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JP5198167B2 - 真空断熱箱体 - Google Patents

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JP5198167B2 JP2008170086A JP2008170086A JP5198167B2 JP 5198167 B2 JP5198167 B2 JP 5198167B2 JP 2008170086 A JP2008170086 A JP 2008170086A JP 2008170086 A JP2008170086 A JP 2008170086A JP 5198167 B2 JP5198167 B2 JP 5198167B2
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Description

本発明は、断熱・保温を必要とするもの、例えば冷蔵庫・保温保冷外被材、自動販売機、電気湯沸かし器、車両等の断熱材として使用可能な真空断熱箱体に関するものである。
近年、地球環境問題である温暖化を防止することの重要性から、省エネルギー化が望まれており、民生用機器に対しても省エネルギーの推進が行われている。
例えば、自動車のエンジンの循環系に組み込まれる保温貯液容器では、昇温冷却水を保温し、有効活用することで、エンジン動作初期からの燃焼効率を確保できる。また、ジャーポット等の保温容器においては、保温性能をあげることで、省エネルギーに貢献する。冷蔵庫や自動販売機などの保冷用途では熱の進入を遮断し、冷凍システムの稼働率を下げることで、省エネルギーに寄与する。以上のような観点から、高性能な断熱材が求められている。
一般的な断熱材として、グラスウールなどの繊維材やウレタンフォームなどの発泡体が用いられている。しかし、これらの断熱材の断熱性能を向上するためには断熱材の厚さを増す必要があり、断熱材を充填できる空間に制限があって省スペースや空間の有効利用が必要な場合には適用することができない。
そこで、高性能な断熱材として、真空断熱材が提案されている。
真空断熱材は、発泡樹脂や繊維材、無機粉末等を芯材として外被材内に入れた断熱材で、断熱材内部を真空に保つことにより気体の熱伝導率を著しく低下させたものであり、その断熱性能を長期に渡って維持するためには、断熱材内部を真空に保ち続ける必要がある。
空気が介在して熱伝導が行われる場合、断熱性能に影響を及ぼす物性として、気体の平均自由行程がある。気体の平均自由行程とは、空気を構成する分子の一つが別の分子と衝突するまでに進む距離のことであり、平均自由行程よりも形成されている空隙が大きい場合は、空隙内において分子同士が衝突し、気体による熱伝導が生じるため、熱伝導率は大きくなる。
真空断熱材の断熱原理は、熱を伝える空気をできる限り排除し、気体による熱伝導を低減することである。
従って、真空断熱体の性能を長期間維持するためには、初期の内部圧力をより低圧とする必要がある。しかしながら、工業的レベルで高真空にすることは困難であり、実用的に達成可能な真空度は13Pa程度までである。
一方で、芯材の種類が異なると、空隙間距離が変わり、内部圧力が同じでも気体同士の衝突回数が変わり、熱伝導が異なってくる。空隙距離が小さいほど、同じ内部圧力でも気体同士の衝突回数は減少し、それに伴い気体による熱伝導が小さくなる。つまり、空隙間距離が小さい芯材を用いるほど、内部圧力が何らかの影響で上昇しても、気体の熱伝導による熱伝導率の上昇は少なく、断熱性能の低下も少ない。
真空断熱材全体の断熱性能は芯材等の固体による熱伝導も加わるため、一概に空隙距離が小さいものほど断熱性能が優れるとは限らないが、目的によって、使い分けをすることが可能である。
真空断熱箱体も原理、構成は真空断熱材と同じであるが、一般的に真空断熱材が芯材を気体難透過性の外被材中に挿入し内部を減圧して封止するため、外被材は大気圧縮により、スペーサーの役割を持つ芯材の形状に沿った形で密着する。芯材の形状が凹凸や曲げ部などで複雑な場合、外被材中に芯材を挿入することが困難になり、挿入できても、外被材は成形追従性がなく、凹凸や曲げに追従して、減圧封止することは困難である。
