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JP5103410B2 - トナーの製造方法およびトナー、現像剤、現像装置ならびに画像形成装置 - Google Patents

トナーの製造方法およびトナー、現像剤、現像装置ならびに画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、トナーの製造方法、その製造方法で製造されたトナー、前記トナーを含む現像剤、ならびに前記現像剤を用いる現像装置および画像形成装置に関する。
従来から、トナー粒子などの粉体粒子の特性を向上させることを目的として、粉体粒子の表面を被覆材料で被覆する表面改質処理が行われている。
粉体粒子の表面改質処理の方法としては、たとえば、スクリュー、ブレード、ロータなどの回転撹拌手段で粉体粒子に機械的撹拌力を付与することによって粉体粒子を粉体流路内で流動させ、流動状態にある粉体粒子にスプレーノズルから被覆材料を噴射する方法がある。
このような表面改質処理方法として、特許文献1には、周速度5〜160m/secで回転撹拌手段を回転させて粉体粒子を流動させ、この流動状態にある粉体粒子にスプレーノズルから液体を噴霧することによって、液体に含まれる微小固体粒子を粉体粒子表面に固着させる、または液体に含まれる被覆材料の膜を粉体粒子表面に形成する固体粒子の表面改質方法が開示されている。特許文献1に開示の表面改質方法によれば、被覆材料と粉体粒子との密着性を高めることができ、かつ表面改質処理に要する時間を短縮することができる。
また、特許文献2には、内核粒子表面に樹脂粒子を付着させ、該樹脂粒子を溶解する溶剤で処理することによって内核粒子表面に被覆層を形成するマイクロカプセルの製造方法が開示されている。この製造方法は、少なくとも、内核粒子表面に樹脂粒子を付着させる工程、樹脂粒子が溶解する溶剤によって該樹脂粒子を処理する工程、処理した粒子を乾燥および回収する工程から成る。特許文献2に開示の製造方法によれば、種々の被覆層を任意の膜厚でかつ均一に制御することができる。
特公平5−10971号公報 特開平4−211269号公報
しかしながら、特許文献1に開示の方法では粉体粒子表面の凹凸は考慮されていないので、粉体粒子表面に凹凸が多くある場合には、微小個体粒子が凹部に堆積するので粉体粒子表面に微小固体粒子を均一に付着させることが難しく液体を噴霧して膜化させても膜の厚みがばらつく問題がある。
また、粉体粒子表面を樹脂微粒子で被覆すると定着時にワックスが染み出しにくくなるので、トナーと定着ローラとの離型性が悪くなり、高温オフセットが発生しやすくなるなどの定着性に関する問題が発生する場合がある。これらの問題は、特許文献2に開示の方法でも解決できない。
本発明の目的は、被覆層の膜厚が均一で、表面に被覆層が形成されているにもかかわらず定着時の離型剤の染み出しが良く、定着性の良好なトナーの製造方法、前記製造方法で製造されたトナー、前記トナーを含む現像剤、ならびに前記現像剤を用いる現像装置および画像形成装置を提供することである。
本発明は、熱風式球形化装置を用いて、結着樹脂および着色剤を含む処理前母粒子を球形化処理し、形状係数SF2が110以上135以下であり、表面の離型剤の露出量がトナー母粒子全量の2.3重量%以上であるトナー母粒子を得る処理前母粒子表面処理工程を行い、
回転羽根を周設した回転盤と回転軸とからなる回転撹拌手段によってトナー母粒子および樹脂微粒子を、回転撹拌室および循環管を含む粉体流路内において繰り返し循環させ回転撹拌室に戻す循環手段と、トナー母粒子および樹脂微粒子を可塑化することができる可塑化液体をキャリアガスによって噴霧する噴霧手段とを備える回転撹拌装置を用いて、
回転撹拌手段が回転している粉体流路内にトナー母粒子および樹脂微粒子を投入して、トナー母粒子表面に樹脂微粒子を付着させる樹脂微粒子付着工程と、
流動状態にあるトナー母粒子および樹脂微粒子に、噴霧手段から可塑化液体を噴霧する噴霧工程と、
トナー母粒子に付着した樹脂微粒子が軟化して膜化するまで回転撹拌手段の回転を続けてトナー母粒子および樹脂微粒子を流動させる膜化工程とを行うことを特徴とするトナーの製造方法である。
また本発明は、樹脂微粒子付着工程で用いられるトナー母粒子は、表面の離型剤の分散径が300nm以上であることを特徴とする。
また本発明は、前記トナーの製造方法によって製造されることを特徴とするトナーである。
また本発明は、前記トナーを含むことを特徴とする現像剤である。
また本発明は、前記トナーとキャリアとから成る2成分現像剤であることを特徴とする。
また本発明は、前記現像剤を用いて像担持体に形成される潜像を現像し、トナー像を形成することを特徴とする現像装置である。
また本発明は、潜像が形成される像担持体と、
像担持体表面に潜像を形成する潜像形成手段と、
前記現像装置とを備えることを特徴とする画像形成装置である。
本発明によれば、トナーの製造方法は、熱風式球形化装置を用いて処理前母粒子を球形化処理する処理前母粒子表面処理工程を行う。処理前母粒子表面処理工程では、形状係数SF2が110以上135以下であり、表面の離型剤の露出量がトナー母粒子全量の2.3重量%以上であるトナー母粒子を得る。次に、回転撹拌手段によってトナー母粒子および樹脂微粒子を粉体流路内において繰り返し循環させ回転撹拌室に戻す循環手段と、可塑化液体をキャリアガスによって噴霧する噴霧手段とを備える回転撹拌装置を用い、樹脂微粒子付着工程と噴霧工程と膜化工程とを行う。
樹脂微粒子付着工程で形状係数SF2が110以上135以下と表面が平滑化されたトナー母粒子を用いることによって、トナー母粒子表面に樹脂微粒子を均一に付着させることが可能となり、噴霧工程と膜化工程とを経ることでトナー母粒子表面に膜厚の均一な被覆層を形成することができる。このようにトナーは、トナー母粒子表面に被覆層が形成されているが、トナー母粒子表面の離型剤の露出量をトナー母粒子全量の2.3重量%以上に調整することによって定着時に速やかに離型剤が染み出すので、定着非オフセット域の広いトナーを得ることができる。また、このような構成のトナー母粒子を作製するために熱風式球形化装置を用いると、処理前母粒子の球形化処理と同時に熱で離型剤が表面に染み出るので、表面の離型剤露出量を増加させることができる。
また本発明によれば、トナー母粒子表面の離型剤の分散径は、300nm以上である。それによって定着時により速やかに離型剤が染み出すので、定着非オフセット域をより広くすることができる。
また本発明によれば、トナーは本発明の製造方法によって製造される。このためトナーは膜厚の均一な被覆層を有する。また、定着時に速やかに離型剤が染み出すので、広い定着非オフセット域を有する。
また本発明によれば、現像剤は本発明のトナーを含む。本発明のトナーを含むことによって、現像剤は流動性が良好で充分な現像性を有する。また定着不良が発生しにくい。このような現像剤を用いると高画質な画像を安定して形成することができる。
また本発明によれば、現像剤が本発明のトナーとキャリアとから成る2成分現像剤である。本発明のトナーを含むことによってトナー成分がキャリアに付着しにくくなるので現像剤の流動性が良好に保たれ、充分な現像性を有することができる。また定着不良が発生しにくい。このような2成分現像剤を用いると高画質な画像を安定して形成することができる。
また本発明によれば、本発明の現像剤を用いて現像することによって、像担持体表面に高画質なトナー像を安定して形成することができる。
また本発明によれば、像担持体と、潜像形成手段と、本発明の現像装置を備える画像形成装置を用いることによって、高画質画像を安定して形成することができる。
本実施形態のトナーの製造方法の手順の一例を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態であるトナーの製造方法で用いるトナー製造装置201の構成を示す正面図である。 図2に示すトナー製造装置201を切断面線A200―A200からみた概略断面図である。 粉体投入部206および粉体回収部207まわりの構成を示す正面図である。 本発明の第4の実施形態である画像形成装置100の構成を模式的に示す断面図である。 図5に示す画像形成装置100に備わる現像装置14を模式的に示す概略図である。
1、トナーの製造方法
本発明の第1の実施形態であるトナーの製造方法は、処理前母粒子表面処理工程と、樹脂微粒子付着工程と、噴霧工程と、膜化工程とを含む。
図1は、本実施形態のトナーの製造方法の手順の一例を示すフローチャートである。図1に示すように、本実施形態のトナーの製造方法は、トナー母粒子を作製するトナー母粒子作製工程S1と、樹脂微粒子を調製する樹脂微粒子調製工程S2と、トナー母粒子に樹脂微粒子を被覆する被覆工程S3とを含む。
(1)トナー母粒子作製工程S1
ステップS1のトナー母粒子作製工程では、被覆層によって被覆されるべきトナー母粒子を作製する。トナー母粒子作製工程S1は、処理前母粒子作製工程S1aと処理前母粒子表面処理工程S1bとを含む。処理前母粒子表面処理工程S1bは、処理前母粒子作製工程S1aで作製された処理前母粒子を球形化処理する工程であり、処理前母粒子表面処理工程S1bを経ることでトナー母粒子が得られる。処理前母粒子は、結着樹脂および着色剤を含む粒子であり、粉砕法で作製される。以下、粉砕法によって処理前母粒子を作製する方法、すなわち粉砕法による処理前母粒子作製工程S1aについて記載する。
(処理前母粒子作製工程S1a)
本工程では、結着樹脂、着色剤およびその他の添加剤を含む処理前母粒子組成物を混合機で乾式混合した後、混練機によって溶融混練する。溶融混練によって得られる混練物を冷却固化し、固化物を粉砕機によって粉砕する。その後、必要に応じて分級などの粒度調整を行い、処理前母粒子を得る。
混合機としては公知のものを使用でき、たとえば、ヘンシェルミキサ(商品名、三井鉱山株式会社製)、スーパーミキサ(商品名、株式会社カワタ製)、メカノミル(商品名、岡田精工株式会社製)などのヘンシェルタイプの混合装置、オングミル(商品名、ホソカワミクロン株式会社製)、ハイブリダイゼーションシステム(商品名、株式会社奈良機械製作所製)、コスモシステム(商品名、川崎重工業株式会社製)などが挙げられる。
混練機としても公知のものを使用でき、たとえば、二軸押出し機、三本ロール、ラボブラストミルなどの一般的な混練機を使用できる。さらに具体的には、たとえば、TEM−100B(商品名、東芝機械株式会社製)、PCM−65/87、PCM−30(以上いずれも商品名、株式会社池貝製)などの1軸または2軸のエクストルーダ、ニーデックス(商品名、三井鉱山株式会社製)などのオープンロール方式の混練機が挙げられる。これらの中でも、オープンロール方式の混練機が好ましい。
粉砕機としては、たとえば、超音速ジェット気流を利用して粉砕するジェット式粉砕機、および高速で回転する回転子(ロータ)と固定子(ライナ)との間に形成される空間に固化物を導入して粉砕する衝撃式粉砕機が挙げられる。
分級には、遠心力による分級および風力による分級によって過粉砕トナー母粒子を除去できる公知の分級機を使用することができ、たとえば、旋回式風力分級機(ロータリー式風力分級機)などを使用することができる。
(処理前母粒子原料)
前述のように、処理前母粒子は結着樹脂と着色剤とを含む。結着樹脂としては、特に限定されるものではなく、黒トナーまたはカラートナー用の公知の結着樹脂を使用することができ、たとえば、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸エステル共重合樹脂などのスチレン系樹脂、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂などが挙げられる。また原料モノマー混合物に離型剤を混合し、重合反応を行って得られる樹脂を用いてもよい。結着樹脂は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
上述の結着樹脂の中でも、ポリエステルは、透明性に優れ、トナー粒子に良好な粉体流動性、低温定着性および二次色再現性などを付与できるので、カラートナー用の結着樹脂に好適である。ポリエステルとしては公知のものを使用でき、たとえば多塩基酸と多価アルコールとの重縮合物などが挙げられる。
