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JP5110630B2 - エポキシ変性シリコーンの製造方法 - Google Patents

エポキシ変性シリコーンの製造方法 Download PDF

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JP5110630B2 JP2007078658A JP2007078658A JP5110630B2 JP 5110630 B2 JP5110630 B2 JP 5110630B2 JP 2007078658 A JP2007078658 A JP 2007078658A JP 2007078658 A JP2007078658 A JP 2007078658A JP 5110630 B2 JP5110630 B2 JP 5110630B2
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Description

本発明は、発光素子封止として有用なエポキシ変性シリコーンを製造するのに適した変性シリコーンの製造方法に関する。
近年、光半導体の高性能化が進み、封止用樹脂にもさらに高い性能が要求されるようになった。シロキサン骨格を繰り返し単位とし、置換基にエポキシ基を有するエポキシ変性シリコーンは、エポキシ樹脂が有する優れた硬化特性と高いTgに基づく耐熱性、シリコーンが有する耐光性、透明性等の優れた特性を併せもつことが期待されることから、高性能封止材として注目を集めている。
エポキシ変性シリコーンの製造方法としては、例えば、オレフィン基含有シロキサンを過酸化物と反応させる方法、クロロシラン又はアセトキシシラン化合物をグリシドールと反応させてグリシジルシリコーンエーテルを生成させる方法等がある。しかしながら、これらの方法はいずれも収率が低く操作が煩雑であることから、実用化はなされていない。
これに対し、分子内にSiH単位を有するオルガノハイドロジェンシリコーンに対し、少なくともビニル基及びエポキシ基を有する化合物をヒドロシリル化反応により付加する方法は、エポキシ基あるいは、エポキシ基以外の有機官能基の導入が可能であることから、エポキシ変性シリコーンの製造方法として広く用いられており、多くの開示がある。
例えば、特許文献1には、Q構造を単位構造として有し、かつ、置換基としてアルコキシシリルアルキル基を有するエポキシ変性シリコーン、並びに、SiH単位を有するオルガノハイドロジェンシリコーンに対して、エポキシ基を有するビニル化合物をヒドロシリル化反応により付加して、前記エポキシ変性シリコーンを製造する方法が開示されている。
また、例えば、特許文献2には、1分子中にエポキシ基含有有機基と炭素数6以上のアルキル基とを少なくとも1個ずつ有する、1官能性シロキサン単位と四官能性シロキサン単位からなるエポキシ変性シリコーン、及びヒドロシリル化反応触媒存在下、オルガノハイドロジェンシリコーンに対して、エポキシ基を有するビニル化合物と炭素数6以上のアルケンとを含む化合物をヒドロシリル化反応により付加して、前記エポキシ変性シリコーンを製造する方法が開示されている。
更に、例えば、特許文献3には、ヒドロシリル化反応によりシロキサン骨格の側鎖に脂環式炭化水素基及びエポキシ単位を導入した変性シリコーン樹脂組成物が開示されている。
これらの公報によれば、シロキサン骨格の側鎖にエポキシ単位を導入したエポキシ変性シリコーンを用いて得られる硬化物は、耐光性を有すると共に耐熱性に優れる旨の開示がなされている。しかしながら、該エポキシ変性シリコーンを用いて得られる硬化物は、耐光性を向上させようとすると耐熱性が低下する傾向があり、耐熱性を向上させようとすると耐光性が低下する傾向があった。また、冷温サイクルによりクラックを生じる場合があり、耐光性、耐熱性、更に、発光素子封止剤に求められる耐クラック性の全てを満足するためには、更なる改善が求められていた。また、シロキサン骨格については、種々の置換基や共重合比に関する記述はあるが、得られるエポキシ変性シリコーンの共重合単位の連鎖分布が、硬化物特性に及ぼす影響や、オルガノハイドロジェンシリコーンの共重合単位の連鎖分布とヒドロシリル化反応条件に関する記載や記述は一切なされていない。
これに対し、シロキサン骨格の連鎖分布を特定したシリコーンの提案もなされている。例えば、特許文献4には、ジアルキルシロキシ単位及びアルキル水素シロキシ単位の数平均連鎖長がいずれも5以上3000以下の範囲のブロック状ハイドロジェン変性シリコーンの提案がなされており、前記のブロック状ハイドロジェン変性シリコーンはオレフィンとヒドロシリル化反応させることによって所望の変性シリコーンへ誘導することができる旨が記載されている。更に、得られる変性シリコーンは、従来のランダム状のハイドロジェン変性シリコーンを変性して得られるものと比較すると、シリコーン部と変性部がセグメント化されているために、該シリコーン部と変性部の両者の性質を強く保持すること、その効果として界面活性能、溶剤ゲル化能、皮膜形成等の性能を発現し、化粧品、離型剤、潤滑剤などの原料の合成中間体等として用いることが出来る旨の記載がある。しかしながら、炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物と反応させることの具体的な記載や、ヒドロシリル化反応条件に関する記載や記述は一切はなされていない。
特開平5−105758号公報 特開平7−18078号公報 特開2004−155865号公報 特開平9−208702号公報
本発明は、良好な透明性を有すると共に、優れた耐光性、耐熱性、更に、LEDのオン/オフサイクルに伴う温冷サイクルにおいて耐クラック性を有するエポキシ変性シリコーンを、大きな反応速度で、安定的に再現性よく製造する方法を提供することを目的とする。
分子内にSiH単位を有するオルガノハイドロジェンシリコーンに対し、ビニル基を有する化合物をヒドロシリル化反応により付加して変性シリコーンを製造する方法は、エポキシ基を含む種々の有機官能基の導入が可能であることから、広く用いられている。
オルガノハイドロジェンシリコーンの構造の標記方法としては、通常、該シリコーンを構成する単位、具体的には、(RSiO1/2)単位、(RHSiO1/2)単位、(RSiO2/2)単位、(RHSiO2/2)単位、(RSiO3/2)単位、(HSiO3/2)単位、(SiO4/2)単位、を用いて、下記平均組成式(2)の様に標記される。
(RSiO1/2)(RHSiO1/2)(RSiO2/2)
(RHSiO2/2)(RSiO3/2)(HSiO3/2)(SiO4/2) ・・(2)
これらは、一見するとブロック共重合体のようにも見てとれるが、t、u、v、w、x、y、zは、連鎖分布のあり方を表現しているものではなく、単に、上記に記載の各単位の成分比、或いは、総数を表していることに過ぎないのである。
一般に、シロキサン骨格は主鎖の交換反応性が高く、分子内にSiH単位とSiHを含有しない単位とを有するオルガノハイドロジェンシリコーンを製造する際には容易に平衡化反応が生じ、特に限定しない限り、共重合組成に依存したランダム型構造となっているものと考えられる。
上記の特許文献1〜3のエポキシ変性シリコーンの原料として用いられているオルガノハイドロジェンシリコーンも同様にランダム型構造を有しているものと考えられ、この様なオルガノハイドロジェンシリコーンをヒドロシリル化反応等によって変性しても、得られる変性シリコーン中には、官能基を導入した部位がランダムに分布するため、変性シリコーンの特徴を低下させる場合があったものと考えられる。
これを受け、本発明者らが、ヒドロシリル化反応によりエポキシ変性シリコーンを製造する際に、原料となるオルガノハイドロジェンシリコーンを構成する(RSiO2/2)単位及び(RHSiO2/2)単位の平均連鎖長と得られるエポキシ変性シリコーンの性能について鋭意検討した結果、(RSiO2/2)単位及び(RHSiO2/2)単位の平均連鎖長を各々特定範囲とすることにより、耐光性、耐熱性、更には、発光素子封止剤に求められる耐クラック性を満足するエポキシ変性シリコーンが得られることを先に見出した。
しかしながら、特定の(RSiO2/2)単位及び(RHSiO2/2)単位の平均連鎖長を有するブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンに対して、炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物をヒドロシリル化反応により付加する際には、条件によっては得られるエポキシ変性シリコーン中にエポキシ基の開環に由来する高分子量部の形成がみられ、安定的に再現性よくエポキシ変性シリコーンを製造することができず、その技術の開発が望まれていた。
これらの点を鑑み、本発明者らが、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンに対して、炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物をヒドロシリル化反応により付加する条件について鋭意検討した結果、付加するビニル化合物の添加量とブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの全SiH単位の量との比を特定範囲とすることにより、上記課題を解決可能であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち本発明は以下のとおりである。
[1]下記<A>及び<B>の要件を同時に満足する下記平均組成式(1)によって表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンに対し、ヒドロシリル化触媒の存在下、炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物(a)を含むビニル化合物(b)をヒドロシリル化反応により付加してエポキシ変性シリコーンを製造する際に、SiH単位の合計モル数に対して、共存させるビニル化合物(b)の全ビニル基の合計モル数を5倍以上100倍以下とすることを特徴とするエポキシ変性シリコーンの製造方法。
<A>:(R SiO2/2)単位の平均連鎖長が3以上100以下。
<B>:(RHSiO2/2)単位の平均連鎖長が2以上20以下。
(R SiO1/2)(R HSiO1/2)(R SiO2/2)
(RHSiO2/2)(RSiO3/2)(HSiO3/2)(SiO4/2) ・・(1)
[但し、Rは各々独立に、A)ヒドロキシル基、B)ハロゲン原子、C)無置換又は置換された鎖状、分岐状及び環状よりなる構造群から選ばれる1種以上の構造からなる脂肪族炭化水素単位を有する、炭素数が1以上24以下及び酸素数が0以上5以下の1価又は2価の脂肪族有機基、D)無置換又は置換された芳香族炭化水素単位であって、必要に応じて無置換又は置換された鎖状、分岐状及び環状よりなる構造群から選ばれる1種以上の構造からなる脂肪族炭化水素単位を有する、炭素数が6以上24以下及び酸素数が0以上5以下の1価の芳香族有機基、からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の有機基を表す。
上記の有機基は、前記の炭素数及び酸素数の範囲内であれば、有機基としてヒドロキシル基、アルコキシ基、アシル基、カルボキシル基、アルケニルオキシ基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、或いは、エステル結合を含んでいてもよい。また、酸素を除くヘテロ原子を含んでいてもよい。
また、平均組成式(1)におけるa、b、c、d、e、f、gは、オルガノハイドロジェンシリコーン1モル中に存在する各単位のモル数を表し、a、b、e、f、gは各々0以上、cは3以上、dは2以上の値である。
また、上記の、e、f、gが各々下記式(1)、式(2)、を同時に満足する場合には、上記のa、b、e、f、gは、式(3)を満足する範囲から選択される数値である。
e+f≠0 ・・・式(1)
g≠0 ・・・式(2)
0≦a+b≦e+f+2g+2・・・式(3)
さらに、上記のe、f、gが各々下記式(4)、式(5)、を同時に満足する場合には、上記のa、bは下記式(6)を満足する範囲から選択される数値である。
e+f=0 ・・・式(4)
g=0 ・・・式(5)
0≦a+b≦2・・・式(6)
また、上記のe、f、gが各々下記式(1)、式(5)、を同時に満足する場合には、上記のa、bは下記式(7)を満足する範囲から選択される数値である。
e+f≠0 ・・・式(1)
g=0 ・・・式(5)
0≦a+b≦e+f+2・・・式(7)
さらに、e、f、gが各々下記式(4)、式(2)、を同時に満足する場合には、上記のa、bは下記式(8)を満足する範囲から選択される数値である。
e+f=0 ・・・式(4)
g≠0 ・・・式(2)
0≦a+b≦2g+2 ・・・式(8)]
[2]鎖状、分岐状及び環状よりなる構造群から選ばれる1種以上の構造からなる炭化水素単位を有する炭素数が5以上20以下の1価の脂肪族有機基が結合したSi数が、全Siに対して5%以上95%以下の範囲であることを特徴とする[1]に記載のエポキシ変性シリコーンの製造方法。
[3]平均組成式(1)で表されるオルガノハイドロジェンシリコーンの(RHSiO2/2)単位の平均連鎖長が2.2以上5未満であることを特徴とする[1]又は[2]に記載のエポキシ変性シリコーンの製造方法。
[4]平均組成式(1)で表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの(b+d+f)/(a+b+c+d+e+f+g)の値が0.100以上0.800以下の範囲であることを特徴とする[1]から[3]のいずれか1項に記載のエポキシ変性シリコーンの製造方法。
[5]平均組成式(1)によって表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンにおいて、(e+f+g)の値がゼロであることを特徴とする[1]から[4]のいずれか1項に記載のエポキシ変性シリコーンの製造方法。
[6]平均組成式(1)によって表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンにおいて、b/(a+b)の値が0.5以上であることを特徴とする[1]から[5]のいずれか1項に記載のエポキシ変性シリコーンの製造方法。
[7]平均組成式(1)によって表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンに含有される分子量1,000以下の成分の含有量が15%以下であることを特徴とする[1]から[6]のいずれか1項に記載のエポキシ変性シリコーンの製造方法。
[8]平均組成式(1)によって表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンのSiH単位の合計モル数に対して、ヒドロシリル化反応により炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物(a)を付加させるSiH単位のモル数の分率が70%以上であることを特徴とする[1]から[7]のいずれか1項に記載のエポキシ変性シリコーンの製造方法。
[9]ヒドロシリル化反応を行う際に用いられる触媒の金属原子換算のモル数が、ヒドロシリル化反応前の平均組成式(1)によって表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンのSiH単位の合計モル数に対して、1/5,000,000以上1/1,200以下の範囲であることを特徴とする[1]から[8]のいずれか1項に記載のエポキシ変性シリコーンの製造方法。
[10]平均組成式(1)によって表されるオルガノハイドロジェンシリコーンのSiH単位に対し、炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物(a)を含むビニル化合物(b)をヒドロシリル化反応により付加した後に、混合物を0℃以上200℃以下の温度に供して、エポキシ変性シリコーンを分離回収する工程を含む[1]から[9]のいずれか1項に記載のエポキシ変性シリコーンの製造方法。
[11]分離回収する工程に供されるエポキシ変性シリコーン中に含有される全Si数に対する残留SiH単位数が2%以下であることを特徴とする[1]から[10]のいずれか1項に記載のエポキシ変性シリコーンの製造方法。
本発明によれば、発光素子封止剤等、透明性、耐光性、耐熱性、耐クラック性が要求される用途に好適に用いられるエポキシ変性シリコーンを工業的に効率よく、安定的に、再現性よく製造する方法を提供することが可能となる。
本発明において、原料として用いられるオルガノハイドロジェンシリコーンは、下記<A>及び<B>の要件を同時に満足する平均組成式(1)で表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンである。
<A>:(R SiO2/2)単位の平均連鎖長が3以上100以下。
<B>:(RHSiO2/2)単位の平均連鎖長が2以上20以下。
(R SiO1/2)(R HSiO1/2)(R SiO2/2)
(RHSiO2/2)(RSiO3/2)(HSiO3/2)(SiO4/2) ・・(1)
[但し、Rは各々独立に、A)ヒドロキシル基、B)ハロゲン原子、C)無置換又は置換された鎖状、分岐状及び環状よりなる構造群から選ばれる1種以上の構造からなる脂肪族炭化水素単位を有する、炭素数が1以上24以下及び酸素数が0以上5以下の1価又は2価の脂肪族有機基、D)無置換又は置換された芳香族炭化水素単位であって、必要に応じて無置換又は置換された鎖状、分岐状及び環状よりなる構造群から選ばれる1種以上の構造からなる脂肪族炭化水素単位を有する、炭素数が6以上24以下及び酸素数が0以上5以下の1価の芳香族有機基、からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の有機基を表す。
上記の有機基は、前記の炭素数及び酸素数の範囲内であれば、有機基としてヒドロキシル基、アルコキシ基、アシル基、カルボキシル基、アルケニルオキシ基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、或いは、エステル結合を含んでいてもよい。また、窒素、リン、硫黄等の酸素を除くヘテロ原子を含んでいてもよい。]
なお、平均組成式(1)におけるa、b、c、d、e、f、gは、オルガノハイドロジェンシリコーン1モル中に存在する各単位のモル数を表し、a、b、e、f、gは各々0以上、cは3以上、dは2以上の値である。
また、上記の、e、f、gが各々下記式(1)、式(2)、を同時に満足する場合には、上記のa、b、e、f、gは、式(3)を満足する範囲から選択される数値である。
e+f≠0 ・・・式(1)
g≠0 ・・・式(2)
0≦a+b≦e+f+2g+2・・・式(3)
さらに、上記のe、f、gが各々下記式(4)、式(5)、を同時に満足する場合には、上記のa、bは下記式(6)を満足する範囲から選択される数値である。
e+f=0 ・・・式(4)
g=0 ・・・式(5)
0≦a+b≦2・・・式(6)
また、上記のe、f、gが各々下記式(1)、式(5)、を同時に満足する場合には、上記のa、bは下記式(7)を満足する範囲から選択される数値である。
e+f≠0 ・・・式(1)
g=0 ・・・式(5)
0≦a+b≦e+f+2・・・式(7)
さらに、e、f、gが各々下記式(4)、式(2)、を同時に満足する場合には、上記のa、bは下記式(8)を満足する範囲から選択される数値である。
e+f=0 ・・・式(4)
g≠0 ・・・式(2)
0≦a+b≦2g+2 ・・・式(8)
本発明における(R SiO2/2)単位及び(RHSiO2/2)単位の平均連鎖長は、29Si−NMRによって求められる値である。具体的には、平均組成式(1)で表されるオルガノハイドロジェンシリコーンをクロロホルム等の重水素化物に溶解して得られた溶解液に、Cr(acac)を該オルガノハイドロジェンシリコーンに対して10質量%添加して溶解させた後、更に標準物質としてテトラメチルシランを10マイクロリットル更に添加して得られた溶液を、プロトン完全デカップル条件における29Si−NMR測定し、得られるスペクトルパターンから算出される積分値を元に、計算により求めた、(R SiO2/2)単位、(RHSiO2/2)単位の各々の平均連鎖長(以下、それぞれγ、δと標記する)の値のことをいう。
以下に、各単位の平均連鎖長の算出法について記す。
(R SiO2/2)単位の平均連鎖長(γ)は、前記の29Si−NMR法により測定して得られた、(R SiO2/2)単位が隣り合った、2連鎖由来のピークの積分値の総和をα1とし、(R SiO2/2)単位と(RHSiO2/2)単位とが隣り合った2連鎖由来の珪素のピークの積分値の総和をβとして、式(9)によって算出される値である。
γ=1+α1/β ・・・式(9)
一方、(RHSiO2/2)単位の平均連鎖長(δ)は、前記の29Si−NMR法により測定して得られた、(RHSiO2/2)単位が隣り合った、2連鎖由来のピークの積分値の総和をα2とし、(RHSiO2/2)単位と(R SiO2/2)単位とが隣り合った2連鎖由来の珪素のピークの積分値の総和をβとして、式(10)によって算出される値である。
δ=1+α2/β ・・・式(10)
ここで、各々のピークの積分値は、対応する単位構造に由来するピークとベースラインとで囲まれる部分の積分値のことを指す。前記の対応する単位構造に由来するピークが他のピークと部分的に重複している場合には、単位構造に由来するピークと他のピークとで形成される下に凸部の頂点からベースラインに垂線を下ろし、該ピークと垂線とベースラインで囲まれる部分の積分値のことを指す。
以下に、Rの全てがメチル基である場合を例として、平均連鎖長の算出法を具体的に説明する。本発明において(R SiO2/2)単位で標記されるジメチルシロキシ単位を(D)、他方、本発明において(RHSiO2/2)単位で標記される水素メチルシロキシ単位を(H)とした場合、DとHの3連鎖に対応する中心に位置する珪素のケミカルシフト値は、テトラメチルシランの珪素を基準として各々以下のようになる。
−D−D−D− : −21.8ppm
−D−D−H− : −20.5ppm
−H−D−H− : −18.8ppm
−H−H−H− : −35.0ppm
−H−H−D− : −36.2ppm
−D−H−D− : −37.5ppm

上記の−D−D−D−単位、−D−D−H−単位、−H−D−H−単位、−H−H−H−単位、−H−H−D−単位、−D−H−D−単位に相当するピークの積分値を各々、A(DDD)、A(DDH)、A(HDH)、A(HHH)、A(HHD)、A(DHD)とすると、ジメチルシロキシ単位の平均連鎖長(γD)及び水素メチルシロキシ(δD)は、各々下記式(11)及び(12)で算出することができる。
γD=1+A(DDD)/{A(DDH)+A(HDH)} ・・・式(11)
δD=1+{A(HHH)+A(HHD)}/A(DHD) ・・・式(12)
本発明において用いられる平均組成式(1)で表されるオルガノハイドロジェンシリコーンにおいて、(R SiO2/2)単位の平均連鎖長が3未満の場合には、得られるエポキシ変性シリコーンを硬化して得られる硬化物が、温度変化によりクラックを生じるため好ましくない。一方、100を超える場合には、前記硬化物の硬度が不十分となり、該硬化物を発光素子に実装又は実装した発光部品を使用する際に表面がべたついて異物が付着するか、或いは、該発光部品表面が損傷を受けるため、好ましくない。十分な耐熱性と硬度を安定的に満足する上で、(R SiO2/2)単位の平均連鎖長は、4以上70以下の範囲が好ましく、4以上50以下の範囲がより好ましく、4以上25以下の範囲が特に好ましい。
また、平均組成式(1)で表されるオルガノハイドロジェンシリコーンにおいて、(RHSiO2/2)単位の平均連鎖長が2未満の場合、或いは、20を超える場合には、得られるエポキシ変性シリコーンを硬化して得られる硬化物の耐熱性が不十分となるか、又は、前記硬化物が温度変化によりクラックを生じるため、好ましくない。
得られるエポキシ変性シリコーンを硬化して得られる硬化物が充分な耐熱性を有し、且つ、温度変化によるクラックの発生を抑制すると共に、ヒドロシリル化反応時のエポキシ基の副反応を抑制して再現性よくエポキシ変性シリコーンを製造する上で、(RHSiO2/2)単位の平均連鎖長は2.2以上5未満であることが好ましく、2.3以上4.5未満であることがより好ましく、2.4以上4未満であることが更に好ましい。
本発明において、平均組成式(1)で表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンは、前記の<A>及び<B>の要件を同時に満足すれば特に限定はなく、直鎖状、環状、分岐状、ラダー状、籠状等いずれの構造でもよい。2種以上の混合物であっても、該混合物が前記の<A>及び<B>の要件を同時に満足する場合には、用いることが可能である。
本発明において用いられる平均組成式(1)で表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン1モルを構成する各単位のモル数は、ヒドロシリル化反応時の溶媒への溶解性が向上することから、c、dの値が各々5,000以下の範囲、且つ、e、f、gが各々100以下の範囲を同時に満足することが好ましく、立体障害を緩和してヒドロシリル化反応を安定的に、且つ、再現性よく進行させる上で、gが0であることがより好ましく、gが0、且つ、(e+f)/(a+b+c+d+e+f)の値が0.02以下、且つ、c、dの値が各々3,000以下の範囲であることが更に好ましく、gが0、且つ、(e+f)/(a+b+c+d+e+f)の値が0.01以下、且つ、c、dの値が各々2,000以下の範囲であることが特に好ましく、(g+e+f)の値がゼロ、且つ、c、dの値が各々1,000以下の範囲であることが望ましい。
一方、本発明において用いられる平均組成式(1)で表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンをヒドロシリル化反応して得られるエポキシ変性シリコーンを用いた硬化物の耐クラック性が向上することから、cの値は4以上であることが好ましい。
また、本発明において用いられる平均組成式(1)で表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンをヒドロシリル化反応して得られるエポキシ変性シリコーンを用いた硬化物の耐熱性が高まることから、dの値は4以上であることが好ましい。
本発明において、平均組成式(1)で表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンに対して炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物(a)を含むビニル化合物(b)をヒドロシリル化反応により付加して得られるエポキシ変性シリコーンを硬化して得られた硬化物の表面のべたつきが抑制されるため、平均組成式(1)で表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンのb/(a+b)の値が0.5以上であることが好ましく、0.7以上であることがより好ましく、0.9以上であることが更に好ましく、0.95以上であることが特に好ましい。
本発明において用いられる、平均組成式(1)で表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン中のSiH単位数は、ヒドロシリル化反応後に得られるエポキシ変性シリコーンを用いた硬化物の耐熱性が高まることから、平均組成式(1)で表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの(b+d+f)/(a+b+c+d+e+f+g)の値が0.100以上であることが好ましく、0.120以上であることがより好ましく、0.150以上であることが更に好ましい。一方、平均組成式(1)で表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンをヒドロシリル化反応する際のゲル化を抑制し、安定的に再現性よくエポキシ変性シリコーンを得ることができることから、(b+d+f)/(a+b+c+d+e+f+g)の値は、0.800以下であることが好ましく、0.700以下であることがより好ましく、0.600以下であることが更に好ましい。
ここで、平均組成式(1)で表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンにおけるa〜gの算出法について説明する。a〜gの算出には、29Si−NMR測定、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定、更に必要に応じて、H−NMR測定によって得られる結果を用いて算出する。具体的には、まず、平均組成式(1)で表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの29Si−NMR測定を、上記の(R SiO2/2)単位及び(RHSiO2/2)単位の平均連鎖長を算出したのと同様の方法で測定し、得られるスペクトルパターンから算出された積分値を元に、a〜gの含有分率を百分率で算出する。
平均組成式(1)で表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンが種々の置換基を有する場合には、H−NMR測定によって得られるスペクトルパターンから算出された積分値を元に、置換基毎に各構成単位の存在率を百分率で算出する。
得られた各構成単位の存在率と各構成単位の理論式量とを用いて、構成単位の平均的式量を算出する。
平均組成式(1)で表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンのGPC測定によって得られた数平均分子量を平均組成式(1)で表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの1モル当りの分子量として、上記で算出した末端基、水素アルキル単位、ジアルキルシロキシ単位の存在率を考慮した平均的式量で除して平均組成式(1)で表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンを構成する各単位の全モル数を算出する。得られた平均組成式(1)で表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンを構成する各単位の全モル数と、該各単位の存在率とから、平均組成式(1)で表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン1モルを構成する各単位のモル数を算出することができる。
なお、平均組成式(1)によって表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの数平均分子量は、クロロホルムを溶離液として、分子量既知の単分散ポリポリスチレン標準物質、及びスチレンモノマー(分子量104)を標準物質とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定によって得られる値である。具体的には、RI検出による溶出時間から求めた検量線を予め作成し、測定試料溶液の溶出時間と検出強度から、上記の検量線を用いて算出された数平均分子量のことをさす。
有機基Rとしては、本発明のエポキシ変性シリコーンの耐光性が良好となる、或いは、保存時の安定性が高まることから、平均組成式(1)で表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの全Si単位の合計モル数に対する鎖状、分岐状及び環状よりなる構造群から選ばれる炭素−炭素2重結合炭化水素単位、ヒドロキシル単位、アルコキシ単位、アシル単位、カルボキシル単位、アルケニルオキシ単位、アシルオキシ単位、ハロゲン原子、或いは、エステル結合、更には、酸素及び珪素を除くヘテロ原子を含有する有機基が結合した珪素原子の合計モル数が、好ましくは30%以下、更に好ましくは10%以下、より好ましくは1%以下、特に好ましくは全く含まないように選択される。
更に、有機基Rが、鎖状、分岐状及び環状よりなる構造群から選ばれる1種以上の構造からなる炭化水素単位を有する炭素数が1以上20以下及び酸素数が1以下からなる飽和の1価の脂肪族有機基、なる群から選択されることが望ましい。この様な有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、等の炭化水素から成る鎖状の有機基、シクロペンチル基、メチルシクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、エチニルシクロヘキシル基、ノルボルニル基等の環状単位を含む炭化水素から成る有機基、メトキシエチル、エトキシエチル基等のエーテル結合を含む有機基等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上の有機基の混合であってよい。
これらの内、炭化水素から成る鎖状の有機基、環状単位を含む炭化水素から成る有機基が特に望ましい。
有機基Rとしては、本発明のエポキシ変性シリコーンの耐光性が良好となる、或いは、保存時の安定性が高まることから、平均組成式(1)で表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの全Si単位の合計モル数に対する鎖状、分岐状及び環状よりなる構造群から選ばれる炭素−炭素2重結合炭化水素単位、ヒドロキシル単位、アルコキシ単位、アシル単位、カルボキシル単位、アルケニルオキシ単位、アシルオキシ単位、ハロゲン原子、或いは、エステル結合、更には、酸素及び珪素を除くヘテロ原子を含有する有機基が結合した珪素原子の合計モル数が、好ましくは30%以下、更に好ましくは10%以下、より好ましくは1%以下、特に好ましくは全く含まないように選択される。
更に、有機基Rが、鎖状、分岐状及び環状よりなる構造群から選ばれる1種以上の構造からなる炭化水素単位を有する炭素数が1以上20以下及び酸素数が1以下からなる飽和の1価の脂肪族有機基、なる群から選択されることが望ましい。この様な有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、等の炭化水素から成る鎖状の有機基、シクロペンチル基、メチルシクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、エチニルシクロヘキシル基、ノルボルニル基等の環状単位を含む炭化水素から成る有機基、メトキシエチル、エトキシエチル基等のエーテル結合を含む有機基等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上の有機基の混合であってよい。
これらの内、炭化水素から成る鎖状の有機基、環状単位を含む炭化水素から成る有機基が特に望ましい。
本発明のエポキシ変性シリコーンは、平均組成式(1)で表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンに対し、炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物(a)を含むビニル化合物(b)を付加して得られるエポキシ変性シリコーンであり、該エポキシ変性シリコーンの1次構造は(i)炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物を含むビニル化合物が付加したシロキサンのブロック単位と、(ii)(R SiO2/2)構造を有するシロキサンブロック単位とを有するブロック型構造をとなる。このため、ビニル化合物に占める炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物の割合によっては、得られたエポキシ変性シリコーンが白濁する場合がある。エポキシ変性シリコーンの透明性を向上させる上で、平均組成式(1)で表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンにおける鎖状、分岐状及び環状よりなる構造群から選ばれる1種以上の構造からなる炭化水素単位を有する炭素数が5以上20以下の1価の脂肪族有機基である有機基Rの数が、平均組成式(1)で表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの全Si単位の合計モル数に対して、5%以上であることが好ましく、10%以上であることがより好ましく、15%以上であることが更に好ましい。