成形追従しなければ、芯材に形状を付与する意味がなく、外被材にシワが寄り、芯材と密着せず浮いてしまい、局所的に外被材に応力がかかりやすく、また、芯材と密着していない部分は、わずかな外力により破損しやすくなる。そのため、一般的な真空断熱材は平板状になっている。
ただし、緩やかな凹凸や曲げに対して追従性はあり、また、平板状に作成後、曲げたり、変形を加えたりも可能であるが、やはり、大きな変形を加えると、外被材に破損が生じる。
そのため、外被材をあらかじめ必要とする凹凸や曲げ、形状に成形し、大気圧縮により大きな変形をしない強度を有した気体難透過性を有する箱体に芯材を挿入し、減圧封止したものを真空断熱材と区別し、真空断熱箱体とする。この手法であれば、真空断熱材よりも複雑な凹凸や曲げ、箱体形状を有した真空断熱材(真空断熱箱体)を作製することができる。
また、真空断熱箱体と称しているが、必ずしも箱体形状である必要はなく、外被材が大気圧縮により大きな変形をしない強度を有し、中空二重壁構造を有していることを特徴とすればよく、大きさや形状を問わない。例えば、パイプ形状、平面板に凹凸を有する形状、ボトル形状、球状のようなものも含む。
真空断熱箱体内部の真空度を上げることにより、高性能な断熱性能を得ることができるが、真空断熱箱体内部に存在する気体には大きく分けて次の3つがある。一つは、真空断熱箱体作製時、排気できずに残存する気体、他の一つは、減圧封止後、芯材や外被材から発生する気体(芯材や外被材に吸着している気体や、芯材の未反応成分が反応することによって発生する反応ガス等)、残りの一つは、外被材を通過して外部から侵入してくる気体である。
真空断熱箱体の内部圧力が上昇する要因として、一つには長期的に見ると、樹脂材料で箱体が構成される場合、箱体部分及び熱溶着した樹脂層を透過して真空断熱箱体の内部に、外部から空気や水蒸気などの気体が徐々に侵入することで、真空度が低下し、断熱性能が悪化してしまう課題がある。金属性箱体の場合は、溶接不良やピンホールから空気成分が侵入し、断熱性能が悪化する恐れがある。
また、真空断熱箱体は立体形状をしているため、一般的に固体熱伝導率が低く断熱性能が高い繊維状の芯材を中空二重壁内に、完全に充填することは難しく、部分的な充填になる。また、繊維状の芯材よりも断熱性能が若干劣る粉末状の芯材を用いる場合、充填は可能であるが、粉末芯材を必要な密度に充填することが容易ではなく、さらに充填後、排気抵抗が高く、真空排気をするために長時間必要になり、十分な減圧ができない問題がある。
真空断熱箱体の真空度を維持する手法として、例えば特許文献1がある。特許文献1においては、冷蔵庫等の外箱と内箱の間に発泡断熱材を充填して成る真空断熱箱体において、前記発泡断熱材に連続気泡硬質ポリウレタンフォームを用い、前記外箱に断熱壁内部と連通した真空インジケータと開閉バルブを設け、前記開閉バルブを介して真空脱気して構成している。
上記構成では、断熱壁内部と連通した真空インジケータにより内部の真空度がモニターできるため、外部から侵入した気体や内部に残留したガスにより真空度が劣化した場合でも、開閉バルブを介して真空脱気することにより、初期の断熱性能を回復することができる。
また、中空二重壁箱体の二重壁間に粉末を封入する方法として、例えば特許文献2がある。特許文献2においては、微粒子を空気とともに強制的に導入し、充填する。同時に圧入する空気により容器が変形せず、かつ、圧入しやすいように、封入口とは異なる入り口から、内部を減圧している。また、減圧口には金網や不織布等で粉末が漏れでないようにしている。また、封入圧力は2〜8kg/cm2Gとしている。特許文献2では真空断熱箱体化は行っていないが、粉末封入手法としては、真空断熱箱体でも適用でき、封入後、減圧し、封止すれば、真空断熱箱体となる。
特開平7―148752号公報 特開平2―269681号公報
