冷凍室6と断熱隔離されている。また、温度切替室3の前面は回動式の扉3aにより開閉可能になっている。温度切替室3の背面は背面板40により覆われている。背面板40の上部には温度切替室3に空気が流入する空気流入口40aが設けられる。背面板40の下部には温度切替室3から空気が流出する空気流出口40bが設けられる。
温度切替室送風機18は空気流入口40aに面して設けられ、温度切替室送風機18と空気流入口40aとの間にヒータ16が配置される。ヒータ16は熱輻射式のガラス管ヒータから成り、背面板40を介して放出される輻射熱により温度切替室3を昇温する。温度切替室送風機18はヒータ16の表面に向けて送風するように配置されている。これにより、ヒータ16の表面温度を下げて安全性を向上することができる。ヒータ16の上方にはヒータ16による異常加熱を検知する温度センサ24が設けられている。また、空気流出口40bには温度切替室3内の温度を検知する温度センサ25が設けられている。
空気流出口40bの後方には温度切替室戻りダンパ38が配される。温度切替室戻りダンパ38は背面及び上面にそれぞれ開口部38a、38bが形成され、回動により一方を開いて他方を閉じるバッフル38cを有している。開口部38aは下方に延びる戻り通路17に臨み、開口部38bは連通路30に臨む。連通路30は温度切替室送風機18の吸気側と開口部38bとを連通させる。また、導入通風路15(図4参照)は連通路30に接続される。
温度切替室戻りダンパ38の開口部38aを開くと開口部38bが閉じられ、空気流出口40bから流出する空気は戻り通路17を介して冷却器11に戻る。温度切替室戻りダンパ38の開口部38bを開くと開口部38aが閉じられ、空気流出口40bから流出する空気は温度切替室送風機18の吸気側に導かれる。従って、開口部38a及び温度切替室吐出ダンパ37(図4参照)を閉じて温度切替室送風機18を駆動すると連通路30を介して温度切替室3の空気を循環させることができる。
図10は冷蔵庫1の冷気の流れを示す冷気回路図である。冷凍室6、冷蔵室2及び温度切替室3はそれぞれ並列に配される。野菜室5は冷蔵室2と直列に配される。冷却器11で生成された冷気は、冷凍室送風機12の駆動により製氷室4に連通する冷凍室6に送出される。製氷室4及び冷凍室6を流通した冷気は冷凍室戻り口22から流出して冷却器11に戻る。これにより、製氷室4及び冷凍室6内が冷却される。
冷凍室送風機12の排気側で分岐した冷気は冷蔵室送風機23の駆動により、冷蔵室ダンパ20を介してチルド室21を含む冷蔵室2に送出される。冷蔵室2に吐出された冷気は仕切棚41上を流通して流下し、チルド室21に吐出された冷気は収納ケース42内を流通する。そして、収納ケース42の下方を流通してチルド室21後方の冷蔵室戻り口2cから流出する。
冷蔵室戻り口2cを介して冷蔵室2から流出した冷気は連結路34を流通し、右側に配された野菜室流入口5a(図4参照)を介して野菜室5に流入する。野菜室5に流入した冷気は収納ケース45の下方を流通して収納ケース45の前方を上昇し、収納ケース45の蓋45aと断熱壁8の間を後方へ流通する。これにより、収納ケース45内が間接冷却される。野菜室5を流通した冷気は中央よりも左方に偏って設けられた戻り通路19を介して冷却器11に戻る。これにより、冷蔵室2及び野菜室5内が冷却され、設定温度になると冷蔵室ダンパ20が閉じられる。
また、冷凍室送風機12の排気側で分岐した冷気は、温度切替室送風機18の駆動により温度切替室吐出ダンパ37を介して温度切替室3に流入する。温度切替室3に流入した冷気は温度切替室3内を流通して温度切替室戻りダンパ38から流出し、戻り通路17を介して冷却器11に戻る。これにより、温度切替室3内が冷却される。
前述のように、温度切替室3は使用者の操作により室内温度を切り替えることができるようになっている。温度切替室3の動作モードは温度帯に応じてワイン(8℃)、冷蔵(3℃)、チルド(0℃〜−2℃)、ソフト冷凍(−8℃)、冷凍(−15℃)の各冷却モードが設けられる。