一方、ヒドロシリル化反応を安定的に、再現性よく完結させる上で、前記の鎖状、分岐状及び環状よりなる構造群から選ばれる1種以上の構造からなる炭化水素単位を有する炭素数が5以上20以下の1価の脂肪族有機基である有機基Rの数が、平均組成式(1)で表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの全Si単位の合計モル数に対して、95%以下であることが好ましく、90%以下であることがより好ましく、85%以下であることが更に好ましい。
更に、前記の鎖状、分岐状及び環状よりなる構造群から選ばれる1種以上の構造からなる炭化水素単位を有する炭素数が5以上20以下の1価の脂肪族有機基である有機基Rが、1価の脂環式単位である場合には、耐光性が向上することから、特に好ましく用いられる。このような、1価の脂環式単位としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
本発明において用いられる平均組成式(1)によって表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの製造方法には特に限定はなく、従来公知の方法を利用することが可能である。
例えば、[A−1]少なくともジアルキルシロキシ単位を有するポリジアルキルシロキサン(a−1)と少なくとも水素アルキルシロキシ単位を有するポリ水素アルキルシロキサン(a−2)とを、従来公知の触媒存在下、必要に応じて溶媒及び/又はヘキサメチルジシロキサン、1,1,3,3−ヘキサメチルジシロキサン等に代表される末端封止剤存在下で、所定の平均連鎖長を有するように平衡化反応に供することにより製造する方法が挙げられる。
また、例えば、別な方法[A−2]として、末端に水酸基を有し、且つ、平均連鎖長が3以上100以下である(R SiO2/2)単位を含むポリジアルキルシロキサン(a−3)と、末端に水酸基を有し、且つ、平均連鎖長が2以上20以下である(RHSiO2/2)単位を含むポリ水素アルキルシロキサン(a−4)とを、従来公知の触媒存在下、必要に応じて溶媒存在下で、重縮合すること、或いは、該重縮合物を、引き続き、従来公知の触媒存在下、前記の末端封止剤存在下で末端を封止することも可能である。
前記の(a−1)〜(a−4)は、例えば、以下の方法により製造することができる。
前記の(a−1)は、例えば、無置換又は置換された鎖状、分岐状及び環状よりなる構造群か ら選ばれる1種以上の構造からなる脂肪族炭化水素単位を有する、炭素数が1以上24以下及び酸素 数が0以上5以下の1価又は2価の脂肪族有機基、或いは、無置換又は置換された芳香族炭化水素単位であって、必要に応じて無置換又は置換された鎖状、分岐状及び環状よりなる構造群から選ばれる1種以上の構造からなる脂肪族炭化水素単位を有する、炭素数が6以上24以下及び酸素数が0以上5以下の1価の芳香族有機基、からなる群から選ばれる同種又は異種の2つの有機基と、2つのアルコキシ基とが珪素原子に結合したアルコキシシラン類及び/又は前記の2つのアルコキシ基の代わりに2つの塩素原子が珪素原子に結合したクロロシラン類を、従来公知の触媒存在下、或いは非存在下で加水分解後、必要に応じて重縮合することによって得ることが可能である。
上記の加水分解を行う際には、必要に応じて、[A−1]記載の反応によって得られるオルガノハイドロジェンシリコーンが、本願発明を逸脱しない範囲となる量の下記1)〜3)を共存させることも可能である。
1)無置換又は置換された鎖状、分岐状及び環状よりなる構造群から選ばれる1種以上の構造からなる脂肪族炭化水素単位を有する、炭素数が1以上24以下及び酸素数が0以上5以下の1価又は2価の脂肪族有機基、或いは、無置換又は置換された芳香族炭化水素単位であって、必要に応じて無置換又は置換された鎖状、分岐状及び環状よりなる構造群から選ばれる1種以上の構造からなる脂肪族炭化水素単位を有する、炭素数が6以上24以下及び酸素数が0以上5以下の1価の芳香族有機基、からなる群から選ばれる同種又は異種の3つの有機基と、1つのアルコキシ基とが珪素原子に結合したアルコキシシラン類、及び/又は前記の1つのアルコキシ基の代わりに1つの塩素原子が珪素原子に結合したクロロシラン類。
2)テトラアルコキシシラン及び/又はテトラクロロシラン。
上記の加水分解によって得られた、或いは、加水分解後に重縮合して得られた、少なくとも水素アルキルシロキシ単位を有するポリ水素アルキルシロキサンは、引き続き、従来公知の触媒存在下、前記の末端封止剤存在下で末端を封止されたものであってもよい。
また、前記の加水分解によって得られた、或いは、加水分解後に重縮合して得られた、少なくともジアルキルシロキシ単位を有するポリジアルキルシロキサンを、引き続き、従来公知の触媒存在下、ヘキサメチルジシロキサン、1,1,3,3−ヘキサメチルジシロキサン等に代表される末端封止剤存在下で末端を封止することも可能である。
別な方法として、例えば、無置換又は置換された鎖状、分岐状及び環状よりなる構造群から選ばれる1種以上の構造からなる脂肪族炭化水素単位を有する、炭素数が1以上24以下及び酸素数が0以上5以下の1価又は2価の脂肪族有機基、或いは、無置換又は置換された芳香族炭化水素単位であって、必要に応じて無置換又は置換された鎖状、分岐状及び環状よりなる構造群から選ばれる1種以上の構造からなる脂肪族炭化水素単位を有する、炭素数が6以上24以下及び酸素数が0以上5以下の1価の芳香族有機基、からなる群から選ばれる同種又は異種の有機基が珪素原子に少なくとも2個以上結合した構造を有する環状シロキサン類を、従来公知の触媒、並びに、水、アルコール類、前記の末端封止剤、なる群から選ばれる1種以上の化合物の存在下、必要に応じて溶媒の存在下で、開環することにより製造することも可能である。
上記の開環反応を行う際には、必要に応じて、[A−1]記載の反応によって得られるオルガノハイドロジェンシリコーンが、本願発明を逸脱しない範囲となる量の下記3)、4)を共存させることも可能である。
3)無置換又は置換された鎖状、分岐状及び環状よりなる構造群から選ばれる1種以上の構造からなる脂肪族炭化水素単位を有する、炭素数が1以上24以下及び酸素数が0以上5以下の1価又は2価の脂肪族有機基、或いは、無置換又は置換された芳香族炭化水素単位であって、必要に応じて無置換又は置換された鎖状、分岐状及び環状よりなる構造群から選ばれる1種以上の構造からなる脂肪族炭化水素単位を有する、炭素数が6以上24以下及び酸素数が0以上5以下の1価の芳香族有機基、からなる群から選ばれる同種又は異種の3つの有機基と、1つのアルコキシ基とが珪素原子に結合したアルコキシシラン類。
4)テトラアルコキシシラン。
上記の開環反応を、水存在下で実施することにより、少なくともジアルキルシロキシ単位を有するポリジアルキルシロキサンを製造した場合には、引き続き、従来公知の触媒存在下、前記の末端封止剤存在下で末端を封止することも可能である。
前記の(a−2)は、例えば、無置換又は置換された鎖状、分岐状及び環状よりなる構造群から選ばれる1種以上の構造からなる脂肪族炭化水素単位を有する、炭素数が1以上24以下及び酸素数が0以上5以下の1価又は2価の脂肪族有機基、或いは、無置換又は置換された芳香族炭化水素単位であって、必要に応じて無置換又は置換された鎖状、分岐状及び環状よりなる構造群から選ばれる1種以上の構造からなる脂肪族炭化水素単位を有する、炭素数が6以上24以下及び酸素数が0以上5以下の1価の芳香族有機基、からなる群から選ばれる1つの有機基と1つの水素原子、並びに、2つのアルコキシ基とが珪素原子に結合したアルコキシシラン類、及び/又は前記の2つのアルコキシ基の代わりに塩素原子が珪素原子に結合したクロロシラン類を従来公知の触媒存在下、或いは非存在下で加水分解後、必要に応じて重縮合することによって得ることが可能である。上記の加水分解を行う際には、必要に応じて、本願発明を逸脱しない範囲の量の下記5)〜7)を共存させることも可能である。
5)無置換又は置換された鎖状、分岐状及び環状よりなる構造群から選ばれる1種以上の構造からなる脂肪族炭化水素単位を有する、炭素数が1以上24以下及び酸素数が0以上5以下の1価又は2価の脂肪族有機基、或いは、無置換又は置換された芳香族炭化水素単位であって、必要に応じて無置換又は置換された鎖状、分岐状及び環状よりなる構造群から選ばれる1種以上の構造からなる脂肪族炭化水素単位を有する、炭素数が6以上24以下及び酸素数が0以上5以下の1価の芳香族有機基、からなる群から選ばれる同種又は異種の2つの有機基と1つの水素原子、並びに、1つのアルコキシ基とが珪素原子に結合したアルコキシシラン類、及び/又は前記の1つのアルコキシ基の代わりに1つの塩素原子が珪素原子に結合したクロロシラン類。
6)テトラアルコキシシラン及び/又はテトラクロロシラン。
上記の加水分解によって得られた、或いは、加水分解後に重縮合して得られた、少なくとも水素アルキルシロキシ単位を有するポリ水素アルキルシロキサンは、引き続き、従来公知の触媒存在下、ヘキサメチルジシロキサン、1,1,3,3−ヘキサメチルジシロキサン等に代表される末端封止剤存在下で末端を封止されたものであってもよい。
別な方法として、例えば、無置換又は置換された鎖状、分岐状及び環状よりなる構造群から選ばれる1種以上の構造からなる脂肪族炭化水素単位を有する、炭素数が1以上24以下及び酸素数が0以上5以下の1価又は2価の脂肪族有機基、或いは、無置換又は置換された芳香族炭化水素単位であって、必要に応じて無置換又は置換された鎖状、分岐状及び環状よりなる構造群から選ばれる1種以上の構造からなる脂肪族炭化水素単位を有する、炭素数が6以上24以下及び酸素数が0以上5以下の1価の芳香族有機基、からなる群から選ばれる1つの有機基と1つの水素原子とが珪素原子に結合した水素アルキルシロキシ単位からなる環状シロキサン類を、従来公知の触媒、並びに、水、アルコール類、前記の末端封止剤なる群から選ばれる1種以上の化合物の存在下、必要に応じて溶媒の存在下で、開環することにより製造することも可能である。
上記の開環反応を行う際には、必要に応じて、[A−1]記載の反応によって得られるオルガノハイドロジェンシリコーンが、本願発明を逸脱しない範囲となる量の下記7)、8)を共存させることも可能である。
7)無置換又は置換された鎖状、分岐状及び環状よりなる構造群から選ばれる1種以上の構造からなる脂肪族炭化水素単位を有する、炭素数が1以上24以下及び酸素数が0以上5以下の1価又は2価の脂肪族有機基、或いは、無置換又は置換された芳香族炭化水素単位であって、必要に応じて無置換又は置換された鎖状、分岐状及び環状よりなる構造群から選ばれる1種以上の構造からなる脂肪族炭化水素単位を有する、炭素数が6以上24以下及び酸素数が0以上5以下の1価の芳香族有機基、からなる群から選ばれる同種又は異種の2つの有機基と1つの水素原子、並びに、1つのアルコキシ基とが珪素原子に結合したアルコキシシラン類。
8)テトラアルコキシシラン。
上記の開環反応を、水存在下で実施することにより、少なくとも水素アルキルシロキシ単位を有するポリ水素アルキルシロキサンを製造した場合には、引き続き、従来公知の触媒存在下、前記の末端封止剤存在下で末端を封止することも可能である。
前記の(a−3)は、例えば、無置換又は置換された鎖状、分岐状及び環状よりなる構造群から選ばれる1種以上の構造からなる脂肪族炭化水素単位を有する、炭素数が1以上24以下及び酸素数が0以上5以下の1価又は2価の脂肪族有機基、或いは、無置換又は置換された芳香族炭化水素単位であって、必要に応じて無置換又は置換された鎖状、分岐状及び環状よりなる構造群から選ばれる1種以上の構造からなる脂肪族炭化水素単位を有する、炭素数が6以上24以下及び酸素数が0以上5以下の1価の芳香族有機基、からなる群から選ばれる同種又は異種の2つの有機基を有するアルコキシシラン類及び/又はクロロシラン類を触媒存在下、或いは非存在下で加水分解後、必要に応じて重縮合する方法によって得ることが可能である。
上記の加水分解を行う際には、必要に応じて、得られるポリジアルキルシロキサンのジアルキルシロキシ単位の平均連鎖長が3以上100以下の範囲となる量の前記の1)、2)を共存させることも可能である。
また、別な方法として、例えば、無置換又は置換された鎖状、分岐状及び環状よりなる構造群から選ばれる1種以上の構造からなる脂肪族炭化水素単位を有する、炭素数が1以上24以下及び酸素数が0以上5以下の1価又は2価の脂肪族有機基、或いは、無置換又は置換された芳香族炭化水素単位であって、必要に応じて無置換又は置換された鎖状、分岐状及び環状よりなる構造群から選ばれる1種以上の構造からなる脂肪族炭化水素単位を有する、炭素数が6以上24以下及び酸素数が0以上5以下の1価の芳香族有機基、からなる群から選ばれる同種又は異種の2つの有機基が珪素原子に結合した構造を有する環状シロキサン類を、従来公知の触媒、並びに、水、アルコール類なる群から選ばれる1種以上の化合物の存在下、必要に応じて溶媒の存在下で、開環することにより製造することも可能である。
上記の開環反応を行う際には、必要に応じて、得られるポリジアルキルシロキサンのジアルキルシロキシ単位の平均連鎖長が3以上100以下の範囲となる量の前記の3)、4)を共存させることも可能である。
前記の(a−4)は、例えば、無置換又は置換された鎖状、分岐状及び環状よりなる構造群から選ばれる1種以上の構造からなる脂肪族炭化水素単位を有する、炭素数が1以上24以下及び酸素数が0以上5以下の1価又は2価の脂肪族有機基、或いは、無置換又は置換された芳香族炭化水素単位であって、必要に応じて無置換又は置換された鎖状、分岐状及び環状よりなる構造群から選ばれる1種以上の構造からなる脂肪族炭化水素単位を有する、炭素数が6以上24以下及び酸素数が0以上5以下の1価の芳香族有機基、からなる群から選ばれる1つの有機基と1つの水素原子、並びに、2つのアルコキシ基とが珪素原子に結合したアルコキシシラン類、及び/又は前記の2つのアルコキシ基の代わりに塩素原子が珪素原子に結合したクロロシラン類を従来公知の触媒存在下、或いは非存在下で加水分解後、必要に応じて重縮合することによって得ることが可能である。
上記の加水分解を行う際には、必要に応じて、得られるポリ水素アルキルシロキサンの水素アルキルシロキシ単位の平均連鎖長が2以上20以下の範囲となる量の前記の5)、6)を共存させることも可能である。
また、別な方法として、例えば、無置換又は置換された鎖状、分岐状及び環状よりなる構造群から選ばれる1種以上の構造からなる脂肪族炭化水素単位を有する、炭素数が1以上24以下及び酸素数が0以上5以下の1価又は2価の脂肪族有機基、或いは、無置換又は置換された芳香族炭化水素単位であって、必要に応じて無置換又は置換された鎖状、分岐状及び環状よりなる構造群から選ばれる1種以上の構造からなる脂肪族炭化水素単位を有する、炭素数が6以上24以下及び酸素数が0以上5以下の1価の芳香族有機基、からなる群から選ばれる1つの有機基と、1つの水素原子とが珪素原子に結合した水素アルキルシロキシ単位からなる環状シロキサン類を、従来公知の触媒、並びに、水、アルコール類なる群から選ばれる1種以上の化合物の存在下、必要に応じて溶媒の存在下で、開環することにより製造することも可能である。
上記の開環反応を行う際には、必要に応じて、得られるポリ水素アルキルシロキサンの水素アルキルシロキシ単位の平均連鎖長が2以上20以下の範囲となる量の前記の7)、8)を共存させることも可能である。
上記の方法等で製造されたブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン中には、該ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンを製造する際に用いられた触媒が残留する場合がある。該触媒がブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン中に残留している場合には、前記の副生する環状物等を加熱減圧条件等に供することにより除去する及び/又は前記の脱溶媒操作を行う際や、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの保存中に、シリコーンの平衡化反応が進行する場合がある。本願発明のブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンを安定的に製造するためには、[A−1]又は[A−2]の後に該触媒を固液分離、中和、水洗等から選ばれる1種以上の操作によって除去、或いは、失活しておくことが好ましい。
上記の[A−1]又は[A−2]の反応に引き続いて、環状物や、余剰の末端封止剤等を分離、或いは、低減する操作を行うこともできる。また、前記[A−1]又は[A−2]の反応を行う際に溶媒を用いた場合には、引き続いて、溶媒を分離、或いは、低減する操作を行うこともできる。前記の環状物や、余剰の末端封止剤等を分離、或いは、低減する操作と溶媒を分離、或いは、低減する操作とは、同時、或いは、組み合わせて行うことも当然可能である。
前記の環状物や、余剰の末端封止剤等や、溶媒を分離、或いは、低減する方法は、本発明の平均組成式(1)によって表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンが得られれば特に限定はなく、例えば、環状物や、余剰の末端封止剤等や、溶媒を留去する方法、或いは、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンが高い揮発性を有する化合物の場合、蒸留によりブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンを分離回収する方法、等が挙げられる。この際、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンと前記の環状物や、余剰の末端封止剤等や、溶媒との分離は、同時に行う方法、前記の環状物や、余剰の末端封止剤等や、溶媒とを各々個別に分離する方法、或いは、これらを混合した方法によって実施してもよい。更に、前記の分離操作は、一度に実施することも、或いは、同一又は異なる条件にて繰り返し実施することも可能である。
前記の環状物や、余剰の末端封止剤等や、溶媒とを分離する際の雰囲気は、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、炭酸ガス等の不活性ガス、炭素数1以上4以下の低級飽和炭化水素系ガス、空気なる群から選ばれる少なくとも1種のガスの雰囲気下、流通下、減圧下又は加圧下、バブリング下、或いは、これらを組み合わせた条件下で行うことができる。これらのガスは、一種又は二種以上の混合ガスとして用いることができる。これらの内、好ましいガスは、前記不活性ガス、炭素数1以上4以下の低級飽和炭化水素系ガスであり、更に好ましくは、前記不活性ガスであり、より好ましくは窒素である。
前記の環状物や、余剰の末端封止剤等や、溶媒とを分離する際の温度は、環状物や、余剰の末端封止剤等や、溶媒を分離し、且つ、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの変性を抑制する上で、好ましくは0℃以上400℃以下の範囲、好ましくは5℃以上350℃以下の範囲、より好ましくは30℃以上320℃以下の範囲である。前記範囲内であれは、温度は一定の温度である必要はなく、途中で温度を変化させることも可能である。
前記の環状物や、余剰の末端封止剤等や、溶媒とを分離する工程には、環状物や、余剰の末端封止剤等や、溶媒の含有量が低減して粘度が上昇した場合においても、効率的に環状物や、余剰の末端封止剤等や、溶媒を分離し得る装置を用いることが好ましい。この様な装置としては、例えば、竪型撹拌槽、表面更新型撹拌槽反応器、表面更新型二軸混練反応器、二軸横型撹拌反応器、濡れ壁式反応器、自由落下型の多孔板型反応器、支持体に沿わせて化合物を落下させながら揮発成分を留去させる反応器等が挙げられる。これらの装置は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることも可能である。
上記の方法等により、環状物や、余剰の末端封止剤等の含有量が低減された平均組成式(1)によって表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンを得ることができる。本発明の方法によって得られるエポキシ変性シリコーンを用いて硬化物を作成する際に、用いられる硬化剤との相溶性が高まり硬化操作が容易になることから、平均組成式(1)によって表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン中に含有される分子量1,000以下の成分の量を15%以下とすることが好ましく、10%以下とすることがより好ましく、5%以下とすることが更に好ましい。
ここで、平均組成式(1)によって表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン中に含まれる分子量1,000以下の成分の含有量について説明する。本発明の平均組成式(1)によって表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン中に含まれる分子量1,000以下の成分の含有量は、単分散ポリスチレンを標準物質とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定によって得られる溶出曲線において、平均組成式(1)によって表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの溶出開始点と溶出終了点を結んで得られる該溶出ピーク面積(ピーク面積1)に対する、該溶出ピーク面積の内の標準物質から算出される分子量1,000以下に相当するピークの面積(ピーク面積2)の比率を百分率で表した数値[すなわち、(ピーク面積2)/(ピーク面積1)×100(%)で表される数値]のことをさす。
本発明は、平均組成式(1)によって表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンのSiH単位に対し、炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物(a)を含むビニル化合物(b)をヒドロシリル化反応により付加してエポキシ変性シリコーンを製造する方法に関わるものである。本発明では、ビニル化合物(b)の全部が炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物(a)であってもよく、また、ビニル化合物(b)の一部が炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物(a)であってもよい。
本発明において用いることができる炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物(a)には特に限定はなく、例えば、エポキシ基及び炭素−炭素2重結合を必須構成単位として有する、無置換又は置換された鎖状、分岐状及び環状よりなる構造群から選ばれる1種以上の構造からなる脂肪族炭化水素単位を有する炭素数が3以上24以下及び酸素数が0以上5以下の化合物が例示できる。この様な化合物としては、例えば、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテル、ブテニルグリシジルエーテル、1,2−エポキシ−3−ブテン、1,2−エポキシ−4−ペンテン、1,2−エポキシ−5−ヘキセン、1,2−エポキシ−6−ヘプテン、1,2−エポキシ−7−オクテン、1,2−エポキシ−8−ノネン、1,2−エポキシ−9−デセン、1,2−エポキシ−10−ウンデセン、1,2−エポキシ−11−ドデセン、1,2−エポキシ−12−トリデセン、1,2−エポキシ−13−テトラデセン、1,2−エポキシ−14−ペンタデセン、1,2−エポキシ−15−ヘキサデセン、1,2−エポキシ−16−ヘプタデセン、1,2−エポキシ−17−オクタデセン、1,2−エポキシ−18−ノナデセン、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、4−ビニルシクロへキセンオキサイド、1−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキセンオキサイド、1,4−ジメチル−4−ビニルシクロヘキセンオキサイド、ビニルノルボルネンオキサイド等が挙げられる。これらは1種又は2種以上の混合物として用いることも可能である。更に、光学異性体が存在する場合には、2種以上の混合物として利用することも可能である。
これらの内、得られるエポキシ変性シリコーンを硬化させる際の硬化速度が高まる、或いは、エポキシ変性シリコーンを用いて得られた硬化物の耐光性が高まることから、1,2−エポキシ−3−ブテン、1,2−エポキシ−4−ペンテン、1,2−エポキシ−5−ヘキセン、1,2−エポキシ−6−ヘプテン、1,2−エポキシ−7−オクテン、1,2−エポキシ−8−ノネン、1,2−エポキシ−9−デセン、1,2−エポキシ−10−ウンデセン、1,2−エポキシ−11−ドデセン、1,2−エポキシ−12−トリデセン、1,2−エポキシ−13−テトラデセン、1,2−エポキシ−14−ペンタデセン、1,2−エポキシ−15−ヘキサデセン、1,2−エポキシ−16−ヘプタデセン、1,2−エポキシ−17−オクタデセン、1,2−エポキシ−18−ノナデセン及び下記化学式(3)で表される群から選ばれる少なくとも1種の、炭素−炭素2重結合を有するエポキシシクロアルカンを用いることが好ましく、下記化学式(2)で表される群からなる少なくとも1種の、炭素−炭素2重結合を有するエポキシシクロアルカンを用いることが更に好ましい。
CH=CR−EPO・・・(3)
[ただし、Rは水素又は炭素数1以上4以下の鎖状又は分岐状の1価の炭化水素基を表す。また、EPOは炭素数10以下のエポキシシクロアルキル基を表し、炭素数が前記範囲内であれば、鎖状、分岐状の炭化水素基を置換基として有していてもよい。]
化学式(3)で表される化合物としては、例えば、4−ビニルシクロへキセンオキサイド、1−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキセンオキサイド、1,4−ジメチル−4−ビニルシクロヘキセンオキサイド、ビニルノルボルネンオキサイド等が用いられ、更に好ましくは、4−ビニルシクロへキセンオキサイドが用いられる。
ビニル化合物(b)において用いることができる、炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物(a)以外のビニル化合物としては、例えば、
(ア)エポキシ基を含有せず、炭素−炭素2重結合を必須構成単位として有する、無置換又は置換された鎖状、分岐状及び環状よりなる構造群から選ばれる1種以上の構造からなる脂肪族炭化水素単位を有する炭素数が3以上24以下及び酸素数が0以上5以下の化合物、
(イ)炭素−炭素2重結合を必須構成単位として有し、無置換又は置換された芳香族炭化水素単位と、必要に応じて無置換又は置換された鎖状、分岐状及び環状よりなる構造群から選ばれる1種以上の構造からなる脂肪族炭化水素単位を有する、炭素数が8以上24以下及び酸素数が0以上5以下の化合物、
(ウ)下記化学式(4)で表される分子内に1個以上の炭素−炭素2重結合を含有するシラン、
CH=CH−SiR ・・・(4)
[但し、Rは各々独立に、a)ハロゲン原子、b)無置換又は置換された鎖状、分岐状及び環状よりなる構造群から選ばれる1種以上の構造からなる脂肪族炭化水素単位を有する炭素数が1以上10以下及び酸素数が0以上5以下の1価の脂肪族有機基、或いは、c)無置換又は置換された芳香族炭化水素単位と、必要に応じて無置換又は置換された鎖状、分岐状及び環状よりなる構造群から選ばれる1種以上の構造からなる脂肪族炭化水素単位を有する炭素数が6以上10以下及び酸素数が0以上5以下の1価の芳香族有機基、なる群から選ばれる少なくとも1種以上の有機基を表す。
上記の有機基は、前記の炭素数及び酸素数の範囲内であれば、有機基としてヒドロキシル基、アシル基、アルケニルオキシ基、アシルオキシ基、ハロゲン原子を含んでいてもよい。]
(エ)下記平均組成式(5)で表される分子内に1個以上の炭素−炭素2重結合を含有するシロキサン、
(R SiO1/2)(R SiO2/2)(RSiO3/2)(SiO4/2) ・・(5)
[但し、Rは各々独立に、a)炭素−炭素2重結合、b)炭素数1以上10以下の鎖状、分岐状及び環状よりなる構造群から選ばれる少なくとも1種以上の構造からなる1価の脂肪族有機基、c)無置換又は置換された芳香族炭化水素単位と、必要に応じて無置換又は置換された鎖状、分岐状及び環状よりなる構造群から選ばれる1種以上の構造からなる脂肪族炭化水素単位を有する炭素数6以上10以下及び酸素数が0以上5以下の1価の芳香族有機基である。ここで、少なくともRの1個以上は炭素−炭素2重結合を有する有機基である。
上記の有機基は、前記の炭素数及び酸素数の範囲内であれば、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アシル基、カルボキシル基、アルケニルオキシ基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、或いは、エステル結合を含んでいてもよい。また、窒素、リン、硫黄等の酸素を除くヘテロ原子を含んでいてもよい。]
等を用いることができる。
なお、平均組成式(5)中のp、q、r、sは、分子内に1個以上の炭素−炭素2重結合を含有するシロキサン1モル中に存在する各単位のモル数を表し、qは各々0以上の数値、rは各々0以上の数値、sは0以上の数値であり、且つ、p、q、rは同時にゼロとなることはない。
また、上記のq、r、sが各々下記式(13)、式(14)、式(15)を同時に満足する場合には、上記のp、r、sは、式(16)を満足する範囲から選択される数値である。
q≠0 ・・・式(13)
r≠0 ・・・式(14)
s≠0 ・・・式(15)
0≦p≦r+2s+2 ・・・式(16)
更に、上記のr、sが下記式(17)、式(18)を同時に満足する場合には、上記のpは下記式(19)を満足する範囲から選択される数値である。
r=0 ・・・式(17)
s=0 ・・・式(18)
0≦p≦2 ・・・式(19)
また、上記のr、sが各々下記式(14)、式(18)を同時に満足する場合には、上記のp、rは、式(20)を満足する範囲から選択される数値である。
r≠0 ・・・式(14)
s=0 ・・・式(18)
0≦p≦r+2 ・・・式(20)
更に、上記のr、sが各々下記式(17)、式(15)を同時に満足する場合には、上記のp、rは、式(21)を満足する範囲から選択される数値である。
r=0 ・・・式(17)
s≠0 ・・・式(15)
0≦p≦2s+2 ・・・式(21)
また、分子内に1個以上の炭素−炭素2重結合を含有するシロキサンは、前記平均組成式(4)で示される構造であれば特に限定はなく、直鎖状、環状、分岐状、ラダー状、籠状等いずれの構造でもよく、これらの2種以上の混合物であってもよい。また、各々の構造単位が、ブロック的な連鎖構造を有していてもよいし、ランダムに分散していてもよく、これらの混合物であってもよい。
上記の(ア)〜(エ)の化合物は、1種又は2種以上の混合物として用いることが可能である。また、これらの化合物には、前記の炭素数及び酸素数の範囲内であれば、ヒドロキシル基、アシル基、カルボキシル基、アルケニルオキシ基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、或いは、エステル結合、更には、酸素原子を除く窒素、リン、硫黄等のヘテロ原子を含んでいてもよい。
上記の(ア)エポキシ基を含有せず、炭素−炭素2重結合を必須構成単位として有する、無置換又は置換された鎖状、分岐状及び環状よりなる構造群から選ばれる1種以上の構造からなる脂肪族炭化水素単位を有する炭素数が3以上24以下及び酸素数が0以上5以下の化合物の具体例としては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、シクロペンテン、シクロヘキセン、メチルシクロヘキセン、ノルボルネン、ビニルシクロヘキサン、ビニルデカヒドロナフタレン、ジシクロペンタジエン、ノルボルナジエン、1,2,4−トリビニルシクロヘキサン、アクリル酸、メタアクリル酸、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタアクリレート、グリセリンジアクリレート、グリセリンジメタアクリレート、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル、アリルメチルエーテル、アリルエチルエーテル、アリルプロピルエーテル、メトキシポリエチレングリコールアリルエーテル(エチレングリコール単位の重合度1〜4)等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上の混合物として使用することが可能である。
一方、(イ)炭素−炭素2重結合を必須構成単位として有し、無置換又は置換された芳香族炭化水素単位と、必要に応じて無置換又は置換された鎖状、分岐状及び環状よりなる構造群から選ばれる1種以上の構造からなる脂肪族炭化水素単位を有する、炭素数が8以上24以下及び酸素数が0以上5以下とからなる化合物の具体例としては、例えば、スチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、α―メチルスチレン、桂皮酸、等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上の混合物として使用することが可能である。