しかしながら、特許文献1に記載の上記従来の構成では、真空断熱箱体において、外部から侵入したガスや内部から発生したガスを、バルブを通じ再減圧しているが、開閉バルブから箱体内部を減圧するには、排気抵抗が大きく、減圧するために非常に時間がかかる。
また、特許文献1では連続気泡硬質ポリウレタンフォームを芯材に用いているが、連続気泡硬質ポリウレタンフォームでは、芯材としては芯材自体から発生する気体も多く、また、粉末としては空隙間距離が大きいため、繊維状芯材などと比べて、比較的、断熱性能は優れておらず、さらに、空隙間距離が小さい、より微細な粒径を持つ例えばシリカ粉末のような粉体であれば、排気抵抗はさらに高くなり、容易には減圧できず、減圧工程に相当の時間が必要になる。
また、硬質ポリウレタンフォームを連続気泡とする技術は困難であり、容器内でウレタン樹脂を発泡した場合、壁面にスキン層が生じるため、どうしても気泡の連通率は低下し、独泡率が高くなり(通常5〜15%程度)、真空度を高めることが困難である。ウレタン樹脂粉末を封入する手法も考えられるが、箱体内への封入工程が困難になる。
また、特許文献2に記載の上記従来の構成では、空隙間距離が小さく、平均自由工程が小さい比較的断熱性能に優れる微粉末では、空気とともに圧入しても、排気抵抗が大きいため排気口から空気が容易には抜けず、減圧による大気圧縮に耐えるだけの密度を封入に時間が掛かるだけでなく、容器が変形する恐れがある。また、残存する空気を脱気するにしても、排気抵抗が大きく、時間がかかる問題がある。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、高性能かつ長期信頼性を有し、さらに生産性も向上し、寸法安定性に優れた真空断熱箱体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の真空断熱箱体は、それぞれ気体難透過性素材からなる外箱と内箱とにより形成される空間内に、気体難透過性素材の外被材で芯材を減圧密封してなる真空断熱材と発泡ウレタン樹脂とを有し、前記空間が減圧密封されている真空二重壁構造を有するのである。
本発明の真空断熱箱体の内箱と外箱の間の空間に空気や水蒸気などが侵入して空間の内部圧力が上昇する理由として、外気と空間との間に大気圧による圧力差があるため、真空断熱箱体が樹脂材料で構成される場合、箱体部分及び熱溶着した樹脂層を透過し、金属性箱体の場合は、溶接不良やピンホールから、非常にゆっくりとではあるが空気成分が侵入する。また、箱体や芯材等の材料に吸着した空気や水、未反応の材料等が減圧されることにより揮発し、内部圧力を上昇させる。
一方、空間内に設置された真空断熱材は、ラミネートフィルムで密閉した構成なら熱溶着層から、樹脂での溶着なら樹脂層から、金属材料の溶接なら溶接不良やピンホール等から通過して、空気や水蒸気等が真空断熱材内部に侵入する。
しかし、空間内の圧力を減圧することで、真空断熱材との圧力差が小さくなり、真空断熱材への気体侵入速度が遅くなり、真空断熱材の長期信頼性を高めることができ、真空断熱箱体の長期信頼性を高めることができる。
さらに、真空断熱材自体は高断熱性能を有するため、真空断熱箱体の断熱性能も高まる。
また、真空断熱材は異型性に乏しいが、箱体の平面部分に設置することは可能であり、多少の湾曲部、折り曲げ箇所への設置も可能である。真空断熱材が設置しない空間には発泡ウレタン樹脂を発泡させることで、箱体の隅々まで充填することが可能であり、箱体の断熱を確保することができる。
また、発泡ウレタン樹脂は通常、連通ではなく独泡率が5〜15%程度存在するため、減圧をしても、真空断熱材のように13Paという真空度への到達は困難であり、独泡から気体成分が流出し、内部圧力は若干ながら徐々に上昇するため、真空断熱材同等の断熱性能を求めることは困難であるが、外気に比べ、その圧力値は非常に小さく、真空断熱材との圧力差は少なくなるため、真空断熱材への外気侵入量は、非常に小さくなり、真空断熱箱体の長期信頼性は確保できる。
また、発泡ウレタン樹脂は原料混合液を注入することで、充填可能であり、粉体を圧入するといった手順が不要であり、工程の短縮化も可能である。
