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JP5104916B2 - 情報処理装置及びコンピュータプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、交通制御の入力情報となる交通指標を算出するのに利用可能なイベント記録方式のプローブ情報を、車両の走行軌跡から生成する路側の情報処理装置と、その処理をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムに関する。
交通管制センターが行う中央感応制御では、一般にプログラム選択制御が採用されているが、これには、パラメータの設計に多大な労力を要する、交通状況の経年変化で状況が変化した時の再設計が必要となる、評価指標(交通量と占有率の加重和)が曖昧である等の欠点がある。
そこで、中央感応制御として、交通状況に応じて信号制御パラメータを自動的に更新するプログラム形成制御が行われることがある。この制御方式は、MODERATO(Management by Origin-DEstination Related Adaptation for Traffic Optimization)制御と呼ばれている(非特許文献1参照)。
一方、警察庁が進める高度道路交通システム(ITS:Intelligent Transport Systems)として、光ビーコンをキーデバイスとした新交通管理システム(UTMS:Universal Traffic Management Systems)がある。
かかるシステムでは、信号制御に未来の予測情報を用いて青時間を最適化することにより、更にリアルタイム性を高めたプロファイル制御が採用されている。このプロファイル制御の特徴は次の通りである(非特許文献2参照)。
(1) 現在から1サイクル未来の交通需要の予測
(2) 車両の時間遅れの直接評価に基づいたリアルタイム制御の実現
(3) 分散型の制御意思決定:中央制御と連携するハイブリッド型または隣接交差点が強調して動作する自律型の制御モードが選択可能
上記プロファイル制御では、車両が交差点の停止線に到着する予測交通量の時系列データである到着プロファイルを所定時間ごとに推定しており、この到着プロファイルと他の信号制御情報に基づいてシミュレーション演算を実行する。
このシミュレーション演算は、具体的には、交差点全体の待ち行列台数の変動状況である遅れ時間(信号停止待ち時間)を求め、この遅れ時間に基づく評価値が最小となる青終了タイミングを探索し、最適な青終了タイミングを決定する(非特許文献1参照)。
また、交通管制センターの中央装置では、上記UTMSのサブシステムとして、交通情報提供システム(AMIS)、公共車両優先システム(PTPS)、車両運行管理システム(MOCS)、動的経路誘導システム(DRGS)、及び、交通公害低減システム(EPMS)などを実行する場合もある。
このサブシステムのうち、車両運行管理システム(MOCS)や動的経路誘導システム(DRGS)を行う場合には、交通指標として旅行時間と走行経路が必要である。
「改訂 交通信号の手引き」 編集・発行 社団法人 交通工学研究会(16〜18頁、83〜87頁) 「次世代信号制御方式の開発と実証実験」 SEIテクニカルレビュー 2004年3月 第166号 51〜55頁
上記各種の交通制御に必要な交通指標として、待ち行列台数及び飽和交通流率がある。このうち、待ち行列台数は、交差点流入部において信号待ちしている車両の台数のことであり、待ち行列長さを平均車頭距離で割った値である。
また、飽和交通流率とは、交差点流入部において、交通需要が十分に存在する状態で、単位時間で1車線当たりに停止線を通過し得る最大の車両数のことである。通常は、青1時間当たりの通過台数(台/有効青1時間)で表される。
上記交通指標のうち、待ち行列台数の場合は、通常、道路に設置した車両感知器の感知信号から待ち行列長さを推定し、これを平均車頭距離で割ることによって算出される。
しかし、この算出方法では、停止線に最も近い車両感知器の下流側や、車両感知器同士の間で車両の流入や流出があると、待ち行列長さに誤差が生じ、交通制御の高精度化を阻害する要因となり得る。また、飽和交通流率は、固定の設定値を採用するのが一般的であり、実測するとしても、待ち行列台数が車両感知器の設置位置まで延伸していない場合には計測できない。
そこで、道路を走行中の車両のプローブ情報を利用して、待ち行列台数や飽和交通流率等の交通指標をインフラ側で算出することが考えられる。
例えば、上記交通指標のうち、待ち行列台数については、信号待ち中の車両の停止位置をプローブ情報から求めることができれば、この停止位置から地図上の交差点位置までの距離に基づいて待ち行列長さを求められる。従って、これを平均車頭間隔で割れることにより、プローブ情報に基づく待ち行列台数を算出することができる。
しかし、走行中の車両の停止現象に着目すると、信号待ちが原因である単独停止の場合の他に、車両が渋滞区間を走行中に停止と発進を繰り返す(Stop & go )反復停止の場合がある。
また、インフラ側で必要な交通指標について着目すると、例えば、待ち行列台数や飽和交通流率を算出するためには、単独停止の停止位置やそこからの発進時刻が必要となるが、反復停止の場合にはそれらの情報は不要である。
このため、単独停止と反復停止を区別せずに、停止位置その他の情報を一律にプローブ情報に含めることは非効率であり、プローブ情報の記憶や送信のためのデータ量が無駄に消費されることになる。
また、車両の停止回数が多くなるほどプローブ情報のデータ量が膨大になるので、システムの高コスト化を招くことになる。
一方、走行中の車両の停止現象として、上記の他に、右折時における交差点内での停止である右折停止と、単路での方位変更中の停止である単路停止とがある。
このうち、単路停止の場合には、待ち行列台数や飽和交通流率を算出するのに有用であるが、右折停止の場合には、交差点内での停止であるため信号待ちとは無関係であり、待ち行列台数や飽和交通流率の算出には不要である。
このため、右折停止と単路停止とを区別しないで同じ停止イベントとし、これを一律にプローブ情報に含めることは非効率であり、プローブ情報の記憶や送信のためのデータ量が無駄に消費されることになる。
本発明は、このような実情に鑑み、交通指標の算出に必要な情報を効率的に含むプローブ情報を生成することができる、路側の情報処理装置等を提供することを目的とする。
(1) 本発明の情報処理装置は、イベント記録方式のプローブ情報を生成する路側の情報処理装置であって、車両の複数の走行軌跡を取得する取得手段と、取得した複数の前記走行軌跡に基づいて、前記車両の前回の停止から当該車両の速度が所定の第1閾値以上となって当該車両が停止する単独停止と、この単独停止以外の停止である反復停止とを別個のイベントとして判定するイベント判定手段と、前記単独停止については、その停止位置を前記プローブ情報に含めて当該プローブ情報を生成し、前記反復停止については、その停止位置を前記プローブ情報に含めずに当該プローブ情報を生成する情報生成手段と、を備えていることを特徴とする。
本発明の情報処理装置によれば、イベント判定手段が、車両の前回の停止から当該車両の速度が所定の第1閾値以上となって当該車両が停止する単独停止と、この単独停止以外の停止である反復停止(すなわち渋滞中の Stop & Go)とを、別個のイベントとして判定し、情報生成手段が、単独停止については、その停止位置をプローブ情報に含めて当該プローブ情報を生成し、反復停止については、その停止位置をプローブ情報に含めずに当該プローブ情報を生成するので、待ち行列台数や飽和交通流率等の交通指標の算出のために必要な情報(この場合は、単独停止の停止位置)を、効率的に含むプローブ情報を生成することができる。
(2) 本発明の情報処理装置において、前記取得手段は、所定の通信領域において前記車両が無線送信した複数の前記走行軌跡を取得する通信インタフェースにより構成することができる。
