JP5128229B2 - 車両用ブラケット - Google Patents
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Description
図7に示すように、この車両用ブラケット55は、折り畳まれたエアバッグ53をルーフサイドレール70の車内側に取り付けるものであって、基部55aと、ルーフサイドレール70に対する固定部55eと、エアバッグ53の取付部55bと、ルーフサイドレール70に対して回り止めを行う回止部55cとを備えている。
基部55aは、板状体で形成されており、ルーフサイドレール70とエアバッグ53との間に配置されている。固定部55eは、基部55aの上端から上方に突出するように形成されるとともに、ボルト孔H11を有している。取付部55bは、基部55aからエアバッグ53側に折り返された切片で形成されており、固定部55eを挟むように基部55aを挟んだ前後にそれぞれ一対設けられている。回止部55cは、固定部55eから車外側に折り返された切片で形成されている。その一方で、エアバッグ53には、ボルト孔H12が形成された舌片53aが形成されるとともに、ルーフサイドレール70には、固定部55eのボルト孔H11と回止部55cのそれぞれに対応する位置に、ボルト孔H13と孔H14とが形成されている。
つまり、従来の車両用ブラケット55では、エアバッグ装置のように車両の左右両側のそれぞれに配置される車両用物品を車体に取り付ける際に、車両の左右で相互に対称構造となるようなブラケットを2種類用意したり、ルーフサイドレールに別途に孔を設けなければならないので、車体に対する車両用物品の取付効率が悪いという問題がある。
この車両用ブラケットでは、車両の左右両側のそれぞれに配置される車両用物品を車体に取り付ける際に、長手方向軸に対して上下両側の形状同士が相互に対称形状となっているので、左右のいずれか一方の側に配置された状態の車両用ブラケットを、その上下を反転させることで、左右のいずれか他方の側に配置される車両用ブラケットとして共用できる。つまり、上下を反転させた他方の側の車両用ブラケットでは、反転させる前の一方の側の車両用ブラケットに対して、それらの取付部の位置、および回止部の位置が相互に変動しない。その結果、この車両用ブラケットでは、車両の左右両側で対称構造のものを別々に用意することもない。そして、これを取り付ける車体側、およびこれらに取り付けられる車両用物品側の取付構造を車両の左右両側で変更しなくてもよい。したがって、製造コストが低減されるとともに、車両の左右両側での車体に対する車両用ブラケットの取付や、車両用ブラケットに対する車両物品の取付に間違いを生じることもない。
したがって、この車両用ブラケットは、従来の車両用ブラケット(例えば、特許文献1等)と比較して車体に対する車両用物品の取付効率に優れる。
そして、車両用ブラケットは、長手方向に上下対称となる形状となっているので、その上下に形成されるスペースを有効利用することができる。
また、車両用ブラケットでは、取付部のそれぞれには、同一形状の孔が形成されているので、この孔を介して取り付けられる車両用物品側の取付構造を簡素にすることができる。
なお、以下の説明において、前後上下の方向は、車両の前後上下の方向と一致しており、前後上下の方向は、図1に示す各方向を基準としている。
ちなみに、エアバッグ3とカバー体1とインフレータ4とは、モジュール化されており、一体的に取り扱うことができるようになっている。そして、カバー体1およびエアバッグ3は、その長手方向の適所(本実施形態では3箇所)に設けられた後記する車両用ブラケット5を介してルーフサイドレール20に組み付けられることとなる。
エアバッグ3は、展開前の通常時には、蛇腹状に折り畳まれてカバー体1に収容されている。そして、エアバッグ3は、カバー体1の長手方向(図2の紙面に対して垂直方向)の適所に複数箇所設けられた帯状体8で結束されることによって、カバー体1内で折り畳まれた状態が維持されている。
なお、エアバッグ3を収容したカバー体1は、これらの車内側に配置された図示しないルーフガーニッシュおよびピラーガーニッシュによって覆われることとなる。そして、図1に示す車両M(図1参照)の衝突時にインフレータ4からガスを瞬時に噴出させることにより、エアバッグ3が、図1中、破線で示すように、ルーフサイドレール20側から下方に向かってカーテン状に展開する。ちなみに、このエアバッグ3の展開時には、前記した帯状体8(図2参照)が破断するとともに、前記したガーニッシュ(図示省略)が外れることによって、エアバッグ3は展開することとなる。
本実施形態での車両用ブラケット5は、図4に示すように、車両M(図1参照)の前後方向(一方向)に長い部材であって、板体をプレス成形したものである。この車両用ブラケット5は、車体としてのルーフサイドレール20(図3参照)に取り付けられるベースとなる基部5aと、車両用部品としてのカバー体1(図3参照)を取り付けるための取付部5bと、ルーフサイドレール20に対して回り止めを行う回止部5cと、副部品としてのエアバッグ3(図3参照)を取り付ける副取付部5dとを備えている。
つまり、取付部5b、副取付部5dおよび回止部5cは、車両用ブラケット5の長手方向に沿って並んで形成されている。
なお、車両用ブラケット5の上下の縁のそれぞれには、車内側に折り返された折返部5eを備えており、この折返部5eは、車両用ブラケット5の剛性を高めている。
取付部5bは、車両用ブラケット5の両端にそれぞれ配置されており、これらの取付部5b,5bのそれぞれには、長孔H3が形成されている。これらの長孔H3,H3は、前後方向に長く、相互に同一形状となっている。この長孔H3,H3は、特許請求の範囲にいう「孔」に相当する。