また、(ウ)分子内に1個以上の炭素−炭素2重結合を含有するシランの具体例としては、これらの化合物としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリ−t−ブトキシシラン、ビニルトリイソプロペノキシシラン等の炭素−炭素2重結合を1個有する脂肪族ビニルアルコキシシラン、ビニルフェニルメチルメトキシシラン、ビニルフェニルジエトキシシラン、ビニルジフェニルエトキシシラン等の炭素−炭素2重結合を1個有する芳香族ビニルアルコキシシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジエトキシシラン、トリビニルメトキシシラン、トリビニルエトキシシラン等の炭素−炭素2重結合を2個以上有する脂肪族ビニルアルコキシシラン、ジビニルジフェノキシシラン、トリビニルフェノキシシラン等の炭素−炭素2重結合を2個以上有する芳香族ビニルアルコキシシラン、ビニルトリメチルシラン、ビニルエチルジメチルシラン、ビニルジエチルメチルシラン、ビニルトリエチルシラン、ビニルトリプロピルシラン、ビニルトリイソプロピルシラン、ビニルトリブチルシラン、ビニルトリ−t−ブチルシラン、ビニル−t−ブチルジメチルシラン、ビニルトリペンチルシラン、ビニルトリヘキシルシラン、ビニルトリシクロヘキシルシラン、ビニルトリヘプチルシラン、ビニルトリオクチルシラン、ビニルトリノニルシラン、ビニルトリデシルシラン、ビニルメチルシラシクロペンタン等の炭素−炭素2重結合を1個有するビニルアルキルシラン、ビニルフェニルジメチルシラン、ビニルフェニルジエチルシラン、ビニルジフェニルメチルシラン、ビニルトリフェニルシラン、ビニルトリトリルシラン等の炭素−炭素2重結合を1個有するビニルアリールシラン、ビニルベンジルジメチルシラン、ビニルベンジルジエチルシラン、ビニルジベンジルメチルシラン、ビニルトリベンジルシラン、ビニルトリフェネチルシラン等の炭素−炭素2重結合を1個有するビニルアラルキルシラン、ジビニルジメチルシラン、ジビニルジエチルシラン、ジビニルエチルメチルシラン、トリビニルメチルシラン、トリビニルエチルシラン等の炭素−炭素2重結合を2個以上有するビニルアルキルシラン、ジビニルジフェニルシラン、ジビニルジトリルシラン、トリビニルフェニルシラン、トリビニルトリルシラン等の炭素−炭素2重結合を2個以上有するビニルアリールシラン、ビニル(クロロメチル)ジメチルシラン、ビニル(トリフルオロメチル)ジメチルシラン、ビニル(3,3,3−トリフルオロプロピル)ジメチルシラン等の炭素−炭素2重結合を1個有するハロゲン置換された炭化水素基を有するビニルハロ置換アルキルシラン、ビニルジメチルフルオロシラン、ビニルジメチルクロロシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルエチルジクロロシラン、ビニルオクチルジクロロシラン、ビニル(ブロモメチル)ジクロロシラン、ビニルフェニルジクロロシラン、ビニルジフェニルクロロシラン、ビニルフェニルメチルクロロシラン等の炭素−炭素2重結合を1有し、少なくとも1個以上のハロゲン原子がケイ素原子に結合したビニルハロシラン、ジビニルジクロロシラン、トリビニルクロロシラン等の炭素−炭素2重結合を2個以上有し、ハロゲン原子がケイ素原子に結合したビニルハロシラン等が例示できる。これらの分子内に1個以上の炭素−炭素2重結合を含有するシランは1種又は2種以上の混合物として使用することが可能である。
更に、(エ)分子内に1個以上の炭素−炭素2重結合を含有するシロキサンとしては、有機基Rのb)炭素数1以上10以下の鎖状、分岐状及び環状よりなる構造群から選ばれる少なくとも1種以上の構造からなる1価の脂肪族有機基が、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−ノニル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、ノルボニル基等の飽和炭化水素基、クロロメチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等の、ハロゲン原子で置換された飽和炭化水素基、等や、c)無置換又は置換された芳香族炭化水素単位と、必要に応じて無置換又は置換された鎖状、分岐状及び環状よりなる構造群から選ばれる1種以上の構造からなる脂肪族炭化水素単位を有する炭素数6以上10以下及び酸素数が0以上5以下の1価の芳香族有機基が、例えば、フェニル基、トリル基、ベンジル基等の芳香族炭化水素基、4−クロロベンジル基等の、ハロゲン原子で置換された芳香族炭化水素基、等が挙げられる。
これらの内、ヒドロシリル化反応後に得られるエポキシ変性シリコーンを用いて得られる硬化物の耐光性が高まることから、ビニル化合物(b)としては、ヒドロキシル単位、アルコキシ単位、アシル単位、カルボキシル単位、アルケニルオキシ単位、アシルオキシ単位、芳香族炭化水素単位、ハロゲン原子、或いは、エステル結合、更には、酸素原子を除くヘテロ原子を含有しない(ア)エポキシ基を含有せず、炭素−炭素2重結合を必須構成単位として有する、無置換又は置換された鎖状、分岐状及び環状よりなる構造群から選ばれる1種以上の構造からなる脂肪族炭化水素単位を有する炭素数が3以上20以下及び酸素数が0以上5以下の化合物、(ウ)分子内に1個以上の炭素−炭素2重結合を含有するシラン、(エ)分子内に1個以上の炭素−炭素2重結合を含有するシロキサンなる群から選ばれる少なくとも1種以上の化合物が好ましく用いられる。
(ア)エポキシ基を含有せず、炭素−炭素2重結合を必須構成単位として有する、無置換又は置換された鎖状、分岐状及び環状よりなる構造群から選ばれる1種以上の構造からなる脂肪族炭化水素単位を有する炭素数が3以上20以下及び酸素数が0以上5以下の化合物としては、ビニル化合物の取り扱い性が高まる、或いは、余剰の化合物の留去が容易となることから、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、シクロペンテン、シクロヘキセン、メチルシクロヘキセン、ノルボルネン、ビニルシクロヘキサンがより好ましく用いられる。
一方、(ウ)分子内に1個以上の炭素−炭素2重結合を含有するシランとしては、余剰の化合物の留去が容易となることから、ビニルトリメチルシラン、ビニルエチルジメチルシラン、ビニルジエチルメチルシラン、ビニルトリエチルシランがより好ましく用いられる。
また、(エ)分子内に1個以上の炭素−炭素2重結合を含有するシロキサンとしては、立体障害を緩和してヒドロシリル化反応を安定的に、且つ、再現性よく進行させることが容易となることから、qは50以下の範囲、且つ、rは10以下の範囲、sは10以下の範囲を同時に満足することが好ましく、sがゼロであるものが更に好ましく、qは20以下の範囲、且つ、rは5以下の範囲、sがゼロ、且つ、r/(p+q+r)が0.02以下であるものがより好ましく、qは15以下の範囲、且つ、rは3以下の範囲、sがゼロ、且つ、r/(p+q+r)が0.01以下であるものが特に好ましく、qは10以下の範囲、且つ、s及びr/(p+q+r)の値がゼロであるものが望ましく、例えば、ビニルペンタメチルジシロキサン、ビニルヘプタメチルトリシロキサン等の分子鎖の片末端にジメチルビニルシロキシ基を有し、且つ、他の置換基がアルキル基であるシロキサン、ビニルメチルビス(トリメチルシロキシ)シラン等の分子鎖中にジメチルビニルシロキシ基を有する、分子内に1個の炭素−炭素2重結合を含有し、他の置換基が飽和炭化水素基であるシロキサン、1,3−ジビニル−テトラメチルジシロキサン等の両末端がジメチルビニルシロキシ基であり、他の置換基が飽和炭化水素基である分子内に2個の炭素−炭素2重結合を有するシロキサン、1,3,5−トリビニル−1,1,3,5,5−ペンタメチルトリシロキサン、1,3,5−トリビニル−1,3,5−トリメチルシクロトリシロキサントリス(ビニルジメチルシロキシ)メチルシラン、1.3.5.7−テトラビニルー1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1.3.5.7−テトラビニルー1,3,5,7−テトラエチルシクロテトラシロキサン、等の分子内に3個以上の炭素−炭素2重結合を含有し、他の有機基が飽和炭化水素基であるシロキサン等が挙げられる。
平均組成式(5)で表される分子内に1個以上の炭素−炭素2重結合を含有するシロキサンのp〜sの値は、平均組成式(1)で表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンで用いた方法と同様の方法にて算出することができる。
本発明は、平均組成式(1)で表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンに対し、炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物(a)を含むビニル化合物(b)を付加してエポキシ変性シリコーンを製造する方法に関わるものである。
平均組成式(1)で表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンと同じ組成を有し、且つ、各単位構造がランダム型に配列されたランダム型オルガノハイドロジェンシリコーンに対して炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物(a)と炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物(a)以外のビニル化合物とを付加して得られたエポキシ変性シリコーンに比較して、平均組成式(1)で表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンのSiH単位に対して、炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物(a)と炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物(a)以外のビニル化合物とを付加して得られたエポキシ変性シリコーンの耐熱性が著しく高まることから、平均組成式(1)によって表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンのSiH単位の合計モル数に対し、炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物(a)を付加させるSiH単位のモル数の分率が、70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることが更に好ましく、95%以上であることが特に好ましい。
本発明のエポキシ変性シリコーンは、本願の平均組成式(1)によって表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンのSiH単位に対し、炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物を含むビニル化合物をヒドロシリル化触媒存在下で、ヒドロシリル化反応により付加して得られるものである。
ヒドロシリル化触媒が存在しない場合には、平均組成式(1)で表させるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンのSiH単位と炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物を含むビニル化合物とのヒドロシリル化反応が進行しない。
本発明において用いることができるヒドロシリル化触媒としては、従来公知のものが使用可能である。この様なヒドロシリル化触媒としては、例えば、周期表第8属の金属の単体、該金属固体をアルミナ、シリカ、カーボンブラック等の担体に担持させたもの、該金属の塩、或いは、該金属の錯体等が例示される。これらの内、ヒドロシリル化反応の活性が高く、副反応を生じにくい周期表第8族の金属である、白金、ロジウム、ルテニウムが好ましく、特に白金が好ましい。白金を用いたヒドロシリル化反応触媒としては、例えば、塩化白金酸、塩化白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトンとの錯体、白金−ビニルシロキサン錯体、白金−ホスフィン錯体、白金−ホスファイト錯体、ジカルボニルジクロロ白金、ジシクロペンタジエニルジクロロ白金等が挙げられる。
ヒドロシリル化反応を行う際に用いられる触媒の金属原子換算のモル数は、通常、ヒドロシリル化反応前の平均組成式(1)によって表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンのSiH単位の合計モル数に対して、1/50,000,000倍以上1/20倍以下の範囲である。ヒドロシリル化反応を行う際に用いられる触媒の金属原子換算のモル数が、ヒドロシリル化反応前の平均組成式(1)によって表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンのSiH単位の合計モル数に対して、1/50,000,000倍未満の場合には、ヒドロシリル化反応が進行しない場合がある。一方、1/20倍を超える場合には、ヒドロシリル化反応に供する炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物を含むビニル化合物の変性が著しく生じる場合や、反応系著しく着色して透明なエポキシ変性シリコーンを回収できない場合がある。
ヒドロシリル化反応中のエポキシ基の開環を抑制してエポキシ変性シリコーンを再現性よく製造する上で、ヒドロシリル化反応を行う際に用いられる触媒の金属原子換算のモル数は、ヒドロシリル化反応前の平均組成式(1)によって表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンのSiH単位の合計モル数に対して、1/1,200倍以下とすることが好ましく、1/6,000倍以下とすることがより好ましく、1/25,000倍以下とすることが更に好ましい。
一方、ヒドロシリル化反応を再現性ある速度で行う上で、ヒドロシリル化反応を行う際に用いられる触媒の金属原子換算のモル数は、ヒドロシリル化反応前の平均組成式(1)によって表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンのSiH単位の合計モル数に対して、1/5,000,000倍以上とすることが好ましく、1/1,000,000倍以上とすることがより好ましく、1/800,000倍以上とすることが更に好ましい。
平均組成式(1)によって表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンのSiH単位に対して、炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物(a)を含むビニル化合物(b)を付加する際に用いられる触媒の量は、上記の範囲内であれば一定である必要は無く、反応初期や反応途中において変化させてもよい。
本発明において、ヒドロシリル化反応の際に、平均組成式(1)によって表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンのSiH単位の合計モル数に対して、共存させるビニル化合物(b)の全ビニル基の合計モル数は、5倍以上100倍以下の範囲である。
ここで、「共存させるビニル化合物(b)の全ビニル基」とは、反応系に共存させたビニル化合物(b)に含まれる、オルガノハイドロジェンシリコーンとヒドロシリル化反応し得るすべてのビニル基のことをいい、分子内に1個以上のビニル基を有するケイ素化合物はこれに含まれるが、オルガノハイドロジェンシリコーンはビニル基を有していてもこれには含まれない。
平均組成式(1)によって表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンのSiH単位の合計モル数に対して、共存させるビニル化合物(b)の全ビニル基の合計モル数が5倍未満の場合には、付加した炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物(a)のエポキシ基が開環して高分子量体を含有するエポキシ変性シリコーンが生じてしまい、エポキシ変性シリコーンを安定的に再現性よく製造することができなくなる。一方、平均組成式(1)によって表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンのSiH単位の合計モル数に対して、共存させるビニル化合物(b)の全ビニル基の合計モル数が増加すると、ヒドロシリル化反応速度が増加する傾向にあるが、平均組成式(1)によって表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンのSiH単位の合計モル数に対して、共存させるビニル化合物(b)の全ビニル基の合計モル数が100倍を超過しても、反応速度が高められる効果がなくなる、或いは、場合によっては、共存させるビニル化合物(b)によってヒドロシリル化反応触媒が安定化されてはヒドロシリル化反応速度が低下する場合があること、また、本発明の方法によって得られるエポキシ変性シリコーンを含む反応混合物から、エポキシ変性シリコーンを分離回収する工程の負荷が増加するため、好ましくない。
安定的に高い反応速度で、エポキシ変性シリコーンを再現性よく製造する上で、平均組成式(1)によって表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンのSiH単位の合計モル数に対して、共存させるビニル化合物(b)の全ビニル基の合計モル数は、6倍以上50倍以下の範囲が好ましく、7倍以上30倍以下の範囲がより好ましく、7倍以上20倍以下の範囲が特に好ましい。平均組成式(1)によって表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンのSiH単位の合計モル数に対して、共存させるビニル化合物(b)の全ビニル基の合計モル数は、上記の範囲内であれば一定である必要は無く、反応初期や反応途中において変化させてもよい。
平均組成式(1)によって表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンのSiH単位の合計モル数に対して、共存させるビニル化合物(b)の全ビニル基の合計モル数を5倍以上とすることにより、ヒドロシリル化反応中のエポキシ基の開環を抑制理由は明らかではないが、ヒドロシリル化反応過程におけるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン中の水素アルキルシロキシ単位の3連鎖以上の部位の残存量とヒドロシリル化反応触媒の存在状態が関係しているものと推定される。
具体的には、高分子量部の形成は、以下の<I>が原因と想定される。
<I>該水素アルキルシロキシ単位が3連鎖以上である部位のSiH単位は、ヒドロシリル化反応触媒存在下においてエポキシ基との開環付加反応を生じやすく、該水素アルキルシロキシ単位が3連鎖以上である部位のSiH単位が、異なる分子鎖に炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物(a)が付加して存在するエポキシ基と反応をする。
一方、平均組成式(1)によって表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンのSiH単位の合計モル数に対して共存させるビニル化合物(b)の量を、通常用いられる1倍量から2倍量付近から本願発明の範囲まで増大させることで、高分子量部の形成が抑制できるのは、以下の<II>が理由と推定される。
<II>ヒドロシリル化反応系中のビニル基濃度が増大することにより、ヒドロシリル化触媒に配位しているビニル化合物(b)の量が増大し、ヒドロシリル化反応触媒がSi−H結合に酸化的付加した後、エポキシ基の開環等の副反応を起こすことなく、付加反応が優先的に進行する。
本発明において、ヒドロシリル化反応を行う際の反応温度は、用いる平均組成式(1)で表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの種類や分子量、或いは、炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物を含むビニル化合物の種類、更には、回分式、半回分式、或いは連続式等の反応様式によっても異なるが、反応速度を高め、効率的に反応を完結させる観点において0℃以上250℃以下の範囲が好ましく、10℃以上200℃以下の範囲が更に好ましく、20℃以上150℃以下の範囲がより好ましく、30℃以上120℃以下の範囲が特に好ましい。反応温度は、上記の範囲内であれば一定である必要は無く、反応初期や反応途中において変化させてもよい。
本発明において、ヒドロシリル化反応を行う際、ヒドロシリル化反応による反応熱の除去を可能とし、得られるエポキシ変性シリコーンの変性を抑制する及び/又は付加反応による反応系の粘度上昇を抑制する、更には、ヒドロシリル化反応時に変性途中のオルガノシリコーンと炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物(a)を含むビニル化合物(b)との相分離を抑制してヒドロシリル化反応が高められるため、溶媒を用いることが好ましい。
用いられる溶媒としては、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、アニソール等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン等の脂肪族炭化水素系、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン等の芳香族水素系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトール等のアルコール系溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は、1種又は2種以上の混合物として用いることが可能である。
これらの内、ヒドロシリル化反応速度が比較的大きく、原料の溶解性及び/又は溶媒回収性の観点から、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、脂肪族炭化水素系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒が好ましく、エーテル系溶媒を50質量%以上含む溶媒が更に好ましく、大気圧における沸点が120℃以下である1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテルなる群から選ばれる少なくとも1種又は2種以上の混合溶媒がより好ましく用いられる。
用いる溶媒量は、用いるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの種類や、ビニル化合物の種類等によって異なるが、通常、ヒドロシリル化反応開始時において、該混合物の全質量に対する溶媒の質量が、0.1質量%以上99.9質量%以下の範囲、好ましくは10質量%以上95質量%以下の範囲、更に好ましくは20質量%以上90質量%以下の範囲である。
本発明において、ヒドロシリル化反応を行う際の雰囲気は、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、炭酸ガス等の不活性ガス、或いは、炭素数1以上4以下の低級飽和炭化水素系ガスや空気等の雰囲気下、流通下、減圧下又は加圧下で行うことができる。これらのガスは、一種又は二種以上の混合ガスとして用いることができる。これらの内、好ましいガスは、前記不活性ガス、炭素数1以上4以下の低級飽和炭化水素系ガスであり、更に好ましくは、前記不活性ガスであり、より好ましくは窒素である。
本発明において、ヒドロシリル化反応を行う際の反応方法は、特に限定されず、例えば、本願の平均組成式(1)で表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンと炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物を含むビニル化合物とを回分式、半回分式、連続式なる群から選ばれる1種又は2種以上の組合せの方法により、逐次的、連続的、或いは、一度に反応させる方法が例示できる。
本願の平均組成式(1)で表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンと炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物を含むビニル化合物の供給方式としては、必要に応じて溶媒を含有する本願の平均組成式(1)で表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンに対して、必要に応じて溶媒を含有する炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物を含むビニル化合物を供給する方法、必要に応じて溶媒を含有する炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物を含むビニル化合物に対して、必要に応じて溶媒を含有する本願の平均組成式(1)で表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンを供給する方法、必要に応じて溶媒を含有する本願の平均組成式(1)で表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンと炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物を含むビニル化合物とを予め混合して供給する方法等が例示できる。
また、炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物を含むビニル化合物が複数の種類の化合物からなる場合には、全ての炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物を含むビニル化合物を一括混合した組成物を反応に供する、或いは、一部又は全部のビニル化合物を逐次に反応させることも可能である。
その際、ヒドロシリル化反応触媒の添加方法には特に限定はなく、必要に応じて溶媒を含有する、該ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンに対し触媒を予め添加する方法、必要に応じて溶媒を含有する一部又は全部のビニル化合物に添加する方法、必要に応じて溶媒を含有する該ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンと、必要に応じて溶媒を含有するビニル化合物の双方に添加する方法、溶媒を含有する該ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンと一部又は全部のビニル化合物との混合物に添加する方法等が用いられる。
オルガノハイドロジェンシリコーンのSiH単位に対して、炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物(a)を含むビニル化合物(b)をヒドロシリル化反応により付加させる際には、系内の水分が影響を及ぼす場合がある。ヒドロシリル化反応速度を維持する、或いは、エポキシ基の開環反応を抑制する上で、反応系の水分量は反応系の質量を基準として2質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましく、0.5質量%以下であることが更に好ましく、0.1質量%以下が特に好ましく、0.05質量%以下が望ましく、0.01質量%以下が特に望ましい。反応系の水分量は少ない方がよいが、水分量を0とするのは時間・労力がかかるのに比して、ヒドロシリル化反応速度を維持する、或いは、エポキシ基の開環反応を抑制する効果が小さい。そのため、費用対効果という観点からは、反応系の水分量は、0.001質量%程度まで低減することが現実的である。
反応混合物からエポキシ変性シリコーンを分離回収するのに先立ち、アルコール類を反応混合物と接触或いは混合して、未反応SiH単位を減少又は消失させる処理を行うこと、従来公知のヒドロシリル化触媒の失活剤又は不活性化剤を反応混合物と接触或いは混合して、該触媒を失活又は不活性化処理すること、吸着剤に反応混合物を接触、混合、或いは、流通して、ヒドロシリル化触媒等の金属成分や着色成分等を吸着除去或いは低減する処理を行うこと、或いは、これらの組み合わせの処理を行うことは、反応混合物からエポキシ変性シリコーンを分離回収する際のエポキシ変性シリコーンの変性を抑制する上で好ましく用いられる方法である。
この際に用いられるアルコール類としては、例えば、炭素数1以上4以下の鎖状、分岐状及び環状よりなる構造群から選ばれる少なくとも1種以上のアルコールが挙げられる。この際に用いられるヒドロシリル化触媒の失活剤不活性化剤としては、例えば、ドデシルメルカプタン、2−メルカプトベンゾチアゾール等の含硫黄化合物類、アセトニトリル、アクリロニトリル、2−ペンテンニロリル、3−ペンテンニトリル等のニトリル類、1−ヘプチン、1−オクチン、1−デシン、3−メチル−1−ペンチン、2−プロピン−1−オール、3−ブチン−1−オール、2−ペンチン−1−オール、4−ペンチン−1−オール、4−ペンチン−2−オール、2−メチル−3−ブチン−1−オール、3−メチル−1−ペンチン−3−オール、3−メチル−1−ヘキシン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、2−フェニルー3−ブチン−2−オール、1−エチニル−1−シクロヘキサノール、2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオール、1,1−ジメチル−2−プロピニルアミン、3−メチル−3−(トリメチルシロキシ)−1−ブチン、ジメチル−ビス(1,1−ジメチル−2−プロピノキシ)−シラン、3−メチル−3−(トリメチルシロキシ)−1−ペンチン、3,5−ジメチル−3−(トリメチルシロキシ)−1−ヘキシン、3−エチル−3−(トリメチルシロキシ)−1−ペンチン、メチルプロピオネート、エチルプロピオネート等のアセチレン系化合物等が挙げられる。また、ヒドロシリル化触媒等の金属成分や着色成分等を吸着除去或いは低減する吸着剤としては、例えば、活性炭、セライト、シリカゲル、アルミナ粉、イオン交換樹脂等が挙げられる。
反応混合物からエポキシ変性シリコーンを分離回収するのに先立ち、アルコール類をエポキシ変性シリコーンを分離回収する前の混合物に接触或いは混合して、未反応SiH単位を減少又は消失させる処理を行う操作、従来公知のヒドロシリル化触媒の失活剤不活性化剤をエポキシ変性シリコーンを分離回収する前の混合物と接触或いは混合して該触媒を失活又は不活性化処理を行う操作、吸着剤にエポキシ変性シリコーンを分離回収する前の混合物を接触、混合、或いは、流通して、ヒドロシリル化触媒等の金属成分や着色成分等を吸着除去或いは低減する処理を行う操作、或いは、これらの組み合わせの操作を行う際の雰囲気は、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、炭酸ガス等の不活性ガス、炭素数1以上4以下の低級飽和炭化水素系ガス、空気なる群から選ばれる少なくとも1種のガスの雰囲気下、流通下、減圧下又は加圧下、バブリング下、或いは、これらを組み合わせた条件下で行うことができる。これらのガスは、一種又は二種以上の混合ガスとして用いることができる。これらの内、好ましいガスは、前記不活性ガス、炭素数1以上4以下の低級飽和炭化水素系ガスであり、更に好ましくは、前記不活性ガスであり、より好ましくは窒素である。
エポキシ変性シリコーンを分離回収する前の混合物をアルコール類と接触或いは混合して、未反応SiH単位を減少又は消失させる処理を行う操作、従来公知のヒドロシリル化触媒の失活剤又は不活性化剤をエポキシ変性シリコーンを分離回収する前の混合物と接触或いは混合して、該触媒を失活又は不活性化処理する操作、吸着剤にエポキシ変性シリコーンを分離回収する前の混合物を接触、混合、或いは、流通して、ヒドロシリル化触媒等の金属成分や着色成分等を吸着除去或いは低減する処理を行う操作、或いは、これらの組み合わせの操作を行う際の温度は、エポキシ変性シリコーンの変性を抑制する上で、好ましくは0℃以上200℃以下の範囲、好ましくは5℃以上150℃以下の範囲、より好ましくは10℃以上100℃以下の範囲、更に好ましくは15℃以上80℃以下の範囲である。前記範囲内であれは、一定の温度である必要はなく、途中で温度を変化させることも可能である。
得られたエポキシ変性シリコーンを含む混合物からエポキシ変性シリコーンを分離する工程に供され、本願発明のエポキシ変性シリコーンが回収される。
本発明において、混合物からエポキシ変性シリコーンを分離回収する際のエポキシ変性シリコーンの変性を抑制する上で、分離回収する工程に供されるエポキシ変性シリコーン中に含有される全Si数に対する残留SiH単位数は2%以下であることが好ましく、1.5%以下であることがより好ましく、1%以下であることが更に好ましく、0.5%以下であることが特に好ましい。
本願発明において、炭素−炭素2重結合を有する化合物、及び、必要に応じて用いた、ヒドロシリル化触媒の失活剤又は不活性化剤を、低沸化合物と総称し、必要に応じて用いた溶媒、及び、必要に応じて、未反応SiH単位を減少或いは消失させる処理操作に用いたアルコール類を、揮発性化合物と総称する。
次に、エポキシ変性シリコーンを含む混合物から、エポキシ変性シリコーンを分離する方法について説明する。
エポキシ変性シリコーンを含む混合物から、エポキシ変性シリコーンを分離する方法は、本発明のエポキシ変性シリコーンが得られれば特に限定はなく、例えば、エポキシ変性シリコーンを含む混合物から、低沸化合物と揮発性化合物とを留去してエポキシ変性シリコーンを回収する方法、或いは、エポキシ変性シリコーンが高い揮発性を有する化合物の場合、蒸留によりエポキシ変性シリコーンを分離回収する方法、等が挙げられる。
エポキシ変性シリコーンを含む混合物から、低沸化合物と揮発性化合物とを留去してエポキシ変性シリコーンを回収する場合には、低沸化合物と揮発性化合物とを構成する各々の化合物を同時に留去する方法、或いは、低沸化合物と揮発性化合物とを構成する各々の化合物を個別に分離する方法、或いは、これらを組み合わせた方法によって実施することができる。また、蒸留によりエポキシ変性シリコーンを分離回収する場合には、1工程でエポキシ変性シリコーンを分離回収する方法、或いは、一度低沸化合物と揮発性化合物とを構成する1種以上の化合物とエポキシ変性シリコーンとの混合物を分離し、引き続いて、同一又は異なる条件にて、低沸化合物及び/又は揮発性化合物を構成する1種以上の化合物とエポキシ変性シリコーンからエポキシ変性シリコーンを1工程、又は逐次に分離する方法、或いは、これらの組み合わせによる方法によって実施することができる。
エポキシ変性シリコーンを含む混合物から、エポキシ変性シリコーンを分離する際の雰囲気は、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、炭酸ガス等の不活性ガス、炭素数1以上4以下の低級飽和炭化水素系ガス、空気なる群から選ばれる少なくとも1種のガスの雰囲気下、流通下、減圧下又は加圧下、バブリング下、或いは、これらを組み合わせた条件下で行うことができる。これらのガスは、一種又は二種以上の混合ガスとして用いることができる。これらの内、好ましいガスは、前記不活性ガス、炭素数1以上4以下の低級飽和炭化水素系ガスであり、更に好ましくは、前記不活性ガスであり、より好ましくは窒素である。
エポキシ変性シリコーンを含む混合物から、エポキシ変性シリコーンを分離する際の温度は、エポキシ変性シリコーン、低沸化合物と揮発性化合物の種類によっても異なるが、エポキシ変性シリコーンの変性を抑制する上で、好ましくは0℃以上200℃以下の範囲、好ましくは5℃以上150℃以下の範囲、より好ましくは10℃以上100℃以下の範囲、更に好ましくは15℃以上80℃以下の範囲である。前記範囲内であれは、エポキシ変性シリコーンを含む混合物から、エポキシ変性シリコーンを分離する際の温度は、一定の温度である必要はなく、途中で温度を変化させることも可能である。
エポキシ変性シリコーンを含む混合物から、エポキシ変性シリコーンを分離する工程には、低沸化合物と揮発性化合物の含有量が低減してエポキシ変性シリコーンを含む混合物の粘度が上昇した場合においても、効率的に低沸化合物と揮発性化合物を分離し得る装置を用いることが好ましい。この様な装置としては、例えば、竪型撹拌槽、表面更新型撹拌槽、薄膜蒸発装置、表面更新型二軸混練器、二軸横型撹拌器、濡れ壁式反応器、自由落下型の多孔板型反応器、支持体に沿わせて化合物を落下させながら揮発成分を留去させる反応器等が挙げられる。これらの装置は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることも可能である。
本発明の方法により得られるエポキシ変性シリコーンには、エポキシ変性シリコーンを製造する際に用いたエポキシ変性シリコーンを製造する際に用いた、炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物(a)を含むビニル化合物(b)に由来する、炭素−炭素2重結合を有する化合物や溶媒等の低沸化合物及び/又は揮発性化合物が残留する場合がある。