この場合、車両が通信領域を通過する間に、例えば前記単独停止等の所定のイベントが発生していなければ、イベント判定手段が判定する当該イベントが存在しないので、車両が通信領域を通過したにも拘わらず、その事実がプローブ情報に記録されなくなる。
そこで、前記情報生成手段は、前記通信領域内で前記車両がリアルタイムに送信した前記走行軌跡である複数のリアルタイム軌跡のうちのいずれか1つを、前記通信領域の通過を示すイベントとして前記プローブ情報に含めることが好ましい。
これにより、車両が通信領域を通過した事実をイベントとして必ずプローブ情報に含めることができ、事実に即した正確なプローブ情報が得られる。
(3) また、本発明の情報処理装置において、前記通信領域外で前記車両が蓄積した前記走行軌跡である複数の蓄積軌跡のうちの最終フラグ付きの当該蓄積軌跡の検出をトリガとして、前記イベントの判定を実行することが好ましい。
その理由は、上記最終フラグ付きの蓄積軌跡の検出をイベント判定のトリガとすれば、蓄積軌跡がすべて揃った状態でイベントの判定が開始されるので、当該イベントの判定を正確に行うことができるからである。
(4) もっとも、前記イベント判定手段は、最終フラグ付きの前記蓄積軌跡を検出しない場合には、複数の前記蓄積軌跡の最終受信時からの所定時間の経過をトリガとして、前記イベントの判定を実行することにしてもよい。
その理由は、複数の蓄積軌跡の最終受信時からの所定時間の経過をイベント判定のトリガとすれば、何らかの原因で最終フラグ付きの蓄積軌跡が検出できなかった場合でも、最終受信時までに取得した蓄積軌跡を用いてイベント判定を実行することができ、それまでに取得した蓄積軌跡が無駄になるのを防止できるからである。
なお、上記「最終フラグ」は、最終であることを示し得る識別情報であれば、その記述形式は特に限定されるものではなく、二値形式(ON/OFFやSET/RESET)の他、複数の数字や文字で表す記述形式であってもよい。
(5) 本発明の情報処理装置において、取得した複数の前記走行軌跡をその時刻で時系列に記憶可能な記憶手段を更に備えており、前記情報生成手段は、判定した前記イベントを含む前記プローブ情報を出力した後に、当該イベントの判定に用いた複数の前記走行軌跡を前記記憶手段から消去することが好ましい。
この場合、イベントの判定に用いた走行軌跡が記憶手段からその都度消去されるので、この消去を実行しない場合に比べて、記憶手段の記憶容量を低減することができる。
(6) また、本発明の情報処理装置において、前記イベント判定手段は、前記記憶手段が時系列に記憶したこれまでの前記走行軌跡では前記イベントを判定できない場合に、新たに取得した前記走行軌跡を更に前記記憶手段に記憶させて前記イベントの判定を継続することが好ましい。
その理由は、新たに取得した走行軌跡を更に記憶手段に記憶させてイベント判定を継続すれば、イベントが見つかる可能性が高まるからである。
(7) 本発明の情報処理装置において、前記イベント判定手段は、前記車両が停止状態から再発進した後、前記第1閾値未満の範囲で前記車両の速度が増減してから当該車両が停止した場合に、これを前記反復停止と判定することができる。
なお、前記イベント判定手段が判定する単独停止は、これを換言すると、非渋滞走行状態からの停止であると言え、反復停止は、逆に渋滞走行状態からの停止であると言える。
(8) 本発明の情報処理装置において、前記情報生成手段は、前記単独停止及び前記反復停止のいずれのイベントの場合も、その停止回数を前記プローブ情報に含めて当該プローブ情報を生成することが好ましい。
その理由は、例えば、前記MOCSで停止回数を使ってCO2の排出量推定をインフラ側で実行する場合には、単独停止と反復停止の双方の停止回数が必要であり、また、停止回数自体はデータ量が比較的小さいため、これをプローブ情報に含めても特に差し支えないからである。
(9) 本発明の情報処理装置において、前記情報生成手段は、前記単独停止については、その停止位置に加えて更にその停止時間を前記プローブ情報に含めて当該プローブ情報を生成することにしてもよい。
また、インフラ側で必要な交通指標に飽和交通流率が含まれる場合には、これを算出するために単独停止の再発進時刻が必要となるので、前記情報生成手段は、前記単独停止については、その停止位置に加えて更にその再発進時刻を前記プローブ情報に含めて当該プローブ情報を生成することが好ましい。
(10) 本発明の別の情報処理装置は、イベント記録方式のプローブ情報を生成する路側の情報処理装置であって、車両の複数の走行軌跡を取得する取得手段と、取得した複数の前記走行軌跡に基づいて、右折時における交差点内での停止である右折停止と、単路での方位変更中の停止である単路停止とを別個のイベントとして判定するイベント判定手段と、前記右折停止については、前記プローブ情報に含めない停止イベントとし、前記単路停止については、前記プローブ情報に含める停止イベントとする情報生成手段と、を備えていることを特徴とする。
本発明の別の情報処理装置によれば、イベント判定手段が、右折時における交差点内での停止である右折停止と、単路での方位変更中の停止である単路停止とを、別個のイベントとして判定し、情報生成手段が、右折停止については、プローブ情報に含めない停止イベントとし、単路停止については、プローブ情報に含める停止イベントとするので、待ち行列台数や飽和交通流率等の交通指標の算出のために必要な情報(この場合は、停止イベントとその関連情報)を、効率的に含むプローブ情報を生成することができる。
(11) なお、本発明の別の情報処理装置において、道路地図情報を記憶する記憶手段を更に備えていることが好ましい。
この場合、前記イベント判定手段は、前記車両の走行位置が前記道路地図情報におけるどの位置であるかに基づいて、方位変更中の前記車両の停止が前記右折停止か前記単路停止かを判別することができる。
(12)(13) 本発明のコンピュータプログラムは、本発明の情報処理装置が行うイベント記録方式のプローブ情報の生成処理を、コンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、本発明の情報処理装置と同様の作用効果を奏する。
以上の通り、本発明によれば、交通指標の算出のために必要な情報を効率的に含むプローブ情報を生成することができるので、プローブ情報の記憶や送信のためのデータ量を効率的に使用することができる。
本発明が適用可能な交通制御システムを示す道路平面図である。 交通制御のアプリケーション、交通指標及びプローブ情報の関係を示す表である。 待ち行列台数と飽和交通流率の算出方法を示す道路平面図である。 車載装置の内部構成を示す機能ブロック図である。 情報中継装置の内部構成を示す機能ブロック図である。 通信領域と走行軌跡の送信タイミングとの関係を示す道路平面図である。 情報中継装置の制御部が行うプローブ情報の生成処理の内容を示すフローチャートである。 停止イベントの判定方法を示すグラフである。 方向変動イベントの例を示す道路平面図である。 停止位置と再発進時刻の判定方法を示すグラフである。 プローブ情報のフレームフォーマットを示す表である。 プローブ情報に記す各種情報のビット割り当てを示す表である。 本発明が適用可能な別の交通制御システムを示す道路平面図である。 情報中継装置の制御部が行うプローブ情報の生成処理の変形例を示すフローチャートである。
〔システムの全体構成〕
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明が適用可能な交通制御システムの一例を示す道路平面図である。
図1に示すように、本実施形態の交通制御システムには、交通信号制御機1、車載装置2、路側通信機3、中央装置4、車載装置2を搭載した車両5、及び情報中継装置6等が含まれる。
交差点Cに向かう流入道路を走行する各車両5は、後述する交通感応制御の対象となるものであり、この車両5には、例えば、小型乗用車や中型乗用車等よりなる普通車と、バスやトラック等の大型自動車に属する大型車などが含まれている。
なお、図1に示す交差点Cでは、比較的交通量の多い主道路RM1,RM2と、比較的交通量の少ない従道路RS1,RS2とが合流している。