また、発泡ウレタン樹脂自体が優れた断熱材であり、複合化することでさらに優れた断熱材となる。
また、真空断熱材が空間内に存在することで、真空断熱材は既に大気圧により圧縮された状態であることから、真空断熱箱体の空間内部が減圧されても、大気圧による圧縮に対してスペーサーとして有効であり、寸法安定性に優れた真空断熱箱体となる。また、真空断熱材はその特性から平面部分に重点的に設置されるが、減圧による大気圧縮において最も変形しやすい箇所が平面部分であるため、断熱性能向上と寸法安定性向上の両方に寄与することが可能である。
高性能だが内部圧力上昇に対し断熱性能が低下し、かつ異型体への適用が困難な真空断熱材を、真空断熱箱体の中空二重壁空間内に発泡ウレタン樹脂と併用し、中空二重壁空間を減圧することで、真空断熱材と発泡ウレタン樹脂の両方の長所を生かした構成となり、高性能、高信頼性、高寸法安定性を有し、生産性を向上した真空断熱箱体を提供することができる。
本発明の請求項1に記載の真空断熱箱体の発明は、気体難透過性素材からなる外箱と内箱とにより形成される空間の内部に発泡ウレタン樹脂を有するとともに前記空間が減圧密封された真空断熱箱体であって、前記真空断熱箱体の減圧密封された前記空間の内部に、さらに気体難透過性素材の外被材の内部に芯材を減圧密封してなる真空断熱材を備えることで真空二重壁構造を有するものである。
本発明の真空断熱箱体の内箱と外箱の間の空間に空気や水蒸気などが侵入して空間の内部圧力が上昇する理由として、外気と空間との間に大気圧による圧力差があるため、真空断熱箱体が樹脂材料で構成される場合、箱体部分及び熱溶着した樹脂層を透過し、金属性箱体の場合は、溶接不良やピンホールから、非常にゆっくりとではあるが空気成分が侵入する。また、箱体や芯材等の材料に吸着した空気や水、未反応の材料等が減圧されることにより揮発し、内部圧力を上昇させる。
一方、空間内に設置された真空断熱材は、ラミネートフィルムで密閉した構成なら熱溶着層から、樹脂での溶着なら樹脂層から、金属材料の溶接なら溶接不良やピンホール等から通過して、空気や水蒸気等が真空断熱材内部に侵入する。
しかし、空間内の圧力を減圧することで、真空断熱材との圧力差が小さくなり、真空断熱材への気体侵入速度が遅くなり、真空断熱材の長期信頼性を高めることができ、真空断熱箱体の長期信頼性を高めることができる。
さらに、真空断熱材自体は高断熱性能を有するため、真空断熱箱体の断熱性能も高まる。
また、真空断熱材は異型性に乏しいが、箱体の平面部分に設置することは可能であり、多少の湾曲部、折り曲げ箇所への設置も可能である。真空断熱材が設置しない空間には発泡ウレタン樹脂を発泡させることで、箱体の隅々まで充填することが可能であり、箱体の断熱を確保することができる。
また、発泡ウレタン樹脂は通常、連通ではなく独泡率が5〜15%程度存在するため、減圧をしても、真空断熱材のように13Paという真空度への到達は困難であり、独泡から気体成分が流出し、内部圧力は若干ながら徐々に上昇するため、真空断熱材同等の断熱性能を求めることは困難であるが、外気に比べ、その圧力値は非常に小さく、真空断熱材との圧力差は少なくなるため、真空断熱材への外気侵入量は、非常に小さくなり、真空断熱箱体の長期信頼性は確保できる。
また、発泡ウレタン樹脂は原料混合液を注入することで、充填可能であり、粉体を圧入するといった手順が不要であり、工程の短縮化も可能である。
また、発泡ウレタン樹脂自体が優れた断熱材であり、複合化することでさらに優れた断熱材となる。
また、真空断熱材が空間内に存在することで、真空断熱材は既に大気圧により圧縮された状態であることから、真空断熱箱体の空間内部が減圧されても、大気圧による圧縮に対してスペーサーとして有効であり、寸法安定性に優れた真空断熱箱体となる。また、真空断熱材はその特性から平面部分に重点的に設置されるが、減圧による大気圧縮において最も変形しやすい箇所が平面部分であるため、断熱性能向上と寸法安定性向上の両方に寄与することが可能である。