多塩基酸としては、ポリエステル用モノマーとして知られるものを使用でき、たとえば、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、無水トリメリト酸、ピロメリト酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族カルボン酸類、無水マレイン酸、フマル酸、琥珀酸、アルケニル無水琥珀酸、アジピン酸などの脂肪族カルボン酸類、これら多塩基酸のメチルエステル化物などが挙げられる。多塩基酸は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
多価アルコールとしても、ポリエステル用モノマーとして知られるものを使用でき、たとえば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリンなどの脂肪族多価アルコール類、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールAなどの脂環式多価アルコール類、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などの芳香族系ジオール類などが挙げられる。多価アルコールは1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
多塩基酸と多価アルコールとの重縮合反応は常法に従って実施でき、たとえば、有機溶媒の存在下または非存在下および重縮合触媒の存在下に、多塩基酸と多価アルコールとを接触させることによって行われ、生成するポリエステルの酸価、軟化温度などが所定の値になったところで終了する。これによって、ポリエステルが得られる。多塩基酸の一部に、多塩基酸のメチルエステル化物を用いると、脱メタノール重縮合反応が行われる。この重縮合反応において、多塩基酸と多価アルコールとの配合比、反応率などを適宜変更することによって、たとえば、ポリエステルの末端のカルボキシル基含有量を調整でき、ひいては得られるポリエステルの特性を変性できる。また多塩基酸として無水トリメリト酸を用いると、ポリエステルの主鎖中にカルボキシル基を容易に導入することによっても、変性ポリエステルが得られる。ポリエステルの主鎖および/または側鎖にカルボキシル基、スルホン酸基などの親水性基を結合させ、水中での自己分散性ポリエステルも使用できる。またポリエステルとアクリル樹脂とをグラフト化して用いてもよい。
結着樹脂は、ガラス移転温度が30℃以上80℃以下であることが好ましい。結着樹脂のガラス移転温度が30℃未満であると、画像形成装置内部においてトナーが熱凝集するブロッキングを発生しやすくなり、保存安定性が低下するおそれがある。結着樹脂のガラス移転温度が80℃を超えると、記録媒体へのトナーの定着性が低下し、定着不良が発生するおそれがある。
着色剤としては、電子写真分野で常用される有機系染料、有機系顔料、無機系染料、無機系顔料などを使用できる。
黒色の着色剤としては、たとえば、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭、非磁性フェライト、磁性フェライトおよびマグネタイトなどが挙げられる。
黄色の着色剤としては、たとえば、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185などが挙げられる。
橙色の着色剤としては、たとえば、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43などが挙げられる。
赤色の着色剤としては、たとえば、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドC、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222などが挙げられる。
紫色の着色剤としては、たとえば、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキなどが挙げられる。
青色の着色剤としては、たとえば、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBC、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60などが挙げられる。
緑色の着色剤としては、たとえば、クロムグリーン、酸化クロム、ピクメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG、C.I.ピグメントグリーン7などが挙げられる。
白色の着色剤としては、たとえば、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛などの化合物が挙げられる。
着色剤は1種を単独で使用でき、または2種以上の異なる色のものを併用できる。また同色であっても、2種以上を併用できる。着色剤の使用量は特に制限されないけれども、好ましくは結着樹脂100重量部に対して5重量部以上20重量部以下、さらに好ましくは5重量部以上10重量部以下である。
着色剤は、結着樹脂中に均一に分散させるために、マスターバッチ化して用いてもよい。また2種以上の着色剤を複合粒子化して用いてもよい。複合粒子は、たとえば、2種以上の着色剤に適量の水、低級アルコールなどを添加し、ハイスピードミルなどの一般的な造粒機で造粒し、乾燥させることによって製造できる。マスターバッチおよび複合粒子は、乾式混合の際にトナー組成物に混入される。
処理前母粒子には、結着樹脂および着色剤の他に電荷制御剤が含まれてもよい。電荷制御剤としてはこの分野で常用される正電荷制御用および負電荷制御用の電荷制御剤を使用できる。
正電荷制御用の電荷制御剤としては、たとえば、ニグロシン染料、塩基性染料、四級アンモニウム塩、四級ホスホニウム塩、アミノピリン、ピリミジン化合物、多核ポリアミノ化合物、アミノシラン、ニグロシン染料およびその誘導体、トリフェニルメタン誘導体、グアニジン塩、アミジン塩などが挙げられる。
負電荷制御用の電荷制御剤としては、オイルブラック、スピロンブラックなどの油溶性染料、含金属アゾ化合物、アゾ錯体染料、ナフテン酸金属塩、サリチル酸およびその誘導体の金属錯体および金属塩(金属はクロム、亜鉛、ジルコニウムなど)、ホウ素化合物、脂肪酸石鹸、長鎖アルキルカルボン酸塩、樹脂酸石鹸などが挙げられる。電荷制御剤は1種を単独で使用できまたは必要に応じて2種以上を併用できる。電荷制御剤の使用量は特に制限されず広い範囲から適宜選択できるけれども、好ましくは、結着樹脂100重量部に対して0.5重量部以上3重量部以下である。
また処理前母粒子には、結着樹脂および着色剤の他に離型剤が含まれる。離型剤としてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、パラフィンワックスおよびその誘導体、マイクロクリスタリンワックスおよびその誘導体などの石油系ワックス、フィッシャートロプシュワックスおよびその誘導体、ポリオレフィンワックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなど)およびその誘導体、低分子量ポリプロピリンワックスおよびその誘導体、ポリオレフィン系重合体ワックス(低分子量ポリエチレンワックスなど)およびその誘導体などの炭化水素系合成ワックス、カルナバワックスおよびその誘導体、ライスワックスおよびその誘導体、キャンデリラワックスおよびその誘導体、木蝋などの植物系ワックス、蜜蝋、鯨蝋などの動物系ワックス、脂肪酸アミド、フェノール脂肪酸エステルなどの油脂系合成ワックス、長鎖カルボン酸およびその誘導体、長鎖アルコールおよびその誘導体、シリコン系重合体、高級脂肪酸などが挙げられる。誘導体には、酸化物、ビニル系モノマーとワックスとのブロック共重合物、ビニル系モノマーとワックスとのグラフト変性物などが含まれる。離型剤の使用量は特に制限されず広い範囲から適宜選択できるけれども、好ましくは結着樹脂100重量部に対して0.2重量部〜20重量部、さらに好ましくは0.5重量部〜10重量部、特に好ましくは1.0重量部〜8.0重量部である。離型剤の含有量を多くするほどトナー母粒子表面の離型剤露出量を増加させることができ、定着時に離型剤を速やかにトナー表面に染み出させることができるが、離型剤の含有量を多くしすぎると、比較的低温での定着においてトナーの記録媒体への定着強度が悪くなるという問題が発生する。
処理前母粒子作製工程S1aを経て得られる処理前母粒子は、体積平均粒径が4μm以上8μm以下であることが好ましい。処理前母粒子の体積平均粒径が4μm以上8μm以下であると、高精細な画像を長期にわたって安定して形成することができる。またこの範囲まで小粒径化することによって、少ない付着量でも高い画像濃度が得られ、トナー消費量を削減できる効果も生じる。処理前母粒子の体積平均粒径が4μm未満であると、トナー母粒子の粒径が小さくなり過ぎ、高帯電化および低流動化が起こるおそれがある。この高帯電化および低流動化が発生すると、感光体にトナーを安定して供給することができなくなり、地肌かぶりおよび画像濃度の低下などが発生するおそれがある。処理前母粒子の体積平均粒径が8μmを超えると、トナー母粒子の粒径が大きく、形成画像の層厚が高くなり著しく粒状性を感じる画像となり、高精細な画像を得ることができないので望ましくない。またトナー母粒子の粒径が大きくなることによって比表面積が減少し、トナーの帯電量が小さくなる。トナーの帯電量が小さくなると、トナーが感光体に安定して供給されず、トナー飛散による機内汚染が発生するおそれがある。
(処理前母粒子表面処理工程S1b)
ステップS1bの処理前母粒子表面処理工程では、熱風式球形化装置を用いて処理前母粒子を球形化処理し、形状係数SF2が110以上135以下であり、かつ表面の離型剤の露出量がトナー母粒子全量の2.3重量%以上であるトナー母粒子を作製する。なお、トナー母粒子の形状係数SF2は125以上135以下とすることがより好ましく、トナー母粒子表面の離型剤の露出量はトナー母粒子全量の2.5重量%以上がより好ましい。
このように熱風によって球形化処理を行うことによって、トナー母粒子の形状係数SF2を容易に制御し、トナー母粒子表面を平滑にすることが可能であり、後の被覆工程S3において、膜厚の均一な被覆層をトナー母粒子表面に形成することができ、離型剤の染み出し効果と保存安定性とを両立することができる。形状係数SF2が135を超えると、トナー母粒子の表面の凹凸が多すぎるので、後の被覆工程S3で膜厚の均一な被覆層を安定して形成できないおそれがある。膜厚の均一な被覆層を形成できず、膜厚の厚すぎる部分と薄すぎる部分とができると、膜厚の厚すぎる部分では離型剤の染み出しにくくなり、膜厚の薄すぎる部分では保存安定性が不充分となる。また、形状係数SF2が125未満であると、膜厚の均一な被覆層を形成することは可能となるが、被覆工程S3を経て得られるトナーのクリーニング特性が悪くなるおそれがある。また、トナー母粒子表面の離型剤の分散径は、300nm以上であることが好ましい。
またこのような構成のトナー母粒子を作製するために熱風式球形化装置を用いると、処理前母粒子の球形化処理と同時に熱で離型剤が表面に染み出るので、表面の離型剤露出量を増加させることができる。なお、熱風式球形化装置で処理することなしに離型剤の露出量が2.3重量%以上のトナー母粒子を得ようとすると全トナー母粒子材料に占める離型剤の含有量を多めにする必要があるが、その場合には、比較的低温での定着においてトナーの記録媒体への定着強度が悪くなるという問題が発生する。
熱風による球形化処理に用いられる熱風式球形化装置としては、市販されているものを使用することができ、たとえば、表面改質機メテオレインボー(商品名、日本ニューマチック工業株式会社製)などを用いることができる。