中央装置4は、交通管制センター内に設置されており、自身が管轄する制御エリア内に含まれる複数の交差点Cのそれぞれに設置された交通信号制御機1及び情報中継装置6と、電話回線等の通信回線を介して接続されている。
もっとも、情報中継装置6を有しない交差点Cもあるが、本実施形態では、制御エリア内のすべての交差点Cに情報中継装置6が設置されているものとする。
また、情報中継装置6は、通信回線を介して交通信号制御機1及び路側通信機3とも接続されており、中央装置4と路側通信機3との間の通信データを中継する機能を有する。
〔中央装置〕
中央装置4は、ワークステーション(WS)やパーソナルコンピュータ(PC)を含んでおり、情報中継装置6や図示しない車両感知器からの各種の交通情報の収集・処理(演算)・記録、信号制御及び情報提供を統括的に行う。
また、中央装置4は、自身のネットワークに属する交通信号制御機1について、同一道路上の交通信号機群を調整する系統制御や、この系統制御を道路網に拡張した広域制御(面制御)を行うことができる。
すなわち、中央装置4は、交通状況に応じて信号制御パラメータ(スプリット、サイクル長及びオフセット等)を設定する中央感応制御を行うことができ、この中央感応制御には、例えば、MODERATO制御やプロファイル制御等の複数種類のものが含まれる。
従って、中央装置4は、所定時間ごと(例えば、2.5分ごと)に上記系統制御(面制御を含む。)を行って、各交差点Cの信号灯器1aの灯色切り替えタイミングに関する信号制御指令S1を生成する。
また、中央装置4は、各交差点Cで実施する交通制御の種別(端末感応制御や定周期制御の種別)を示す制御種別情報S2を所定時間ごと(例えば、5分ごと)に生成する。中央装置4は、上記信号制御指令S1及び制御種別情報S2を、それぞれ所定時間ごとに交通信号制御機1に送信する。
なお、中央装置4は、VICS(Vehicle Information and Communication System:「VICS」は登録商標)センターから取得したVICS情報を定期的に取得し、これに含まれる渋滞、事故及び交通規制等に関する交通情報を情報中継装置6に送信する。
図1に示すように、交差点Cに配置された複数(図例では4つ)の信号灯器1aは交通信号制御機1と電源線で繋がっており、この制御機1は、中央装置4から受信した信号制御指令S1に基づいて、各信号灯器1bの青、黄、赤及び右折矢等の各信号灯の点灯、消灯及び点滅を制御する。
図1に示すように、路側通信機3は、車載装置2との間でダウンリンク情報S3とアップリンク情報S4との送受信を行う無線通信装置である。
この路側通信機3は、例えば、ITS無線システムを想定した、無線LANやWiMAX(World Interoperability for Microwave Access )等に準拠する中・広域の通信装置であり、図1の例では、交差点Cに流入する各道路のうち、主道路RM1,RM2を走行する車両5と通信可能となっている。
路側通信機3の通信領域の道路方向の延長(交差点Cからの走行方向長さ)は、交差点Cの手前を走行する車両5の走行軌跡が、交通指標の算出に利用可能となる距離(例えば、150〜200m程度)となるように設定されている。
路側通信機3が送信するダウンリンク情報S3には、中央装置4が配信した前記交通情報が含まれており、車載装置2はこの情報を受信できる。また、車載装置2が送信するアップリンク情報S4には、車両5の車両ID、位置、速度及び方位等を含む走行軌跡が含まれている。
車載装置2は、一部又は全部の車両5に搭載されており、路側通信機3との間でアップリンク情報S4とダウンリンク情報S3を無線で送受信する通信機能と、搭乗者が設定した目的地に案内するナビゲーション機能とを有する。
この車載装置2は、車両5が主道路R1,R2を交差点Cに向かって走行中に路側通信機3の通信領域に入ると、その通信機3から交通情報を受信し、走行軌跡を含むアップリンク情報S4を路側通信機3に送信する。
〔無線通信の方式〕
本実施形態の路側通信機3は、所定の通信周期(例えば、100m秒)ごとに、自身が無線送信する路側専用のタイムスロットを時分割多重方式で割り当ており、そのタイムスロット以外の時間帯は無線送信を行わない。
一方、車載装置2の無線通信機は、キャリアセンス方式による車車間通信を行うものであり、所定の搬送波周波数の受信レベルを常時感知し、その値がある閾値以上である場合は無線送信を行わず、当該閾値未満になった場合にのみ無線送信を行う。
従って、車載装置2の無線通信機は、路側通信機3の通信領域A(図6参照)の外側では、路側専用のタイムスロットとは無関係に無線送信を行うが、その通信領域Aの内側では、当該タイムスロット以外の時間帯にだけ無線送信が許容されている。
路側通信機3は、1回の通信周期における自身のタイムスロット以外の時間帯に、自装置の通信領域Aに含まれる1又は複数の車両5から、走行軌跡を含むアップリンク情報S4を受信することができる。
〔中央装置の交通制御〕
図2は、本実施形態の中央装置4が実行する交通制御のアプリケーションと、それに必要な入力情報である交通指標と、その交通指標の算出のために必要となるプローブ情報との関係を示す表である。
例えば、信号制御の高度化にために実施されるMODERATO制御やプロファイル制御に必要な交通指標(交通制御に対する入力情報)は、待ち行列台数と飽和交通流率であり、迂回路優先制御に必要な交通指標は、旅行時間と走行経路である。
また、交通流分析のために実施されるボトルネック位置の検出に必要な交通指標は、走行中の車両5の停止回数である。
更に、MOCSで行われるCO2排出量の推定には、車両5の停止回数(なお、この場合には、後述する反復停止と単独停止の区別が必要。)が必要であり、MOCSで行われる動態管理に必要な交通指標は、車両5の走行経路である。
〔交通指標の算出例〕
図3は、中央装置4が行う交通指標(待ち行列台数と飽和交通流率)の算出方法の例を示す道路平面図である。
図3(a)は、車載装置2を有するプローブ車両5が信号待ちによって交差点Cの上流側で停止している場合を示している。また、図3(b)は、その後、信号が青になり、プローブ車両5が交差点Cの停止線に対応する位置(交差点Cの内部にある通信領域Aの端部でもよい。)で走行軌跡をアップリンクした状態を示している。なお、図3において、ハッチングありの車両がプローブ車両5である。
ここで、情報中継装置6から取得したプローブ情報S5に、後述する単独停止イベント(信号待ちの場合の停止位置とそこからの再発進時刻を含む。)が含まれているとすると、中央装置4は、そのプローブ情報S5に含まれる停止位置を用いて、そこから地図データベース上における停止線までの距離を待ち行列長さLとする。
また、中央装置4は、上記待ち行列長さLを平均車頭間隔で割ることにより、待ち行列台数を算出する。
一方、中央装置4は、上記停止位置から停止線までの距離を求め、プローブ情報S5に含まれる再発進時刻とアップリンク受信時刻とを用いて、その停止位置から停止線までの所要時間を求める。
この場合、中央装置4は、停止線までの距離をその所要時間で割って交差点Cの通過速度を求め、この通過速度を平均車頭間隔で割ることにより、飽和交通流率を算出することができる。
〔車載装置〕
図4は、車載装置2の内部構成を示す機能ブロック図である。
図4に示すように、車載装置2は、GPS処理部201、方位センサ202、車速取得部203、無線通信部204、記憶部205、操作部206、表示部207、音声出力部208及び制御部209等を含む。
GPS処理部201は、GPS衛星からのGPS信号を受信し、GPS信号に含まれる時刻情報、GPS衛星の軌道、測位補正情報等に基づいて、プローブ車両5の位置(緯度、経度及び高度)を計測する。
方位センサ202は、光ファイバジャイロなどで構成されており、プローブ車両5の方位及び角速度を計測する。車速取得部203は、車速センサ(図示せず)が車輪の角速度を検出することにより計測したプローブ車両5の速度データを取得する。
車載装置2の無線通信部(無線通信機)204は、他の車載装置2との間でキャリアセンス方式での無線通信が可能であり、路側通信機3の通信領域Aでは当該路側通信機3との無線通信も可能となる。