ここで、本発明における「炭素−炭素2重結合を有する化合物」について説明する。本発明における炭素−炭素2重結合を有する化合物とは、シリコーン以外の化合物であって、分子内に1つ以上の炭素−炭素2重結合を有する化合物ものをいう。したがって、オルガノハイドロジェンシリコーンやエポキシ変性シリコーンについては分子内に炭素−炭素2重結合を有していてもこれには含まない。
このような炭素−炭素2重結合を有する化合物としては、例えば、
(i)ヒドロシリル化反応に供するために添加したビニル化合物の余剰あるいは未反応物、
(ii)ヒドロシリル化反応に供するために添加したビニル化合物中に含有されていた炭素−炭素2重結合を有する不純物、
(iii)ヒドロシリル化反応に供するために添加したビニル化合物中の炭素−炭素2重結合が、ヒドロシリル化反応中に内部転移を起こして生成した副生成物、
等が挙げられる。
前記(ii)ヒドロシリル化反応に供するために添加したビニル化合物中に含有されていた炭素−炭素2重結合を有する不純物の具体例としては、例えば、4−ビニルシクロヘキセンオキサイド中に含まれることのある4−エポキシエチル−シクロへキセン等が挙げられる。
前記(iii)ヒドロシリル化反応に供するために添加したビニル化合物中の炭素−炭素2重結合が、ヒドロシリル化反応中に内部転移を起こして生成した副生成物としては、使用するビニル化合物の種類やヒドロシリル化反応条件によっても異なるが、例えば、ビニル化合物として1−ヘキセンを用いた場合の副生成物としては、2−ヘキセン、3−ヘキセン等が、また、例えば、ビニル化合物としてビニルシクロヘキサンを用いた場合の副生成物としては、エチリデニルシクロヘキサン等が挙げられる。
更に、ビニル化合物として、例えば、(a−1)4−ビニルシクロへキセンオキサイド、(a−2)1−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキセンオキサイド、(a−3)1,4−ジメチル−4−ビニルシクロヘキセンオキサイド、(a−4)ビニルノルボルネンオキサイド等のビニル基を有するエポキシシクロアルカンを用いた場合、(a−1)〜(a−4)に対応する副生成物としては、各々、(b−1)4−エチリデニルシクロヘキセンオキサイド、(b−2)1−メチル−4−イソプロペリデニルシクロヘキセンオキサイド、(b−3)1,4−ジメチル−4−エチリデニルシクロヘキセンオキサイド、(b−4)エチリデニルノルボルネンオキサイド等が挙げられる。更に、例えば、炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物として、(a−5)1,2−エポキシ−5−ヘキセンを用いた場合、(a−5)に対応するビニル化合物中の炭素−炭素2重結合がヒドロシリル化反応中に内部転移を起こして生成した副生成物としては、1,2−エポキシ−4−ヘキセン、1,2−エポキシ−3−ヘキセン、1,2−エポキシ−2−ヘキセン等が挙げられる。
本発明の方法によって得られるエポキシ変性シリコーンを用いた硬化物の耐熱変色性や耐光性が向上すると共に、本発明の方法によって得られるエポキシ変性シリコーンを用いた硬化物の耐熱変色性や耐光性が向上することから、本発明の方法によって得られるエポキシ変性シリコーン中に残留する低沸化合物の合計量は2質量%以下であることが好ましく、1.5質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることが更に好ましく、0.75質量%以下であることが特に好ましく、0.5質量%以下であることが望ましく、0.3質量%以下であることが特に望ましい。
本発明において、低沸化合物が2種以上の成分からなる場合には、本発明における、エポキシ変性シリコーン中に残留する低沸化合物の合計量とは、エポキシ変性シリコーン中に残留する各成分の合計値を意味する。
エポキシ変性シリコーン中に残留する低沸化合物の合計量は少ない方がよいが、残留する低沸化合物の合計量を0とするのは時間と労力がかかるのに比して、着色や変色を低減する効果が小さい。そのため、費用対効果という観点からは、エポキシ変性シリコーン中に残留する低沸化合物の合計量は、0.003質量%程度まで低減することが現実的である。
また、エポキシ変性シリコーン中に残留する低沸化合物の内、炭素−炭素2重結合を有する化合物の残留量は、硬化物の光や熱による着色や変色低減のために、エポキシ変性シリコーンに対して1.5質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましく、0.75質量%以下であることが更に好ましく、0.5質量%以下であることが特に好ましく、0.3質量%以下であることが望ましく、0.1質量%以下であることが特に望ましい。
本発明において、炭素−炭素2重結合を有する化合物が2種以上の成分からなる場合には、本発明における、エポキシ変性シリコーン中に残留する炭素−炭素2重結合を有する化合物の残留量とは、エポキシ変性シリコーン中に残留する各成分の合計値を意味する。
また、エポキシ変性シリコーン中に残留する炭素−炭素2重結合を有する化合物の内、エポキシ基を有する化合物の残留量は、硬化物の光や熱による着色や変色低減のために、エポキシ変性シリコーンに対して1質量%以下であることが好ましく、0.6質量%以下であることがより好ましく、0.3質量%以下であることが更に好ましく、0.1質量%以下であることが特に好ましく、0.05質量%以下であることが望ましい。
ここで、エポキシ変性シリコーン中に残留する、炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物が2種以上ある場合には、炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物の残留量とは、残留する各成分の合計量を意味する。
更に、エポキシ変性シリコーン中に残留する炭素−炭素2重結合を有する化合物の内、ヒドロシリル化反応に供するために添加したエポキシ基を有する化合物(a)の炭素−炭素2重結合が内部転移を起こして生成した副生成物の残留量は、硬化物の光や熱による着色や変色低減のために、エポキシ変性シリコーンに対し0.5質量%以下であることが好ましく、0.3質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以下であることが更に好ましく、0.05質量%以下であることが特に好ましい。
ここで、エポキシ変性シリコーン中に残留する、ヒドロシリル化反応に供するために添加した炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物(a)の炭素−炭素2重結合が内部転移を起こして生成した副生成物が2種以上ある場合には、ヒドロシリル化反応に供するために添加したエポキシ基を有するビニル化合物の炭素−炭素2重結合が内部転移を起こして生成した副生成物の残留量とは、残留する各成分の合計量を意味する。
なお、ヒドロシリル化反応に供するために添加した炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物(a)中に、既に前記の炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物同志の炭素−炭素2重結合位置が異なる化合物が含有されている場合には、該含有されている炭素−炭素2重結合位置が異なる化合物は、本発明における炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物(a)の炭素−炭素2重結合が内部転移を起こして生成した副生成物には含めない。
また、本発明において、ヒドロシリル化触媒の失活剤又は不活性化剤を反応混合物と接触或いは混合して、該触媒を失活又は不活性化処理した場合には、該処理に用いたヒドロシリル化触媒の失活剤又は不活性化剤の残留量は、硬化物の光や熱による着色や変色低減のために、エポキシ変性シリコーンに対して0.5質量%以下であることが好ましく、0.3質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以下であることが更に好ましく、0.05質量%以下であることが特に好ましい。
本発明において、ヒドロシリル化触媒の失活剤又は不活性化剤が2種以上の成分からなる場合には、本発明における、エポキシ変性シリコーン中に残留するヒドロシリル化触媒の失活剤又は不活性化剤の残留量とは、エポキシ変性シリコーン中に残留する各成分の合計値を意味する。
本発明で得られるエポキシ変性シリコーンには、エポキシ変性シリコーンを製造する際に用いた溶媒や、反応混合物をアルコール類と接触或いは混合して、未反応SiH単位を減少又は消失させる処理するために用いた揮発性化合物が残留する場合がある。本発明のエポキシ変性シリコーンを硬化物とする際に、該硬化物中に気泡の発生を抑制する上で、本発明のエポキシ変性シリコーン中に残留する揮発性化合物の合計量は、1質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以下であることがより好ましく、0.05質量%以下であることが更に好ましい。
本発明において、揮発性化合物が2種以上の成分からなる場合には、本発明における、エポキシ変性シリコーン中に残留する揮発性化合物の合計量とは、エポキシ変性シリコーン中に残留する各成分の合計値を意味する。
エポキシ変性シリコーン中に残留する揮発性化合物の合計量は少ない方がよいが、残留する揮発性化合物の合計量を0とするのは時間と労力がかかるのに比して、着色や変色を低減する効果が小さい。そのため、費用対効果という観点からは、エポキシ変性シリコーン中に残留する揮発性化合物の合計量は、0.0005質量%程度まで低減することが現実的である。
本発明により得られるエポキシ変性シリコーン中に残留するSiH単位の量は、エポキシ変性シリコーンの保存安定性変性を高める上で、エポキシ変性シリコーン中に含有される全Si数に対する残留SiH単位数が2%以下であることが好ましく、1.5%以下であることがより好ましく、1%以下であることが更に好ましく、0.5%以下であることが特に好ましい。
本発明により得られるエポキシ変性シリコーンを用いて得られる硬化物の耐熱性が高まることから、本発明により得られるエポキシ変性シリコーンのエポキシ価は0.10以上であることが好ましく、0.12以上がより好ましく、0.14以上が更に好ましい。一方、ヒドロシリル化反応後に得られるエポキシ変性シリコーンを用いて得られる硬化物の耐光性が高まることからエポキシ価が0.5以下であることが好ましく、0.48以下がより好ましく、0.46以下が更に好ましい。
本発明におけるエポキシ価とは、エポキシ変性シリコーン100g中に存在するエポキシ単位の数のことをさし、具体的には、以下の方法によって測定される値のことをいう。
<エポキシ価の測定方法>
樹脂試料をベンジルアルコールと1−プロパノールで溶解する。この溶液にヨウ化カリウム水溶液、ブロモフェノールブルー指示薬を添加した後、1規定塩酸にて滴定し、反応系内が青色から黄色になった点を当量点とする。当量点より、エポキシ変性シリコーンのエポキシ価を以下の式(22)に従って算出する。
エポキシ価(当量/100g)=(V×N×F)/(10×W)・・・式(22)
[ただし、W、V、N、Fは各々以下の値を表す。
W:試料の重量(g)、
V:滴定量(ml)、
N:滴定に使用した塩酸の規定度(N)、
F:滴定に使用した塩酸のファクター ]
本発明により得られるエポキシ変性シリコーンを用いて硬化物を作成する際に、用いられる硬化剤との相溶性が高まり硬化操作が容易になることから、本発明により得られるエポキシ変性シリコーン中に含まれる分子量1,000以下の成分の含有量は15%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましく、5%以下であることが特に好ましい。
ここで、本発明により得られるエポキシ変性シリコーン中に含まれる分子量1,000以下の成分の含有量について説明する。本発明により得られるエポキシ変性シリコーン中に含まれる分子量1,000以下の成分の含有量は、単分散ポリスチレンを標準物質とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定によって得られる溶出曲線において、変性ポリシロキサンの溶出開始点と溶出終了点を結んで得られる該溶出ピーク面積(ピーク面積1)に対する、該溶出ピーク面積の内の標準物質から算出される分子量1,000以下に相当するピークの面積(ピーク面積2)の比率を百分率で表した数値[すなわち、(ピーク面積2)/(ピーク面積1)×100(%)で表される数値]のことをさす。
本発明により得られるエポキシ変性シリコーンには、エポキシ変性シリコーンを製造する際に用いたヒドロシリル化触媒等の触媒の残さ、或いは、反応装置から溶出する金属成分等が混入する場合がある。例えば、SUS316合金を用いると、Fe、Ni、Cr、Mo等の金属元素が溶出する場合がある。これらの金属、中でも遷移金属成分が、本発明により得られるエポキシ変性シリコーンを硬化物とした際に、該硬化物の耐光性に影響を与える場合がある。該硬化物の耐光性を高いレベルで維持する点において、本発明のエポキシ変性シリコーン中に含有される、周期律表3族〜11族に該当する遷移金属成分の合計量が元素換算で、20ppm以下であることが好ましく、10ppm以下であることがより好ましく、5ppm以下であることが更に好ましい。
遷移金属成分の含有量を低減させる方法としては、例えば、ヒドロシリル化反応後の反応液を、活性炭、シリカゲル、アルミナ粉、イオン交換樹脂などの吸着剤に通して金属成分を吸着除去する方法が例示できる。また、例えば、本願のエポキシ変性シリコーンを製造する工程の反応装置から溶出する上記遷移金属元素量を考慮し、本願のエポキシ変性シリコーン中に含有される遷移金属成分の合計量が上記範囲以下となる様に、ヒドロシリル化反応に用いる触媒の使用量を低減する方法等も好ましい方法として例示される。
本発明により得られるエポキシ変性シリコーンは、透明性が求められる用途に用いることが可能な優れた透明性を有する上に、優れた耐光性、耐熱性、更には耐クラック性を有することから、発光素子用封止剤、眼鏡レンズ、光学機器用レンズ、CDやDVDのピックアップ用レンズ、自動車ヘッドランプ用レンズ、プロジェクター用レンズなどのレンズ材料、光ファイバー、光導波路、光フィルター、光学用接着剤、光ディスク基板、ディスプレイ基板、反射防止膜などのコーティング材料等、各種光学部材として用いることが可能である。
前記用途に用いる場合、本発明により得られるエポキシ変性シリコーンと、必要に応じてエポキシ樹脂及び/又はエポキシ樹脂用硬化剤、硬化促進剤、カチオン重合触媒、変性剤、無機フィラー、シランカップリング剤、消泡剤、着色剤、蛍光体、変色防止剤、光拡散剤、熱伝導性フィラー等、従来公知の添加剤を適宜配合することも可能である。
用いられるエポキシ樹脂としては、従来公知の芳香族グリシジルエーテルに代表される芳香族系エポキシ樹脂の芳香環を水素化して得られるグリシジルエーテル類、脂環式エポキシ樹脂類、その他のエポキシ樹脂等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上の混合物として用いることができる。
前記の芳香族グリシジルエーテルとしては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、テトラメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールAD、テトラメチルビスフェノールS、テトラブロモビスフェノールA、テトラクロロビスフェノールA、テトラフルオロビスフェノールA等のビスフェノール類をグリシジル化したビスフェノール型エポキシ樹脂、ビフェノール、ジヒドロキシナフタレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン等のその他の2価フェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、4,4−(1−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル)フェニル)エチリデン)ビスフェノール等のトリスフェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂、1,1,2,2,−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン等のテトラキスフェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ビスフェノールAノボラック、臭素化フェノールノボラック、臭素化ビスフェノールAノボラック等のノボラック類をグリシジル化したノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。
芳香族グリシジルエーテルの芳香環の水素化反応は、例えば、ルテニウム系触媒、ロジウム系触媒等を用いる従来公知の方法により実施することが可能である。
脂環式エポキシ樹脂類としては、従来公知の化合物、例えば、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート等が挙げられる。
その他のエポキシ樹脂類としては、ダイマー酸グリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸グリシジルエステル等のグリシジルエステル類、トリグリシジルイソシアヌレート等のグリシジルアミン類、エポキシ化大豆油、エポキシ化ポリブタジエン等の線状脂肪族エポキシ化合物等が例示できる。
前記のエポキシ樹脂として、芳香族系エポキシ樹脂を用いる場合、耐光性が良好となるという点で、用いられるエポキシ樹脂の総質量に対する該芳香族系エポキシ樹脂の比率は50質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることが更に好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、上記のエポキシ樹脂として、芳香族系エポキシ樹脂を全く含まないエポキシ樹脂を用いることが特に好ましい。
前記エポキシ樹脂の使用量は、本発明によって得られるエポキシ変性シリコーン100質量部に対して、0.1〜100質量部用いることが好ましく、より好ましくは1〜100質量部、更に好ましくは1〜80質量部である。
本発明において用いることができるエポキシ樹脂用硬化剤は、例えば、ポリアゼライン酸無水物、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、ノルボルナン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチル−ノルボルナン−2,3−ジカルボン酸無水物等の脂環式酸無水物類、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等の芳香族酸無水物類、1分子中に2個以上の酸無水物含有官能基を置換基として有するシリコーン類、等が挙げられる。
これらの内、本願発明のエポキシ変性シリコーンを硬化して得られる硬化物の耐光性が高まることから、脂環式酸無水物類、1分子中に2個以上の酸無水物含有官能基を置換基として有するシリコーン類が更に好ましく、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ノルボルナン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチル−ノルボルナン−2,3−ジカルボン酸無水物がより好ましく用いられる。
これらの硬化剤は1種又は2種以上の混合物として用いることが可能である。
エポキシ樹脂用硬化剤の使用量は、本発明によって得られるエポキシ変性シリコーン100質量部に対して1質量部以上200質量部以下用いることが好ましく、2質量部以上100質量部以下用いることがより好ましい。
本発明によって得られるエポキシ変性シリコーンを用いて得られる硬化性組成物には、必要に応じて、硬化促進剤が含有されていてもよい。用いられる硬化促進剤としては、イミダゾール化合物、4級アンモニウム塩、ホスホニウム塩、アミン化合物、アルミニウムキレート化合物、有機ホスフィン化合物、金属カルボン酸塩やアセチルアセトンキレート化合物等が挙げられる。これらの硬化促進剤は1種又は2種以上の混合物として用いることが可能である。
これらの化合物の具体例としては、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリメチルアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルベンジルアミン、2,4,6−トリスジメチルアミノメチルフェノールなどのアミン化合物及びその塩、テトラメチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムブロミドなどの4級アンモニウム塩、アルミニウムキレート、テトラ−n−ブチルホスホニウムベンゾトリアゾレート、テトラ−n−ブチルホスホニウム−0,0−ジエチルホスホロジチオエートなどの有機ホスフィン化合物、クロム(III)トリカルボキシレート、オクチル酸スズ、クロムアセチルアセトナート等の金属カルボン酸塩やアセチルアセトンキレート化合物が例示できる。また、市販品としてはサンアプロ社よりU−CAT SA1、U−CAT 2026、U−CAT 18X等が例示できる。これらの中で着色の少ない硬化物を与えることから、イミダゾール化合物、4級アンモニウム塩、ホスホニウム塩、有機ホスフィン化合物等が好ましく用いられる。
これら硬化促進剤の配合量は、エポキシ変性シリコーン100質量部に対して硬化速度を高める上で0.001質量部以上であることが好ましく、0.01質量部以上であることがより好ましく、0.1質量部以上であることが特に好ましい。一方、対湿性の観点から10質量部以下であることが好ましく、5質量部以下であることがより好ましく、3質量部以下であることが更に好ましく、1質量部以下であることが特に好ましい。
また、本発明のエポキシ変性シリコーンは、従来公知のカチオン重合触媒を配合することにより硬化性組成物とすることも可能である。
用いることができるカチオン重合触媒としては、BF・アミン錯体、PF、BF、AsF、SbFなどに代表されるルイス酸系触媒、ホスホニウム塩や4級アンモニウム塩、スルホニウム塩、ベンジルアンモニウム塩、ベンジルピリジニウム塩、ベンジルスルホニウム塩、ヒドラジニウム塩、カルボン酸エステル、スルホン酸エステル、アミンイミドに代表される熱硬化性カチオン重合触媒、ジアリールヨードニウムヘキサフロオロホスフェート、ヘキサフルオロアンチモン酸ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム等に代表される紫外硬化性カチオン重合触媒等が挙げられる。
これらの内、ガラス転移温度が高く半田耐熱性や密着性に優れた着色の少ない透明な硬化物が得られることから熱硬化性カチオン重合触媒が好ましく用いられる。
この様な熱硬化性カチオン重合触媒としては、例えば、スルホニウム塩系のカチオン重合開始剤であるSI−100L、SI−60L(以上、三新化学工業製)、CP−66、CP−77(以上、旭電化工業製)等を挙げることができる。
これらカチオン重合触媒の配合量は、通常、エポキシ変性シリコーン100質量部に対して硬化速度を高める上で0.001質量部以上であることが好ましく、0.005質量部以上であることがより好ましく、0.01質量部以上であることが更に好ましい。一方、対湿性の観点から10質量部以下の範囲であることが好ましく、1質量部以下であることがより好ましく、0.5質量部以下であることが更に好ましく、0.2質量部以下であることが特に好ましい。
本発明によって得られるエポキシ変性シリコーンを用いて得られる硬化性組成物には、必要に応じて、変性剤が含有されていてもよい。用いられる変性剤としては、1分子中に2個以上の水酸基を含有するポリオール類が例示でき、脂肪族系ポリオール類、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン等や、末端にシラノール基を有するシリコーン類が更に好ましく用いられる。これらの変性剤は、1種又は2種以上の混合物として用いることが可能である。変性剤は、硬化物に可とう性を付与し剥離接着力を向上させる場合がある。
1分子中に2個以上の水酸基を含有するポリオール類の配合量は、エポキシ変性シリコーン100質量部に対して、密着性を高めるという観点から0.1質量部以上、耐熱性、耐湿性の観点から50質量部以下であることが望ましい。より好ましい配合量は1〜30質量部、更に好ましくは3〜20重量部、特に好ましくは5〜10重量部である。
本発明により得られるエポキシ変性シリコーンを用いて得られる硬化性組成物に好ましく用いられる無機フィラーは、透過性への悪影響を避けるため、使用する波長以下の平均粒子径を有するものであり、更に好ましくは、前記平均粒子径が100nm以下のものである。無機フィラーは、例えば機械的物性を改善するためや熱伝導性を向上させる場合がある。無機フィラーの平均粒子径の下限は特に限定はないが、樹脂組成物の粘度が低下して成形性が向上するため、0.1nm以上であることが好ましい。
本発明によって得られるエポキシ変性シリコーンを用いて得られる硬化性組成物に好ましく用いられるシランカップリング剤は、芳香族基やハロゲン原子を有さない化合物である。
本発明により得られるエポキシ変性シリコーンを用いて得られる硬化性組成物の硬化方法は公知の方法を用いることができる。
前記の公知技術の内、加熱によって硬化させる方法、或いは、紫外線(UV)を照射することによって硬化させる方法は、エポキシ樹脂の硬化方法として一般的に用いられる方法であり、本発明において好ましい方法として例示できる。加熱により硬化させる際の温度は、用いられるエポキシ樹脂や硬化剤等に依るため特に限定はないが、通常、20〜200℃の範囲である。
前記の硬化反応は、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、炭酸ガス等の不活性ガス、或いは、低級飽和炭化水素系ガスや空気等の雰囲気下、減圧下又は加圧下で硬化させることができる。これらのガスは、一種又は二種以上の混合ガスとして用いることができる。これらの内、好ましいガスは窒素である。
本発明により得られるエポキシ変性シリコーンを用いて得られる硬化性組成物を用いて発光素子を封止することにより、発光ダイオードが形成される。
本発明によって得られるエポキシ変性シリコーンを用いて得られる硬化性組成物を用いて封止して得られた発光素子の発光波長は、赤外から赤色、緑色、青色、紫色、紫外まで幅広く用いることができ、従来の封止剤では耐光性が不足して劣化してしまう250nm〜550nmの波長の光まで実用的に用いることができる。これにより、長寿命で、エネルギー効率が高く、色再現性の高い白色発光ダイオードを得ることができる。ここで、発光波長とは、主発光ピーク波長のことをいう。
使用される発光素子の具体例としては、例えば、基板上に半導体材料を積層して形成した発光素子を例示することができる。この場合、半導体材料としては、例えば、GaAs、GaP、GaAlAs、GaAsP、AlGaInP、GaN、InN、AlN、InGaAlN、SiC等が挙げられる。
基板としては、例えば、サファイア、スピネル、SiC、Si、ZnO、GaN単結晶等が挙げられる。必要に応じ、基板と半導体材料の間にバッファー層を形成しても良い。これらバッファー層としては、GaN、AlN等が挙げられる。
基板上へ半導体材料を積層する方法としては、特に制限はないが、例えば、MOCVD法、HDVPE法、液相成長法等が用いられる。
発光素子の構造は、例えば、MIS接合、PN接合、PIN接合を有するホモ接合、ヘテロ接合、ダブルヘテロ構造等が挙げられる。また、単一或いは多重量子井戸構造とすることも可能である。
本発明により得られるエポキシ変性シリコーンを用いて得られる発光素子封止剤を用いて封止して得られた発光素子により、発光ダイオードを製造することができる。この場合の封止は、発光素子を本発明によって得られるエポキシ変性シリコーンを用いて得られる発光素子封止剤のみで封じることもできるが、他の封止剤を併用して封止することも可能である。他の封止剤を併用する場合、本発明によって得られるエポキシ変性シリコーンを用いて得られる発光素子封止剤で封止した後、その周囲を他の封止剤で封止する、或いは、他の封止剤で封止した後、その周囲を本発明によって得られるエポキシ変性シリコーンを用いて得られる発光素子封止剤で封止することも可能である。他の封止剤としては、例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ウレア樹脂、イミド樹脂、ガラス等が挙げられる。
本発明により得られるエポキシ変性シリコーンを用いて得られる発光素子封止剤で発光素子を封止する方法としては、例えば、モールド型枠中に硬化性組成物を予め注入し、そこに発光素子が固定されたリードフレーム等を浸漬した後に硬化させる方法、発光素子を挿入した型枠中に発光素子封止剤を注入し、硬化する方法等が挙げられる。この際、発光素子封止剤を注入する方法としては、ディスペンサーによる注入、トランスファー成形、射出成形等が挙げられる。更にその他の封止方法としては、発光素子封止剤を発光素子上へ滴下、孔版印刷、スクリーン印刷、或いは、マスクを介して塗布し硬化させる方法、低部に発光素子を配置したカップ等に発光素子封止剤をディスペンサー等により注入し、硬化させる方法等が挙げられる。
本発明により得られるエポキシ変性シリコーンを用いて得られる硬化性組成物は、発光素子をリード端子やパッケージに固定するダイボンド材、発光素子上のパッシベーション膜、パッケージ基板として用いることもできる。
封止部分の形状は、例えば、砲弾型のレンズ形状、板状、薄膜状等が挙げられる。
本発明により得られるエポキシ変性シリコーンを用いて得られた発光ダイオードは、従来公知の方法で性能の向上を図ることができる。性能の向上方法としては、例えば、発光素子背面に光の反射層或いは集光層を設ける方法、補色着色部を底部に形成する方法、主発光ピークより短波長の光を吸収する層を発光素子上に設ける方法、発光素子を封止した後更に硬質材料でモールディングする方法、発光ダイオードを貫通孔に挿入して固定する方法、発光素子をフリップチップ接続等によってリード部材等と接続して基板方向から光を取り出す方法等が挙げられる。
本発明により得られるエポキシ変性シリコーンを用いて得られた発光ダイオードは、例えば、液晶ディスプレイ等のバックライト、照明、各種センサー、プリンター、コピー機等の光源、車両用計器光源、信号灯、表示灯、表示装置、面状発光体の光源、ディスプレイ、装飾、各種ライト等として有用である。
<実施例>
本発明について、以下具体的に説明する。
シリコーンの平均連鎖長、組成、並びに、特性は、以下に示す方法により求める。
(1)オルガノハイドロジェンシリコーンの平均連鎖長の算出
29Si−NMRの測定により求める。
シリコーン0.15gを重水素化クロロホルム1gに溶解する。該溶解液にCr(acac)をオルガノハイドロジェンシリコーンに対して0.015g添加して溶解した溶液に、テトラメチルシランを10マイクロリットル更に添加してNMR測定溶液とする。該NMR測定溶液を用いて、プロトン完全デカップル条件における29Si−NMRの測定を積算回数4,000回(装置:日本分光社製α−400)にて行い、得られたスペクトルパターンから算出された積分値を解析して、変性ポリシロキサン1分子中の平均組成及び(R SiO2/2)単位、(RHSiO2/2)単位の各々の平均連鎖長を算出する。
ここで、以下に、合成例にて製造したブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン、具体的には該シリコーンの末端を除く構成単位がシクロヘキシルメチルシロキシ単位、ジメチルシロキシ単位、水素メチルシロキシ単位である場合を例として、平均連鎖長の算出法を具体的に説明する。
シクロヘキシルメチルシロキシ単位、ジメチルシロキシ単位をジアルキルシロキシ単位として(D1)、他方、水素メチルシロキシ単位を(H1)とした場合、D1とH1の3連鎖に対応する中心に位置する珪素のケミカルシフト値は、テトラメチルシランの珪素を基準として各々以下の範囲となる。
−D1−D1−D1− : −26.5ppm超過−23.9ppm以下
−D1−D1−H1− : −23.9ppm超過−21.5ppm以下
−H1−D1−H1− : −38.5ppm超過−37.4ppm以下
−H1−H1−H1− : −35.5ppm超過−33.0ppm以下
−H1−H1−D1− : −37.4ppm超過−35.5ppm以下
−D1−H1−D1− : −21.5ppm超過−19.5ppm以下
上記の−D1−D1−D1−単位、−D1−D1−H1−単位、−H1−D1−H1−単位、−H1−H1−H1−単位、−H1−H1−D1−単位、−D1−H1−D1−単位に相当するピークの積分値を各々、A(D1D1D1)、A(D1D1H1)、A(H1D1H1)、A(H1H1H1)、A(H1H1D1)、A(D1H1D1)とすると、ジメチルシロキシ単位の平均連鎖長(γD1)及び水素メチルシロキシ(δD1)は、各々下記式(23)及び(24)で算出することができる。
γD1=1+A(D1D1D1)/{A(D1D1H1)+A(H1D1H1)}
・・・式(23)
δD1=1+{A(H1H1H1)+A(H1H1D1)}/A(D1H1D1)
・・・式(24)
(2)ポリジアルキルシロキサンの高分子量側ピークの数平均分子量の算出及び高分子量側ピークエリア面積比率の算出
東ソー社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)分析装置8020GPCシステムを用い、以下の条件により求める。
ポリジアルキルシロキサンの0.5質量%テトラヒドロフラン溶液を調整し、その後、0.45μmのフィルターにて濾過したものを測定試料溶液とする。
カラム温度40℃にて、溶離液(テトラヒドロフラン)を流量1ml/分の条件下でカラム[カラム構成は、ガードカラムとして東ソー(株)社製TskguardcolumnH時間−H(登録商標)を用い、東ソー(株)製Tskgel(登録商標)G5000H時間、及び東ソー(株)製Tskgel(登録商標)G3000H時間、東ソー(株)製Tskgel(登録商標)G1000H時間の各1本ずつを直列に配置]を通し、Polymer Laboratories社製の分子量7,500,000、2,560,000、841,700、320,000、148,000、59,500、28,500、10,850、2,930、580の、分子量既知の単分散ポリポリスチレン標準物質、及びスチレンモノマー(分子量104)のRI検出による溶出時間から求めた検量線を予め作成する。測定試料溶液の溶出時間と検出強度から数平均分子量を算出する。
分析によって得られた溶出曲線が多峰性ピークの場合には、各々のピークとピークの間に形成される下に凸部の頂点からベースラインに垂線を下ろし、溶出曲線と垂線及びベースラインとで囲まれた部分の数平均分子量を各々のピークの数平均分子量とする。また、各々のピークの成分の含有量は、ポリアルキルシロキサンに基づくピークの総面積と各々のピークの成分に基づくピークの面積の比率から該ピーク成分の含有量を算出する。
(3)ポリ水素メチルシロキサンの分子量測定、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン及びエポキシ変性シリコーン中の分子量1,000以下の成分の含有量測定
東ソー社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)分析装置8020GPCシステムを用い、以下の条件により求める。