熱風式球形化装置では、熱風で処理する前の処理前母粒子同士の凝集を防ぐため、二次エア噴射ノズルから空気を供給し、処理前母粒子を衝突部材に衝突させる。その処理前母粒子を熱風で球形化してトナー母粒子とした後、トナー母粒子同士の熱融着を防ぐため冷却空気でトナー母粒子を冷却する。二次エア噴射ノズルからの空気の供給量は、毎分200L以上250L以下が好ましい。二次エア噴射ノズルからの空気の供給量が多すぎると処理前母粒子が衝突部材で大きなダメージを受けるおそれがあり、供給量が少なすぎると処理前母粒子同士が凝集しやすい。熱風の供給量は毎分700L以上1500L以下が好ましい。熱風の供給量が多すぎると必要以上に処理前母粒子が溶融してしまい、少なすぎると充分に処理前母粒子の球形化処理が行われないおそれがある。熱風の温度は、50℃以上250℃以下が好ましい。熱風の温度が高すぎると必要以上に処理前母粒子が溶融し、低すぎると処理前母粒子の球形化処理に時間がかかる。冷却空気の供給圧力は、0.1MPa以上0.3MPa以下が好ましい。冷却空気の供給圧力が高すぎると充分にトナー母粒子を冷却処理できないおそれがあり、低すぎるとトナー母粒子の冷却処理に時間がかかる。
トナー母粒子および被覆層が形成されたトナーの形状係数SF2は、次の方法に従って測定した値である。
トナー母粒子の表面に、スパッタ蒸着により金属膜(Au膜、膜厚0.5μm)を形成した。この金属膜被覆トナーから、走査型電子顕微鏡(商品名:S−570、株式会社日立製作所製)によって、加速電圧5kVで、また1000倍の倍率で、無作為に200〜300個を抽出して写真撮影を行った。この電子顕微鏡写真データを、画像解析ソフト(商品名:A像くん、旭化成エンジニアリング株式会社製)によって画像解析する。画像解析ソフト「A像くん」の粒子解析パラメータは、小図形除去面積:100画素、収縮分離:回数1;小図形:1;回数:10、雑音除去フィルタ:無、シェーディング:無、結果表示単位:μmとする。これより得られた粒子の周囲長PERI、図形面積AREAから、下記の式(1)によって形状係数SF2を得る。
SF−2={(PERI)/AREA}×(100/4π) …(1)
トナーの形状係数SF2も上記と同様にして得ることができる。
形状係数SF2は、上記式(1)で表される値とされ、粒子の表面形状の凹凸の度合いを示すものである。形状係数SF2の値が100の場合には粒子表面に凹凸が存在しなくなり、形状係数SF2の値が大きいほど粒子表面の凹凸が顕著になる。
(2)樹脂微粒子調製工程S2
ステップS2の樹脂微粒子調製工程では、乾燥された樹脂微粒子を調製する。乾燥方法はどのような方法を用いてもよく、たとえば熱風受熱式乾燥、伝導伝熱式乾燥、遠赤外線乾燥、マイクロ波乾燥などの方法を用いて乾燥樹脂微粒子を得ることができる。樹脂微粒子は、後の被覆工程S3において、トナー母粒子を膜化する材料として用いられる。樹脂微粒子をトナー母粒子表面の膜化材料として用いることによって、たとえば保存中にトナー母粒子に含まれる離型剤などの低融点成分の溶融による凝集の発生を防止することができる。また、たとえば樹脂微粒子を分散させた液体を噴霧してトナー母粒子を被覆したとき、樹脂微粒子の形状がトナー母粒子表面に残るので、平滑な表面を有するトナーに比べて、クリーニング性に優れるトナーを得ることができる。
樹脂微粒子は、たとえば、樹脂微粒子原料である樹脂をホモジナイザーなどで乳化分散させて細粒化することによって得ることができる。また樹脂のモノマー成分の重合によって得ることもできる。
樹脂微粒子原料として用いられる樹脂としては、たとえば、トナー材料に用いられる樹脂を用いることができ、ポリエステル、アクリル樹脂、スチレン樹脂、スチレン−アクリル共重合体などが挙げられる。樹脂微粒子としては、上記例示した樹脂の中でも、アクリル樹脂、スチレン−アクリル共重合体を含むことが好ましい。アクリル樹脂、スチレン−アクリル共重合体は、軽量で高い強度を有し、さらに透明性も高く、安価で、粒子径の揃った材料を得やすいなど多くの利点を有する。
樹脂微粒子原料として用いられる樹脂としては、処理前母粒子に含まれる結着樹脂と同じ種類の樹脂であってもよく、違う種類の樹脂であってもよいけれども、トナーの表面改質を行う点において、違う種類の樹脂が用いられることが好ましい。樹脂微粒子原料として用いられる樹脂として、違う種類の樹脂が用いられる場合、樹脂微粒子原料として用いられる樹脂の軟化温度が、処理前母粒子に含まれる結着樹脂の軟化温度よりも高いことが好ましい。これによって、本実施形態の製造方法で製造されたトナーは、保存中にトナー同士が融着することを防止でき、保存安定性を向上させることができる。また樹脂微粒子原料として用いられる樹脂の軟化温度は、トナーが使用される画像形成装置にもよるけれども、80℃以上140℃以下であることが好ましい。このような温度範囲の樹脂を用いることによって、保存安定性と定着性とを兼ね備えたトナーが得られる。
樹脂微粒子は、体積平均粒径がトナー母粒子の平均粒径よりも充分に小さいことが必要であり、0.05μm以上1μm以下であることが好ましい。また樹脂微粒子の体積平均粒径は、0.1μm以上0.5μm以下であることがさらに好ましい。樹脂微粒子の体積平均粒径が0.05μm以上1μm以下であることによって、好適な大きさの突起部が被覆層表面に形成される。これによって本実施形態の製造方法で製造されるトナーは、クリーニング時にクリーニングブレードに引っ掛かり易くなり、クリーニング性が向上する。
(3)被覆工程S3
(トナーの製造装置)
図2は、本発明の第1の実施形態であるトナーの製造方法で用いるトナー製造装置201の構成を示す正面図である。図3は、図2に示すトナー製造装置201を切断面線A200―A200からみた概略断面図である。ステップS3の被覆工程では、たとえば図2に示すトナー製造装置201を用い、ステップS1のトナー母粒子作製工程で作製したトナー母粒子にステップS2の樹脂微粒子調製工程で調製した樹脂微粒子を付着させて、前記装置内での循環と撹拌による衝撃力との相乗効果でトナー母粒子表面に被覆層を形成する。
回転撹拌装置であるトナー製造装置201は、粉体流路202と、噴霧手段203と、回転撹拌手段204と、図示しない温度調整用ジャケットと、粉体投入部206と、粉体回収部207とを含んで構成される。回転撹拌手段204と、粉体流路202とは循環手段を構成する。
粉体流路202は、撹拌部208と、粉体流過部209とから構成される。撹拌部208は、内部空間を有する円筒形状の容器状部材である。回転撹拌室である撹拌部208には、開口部210,211が形成される。開口部210は、撹拌部208の軸線方向一方側の面208aにおける略中央部において、撹拌部208の面208aを含む側壁を厚み方向に貫通するように形成される。また、開口部211は、撹拌部208の前記軸線方向一方側の面208aに垂直な側面208bにおいて、撹拌部208の側面208bを含む側壁を厚み方向に貫通するように形成される。循環管である粉体流過部209は、一端が開口部210と接続され、他端が開口部211と接続される。これによって撹拌部208の内部空間と粉体流過部209の内部空間とが連通され、粉体流路202が形成される。この粉体流路202を、トナー母粒子および樹脂微粒子および気体が流過する。粉体流路202は、トナー母粒子および樹脂微粒子が流動する方向である粉体流動方向が一定の方向となるように設けられる。
回転撹拌手段204は、回転軸部材218と、円盤状の回転盤219と、複数の撹拌羽根220とを含む。回転軸部材218は、撹拌部208の軸線に一致する軸線を有しかつ撹拌部208の軸線方向他方側の面208cに、面208cを含む側壁を厚み方向に貫通するように形成される貫通孔221に挿通されるように設けられ、図示しないモータによって軸線回りに回転する円柱棒状部材である。回転盤219は、その軸線が回転軸部材218の軸線に一致するように回転軸部材218に支持され、回転軸部材218の回転に伴って回転する円盤状部材である。複数の撹拌羽根220は、回転盤219の周縁部分によって支持され、回転盤219の回転に伴って回転する。
回転軸部材218は、最外周における周速度を50m/sec以上にして回転可能である。最外周とは、回転軸部材218に垂直な方向において、回転軸部材218との距離がもっとも長い回転撹拌手段204の部分である。
噴霧手段203は、粉体流路202の粉体流過部209において、トナー母粒子および樹脂微粒子の流動方向における開口部211に最も近い側の粉体流過部に設けられる。噴霧手段203は、液体を貯留する液体貯留部と、キャリアガスを供給するキャリアガス供給部と、液体とキャリアガスとを混合し、得られる混合物を粉体流路202内に存在するトナー母粒子に向けて噴射し、液体の液滴をトナー母粒子に噴霧する二流体ノズルとを備える。キャリアガスとしては、圧縮エアなどを用いることができる。
温度調整手段である図示しない温度調整用ジャケットは、粉体流路202の外側の少なくとも一部に設けられ、前記ジャケット内部の空間に冷却媒または加温媒を通して粉体流路202内および回転撹拌手段204の温度を所定の温度に調整する。温度調整用ジャケットは、粉体流路202の外側全体に設けられることが好ましい。これによって、トナー母粒子への樹脂微粒子の付着および膜化が円滑に進み、粉体流路内壁への付着力が一層低減するので、トナー母粒子および樹脂微粒子の粉体流路内壁への付着を一層抑えることができ、トナー母粒子および樹脂微粒子によって粉体流路内が狭くなることを一層抑えることができる。したがって、トナー母粒子に樹脂微粒子が均一に被覆し、被覆層で被覆されたクリーニング性に優れるトナーをより高い収率で製造することができる。
粉体流路202の粉体流過部209には、粉体投入部206と、粉体回収部207とが接続される。図4は、粉体投入部206および粉体回収部207まわりの構成を示す正面図である。粉体投入部206は、トナー母粒子および樹脂微粒子を供給する図示しないホッパと、ホッパと粉体流路202とを連通する供給管212と、供給管212に設けられる電磁弁213とを備える。ホッパから供給されるトナー母粒子および樹脂微粒子は、電磁弁213によって供給管212内の流路が開放されている状態において、供給管212を介して粉体流路202に供給される。粉体流路202に供給されるトナー母粒子および樹脂微粒子は、回転撹拌手段204による撹拌によって、一定の粉体流動方向に流過する。また電磁弁213によって供給管212内の流路が閉鎖されている状態においては、トナー母粒子および樹脂微粒子が粉体流路202に供給されない。
粉体回収部207には、回収タンク215と、回収タンク215と粉体流路202とを連通する回収管216と、回収管216に設けられる電磁弁217とを備える。電磁弁217によって回収管216内の流路が開放されている状態において、粉体流路202を流過するトナー粒子は回収管216を介して回収タンク215に回収される。また電磁弁217によって回収管216内の流路が閉鎖されている状態において、粉体流路202を流過するトナー粒子は回収されない。
このようなトナー製造装置201としては、上記の構成に限定されることなく、種々の変更が可能である。たとえば、温度調整用ジャケットは粉体流過部209と撹拌部208との外側の全面に設けられてもよく、粉体流過部209または撹拌部208の外側の一部に設けられてもよい。粉体流過部209と撹拌部208との外側の全面に温度調整用ジャケットが設けられると、トナー母粒子の粉体流路202内壁への付着を一層確実に防止することができる。
上述のようなトナーの製造装置は、市販品の撹拌装置と噴霧手段とを組合せて得ることもできる。粉体流路および回転撹拌手段を備える市販の撹拌装置としては、たとえば、ハイブリダイゼーションシステム(商品名、株式会社奈良機械製作所製)などが挙げられる。このような撹拌装置内に液体噴霧ユニットを取付けることによって、この撹拌装置を本発明のトナーの製造方法に用いるトナーの製造装置として用いることができる。
上述のようなトナー製造装置201を用いる被覆工程S3は、温度調整工程S3aと、樹脂微粒子付着工程S3bと、噴霧工程S3cと、膜化工程S3dと、回収工程S3eとを含む。
(温度調整工程S3a)
ステップS3aの温度調整工程では、回転撹拌手段204を回転させながら、粉体流路202内および回転撹拌手段204の温度をこれらの外側に配設した温度調整用ジャケットに媒体を通じて所定の温度に調整する。これによって、粉体流路202内の温度を後述する樹脂微粒子付着工程S3bにおいて投入されるトナー母粒子および樹脂微粒子が軟化変形しない温度以下に制御することができる。