すなわち、車載装置2の無線通信部204は、プローブ車両5が通信領域Aに入ると、交通情報を含むダウンリンク情報S3を受信し、自身の走行軌跡を含むアップリンク情報S4を路側通信機3に送信する。
車載装置2の記憶部205は、ハードディスクや半導体メモリ等から構成され、ダウンリンク情報S3に含まれる交通情報や、アップリンク情報S4に含める走行軌跡等の各種情報を記憶するための記憶領域を有する。
また、記憶部205は、道路地図データも記憶している。この道路地図データには、交差点IDと交差点の位置とを対応付けた交差点データが含まれている。また、道路地図データには、リンクIDと、リンクの始点・終点・補間点(道路が折れ曲がる地点に対応)それぞれの位置と、リンクの始点に接続するリンクのリンクIDと、リンクの終点に接続するリンクのリンクIDと、リンクコストとを対応付けたリンクデータも含まれている。
上記リンクコストは、例えば、リンクとその終点に接続するリンクの組み合わせの数だけ用意されており、リンクの始点に進入してから当該リンクの終点を退出し、次に接続するリンクの始点に進入するまでに要する時間が設定されている。
すなわち、リンクコストには、リンクの始点から終点までを走行するのに要するコスト(時間)と、リンクの終点から次のリンクの始点までを走行するのに要するコスト(時間)、つまり、交差点を通過するのに要するコストが含まれている。
車載装置2の操作部206は、タッチパネルやボタン等から構成されており、ドライバを含む車両5の搭乗者が目的地の設定等を行えるようになっている。
車載装置2の表示部207は、車両5のダッシュボード部分に取り付けられたモニタ装置(図示せず)よりなり、制御部209が後述する感応要求処理において作成した画像データを搭乗者に表示する。また、音声出力部208は、制御部209が作成した音声データをスピーカー(図示せず)から出力する。
車載装置2の制御部209は、マイクロコンピュータ等から構成され、GPS処理部201、方位センサ202、車速取得部203、無線通信部204、記憶部205、操作部206、表示部207、音声出力部208での各処理を制御する。
また、車載装置2の制御部209は、GPS処理部201が計測した車両5の位置、方位センサ202が計測した車両5の方位及び角速度、車速取得部203が取得した車両5の速度の各データ、記憶部205に記憶している道路地図データに基づいてマップマッチング処理を行い、道路地図データのリンク上におけるプローブ車両5の位置を算出することができる。
車載装置2の制御部209は、車両ID、時刻及び位置等を含む走行軌跡(図6参照)を所定時間(例えば、100m秒)ごとに生成しており、この走行軌跡をアップリンク情報S4に含めて無線通信部204から外部に送信させる。
路側通信機3は、上記走行軌跡を含むアップリンク情報S4を受信すると、このアップリンク情報S4を情報中継装置6に転送する。
〔情報中継装置〕
図5は、情報中継装置6の内部構成を示す機能ブロック図である。
図5に示すように、情報中継装置6は、第1インタフェース部21、第2インタフェース部22、中継部23、制御部24及び記憶部25を含む。
第1インタフェース部21は、中央装置4との間の通信と、交通信号制御機1との間の通信を行うための通信インタフェースであり、第2インタフェース部22は、路側通信機3との間の通信を行うための通信インタフェースである。
制御部24は、1又は複数のマイクロコンピュータから構成されており、内部バスを介して中継部23と記憶部25に接続されている。制御部24はこれら各部の動作を制御する。中継部23は、制御部24の制御指令に従い、各インタフェース部21,22で送受される各種情報を中継して、情報の送信先を決定する。
例えば、中継部23は、第1インタフェース部21が中央装置4から取得した交通情報を路側通信機3に送信し、第2インタフェース部22が路側通信機3から取得したアップリンク情報S4を自装置の制御部24に送信する。
中継部23は、アップリンク情報S4に含まれる走行軌跡に基づいて制御部24がプローブ情報S5を生成すると、そのプローブ情報S5を中央装置4に送信する。
また、記憶部25は、ハードディスクや半導体メモリ等から構成されており、各インタフェース部21,22が受信した各種情報(情報信号制御指令S1、制御種別情報S2及びアップリンク情報S4等)を一時的に記憶するとともに、制御部24が行う中継処理のための制御プログラムと、プローブ情報S5の生成処理のための制御プログラムとを記憶している。
本実施形態では、情報中継装置6の制御部24が、上記制御プログラムを読み出して、プローブ車両5が計測した走行軌跡に基づくイベント記録方式のプローブ情報S5の生成処理(図7)を行う。
このプローブ情報S5の生成処理には、当該処理内のサブルーチンとして、所定のイベント(走行挙動)が車両5に生じているかを走行軌跡から判定するイベント判定処理が含まれる(図7のステップSS5,SS9)。なお、この生成処理とこれに含まれるサブルーチンの内容については後述する。
なお、本実施形態においては、車両5から外部に送信される、走行軌跡を含む情報を「アップリンク情報S4」といい、その走行軌跡に基づいて情報中継装置6が判定したイベントを含む情報を「プローブ情報S5」という。
〔走行軌跡の種類とその送信タイミング〕
図6は、通信領域Aと走行軌跡の送信タイミングとの関係を示す道路平面図である。
図6に示すように、路側通信機3の通信領域A(路側通信機3の送信信号が届く範囲)に含まれる道路区間を区間La、その手前の通信領域A外の道路区間をLbとする。
車載装置2の制御部209は、路側通信機3と通信しない区間Lbの走行中に、所定時間(例えば100m秒)ごとの車両5の走行軌跡を記憶部205に蓄積させている。
また、制御部209は、車両5が区間Laに入って路側通信機3からダウンリンク信号S3を受信すると、これを契機として走行軌跡の蓄積を停止し、かつ、それまでに蓄積した走行軌跡(以下、「蓄積軌跡」という。)を含むアップリンク情報S4を、無線通信部204に送信させる。
更に、制御部209は、車両5が区間Laを走行している間は、所定時間(例えば、100m秒)ごとにほぼリアルタイムの走行軌跡(以下、「リアルタイム軌跡」という。)を含むアップリンク情報S4を、無線通信部204に送信させる。
図6に示すように、車載装置2の制御部209は、上記蓄積軌跡Taを含む複数のアップリンク情報S4の送信を、リアルタイム軌跡Tri(i=1,2,……)を含むアップリンク情報S4の送信時間の間の時間帯に行い、路側通信機3は、各軌跡Tri,Taを含む複数のアップリンク情報S4を時分割で受信する。なお、本実施形態では、車載装置2が生成する1つの走行軌跡には、次の情報が含まれている。
・ プローブ車両5の車両ID
・ 日時(時刻)
・ 位置情報(緯度、経度及び高度)
・ プローブ車両5の速度及び方位
また、本実施形態では、車載装置2の制御部209は、通信領域Aにおいて外部に送信する複数の蓄積軌跡Taのうち、時刻が最新のものについては、その蓄積軌跡Taが最終であることを示す「最終フラグ」を付している。以下、この最終フラグ付きの蓄積軌跡を「最終蓄積軌跡Tae」という。
〔プローブ情報の生成処理〕
図7は、情報中継装置6の制御部24が行う、プローブ情報S5の生成処理の内容を示すフローチャートである。以下、図7を参照しつつ、その処理内容を説明する。
図7に示すように、情報中継装置6の制御部24は、まず、路側通信機3を通じて同一の車両5についての複数のアップリンク情報S4を取得すると、その車両5について、連続して所定時間(図例では1秒間)だけリアルタイム軌跡Triがないか否かを判定する(ステップSS1)。
上記判定結果が否定的ある場合、すなわち、その所定時間内にリアルタイム軌跡Triがある場合には、同じ車両IDの走行軌跡をその発生時刻順にソートして、この時刻順の走行軌跡を記憶部25に記憶させる(ステップSS2)。