変性ポリシロキサンの5質量%クロロホルム溶液を調整し、その後、0.45μmのフィルターにて濾過したものを測定試料溶液とする。
カラム温度40℃にて、溶離液(クロロホルム)を流量1ml/分の条件下でカラム[カラム構成は、ガードカラムとして東ソー(株)社製TskguardcolumnH時間−H(登録商標)を用い、東ソー(株)製Tskgel(登録商標)G5000H時間、及び東ソー(株)製Tskgel(登録商標)G3000H時間、東ソー(株)製Tskgel(登録商標)G1000H時間の各1本ずつを直列に配置]を通し、Polymer Laboratories社製の分子量7,500,000、2,560,000、841,700、320,000、148,000、59,500、28,500、10,850、2,930、580の、分子量既知の単分散ポリポリスチレン標準物質、及びスチレンモノマー(分子量104)のRI検出による溶出時間から求めた検量線を予め作成する。測定試料溶液の溶出時間と検出強度から、上記の検量線を用いて分子量を算出する。
一方、分子量1,000以下の成分の含有量は、測定によって得られる溶出曲線において、エポキシ変性シリコーン、或いは、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの各々について、溶出開始点と溶出終了点を結んで得られる該溶出ピーク面積(ピーク面積1)に対する、該溶出ピーク面積の内の標準物質から算出される分子量1,000以下に相当するピークの面積(ピーク面積2)の比率を算出し、百分率で表記した[すなわち、(ピーク面積2)/(ピーク面積1)×100(%)で表される数値]。
(4)オルガノハイドロジェンシリコーンの組成
29Si−NMR測定、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定、更に、H−NMR測定によって得られる結果を用いて算出する。
具体的には、まず、前記(1)にて実施した平均組成式(1)で表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの29Si−NMR測定によって得られたスペクトルパターンから算出された積分値を解析して末端基、水素アルキル単位、ジアルキルシロキシ単位の含有分率を百分率で算出する。
更に、下記に記すH−NMR測定によって得られるスペクトルパターンから算出された積分値を元に、各置換基を有するジアルキルシロキシ単位の存在率を百分率で算出する。
得られた各構成単位の存在率と各構成単位の理論式量とを用いて、構成単位の平均的式量を算出する。
次に、前記(3)にて実施した平均組成式(1)で表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンのGPC測定によって得られた数平均分子量を平均組成式(1)で表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの1モル当りの分子量として、上記で算出した末端基、水素アルキル単位、ジアルキルシロキシ単位の存在率を考慮した平均的式量で除して平均組成式(1)で表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンを構成する各単位の全モル数を算出する。得られた平均組成式(1)で表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンを構成する各単位の全モル数と、該各単位の存在率とから、平均組成式(1)で表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン1モルを構成する各単位のモル数を算出した。
H−NMR測定方法>
シリコーン30mgに対して、1mlの割合で重水素化クロロホルム溶媒に溶解した溶液を測定試料とする。この測定試料を用いて、400MHz(日本分光社製α−400)のH−NMRの測定を積算回数200回にて行う。
(5)エポキシ変性シリコーン中に残留する低沸化合物量及び揮発性化合物量の測定
島津社製ガスクロマトグラフィー分析装置GC−14Bを用い、以下の条件により求める。
5mlのメスフラスコに、エポキシ変性シリコーン約0.5g及び内部標準としてn−オクタン0.015gを秤量した後、クロロホルムで5mlに希釈した溶液を、測定サンプルとする。
カラム:J&W Scientific社製DB−1(登録商標)、
長さ30m、内径0.25mm、液膜1μm
キャリアーガス:ヘリウム
検出器:FID
インジェクション温度:250℃
検出器温度:300℃
昇温条件:50℃にて5min保持した後、50℃から300℃まで
10℃/minで昇温する。
得られた結果から、別途作成した内部標準法による検量線を用いて、エポキシ変性シリコーン中に含有される各成分の含有量を定量し合計する。なお、数値は、エポキシ変性シリコーンに対する質量分率で表したものである。
(6)エポキシ価
以下の操作と算出法により求める。
樹脂試料をベンジルアルコールと1−プロパノールで溶解する。この溶液にヨウ化カリウム水溶液、ブロモフェノールブルー指示薬を添加した後、1規定塩酸にて滴定し、反応系内が青色から黄色になった点を当量点とする。当量点より、エポキシ変性シリコーンのエポキシ価を以下の式に従って算出する。
エポキシ価(当量/100g)=(V×N×F)/(10×W)
[ただし、W、V、N、Fは各々以下の値を表す。
W;試料の重量(g)
V;滴定量(ml)
N;滴定に使用した塩酸の規定度(N)
F;滴定に使用した塩酸のファクター
(7)元素含有量
含有白金量の分析は四重極ICP質量分析装置(Thermo Elemental製:X7−ICP−MS)を用いて測定する。
(8)透明性
厚さ3mmの硬化物を用い、厚さ方向の350nm、400nm、450nmの光線透過率を日本分光(株)社製JASCO V−550により測定する。初期における光線透過率が80%以上を◎、70%以上80%未満を○、50%以上70%未満を△、50%未満を×とした。
(9)耐熱性
粉砕した硬化物のTgをセイコーインスツールメント社製DSC220Cにより昇温速度10℃/分の条件で測定し、耐熱性の指標とした。硬化物のTgが120℃以上を◎、100℃以上120℃未満を○、80℃以上100℃未満を△、80℃未満を×とした。
(10)耐光性
光ファイバーを経由してUV照射装置(ウシオ電機製:SP−7)から100℃一定にした恒温乾燥機中の厚さ3mmの硬化物にUV光を照射できるようにセットする。365nmバンドパスフィルターを用いて、330〜410nmの光を、3W/cm2になるように照射する。
照射開始後、250時間以上硬化物が着色しないものを◎、200時間以上250時間未満で硬化物が着色するものを○、200時間未満で着色するものを×とした。
(11)耐熱変色性
厚さ3mmの硬化物を用い、厚さ方向の400nmの光線透過率を日本分光(株)社製JASCO V−550により測定する。次に該硬化物をSUS316製の型枠に入れ、空気下で150℃で100時間加熱条件に供した後、室温で放冷する。その後、試料の厚さ方向における400nmの光線透過率を再度測定し、加熱処理前の試料における400nmの光線透過率に対する加熱処理後の試料における400nmの光線透過率の値を算出し、加熱処理前の試料の光線透過率に対する加熱処理後の試料の光線透過率の比率を、光線透過保持率として算出する。光線透過保持率が90%以上を◎、88%以上90%未満を○、85%以上88%未満を△、85%未満を×とした。
(12)耐クラック性
10mm×10mm×2mmのサイズの型枠内に、5mm×5mm×0.2mmのシリコンチップを入れておき、樹脂組成物を注型して加熱して試験片を得る。得られた硬化物を型枠から取り出し、冷熱サイクル試験(エスペック社製TSE−11−A)で−40℃にて15分保持した後、平均3分で120℃まで昇温し、120℃で15分間保持し、次いで、平均3分で−40℃まで降温するサイクルで試験して、クラックの発生有無を目視で観察する。40サイクル以上クラックが入らなかったものを◎、20サイクル以上40サイクル未満でクラックが発生したものを○、5サイクル未満でクラックが発生したものを×とした。
(13)表面硬度
JIS−K−5600−5−4に準拠して、実施した。
試験結果が、HB以上を◎、B〜2Bを○、3B以下を×とした。
[触媒合成例]
窒素雰囲気下で、還流管及びスターラーバーを備えた50mlの2口フラスコに、5塩化リン(和光純薬製試薬)8.34g、塩化アンモニウム(和光純薬製試薬特級品)1.06g及びテトラクロロエタン(アルドリッチ社製試薬)20mlを仕込んだ後、大気圧の窒素を20ml/分で流通させながら160℃で15時間反応を実施し、黄色溶液を得た。反応終了後、大気圧窒素雰囲気下にて攪拌を継続しながら系内に石油エーテル(和光純薬製試薬)20mlを加えて、固体を析出させた。引き続き窒素雰囲気下にて、得られた固体を減圧濾過し、n−ヘキサン(和光純薬社製試薬有機合成用脱水グレード)100mlを用いて洗浄後、再度、窒素下にて減圧濾過を行った後、減圧乾燥して、淡黄色粉末のフォスファゼン化合物7.1gを得た。以下の参考例1〜3では、ジクロロメタン(和光純薬社製試薬有機合成用脱水グレード)1g当たり、得られたフォスファゼン化合物60mgを溶解した溶液を、フォスファゼン溶液として用いた。
[参考例1]
<加水分解物の合成>
攪拌翼を備えた内容積3リットルのバッフル付きセパラブルフラスコに蒸留水1500gを仕込んだ後、内部を60℃に加熱する。セパラブルフラスコの攪拌翼を600回転/分で回転させながら、シクロヘキシルメチルジクロロシラン(信越化学社製試薬)400gとジメチルジクロロシラン65.5gとを均一に混合した溶液を、2g/分で滴下する。滴下完了後、引き続き2時間反応を継続し、加熱及び攪拌を停止して内溶液を相分離させ、水槽を廃棄する。次いで、室温にて、トルエン(和光純薬製試薬特級品)500g、0.02mol/リットルの蟻酸ナトリウム水溶液1リットルを添加し、攪拌翼を600回転/分で回転させた後、攪拌を停止して内溶液を相分離させ、水槽を廃棄する。引き続き、室温にて蒸留水1リットルを添加し、攪拌翼を600回転/分で回転させた後、攪拌を停止して内溶液を相分離させ、水相を廃棄する操作を2回実施する。セパラブルフラスコからトルエン溶液を回収し、エバポレーターにて、減圧下、65℃でトルエンを留去して、加水分解物1を得た。
<ポリジアルキルシロキサンの合成>
留出管及び攪拌翼を供えた500mlのセパラブルフラスコに、得られた加水分解物300g、触媒合成例で得られたフォスファゼン溶液1gを仕込んだ後、攪拌しながら系内を減圧窒素置換する。引き続き、系内を120℃に加熱し、圧力150torrで45分間、重縮合反応させた後、反応系内を窒素にて大気圧に戻すと共に60℃に冷却する。次いで、乾燥窒素下にて蒸留精製した1,1,3,3−テトラメチル−ジシロキサン(信越化学社製試薬)7gを、窒素雰囲気下にて系内に添加し、3時間攪拌を継続して末端封止反応をさせた後、室温に冷却する。内容物をトルエン(和光純薬社製試薬特級品)を合計500ml用いて溶解回収し、得られた溶液からエバポレーターにて、減圧下、65℃でトルエンを留去して、ポリジアルキルシロキサンを得た。
得られたポリジアルキルシロキサンの全ての末端構造は、H−Si(CH−O−であり、末端基以外の組成は、ジメチルシロキシ単位20モル%、シクロヘキシルメチルシロキシ単位80モル%であった。分子量測定の結果、溶出曲線は2峰性であり、高分子量側のピークの数平均分子量は11,700、エリア面積は全ピークに対して65%であった。
必要に応じて、上記の合成操作を繰り返し実施してポリジアルキルシロキサンを得て、以下の反応に用いた。
[参考例2]
<加水分解物の合成>
シクロヘキシルメチルジクロロシラン及びジメチルジクロロシランの使用量を各々、430g、31.3gとした以外は参考例1と同様にして、加水分解物2を得た。
<ポリジアルキルシロキサンの合成>
加水分解物1を用いる代わりに、加水分解物2を用いたこと、重縮合反応時間を2時間としたこと、1,1,3,3−テトラメチル−ジシロキサンを4g用いたこと以外は、参考例1と同様にしてポリジアルキルシロキサンを得た。
得られたポリジアルキルシロキサンの全ての末端構造は、H−Si(CH−O−であり、末端基以外の組成は、ジメチルシロキシ単位10モル%、シクロヘキシルメチルシロキシ単位90モル%であった。分子量測定の結果、溶出曲線は2峰性であり、高分子量側のピークの数平均分子量は20,400、エリア面積は全ピークに対して60%であった。
必要に応じて、上記の合成操作を繰り返し実施してポリジアルキルシロキサンを得て、以下の反応に用いた。
[参考例3]
<加水分解物の合成>
シクロヘキシルメチルジクロロシラン及びジメチルジクロロシランの使用量を各々、320g、139.7gとした以外は参考例1と同様にして、加水分解物3を得た。
<ポリジアルキルシロキサンの合成>
加水分解物1を用いる代わりに、加水分解物3を用いたこと、触媒合成例で得られたフォスファゼン溶液を0.5g用いたこと、重縮合反応時間を1時間としたこと、1,1,3,3−テトラメチル−ジシロキサンを15.6g用いたこと以外は、参考例1と同様にしてポリジアルキルシロキサンを得た。
得られたポリジアルキルシロキサンの全ての末端構造は、H−Si(CH−O−であり、末端基以外の組成は、ジメチルシロキシ単位40モル%、シクロヘキシルメチルシロキシ単位60モル%であった。分子量測定の結果、溶出曲線は2峰性であり、高分子量側のピークの数平均分子量は5,300、エリア面積は全ピークに対して32%であった。
必要に応じて、上記の合成操作を繰り返し実施してポリジアルキルシロキサンを得て、以下の反応に用いた。
[参考例4]
還流冷却器、温度計及びスターラーバーを備えた0.5リットルの反応器に、乾燥窒素下にて蒸留精製した1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン(信越化学社製試薬)を270g、窒素下にて蒸留精製した1,1,3,3−テトラメチル−ジシロキサン(信越化学社製試薬)を108g、真空下にて110℃で5時間乾燥した活性白土(TONSIL OPTIMUM 230FF:ズード ケミー社製)を0.38g仕込み、窒素下、65℃にて攪拌条件下、24時間反応を行った。得られた反応液を乾燥窒素下にて1μmのフィルターを通過させて触媒を除去した後、50℃、1.3kPaの条件で2時間かけて低分子量オリゴマーを留去してポリ水素メチルシロキサンを得た。
得られたポリ水素メチルシロキサンの全ての末端構造は、H−Si(CH−O−であり、主鎖構造は水素メチルシロキシ単位のみであった。また、数平均分子量は800であった。
必要に応じて、上記の合成操作を繰り返し実施してポリ水素メチルシロキサンを得て、以下の反応に用いた。
[参考例5]
1,1,3,3−テトラメチル−ジシロキサンを190g用いたこと、活性白土を0.46gを用いたこと、低分子量オリゴマーの留去を2.7kPaの条件で3時間かけて行ったこと以外は、参考例4と同様にして、ポリ水素メチルシロキサンを得た。
得られたポリ水素メチルシロキサンの全ての末端構造は、H−Si(CH−O−であり、主鎖構造は水素メチルシロキシ単位のみであった。また、数平均分子量は500であった。
必要に応じて、上記の合成操作を繰り返し実施してポリ水素メチルシロキサンを得て、以下の反応に用いた。
[参考例6]
1,1,3,3−テトラメチル−ジシロキサンを115g用いたこと、活性白土を0.39gを用いたこと以外は、参考例4と同様にして、ポリ水素メチルシロキサンを得た。
得られたポリ水素メチルシロキサンの全ての末端構造は、H−Si(CH−O−であり、主鎖構造は水素メチルシロキシ単位のみであった。また、数平均分子量は750であった。
必要に応じて、上記の合成操作を繰り返し実施してポリ水素メチルシロキサンを得て、以下の反応に用いた。
[参考例7]
1,1,3,3−テトラメチル−ジシロキサンを145g用いたこと、活性白土を0.42gを用いたこと、低分子量オリゴマーの留去を2kPaの条件で3時間かけて行ったこと以外は、参考例4と同様にして、ポリ水素メチルシロキサンを得た。
得られたポリ水素メチルシロキサンの全ての末端構造は、H−Si(CH−O−であり、主鎖構造は水素メチルシロキシ単位のみであった。また、数平均分子量は600であった。
必要に応じて、上記の合成操作を繰り返し実施してポリ水素メチルシロキサンを得て、以下の反応に用いた。
[参考例8]
1,1,3,3−テトラメチル−ジシロキサンを58g用いたこと、活性白土を0.33gを用いたこと、低分子量オリゴマーの留去を75℃、0.7kPaの条件で3時間かけて行ったこと以外は、参考例4と同様にして、ポリ水素メチルシロキサンを得た。
得られたポリ水素メチルシロキサンの全ての末端構造は、H−Si(CH−O−であり、主鎖構造は水素メチルシロキシ単位のみであった。また、数平均分子量は1,400であった。
必要に応じて、上記の合成操作を繰り返し実施してポリ水素メチルシロキサンを得て、以下の反応に用いた。
[参考例9]
1,1,3,3−テトラメチル−ジシロキサンを38g用いたこと、活性白土を0.31gを用いたこと、低分子量オリゴマーの留去を100℃、0.7kPaの条件で3時間かけて行ったこと以外は、参考例4と同様にして、ポリ水素メチルシロキサンを得た。
得られたポリ水素メチルシロキサンの全ての末端構造は、H−Si(CH−O−であり、主鎖構造は水素メチルシロキシ単位のみであった。また、数平均分子量は2,000であった。
必要に応じて、上記の合成操作を繰り返し実施してポリ水素メチルシロキサンを得て、以下の反応に用いた。
[参考例10]
1,1,3,3−テトラメチル−ジシロキサンを23.6g用いたこと、活性白土を0.29gを用いたこと、低分子量オリゴマーの留去を150℃、0.1kPaの条件で3時間かけて行ったこと以外は、参考例4と同様にして、ポリ水素メチルシロキサンを得た。
得られたポリ水素メチルシロキサンの全ての末端構造は、H−Si(CH−O−であり、主鎖構造は水素メチルシロキシ単位のみであった。また、数平均分子量は3,150であった。
必要に応じて、上記の合成操作を繰り返し実施してポリ水素メチルシロキサンを得て、以下の反応に用いた。
[合成例1]
<平衡化反応>
攪拌翼を備えた300のセパラブルフラスコに、乾燥窒素下にて参考例1で得られたポリジアルキルシロキサン100g、参考例4で得られたポリ水素メチルシロキサン129.7gを仕込み、攪拌条件下、系内を20℃に冷却する。系内が均一に混合分散された後、乾燥窒素下にて、攪拌を継続しながらトリフルオロメタンスルホン酸(和光純薬社製試薬特級品)を乾燥窒素条件下でポリジアルキルシロキサンとポリ水素メチルシロキサンの合計重量に対して0.25wt%添加して、平衡化反応を45分間反応を行った後、添加したトリフルオロメタンスルホン酸と等モル量のトリエチルアミン(和光純薬社製試薬特級品)を添加して、攪拌を30分継続する。30分経過後、攪拌を停止して反応系を室温として、内容物をトルエン(和光純薬社製試薬特級品)を合計600ミリリットル用いて溶解回収する。回収溶液を2リットルの分液ロートに移し、0.02mol/リットルの炭酸水素ナトリウム水溶液700ミリリットルを添加して分液洗浄した後、相分離させて水相を廃棄する。引き続き、蒸留水700ミリリットルを添加して分液洗浄した後、相分離させて水相を廃棄する操作を2回実施する。トルエン溶液を回収し、エバポレーターにて、減圧下、65℃でトルエンを留去してシリコーンを得た。
<低分子量成分の留去>
内径70mm、有効長さ200mmのパイレックス(登録商標)ガラス製円筒状チューブに、上記で得られたシリコーンを仕込み、加熱用面ヒーターを有するガラスチューブオーブン[柴田科学(株)製GTO−350RG]にセットした。室温条件下、内部を窒素置換した後に、内部の円筒形チューブの回転を開始し、圧力0.1kPaの条件下、温度200℃に昇温して1時間、引き続き温度を250℃に昇温して3時間かけて低分子量成分の留去を実施した。低沸留去終了後、室温に冷却後に乾燥窒素で大気圧とし、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンを得た。
分子量測定の結果、得られたブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの数平均分子量は4,800、分子量1,000以下の成分の含有量は10%であった。
得られたブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの全ての末端構造は、[H−Si(CH−O1/2−]であり、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの組成は、[H−Si(CH−O1/2−]単位2.2モル%、水素メチルシロキシ単位21.7モル%、ジメチルシロキシ単位22.0モル%、シクロヘキシルメチルシロキシ単位54.1モル%、ジアルキルシロキシ単位及び水素メチルシロキシ単位の平均連鎖長は、各々9.8及び3.8であった。
また、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンを構成する全Siに対するSiH単位の含有比[本願発明における(b+d+f)/(a+b+c+d+e+f+g)の値]は0.239、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン1モルを構成するジアルキルシロキシ単位のモル数[本願発明におけるcの値]及び水素アルキルシロキシ単位のモル数[本願発明におけるdの値]は、各々33.5、9.6であり、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン1g中にはSiH単位が2.19ミリモル含まれていた。
また、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン中には、シロキサン交換反応に用いたトリフルオロメタンスルホン酸やトリエチルアミン由来の化合物は含まれていなかった。
必要に応じて、上記の合成操作を繰り返し実施してブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンを得て、以下の反応に用いた。
[合成例2]
平衡化反応を60分間行ったこと、低分子量成分の留去条件を圧力0.27kPa、温度200℃にて2時間としたこと以外は、合成例1と同様にしてブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンを得た。
分子量測定の結果、得られたブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの数平均分子量は2,400、分子量1,000以下の成分の含有量は13%であった。
得られたブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの全ての末端構造は、[H−Si(CH−O1/2−]であり、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの組成は、[H−Si(CH−O1/2−]単位3.0モル%、水素メチルシロキシ単位24.2モル%、ジメチルシロキシ単位8.3モル%、シクロヘキシルメチルシロキシ単位64.5モル%、ジアルキルシロキシ単位及び水素メチルシロキシ単位の平均連鎖長は、各々5.8及び2.7であった。
また、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンを構成する全Siに対するSiH単位の含有比[本願発明における(b+d+f)/(a+b+c+d+e+f+g)の値]は0.272、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン1モルを構成するジアルキルシロキシ単位のモル数[本願発明におけるcの値]及び水素アルキルシロキシ単位のモル数[本願発明におけるdの値]は、各々15.0、5.0であり、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン1g中にはSiH単位が2.34ミリモル含まれていた。
また、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン中には、シロキサン交換反応に用いたトリフルオロメタンスルホン酸やトリエチルアミン由来の化合物は含まれていなかった。
[合成例3]
低分子量成分の留去条件を圧力0.1kPaの条件下、温度200℃に昇温して1時間、引き続き温度を250℃に昇温して3時間、更に引き続いて300℃に昇温して3時間としたこと以外は、合成例1と同様にしてブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンを得た。
分子量測定の結果、得られたブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの数平均分子量は6,000、分子量1,000以下の成分の含有量は2%であった。
得られたブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの全ての末端構造は、[H−Si(CH−O1/2−]であり、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの組成は、[H−Si(CH−O1/2−]単位2.6モル%、水素メチルシロキシ単位22.4モル%、ジメチルシロキシ単位23.9モル%、シクロヘキシルメチルシロキシ単位51.1モル%、ジアルキルシロキシ単位及び水素メチルシロキシ単位の平均連鎖長は、各々12.2及び3.2であった。
また、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンを構成する全Siに対するSiH単位の含有比[本願発明における(b+d+f)/(a+b+c+d+e+f+g)の値]は0.250、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン1モルを構成するジアルキルシロキシ単位のモル数[本願発明におけるcの値]及び水素アルキルシロキシ単位のモル数[本願発明におけるdの値]は、各々42.0、12.5であり、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン1g中にはSiH単位が2.33ミリモル含まれていた。
また、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン中には、シロキサン交換反応に用いたトリフルオロメタンスルホン酸やトリエチルアミン由来の化合物は含まれていなかった。
[合成例4]
参考例1で得られたポリジアルキルシロキサンの代わりに参考例2で得られたポリジアルキルシロキサン110gを用いたこと、参考例4で得られたポリ水素メチルシロキサンの代わりに参考例5で得られたポリ水素メチルシロキサン21.4gを用いたこと、平衡化反応を60分間行ったこと、低分子量成分の留去条件を圧力0.1kPaの条件下、温度200℃に昇温して1時間、引き続き温度を250℃に昇温して3時間、更に引き続いて300℃に昇温して3時間としたこと以外は、合成例1と同様にしてブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンを得た。
分子量測定の結果、得られたブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの数平均分子量は5,200、分子量1,000以下の成分の含有量は2%であった。
得られたブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの全ての末端構造は、[H−Si(CH−O1/2−]であり、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの組成は、[H−Si(CH−O1/2−]単位3.1モル%、水素メチルシロキシ単位22.3モル%、ジメチルシロキシ単位9.2モル%、シクロヘキシルメチルシロキシ単位65.4モル%、ジアルキルシロキシ単位及び水素メチルシロキシ単位の平均連鎖長は、各々58及び2.3であった。
また、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンを構成する全Siに対するSiH単位の含有比[本願発明における(b+d+f)/(a+b+c+d+e+f+g)の値]は0.254、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン1モルを構成するジアルキルシロキシ単位のモル数[本願発明におけるcの値]及び水素アルキルシロキシ単位のモル数[本願発明におけるdの値]は、各々33.1、9.9であり、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン1g中にはSiH単位が2.17ミリモル含まれていた。
また、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン中には、シロキサン交換反応に用いたトリフルオロメタンスルホン酸やトリエチルアミン由来の化合物は含まれていなかった。
[合成例5]
参考例1で得られたポリジアルキルシロキサンの代わりに参考例2で得られたポリジアルキルシロキサン115gを用いたこと、参考例4で得られたポリ水素メチルシロキサンの代わりに参考例6で得られたポリ水素メチルシロキサン15.3gを用いたこと、平衡化反応を30℃で90分間行ったこと、低分子量成分の留去条件を圧力0.1kPaの条件下、温度200℃に昇温して1時間、引き続き温度を250℃に昇温して3時間、更に引き続いて300℃に昇温して3時間としたこと以外は、合成例1と同様にしてブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンを得た。
分子量測定の結果、得られたブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの数平均分子量は4,000、分子量1,000以下の成分の含有量は3%であった。
得られたブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの全ての末端構造は、[H−Si(CH−O1/2−]であり、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの組成は、[H−Si(CH−O1/2−]単位3.4モル%、水素メチルシロキシ単位17.4モル%、ジメチルシロキシ単位15.0モル%、シクロヘキシルメチルシロキシ単位64.2モル%、ジアルキルシロキシ単位及び水素メチルシロキシ単位の平均連鎖長は、各々37及び2.6であった。
また、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンを構成する全Siに対するSiH単位の含有比[本願発明における(b+d+f)/(a+b+c+d+e+f+g)の値]は0.208、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン1モルを構成するジアルキルシロキシ単位のモル数[本願発明におけるcの値]及び水素アルキルシロキシ単位のモル数[本願発明におけるdの値]は、各々27.0、5.9であり、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン1g中にはSiH単位が1.77ミリモル含まれていた。
また、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン中には、シロキサン交換反応に用いたトリフルオロメタンスルホン酸やトリエチルアミン由来の化合物は含まれていなかった。
[合成例6]
参考例4で得られたポリ水素メチルシロキサンの代わりに参考例7で得られたポリ水素メチルシロキサン31.3gを用いたこと、平衡化反応を17分間行ったこと、低分子量成分の留去条件を圧力0.1kPaの条件下、温度200℃に昇温して1時間、引き続き温度を250℃に昇温して3時間、更に引き続いて300℃に昇温して3時間としたこと以外は、合成例1と同様にしてブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンを得た。
分子量測定の結果、得られたブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの数平均分子量は3,800、分子量1,000以下の成分の含有量は2%であった。
得られたブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの全ての末端構造は、[H−Si(CH−O1/2−]であり、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの組成は、[H−Si(CH−O1/2−]単位3.7モル%、水素メチルシロキシ単位23.1モル%、ジメチルシロキシ単位14.9モル%、シクロヘキシルメチルシロキシ単位58.3モル%、ジアルキルシロキシ単位及び水素メチルシロキシ単位の平均連鎖長は、各々21及び2.7であった。
また、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンを構成する全Siに対するSiH単位の含有比[本願発明における(b+d+f)/(a+b+c+d+e+f+g)の値]は0.268、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン1モルを構成するジアルキルシロキシ単位のモル数[本願発明におけるcの値]及び水素アルキルシロキシ単位のモル数[本願発明におけるdの値]は、各々24.7、7.8であり、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン1g中にはSiH単位が2.38ミリモル含まれていた。
また、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン中には、シロキサン交換反応に用いたトリフルオロメタンスルホン酸やトリエチルアミン由来の化合物は含まれていなかった。
[合成例7]
参考例1で得られたポリジアルキルシロキサンの代わりに参考例2で得られたポリジアルキルシロキサン95gを用いたこと、参考例4で得られたポリ水素メチルシロキサンの代わりに参考例7で得られたポリ水素メチルシロキサン35.1gを用いたこと、平衡化反応を15分間行ったこと、低分子量成分の留去条件を圧力0.1kPaの条件下、温度200℃に昇温して1時間、引き続き温度を250℃に昇温して3時間、更に引き続いて300℃に昇温して3時間としたこと以外は、合成例1と同様にしてブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンを得た。
分子量測定の結果、得られたブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの数平均分子量は7,200、分子量1,000以下の成分の含有量は2%であった。
得られたブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの全ての末端構造は、[H−Si(CH−O1/2−]であり、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの組成は、[H−Si(CH−O1/2−]単位2.3モル%、水素メチルシロキシ単位29.3モル%、ジメチルシロキシ単位14.2モル%、シクロヘキシルメチルシロキシ単位54.2モル%、ジアルキルシロキシ単位及び水素メチルシロキシ単位の平均連鎖長は、各々40及び4.3であった。