また、気体難透過性素材とは、ガス透過度が104[cm3・20μm/m2・day・atm]以下であることが好ましく、より望ましくは1[cm3・20μm/m2・day・atm]以下となるものである。
さらに、真空断熱箱体の気体難透過性素材には、ステンレスや鉄などの金属材料、ガラス材料、また、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、MXナイロン、ポリビニルアルコール、結晶性ポリエチレンテレフタレート、結晶性シンジオタクチックポリスチレン等の気体難透過性樹脂などが好ましい。
また、樹脂材料に、金属、SiO2、Al2O3、ダイヤモンドライクカーボンからなる皮膜を形成することで、さらなる気体難透過性を付与し、信頼性を向上させることができる。
また、樹脂材料にAL箔ラミネートフィルム、AL蒸着ラミネートフィルム等の金属箔ラミネートフィルムをインサート成形したものでも、信頼性を向上させることができる。
さらに、真空断熱材の気体難透過性素材には樹脂フィルムにアルミニウム等の金属箔をラミネートしたラミネートフィルムを用いることが好ましい。金属箔は気体難透過性が非常に高く、信頼性が高い。また、箔ではなく蒸着層でも優れたバリア性を生じる。
また、金属ではなくSiO2やAl2O3、ダイヤモンドライクカーボン等の無機材料の蒸着でも高い気体難透過性を有する。また、真空断熱箱体の気体難透過性素材同様、ステンレスや鉄などの金属材料や、また、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、MXナイロン、ポリビニルアルコール、結晶性ポリエチレンテレフタレート、結晶性シンジオタクチックポリスチレン等の気体難透過性樹脂を用いても良い。また、樹脂材料に、金属、SiO2、Al2O3、ダイヤモンドライクカーボンからなる皮膜を形成することで、さらなる気体難透過性を付与し、信頼性を向上させることができる。
また、真空断熱材の気体難透過性素材にラミネートフィルムを用いた場合、熱溶着層にポリエチレンを用いると、ポリエチレンは比較的低い温度で溶着できるので、追加加熱による溶着が容易で、より低コストで真空断熱箱体を提供することができる。
また、ラミネートフィルムの最外層に保護層を有する場合は、最外層に表面保護を目的とした材料を配設することで、より確実な耐傷付き性や耐突き刺し性を発揮させてピンホール等の発生を抑制する作用を有し、長期信頼性を有する真空断熱材を提供することができる。その中でポリエチレンテレフタレートは安価な材料であり、より低コストで本発明の真空断熱箱体を提供することができる。
また、真空断熱材の芯材として限定するものではないが、繊維状芯材、粉末芯材が好ましい。繊維状芯材はその特長として、断熱性能に優れ、粉末芯材は繊維状芯材よりは断熱性能が若干劣るが、圧力増加に対する断熱性能の低下率が小さく、長期信頼性に優れる。
繊維状芯材も限定するものではないが、ガラス繊維、グラスファイバー、アルミナ繊維、シリカアルミナ繊維、シリカ繊維、ロックウール、炭化ケイ素繊維等が好ましく、特にガラス繊維は安価で高性能な真空断熱材を形成するため、最も望ましい。ガラス繊維は1μm〜20μmの範囲のものが好ましく、2μm〜10μmのものが芯材としての剛性を備え、かつ生産性と熱伝導率の面でより好ましい。
また、粉末芯材も限定するものではないが、無機粉末材料の方が、もともと粉末保持し、減圧時に粉末から発生する気体(アウトガス)が少なく、好ましい。
さらに、粉末芯材が平均一次粒子径100nm以下である乾式シリカであること好ましい。芯材材料は空隙間距離が短くなる粉体材料の方が、圧力依存性に優れるため、長期信頼性を得るためには繊維系材料よりも優れている。また、固体熱伝導率が低く、粉体芯材としてはシリカ系材料が真空断熱材用芯材として優れている。また、粒径も平均一次粒子径が100nm以下であることで、内部圧力に対する断熱性能の低下が小さく、優れており、このようなシリカ粉末は乾式法で作られる乾式シリカが該当する。
また、乾式シリカにカーボンブラック1〜30wt%を混合することで、乾式シリカ粉末のみを用いた真空断熱材よりも断熱性能は向上する。