次に、制御部24は、記憶した複数の走行軌跡の発生時刻に基づいて、走行軌跡の中に蓄積軌跡Taが含まれているか否かを判定し(ステップSS3)、含まれている場合には、更にその蓄積軌跡Taに最終蓄積軌跡Taeが含まれている否かを判定する(ステップSS4)。
上記判定結果がいずれも肯定的である場合(ステップSS3,SS4がいずれもYes)には、制御部24は、イベント判定処理を実行する(ステップSS5)。なお、このイベント判定処理の内容については後述する。
また、蓄積軌跡Taがない場合(ステップSS3でNo)には、制御部24は、最終蓄積軌跡Taeの有無を判定せずに、イベント判定処理を実行し(ステップSS5)、蓄積軌跡Taがあるが最終蓄積軌跡Taeがない場合(ステップSS3でYes、ステップSS4でNo)には、制御部24は、処理をステップSS1の前に戻す。
情報中継装置6の制御部24は、上記イベント判定処理が終了すると、プローブ情報S5に含めるべき所定のイベント(後述する単独停止や方向変動等)が存在したか否かを判定する(ステップSS6)。
制御部24は、上記イベントが存在する場合には、判定したイベントを含むプローブ情報S5を生成して外部に送信するとともに(ステップSS7)、今回のイベント判定に用いた走行軌跡を記憶部25の記憶領域から消去して(ステップSS7)、処理をステップSS1の前に戻す。
また、制御部24は、ステップSS6の判定においてイベントが存在しない場合にも、処理をステップSS1の前に戻す。
一方、ステップSS1の判定結果が肯定的である場合、すなわち、その所定時間内にリアルタイム軌跡Triがない場合には、制御部24は、イベント判定処理を念のために実行するとともに(ステップSS9)、複数のリアルタイム軌跡Triの中から通過イベントを生成して、この通過イベントを含むプローブ情報S5を中央装置4に送信する(ステップSS10)。
なお、この通過イベントとは、車両5が通信領域Aを通過した事実を示すイベントであり、本実施形態では、複数のリアルタイム軌跡Triの中の最終のもの(図6のTr5)が通過イベントとして選択される。
もっとも、通過イベントは、複数のリアルタイム軌跡Triの中から任意の1つのものを抽出すれば足りるので、最終の軌跡Tr5に限られず、それ以外のリアルタイム軌跡Tr1〜Tr4であってもよい。
その後、情報中継装置6の制御部24は、同じ車両IDの走行軌跡をすべて記憶部25から消去して、プローブ情報S5の生成処理を終了する。
なお、図7では、1つの車両IDに着目した生成処理を記載しているので、実際には、図7に示す処理が各車両IDごとに並行して行われる。
また、図7に示す生成処理において、ステップSS1〜SS4までの処理と、ステップSS5以降の処理とを、車両IDごとに並行して処理することにしてもよい。
〔プローブ情報の生成処理の効果〕
本実施形態の情報中継装置(情報処理装置)6によれば、制御部24が、通信領域A内の位置を含む走行軌跡である複数のリアルタイム軌跡Tr1〜Tr5のうちのいずれか1つを、通信領域Aの通過を示すイベントとしてプローブ情報S5に含めるので(図7のステップSS10)、車両5が通信領域Aを通過した事実がイベントとして必ずプローブ情報S5に含められ、事実に即した正確なプローブ情報S5が得られる。
また、本実施形態では、情報中継装置6の制御部24が、通信領域A外で車両5が蓄積した走行軌跡である複数の蓄積軌跡Taのうち、最終フラグ付きである最終蓄積軌跡Taeの検出をイベント判定のトリガとしているので(図7のステップSS4でYes)、車両5が生成する蓄積軌跡Taがすべて揃った状態でイベントの判定が開始され、当該イベントの判定を正確に行うことができる。
もっとも、最終フラグの検出を必須とすると、通信不良等の原因で最終フラグ付きの蓄積軌跡Taeが検出できなかった場合には、これまで取得した蓄積軌跡Taがすべて無駄になる恐れがある。
この点、本実施形態では、蓄積軌跡Taの最終受信時から所定時間が経過したこともイベント判定のトリガとなっているので(図7のステップSS1でYes)、最終蓄積軌跡Taeが検出できなかった場合でも、最終受信時までに取得した蓄積軌跡Taを用いてイベント判定を実行することができ、それまでに取得した蓄積軌跡Taが無駄になるのを防止することができる。
また、本実施形態の情報中継装置6によれば、制御部24が、判定したイベントを含むプローブ情報S5を出力した後に、当該イベントの判定に用いた複数の蓄積軌跡Taとリアルタイム軌跡Triを、記憶部25からその都度消去するようになっているので(図7のステップSS8)、記憶部25の記憶容量を低減できるという利点がある。
更に、本実施形態の情報中継装置6によれば、制御部24が、記憶部25が時系列に記憶したこれまでの走行軌跡ではイベントを判定できない場合(図7のステップSS6でNo)であっても、最初のステップSS1に戻すことにより、新たに取得した走行軌跡を更に記憶部25に記憶させてイベントの判定を継続するので、所定時間内にリアルタイム軌跡Triが得られている間は、新たに取得した走行軌跡によってイベントが見つかる可能性が残っており、イベントの判定を正確に行うことができる。
〔イベント判定処理〕
次に、情報中継装置6の制御部24が実行する「イベント判定処理」のサブルーチン(図7のステップSS5,SS9)について説明する。
本実施形態では、交通指標の演算等に利用可能な走行中の車両5に生じるイベントの種別として、停止、方向変動及び一定距離走行を採用しており、これらのイベント種別ごとに判定処理のサブルーチンが存在する。そこで、以下、そのイベント種別ごとの判定処理について説明する。
〔停止イベントに関する判定処理〕
本実施形態において、情報中継装置6の制御部24が判定する停止イベントには、「単独停止」と「反復停止」とがある。
図8は、それら単独停止と反復停止との判定方法を示すグラフである。図8のグラフにおいて、横軸は車両5の走行距離であり、縦軸は速度である。
また、図8の第1閾値V1は、車両5の停止が反復停止か単独停止かを判別するための閾値であり、例えば30km/hに設定されている。第2閾値V2は、これ未満の速度の場合に実質的に停止と見なせる値であり、例えば5km/hに設定されている。
ここで、「単独停止」とは、非渋滞走行状態からの停止のことであり、非渋滞交差点での信号待ち停止や、渋滞交差点での最初の停止がこれに該当する。また、「反復停止」とは、渋滞走行状態からの停止のことであり、渋滞のために車両5が停止と発進を繰り返す場合(Stop & Go )を想定したイベントである。
例えば、図8の点A及び点Bのように、車両5の速度が、第1閾値(渋滞判定用の速度閾値)V1を超えた状態から減少し、その速度が第2閾値(停止判定用の速度閾値)V2を下回って車両5が停止した場合には、「単独停止」と判定される。
一方、図8の点Cのように、車両5の速度が、第1閾値V1未満の範囲内において増減してから、その速度が第2閾値V2を下回って当該車両5が停止した場合には、「反復停止」と判定される。
以上の判定条件の下で、情報中継装置6の制御部24は、特定の車両IDについて時系列にソートされた複数の走行軌跡に対して、次の各処理(1)〜(5)を実行する。
(1) まず、制御部24は、イベント判定処理のサブルーチンの起動時に、反復停止の回数、単独停止の回数、再発進時刻と停止位置、及び、高速走行フラグをすべてクリアする。
(2) 制御部24は、予め設定された所定時間(例えば、1秒)ごとに、走行軌跡から特定される車両5の速度を監視しており、この所定時間ごとの速度が第1閾値V1以上になれば、高速走行フラグをオンに設定する。
(3) 次に、制御部24は、車両5の速度が第2閾値V2未満の状態が、一定秒数(定数設定:例えば5秒)継続した場合には、車両5が停止したと判定する。
この場合、高速走行フラグがオンの場合は、車両5が図8の点A又は点Bの状態であると見なせるので、単独停止の回数をインクリメントし、高速走行フラグがオフの場合は、図8の点Cの状態であるとみなせるので、反復停止の回数をインクリメントする。
(4) また、制御部24は、車両5の停止を判定した後、速度が第2閾値V2を超えた場合には、車両5が再発進したと判定する。このとき、高速走行フラグがオンの場合は、単独停止の場合に該当するので、その再発進時刻、停止位置及び停止時間を記憶部25に記憶させる。