また、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンを構成する全Siに対するSiH単位の含有比[本願発明における(b+d+f)/(a+b+c+d+e+f+g)の値]は0.316、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン1モルを構成するジアルキルシロキシ単位のモル数[本願発明におけるcの値]及び水素アルキルシロキシ単位のモル数[本願発明におけるdの値]は、各々45.5、19.5であり、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン1g中にはSiH単位が2.92ミリモル含まれていた。
また、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン中には、シロキサン交換反応に用いたトリフルオロメタンスルホン酸やトリエチルアミン由来の化合物は含まれていなかった。
[合成例8]
参考例4で得られたポリ水素メチルシロキサンの代わりに参考例7で得られたポリ水素メチルシロキサン31.3gを用いたこと、平衡化反応を7分間行ったこと、低分子量成分の留去条件を圧力0.1kPaの条件下、温度200℃に昇温して1時間、引き続き温度を250℃に昇温して3時間、更に引き続いて300℃に昇温して3時間としたこと以外は、合成例1と同様にしてブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンを得た。
分子量測定の結果、得られたブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの数平均分子量は4,400、分子量1,000以下の成分の含有量は2%であった。
得られたブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの全ての末端構造は、[H−Si(CH−O1/2−]であり、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの組成は、[H−Si(CH−O1/2−]単位3.3モル%、水素メチルシロキシ単位22.2モル%、ジメチルシロキシ単位17.4モル%、シクロヘキシルメチルシロキシ単位57.1モル%、ジアルキルシロキシ単位及び水素メチルシロキシ単位の平均連鎖長は、各々60及び4.8であった。
また、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンを構成する全Siに対するSiH単位の含有比[本願発明における(b+d+f)/(a+b+c+d+e+f+g)の値]は0.255、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン1モルを構成するジアルキルシロキシ単位のモル数[本願発明におけるcの値]及び水素アルキルシロキシ単位のモル数[本願発明におけるdの値]は、各々29.3、8.8であり、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン1g中にはSiH単位が2.29ミリモル含まれていた。
また、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン中には、シロキサン交換反応に用いたトリフルオロメタンスルホン酸やトリエチルアミン由来の化合物は含まれていなかった。
[合成例9]
参考例1で得られたポリジアルキルシロキサンの代わりに参考例3で得られたポリジアルキルシロキサン115gを用いたこと、参考例4で得られたポリ水素メチルシロキサンの代わりに参考例8で得られたポリ水素メチルシロキサン16.3gを用いたこと、平衡化反応を10℃で50分間行ったこと、低分子量成分の留去条件を圧力0.1kPaの条件下、温度200℃に昇温して1時間、引き続き温度を250℃に昇温して3時間、更に引き続いて300℃に昇温して3時間としたこと以外は、合成例1と同様にしてブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンを得た。
分子量測定の結果、得られたブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの数平均分子量は3,500、分子量1,000以下の成分の含有量は1%であった。
得られたブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの全ての末端構造は、[H−Si(CH−O1/2−]であり、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの組成は、[H−Si(CH−O1/2−]単位5.1モル%、水素メチルシロキシ単位14.2モル%、ジメチルシロキシ単位17.6モル%、シクロヘキシルメチルシロキシ単位63.1モル%、ジアルキルシロキシ単位及び水素メチルシロキシ単位の平均連鎖長は、各々3.2及び2.2であった。
また、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンを構成する全Siに対するSiH単位の含有比[本願発明における(b+d+f)/(a+b+c+d+e+f+g)の値]は0.193、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン1モルを構成するジアルキルシロキシ単位のモル数[本願発明におけるcの値]及び水素アルキルシロキシ単位のモル数[本願発明におけるdの値]は、各々23.9、4.2であり、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン1g中にはSiH単位が1.64ミリモル含まれていた。
また、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン中には、シロキサン交換反応に用いたトリフルオロメタンスルホン酸やトリエチルアミン由来の化合物は含まれていなかった。
[合成例10]
参考例1で得られたポリジアルキルシロキサンの代わりに参考例2で得られたポリジアルキルシロキサン98gを用いたこと、参考例4で得られたポリ水素メチルシロキサンの代わりに参考例8で得られたポリ水素メチルシロキサン31.9gを用いたこと、平衡化反応を10℃で10分間行ったこと、低分子量成分の留去条件を圧力0.1kPaの条件下、温度200℃に昇温して1時間、引き続き温度を250℃に昇温して3時間、更に引き続いて300℃に昇温して3時間としたこと以外は、合成例1と同様にしてブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンを得た。
分子量測定の結果、得られたブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの数平均分子量は5,900、分子量1,000以下の成分の含有量は4%であった。
得られたブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの全ての末端構造は、[H−Si(CH−O1/2−]であり、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの組成は、[H−Si(CH−O1/2−]単位2.1モル%、水素メチルシロキシ単位26.4モル%、ジメチルシロキシ単位12.8モル%、シクロヘキシルメチルシロキシ単位58.7モル%、ジアルキルシロキシ単位及び水素メチルシロキシ単位の平均連鎖長は、各々90及び15であった。
また、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンを構成する全Siに対するSiH単位の含有比[本願発明における(b+d+f)/(a+b+c+d+e+f+g)の値]は0.285、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン1モルを構成するジアルキルシロキシ単位のモル数[本願発明におけるcの値]及び水素アルキルシロキシ単位のモル数[本願発明におけるdの値]は、各々37.8、14.0であり、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン1g中にはSiH単位が2.56ミリモル含まれていた。
また、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン中には、シロキサン交換反応に用いたトリフルオロメタンスルホン酸やトリエチルアミン由来の化合物は含まれていなかった。
[合成例11]
参考例1で得られたポリジアルキルシロキサンを75g用いたこと、参考例4で得られたポリ水素メチルシロキサンの代わりに参考例9で得られたポリ水素メチルシロキサン55.9gを用いたこと、平衡化反応を5℃で8分間行ったこと、低分子量成分の留去条件を圧力0.1kPaの条件下、温度200℃に昇温して1時間、引き続き温度を250℃に昇温して3時間、更に引き続いて300℃に昇温して3時間としたこと以外は、合成例1と同様にしてブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンを得た。
分子量測定の結果、得られたブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの数平均分子量は4,000、分子量1,000以下の成分の含有量は2%であった。
得られたブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの全ての末端構造は、[H−Si(CH−O1/2−]であり、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの組成は、[H−Si(CH−O1/2−]単位2.8モル%、水素メチルシロキシ単位53.5モル%、ジメチルシロキシ単位14.5モル%、シクロヘキシルメチルシロキシ単位29.2モル%、ジアルキルシロキシ単位及び水素メチルシロキシ単位の平均連鎖長は、各々6及び18であった。
また、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンを構成する全Siに対するSiH単位の含有比[本願発明における(b+d+f)/(a+b+c+d+e+f+g)の値]は0.563、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン1モルを構成するジアルキルシロキシ単位のモル数[本願発明におけるcの値]及び水素アルキルシロキシ単位のモル数[本願発明におけるdの値]は、各々19.9、24.3であり、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン1g中にはSiH単位が6.40ミリモル含まれていた。
また、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン中には、シロキサン交換反応に用いたトリフルオロメタンスルホン酸やトリエチルアミン由来の化合物は含まれていなかった。
[合成例12]
参考例1で得られたポリジアルキルシロキサンの代わりに参考例3で得られたポリジアルキルシロキサン115gを用いたこと、参考例4で得られたポリ水素メチルシロキサンの代わりに参考例8で得られたポリ水素メチルシロキサン16.3gを用いたこと、平衡化反応を10℃で65分間行ったこと、低分子量成分の留去条件を圧力0.1kPaの条件下、温度200℃に昇温して1時間、引き続き温度を250℃に昇温して3時間、更に引き続いて300℃に昇温して3時間としたこと以外は、合成例1と同様にしてブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンを得た。
分子量測定の結果、得られたブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの数平均分子量は2,100、分子量1,000以下の成分の含有量は1%であった。
得られたブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの全ての末端構造は、[H−Si(CH−O1/2−]であり、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの組成は、[H−Si(CH−O1/2−]単位8.0モル%、水素メチルシロキシ単位14.7モル%、ジメチルシロキシ単位16.1モル%、シクロヘキシルメチルシロキシ単位61.2モル%、ジアルキルシロキシ単位及び水素メチルシロキシ単位の平均連鎖長は、各々2及び1.6であった。
また、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンを構成する全Siに対するSiH単位の含有比[本願発明における(b+d+f)/(a+b+c+d+e+f+g)の値]は0.227、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン1モルを構成するジアルキルシロキシ単位のモル数[本願発明におけるcの値]及び水素アルキルシロキシ単位のモル数[本願発明におけるdの値]は、各々13.7、2.6であり、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン1g中にはSiH単位が1.92ミリモル含まれていた。
また、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン中には、シロキサン交換反応に用いたトリフルオロメタンスルホン酸やトリエチルアミン由来の化合物は含まれていなかった。
[合成例13]
参考例4で得られたポリ水素メチルシロキサンの代わりに参考例8で得られたポリ水素メチルシロキサン31.4gを用いたこと、平衡化反応を60分間行ったこと、低分子量成分の留去条件を圧力0.1kPaの条件下、温度200℃に昇温して1時間、引き続き温度を250℃に昇温して3時間、更に引き続いて300℃に昇温して3時間としたこと以外は、合成例1と同様にしてブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンを得た。
分子量測定の結果、得られたブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの数平均分子量は3,700、分子量1,000以下の成分の含有量は1%であった。
得られたブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの全ての末端構造は、[H−Si(CH−O1/2−]であり、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの組成は、[H−Si(CH−O1/2−]単位4.0モル%、水素メチルシロキシ単位21.6モル%、ジメチルシロキシ単位9.1モル%、シクロヘキシルメチルシロキシ単位65.3モル%、ジアルキルシロキシ単位及び水素メチルシロキシ単位の平均連鎖長は、各々2及び4であった。
また、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンを構成する全Siに対するSiH単位の含有比[本願発明における(b+d+f)/(a+b+c+d+e+f+g)の値]は0.256、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン1モルを構成するジアルキルシロキシ単位のモル数[本願発明におけるcの値]及び水素アルキルシロキシ単位のモル数[本願発明におけるdの値]は、各々23.4、6.8であり、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン1g中にはSiH単位が2.17ミリモル含まれていた。
また、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン中には、シロキサン交換反応に用いたトリフルオロメタンスルホン酸やトリエチルアミン由来の化合物は含まれていなかった。
[合成例14]
参考例1で得られたポリジアルキルシロキサンの代わりに参考例2で得られたポリジアルキルシロキサン115gを用いたこと、参考例4で得られたポリ水素メチルシロキサンの代わりに参考例6で得られたポリ水素メチルシロキサン15.3gを用いたこと、平衡化反応を30℃で55分間行ったこと、低分子量成分の留去条件を圧力0.1kPaの条件下、温度200℃に昇温して1時間、引き続き温度を250℃に昇温して3時間、更に引き続いて300℃に昇温して3時間としたこと以外は、合成例1と同様にしてブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンを得た。
分子量測定の結果、得られたブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの数平均分子量は6,100、分子量1,000以下の成分の含有量は2%であった。
得られたブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの全ての末端構造は、[H−Si(CH−O1/2−]であり、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの組成は、[H−Si(CH−O1/2−]単位2.9モル%、水素メチルシロキシ単位15.5モル%、ジメチルシロキシ単位13.6モル%、シクロヘキシルメチルシロキシ単位68.0モル%、ジアルキルシロキシ単位及び水素メチルシロキシ単位の平均連鎖長は、各々110及び4であった。
また、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンを構成する全Siに対するSiH単位の含有比[本願発明における(b+d+f)/(a+b+c+d+e+f+g)の値]は0.184、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン1モルを構成するジアルキルシロキシ単位のモル数[本願発明におけるcの値]及び水素アルキルシロキシ単位のモル数[本願発明におけるdの値]は、各々41.5、7.9であり、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン1g中にはSiH単位が1.54ミリモル含まれていた。
また、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン中には、シロキサン交換反応に用いたトリフルオロメタンスルホン酸やトリエチルアミン由来の化合物は含まれていなかった。
[合成例15]
参考例4で得られたポリ水素メチルシロキサンの代わりに参考例10で得られたポリ水素メチルシロキサン32.3gを用いたこと、平衡化反応を15℃で12分間行ったこと、低分子量成分の留去条件を圧力0.1kPaの条件下、温度200℃に昇温して1時間、引き続き温度を250℃に昇温して3時間、更に引き続いて300℃に昇温して3時間としたこと以外は、合成例1と同様にしてブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンを得た。
分子量測定の結果、得られたブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの数平均分子量は6,200、分子量1,000以下の成分の含有量は2%であった。
得られたブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの全ての末端構造は、[H−Si(CH−O1/2−]であり、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの組成は、[H−Si(CH−O1/2−]単位2.7モル%、水素メチルシロキシ単位22.4モル%、ジメチルシロキシ単位16.0モル%、シクロヘキシルメチルシロキシ単位58.9モル%、ジアルキルシロキシ単位及び水素メチルシロキシ単位の平均連鎖長は、各々8及び23であった。
また、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンを構成する全Siに対するSiH単位の含有比[本願発明における(b+d+f)/(a+b+c+d+e+f+g)の値]は0.251、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン1モルを構成するジアルキルシロキシ単位のモル数[本願発明におけるcの値]及び水素アルキルシロキシ単位のモル数[本願発明におけるdの値]は、各々41.3、12.3であり、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン1g中にはSiH単位が2.23ミリモル含まれていた。
また、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン中には、シロキサン交換反応に用いたトリフルオロメタンスルホン酸やトリエチルアミン由来の化合物は含まれていなかった。
<エポキシ変性シリコーンの製造1a>
還流冷却器、温度計及び撹拌装置を有する1リットルの反応器を乾燥窒素で置換する。乾燥窒素条件下にて、前記装置に、合成例1にて製造したブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン60g、乾燥窒素下にて脱水蒸留精製した4−ビニルシクロへキセンオキサイド(アルドリッチ社製試薬)163.4g(1315.9ミリモル)、窒素下にて脱水蒸留精製したテトラヒドロフラン(和光純薬社製試薬特級品)305.8gを仕込んだ後、大気圧乾燥窒素雰囲気下で攪拌しながら66℃に昇温する。仕込んだブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン中に含まれるSiH単位の合計モル数は、131.55ミリモルであった。
これに、白金元素換算で500ppmの白金を含有する白金ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のテトラヒドロフラン溶液0.31gを乾燥窒素下にて添加し、ヒドロシリル化反応を20時間反応する。20時間反応後、前記の白金ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のテトラヒドロフラン溶液0.15gを乾燥窒素下にて添加して、更に20時間反応を継続する。更に引き続き、前記の白金ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のテトラヒドロフラン溶液0.15gを乾燥窒素下にて添加して、24時間反応を実施したところ、定量的にヒドロシリル化反応が進行しており、未反応のSiH単位は検出されなかった。次いで、反応液の加熱を停止し、室温まで放冷した。
反応開始時において、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンのSiH単位の合計モル数に対して、共存させたビニル化合物の全ビニル基の合計モル数は、10倍であった。
また、ヒドロシリル化反応を開始する際に用いた触媒の金属原子換算のモル数は、ヒドロシリル化反応前の平均組成式(1)によって表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンのSiH単位の合計モル数に対して、1/168.030倍、一方、触媒の追添を行った反応終期における該値は、1/84,015倍であった。
反応液の冷却が終了した後、乾燥窒素気流下にて150℃で3時間加熱乾燥した活性炭(和光純薬製:顆粒状特級)170gを添加して、乾燥窒素雰囲気下にて48時間活性炭処理を継続した後、孔径1ミクロンのPTFE製メンブレンフィルターを用いて活性炭をろ過してろ液を回収した。更に、分離された活性炭を、テトラヒドロフラン600mlで洗浄し、同様にメンブレンフィルターを用いて活性炭をろ過して洗浄液を回収して、先に得られたろ液と混合した。回収されたテトラヒドロフラン溶液をエバポレーターを用いて、減圧条件下、加熱温度40℃にてテトラヒドロフランを留去し、エポキシ変性シリコーンを得た。
得られたエポキシ変性シリコーンを内径70mm、有効長さ200mmのパイレックス(登録商標)ガラス製円筒状チューブに入れ、ガラスチューブオーブン(柴田科学製GTO−350)にセットする。内部の円筒形チューブの回転を開始し、室温条件下にて内部を乾燥窒素置換した後に、温度50℃、圧力0.2kPaにて、内部に大気圧換算で10ml/分の流量にて乾燥窒素を導入しながら70時間処理して、低沸化合物を低減した、エポキシ変性シリコーン(1a)54gを得た。
得られたエポキシ変性シリコーン(1a)の全ての末端構造は、ヒドロシリル化反応によりトリアルキルシロキシ基に変性されており、末端基を除いた組成は、水素メチルシロキシ単位にビニルシクロヘキセンオキサイドが付加した単位22.2モル%、ジメチルシロキシ単位22.5モル%、シクロヘキシルメチルシロキシ単位55.3モル%であった。分子量測定の結果、分子量1,000以下のピークの含有量は8%であった。また、エポキシ基の開環に伴う高分子量部の形成は全く見られなかった。
エポキシ変性シリコーン(1a)中に残留する、テトラヒドロフランのみが検出され、残留する揮発性化合物の合計量は0.002質量%であった。また、低沸化合物としては、4−ビニルシクロヘキセンオキサイド及び4−ビニルシクロヘキセンオキサイドの炭素−炭素2重結合が内部転移を起こして生成した4−エチリデニルシクロヘキセンオキサイドが検出され、それらの残留量は各々0.004質量%、0.003質量%であった。その他の化合物は検出されなかった。これより、本発明におけるエポキシ変性シリコーン中に残留する低沸化合物の合計量は0.007質量%、残留する炭素−炭素2重結合を有する化合物の合計量は0.007質量%、残留する炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物の合計量は0.007質量%、残留するヒドロシリル化反応に供するために添加した炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物(a)の炭素−炭素2重結合が内部転移を起こして生成した副生成物の合計量は0.003質量%であった。
また、エポキシ変性シリコーン(1a)のエポキシ価は0.172、含有される遷移金属成分は白金のみであり、該成分の含有量は白金元素換算で1ppm以下であった。
<硬化物の製造と特性評価1a>
得られたエポキシ変性シリコーン(1a)100質量部、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸28.9質量部、1,3−プロパンジオール3質量部、ジアザビシクロウンデセンオクチル酸塩0.25質量部を窒素下にて混合し、全体が均一になるまで撹拌後、脱泡して硬化性組成物−1aを得た。硬化性組成物−1aを窒素下にて深さ3mmの型に流し込み、120℃で1時間、更に150℃で2時間、更に引き続いて170℃で1時間硬化反応を行い、硬化物を得た。得られた硬化物の性能を表1に示す。
<エポキシ変性シリコーンの製造2a>
ヒドロシリル化反応時に、4−ビニルシクロへキセンオキサイドを89.8g(723.2ミリモル)用いたこと以外は実施例1と同様にして、低沸化合物を低減した、エポキシ変性シリコーン(2a)52gを得た。仕込んだブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン中に含まれるSiH単位の合計モル数は、131.55ミリモルであった。
ヒドロシリル化反応の停止直前にサンプリングしたところ、定量的にヒドロシリル化反応が進行しており、未反応のSiH単位は検出されなかった。
反応開始時において、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンのSiH単位の合計モル数に対して、共存させたビニル化合物の全ビニル基の合計モル数は、5.5倍であった。
また、ヒドロシリル化反応を開始する際に用いた触媒の金属原子換算のモル数は、ヒドロシリル化反応前の平均組成式(1)によって表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンのSiH単位の合計モル数に対して、1/168.030倍、一方、触媒の追添を行った反応終期における該値は、1/84,015倍であった。
得られたエポキシ変性シリコーン(2a)の全ての末端構造は、ヒドロシリル化反応によりトリアルキルシロキシ基に変性されており、末端基を除いた組成は、水素メチルシロキシ単位にビニルシクロヘキセンオキサイドが付加した単位22.2モル%、ジメチルシロキシ単位22.5モル%、シクロヘキシルメチルシロキシ単位55.3モル%であった。分子量測定の結果、分子量1,000以下のピークの含有量は8%であった。また、エポキシ基の開環に伴う高分子量部の形成は全く見られなかった。
エポキシ変性シリコーン(2a)中に残留する、テトラヒドロフランのみが検出され、残留する揮発性化合物の合計量は0.002質量%であった。また、低沸化合物としては、4−ビニルシクロヘキセンオキサイド及び4−ビニルシクロヘキセンオキサイドの炭素−炭素2重結合が内部転移を起こして生成した4−エチリデニルシクロヘキセンオキサイドが検出され、それらの残留量は各々0.004質量%、0.002質量%であった。その他の化合物は検出されなかった。これより、本発明におけるエポキシ変性シリコーン中に残留する低沸化合物の合計量は0.006質量%、残留する炭素−炭素2重結合を有する化合物の合計量は0.006質量%、残留する炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物の合計量は0.006質量%、残留するヒドロシリル化反応に供するために添加した炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物(a)の炭素−炭素2重結合が内部転移を起こして生成した副生成物の合計量は0.002質量%であった。
また、エポキシ変性シリコーン(2a)のエポキシ価は0.172、含有される遷移金属成分は白金のみであり、該成分の含有量は白金元素換算で1ppm以下であった。
<硬化物の製造と特性評価2a>
得られたエポキシ変性シリコーン(2a)100質量部、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸28.9質量部、1,3−プロパンジオール3質量部、ジアザビシクロウンデセンオクチル酸塩0.25質量部を窒素下にて混合し、全体が均一になるまで撹拌後、脱泡して硬化性組成物−2aを得た。硬化性組成物−2aを窒素下にて深さ3mmの型に流し込み、120℃で1時間、更に150℃で2時間、更に引き続いて170℃で1時間硬化反応を行い、硬化物を得た。得られた硬化物の性能を表1に示す。
<エポキシ変性シリコーンの製造3a>
ヒドロシリル化反応時に、1.5リットルの反応器を用いたこと、4−ビニルシクロへキセンオキサイドを1470.2g(11840.2ミリモル)用いたこと、ガラスチューブオーブンでの処理時間を90時間としたこと以外は実施例1と同様にして、低沸化合物を低減した、エポキシ変性シリコーン(3a)53gを得た。仕込んだブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン中に含まれるSiH単位の合計モル数は、131.55ミリモルであった。
ヒドロシリル化反応の停止直前にサンプリングしたところ、定量的にヒドロシリル化反応が進行しており、未反応のSiH単位は検出されなかった。
反応開始時において、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンのSiH単位の合計モル数に対して、共存させたビニル化合物の全ビニル基の合計モル数は、90倍であった。
また、ヒドロシリル化反応を開始する際に用いた触媒の金属原子換算のモル数は、ヒドロシリル化反応前の平均組成式(1)によって表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンのSiH単位の合計モル数に対して、1/168.030倍、一方、触媒の追添を行った反応終期における該値は、1/84,015倍であった。
得られたエポキシ変性シリコーン(3a)の全ての末端構造は、ヒドロシリル化反応によりトリアルキルシロキシ基に変性されており、末端基を除いた組成は、水素メチルシロキシ単位にビニルシクロヘキセンオキサイドが付加した単位22.2モル%、ジメチルシロキシ単位22.5モル%、シクロヘキシルメチルシロキシ単位55.3モル%であった。分子量測定の結果、分子量1,000以下のピークの含有量は8%であった。また、エポキシ基の開環に伴う高分子量部の形成は全く見られなかった。
エポキシ変性シリコーン(3a)中に残留するテトラヒドロフランのみが検出され、残留する揮発性化合物の合計量は0.001質量%であった。また、低沸化合物としては、4−ビニルシクロヘキセンオキサイド及び4−ビニルシクロヘキセンオキサイドの炭素−炭素2重結合が内部転移を起こして生成した4−エチリデニルシクロヘキセンオキサイドが検出され、それらの残留量は各々0.005質量%、0.002質量%であった。その他の化合物は検出されなかった。これより、本発明におけるエポキシ変性シリコーン中に残留する低沸化合物の合計量は0.007質量%、残留する炭素−炭素2重結合を有する化合物の合計量は0.007質量%、残留する炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物の合計量は0.007質量%、残留するヒドロシリル化反応に供するために添加した炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物(a)の炭素−炭素2重結合が内部転移を起こして生成した副生成物の合計量は0.002質量%であった。
また、エポキシ変性シリコーン(3a)のエポキシ価は0.172、含有される遷移金属成分は白金のみであり、該成分の含有量は白金元素換算で1ppm以下であった。
<硬化物の製造と特性評価3a>
得られたエポキシ変性シリコーン(3a)100質量部、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸28.9質量部、1,3−プロパンジオール3質量部、ジアザビシクロウンデセンオクチル酸塩0.25質量部を窒素下にて混合し、全体が均一になるまで撹拌後、脱泡して硬化性組成物−3aを得た。硬化性組成物−3aを窒素下にて深さ3mmの型に流し込み、120℃で1時間、更に150℃で2時間、更に引き続いて170℃で1時間硬化反応を行い、硬化物を得た。得られた硬化物の性能を表1に示す。
<エポキシ変性シリコーンの製造4a>
ヒドロシリル化反応時に、合成例1にて製造したブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの代わりに合成例2で製造したブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンを用いたこと、4−ビニルシクロへキセンオキサイドを174.0g(1401.3ミリモル)用いたこと、テトラヒドロフランを310g用いたこと、以外は実施例1と同様にして、低沸化合物を低減した、エポキシ変性シリコーン(4a)52gを得た。仕込んだブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン中に含まれるSiH単位の合計モル数は、140.11ミリモルであった。
ヒドロシリル化反応の停止直前にサンプリングしたところ、定量的にヒドロシリル化反応が進行しており、未反応のSiH単位は検出されなかった。
反応開始時において、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンのSiH単位の合計モル数に対して、共存させたビニル化合物の全ビニル基の合計モル数は、10倍であった。
