JP5113003B2 - 舗装構造及び舗装体の形成方法 - Google Patents
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Description
この舗装構造では、桁遊間の両側の橋桁又はコンクリート構造物の上部に切り欠きを設け、この切り欠き内で桁遊間に架け渡すように荷重支持材を設置する。そして、これをアスファルト系材料又は合成樹脂等によって埋め込んで桁遊間の両側にわたって平坦に仕上げた後、スライディングシートを敷設し、この上に桁遊間の両側で連続する舗装体を形成するものとなっている。舗装体は基層と表層からなり、基層には水平方向の引張力に抵抗する補強部材が埋め込まれている。
二つの橋桁上又は橋桁と橋台との上に連続して舗装が設けられていると、橋桁の伸縮により桁遊間が変動したときに、この橋桁の変位が舗装体に伝えられ、舗装体には繰り返し引張及び圧縮ひずみが発生することになる。このようなひずみを舗装体の広い範囲に分散させ、舗装体の弾性変形または粘弾性変形で吸収し、ひびわれを防止する構造としている。しかし、桁長が大きい場合等には橋桁の伸縮長も大きくなり、ひずみの分散が均等に生じにくくなる。そして、ひずみの大きい部分に雨水の浸透等が生じ易くなる。このため、桁遊間付近の舗装は、桁伸縮の影響を受けない範囲よりも耐久性が劣ることになりやすい。
図1は、本願発明の一実施形態である舗装構造を示す概略断面図である。
この舗装構造は、連続して架設された二つのコンクリート橋桁1,2の桁遊間3上に伸縮装置等を用いることなく、舗装体4を連続して敷設したものである。この桁遊間3は、温度の変化等によって変動するものであり、両側の橋桁1,2上の所定範囲にスライディングシート18を敷設し、この上に舗装を形成して桁遊間の変動による舗装のひずみを上記スライディングシート18の敷設範囲に分散させるものである。
桁遊間の両側にあるコンクリート橋桁1,2には、桁端部における上面から所定の深さの切り欠きが設けられている。そして、この下側に桁遊間を塞ぐようにバックアップ材11が詰め込まれ、その上にシーリング材12が桁間を連結するように充填される。このシーリング材12はコンクリートに対して接着性を有するものであり、大きな弾性変形を生じ、桁遊間が変動した場合にも、桁間への漏水を防止することができるものである。
上記中埋層16は、図1に示すように、桁間の中央部で最も厚く、両側で徐々に薄くなるように形成されている。この中埋層16を構成する材料は、できるだけ弾性変形が生じ易く桁の伸縮に追従し得るものが望ましいが、橋面上の荷重等によって過度の変形が生じるものでは使用できず、ここでは高密度で、変形に対する追従性に優れたグースアスファルトが用いられている。
上記補強部材22は、帯状の鋼板材を折り曲げるとともに多数を接合して、図5に示すように、ハニカム状のパネルにしたものであり、高さは約20mmとなっている。この補強部材22が、桁遊間3の両側にわたって連続するように敷設され、コンクリート橋桁1,2の軸線方向における両端部は、アンカー23によって橋桁1,2に固定されている。これにより、橋桁が収縮して舗装体4に引張力が作用したときに、この引張力を負担して、舗装のアスファルト複合体に生じるひずみを分散させるものとなっている。
また、このほかに石油系配合油を添加することもできる。
なお、上記加熱型改質アスファルト注入材の動粘度は、舗装試験便覧(日本道路協会発行)に記載の「高温動粘度試験方法」に基づいて試験したものである。
さらに、この抗張力シート24が現場に搬入される時には、下面側に剥離紙が接着されており、敷設時にはこれを剥して基層の上に敷き拡げることによって、基層4aの上面に容易に接着される。
なお、本実施の形態では密粒度舗装を採用したが、骨材の粒度分布とアスファルト量を調整したアスファルト混合物を用い、空隙率を大きくした開粒度舗装としてもよい。
この舗装構造は、桁遊間の変動が小さい場合、又は桁の伸縮による桁遊間の変動はなく、活荷重の載荷にともなう桁のたわみによって桁遊間が変動する場合等に採用されるものである。
この舗装体54及び抗張力シート60の構成は、図1に示す舗装構造と同じものが用いられており、敷設の方法等も同じである。
このような構成とすることで、図1に示す舗装構造と同様に、耐久性に優れた舗装構造とすることができる。
41:骨材、 42:注入材、 43:プレコート層、
51,52:桁、 53:桁遊間、 54:舗装体、 55:樹脂モルタル、 56:バックアップ材、 57:シーリング材、 59:スライディングシート、 60:抗張力シート、 61:補強部材
Claims (4)
- 桁遊間上に舗装体を連続して敷設する舗装構造であって、
前記桁遊間の両側にあるコンクリート構造体上に、該コンクリート構造体とこの上に敷設される舗装体との間の水平方向の相対変位を許容するスライディングシートが敷設され、
前記舗装体は基層と表層とを積層したものであって、該基層と該表層とが前記桁遊間上の位置の両側にわたって連続するように敷設され、
前記基層は、
敷き均したときの空隙率が10%〜60%となるように粒度が調整された骨材を、アスファルトを主成分とするプレコート材によって予め被覆し、
該骨材を前記スライディングシートの上に敷き均し、
アスファルトに少なくともゴムと熱可塑性エラストマーと樹脂とのうちのいずれか一つを混合し、加熱して流動化した注入材を、敷きならした前記骨材の上から流し込み、該骨材間の空隙に充填して硬化させたものであることを特徴とする舗装構造。 - 前記プレコート材は、被覆時の粘性が、前記注入材の注入時における粘性より低いアスファルト又はアスファルトに少なくともゴムと熱可塑性エラストマーと樹脂とのうちのいずれか一つを混合した改質アスファルトであることを特徴とする請求項1に記載の舗装構造。
- 前記基層の上には、水平方向の引張力に抵抗する抗張力シートが敷設され、該抗張力シートの上面はその上に形成された表層と接着されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の舗装構造。
- 敷き均したときの空隙率が10%〜60%となるように粒度が調整された骨材を、アスファルトを主成分とするプレコート材によって予め被覆し、
該骨材を路盤又はコンクリート構造体上に敷き均し、
アスファルトに少なくともゴムと熱可塑性エラストマーと樹脂とのうちのいずれか一つを混合し、加熱して流動化した注入材を、敷きならした前記骨材の上から流し込み、該骨材間の空隙に充填し、硬化させて基層を形成し、
該基層の上にアスファルト混合物からなる表層を敷設したことを特徴とする舗装体の形成方法。
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