このような車両用ブラケット5は、ルーフサイドレール20(図3参照)の車内側面に取り付けられた状態で、図4に示す長手方向軸L(中心線)に対して上下両側の形状同士が相互に対称形状となっている。
また、図5(b)に示すように、カバー体1に形成されたスリットSから引き出されたエアバッグ3の舌片3aは、車両用ブラケット5の副取付部5dの車外側に配置される。この舌片3aには、前記したピン孔H4が形成されており、このピン孔H4と車両用ブラケット5の副取付部5dのピン孔H2とにピンPが差し込まれるとともに、ピンPの先端がかしめられることで、車両用ブラケット5にエアバッグ3が取り付けられる。ちなみに、スリットSは、カバー体1の車外側寄りに形成されていることから、カバー体1上には、ハーネス等を配置するスペースを形成することができる。
また、図5(c)に示すように、車両用ブラケット5の基部5aに形成されたボルト孔H1と、ルーフサイドレール20に形成されたボルト孔H5には、ボルトB1が挿通される。そして、このボルトB1にナットN1を螺合させることによって、カバー体1(図5(a)参照)とエアバッグ3(図5(a)参照)とが取り付けられた車両用ブラケット5は、ルーフサイドレール20と締結されることとなる。
そして、図3に示すように、車両用ブラケット5の回止部5cは、ルーフサイドレール20に形成された孔H6に嵌り込むこととなる。
この車両用ブラケット5は、車両Mの左右両側のそれぞれに配置されるエアバッグ装置A(カバー体1、エアバッグ3)をルーフサイドレール20に取り付ける際に、左右両側で共用できる。さらに詳しく説明すると、この車両用ブラケット5は、長手方向軸Lに対して上下両側の形状同士が相互に対称形状となっているので、左右のいずれか一方の側に配置された状態の車両用ブラケット5を、その上下を反転させることで、左右のいずれか他方の側に配置される車両用ブラケット5として共用できる。つまり、上下を反転させた他方の側の車両用ブラケット5では、反転させる前の一方の側の車両用ブラケット5に対して、それらの取付部5bの位置、副取付部5dの位置、および回止部5cの位置が相互に変動しない。
したがって、この車両用ブラケット5は、従来の車両用ブラケット(例えば、特許文献1等)と比較してルーフサイドレール20に対するカバー体1やエアバッグ3の取付効率に優れる。
特に、本発明の車両用ブラケットは、前記したエアバッグ装置Aに限らず、車両のルーフ近傍やフロア近傍で上下の取付幅が制限される箇所に車両用物品を取り付ける場合に好適に使用することができる。
図6に示すように、この車両用ブラケット35は、上下方向軸Laに対して前後方向に対称形状となっている。そして、上下方向に並んで、カバー体1を取り付ける取付部35b、エアバッグ3の舌片3aを取り付ける副取付部35dおよび回止部35cが配置されている。
本実施形態に係る車両用ブラケット5は、比較例の車両用ブラケット35が上下方向軸Laに対して前後方向に対称形状となっているのに対し、長手方向軸Lに対して上下方向に対称形状となっている点で相違している。
前記実施形態では、2つの取付部5bと、1つの副取付部5dおよび回止部5cとを備える車両用ブラケット5について説明したが、本発明は取付部5b、副取付部5dおよび回止部5cの数に特に制限はない。
なお、図1に示すように、車両Mの前後方向に本発明の車両用ブラケット5を複数配置する場合においては、エアバッグ装置Aと一体化する際の誤組立を防止する目的で車両用ブラケット5の向きを全て同一方向に向けるなど、取付向きについては適宜規定および管理することが好ましい。
また、前記実施形態では、取付構造として、ボルトおよびナット、クリップ、ピンのかしめ等について説明したが、本発明はその取付構造に特に制限はなく、溶接、接着等の他の取付構造であってもよい。
また、前記実施形態では、カバー体1およびエアバッグ3をルーフサイドレール20に取り付ける車両用ブラケット5について説明したが、本発明はエアバッグ装置Aの他の構成要素、例えばインフレータ4をピラー等の他の車体部分に取り付ける車両用ブラケットであってもよい。
3 エアバッグ(副物品)
5 車両用ブラケット
5a 基部
5b 取付部
5c 回止部
5d 副取付部
H3 長孔(孔)
A エアバッグ装置
M 車両
L 長手方向軸
Claims (5)
- 基部と、
前記基部に一体に形成されて車両用部品を取り付ける取付部と、
前記基部に一体に形成されて車体に対して回り止めを行う回止部と、
を備える一方向に長い車両用ブラケットにおいて、
前記基部の上下の縁のそれぞれに、車内側に折り返された折返部を更に備え、
前記車体に取り付けた状態で、長手方向軸に対して上下両側の形状同士が相互に対称形状となっており、
前記取付部が両端のそれぞれに形成されており、前記取付部のそれぞれには、同一形状の孔が形成されていることを特徴とする車両用ブラケット。 - 前記車両用部品と一体になって配置される副部品を取り付ける副取付部を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の車両用ブラケット。
- 前記取付部と、前記回止部と、前記副取付部とは、長手方向に並んで配置されていることを特徴とする請求項2に記載の車両用ブラケット。
- エアバッグ装置を前記車体に取り付ける車両用ブラケットであって、
前記車両用部品は、前記副部品としてのエアバッグを収容するカバー体であることを特徴とする請求項2に記載の車両用ブラケット。 - 車体に取り付けられた前記基部の前後で車内側に屈曲した後に更に車体の車内側面と対向する面を規定するように屈曲することで前記基部の前後に前記取付部が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の車両用ブラケット。
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