(樹脂微粒子付着工程S3b)
ステップS3bの樹脂微粒子付着工程では、回転撹拌手段204の回転軸部材218が回転する状態で、粉体投入部206からトナー母粒子および樹脂微粒子を粉体流路202に供給する。粉体流路202に供給されたトナー母粒子および樹脂微粒子は、回転撹拌手段204によって撹拌され、粉体流路202の粉体流過部209を矢符214方向に流動する。これによって、樹脂微粒子がトナー母粒子表面に付着する。
トナー母粒子作製工程S1でトナー母粒子の形状係数SF2を110以上135以下に調整したが、本工程で形状係数SF2が110以上135以下の表面が平滑化されたトナー母粒子が用いられることによって、トナー母粒子表面に樹脂微粒子を均一に付着させることが可能となり、噴霧工程S3cと膜化工程S3dとを経ることでトナー母粒子表面に膜厚の均一な被覆層を形成することができる。
(噴霧工程S3c)
ステップS3cの噴霧工程では、流動状態にあるトナー母粒子および樹脂微粒子に、それらの粒子を溶解せず、可塑化させる効果のある液体を噴霧手段203からキャリアガスによって噴霧する。噴霧手段203は、二流体ノズルである。液体は、送液ポンプによって一定流量で噴霧手段203に送液され、噴霧手段203によって噴霧された液体はガス化し、トナー母粒子および樹脂微粒子表面にガス化した液体が展延する。これによってトナー母粒子および樹脂微粒子が可塑化する。
本実施形態では、粉体流路202においてトナー母粒子表面および樹脂微粒子の流動速度が安定してから、噴霧手段203からの液体の噴霧を開始することが好ましい。これによって、トナー母粒子および樹脂微粒子に液体を均一に噴霧することができるので、被覆層が均一に被覆したトナーの収率を向上させることができる。
(噴霧液体)
トナー母粒子および樹脂微粒子を溶解せず可塑化させる効果のある液体としては、特に限定されないけれども、液体の噴霧後にトナー母粒子および樹脂微粒子から除去される必要があるので、蒸発し易い液体であることが好ましい。このような液体としては、低級アルコールを含む液体が挙げられる。低級アルコールとしては、たとえば、メタノール、エタノール、プロパノールなどが挙げられる。液体がこのような低級アルコールを含むと、被覆材料である樹脂微粒子のトナー母粒子に対する濡れ性を高めることができ、トナー母粒子の表面全面または大部分に樹脂微粒子を付着させ、さらに変形および膜化させることが容易となる。また低級アルコールは蒸気圧が大きいので、液体を除去するときの乾燥時間を一層短縮することができ、トナー母粒子同士の凝集を抑制することができる。
液体の粘度は、5cP以下であることが好ましい。粘度が5cP以下の液体で好ましいものとしてアルコールが挙げられる。アルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコールなどが挙げられる。これらのアルコールは粘度が小さく、また蒸発しやすいので、液体がアルコールを含むことによって、噴霧手段203から噴霧される液体の噴霧液滴径が粗大化することなく、微細な液滴径の液体の噴霧が可能となる。また均一な液滴径の液体の噴霧が可能となる。トナー母粒子と液滴との衝突時には、さらに液滴の微細化を促進することができる。これによって、トナー母粒子および樹脂微粒子表面を均一にぬらし、馴染ませて、衝突エネルギーとの相乗効果で樹脂微粒子を軟化し、均一性に優れた被覆トナーを得ることができる。
液体の粘度は、25℃において測定される。液体の粘度は、たとえば、コーンプレート型回転式粘度計によって測定することができる。
二流体ノズルの軸線の方向である液体噴霧方向と、粉体流路202においてトナー母粒子および樹脂微粒子が流動する方向である粉体流動方向との成す角度θは、0°以上45°以下であることが好ましい。θがこのような範囲内であると、液体の液滴が粉体流路202内壁で反跳することが防止され、樹脂膜が被覆されたトナー母粒子の収率を一層向上することができる。噴霧手段203からの液体噴霧方向と、粉体流動方向との成す角度θが45°を超えると、液体の液滴が粉体流路202内壁で反跳しやすくなり、液体が滞留しやすくなりトナー粒子の凝集が発生して収率が悪化する。二流体ノズルは、粉体流路202の外壁に形成される開口に挿通されて設けられる。
また二流体ノズルによって噴霧した液体の拡がり角度φは、20°以上90°以下であることが好ましい。拡がり角度φがこの範囲から外れると、トナー母粒子に対する液体の均一な噴霧が困難となるおそれがある。
(膜化工程)
ステップS3dの膜化工程では、トナー製造装置201による循環と撹拌による衝撃力との相乗効果、さらに撹拌による熱的エネルギーによって、樹脂微粒子が軟化して連続した膜となり、トナー母粒子に樹脂膜が形成されるまで所定温度で回転撹拌手段204の撹拌を続け、トナー母粒子および樹脂微粒子を流動させる。
(回収工程)
ステップS3eの回収工程では、噴霧手段203からの液体の噴霧を終了し、回転撹拌手段204の回転を停止させて、粉体回収部207から被覆層が形成されたトナーを装置外に排出し、表面に被覆層が形成されたトナーを回収する。
このようにして本発明の製造方法でトナーが製造される。このトナーは、トナー母粒子表面に被覆層が形成されているが、トナー母粒子表面の離型剤の露出量をトナー母粒子全量の2.3重量%以上に調整することによって定着時に速やかに離型剤が染み出すので、定着非オフセット域の広いトナーを得ることができる。
また、トナー母粒子表面の離型剤の分散径は300nm以上であることが好ましい。定着時に離型剤を効果的に作用させるためには、トナー母粒子からある程度まとまった量の離型剤を染み出させる必要がある。離型剤は、トナー母粒子表面と離型剤とが接している部分すなわちトナー母粒子表面に露出している離型剤の円周部分より、接していない部分すなわちトナー母粒子表面の離型剤の中央部分の方が染み出しやすいので、トナー母粒子表面の離型剤の分散径をある程度大きくすることによってトナー母粒子からまとまった量の離型剤を染み出させることができる。トナー母粒子表面の離型剤の分散径が300nm以上であれば、定着時により速やかに離型剤が染み出すので、定着非オフセット域をより広くすることができる。
(被覆工程S3における条件)
ステップS3a〜S3eを含む被覆工程S3において、回転撹拌手段204の最外周の周速度は、30m/sec以上に設定されるのが好ましく、50m/sec以上に設定されるのがさらに好ましい。回転撹拌手段204の最外周とは、回転撹拌手段204の回転軸部材218が延びる方向に垂直な方向において、回転軸部材218の軸線との距離がもっとも長い回転撹拌手段204の部分204aである。回転時の回転撹拌手段204の最外周における周速が30m/sec以上であることによって、トナー母粒子を孤立流動させることができる。最外周における周速度が30m/sec未満であると、トナー母粒子および樹脂微粒子を孤立流動させることができないためトナー母粒子に樹脂膜を均一に被覆することができなくなる。
また被覆工程S3において、粉体流路202の少なくとも一部に温度調整用ジャケットが設けられ、前記ジャケット内部の空間に冷却媒または加温媒を通して粉体流路202内の温度が所定の温度に調整されることが好ましい。これによって、温度調整工程S3aにおいて、粉体流路202内および回転撹拌手段204の外側の温度を樹脂微粒子付着工程S3bにおいて投入されるトナー母粒子および樹脂微粒子が軟化変形しない温度以下に制御することができる。噴霧工程S3cおよび膜化工程S3dにおいては、トナー母粒子、樹脂微粒子および液体にかかる温度にばらつきが少なくなり、トナー母粒子および樹脂微粒子の安定な流動状態を保つことが可能となる。
また合成樹脂などからなるトナー母粒子および樹脂微粒子は通常粉体流路202内の内壁に何度も衝突し、衝突の際に、衝突エネルギーの一部が熱エネルギーに変換され、トナー母粒子および樹脂微粒子に蓄積される。衝突回数が増加するとともに、それらの粒子に蓄積される熱エネルギーが多くなり、やがてトナー母粒子および樹脂微粒子は軟化して粉体流路の内壁に付着するが、前述のように前記ジャケット内部の空間に冷却媒または加温媒を通して温度調整することによって、過度の温度上昇によるトナー母粒子および樹脂微粒子の粉体流路内壁への付着を抑えることができ、噴霧手段から噴霧される液体が粉体流路202内に蓄積することによるトナー母粒子および樹脂微粒子の粉体流路202内への付着およびそれによる粉体流路202内の閉塞を抑えることができる。したがって、トナー母粒子に樹脂微粒子が均一に被覆し、被覆層で被覆されたクリーニング性に優れるトナーを高い収率で製造することができる。
噴霧手段203より下流の粉体流過部209内部では、噴霧された液体が乾燥せずに残存している状態にあり、温度が適正でないと乾燥速度が遅くなり液体が滞留しやすく、これにトナー母粒子が接触すると、粉体流路202内壁にトナー母粒子が付着しやすくなる。これがトナー母粒子の凝集発生源になりうる。開口部210付近の内壁では、粉体流過部209を流過して開口部210から撹拌部208に流入するトナー母粒子と、回転撹拌手段204による撹拌で撹拌部208内を流動するトナー母粒子とが衝突しやすい。これによって、衝突したトナー母粒子が開口部210付近に付着しやすい。したがってこのようなトナー母粒子が付着しやすい部分に温度調整用ジャケットを設けることによって、粉体流路202内壁に対するトナー母粒子の付着を一層確実に防止することができる。
粉体流路202内の温度は、トナー母粒子のガラス転移温度以下に設定される。また粉体流路202内の温度は、30℃以上トナー母粒子のガラス転移温度以下であることがさらに好ましい。粉体流路202内の温度は、トナー母粒子の流動によって、粉体流路202内のどの部分においてもほぼ均一となる。粉体流路202内の温度がトナー母粒子のガラス転移温度を超えると、粉体流路202内でトナー母粒子が軟化し過ぎ、トナー母粒子の凝集が発生するおそれがある。また粉体流路202内の温度が30℃未満であると、分散液の乾燥速度が遅くなり生産性が低下するおそれがある。したがってトナー母粒子の凝集を防止するために、粉体流路202および回転撹拌手段204の温度をトナー母粒子のガラス転移温度以下に維持すべく、内径が粉体流路管の外径よりも大きい温度調整用ジャケットを粉体流路管および回転撹拌手段204の外側の少なくとも一部に配設してその空間に冷却媒または加温媒を通じて温度調整する機能を備えた装置を設けることが必要である。
前述のように、回転撹拌手段204は回転軸218の回転に伴って回転する回転盤219を含むが、トナー母粒子および樹脂微粒子は、回転盤219に対して回転盤219と垂直に衝突することが好ましく、回転盤219に対して回転軸部材218と垂直に衝突することがより好ましい。これによって、トナー母粒子および樹脂微粒子が回転盤219に対して平行に衝突するよりトナー母粒子および樹脂微粒子を充分に撹拌することができるので、トナー母粒子に樹脂微粒子をより均一に被覆することができ、被覆層が均一に被覆したトナーの収率をより一層向上させることができる。
本実施形態では、噴霧工程S3cにおいて噴霧された液体は、粉体流路202内が一定のガス濃度になるようにガス化されることが好ましい。これによって、粉体流路202内のガス化した液体の濃度を一定に保ち、ガス化した液体の濃度を一定に保っていない場合より、液体の乾燥速度を速めることができるので、未乾燥の液体が残存しているトナー粒子が他のトナー粒子に付着することを防止することができ、トナー粒子の凝集を一層抑制することができる。したがって、被覆層が均一に被覆したトナーの収率をより一層向上させることができる。
ガス排出部222において濃度センサによって測定されるガス化された液体の濃度は、3%以下程度であることが好ましい。ガス化された液体の濃度が3%以下程度であることによって、液体の乾燥速度を充分に大きくすることができるので、液体が残存している未乾燥のトナー母粒子が他のトナー母粒子に付着することを防止することができ、トナー母粒子の凝集を防止することができる。またガス排出部222において、ガス化された液体の濃度は、濃度センサで0.1%以上3.0%以下であることがさらに好ましい。噴霧速度がこのような範囲であると、生産性を低下させることなく、トナー母粒子の凝集を防止することができる。