断熱性能向上のために乾式シリカに添加する粉末として、例えばカーボンブラックや酸化チタンなどは高温域で輻射防止材として働くことが知られているが、低温域でもカーボンブラック添加により大きな断熱性能向上が見られる。この理由は定かではないが、シリカ粉末とカーボンブラックとの何らかの作用により固体熱伝導が低減されるためと考える。
粉末状カーボン材料の添加量は、1〜30wt%がよい。これは、添加量が少なすぎると断熱性能向上の効果がなく、多すぎると断熱性能が粉末状カーボン材料に依存するようになり断熱性能が悪化することや、減圧下でガス発生が多くなり経時的に断熱性能が悪化するからである。
また、繊維状芯材と粉末芯材を複合化したものとして、前記乾式シリカに、ガラス繊維材料を混合し、前記ガラス繊維材料が平均繊維径10μm以下で、芯材への含有量が0.5〜40wt%であり、加圧して成形したものが好ましい。
乾式シリカは真空断熱材の芯材としては優れた性能を有するが、密度が小さいため、取扱いにくく、充填するために不織布内に一旦封止する必要があり、コストや工程数が増大する。そのため、乾式シリカを固形化して、封入することが工程上、優れる。
固形化手段として、一般的なシリカ粉末と繊維材料を混合撹拌し、加圧成形しても成形体にはならないが、平均一次粒子径が100nm以下の乾式シリカと、繊維材料とを混合、加圧成形することで、成形体を形成することができる。この要因として、粒子径の小さい粉末同士であるため分子間力が働き粉末同士が付着する、あるいは乾式であるため表面官能基が少なく相互反発が少ないため粉末同士が付着しやすいこと等が考えられ、したがって、加圧等の成形方法により成形体を作製するためには、平均一次粒子径100nm以下の乾式シリカと繊維材料を用いる必要がある。
また、ガラス繊維材料を、平均繊維径10μm以下とすることで、ガラス繊維の繊維径が小さいため比表面積が大きくなるすなわち表面エネルギーが大きくなり粉末と結びつきやすくなる、また、シリカ粉末はガラス繊維と親和性のよい組合せであるため相互に付着しやすい、あるいはそれらの相互作用によること等が考えられ、したがって、加圧等の成形方法により成形体を作製する際に、平均繊維径10μm以下のガラス繊維材料を用いることで、より強固な成形体を作製することができる。
さらに、粒子径の非常に細かい乾式シリカと繊維径の小さいガラス繊維材料を用いることにより、粉立ちのほとんどない成形体が得られる。この理由は、上記のように粒子径の小さい粉末同士の分子間力、表面官能基が少ないことによる粉末同士の付着、シリカとガラス繊維との良好な親和性、細い繊維材料の大きな表面エネルギー等が考えられる。
また、上記組合せにより強固な成形体を得るとともに、弾性も有しているため可撓性をも有する成形体を得ることができる。
この理由は、平均繊維径が10μm以下の繊維を用いているため曲げ弾性が向上し、可とう性を有することができる等が考えられる。
繊維添加量が0.5〜40wt%であるのは、添加量が少なすぎると成形体形状を保てないし、多すぎると断熱性能が繊維に依存するようになり断熱性能が悪化するからである。
また真空断熱材の外被材は熱溶着層を有し、前記熱融着層が熱溶着されて、前記真空断熱材が密封される構造であり、前記熱溶着層が芯材に沿って前記芯材の際まで熱溶着されていることが好ましい。
熱溶着層が芯材に沿って芯材の際まで熱溶着されていると、シール性が向上し、外被材の間に芯材のない部分(ヒレ部分)を芯材の際まで、切断することが可能となり、真空断熱材の占める面積が向上でき、真空断熱箱体の性能を向上することができる。
請求項2に記載の真空断熱箱体の発明は、請求項1に記載の発明において、前記真空断熱材の前記芯材が配向性を有する繊維状芯材であり、前記真空断熱箱体の伝熱方向に対し、前記繊維状芯材の前記配向方向が略垂直になるように前記真空断熱材を配置することを特徴とするものである。