ただし、制御部24は、停止位置付きの単独停止のイベントについて、プローブ情報S5に含める限定数(定数設定:例えば5回)を予め設定している。
従って、制御部24は、単独停止の回数が上記限定数を超える場合には、例えば最も古いデータに上書きして、単独停止の再発進時刻、停止位置及び停止時間を更新する。また制御部24は、最後に高速走行フラグをオフに設定する。
(5) そして、制御部24は、上記(1)〜(4)の処理によって単独停止のイベントを検出した場合には、以下のイベント情報(a)をいったん記憶部25に記憶させる。
(a) 単独停止のイベント情報
・停止位置、再発進時刻及び停止時間
・前回のアップリンクイベントから当該単独停止の前に発生した反復停止の回数
・前回のアップリンクイベントから当該単独停止の前に発生した、データ更新によってアップリンクイベントではなくなった単独停止の回数
なお、本明細書において、上記「アップリンクイベント」とは、少なくとも位置情報を有するイベントとして、外部に送信するプローブ情報S5に含めるイベントのことであって、停止位置を有する上記(a)の単独停止イベントの他、後述する方向変動又は一定距離走行のイベントがこれに含まれる。
上記イベント情報(a)から明らかなように、情報中継装置6の制御部24は、停止イベントが「単独停止」の場合には、停止位置、再発進時刻及び停止時間をプローブ情報S5に含めるが、「反復停止」の場合には、その停止位置、再発進時刻及び停止時間をプローブ情報S5に含めない。
ただし、単独停止と反復停止の停止回数については、次のアップリンクイベントに付随するイベント情報として、プローブ情報S5に含められる。
このように、本実施形態の情報中継装置6によれば、制御部24が、信号待ち等が原因の単独停止と、停止と発進を繰り返す反復停止とを別個のイベントとして判定し、待ち行列台数や飽和交通流率の算出に必要な単独停止については、停止位置、再発進時刻及び停止時間をイベント情報として含み、反復停止については、その停止回数のみが別のアップリンクイベントのイベント情報に含められる。
従って、プローブ情報S5の記憶や送信のためのデータ量を効率的に使用しつつ、待ち行列台数や飽和交通流率等の交通指標を算出可能なプローブ情報S5を生成することができる。
また、停止回数については、単独停止と反復停止の判別が可能となるように各アップリンクイベントのイベント情報に含められるので、情報中継装置6からのプローブ情報S5を取得した中央装置4は、そのアップリンクイベントに含まれる停止回数を用いて、MOCSによるCO2の排出量の推定を実行することができる。
〔方向変動イベントに関する判定処理〕
図9は、方向変動イベントの例を示す道路平面図である。
図9(a)は、交差点での右折(ただし、左折でもよい。)に生じる方向変動イベントを示し、図9(b)は、比較的急カーブの単路で生じる方向変動イベントを示している。
情報中継装置6の制御部24は、図9に示すような、曲率半径が小さくて車両5の走行方向の変化が大きい「方向変動」をイベントとして判定するため、特定の車両IDについて時系列にソートされた複数の走行軌跡に対して、各処理(1)〜(5)を実行する。
(1) まず、制御部24は、一定時間(定数設定:例えば1秒)ごとに、隣接する走行軌跡の距離を監視し、記憶部25に前回記憶させた前回軌跡から、車両5が一定距離(定数設定:例えば10m)以上走行すれば、その位置(緯度・経度)及び方位(ない場合は前回との相対位置から求める。)を今回軌跡として記憶部25に記憶させる。
(2) 次に、制御部24は、前回軌跡と今回軌跡との方位差が一定(定数設定:例えば5度)以上あれば、方位変化が開始されたと見なす。
(3) 更に、制御部24は、前回軌跡と今回軌跡との間の方位差が、一定(定数設定:例えば5度)未満の状態が一定回数(定数設定:例えば2回)になれば、方位変化が終了したとみなす。
(4) 次に、制御部24は、方位変化の開始時点の方位と、方位変化の終了時点の方位との差が一定(定数設定:例えば30度)以上であれば、「方向変動」のイベントが発生したとみなし、その方位変化の終了時点での時刻、位置及び方位を記憶部25に記憶させる。
ただし、制御部24は、方向変動のイベントと後述する一定距離走行のイベントについては、前記単独停止とは別に、プローブ情報S5に含めることができる限定数(定数設定:例えば2回)を予め設定しているものとする。
従って、制御部24は、それらのイベントの合計回数が上記限定数を超える場合には、最も最も古いデータに上書きして、方位変化の終了時刻、終了位置及び絶対方位を更新する。
(5) そして、制御部24は、上記(1)〜(4)の処理によって方向変動のイベントを検出した場合には、以下のイベント情報(b)をいったん記憶部25に記憶させる。
(b) 方向変動のイベント情報
・方位変化の終了時刻、終了位置及び絶対方位
・前回のアップリンクイベントから当該方向変動の前に発生した反復停止の回数
・前回のアップリンクイベントから当該方向変動の前に発生した、データ更新によってアップリンクイベントではなくなった単独停止の回数
〔一定距離走行イベントに関する判定処理〕
また、情報中継装置6の制御部24は、車両5が十分に長い一定距離だけ走行したか否か(一定距離走行)をイベントとして判定するため、特定の車両IDについて時系列にソートされた複数の走行軌跡に対して、次の処理(1)〜(4)を実行する。
(1) まず、制御部24は、前記停止イベント(単独停止及び反復停止)又は方向変動イベントのいずれかが発生した時に、累積走行距離をクリアする。また、制御部24は、累積走行距離が一定距離(定数設定:例えば500m)を越える前に、方向変動のイベントが発生した場合も累積走行距離をクリアする。
(2) 次に、制御部24は、一定時間(定数設定:例えば1秒)ごとに走行軌跡の時刻を監視し、前回のイベントからの走行距離を積算して行く。
(3) また、制御部24は、累積走行距離が一定距離(定数設定:例えば500m)を越えれば、一定距離走行イベントが発生したと見なし、時刻、位置および方位を記憶部25に記憶させる。
ただし、前記した通り、方向変動と一定距離走行の合計数に限定数(定数設定:例えば2回)が設定されているので、制御部24は、それらのイベントの合計回数がその限定数を超える場合には、制御部24は、例えば最も古いデータに上書きして、累積走行距離を更新する。
(4) そして、制御部24は、上記(1)〜(3)の処理によって一定走行距離のイベントを検出した場合には、以下のイベント情報(c)をいったん記憶部25に記憶させる。
(c) 一定距離走行のイベント情報
・一定距離走行の終了時刻、位置および累積走行距離
・前回のアップリンクイベントから当該一定距離走行の前に発生した反復停止の回数
・前回のアップリンクイベントから当該一定距離走行の前に発生した、データ更新によってアップリンクイベントではなくなった単独停止の回数
〔停止イベントに関する例外処理〕
ところで、図9(a)の点Pは、右折時における交差点内の停止位置を示している。ここで、右折車線に先行車両がない場合には、走行中の車両5が点Pにおいて第2閾値V2未満まで減速し、当該点Pにおいて単独停止又は反復停止が生じる場合がある。
しかし、交差点内の点Pは、信号待ちとは無関係であり、前記待ち行列台数や飽和交通流率の算出には不要であるため、これを停止イベントとして採用すると、無駄なイベント情報を含むプローブ情報S5が中央装置4に通知されることになる。
そこで、情報中継装置6の制御部24は、記憶部25に含まれる道路地図データを参照することにより、車両5の走行位置が道路地図データにおけるどの位置であるかに基づいて、方位変更中の車両5の停止イベントが、図9(a)の点Pに示すような、右折時における交差点内での停止である右折停止か否かを判定し、当該右折停止の場合には、これを前記単独停止や反復停止としては採用しない。
すなわち、制御部24は、上記右折停止については、これをアップリンクイベントとせず、プローブ情報S5に含めない停止イベントとして処理する。