粉体流路202内でのガス濃度が一定になるように、ガス化した液体は貫通孔221を通って粉体流路外へ排出されることが好ましい。これによって、粉体流路202内のガス化した液体の濃度を一定に保ち、ガス化した液体の濃度を一定に保っていない場合より、液体の乾燥速度を速めることができるので、未乾燥の液体が残存しているトナー粒子が他のトナー粒子に付着することを防止することができ、トナー粒子の凝集を一層抑制することができる。したがって、被覆層が均一に被覆したトナーの収率をより一層向上させることができる。
2、トナー
本発明の第2の実施形態であるトナーは、第1の実施形態であるトナーの製造方法で製造される。第1の実施形態のトナーの製造方法によって得られるトナーは、被覆材料の被覆量が均一であるので、個々のトナー粒子間における帯電特性などのトナー特性が均一となる。また、トナーは膜厚の均一な被覆層を有する。さらに定着時に速やかに離型剤が染み出すので、広い定着非オフセット域を有する。このようなトナー用いて画像を形成すると、高精細であり、濃度むらのない良好な画質の画像を得ることができる。
本発明のトナーには、外添剤が添加されてもよい。外添剤としては公知のものを使用でき、たとえば、シリカ、酸化チタンなどが挙げられる。またこれらは、シリコン樹脂、シランカップリング剤などによって表面処理されていることが好ましい。外添剤の使用量は、トナー100重量部に対して1〜10重量部であることが好ましい。
3、現像剤
本発明の第3の実施形態である現像剤は、第2の実施形態であるトナーを含む。これによって、個々のトナー粒子間における帯電特性などのトナー特性が均一である現像剤とすることができるので、良好な現像性を維持することのできる現像剤が得られる。本実施形態の現像剤は、1成分現像剤としても2成分現像剤しても使用することができる。1成分現像剤として使用する場合、キャリアを用いることなくトナー単体で使用する。また1成分現像剤として使用する場合、ブレードおよびファーブラシを用い、現像スリーブで摩擦帯電させてスリーブ上にトナーを付着させることによってトナーを搬送し、画像形成を行う。2成分現像剤として使用する場合、第2の実施形態のトナーをキャリアとともに用いる。本発明のトナーは、個々のトナー粒子間における帯電特性などのトナー特性が均一であるので、高精細で、濃度むらのない良好な画質の画像を安定して形成することができる。
(キャリア)
キャリアとしては、公知のものを使用でき、たとえば、鉄、銅、亜鉛、ニッケル、コバルト、マンガン、クロムなどからなる単独または複合フェライトおよびキャリアコア粒子を被覆物質で表面被覆した樹脂被覆キャリア、または樹脂に磁性を有する粒子を分散させた樹脂分散型キャリアなどが挙げられる。被覆物質としては公知のものを使用でき、たとえば、ポリテトラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ化ビニリデン、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂、ジターシャーリーブチルサリチル酸の金属化合物、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ニグロシン、アミノアクリレート樹脂、塩基性染料、塩基性染料のレーキ物、シリカ微粉末、アルミナ微粉末などが挙げられる。また樹脂分散型キャリアに用いられる樹脂としても特に制限されないけれども、たとえば、スチレンアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、およびフェノール樹脂などが挙げられる。いずれも、トナー成分に応じて選択するのが好ましく、1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
キャリアの形状は、球形または扁平形状が好ましい。またキャリアの粒径は特に制限されないけれども、高画質化を考慮すると、好ましくは10〜100μm、さらに好ましくは20〜50μmである。さらにキャリアの抵抗率は、好ましくは10Ω・cm以上、さらに好ましくは1012Ω・cm以上である。
キャリアの体積抵抗率は、キャリアを0.50cmの断面積を有する容器に入れてタッピングした後、容器内に詰められた粒子に1kg/cmの荷重を掛け、荷重と底面電極との間に1000V/cmの電界が生ずる電圧を印加したときの電流値を読み取って得られる値である。体積抵抗率が低いと、現像スリーブにバイアス電圧を印加した場合にキャリアに電荷が注入され、感光体にキャリア粒子が付着し易くなる。またバイアス電圧のブレークダウンが起こり易くなる。
キャリアの磁化強さ(最大磁化)は、好ましくは10〜60emu/g、さらに好ましくは15〜40emu/gである。磁化強さは現像ローラの磁束密度にもよるけれども、現像ローラの一般的な磁束密度の条件下においては、10emu/g未満であると磁気的な束縛力が働かず、キャリア飛散の原因となるおそれがある。また磁化強さが60emu/gを超えると、キャリアの穂立ちが高くなり過ぎるので、非接触現像では、像担持体と非接触状態を保つことが困難になる。また接触現像ではトナー像に掃き目が現れ易くなるおそれがある。
2成分現像剤におけるトナーとキャリアとの使用割合は特に制限されず、トナーおよびキャリアの種類に応じて適宜選択できるけれども、樹脂被覆キャリア(密度5〜8g/cm)を例にとれば、現像剤中に、トナーが現像剤全量の2〜30重量%、好ましくは2〜20重量%含まれるように、トナーを用いればよい。また2成分現像剤において、トナーによるキャリアの被覆率は、40〜80%であることが好ましい。

4、画像形成装置
図5は、本発明の第4の実施形態である画像形成装置100の構成を模式的に示す断面図である。画像形成装置100は、複写機能、プリンタ機能およびファクシミリ機能を併せ持つ複合機であり、伝達される画像情報に応じて、記録媒体にフルカラーまたはモノクロの画像を形成する。すなわち、画像形成装置100においては、コピアモード(複写モード)、プリンタモードおよびFAXモードという3種の印刷モードを有しており、図示しない操作部からの操作入力、パーソナルコンピュータ、携帯端末装置、情報記録記憶媒体またはメモリ装置を用いた外部機器からの印刷ジョブの受信などに応じて、図示しない制御部によって、印刷モードが選択される。
画像形成装置100は、像担持体である感光体ドラム11と、画像形成部2と、転写手段3と、定着手段4と、記録媒体供給手段5と、排出手段6とを含む。画像形成部2を構成する各部材および転写手段3に含まれる一部の部材は、カラー画像情報に含まれるブラック(b)、シアン(c)、マゼンタ(m)およびイエロー(y)の各色の画像情報に対応するために、それぞれ4つずつ設けられる。ここでは、各色に応じて4つずつ設けられる各部材は、各色を表すアルファベットを参照符号の末尾に付して区別し、総称する場合は参照符号のみで表す。
画像形成部2は、帯電手段12と、露光ユニット13と、現像装置14と、クリーニングユニット15とを含む。帯電手段12および露光ユニット13は、潜像形成手段として機能する。帯電手段12、現像装置14およびクリーニングユニット15は、感光体ドラム11まわりに、この順序で配置される。帯電手段12は、現像装置14およびクリーニングユニット15よりも鉛直方向下方に配置される。
感光体ドラム11は、図示しない回転駆動手段によって、軸線回りに回転駆動可能に設けられ、その表面部に静電潜像が形成されるローラ状部材である。感光体ドラム11の回転駆動手段は、中央処理装置(Central Processing Unit;CPU)によって実現される
制御手段で制御される。感光体ドラム11は、図示しない導電性基体と、導電性基体の表面に形成される図示しない感光層とを含んで構成される。導電性基体は種々の形状を採ることができ、たとえば、円筒状、円柱状、薄膜シート状などが挙げられる。これらの中でも円筒状が好ましい。導電性基体は導電性材料によって形成される。
導電性材料としては、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、アルミニウム、銅、真鍮、亜鉛、ニッケル、ステンレス鋼、クロム、モリブデン、バナジウム、インジウム、チタン、金、白金などの金属、これらの2種以上の合金、合成樹脂フィルム、金属フィルムまたは紙などのフィルム状基体にアルミニウム、アルミニウム合金、酸化錫、金および酸化インジウムなどの1種または2種以上からなる導電性層を形成してなる導電性フィルム、ならびに導電性粒子および/または導電性ポリマーを含有する樹脂組成物などが挙げられる。導電性フィルムに用いられるフィルム状基体としては、合成樹脂フィルムが好ましく、ポリエステルフィルムが特に好ましい。また、導電性フィルムにおける導電性層の形成方法としては、蒸着、塗布などが好ましい。
感光層は、たとえば、電荷発生物質を含む電荷発生層と、電荷輸送物質を含む電荷輸送層とを積層することによって形成される。その際、導電性基体と電荷発生層または電荷輸送層との間には、下引き層を設けることが好ましい。下引き層を設けることによって、導電性基体の表面に存在する傷および凹凸を被覆して、感光層表面を平滑化でき、また、繰り返し使用時における感光層の帯電性の劣化を防止する、低温および/または低湿環境下において感光層の帯電特性を向上させるといった利点が得られる。また最上層に感光体表面保護層を設けた耐久性の大きい三層構造の積層感光体であっても良い。
電荷発生層は、光照射によって電荷を発生する電荷発生物質を主成分とし、必要に応じて公知の結着樹脂、可塑剤、増感剤などを含有する。電荷発生物質としては、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、ペリレンイミド、ペリレン酸無水物などのペリレン系顔料、キナクリドン、アントラキノンなどの多環キノン系顔料、金属および無金属フタロシアニン、ハロゲン化無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、スクエアリウム色素、アズレニウム色素、チアピリリウム色素、ならびにカルバゾール骨格、スチリルスチルベン骨格、トリフェニルアミン骨格、ジベンゾチオフェン骨格、オキサジアゾール骨格、フルオレノン骨格、ビススチルベン骨格、ジスチリルオキサジアゾール骨格またはジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料などが挙げられる。これらの中でも、無金属フタロシアニン顔料、オキソチタニルフタロシアニン顔料、フローレン環および/またはフルオレノン環を含有するビスアゾ顔料、芳香族アミンからなるビスアゾ顔料、トリスアゾ顔料などは高い電荷発生能を有し、高感度の感光層を得るのに適する。電荷発生物質は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。電荷発生物質の含有量は特に制限はないけれども、電荷発生層中の結着樹脂100重量部に対して好ましくは5重量部以上500重量部以下、さらに好ましくは10重量部以上200重量部以下である。電荷発生層用の結着樹脂としてもこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリウレタン、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリカーボネート、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアリレート、ポリアミドおよびポリエステルなどが挙げられる。結着樹脂は1種を単独で使用できまたは必要に応じて2種以上を併用できる。
電荷発生層は、電荷発生物質、結着樹脂および必要に応じて可塑剤、増感剤などのそれぞれ適量を、これらの成分を溶解または分散し得る適切な有機溶媒に溶解または分散して電荷発生層塗液を調製し、この電荷発生層塗液を導電性基体表面に塗布し、導電性基体表面を乾燥させることによって形成できる。このようにして得られる電荷発生層の膜厚は特に制限されないが、好ましくは0.05μm以上5μm以下、さらに好ましくは0.1μm以上2.5μm以下である。