また、ヒドロシリル化反応を開始する際に用いた触媒の金属原子換算のモル数は、ヒドロシリル化反応前の平均組成式(1)によって表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンのSiH単位の合計モル数に対して、1/176,262倍、一方、触媒の追添を行った反応終期における該値は、1/89,576倍であった。
得られたエポキシ変性シリコーン(4a)の全ての末端構造は、ヒドロシリル化反応によりトリアルキルシロキシ基に変性されており、末端基を除いた組成は、水素メチルシロキシ単位にビニルシクロヘキセンオキサイドが付加した単位24.9モル%、ジメチルシロキシ単位8.6モル%、シクロヘキシルメチルシロキシ単位66.5モル%であった。分子量測定の結果、分子量1,000以下のピークの含有量は13%であった。また、エポキシ基の開環に伴う高分子量部の形成は全く見られなかった。
エポキシ変性シリコーン(4a)中に残留するテトラヒドロフランのみが検出され、残留する揮発性化合物の合計量は0.001質量%であった。また、低沸化合物としては、4−ビニルシクロヘキセンオキサイド及び4−ビニルシクロヘキセンオキサイドの炭素−炭素2重結合が内部転移を起こして生成した4−エチリデニルシクロヘキセンオキサイドが検出され、それらの残留量は各々0.002質量%、0.002質量%であった。その他の化合物は検出されなかった。これより、本発明におけるエポキシ変性シリコーン中に残留する低沸化合物の合計量は0.004質量%、残留する炭素−炭素2重結合を有する化合物の合計量は0.004質量%、残留する炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物の合計量は0.004質量%、残留するヒドロシリル化反応に供するために添加した炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物(a)の炭素−炭素2重結合が内部転移を起こして生成した副生成物の合計量は0.002質量%であった。
また、エポキシ変性シリコーン(4a)のエポキシ価は0.181、含有される遷移金属成分は白金のみであり、該成分の含有量は白金元素換算で1ppm以下であった。
<硬化物の製造と特性評価4a>
得られたエポキシ変性シリコーン(4a)90質量部、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンジカルボキシレート10質量部、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸27.4質量部、1,3−プロパンジオール3質量部、ジアザビシクロウンデセンオクチル酸塩0.25質量部を窒素下にて混合し、全体が均一になるまで撹拌後、脱泡して硬化性組成物−4aを得た。硬化性組成物−4aを窒素下にて深さ3mmの型に流し込み、120℃で1時間、更に150℃で2時間、更に引き続いて170℃で1時間硬化反応を行い、硬化物を得た。得られた硬化物の性能を表1に示す。
<エポキシ変性シリコーンの製造5a>
ヒドロシリル化反応時に、合成例1にて製造したブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの代わりに合成例3で製造したブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンを用いたこと、4−ビニルシクロへキセンオキサイドを173.8g(1399.7ミリモル)用いたこと、テトラヒドロフランを310g用いたこと、反応開始時に白金元素換算で500ppmの白金を含有する白金ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のテトラヒドロフラン溶液を0.93g用いたこと以外は実施例1と同様にして、低沸化合物を低減した、エポキシ変性シリコーン(5a)55gを得た。仕込んだブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン中に含まれるSiH単位の合計モル数は、139.94ミリモルであった。
ヒドロシリル化反応の停止直前にサンプリングしたところ、定量的にヒドロシリル化反応が進行しており、未反応のSiH単位は検出されなかった。
反応開始時において、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンのSiH単位の合計モル数に対して、共存させたビニル化合物の全ビニル基の合計モル数は、10倍であった。
また、ヒドロシリル化反応を開始する際に用いた触媒の金属原子換算のモル数は、ヒドロシリル化反応前の平均組成式(1)によって表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンのSiH単位の合計モル数に対して、1/58,686倍、一方、触媒の追添を行った反応終期における該値は、1/44,372倍であった。
得られたエポキシ変性シリコーン(5a)の全ての末端構造は、ヒドロシリル化反応によりトリアルキルシロキシ基に変性されており、末端基を除いた組成は、水素メチルシロキシ単位にビニルシクロヘキセンオキサイドが付加した単位23.0モル%、ジメチルシロキシ単位24.5モル%、シクロヘキシルメチルシロキシ単位52.5モル%であった。分子量測定の結果、分子量1,000以下のピークの含有量は3%であった。また、エポキシ基の開環に伴う高分子量部の形成は全く見られなかった。
エポキシ変性シリコーン(5a)中に残留するテトラヒドロフランのみが検出され、残留する揮発性化合物の合計量は0.003質量%であった。また、低沸化合物としては、4−ビニルシクロヘキセンオキサイド及び4−ビニルシクロヘキセンオキサイドの炭素−炭素2重結合が内部転移を起こして生成した4−エチリデニルシクロヘキセンオキサイドが検出され、それらの残留量は各々0.005質量%、0.004質量%であった。その他の化合物は検出されなかった。これより、本発明におけるエポキシ変性シリコーン中に残留する低沸化合物の合計量は0.009質量%、残留する炭素−炭素2重結合を有する化合物の合計量は0.009質量%、残留する炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物の合計量は0.009質量%、残留するヒドロシリル化反応に供するために添加した炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物(a)の炭素−炭素2重結合が内部転移を起こして生成した副生成物の合計量は0.004質量%であった。
また、エポキシ変性シリコーン(5a)のエポキシ価は0.181、含有される遷移金属成分は白金のみであり、該成分の含有量は白金元素換算で1ppm以下であった。
<硬化物の製造と特性評価5a>
得られたエポキシ変性シリコーン(5a)100質量部、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸30.4質量部、1,3−プロパンジオール3質量部、ジアザビシクロウンデセンオクチル酸塩0.25質量部を窒素下にて混合し、全体が均一になるまで撹拌後、脱泡して硬化性組成物−5aを得た。硬化性組成物−5aを窒素下にて深さ3mmの型に流し込み、120℃で1時間、更に150℃で2時間、更に引き続いて170℃で1時間硬化反応を行い、硬化物を得た。得られた硬化物の性能を表1に示す。
<エポキシ変性シリコーンの製造6a>
ヒドロシリル化反応時に、合成例1にて製造したブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの代わりに合成例4で製造したブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンを用いたこと、4−ビニルシクロへキセンオキサイドを129.1g(1039.7ミリモル)用いたこと、テトラヒドロフランを306g用いたこと、活性炭処理時に使用した活性炭量を160gとしたこと、以外は実施例1と同様にして、低沸化合物を低減した、エポキシ変性シリコーン(6a)54gを得た。仕込んだブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン中に含まれるSiH単位の合計モル数は、129.95ミリモルであった。
ヒドロシリル化反応の停止直前にサンプリングしたところ、定量的にヒドロシリル化反応が進行しており、未反応のSiH単位は検出されなかった。
反応開始時において、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンのSiH単位の合計モル数に対して、共存させたビニル化合物の全ビニル基の合計モル数は、8倍であった。
また、ヒドロシリル化反応を開始する際に用いた触媒の金属原子換算のモル数は、ヒドロシリル化反応前の平均組成式(1)によって表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンのSiH単位の合計モル数に対して、1/163,484倍、一方、触媒の追添を行った反応終期における該値は、1/83,082倍であった。
得られたエポキシ変性シリコーン(6a)の全ての末端構造は、ヒドロシリル化反応によりトリアルキルシロキシ基に変性されており、末端基を除いた組成は、水素メチルシロキシ単位にビニルシクロヘキセンオキサイドが付加した単位23.0モル%、ジメチルシロキシ単位9.5モル%、シクロヘキシルメチルシロキシ単位67.5モル%であった。分子量測定の結果、分子量1,000以下のピークの含有量は3%であった。また、エポキシ基の開環に伴う高分子量部の形成は全く見られなかった。
エポキシ変性シリコーン(6a)中に残留するテトラヒドロフランのみが検出され、残留する揮発性化合物の合計量は0.003質量%であった。また、低沸化合物としては、4−ビニルシクロヘキセンオキサイド及び4−ビニルシクロヘキセンオキサイドの炭素−炭素2重結合が内部転移を起こして生成した4−エチリデニルシクロヘキセンオキサイドが検出され、それらの残留量は各々0.015質量%、0.01質量%であった。その他の化合物は検出されなかった。これより、本発明におけるエポキシ変性シリコーン中に残留する低沸化合物の合計量は0.025質量%、残留する炭素−炭素2重結合を有する化合物の合計量は0.025質量%、残留する炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物の合計量は0.025質量%、残留するヒドロシリル化反応に供するために添加した炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物(a)の炭素−炭素2重結合が内部転移を起こして生成した副生成物の合計量は0.01質量%であった。
また、エポキシ変性シリコーン(6a)のエポキシ価は0.171、含有される遷移金属成分は白金のみであり、該成分の含有量は白金元素換算で1ppm以下であった。
<硬化物の製造と特性評価6a>
得られたエポキシ変性シリコーン(6a)100質量部、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸28.7質量部、1,3−プロパンジオール3質量部、ジアザビシクロウンデセンオクチル酸塩0.25質量部を窒素下にて混合し、全体が均一になるまで撹拌後、脱泡して硬化性組成物−6aを得た。硬化性組成物−6aを窒素下にて深さ3mmの型に流し込み、120℃で1時間、更に150℃で2時間、更に引き続いて170℃で1時間硬化反応を行い、硬化物を得た。得られた硬化物の性能を表1に示す。
<エポキシ変性シリコーンの製造7a>
ヒドロシリル化反応時に、合成例1にて製造したブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの代わりに合成例5で製造したブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンを用いたこと、4−ビニルシクロへキセンオキサイドを158.5g(1276.5ミリモル)用いたこと、テトラヒドロフランを294g用いたこと、活性炭処理時に使用した活性炭量を160gとしたこと、以外は実施例1と同様にして、低沸化合物を低減した、エポキシ変性シリコーン(7a)51gを得た。仕込んだブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン中に含まれるSiH単位の合計モル数は、106.34ミリモルであった。
ヒドロシリル化反応の停止直前にサンプリングしたところ、定量的にヒドロシリル化反応が進行しており、未反応のSiH単位は検出されなかった。
反応開始時において、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンのSiH単位の合計モル数に対して、共存させたビニル化合物の全ビニル基の合計モル数は、12倍であった。
また、ヒドロシリル化反応を開始する際に用いた触媒の金属原子換算のモル数は、ヒドロシリル化反応前の平均組成式(1)によって表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンのSiH単位の合計モル数に対して、1/133,787倍、一方、触媒の追添を行った反応終期における該値は、1/67,990倍であった。
得られたエポキシ変性シリコーン(7a)の全ての末端構造は、ヒドロシリル化反応によりトリアルキルシロキシ基に変性されており、末端基を除いた組成は、水素メチルシロキシ単位にビニルシクロヘキセンオキサイドが付加した単位18.0モル%、ジメチルシロキシ単位15.5モル%、シクロヘキシルメチルシロキシ単位66.5モル%であった。分子量測定の結果、分子量1,000以下のピークの含有量は5%であった。また、エポキシ基の開環に伴う高分子量部の形成は全く見られなかった。
エポキシ変性シリコーン(7a)中に残留するテトラヒドロフランは0.005質量%以下、炭素−炭素2重結合を有する化合物として、テトラヒドロフランのみが検出され、残留する揮発性化合物の合計量は0.003質量%であった。また、低沸化合物としては、4−ビニルシクロヘキセンオキサイド及び4−ビニルシクロヘキセンオキサイドの炭素−炭素2重結合が内部転移を起こして生成した4−エチリデニルシクロヘキセンオキサイドが検出され、それらの残留量は各々0.006質量%、0.004質量%であった。その他の化合物は検出されなかった。これより、本発明におけるエポキシ変性シリコーン中に残留する低沸化合物の合計量は0.01質量%、残留する炭素−炭素2重結合を有する化合物の合計量は0.01質量%、残留する炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物の合計量は0.01質量%、残留するヒドロシリル化反応に供するために添加した炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物(a)の炭素−炭素2重結合が内部転移を起こして生成した副生成物の合計量は0.004質量%であった。
また、エポキシ変性シリコーン(7a)のエポキシ価は0.145、含有される遷移金属成分は白金のみであり、該成分の含有量は白金元素換算で1ppm以下であった。
<硬化物の製造と特性評価7a>
得られたエポキシ変性シリコーン(7a)100質量部、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸24.4質量部、1,3−プロパンジオール3質量部、ジアザビシクロウンデセンオクチル酸塩0.25質量部を窒素下にて混合し、全体が均一になるまで撹拌後、脱泡して硬化性組成物−7aを得た。硬化性組成物−7aを窒素下にて深さ3mmの型に流し込み、120℃で1時間、更に140℃で2時間、更に引き続いて160℃で1時間硬化反応を行い、硬化物を得た。得られた硬化物の性能を表1に示す。
<エポキシ変性シリコーンの製造8a>
ヒドロシリル化反応時に、合成例1にて製造したブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの代わりに合成例6で製造したブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンを用いたこと、4−ビニルシクロへキセンオキサイドを177.4g(1428.7ミリモル)用いたこと、テトラヒドロフランを313g用いたこと、以外は実施例1と同様にして、低沸化合物を低減した、エポキシ変性シリコーン(8a)55gを得た。仕込んだブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン中に含まれるSiH単位の合計モル数は、142.87ミリモルであった。
ヒドロシリル化反応の停止直前にサンプリングしたところ、定量的にヒドロシリル化反応が進行しており、未反応のSiH単位は検出されなかった。
反応開始時において、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンのSiH単位の合計モル数に対して、共存させたビニル化合物の全ビニル基の合計モル数は、10倍であった。
また、ヒドロシリル化反応を開始する際に用いた触媒の金属原子換算のモル数は、ヒドロシリル化反応前の平均組成式(1)によって表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンのSiH単位の合計モル数に対して、1/179,737倍、一方、触媒の追添を行った反応終期における該値は、1/91,342倍であった。
得られたエポキシ変性シリコーン(8a)の全ての末端構造は、ヒドロシリル化反応によりトリアルキルシロキシ基に変性されており、末端基を除いた組成は、水素メチルシロキシ単位にビニルシクロヘキセンオキサイドが付加した単位24.0モル%、ジメチルシロキシ単位15.5モル%、シクロヘキシルメチルシロキシ単位60.5モル%であった。分子量測定の結果、分子量1,000以下のピークの含有量は3%であった。また、エポキシ基の開環に伴う高分子量部の形成は全く見られなかった。
エポキシ変性シリコーン(8a)中に残留するテトラヒドロフランは0.005質量%以下、炭素−炭素2重結合を有する化合物として、テトラヒドロフランのみが検出され、残留する揮発性化合物の合計量は0.002質量%であった。また、低沸化合物としては、4−ビニルシクロヘキセンオキサイド及び4−ビニルシクロヘキセンオキサイドの炭素−炭素2重結合が内部転移を起こして生成した4−エチリデニルシクロヘキセンオキサイドが検出され、それらの残留量は各々0.004質量%、0.002質量%であった。その他の化合物は検出されなかった。これより、本発明におけるエポキシ変性シリコーン中に残留する低沸化合物の合計量は0.006質量%、残留する炭素−炭素2重結合を有する化合物の合計量は0.006質量%、残留する炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物の合計量は0.006質量%、残留するヒドロシリル化反応に供するために添加した炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物(a)の炭素−炭素2重結合が内部転移を起こして生成した副生成物の合計量は0.002質量%であった。
また、エポキシ変性シリコーン(8a)のエポキシ価は0.184、含有される遷移金属成分は白金のみであり、該成分の含有量は白金元素換算で1ppm以下であった。
<硬化物の製造と特性評価8a>
得られたエポキシ変性シリコーン(8a)100質量部、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸30.9質量部、1,3−プロパンジオール3質量部、ジアザビシクロウンデセンオクチル酸塩0.25質量部を窒素下にて混合し、全体が均一になるまで撹拌後、脱泡して硬化性組成物−8aを得た。硬化性組成物−8aを窒素下にて深さ3mmの型に流し込み、120℃で1時間、更に150℃で2時間、更に引き続いて170℃で1時間硬化反応を行い、硬化物を得た。得られた硬化物の性能を表1に示す。
<エポキシ変性シリコーンの製造9a>
ヒドロシリル化反応時に、合成例1にて製造したブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの代わりに合成例7で製造したブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンを用いたこと、4−ビニルシクロへキセンオキサイドを217.8g(1754.0ミリモル)用いたこと、テトラヒドロフランを328g用いたこと、反応開始時に白金元素換算で500ppmの白金を含有する白金ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のテトラヒドロフラン溶液を0.15g用いたこと、活性炭処理時に使用した活性炭量を180gとしたこと、以外は実施例1と同様にして、低沸化合物を低減した、エポキシ変性シリコーン(9a)57gを得た。仕込んだブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン中に含まれるSiH単位の合計モル数は、175.37ミリモルであった。
ヒドロシリル化反応の停止直前にサンプリングしたところ、定量的にヒドロシリル化反応が進行しており、未反応のSiH単位は検出されなかった。
反応開始時において、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンのSiH単位の合計モル数に対して、共存させたビニル化合物の全ビニル基の合計モル数は、10倍であった。
また、ヒドロシリル化反応を開始する際に用いた触媒の金属原子換算のモル数は、ヒドロシリル化反応前の平均組成式(1)によって表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンのSiH単位の合計モル数に対して、1/427,464倍、一方、触媒の追添を行った反応終期における該値は、1/148,683倍であった。
得られたエポキシ変性シリコーン(9a)の全ての末端構造は、ヒドロシリル化反応によりトリアルキルシロキシ基に変性されており、末端基を除いた組成は、水素メチルシロキシ単位にビニルシクロヘキセンオキサイドが付加した単位30.0モル%、ジメチルシロキシ単位14.5モル%、シクロヘキシルメチルシロキシ単位55.5モル%であった。分子量測定の結果、分子量1,000以下のピークの含有量は3%であった。また、エポキシ基の開環に伴う高分子量部の形成は全く見られなかった。
エポキシ変性シリコーン(9a)中に残留するテトラヒドロフランは0.005質量%以下、炭素−炭素2重結合を有する化合物として、テトラヒドロフランのみが検出され、残留する揮発性化合物の合計量は0.003質量%であった。また、低沸化合物としては、4−ビニルシクロヘキセンオキサイド及び4−ビニルシクロヘキセンオキサイドの炭素−炭素2重結合が内部転移を起こして生成した4−エチリデニルシクロヘキセンオキサイドが検出され、それらの残留量は各々0.006質量%、0.003質量%であった。その他の化合物は検出されなかった。これより、本発明におけるエポキシ変性シリコーン中に残留する低沸化合物の合計量は0.009質量%、残留する炭素−炭素2重結合を有する化合物の合計量は0.009質量%、残留する炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物の合計量は0.009質量%、残留するヒドロシリル化反応に供するために添加した炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物(a)の炭素−炭素2重結合が内部転移を起こして生成した副生成物の合計量は0.003質量%であった。
また、エポキシ変性シリコーン(9a)のエポキシ価は0.214、含有される遷移金属成分は白金のみであり、該成分の含有量は白金元素換算で1ppm以下であった。
<硬化物の製造と特性評価9a>
得られたエポキシ変性シリコーン(9a)100質量部、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸36.0質量部、1,3−プロパンジオール3質量部、ジアザビシクロウンデセンオクチル酸塩0.25質量部を窒素下にて混合し、全体が均一になるまで撹拌後、脱泡して硬化性組成物−9aを得た。硬化性組成物−9aを窒素下にて深さ3mmの型に流し込み、120℃で1時間、更に150℃で2時間、更に引き続いて170℃で1時間硬化反応を行い、硬化物を得た。得られた硬化物の性能を表1に示す。
<エポキシ変性シリコーンの製造10a>
ヒドロシリル化反応時に、合成例1にて製造したブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの代わりに合成例8で製造したブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンを用いたこと、4−ビニルシクロへキセンオキサイドを170.4g(1372.3ミリモル)用いたこと、テトラヒドロフランを310g用いたこと、以外は実施例1と同様にして、低沸化合物を低減した、エポキシ変性シリコーン(10a)54gを得た。仕込んだブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン中に含まれるSiH単位の合計モル数は、137.24ミリモルであった。
ヒドロシリル化反応の停止直前にサンプリングしたところ、定量的にヒドロシリル化反応が進行しており、未反応のSiH単位は検出されなかった。
反応開始時において、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンのSiH単位の合計モル数に対して、共存させたビニル化合物の全ビニル基の合計モル数は、10倍であった。
また、ヒドロシリル化反応を開始する際に用いた触媒の金属原子換算のモル数は、ヒドロシリル化反応前の平均組成式(1)によって表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンのSiH単位の合計モル数に対して、1/172,658倍、一方、触媒の追添を行った反応終期における該値は、1/87,744倍であった。
得られたエポキシ変性シリコーン(10a)の全ての末端構造は、ヒドロシリル化反応によりトリアルキルシロキシ基に変性されており、末端基を除いた組成は、水素メチルシロキシ単位にビニルシクロヘキセンオキサイドが付加した単位23.0モル%、ジメチルシロキシ単位18.0モル%、シクロヘキシルメチルシロキシ単位59.0モル%であった。分子量測定の結果、分子量1,000以下のピークの含有量は3%であった。また、エポキシ基の開環に伴う高分子量部の形成は全く見られなかった。
エポキシ変性シリコーン(10a)中に残留するテトラヒドロフランのみが検出され、残留する揮発性化合物の合計量は0.002質量%であった。また、低沸化合物としては、4−ビニルシクロヘキセンオキサイド及び4−ビニルシクロヘキセンオキサイドの炭素−炭素2重結合が内部転移を起こして生成した4−エチリデニルシクロヘキセンオキサイドが検出され、それらの残留量は各々0.005質量%、0.004質量%であった。その他の化合物は検出されなかった。これより、本発明におけるエポキシ変性シリコーン中に残留する低沸化合物の合計量は0.009質量%、残留する炭素−炭素2重結合を有する化合物の合計量は0.009質量%、残留する炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物の合計量は0.009質量%、残留するヒドロシリル化反応に供するために添加した炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物(a)の炭素−炭素2重結合が内部転移を起こして生成した副生成物の合計量は0.004質量%であった。
また、エポキシ変性シリコーン(10a)のエポキシ価は0.178、含有される遷移金属成分は白金のみであり、該成分の含有量は白金元素換算で1ppm以下であった。
<硬化物の製造と特性評価10a>
得られたエポキシ変性シリコーン(10a)100質量部、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸29.9質量部、1,3−プロパンジオール3質量部、ジアザビシクロウンデセンオクチル酸塩0.25質量部を窒素下にて混合し、全体が均一になるまで撹拌後、脱泡して硬化性組成物−10aを得た。硬化性組成物−10aを窒素下にて深さ3mmの型に流し込み、120℃で1時間、更に150℃で2時間、更に引き続いて170℃で1時間硬化反応を行い、硬化物を得た。得られた硬化物の性能を表1に示す。
<エポキシ変性シリコーンの製造11a>
ヒドロシリル化反応時に、合成例1にて製造したブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの代わりに合成例9で製造したブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンを用いたこと、4−ビニルシクロへキセンオキサイドの代わりに、乾燥窒素下にて脱水蒸留精製した1,2−エポキシ−5−ヘキセン(アルドリッチ社製試薬)96.5g(983.3ミリモル)を用いたこと、テトラヒドロフランを284g用いたこと、活性炭処理時に使用した活性炭量を160gとしたこと、以外は実施例1と同様にして、低沸化合物を低減した、エポキシ変性シリコーン(11a)50gを得た。仕込んだブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン中に含まれるSiH単位の合計モル数は、98.33ミリモルであった。
ヒドロシリル化反応の停止直前にサンプリングしたところ、定量的にヒドロシリル化反応が進行しており、未反応のSiH単位は検出されなかった。
反応開始時において、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンのSiH単位の合計モル数に対して、共存させたビニル化合物の全ビニル基の合計モル数は、10倍であった。
また、ヒドロシリル化反応を開始する際に用いた触媒の金属原子換算のモル数は、ヒドロシリル化反応前の平均組成式(1)によって表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンのSiH単位の合計モル数に対して、1/123,705倍、一方、触媒の追添を行った反応終期における該値は、1/62,866倍であった。
得られたエポキシ変性シリコーン(11a)の全ての末端構造は、ヒドロシリル化反応によりトリアルキルシロキシ基に変性されており、末端基を除いた組成は、水素メチルシロキシ単位に1,2−エポキシ−5−へキセンが付加した単位15.0モル%、ジメチルシロキシ単位18.5モル%、シクロヘキシルメチルシロキシ単位66.5モル%であった。分子量測定の結果、分子量1,000以下のピークの含有量は2%であった。また、エポキシ基の開環に伴う高分子量部の形成は全く見られなかった。
エポキシ変性シリコーン(11a)中に残留するテトラヒドロフランのみが検出され、残留する揮発性化合物の合計量は0.002質量%であった。また、低沸化合物としては、1,2−エポキシ−5−ヘキセン、及び前記の1,2−エポキシ−5−ヘキセンの炭素−炭素2重結合が内部転移を起こして生成した副生成物である1,2−エポキシ−4−ヘキセン、1,2−エポキシ−3−ヘキセン、1,2−エポキシ−2−ヘキセンが検出され、それらの残留量は各々0.003質量%、0.002質量%、0.002質量%、0.002質量%であった。その他の化合物は検出されなかった。これより、本発明におけるエポキシ変性シリコーン中に残留する低沸化合物の合計量は0.009質量%、残留する炭素−炭素2重結合を有する化合物の合計量は0.009質量%、残留する炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物の合計量は0.009質量%、残留するヒドロシリル化反応に供するために添加した炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物(a)の炭素−炭素2重結合が内部転移を起こして生成した副生成物の合計量は0.006質量%であった。
また、エポキシ変性シリコーン(11a)のエポキシ価は0.141、含有される遷移金属成分は白金のみであり、該成分の含有量は白金元素換算で1ppm以下であった。
<硬化物の製造と特性評価11a>
得られたエポキシ変性シリコーン(11a)100質量部、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸23.7質量部、1,3−プロパンジオール3質量部、ジアザビシクロウンデセンオクチル酸塩0.25質量部を窒素下にて混合し、全体が均一になるまで撹拌後、脱泡して硬化性組成物−11aを得た。硬化性組成物−11aを窒素下にて深さ3mmの型に流し込み、120℃で1時間、更に140℃で2時間、更に引き続いて160℃で1時間硬化反応を行い、硬化物を得た。得られた硬化物の性能を表2に示す。
<エポキシ変性シリコーンの製造12a>
ヒドロシリル化反応時に、合成例1にて製造したブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの代わりに合成例10で製造したブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンを用いたこと、4−ビニルシクロへキセンオキサイドを190.6g(1535.0ミリモル)用いたこと、テトラヒドロフランを317g用いたこと、以外は実施例1と同様にして、低沸化合物を低減した、エポキシ変性シリコーン(12a)56gを得た。仕込んだブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン中に含まれるSiH単位の合計モル数は、153.46ミリモルであった。
ヒドロシリル化反応の停止直前にサンプリングしたところ、定量的にヒドロシリル化反応が進行しており、未反応のSiH単位は検出されなかった。
反応開始時において、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンのSiH単位の合計モル数に対して、共存させたビニル化合物の全ビニル基の合計モル数は、10倍であった。
また、ヒドロシリル化反応を開始する際に用いた触媒の金属原子換算のモル数は、ヒドロシリル化反応前の平均組成式(1)によって表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンのSiH単位の合計モル数に対して、1/193,066倍、一方、触媒の追添を行った反応終期における該値は、1/98,116倍であった。
得られたエポキシ変性シリコーン(12a)の全ての末端構造は、ヒドロシリル化反応によりトリアルキルシロキシ基に変性されており、末端基を除いた組成は、水素メチルシロキシ単位にビニルシクロヘキセンオキサイドが付加した単位27.0モル%、ジメチルシロキシ単位13.0モル%、シクロヘキシルメチルシロキシ単位60.0モル%であった。分子量測定の結果、分子量1,000以下のピークの含有量は5%であった。また、エポキシ基の開環に伴う高分子量部の形成は全く見られなかった。
エポキシ変性シリコーン(12a)中に残留するテトラヒドロフランのみが検出され、残留する揮発性化合物の合計量は0.004質量%であった。また、低沸化合物としては、4−ビニルシクロヘキセンオキサイド及び4−ビニルシクロヘキセンオキサイドの炭素−炭素2重結合が内部転移を起こして生成した4−エチリデニルシクロヘキセンオキサイドが検出され、それらの残留量は各々0.02質量%、0.015質量%であった。その他の化合物は検出されなかった。これより、本発明におけるエポキシ変性シリコーン中に残留する低沸化合物の合計量は0.035質量%、残留する炭素−炭素2重結合を有する化合物の合計量は0.035質量%、残留する炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物の合計量は0.035質量%、残留するヒドロシリル化反応に供するために添加した炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物(a)の炭素−炭素2重結合が内部転移を起こして生成した副生成物の合計量は0.015質量%であった。