これに対して、図9(b)の点Qは、比較的急カーブの単路での方位変更中における車両5の停止位置を示している。ここで、単路の下流側にある交差点の信号が赤になっている場合には、走行中の車両5が点Qにおいて第2閾値V2未満まで減速し、当該点Qにおいて単独停止或いは反復停止が生じる場合がある。
従って、このような単路での方位変更中の点Qでの停止は、図9(a)の右折時とは異なり、待ち行列台数や飽和交通流率の算出に必要であると考えられるため、プローブ情報S5に含める停止イベントとすべきである。
そこで、情報中継装置6の制御部24は、記憶部25に含まれる前記道路地図データを参照することにより、車両5の走行位置が道路地図データにおけるどの位置であるかに基づいて、方位変更中の車両5の停止イベントが、図9(b)の点Qに示すような、単路での方位変更中の停止である単路停止か否かを判定し、当該単路停止の場合には、これを単独停止又は反復停止として採用する。
すなわち、制御部24は、上記単路停止については、これをプローブ情報S5に含める停止イベントとして処理する。
〔停止位置と再発進時刻の判定方法〕
図10は、停止位置と再発進時刻の判定方法を示すグラフである。
図10のグラフは、図8のグラフにおける、単独停止の点Aの近傍を拡大したものである。
前記した通り、本実施形態では、速度が第2閾値V2未満となったことで車両5の停止を判定するので、速度が第2閾値V2を下回った時の位置A1から、その後、速度が第2閾値V2を超えた時の位置A2までのどこかで単独停止が発生したことは分かるが、その位置A1〜A2の範囲内で生じた実際の単独停止の位置は特定できない。
そこで、単独停止の停止位置やその後の再発進時刻を抽出するには、上記範囲内のどこの位置を採用するかを決定する必要があるが、待ち行列台数の算出に使用する停止位置の場合には、その台数を多めに見積もる方が交通制御の際に好ましいので、位置A1〜A2の範囲内で最も上流側の位置A1での時点を選択すべきである。
また、飽和交通流率の算出に使用する再発進時刻の場合には、飽和交通流率を小さめに見積もる方が交通制御の際に好ましいため、位置A1〜A2の範囲内で最も下流側の位置A2での時点を選択すべきである。
このため、本実施形態の制御部24では、車両5の速度が第2閾値V2を下回った時点の位置A1を、単独停止の停止位置と判定し、その後に車両5の速度が第2閾値を超えた位置A2の時点を、単独停止後の再発進時刻と判定するようになっている。
なお、単独停止後の再発進時刻については、上流側の停止時刻(位置Aでの停止時刻)と停止時間(停止してから再発進するまでの時間)をプローブ情報S5に含めておき、これらに基づいて、中央装置4側で再発進時刻を求めるようにしても良い。
〔プローブ情報のフレーム内容〕
図11は、情報中継装置6の制御部24が生成するプローブ情報S5のフレームフォーマットを示す表である。
図11に示すように、プローブ情報S5のデータ領域には、ヘッダ、基本項目及び属性種別が含まれており、ヘッダには、単独停止の回数と反復停止の回数とを記載することができる。
また、基本項目には、位置と計測時刻の記載領域が含まれており、位置は、緯度と経度で記載され、計測時刻は時分秒で記載される。
更に、属性項目には、イベント種別とイベント値の記載領域が含まれている。イベント種別には、その種別或いはフラグが記載され、イベント値には、イベント種別に応じた値として、方位、停止時間及び走行距離のうちの少なくとも1つが記載される。
〔プローブ情報のビット割り当て〕
図12は、プローブ情報S5に記す各種情報のビット割り当てを示す表である。
図12に示すように、単独停止の場合の停止時間は8ビットで表され、当初ビットの値で秒と分の場合に区分し、残りの7ビットで時間を表すようになっている。このため、1秒を最小単位として、16進数で0x01(1秒)から0xff(127分)までの時間を割り当てることができる。
また、方向変動の場合の絶対方位は、北を「1」とし、時計回りに16単位として割り当てられている。
更に、一定距離走行や方向変動の場合の、前回イベントからの走行距離には8ビットが割り当てられており、5m単位になっている。この場合、16進数で0x01(5m)から0xff(1275m)までの走行距離を割り当てることができる。
〔無線通信部の変形例〕
図13は、本発明が適用可能な別の交通制御システムを示す道路平面図である。
図13に示す変形例が上記実施形態と異なる点は、車載装置2の無線通信部204が携帯電話機2A等のモバイル通信端末よりなり、車載装置2が計測した走行軌跡を、当該モバイル通信端末を通じて中央装置4に送信するようにした点にある。
この場合、走行軌跡を含むアップリンク情報S4は、携帯電話機2Aの基地局装置2Bに伝送され、インターネット等の通信網を介して中央装置4に送られる。
上記携帯電話機2Aは、中央装置Aの管轄エリア内のほぼすべての道路からアップリンク情報S4を送信できるが、伝搬遅延が大きいためリアルタイム軌跡の送信には不向きである。そこで、この場合には、所定時間ごとに蓄積された前記蓄積軌跡を、所定の送信タイミング(例えば、100秒ごと、1km走行完了ごと又は交差点通過ごと等)で送信することが好ましい。
また、図13の変形例では、携帯電話機2Aが送信した走行軌跡を含むアップリンク情報S4が、基地局装置2Bに伝送される。
このため、上記実施形態において情報中継装置6(図1)が行っていたプローブ情報S5の生成処理を、そのまま当該基地局装置2Bにおいて行うようにしてもよいし、その走行軌跡を含むアップリンク情報S4を中央装置4に伝送し、中央装置4がプローブ情報S5の生成処理を行うことにしてもよい。
〔プローブ情報の生成処理の変形例〕
図14は、情報中継装置6の制御部24が行うプローブ情報S5の生成処理の変形例を示すフローチャートである。
図14に示す生成処理が上記実施形態の生成処理(図7)と異なる点は、特定の車両IDについての走行軌跡(蓄積軌跡Taやリアルタイム軌跡Tri)がすべて揃ってから、一括してイベント判定処理とイベント抽出処理を行うようになっており、このため、既に抽出したイベントに対応する走行軌跡を記憶部25からその都度消去する処理(図7のステップSS8)を、実行しない点にある。
すなわち、この場合の情報中継装置6の制御部24は、特定の車両IDについて、連続して所定時間(図例では1秒間)だけ走行軌跡がないか否かを判定し(ステップSX1)、この判定結果が否定的である間(ステップSX1でNo)、すなわち、所定時間内に走行軌跡が検出されている間は当該判定に戻り、この判定結果が肯定的になった場合(ステップSX1でYes)に、同じ車両IDの走行軌跡をその発生時刻順にソートして、この時刻順の走行軌跡を記憶部25に記憶させる(ステップSX2)。
従って、特定の車両IDの車両5が通信領域Aにおいて所定時間内にアップリンクするすべての走行軌跡が、情報中継装置6の記憶部25に蓄積される。
その後、制御部24は、特定の車両IDについて所定時間内に検出されたすべての走行軌跡を用いて、イベント判定処理を実行し(ステップSX3)、イベントがある場合は、それを含むプローブ情報S5を生成するとともに、複数のリアルタイム軌跡Triの中から通過イベントを生成して、それらのイベントを含むプローブ情報S5を中央装置4に送信する(ステップSX4)。
そして、制御部24は、今回のイベント判定に用いたすべての走行軌跡を記憶部25の記憶領域から消去して(ステップSX5)、処理を終了する。
この変形例に係る情報中継装置6では、判定済みのイベントに対応する走行軌跡を記憶部25からその都度消去する処理(図7のステップSS8)を実行しないので、上記実施形態の場合に比べて記憶容量が大きい記憶部25が必要となるが、イベント判定のサブルーチンを実行するので(ステップSX3)、この処理の実行に伴う効果を奏する点では上記実施形態と同様である。
なお、車載装置2と路車間通信する光ビーコン(図示省略)と情報中継装置6とが通信回線で接続されているシステムの場合には、光ビーコンにアップリンクされた走行軌跡を含むアップリンク情報を情報中継装置6が受信し、そのアップリンク情報に含まれる走行軌跡に基づいて、情報中継装置6の制御部24が図14のステップSX2以下の処理を行っても良い。