電荷発生層の上に積層される電荷輸送層は、電荷発生物質から発生する電荷を受け入れて輸送する能力を有する電荷輸送物質および電荷輸送層用の結着樹脂を必須成分とし、必要に応じて公知の酸化防止剤、可塑剤、増感剤、潤滑剤などを含有する。電荷輸送物質としてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリル)アントラセン、1,1−ビス(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、ピラゾリン誘導体、フェニルヒドラゾン類、ヒドラゾン誘導体、トリフェニルアミン系化合物、テトラフェニルジアミン系化合物、トリフェニルメタン系化合物、スチルベン系化合物、3−メチル−2−ベンゾチアゾリン環を有するアジン化合物などの電子供与性物質、フルオレノン誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体、インデノチオフェン誘導体、フェナンスレンキノン誘導体、インデノピリジン誘導体、チオキサントン誘導体、ベンゾ[c]シンノリン誘導体、フェナジンオキサイド誘導体、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、プロマニル、クロラニル、ならびにベンゾキノンなどの電子受容性物質などが挙げられる。電荷輸送物質は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。電荷輸送物質の含有量は特に制限されないけれども、好ましくは電荷輸送物質中の結着樹脂100重量部に対して10重量部以上300重量部以下、さらに好ましくは30重量部以上150重量部以下である。
電荷輸送層用の結着樹脂としては、この分野で常用されかつ電荷輸送物質を均一に分散できるものを使用でき、たとえば、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリビニルブチラール、ポリアミド、ポリエステル、ポリケトン、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリスルホン樹脂、およびこれらの共重合樹脂などが挙げられる。これらの中でも、成膜性、得られる電荷輸送層の耐摩耗性、電気特性などを考慮すると、ビスフェノールZをモノマー成分として含有するポリカーボネート(以後「ビスフェノールZ型ポリカーボネート」と称す)、ビスフェノールZ型ポリカーボネートと他のポリカーボネートとの混合物が好ましい。結着樹脂は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
電荷輸送層には、電荷輸送物質および電荷輸送層用の結着樹脂と共に、酸化防止剤が含まれるのが好ましい。酸化防止剤としてもこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、ビタミンE、ハイドロキノン、ヒンダードアミン、ヒンダードフェノール、パラフェニレンジアミン、アリールアルカンおよびその誘導体、有機硫黄化合物、ならびに有機燐化合物などが挙げられる。酸化防止剤は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。酸化防止剤の含有量は特に制限されないけれども、電荷輸送層を構成する成分の合計量の0.01重量%以上10重量%以下、好ましくは0.05重量%以上5重量%以下である。
電荷輸送層は、電荷輸送物質、結着樹脂および必要に応じて酸化防止剤、可塑剤、増感剤などのそれぞれ適量を、これらの成分を溶解または分散し得る適切な有機溶媒に溶解または分散して電荷輸送層用塗液を調製し、この電荷輸送層用塗液を電荷発生層表面に塗布し、電荷発生層表面を乾燥させることによって形成できる。このようにして得られる電荷輸送層の膜厚は特に制限されないが、好ましくは10μm以上50μm以下、さらに好ましくは15μm以上40μm以下である。
1つの層に、電荷発生物質と電荷輸送物質とが存在する感光層を形成することもできる。その場合、電荷発生物質および電荷輸送物質の種類、含有量、結着樹脂の種類、その他の添加剤などは、電荷発生層および電荷輸送層を別々に形成する場合と同様でよい。
本実施の形態では、前述のような、電荷発生物質および電荷輸送物質を用いる有機感光層を形成してなる感光体ドラムを用いるけれども、それに代えて、シリコンなどを用いる無機感光層を形成してなる感光体ドラムを使用することもできる。
帯電手段12は、感光体ドラム11を臨み、感光体ドラム11の長手方向に沿って感光体ドラム11表面から間隙を有して離隔するように配置され、感光体ドラム11表面を所定の極性および電位に帯電させる。帯電手段12には、帯電ブラシ型帯電器、チャージャ型帯電器、鋸歯型帯電器またはイオン発生装置などを使用できる。本実施の形態では、帯電手段12は感光体ドラム11表面から離隔するように設けられるけれども、それに限定されない。たとえば、帯電手段12として帯電ローラを用い、帯電ローラと感光体ドラム11とが圧接するように帯電ローラを配置してもよく、帯電ブラシ、磁気ブラシなどの接触帯電方式の帯電器を用いてもよい。
露光ユニット13は、露光ユニット13から出射される各色情報の光が、帯電手段12と現像装置14との間を通過して感光体ドラム11の表面に照射されるように配置される。露光ユニット13は、画像情報を該ユニット内でブラック、シアン、マゼンタおよびイエローの各色情報の光に分岐し、帯電手段12によって一様な電位に帯電された感光体ドラム11表面を各色情報の光で露光し、その表面に静電潜像を形成する。露光ユニット13には、たとえば、レーザ照射部および複数の反射ミラーを備えるレーザスキャニングユニットを使用できる。他にもLEDアレイ、または液晶シャッタと光源とを適宜組み合わせたユニットを用いてもよい。
クリーニングユニット15は、現像装置14によって、感光体ドラム11表面に形成させたトナー像を記録媒体に転写した後に、感光体ドラム11の表面に残留するトナーを除去し、感光体ドラム11の表面を清浄化する。クリーニングユニット15には、たとえば、クリーニングブレードなどの板状部材が用いられる。本実施形態の画像形成装置においては、感光体ドラム11として、有機感光体ドラムが用いられ、有機感光体ドラムの表面は樹脂成分を主体とするものであるので、帯電装置によるコロナ放電によって発生するオゾンの化学的作用で有機感光体ドラムの表面の劣化が進行しやすい。ところが、劣化した表面部分はクリーニングユニット15よる擦過作用を受けて摩耗し、徐々にではあるが劣化した表面部分が確実に除去される。したがって、オゾンなどによる表面の劣化の問題が実際上解消され、長期間にわたって、帯電動作による帯電電位を安定に維持することができる。本実施の形態ではクリーニングユニット15を設けるけれども、それに限定されず、クリーニングユニット15を設けなくてもよい。
画像形成部2によれば、帯電手段12によって均一な帯電状態にある感光体ドラム11の表面に、露光ユニット13から画像情報に応じた信号光を照射して静電潜像を形成し、これに現像装置14からトナーを供給してトナー像を形成し、このトナー像を中間転写ベルト25に転写した後に、感光体ドラム11表面に残留するトナーをクリーニングユニット15で除去する。この一連のトナー像形成動作が画像を形成するために繰り返し実行される。
転写手段3は、感光体ドラム11の上方に配置され、中間転写ベルト25と、駆動ローラ26と、従動ローラ27と、ブラック、シアン、マゼンタおよびイエローの各色の画像情報にそれぞれ対応する4つの中間転写ローラ28と、転写ベルトクリーニングユニット29、転写ローラ30とを含む。中間転写ベルト25は、駆動ローラ26と従動ローラ27とに張架され、ループ状の移動経路を形成する無端ベルト状部材であり、矢符Bの方向に回転駆動する。駆動ローラ26は図示しない駆動手段によってその軸線回りに回転駆動可能に設けられ、その回転駆動によって、中間転写ベルト25を矢符B方向へ回転駆動させる。従動ローラ27は駆動ローラ26の回転駆動に従動回転可能に設けられ、中間転写ベルト25が弛まないように一定の張力を中間転写ベルト25に付与する。中間転写ローラ28は、中間転写ベルト25を介して感光体ドラム11に圧接し、かつ図示しない駆動手段によってその軸線回りに回転駆動可能に設けられる。中間転写ローラ28は、前述のように転写バイアスを印加する図示しない電源が接続され、感光体ドラム11表面のトナー像を中間転写ベルト25に転写する機能を有する。
中間転写ベルト25が、感光体ドラム11に接しながら感光体ドラム11を通過する際、中間転写ベルト25を介して感光体ドラム11に対向配置する中間転写ローラ28から、感光体ドラム11表面のトナーの帯電極性とは逆極性の転写バイアスが印加され、感光体ドラム11の表面に形成されたトナー像が中間転写ベルト25へ転写される。フルカラー画像の場合、各感光体ドラム11で形成される各色のトナー画像が、中間転写ベルト25に順次重ねて転写されることによって、フルカラートナー像が形成される。
転写ベルトクリーニングユニット29は、中間転写ベルト25を介して従動ローラ27に対向し、中間転写ベルト25の外周面に接触するように設けられる。感光体ドラム11との接触によって中間転写ベルト25に付着するトナーは、記録媒体を汚染する原因となるので、転写ベルトクリーニングユニット29が中間転写ベルト25表面のトナーを除去し回収する。
転写ローラ30は、中間転写ベルト25を介して駆動ローラ26に圧接し、図示しない駆動手段によって軸線回りに回転駆動可能に設けられる。転写ローラ30と駆動ローラ26との圧接部、すなわち転写ニップ部において、中間転写ベルト25に担持され、搬送されるトナー像が、後述する記録媒体供給手段5から送給される記録媒体に転写される。トナー像を担持する記録媒体は、定着手段4に送給される。
転写手段3によれば、感光体ドラム11と中間転写ローラ28との圧接部において感光体ドラム11から中間転写ベルト25に転写されるトナー像が、中間転写ベルト25の矢符B方向への回転駆動によって転写ニップ部に搬送され、そこで記録媒体に転写される。
定着手段4は、転写手段3よりも記録媒体の搬送方向下流側に設けられ、定着ローラ31と加圧ローラ32とを含む。定着ローラ31は図示しない駆動手段によって回転駆動可能に設けられ、記録媒体に担持される未定着トナー像を、構成するトナーを加熱して溶融させることによって記録媒体に定着させる。定着ローラ31の内部には図示しない加熱手段が設けられる。加熱手段は、定着ローラ31表面が所定の温度(以後「加熱温度」ともいう)になるように定着ローラ31を加熱する。加熱手段には、たとえば、ヒータ、ハロゲンランプなどを使用できる。加熱手段は、後記する定着条件制御手段によって制御される。定着条件制御手段による加熱温度の制御については、後に詳述する。
定着ローラ31表面近傍には図示しない温度検知センサが設けられ、温度検知センサは定着ローラ31の表面温度を検知する。温度検知センサによる検知結果は、後記する制御手段の記憶部に書き込まれる。加圧ローラ32は定着ローラ31に圧接するように設けられ、加圧ローラ32の回転駆動に従動回転可能に支持される。定着ローラ31からの熱によってトナーが溶融し、トナー像が記録媒体に定着する際に加圧ローラ32はトナーと記録媒体とを押圧することによって、トナー像の記録媒体への定着を補助する。定着ローラ31と加圧ローラ32との圧接部が定着ニップ部である。
定着手段4によれば、転写手段3においてトナー像が転写された記録媒体が、定着ローラ31と加圧ローラ32とによって挟持され、定着ニップ部を通過する際に、トナー像が加熱下に記録媒体に押圧されることによって、トナー像が記録媒体に定着され、画像が形成される。