これにより、使用者は所望の温度で貯蔵物を冷凍または冷蔵して冷却保存できる。室内温度の切り替えは温度切替室吐出ダンパ37を開く量を可変して行うことができる。尚、例えば冷凍の室内温度から冷蔵の室内温度に切り替える際にヒータ16に通電して昇温してもよい。これにより、迅速に所望の室内温度に切り替えることができる。
また、ヒータ16に通電することにより、温度切替室3の室内温度を貯蔵物を冷却保存する低温側から常温よりも高温の高温側に切り替えることができる。これにより、調理済み加熱食品の一時的な保温や温調理等を行うことができる。
温度切替室3を高温側に切り替えると、図11に示すように、温度切替室戻りダンパ38の開口部38a及び温度切替室吐出ダンパ37が閉じられる。そして、温度切替室送風機18及びヒータ16が駆動され、温度切替室3内が温風の循環により昇温される。
高温側の室内温度は、主な食中毒菌の発育温度が30℃〜45℃であるため、ヒータ容量の公差や温度切替室3内の温度分布等を考慮して50℃以上にするとよい。これにより、食中毒菌の繁殖を防止できる。また、冷蔵庫に用いられる一般的な樹脂製部品の耐熱温度が80℃であるため、高温側の室内温度を80℃以下にすると安価に実現することができる。加えて、食中毒菌を滅菌するためには、例えば腸管出血性大腸菌(病原性大腸菌O157)の場合では75℃で1分間の加熱が必要である。従って、高温側の室内温度を75℃〜80℃にするとより望ましい。
以下は55℃での食中毒菌の減菌に関する試験結果である。試験サンプルは初期状態で大腸菌2.4×103CFU/mL、黄色ブドウ球菌2.0×103CFU/mL、サルモネラ2.1×103CFU/mL、腸炎ビブリオ1.5×103CFU/mL、セレウス4.0×103CFU/mLを含んでいる。この試験サンプルを40分間で3℃から55℃に加温し、55℃で3.5時間保温後、80分間で55℃から3℃に戻して再度各菌の量を調べた。その結果、いずれの菌も10CFU/mL以下(検出せず)のレベルまで減少していた。従って、温度切替室3の高温側の設定温度を55℃としても充分減菌効果がある。
本実施形態によると、冷却器11及び冷凍室送風機12(送風機)が左右の一方向に偏って配置されるので、冷却器11と冷凍室送風機12との間の通路を屈曲させずに形成できる。このため、圧力損失を低減して送風効率を向上することができる。また、冷凍室送風機12に近い吐出口6e、6fの上下方向の幅が冷凍室送風機12から離れた吐出口6gの上下方向の幅よりも小さいので、冷凍室6(冷却室)内に均一に冷気を吐出して冷凍室3内の温度分布を均一にすることができる。
また、冷凍室6の背後に冷却器11を配置し、冷凍室6の上方に配した冷蔵室2(第1貯蔵室)に冷気を供給する冷気通路32の流入部32aを冷却器11と同じ方向に偏って配置したので、冷却器11と流入部32aとの間の通路を屈曲させずに形成できる。このため、圧力損失を低減して送風効率をより向上することができる。
また、冷凍室6と冷蔵室2(第1貯蔵室)との間に製氷室4(第2貯蔵室)及び温度切替室3(第3貯蔵室)を左右に隣接して設け、製氷室4が冷却器11が偏った側に配置されて温度切替室3よりも低温に維持できるので、流入部32aに導かれる冷気の冷熱を製氷室4に放出することができる。従って、製氷室4よりも高温の温度切替室3に冷気の冷熱が奪われず、冷蔵庫1の冷却効率を向上することができる。
本実施形態において、冷蔵室2と野菜室5とを連結する連通路34の周囲は断熱材で覆われ、突出部31g、31hを該断熱材の前方まで延設してもよい。これにより、吐出口を冷蔵庫1の右側まで配置して冷凍室3に冷気をより均一に供給することができる。
また、冷蔵室2を冷凍室6の下方に配置し、冷蔵室2と冷凍室6との間に製氷室4及び温度切替室3を配置してもよい。また、冷蔵室2、製氷室4、温度切替室3は他の貯蔵室でもよい。即ち、冷凍室6と第1貯蔵室との間に第2、第3貯蔵室が左右方向に隣接して配され、第2貯蔵室が第3貯蔵室よりも低温に維持される構成でもよい。これにより、流入部32a及び冷却器11を第2貯蔵室側に偏って配置することによって同様の効果を得ることができる。