また、この場合、情報中継装置6が上記アップリンク情報を中央装置4に送信し、それを受信した中央装置4が図14のステップSX2以下の処理を行っても良い。
〔その他の変形例〕
上記実施形態は例示であって本発明の範囲を制限するものではない。本発明の権利範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の構成と均等の範囲内のすべての変更が本発明に含まれる。
例えば、図1に示す交通制御システムにおいて、情報中継装置6から中央装置4までの伝送容量に余裕がある場合には、走行軌跡を含むアップリンク情報S4をそのまま中央装置4に送り、当該中央装置4にてプローブ情報S5の生成処理を行っても良い。
また、路側通信機3を、情報中継装置6ではなく交通信号制御機1に接続し、この交通信号制御機1においてイベント判定処理を含むプローブ情報S5の生成処理を行って中央装置4に送信することにしても良い。
更に、本発明は、中央装置4が広域制御を行う場合に限らず、LANに含まれる複数の交通信号制御機1が、中央装置4による制御とは別個のグループ単位での系統制御又は広域制御を行う場合にも適用することができる。
1 交通信号制御機
2 車載装置
3 路側通信機
4 中央装置
5 プローブ車両
6 情報中継装置(情報処理装置)
21 第1インタフェース部
22 第2インタフェース部(取得手段)
23 中継部
24 制御部(イベント判定手段、情報生成手段)
25 記憶部(記憶手段)

Claims (15)

  1. イベント記録方式のプローブ情報を生成する路側の情報処理装置であって、
    車両の複数の走行軌跡を取得する取得手段と、
    取得した複数の前記走行軌跡に基づいて、前記車両の前回の停止から当該車両の速度が所定の第1閾値以上となって当該車両が停止する単独停止と、この単独停止以外の停止である反復停止とを別個のイベントとして判定するイベント判定手段と、
    前記単独停止については、その停止位置を前記プローブ情報に含めて当該プローブ情報を生成し、前記反復停止については、その停止位置を前記プローブ情報に含めずに当該プローブ情報を生成する情報生成手段と、
    を備えていることを特徴とする情報処理装置。
  2. イベント記録方式のプローブ情報を生成する路側の情報処理装置であって、
    車両の複数の走行軌跡を取得する取得手段と、
    取得した複数の前記走行軌跡に基づいて、非渋滞走行状態からの停止である単独停止と、渋滞走行状態からの停止である反復停止とを別個のイベントとして判定するイベント判定手段と、
    前記単独停止については、その停止位置を前記プローブ情報に含めて当該プローブ情報を生成し、前記反復停止については、その停止位置を前記プローブ情報に含めずに当該プローブ情報を生成する情報生成手段と、
    を備えていることを特徴とする情報処理装置。
  3. 前記取得手段は、所定の通信領域において前記車両が無線送信した複数の前記走行軌跡を取得する通信インタフェースよりなり、
    前記情報生成手段は、前記通信領域内で前記車両がリアルタイムに送信した前記走行軌跡である複数のリアルタイム軌跡のうちのいずれか1つを、前記通信領域の通過を示すイベントとして前記プローブ情報に含める請求項1又は2に記載の情報処理装置。
  4. 前記イベント判定手段は、前記通信領域外で前記車両が蓄積した前記走行軌跡である複数の蓄積軌跡のうちの最終フラグ付きの当該蓄積軌跡の検出をトリガとして、前記イベントの判定を実行する請求項に記載の情報処理装置。
  5. 前記イベント判定手段は、最終フラグ付きの前記蓄積軌跡を検出しない場合には、複数の前記蓄積軌跡の最終受信時からの所定時間の経過をトリガとして、前記イベントの判定を実行する請求項に記載の情報処理装置。
  6. 取得した複数の前記走行軌跡をその時刻で時系列に記憶可能な記憶手段を更に備え、
    前記情報生成手段は、判定した前記イベントを含む前記プローブ情報を出力した後に、当該イベントの判定に用いた複数の前記走行軌跡を前記記憶手段から消去する請求項1〜のいずれか1項に記載の情報処理装置。
  7. 前記イベント判定手段は、前記記憶手段が時系列に記憶したこれまでの前記走行軌跡では前記イベントを判定できない場合に、新たに取得した前記走行軌跡を更に前記記憶手段に記憶させて前記イベントの判定を継続する請求項に記載の情報処理装置。
  8. 前記イベント判定手段は、前記車両が停止状態から再発進した後、前記第1閾値未満の範囲で前記車両の速度が増減してから当該車両が停止した場合を、前記反復停止と判定する請求項1,3〜7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
  9. 前記情報生成手段は、前記単独停止及び前記反復停止のいずれのイベントの場合も、その停止回数を前記プローブ情報に含めて当該プローブ情報を生成する請求項1〜のいずれか1項に記載の情報処理装置。
  10. 前記情報生成手段は、前記単独停止については、その停止位置に加えて更にその停止時間を前記プローブ情報に含めて当該プローブ情報を生成する請求項1〜9のいずれか1項に記載の情報処理装置。
  11. 前記情報生成手段は、前記単独停止については、その停止位置に加えて更にその再発進時刻を前記プローブ情報に含めて当該プローブ情報を生成する請求項1〜10のいずれか1項に記載の情報処理装置。
  12. イベント記録方式のプローブ情報を生成する路側の情報処理装置であって、
    車両の複数の走行軌跡を取得する取得手段と、
    取得した複数の前記走行軌跡に基づいて、右折時における交差点内での停止である右折停止と、単路での方位変更中の停止である単路停止とを別個のイベントとして判定するイベント判定手段と、
    前記右折停止については、前記プローブ情報に含めない停止イベントとし、前記単路停止については、前記プローブ情報に含める停止イベントとする情報生成手段と、
    を備えていることを特徴とする情報処理装置。
  13. 道路地図情報を記憶する記憶手段を更に備え、
    前記イベント判定手段は、前記車両の走行位置が前記道路地図情報におけるどの位置であるかに基づいて、方位変更中の前記車両の停止が前記右折停止か前記単路停止かを判別する請求項12に記載の情報処理装置。
  14. イベント記録方式のプローブ情報を生成する処理を、路側に設置されたコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、
    車両の複数の走行軌跡を取得するステップと、
    取得した複数の前記走行軌跡に基づいて、前記車両の前回の停止から当該車両の速度が所定の第1閾値以上となって当該車両が停止する単独停止と、この単独停止以外の停止である反復停止とを別個のイベントとして判定するステップと、
    前記単独停止については、その停止位置を前記プローブ情報に含めて当該プローブ情報を生成し、前記反復停止については、その停止位置を前記プローブ情報に含めずに当該プローブ情報を生成するステップと、
    を含むことを特徴とするコンピュータプログラム。
  15. イベント記録方式のプローブ情報を生成する処理を、路側に設置されたコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、
    車両の複数の走行軌跡を取得するステップと、
    取得した複数の前記走行軌跡に基づいて、右折時における交差点内での停止である右折停止と、単路での方位変更中の停止である単路停止とを別個のイベントとして判定するイベント判定手段と、
    前記右折停止については、前記プローブ情報に含めない停止イベントとし、前記単路停止については、前記プローブ情報に含める停止イベントとするステップと、
    を含むことを特徴とするコンピュータプログラム。
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