記録媒体供給手段5は、自動給紙トレイ35と、ピックアップローラ36と、搬送ローラ37と、レジストローラ38、手差給紙トレイ39を含む。自動給紙トレイ35は画像形成装置100の鉛直方向下部に設けられ、記録媒体を貯留する容器状部材である。記録媒体には、たとえば普通紙、カラーコピー用紙、オーバーヘッドプロジェクタ用シート、葉書などがある。ピックアップローラ36は、自動給紙トレイ35に貯留される記録媒体を1枚ずつ取り出し、用紙搬送路S1に送給する。搬送ローラ37は互いに圧接するように設けられる一対のローラ部材であり、記録媒体をレジストローラ38に向けて搬送する。レジストローラ38は互いに圧接するように設けられる一対のローラ部材であり、搬送ローラ37から送給される記録媒体を、中間転写ベルト25に担持されるトナー像が転写ニップ部に搬送されるのに同期して、転写ニップ部に送給する。手差給紙トレイ39は、手動動作によって記録媒体を画像形成装置100内に取り込む装置であり、手差給紙トレイ39から取り込まれる記録媒体は、搬送ローラ37によって用紙搬送路S2内を通過し、レジストローラ38に送給される。記録媒体供給手段5によれば、自動給紙トレイ35または手差給紙トレイ39から1枚ずつ供給される記録媒体を、中間転写ベルト25に担持されるトナー像が転写ニップ部に搬送されるのに同期して、転写ニップ部に送給する。
排出手段6は、搬送ローラ37と、排出ローラ40と、排出トレイ41とを含む。搬送ローラ37は、用紙搬送方向において定着ニップ部よりも下流側に設けられ、定着手段4によって画像が定着された記録媒体を排出ローラ40に向けて搬送する。排出ローラ40は、画像が定着された記録媒体を、画像形成装置100の鉛直方向上面に設けられる排出トレイ41に排出する。排出トレイ41は、画像が定着された記録媒体を貯留する。
画像形成装置100は、図示しない制御手段を含む。制御手段は、たとえば、画像形成装置100の内部空間における上部に設けられ、記憶部と演算部と制御部とを含む。制御手段の記憶部には、画像形成装置100の上面に配置される図示しない操作パネルを介する各種設定値、画像形成装置100内部の各所に配置される図示しないセンサなどからの検知結果、および外部機器からの画像情報などが入力される。また、各種手段を実行するプログラムが書き込まれる。各種手段とは、たとえば、記録媒体判定手段、付着量制御手段、定着条件制御手段などである。記憶部には、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、リードオンリィメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)およびハードディスクドライブ(HDD)などが挙げられる。外部機器には、画像情報の形成または取得が可能であり、かつ画像形成装置100に電気的に接続可能な電気・電子機器を使用でき、たとえば、コンピュータ、デジタルカメラ、テレビ、ビデオレコーダ、DVDレコーダ、HD DVD、ブルーレイディスクレコーダ、ファクシミリ装置、携帯端末装置などが挙げられる。演算部は、記憶部に書き込まれる各種データ(画像形成命令、検知結果、画像情報など)および各種手段のプログラムを取り出し、各種判定を行う。制御部は、演算部の判定結果に応じて該当装置に制御信号を送付し、動作制御を行う。制御部および演算部は中央処理装置(CPU、Central Processing Unit)を備えるマイクロコンピュータ、マイクロプロセッサなどによって実現される処理回路を含む。制御手段は、前述の処理回路とともに主電源を含み、電源は制御手段だけでなく、画像形成装置100内部における各装置にも電力を供給する。
5、定着装置
図6は、図5に示す画像形成装置100に備わる現像装置14を模式的に示す概略図である。現像装置14は、現像槽20とトナーホッパ21とを含む。現像槽20は感光体ドラム11表面を臨むように配置され、感光体ドラム11の表面に形成される静電潜像にトナーを供給して現像し、可視像であるトナー像を形成する容器状部材である。現像槽20は、その内部空間にトナーを収容しかつ現像ローラ50、供給ローラ51、撹拌ローラ52などのローラ部材を収容して回転自在に支持する。また、ローラ状部材の代わりにスクリュー部材を収容してもよい。本実施形態の現像装置14は、トナーとして、前述の実施の一形態のトナーを現像槽20に収容する。
現像槽20の感光体ドラム11を臨む側面には開口部53が形成され、この開口部53を介して感光体ドラム11に対向する位置に現像ローラ50が回転駆動可能に設けられる。現像ローラ50は、感光体ドラム11との圧接部または最近接部において感光体11表面の静電潜像にトナーを供給するローラ状部材である。トナーの供給に際しては、現像ローラ50表面にトナーの帯電電位とは逆極性の電位が現像バイアス電圧(以下、単に「現像バイアス」とする)として印加される。これによって、現像ローラ50表面のトナーが静電潜像に円滑に供給される。さらに、現像バイアス値を変更することによって、静電潜像に供給されるトナー量、すなわち静電潜像のトナー付着量を制御できる。
供給ローラ51は現像ローラ50を臨んで回転駆動可能に設けられるローラ状部材であり、現像ローラ50周辺にトナーを供給する。
撹拌ローラ52は供給ローラ51を臨んで回転駆動可能に設けられるローラ状部材であり、トナーホッパ21から現像槽20内に新たに供給されるトナーを供給ローラ51周辺に送給する。トナーホッパ21は、その鉛直方向下部に設けられるトナー補給口54と、現像槽20の鉛直方向上部に設けられるトナー受入口55とが連通するように設けられ、現像槽20のトナー消費状況に応じてトナーを補給する。またトナーホッパ21を用いず、各色トナーカートリッジから直接トナーを補給するよう構成してもよい。
以上のように、現像装置14は、本発明の現像剤を用いて潜像を現像するので、感光体ドラム11に高精細なトナー像を安定して形成することができる。したがって、高画質の画像を安定して形成することができる。
また本発明によれば、潜像が形成される感光体ドラム11と、感光体ドラム11に潜像を形成する帯電手段12および露光ユニット13と、前述のように、高精細なトナー像を感光体ドラム11に形成可能な本発明の現像装置14とを備えて画像形成装置100が実現される。このような画像形成装置100で画像を形成することによって、高精細で濃度むらのない良好な高画質画像を安定して形成することができる。
以下に実施例および比較例を挙げ、本発明を具体的に説明する。以下において、「部」および「%」は特に断らない限りそれぞれ「重量部」および「重量%」を意味する。実施例および比較例における結着樹脂およびトナー母粒子のガラス転移温度、結着樹脂の軟化温度、離型剤の融点、トナー母粒子の体積平均粒径は、以下のようにして測定した。
[結着樹脂および処理前母粒子のガラス転移温度]
示差走査熱量計(商品名:DSC220、セイコー電子工業株式会社製)を用い、日本工業規格(JIS)K7121−1987に準じ、試料1gを昇温速度毎分10℃で加熱してDSC曲線を測定した。得られたDSC曲線のガラス転移に相当する吸熱ピークの高温側のベースラインを低温側に延長した直線と、ピークの立ち上がり部分から頂点までの曲線に対して勾配が最大になるような点で引いた接線との交点の温度をガラス転移温度(Tg)として求めた。
[結着樹脂の軟化温度]
流動特性評価装置(商品名:フローテスターCFT−100C、株式会社島津製作所製)において、荷重20kgf/cm(9.8×10Pa)を与えて試料1gがダイ(ノズル口径1mm、長さ1mm)から押出されるように設定し、昇温速度毎分6℃で加熱し、ダイから試料の半分量が流出したときの温度を求め、軟化温度(Tm)とした。
[離型剤の融点]
示差走査熱量計(商品名:DSC220、セイコー電子工業株式会社製)を用い、試料1gを温度20℃から昇温速度毎分10℃で200℃まで昇温させ、次いで200℃から20℃に急冷させる操作を2回繰返し、DSC曲線を測定した。2回目の操作で測定されるDSC曲線の融解に相当する吸熱ピークの頂点の温度を離型剤の融点として求めた。
[体積平均粒径]
電解液(商品名:ISOTON−II、ベックマン・コールター社製)50mlに、試料20mgおよびアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム1mlを加え、超音波分散器(商品名:卓上型2周波超音波洗浄器VS−D100、アズワン株式会社製)によって超音波周波数20kHzで3分間分散処理して測定用試料を調製した。この測定用試料について、粒度分布測定装置(商品名:Multisizer3、ベックマン・コールター社製)を用い、アパーチャ径:100μm、測定粒子数:50000カウントの条件下に測定を行い、試料粒子の体積粒度分布から体積平均粒径を求めた。
[トナー母粒子表面の離型剤の露出量]
トナー母粒子1gをヘキサン20mlに分散させ、スターラーを入れて10分間攪拌してヘキサンでトナー母粒子表面の離型剤を溶出させた後に、ろ過して40℃設定の乾燥機に一晩入れて乾燥させた。このトナー母粒子1gを温度20℃から昇温速度毎分10℃で150℃まで昇温させ、次いで150℃から20℃までトナーを急冷させる操作を2回繰返し、DSC曲線を測定した。2回目の操作で測定されるDSC曲線の融解熱量によって、トナー母粒子中の離型剤の熱容量を計算した。ヘキサンで処理をしていないトナー母粒子についても、同様の方法で熱容量を計算した。これらの熱容量の差からトナー母粒子表面の離型剤の露出量を見積もった。
[トナー母粒子表面の離型剤の分散径]
2Lビーカーにn−ヘキサン(キシダ化学株式会社製)100部と撹拌子とを入れ、スターラーで撹拌しながら、前記ビーカー内にトナー母粒子5重量部を入れ、前記ビーカー内に超音波振動棒を浸して28kHzで振動させながら10秒間撹拌することによって、トナー母粒子表面に露出している離型剤を除去した。その後、前記ビーカー内のトナー母粒子が分散している分散液を吸引ろ過し、ろ紙上に残ったトナー母粒子を35℃、5%RHの恒温恒湿槽内で乾燥させた。乾燥させたトナー母粒子の表面に、スパッタ蒸着によって金属膜(Au膜、膜厚0.5μm)を形成した。走査型電子顕微鏡(商品名:VE9800、株式会社キーエンス製)を用い、加速電圧10kV、1000倍の倍率で、金属膜を形成した金属膜被覆トナー母粒子の写真撮影を行った。その電子顕微鏡写真データから無作為に離型剤除去後の穴を200〜300個抽出し、画像解析ソフト(商品名:A像くん、旭化成エンジニアリング株式会社製)で画像解析することでトナー母粒子表面の離型剤の穴の直径を求め、それをトナー母粒子表面の離型剤の分散径とした。このようにして測定されるトナー母粒子表面の離型剤の分散径の大きさは、トナー母粒子内部に含まれる離型剤の分散径の大きさと異なり、トナー母粒子表面の離型剤の分散径はトナー母粒子内部に含まれる離型剤の分散径より大きい。トナー母粒子表面の離型剤の分散径は、大きいほど処理前母粒子表面処理工程S1bで多くの離型剤を染み出させたことを示す。
(実施例1)
〔処理前母粒子作製工程S1a〕
処理前母粒子原料およびその添加量を以下とする。
・ポリエステル樹脂(商品名:ダイヤクロン、三菱レイヨン株式会社製、ガラス転移温度55℃、軟化温度130℃) 87.5%(100部)
・C.I.Pigment Blue 15:3 5.0%(5.7部)
・離型剤(パラフィンワックス、融点75℃) 6.0%(6.9部)
・帯電制御剤(商品名:ボントロンE84、オリエント化学工業株式会社)
1.5%(1.7部)
以上の各構成成分を、ヘンシェルミキサ(商品名:FM20C、三井鉱山株式会社製)にて前混合した。その後、ニーデックス(商品名、三井鉱山株式会社製)を用いて140℃で溶融混練した。この溶融混練物をカッティングミル(商品名:VM−16、オリエント株式会社製)で粗粉砕した後、ジェットミル(ホソカワミクロン株式会社製)で微粉砕し、さらに風力分級機(ホソカワミクロン株式会社製)で分級することによって、体積平均粒径が6.5μmであり、ガラス転移温度が56℃の処理前母粒子を作製した。
〔処理前母粒子表面処理工程S1b〕
熱風式球形化装置(商品名:メテオレインボー、日本ニューマチック工業株式会社製)を用い、処理前母粒子の表面を球形化処理することによってトナー母粒子を得た。球形化処理の条件としては、熱風式球形化装置への処理前母粒子の投入量を毎時3.0kgとし、熱風の供給量を毎分900Lとし、熱風温度を190℃とし、冷却空気の供給圧力を0.15MPaとし、二次エア噴射ノズルからの空気の供給量を毎分230Lとした。また冷却エア取入口と、衝突部材との距離を2.0cmとした。得られたトナー母粒子の形状係数SF2は122であった。