また、エポキシ変性シリコーン(12a)のエポキシ価は0.194、含有される遷移金属成分は白金のみであり、該成分の含有量は白金元素換算で1ppm以下であった。
<硬化物の製造と特性評価12a>
得られたエポキシ変性シリコーン(12a)100質量部、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸32.6質量部、1,3−プロパンジオール3質量部、ジアザビシクロウンデセンオクチル酸塩0.25質量部を窒素下にて混合し、全体が均一になるまで撹拌後、脱泡して硬化性組成物−12aを得た。硬化性組成物−12aを窒素下にて深さ3mmの型に流し込み、120℃で1時間、更に150℃で2時間、更に引き続いて170℃で1時間硬化反応を行い、硬化物を得た。得られた硬化物の性能を表2に示す。
<エポキシ変性シリコーンの製造13a>
ヒドロシリル化反応時に、1.5リットルの反応器を用いたこと、合成例1にて製造したブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの代わりに合成例11で製造したブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンを用いたこと、4−ビニルシクロへキセンオキサイドを476.5g(3837.5ミリモル)用いたこと、テトラヒドロフランを435g用いたこと、反応開始時に白金元素換算で500ppmの白金を含有する白金ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のテトラヒドロフラン溶液0.43gを乾燥窒素下にて添加し、ヒドロシリル化反応を20時間反応させ、次いで前記の白金ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のテトラヒドロフラン溶液0.22gを乾燥窒素下にて添加して、更に20時間反応を継続させ、更に引き続き、前記の白金ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のテトラヒドロフラン溶液0.22gを乾燥窒素下にて添加して、24時間反応を実施したこと、活性炭処理時に使用した活性炭量を300gとしたこと、以外は実施例1と同様にして、低沸化合物を低減した、エポキシ変性シリコーン(13a)76gを得た。仕込んだブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン中に含まれるSiH単位の合計モル数は、383.74ミリモルであった。
ヒドロシリル化反応の停止直前にサンプリングしたところ、エポキシ変性シリコーン中に含有される全Si数に対する未反応SiH単位数が0.2%であった。
反応開始時において、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンのSiH単位の合計モル数に対して、共存させたビニル化合物の全ビニル基の合計モル数は、10倍であった。
また、ヒドロシリル化反応を開始する際に用いた触媒の金属原子換算のモル数は、ヒドロシリル化反応前の平均組成式(1)によって表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンのSiH単位の合計モル数に対して、1/347,563倍、一方、触媒の追添を行った反応終期における該値は、1/173,781倍であった。
得られたエポキシ変性シリコーン(13a)の全ての末端構造は、ヒドロシリル化反応によりトリアルキルシロキシ基に変性されており、末端基を除いた組成は、水素メチルシロキシ単位が0.2モル%、水素メチルシロキシ単位にビニルシクロヘキセンオキサイドが付加した単位54.8モル%、ジメチルシロキシ単位15.0モル%、シクロヘキシルメチルシロキシ単位30.0モル%であった。分子量測定の結果、分子量1,000以下のピークの含有量は3%であった。また、エポキシ基の開環に伴う高分子量部の形成は全く見られなかった。
エポキシ変性シリコーン(13a)中に残留するテトラヒドロフランのみが検出され、残留する揮発性化合物の合計量は0.004質量%であった。また、低沸化合物としては、4−ビニルシクロヘキセンオキサイド及び4−ビニルシクロヘキセンオキサイドの炭素−炭素2重結合が内部転移を起こして生成した4−エチリデニルシクロヘキセンオキサイドが検出され、それらの残留量は各々0.01質量%、0.008質量%であった。その他の化合物は検出されなかった。これより、本発明におけるエポキシ変性シリコーン中に残留する低沸化合物の合計量は0.018質量%、残留する炭素−炭素2重結合を有する化合物の合計量は0.018質量%、残留する炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物の合計量は0.018質量%、残留するヒドロシリル化反応に供するために添加した炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物(a)の炭素−炭素2重結合が内部転移を起こして生成した副生成物の合計量は0.008質量%であった。
また、エポキシ変性シリコーン(13a)のエポキシ価は0.356、含有される遷移金属成分は白金のみであり、該成分の含有量は白金元素換算で1ppm以下であった。
<硬化物の製造と特性評価13a>
得られたエポキシ変性シリコーン(13a)100質量部、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸59.8質量部、1,3−プロパンジオール3質量部、ジアザビシクロウンデセンオクチル酸塩0.25質量部を窒素下にて混合し、全体が均一になるまで撹拌後、脱泡して硬化性組成物−13aを得た。硬化性組成物−13aを窒素下にて深さ3mmの型に流し込み、120℃で1時間、更に150℃で2時間、更に引き続いて170℃で1時間硬化反応を行い、硬化物を得た。得られた硬化物の性能を表2に示す。
[比較例1]
<エポキシ変性シリコーンの製造1b>
ヒドロシリル化反応時に、4−ビニルシクロへキセンオキサイドを73.5g(591.9ミリモル)用いたこと以外は実施例1と同様にして、低沸化合物を低減した、エポキシ変性シリコーン(1b)51gを得た。仕込んだブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン中に含まれるSiH単位の合計モル数は、131.55ミリモルであった。
ヒドロシリル化反応の停止直前にサンプリングしたところ、定量的にヒドロシリル化反応が進行しており、未反応のSiH単位は検出されなかった。
反応開始時において、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンのSiH単位の合計モル数に対して、共存させたビニル化合物の全ビニル基の合計モル数は、4.5倍であった。
また、ヒドロシリル化反応を開始する際に用いた触媒の金属原子換算のモル数は、ヒドロシリル化反応前の平均組成式(1)によって表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンのSiH単位の合計モル数に対して、1/168.030倍、一方、触媒の追添を行った反応終期における該値は、1/84,015倍であった。
得られたエポキシ変性シリコーン(1b)の全ての末端構造は、ヒドロシリル化反応によりトリアルキルシロキシ基に変性されており、末端基を除いた組成は、水素メチルシロキシ単位にビニルシクロヘキセンオキサイドが付加した単位22.2モル%、ジメチルシロキシ単位22.5モル%、シクロヘキシルメチルシロキシ単位55.3モル%であった。分子量測定の結果、分子量1,000以下のピークの含有量は8%であったが、分子量10万から100万付近にこれまで観測されなかったピークが観測され、エポキシ基の開環に伴う高分子量部の形成が見られた。得られたエポキシ変性シリコーン(1b)のGPCの溶出曲線において、溶出開始点と溶出終了点を結んで得られる該溶出ピーク面積に対する、今回観測されたピークのエリア面積の比率は、約5%であった。
[比較例2]
<エポキシ変性シリコーンの製造2b>
ヒドロシリル化反応時に、3リットルの反応器を用いたこと、4−ビニルシクロへキセンオキサイドを1796.9g(14471.3ミリモル)用いたこと以外は実施例1と同様にして反応を行った。仕込んだブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン中に含まれるSiH単位の合計モル数は、131.55ミリモルであった。
反応開始時において、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンのSiH単位の合計モル数に対して、共存させたビニル化合物の全ビニル基の合計モル数は、110倍であった。
また、ヒドロシリル化反応を開始する際に用いた触媒の金属原子換算のモル数は、ヒドロシリル化反応前の平均組成式(1)によって表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンのSiH単位の合計モル数に対して、1/168.030倍、一方、触媒の追添を行った反応終期における該値は、1/84,015倍であった。
所定時間反応後の反応液をサンプリングしたところ、仕込んだブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン中に含まれるSiH単位の合計モル数の約4%が残留しており、ヒドロシリル化反応は完結していなかった。
[比較例3]
<エポキシ変性シリコーンの製造3b>
ヒドロシリル化反応時に、合成例1にて製造したブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの代わりに合成例12で製造したブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンを用いたこと、4−ビニルシクロへキセンオキサイドを143.0g(1151.6ミリモル)用いたこと、テトラヒドロフランを300g用いたこと、活性炭処理時に使用した活性炭量を180gとしたこと、以外は実施例1と同様にして、低沸化合物を低減した、エポキシ変性シリコーン(3b)52gを得た。仕込んだブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン中に含まれるSiH単位の合計モル数は、115.19ミリモルであった。
ヒドロシリル化反応の停止直前にサンプリングしたところ、定量的にヒドロシリル化反応が進行しており、未反応のSiH単位は検出されなかった。
反応開始時において、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンのSiH単位の合計モル数に対して、共存させたビニル化合物の全ビニル基の合計モル数は、10倍であった。
また、ヒドロシリル化反応を開始する際に用いた触媒の金属原子換算のモル数は、ヒドロシリル化反応前の平均組成式(1)によって表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンのSiH単位の合計モル数に対して、1/144,919倍、一方、触媒の追添を行った反応終期における該値は、1/73,647倍であった。
得られたエポキシ変性シリコーン(3b)の全ての末端構造は、ヒドロシリル化反応によりトリアルキルシロキシ基に変性されており、末端基を除いた組成は、水素メチルシロキシ単位にビニルシクロヘキセンオキサイドが付加した単位16.0モル%、ジメチルシロキシ単位17.5モル%、シクロヘキシルメチルシロキシ単位66.5モル%であった。分子量測定の結果、分子量1,000以下のピークの含有量は2%であった。また、エポキシ基の開環に伴う高分子量部の形成は全く見られなかった。
エポキシ変性シリコーン(3b)中に残留するテトラヒドロフランのみが検出され、残留する揮発性化合物の合計量は0.001質量%であった。また、低沸化合物としては、4−ビニルシクロヘキセンオキサイド及び4−ビニルシクロヘキセンオキサイドの炭素−炭素2重結合が内部転移を起こして生成した4−エチリデニルシクロヘキセンオキサイドが検出され、それらの残留量は各々0.002質量%、0.002質量%であった。その他の化合物は検出されなかった。これより、本発明におけるエポキシ変性シリコーン中に残留する低沸化合物の合計量は0.004質量%、残留する炭素−炭素2重結合を有する化合物の合計量は0.004質量%、残留する炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物の合計量は0.004質量%、残留するヒドロシリル化反応に供するために添加した炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物(a)の炭素−炭素2重結合が内部転移を起こして生成した副生成物の合計量は0.002質量%であった。
また、エポキシ変性シリコーン(3b)のエポキシ価は0.155、含有される遷移金属成分は白金のみであり、該成分の含有量は白金元素換算で1ppm以下であった。
<硬化物の製造と特性評価3b>
得られたエポキシ変性シリコーン(3b)100質量部、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸26.0質量部、1,3−プロパンジオール3質量部、ジアザビシクロウンデセンオクチル酸塩0.25質量部を窒素下にて混合し、全体が均一になるまで撹拌後、脱泡して硬化性組成物−3bを得た。硬化性組成物−3bを窒素下にて深さ3mmの型に流し込み、120℃で1時間、更に150℃で2時間、更に引き続いて170℃で1時間硬化反応を行い、硬化物を得た。得られた硬化物の性能を表2に示す。
[比較例4]
<エポキシ変性シリコーンの製造4b>
ヒドロシリル化反応時に、合成例1にて製造したブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの代わりに合成例13で製造したブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンを用いたこと、4−ビニルシクロへキセンオキサイドを162.0g(1304.7ミリモル)用いたこと、テトラヒドロフランを306g用いたこと、活性炭処理時に使用した活性炭量を165gとしたこと、以外は実施例1と同様にして、低沸化合物を低減した、エポキシ変性シリコーン(4b)54gを得た。仕込んだブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン中に含まれるSiH単位の合計モル数は、130.43ミリモルであった。
ヒドロシリル化反応の停止直前にサンプリングしたところ、定量的にヒドロシリル化反応が進行しており、未反応のSiH単位は検出されなかった。
反応開始時において、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンのSiH単位の合計モル数に対して、共存させたビニル化合物の全ビニル基の合計モル数は、10倍であった。
また、ヒドロシリル化反応を開始する際に用いた触媒の金属原子換算のモル数は、ヒドロシリル化反応前の平均組成式(1)によって表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンのSiH単位の合計モル数に対して、1/164,086倍、一方、触媒の追添を行った反応終期における該値は、1/82,740倍であった。
得られたエポキシ変性シリコーン(4b)の全ての末端構造は、ヒドロシリル化反応によりトリアルキルシロキシ基に変性されており、末端基を除いた組成は、水素メチルシロキシ単位にビニルシクロヘキセンオキサイドが付加した単位22.5モル%、ジメチルシロキシ単位9.5モル%、シクロヘキシルメチルシロキシ単位68.0モル%であった。分子量測定の結果、分子量1,000以下のピークの含有量は3%であった。また、エポキシ基の開環に伴う高分子量部の形成は全く見られなかった。
エポキシ変性シリコーン(4b)中に残留するテトラヒドロフランのみが検出され、残留する揮発性化合物の合計量は0.002質量%であった。また、低沸化合物としては、4−ビニルシクロヘキセンオキサイド及び4−ビニルシクロヘキセンオキサイドの炭素−炭素2重結合が内部転移を起こして生成した4−エチリデニルシクロヘキセンオキサイドが検出され、それらの残留量は各々0.006質量%、0.004質量%であった。その他の化合物は検出されなかった。これより、本発明におけるエポキシ変性シリコーン中に残留する低沸化合物の合計量は0.01質量%、残留する炭素−炭素2重結合を有する化合物の合計量は0.01質量%、残留する炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物の合計量は0.01質量%、残留するヒドロシリル化反応に供するために添加した炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物(a)の炭素−炭素2重結合が内部転移を起こして生成した副生成物の合計量は0.004質量%であった。
また、エポキシ変性シリコーン(4b)のエポキシ価は0.171、含有される遷移金属成分は白金のみであり、該成分の含有量は白金元素換算で1ppm以下であった。
<硬化物の製造と特性評価4b>
得られたエポキシ変性シリコーン(4b)100質量部、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸28.7質量部、1,3−プロパンジオール3質量部、ジアザビシクロウンデセンオクチル酸塩0.25質量部を窒素下にて混合し、全体が均一になるまで撹拌後、脱泡して硬化性組成物−4bを得た。硬化性組成物−4bを窒素下にて深さ3mmの型に流し込み、120℃で1時間、更に150℃で2時間、更に引き続いて170℃で1時間硬化反応を行い、硬化物を得た。得られた硬化物の性能を表2に示す。
[比較例5]
<エポキシ変性シリコーンの製造5b>
ヒドロシリル化反応時に、合成例1にて製造したブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの代わりに合成例14で製造したブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンを用いたこと、4−ビニルシクロへキセンオキサイドを114.7g(923.7ミリモル)用いたこと、テトラヒドロフランを287g用いたこと、活性炭処理時に使用した活性炭量を160gとしたこと、以外は実施例1と同様にして、低沸化合物を低減した、エポキシ変性シリコーン(5b)50gを得た。仕込んだブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン中に含まれるSiH単位の合計モル数は、92.35ミリモルであった。
ヒドロシリル化反応の停止直前にサンプリングしたところ、定量的にヒドロシリル化反応が進行しており、未反応のSiH単位は検出されなかった。
反応開始時において、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンのSiH単位の合計モル数に対して、共存させたビニル化合物の全ビニル基の合計モル数は、10倍であった。
また、ヒドロシリル化反応を開始する際に用いた触媒の金属原子換算のモル数は、ヒドロシリル化反応前の平均組成式(1)によって表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンのSiH単位の合計モル数に対して、1/116,177倍、一方、触媒の追添を行った反応終期における該値は、1/59,041倍であった。
得られたエポキシ変性シリコーン(5b)の全ての末端構造は、ヒドロシリル化反応によりトリアルキルシロキシ基に変性されており、末端基を除いた組成は、水素メチルシロキシ単位にビニルシクロヘキセンオキサイドが付加した単位16.0モル%、ジメチルシロキシ単位14.0モル%、シクロヘキシルメチルシロキシ単位70.0モル%であった。分子量測定の結果、分子量1,000以下のピークの含有量は3%であった。また、エポキシ基の開環に伴う高分子量部の形成は全く見られなかった。
エポキシ変性シリコーン(5b)中に残留するテトラヒドロフランのみが検出され、残留する揮発性化合物の合計量は0.003質量%であった。また、低沸化合物としては、4−ビニルシクロヘキセンオキサイド及び4−ビニルシクロヘキセンオキサイドの炭素−炭素2重結合が内部転移を起こして生成した4−エチリデニルシクロヘキセンオキサイドが検出され、それらの残留量は各々0.005質量%、0.004質量%であった。その他の化合物は検出されなかった。これより、本発明におけるエポキシ変性シリコーン中に残留する低沸化合物の合計量は0.009質量%、残留する炭素−炭素2重結合を有する化合物の合計量は0.009質量%、残留する炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物の合計量は0.009質量%、残留するヒドロシリル化反応に供するために添加した炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物(a)の炭素−炭素2重結合が内部転移を起こして生成した副生成物の合計量は0.004質量%であった。
また、エポキシ変性シリコーン(5b)のエポキシ価は0.129、含有される遷移金属成分は白金のみであり、該成分の含有量は白金元素換算で1ppm以下であった。
<硬化物の製造と特性評価5b>
得られたエポキシ変性シリコーン(5b)100質量部、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸21.7質量部、1,3−プロパンジオール3質量部、ジアザビシクロウンデセンオクチル酸塩0.25質量部を窒素下にて混合し、全体が均一になるまで撹拌後、脱泡して硬化性組成物−5bを得た。硬化性組成物−5bを窒素下にて深さ3mmの型に流し込み、120℃で1時間、更に130℃で2時間、更に引き続いて150℃で1時間硬化反応を行い、硬化物を得た。得られた硬化物の性能を表2に示す。
[比較例6]
<エポキシ変性シリコーンの製造6b>
ヒドロシリル化反応時に、合成例1にて製造したブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの代わりに合成例15で製造したブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンを用いたこと、4−ビニルシクロへキセンオキサイドを166.1g(1337.7ミリモル)用いたこと、テトラヒドロフランを307g用いたこと、活性炭処理時に使用した活性炭量を165gとしたこと、以外は実施例1と同様にして、低沸化合物を低減した、エポキシ変性シリコーン(6b)54gを得た。仕込んだブロック型オルガノハイドロジェンシリコーン中に含まれるSiH単位の合計モル数は、133.78ミリモルであった。
ヒドロシリル化反応の停止直前にサンプリングしたところ、定量的にヒドロシリル化反応が進行しており、未反応のSiH単位は検出されなかった。
反応開始時において、ブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンのSiH単位の合計モル数に対して、共存させたビニル化合物の全ビニル基の合計モル数は、10倍であった。
また、ヒドロシリル化反応を開始する際に用いた触媒の金属原子換算のモル数は、ヒドロシリル化反応前の平均組成式(1)によって表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンのSiH単位の合計モル数に対して、1/170,259倍、一方、触媒の追添を行った反応終期における該値は、1/85,130倍であった。
得られたエポキシ変性シリコーン(6b)の全ての末端構造は、ヒドロシリル化反応によりトリアルキルシロキシ基に変性されており、末端基を除いた組成は、水素メチルシロキシ単位にビニルシクロヘキセンオキサイドが付加した単位23.0モル%、ジメチルシロキシ単位16.5モル%、シクロヘキシルメチルシロキシ単位60.5モル%であった。分子量測定の結果、分子量1,000以下のピークの含有量は3%であった。また、エポキシ基の開環に伴う高分子量部の形成は全く見られなかった。
エポキシ変性シリコーン(6b)中に残留するテトラヒドロフランのみが検出され、残留する揮発性化合物の合計量は0.003質量%であった。また、低沸化合物としては、4−ビニルシクロヘキセンオキサイド及び4−ビニルシクロヘキセンオキサイドの炭素−炭素2重結合が内部転移を起こして生成した4−エチリデニルシクロヘキセンオキサイドが検出され、それらの残留量は各々0.006質量%、0.003質量%であった。その他の化合物は検出されなかった。これより、本発明におけるエポキシ変性シリコーン中に残留する低沸化合物の合計量は0.009質量%、残留する炭素−炭素2重結合を有する化合物の合計量は0.009質量%、残留する炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物の合計量は0.009質量%、残留するヒドロシリル化反応に供するために添加した炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物(a)の炭素−炭素2重結合が内部転移を起こして生成した副生成物の合計量は0.003質量%であった。
また、エポキシ変性シリコーン(6b)のエポキシ価は0.175、含有される遷移金属成分は白金のみであり、該成分の含有量は白金元素換算で1ppm以下であった。
<硬化物の製造と特性評価6b>
得られたエポキシ変性シリコーン(6b)100質量部、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸29.4質量部、1,3−プロパンジオール3質量部、ジアザビシクロウンデセンオクチル酸塩0.25質量部を窒素下にて混合し、全体が均一になるまで撹拌後、脱泡して硬化性組成物−6bを得た。硬化性組成物−6bを窒素下にて深さ3mmの型に流し込み、120℃で1時間、更に150℃で2時間、更に引き続いて170℃で1時間硬化反応を行い、硬化物を得た。得られた硬化物の性能を表2に示す。
[製造例1]
実施例1で得た硬化性組成物−1aを径が4mmの砲弾型のモールド型枠に注入し、そこに、発光波長400nmの発光素子が固定されたリードフレームを浸漬し、真空中で脱泡後、120℃で1時間、更に150℃で2時間、170℃で1時間硬化反応を行い、発光ダイオードを得た。本操作によって得られた発光ダイオードに対し、室温にて50mAで200時間通電しても、素子と封止部との剥離や輝度の低下は見られなかった。
[製造例2]
実施例4で得た硬化性組成物−4aを用いて、製造例1と同様の方法で発光ダイオードを得た。本操作によって得られた発光ダイオードに対し、室温にて50mAで200時間通電しても、素子と封止部との剥離や輝度の低下は見られなかった。
[製造例3]
実施例11で得た硬化性組成物−11aを用い、硬化条件を120℃で1時間、更に140℃で2時間、160℃で1時間としたこと以外は、製造例1と同様の方法で発光ダイオードを得た。本操作によって得られた発光ダイオードに対し、室温にて50mAで200時間通電しても、素子と封止部との剥離や輝度の低下は見られなかった。
[製造例4]
実施例11で得た硬化性組成物−13aを用いて、製造例1と同様の方法で発光ダイオードを得た。本操作によって得られた発光ダイオードに対し、室温にて50mAで200時間通電しても、素子と封止部との剥離や輝度の低下は見られなかった。
Figure 0005110630

Figure 0005110630

本発明によれば、透明性、耐光性、耐熱性、耐クラック性を有し、発光素子封止材用途に好適なエポキシ変性シリコーンを、安定的に再現性よく製造する方法を提供することが可能となる。

Claims (11)

  1. 下記<A>及び<B>の要件を同時に満足する下記平均組成式(1)によって表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンに対し、ヒドロシリル化触媒の存在下、炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物(a)を含むビニル化合物(b)をヒドロシリル化反応により付加してエポキシ変性シリコーンを製造する際に、SiH単位の合計モル数に対して、共存させるビニル化合物(b)の全ビニル基の合計モル数を5倍以上100倍以下とすることを特徴とするエポキシ変性シリコーンの製造方法。
    <A>:(R SiO2/2)単位の平均連鎖長が3以上100以下。
    <B>:(RHSiO2/2)単位の平均連鎖長が2以上20以下。
    (R SiO1/2)(R HSiO1/2)(R SiO2/2)
    (RHSiO2/2)(RSiO3/2)(HSiO3/2)(SiO4/2) ・・(1)
    [但し、Rは各々独立に、A)ヒドロキシル基、B)ハロゲン原子、C)無置換又は置換された鎖状、分岐状及び環状よりなる構造群から選ばれる1種以上の構造からなる脂肪族炭化水素単位を有する、炭素数が1以上24以下及び酸素数が0以上5以下の1価又は2価の脂肪族有機基、D)無置換又は置換された芳香族炭化水素単位であって、必要に応じて無置換又は置換された鎖状、分岐状及び環状よりなる構造群から選ばれる1種以上の構造からなる脂肪族炭化水素単位を有する、炭素数が6以上24以下及び酸素数が0以上5以下の1価の芳香族有機基、からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の有機基を表す。
    上記の有機基は、前記の炭素数及び酸素数の範囲内であれば、有機基としてヒドロキシル基、アルコキシ基、アシル基、カルボキシル基、アルケニルオキシ基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、或いは、エステル結合を含んでいてもよい。また、酸素を除くヘテロ原子を含んでいてもよい。
    また、平均組成式(1)におけるa、b、c、d、e、f、gは、オルガノハイドロジェンシリコーン1モル中に存在する各単位のモル数を表し、a、b、e、f、gは各々0以上、cは3以上、dは2以上の値である。
    また、上記の、e、f、gが各々下記式(1)、式(2)、を同時に満足する場合には、上記のa、b、e、f、gは、式(3)を満足する範囲から選択される数値である。
    e+f≠0 ・・・式(1)
    g≠0 ・・・式(2)
    0≦a+b≦e+f+2g+2・・・式(3)
    さらに、上記のe、f、gが各々下記式(4)、式(5)、を同時に満足する場合には、上記のa、bは下記式(6)を満足する範囲から選択される数値である。
    e+f=0 ・・・式(4)
    g=0 ・・・式(5)
    0≦a+b≦2・・・式(6)
    また、上記のe、f、gが各々下記式(1)、式(5)、を同時に満足する場合には、上記のa、bは下記式(7)を満足する範囲から選択される数値である。
    e+f≠0 ・・・式(1)
    g=0 ・・・式(5)
    0≦a+b≦e+f+2・・・式(7)
    さらに、e、f、gが各々下記式(4)、式(2)、を同時に満足する場合には、上記のa、bは下記式(8)を満足する範囲から選択される数値である。
    e+f=0 ・・・式(4)
    g≠0 ・・・式(2)
    0≦a+b≦2g+2 ・・・式(8)]
  2. 鎖状、分岐状及び環状よりなる構造群から選ばれる1種以上の構造からなる炭化水素単位を有する炭素数が5以上20以下の1価の脂肪族有機基が結合したSi数が、全Siに対して5%以上95%以下の範囲であることを特徴とする請求項1に記載のエポキシ変性シリコーンの製造方法。
  3. 平均組成式(1)で表されるオルガノハイドロジェンシリコーンの(RHSiO2/2)単位の平均連鎖長が2.2以上5未満であることを特徴とする請求項1又は2に記載のエポキシ変性シリコーンの製造方法。
  4. 平均組成式(1)で表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンの(b+d+f)/(a+b+c+d+e+f+g)の値が0.100以上0.800以下の範囲であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のエポキシ変性シリコーンの製造方法。
  5. 平均組成式(1)によって表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンにおいて、(e+f+g)の値がゼロであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のエポキシ変性シリコーンの製造方法。
  6. 平均組成式(1)によって表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンにおいて、b/(a+b)の値が0.5以上であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のエポキシ変性シリコーンの製造方法。
  7. 平均組成式(1)によって表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンに含有される分子量1,000以下の成分の含有量が15%以下であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のエポキシ変性シリコーンの製造方法。
  8. 平均組成式(1)によって表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンのSiH単位の合計モル数に対して、ヒドロシリル化反応により炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物(a)を付加させるSiH単位のモル数の分率が70%以上であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のエポキシ変性シリコーンの製造方法。
  9. ヒドロシリル化反応を行う際に用いられる触媒の金属原子換算のモル数が、ヒドロシリル化反応前の平均組成式(1)によって表されるブロック型オルガノハイドロジェンシリコーンのSiH単位の合計モル数に対して、1/5,000,000以上1/1,200以下の範囲であることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のエポキシ変性シリコーンの製造方法。
  10. 平均組成式(1)によって表されるオルガノハイドロジェンシリコーンのSiH単位に対し、炭素−炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物(a)を含むビニル化合物(b)をヒドロシリル化反応により付加した後に、混合物を0℃以上200℃以下の温度に供して、エポキシ変性シリコーンを分離回収する工程を含む請求項1から9のいずれか1項に記載のエポキシ変性シリコーンの製造方法。
  11. 分離回収する工程に供されるエポキシ変性シリコーン中に含有される全Si数に対する残留SiH単位数が2%以下であることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載のエポキシ変性シリコーンの製造方法。
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