また、野菜室5の流出口にダンパを設けてもよい。これにより、温度切替室3を高温側から低温側に切り替えた際に、該ダンパを閉じて温度切替室3からの熱風が野菜室5に逆流することを防止できる。また、温度切替室3を高温側から低温側へ切り替える際に冷凍室送風機12が停止されている場合には、冷凍室戻り口22が閉じられるように通路開閉機構(例えば、ダンパ)を設けてもよい。これにより、温度切替室送風機18の駆動によって冷凍室戻り口22から冷凍室6内へ熱風が逆流することを防止できる。
本発明によると、冷却器で生成した冷気を送風機によって吐出口を介して冷却室に吐出する冷蔵庫に利用することができる。
本発明の実施形態の冷蔵庫を示す正面図 本発明の実施形態の冷蔵庫を示す右側面図 本発明の実施形態の冷蔵庫の本体部の正面図 本発明の実施形態の冷蔵庫を示す正面断面図 本発明の実施形態の冷蔵庫の小物収納室を通る断面を示す右側面断面図 本発明の実施形態の冷蔵庫の突出部の詳細を示す正面図 本発明の実施形態の冷蔵庫の水タンク室を通る断面を示す右側面断面図 本発明の実施形態の冷蔵庫のチルド室を通る断面を示す右側面断面図 本発明の実施形態の冷蔵庫の温度切替室を示す右側面断面図 本発明の実施形態の冷蔵庫の冷気の流れを示す冷気回路図 本発明の実施形態の冷蔵庫の温度切替室を高温側にした際の冷気の流れを示す冷気回路図
符号の説明
1 冷蔵庫
2 冷蔵室
3 温度切替室
4 製氷室
5 野菜室
6 冷凍室
6b〜6g 吐出口
7、8、35 断熱壁
9 扉
11 冷却器
12 冷凍室送風機
15 導入通風路
16 ヒータ
17、19 戻り通路
18 温度切替室送風機
20 冷蔵室ダンパ
21 チルド室
22 冷凍室戻り口
23 冷蔵室送風機
31、32 冷気通路
31a 前部
31g、31h 突出部
32a 流入部
32b 第1通路
32c 第2通路
32d 横通路
36 縦断熱壁
37 温度切替室吐出ダンパ
38 温度切替室戻りダンパ
38a、38b 開口部
38c バッフル
39 断熱材
41 仕切棚
50 機械室
57 圧縮機
61、62 仕切壁
65 小物収納室
70 水タンク室
71 水タンク
72 製氷装置
74 給水ポンプ

Claims (4)

  1. 貯蔵物を冷却保存する冷却室と、
    前記冷却室に流入する冷気を生成する冷却器と、
    前記冷却器で生成された冷気を流通させる第1の送風機と、
    前記冷却器と前記第1の送風機が配される第1の冷気通路と、
    前記第1の冷気通路の一部であって、前記第1の送風機の前方に配される圧力室と、
    前記圧力室の前記冷却室側に左右に並設して開口する複数の吐出口と、
    前記第1の冷気通路から冷気が流入する流入部を有するとともに前記第1の冷気通路の上に設けられた第2の冷気通路と
    を備え、
    前記冷却器、前記第1の送風機及び前記流入部が左右方向の一方に偏って配置され、
    前記第2の冷気通路は前記流入部から分岐した左側に配される第1通路と右側に配される第2通路を有し、
    前記第1、第2通路の一方は前記流通部から直接上方に延びて形成され、他方は前記流通部から横方向に延びる横通路を介して上方に延びて形成され、
    前記冷却器、前記第1の送風機、前記流入部及び前記第1通路が上下に並設されるか、前記冷却器、前記第1の送風機、前記流入部及び前記第2通路が上下に並設され、
    前記送風機に近い前記吐出口の上下方向の幅が前記送風機から離れた前記吐出口の上下方向の幅よりも小さいことを特徴とする冷蔵庫。
  2. 前記吐出口の一端は左右方向において前記送風機の冷蔵庫外壁に近い側の端部近傍に配置されることを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
  3. 前記第1の冷気通路の上部の前方に貯蔵室を配置したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の冷蔵庫。
  4. 前記流入部には第2の送風機が配置されていることを特徴とすることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の冷蔵庫。
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