〔樹脂微粒子調製工程S2〕
スチレンとアクリル酸ブチルとを重合したものを凍結乾燥し、樹脂微粒子として、体積平均粒径が0.1μmであるスチレン−ブチルアクリレート共重合体微粒子A(ガラス転移温度72℃、軟化温度126℃)を得た。
〔被覆工程S3〕
図2に示す装置に準ずるハイブリダイゼーションシステム(商品名:NHS−1型、株式会社奈良機械製作所製)に、二流体ノズルを取付けた装置によって、トナー母粒子および樹脂微粒子を撹拌、流動させた状態で液体としてエタノールを噴霧した。液体噴霧ユニットとしては、市販品を用いることができ、液体をたとえば、送液ポンプ(商品名:SP11−12、株式会社フロム製)を通して二流体ノズル(商品名:HM−6型、扶桑精機株式会社製)に定量送液するように接続したものを使用することができる。液体の噴霧速度および液体ガス排出速度は市販のガス検知器(商品名:XP−3110、新コスモス電機株式会社製)を使用して観察することができる。
温度調整用ジャケットは、粉体流過部および撹拌部壁面の全面に設けた。粉体流路には温度センサを取り付けた。粉体流過部および撹拌部の温度を55℃になるように調整した。前記装置において、トナー母粒子表面への樹脂微粒子付着工程で、ハイブリダイゼーションシステムの回転撹拌手段の最外周における周速度を100m/secとした。噴霧工程および膜化工程でも周速度を100m/secとした。また液体噴霧方向と、粉体流動方向とのなす角度(以下「噴霧角度」という)が平行(0°)になるように、二流体ノズルの取付け角度を設定した。このような装置によって、作製したトナー母粒子100重量部と樹脂微粒子10重量部とを5分間撹拌混合後、液体としてエタノールを噴霧速度毎分0.5g、エア流量は毎分5Lとし、30分間噴霧して樹脂微粒子をトナー母粒子表面に膜化させた。その後、エタノール噴霧を停止して5分間撹拌し、実施例1のトナーを得た。このとき貫通孔およびガス排出部を通じて排出された液体の排出濃度は約1.4Vol%で安定していた。また装置内へ流すエア流量は、回転軸部から装置内に流すエア流量を毎分5Lに調節して、二流体ノズルからのエア流量と合計して毎分10Lを流した。
被覆工程後のトナーの形状係数SF2は120であった。
(実施例2)
処理前母粒子表面処理工程S1bにおいて、熱風温度を190℃から170℃に変更したこと以外は実施例1と同様にして実施例2のトナーを得た。処理前母粒子表面処理工程S1b後のトナー母粒子の形状係数SF2は133であり、被覆工程S3後のトナーの形状係数SF2は128であった。
(実施例3)
処理前母粒子表面処理工程S1bにおいて、熱風温度を190℃から220℃に変更したこと以外は実施例1と同様にして実施例3のトナーを得た。処理前母粒子表面処理工程S1b後のトナー母粒子の形状係数SF2は112であり、被覆工程S3後のトナーの形状係数SF2は112であった。
(実施例4)
処理前母粒子中の離型剤量を6.9重量部から5.5重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして実施例4のトナーを得た。処理前母粒子表面処理工程S1b後のトナー母粒子の形状係数SF2は122であり、被覆工程S3後のトナーの形状係数SF2は120であった。
(実施例5)
処理前母粒子作製工程S1aにおいて、溶融混練の温度を140℃から170℃に変更したこと以外は実施例1と同様にして実施例5のトナーを得た。処理前母粒子表面処理工程S1b後のトナー母粒子の形状係数SF2は122であり、被覆工程S3後のトナーの形状係数SF2は120であった。
(比較例1)
処理前母粒子表面処理工程S1bを行わなかったこと以外は実施例1と同様にして比較例1のトナーを得た。処理前母粒子作製工程S1a後のトナー母粒子の形状係数SF2は143であり、被覆工程S3後のトナーの形状係数SF2は130であった。
(比較例2)
処理前母粒子表面処理工程S1bにおいて、熱風温度を190℃から165℃に変更したこと以外は実施例1と同様にして比較例2のトナーを得た。処理前母粒子表面処理工程S1b後のトナー母粒子の形状係数SF2は137であり、被覆工程S3後のトナーの形状係数SF2は129であった。
(比較例3)
処理前母粒子表面処理工程S1bにおいて、熱風温度を190℃から230℃に変更したこと以外は実施例1と同様にして比較例3のトナーを得た。処理前母粒子表面処理工程S1b後のトナー母粒子の形状係数SF2は108であり、被覆工程S3後のトナーの形状係数SF2は108であった。
(比較例4)
処理前母粒子表面処理工程S1b以降の工程(S2およびS3の工程)を行わなかったこと以外は実施例1と同様にして比較例4のトナーを得た。
実施例1〜5および比較例1〜4のトナーの物性について、表1にまとめた。
Figure 0005103410
(2成分現像剤の作製)
実施例および比較例のトナー5重量部を体積平均粒子径45μmのフェライトコアキャリア95重量部とそれぞれ混合することによって2成分現像剤を作製した。
得られた実施例1〜5および比較例1〜4のトナーを次のように評価した。
〔保存安定性〕
実施例1〜5および比較例1〜4のトナーを用い、高温保存後の凝集物の有無によって保存安定性を評価した。トナー20gをポリ容器に密閉し、60℃で72時間放置した後、トナーを取り出して230メッシュのふるいに掛けた。ふるい上に残存するトナーの重量を測定し、この重量のトナー全重量に対する割合である残存量を求め、下記の評価基準で評価した。残存量の数値が低いほど、トナーがブロッキングを起こしておらずトナー母粒子が被覆層で充分に被覆されていることを示す。
評価基準は以下のとおりである。
◎:非常に良好。凝集なし。残存量が1%未満である。
○:良好。凝集微量。残存量が1%以上3%未満である。
△:可。凝集少量。残存量が3%以上20%未満である。
×:不良。凝集多量。残存量が20%以上である。
〔定着性〕
市販複写機(商品名:MX−4500、シャープ株式会社製)を改造した装置に実施例1〜5および比較例1〜4で得られたトナーを含む2成分現像剤をそれぞれ充填した。縦20mm、横50mmの長方形状のべた画像部を含むサンプル画像のべた画像部における未定着状態でのトナーの記録用紙への付着量が0.5mg/cmになるように調整して、記録媒体である記録用紙(商品名:PPC用紙SF−4AM3、シャープ株式会社製)に未定着画像を形成した。次に、カラー複合機の定着部を用いて作製した外部定着器を用い、未定着画像を定着させて定着画像を作成した。この定着画像の作成の動作を、定着ローラの温度を130℃から5℃刻みで上げて複数回行い、定着非オフセット域(℃)を求めた。定着非オフセット域(℃)は、低温オフセットおよび高温オフセットが発生しない温度域とし、具体的には、下記式(6)によって表される。
(定着非オフセット域〔℃〕)=(高温オフセット発生温度〔℃〕)
−(低温オフセット発生温度〔℃〕)…(2)
本実施例において、高温オフセットの発生および低温オフセットの発生とは、定着時に記録用紙に定着しなかったトナーが、定着ローラに付着したまま、定着ローラが一周した後に記録用紙に付着することと定義する。なお、定着画像の作成動作時の定着プロセス速度は124mm/秒とした。定着非オフセット域の値を用い、定着性を評価した。
評価基準は以下のとおりである。
◎:非常に良好。定着非オフセット域が50℃以上である。
○:良好。定着非オフセット域が40℃以上50℃未満である。
△:可。定着非オフセット域が35℃以上40℃未満である。
×:不良。定着非オフセット域が35℃未満である。
〔クリーニング性〕
実施例1〜5および比較例1〜4で得られたトナーを含む2成分現像剤をカラー複合機(商品名:MX−4500、シャープ株式会社製)に充填し、記録媒体として厚さ約60μmで表面粗さRaが1.0μmの国内中質紙(MI紙、シャープ株式会社推奨紙)を用い、印字率が5%のチャートを連続印字して3万枚印字後および5万枚印字後にテストチャートを形成した。テストチャートとして、全面べた画像、細線チャートおよび白紙(印字率0%)の3種類を形成した。この3種類のテストチャートの画像欠陥、すじ等を目視で確認し、クリーニング性を評価した。
評価基準は以下のとおりである。
◎:非常に良好。5万枚印字後の3種類のテストチャートすべてに画像欠損、すじ等が発生していない。
○:良好。3万枚印字後の3種類のテストチャートすべてに画像欠損、すじ等が発生していない。5万枚印字後では、1種類のテストチャートにのみ、若干のすじが発生している。
△:可。3万枚印字後に、1種類のテストチャートのみ、若干のすじが発生している。
×:不良。3万枚印字後に、1種類以上のテストチャートに画像欠損、すじ等が発生している。
〔総合評価〕
上記の評価結果に基づき、実施例および比較例のトナーの総合評価を行った。
総合評価基準は以下のとおりである。
◎:非常に良好。すべての評価結果が◎である。
○:良好。1つ以上○の評価結果があり、△および×の評価結果はない。
△:可。1つ以上△の評価結果があるが、×の評価結果はない。
×:不良。1つ以上×の評価結果がある。
これらの結果を表2にまとめた。表2の保存安定性において、「<1%」とは、「1%未満」であることを示す。
Figure 0005103410
表2から分かるように、実施例のトナーの保存安定性、定着性およびクリーニング性は良好であった。
しかしながら、トナー母粒子表面の離型剤露出量が比較的少ない実施例4、およびトナー母粒子表面に露出した離型剤の分散径が比較的小さい実施例5は、定着性が少し低下した。
トナー母粒子の形状係数が大きすぎる比較例1,2,4のトナーは、保存安定性が悪化した。また、トナー母粒子表面の離型剤露出量が少なすぎる比較例1,4は、定着性も悪化した。トナー母粒子の形状係数が小さすぎる比較例3は、クリーニング性が悪化した。
201 トナー製造装置
202 粉体流路
203 噴霧手段
204 回転攪拌手段
206 粉体投入部
207 粉体回収部
220 撹拌羽根

Claims (7)

  1. 熱風式球形化装置を用いて、結着樹脂および着色剤を含む処理前母粒子を球形化処理し、形状係数SF2が110以上135以下であり、表面の離型剤の露出量がトナー母粒子全量の2.3重量%以上であるトナー母粒子を得る処理前母粒子表面処理工程を行い、
    回転羽根を周設した回転盤と回転軸とからなる回転撹拌手段によってトナー母粒子および樹脂微粒子を、回転撹拌室および循環管を含む粉体流路内において繰り返し循環させ回転撹拌室に戻す循環手段と、トナー母粒子および樹脂微粒子を可塑化することができる可塑化液体をキャリアガスによって噴霧する噴霧手段とを備える回転撹拌装置を用いて、
    回転撹拌手段が回転している粉体流路内にトナー母粒子および樹脂微粒子を投入して、トナー母粒子表面に樹脂微粒子を付着させる樹脂微粒子付着工程と、
    流動状態にあるトナー母粒子および樹脂微粒子に、噴霧手段から可塑化液体を噴霧する噴霧工程と、
    トナー母粒子に付着した樹脂微粒子が軟化して膜化するまで回転撹拌手段の回転を続けてトナー母粒子および樹脂微粒子を流動させる膜化工程とを行うことを特徴とするトナーの製造方法。
  2. 樹脂微粒子付着工程で用いられるトナー母粒子は、表面の離型剤の分散径が300nm以上であることを特徴とする請求項1に記載のトナーの製造方法。
  3. 請求項1または2に記載のトナーの製造方法によって製造されることを特徴とするトナー。
  4. 請求項3に記載のトナーを含むことを特徴とする現像剤。
  5. 前記トナーとキャリアとから成る2成分現像剤であることを特徴とする請求項4に記載の現像剤。
  6. 請求項4または5に記載の現像剤を用いて像担持体に形成される潜像を現像し、トナー像を形成することを特徴とする現像装置。
  7. 潜像が形成される像担持体と、
    像担持体表面に潜像を形成する潜像形成手段と、
    請求項6に記載の現像装置とを備えることを特徴とする画像形成装置。
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