繊維状芯材は、ランダムな方向に向いていた繊維が一方向加圧すると加圧方向と垂直な方向に配向する。通常は、密度を調整するために、バインダーを加えたり、加熱しながら加圧することで成形体となる。繊維状芯材は繊維方向に固体熱伝導が起こるため、従って、加圧等による配向方向と平行な向きに、固体熱伝導が伝わりやすい。反対に配向方向とは垂直な方向では繊維と繊維は点接触となり、固体熱伝導は大きく減少する。従って、断熱性能は配向方向と垂直な方向の方が高い。従って、真空断熱箱体の伝熱方向に対し、繊維状芯材の配向方向と略垂直な方向に真空断熱材を設置することで、効果的な断熱性能を発現することができる。
実際には、繊維状芯材の配向方向を真空断熱箱体の伝熱方向に対し完全な垂直にすることは、伝熱方向が一様でないこと、繊維状芯材が完全に配向しているわけではないこと等から困難なため、略垂直方向とし、略垂直方向とは、主となる伝熱方向に対し、70〜110度の角度内にあればよい。
請求項3に記載の真空断熱箱体の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明において、前記真空断熱材内に前記真空断熱材内の気体を吸着するための気体吸着材を備えることを特徴とするものである。
真空断熱材内に真空断熱材内の気体を吸着するための気体吸着材を備えることで、わずかの内圧差ながら、発泡ウレタン樹脂から熱溶着層から侵入してくる気体を吸着し、真空断熱材の断熱性能を維持することができ、長期信頼性をさらに高めることができる。
さらに、何らかの要因で真空断熱箱体の箱体が破袋したとしても、真空断熱材は高性能を維持したままであるが、熱溶着層からの空気侵入量が増加し、圧力差が増大するため、信頼性は低下する。しかし、気体吸着材を、前記真空断熱材内の繊維状芯材に接するように設置することで、内部圧力の上昇を抑え、断熱性能の信頼性を維持することができる。
気体吸着材は特に限定するものではないが、その吸着機構は、物理吸着、化学吸着、および吸蔵、収着等のいずれでもよいが、非蒸発型ゲッターとして作用する物質が良好である。
具体的には、合成ゼオライト、活性炭、活性アルミナ、シリカゲル、ドーソナイト、ハイドロタルサイト等の物理吸着材である。
化学吸着材としては、アルカリ金属やアルカリ土類金属の酸化物や、アルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物等が利用でき、特に、酸化リチウム,水酸化リチウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化バリウム、水酸化バリウムが効果的に作用する。
また、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、塩化カルシウム、炭酸リチウム、不飽和脂肪酸、鉄化合物等も効果的に作用する。
また、バリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、リチウム等の物質を単独、もしくは合金化したゲッター物質を適用するのがより効果的である。
さらには、このような前記ゲッター物質を少なくとも窒素、酸素、水分、二酸化炭素を吸着除去するため、種々混合して適用することも可能である。
また、気体吸着材が銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトは空気吸着材としては最も好ましい。銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトは常温における単位重量あたりの空気吸着量が他のゼオライトや、金属系吸着材と比べても高く、少量で大量の空気を吸着でき、効果的で、省スペース化を行える。
請求項4に記載の真空断熱箱体の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記空間内に前記空間内の気体を吸着するための気体吸着材を備えることを特徴とするものである。
空間内に前記空間内の気体を吸着するための気体吸着材を備えることで、発泡ウレタン樹脂の独泡から揮発する気体による内圧上昇が抑制され、真空断熱材に侵入する気体も抑制されるため、高性能を維持することが可能となり、真空断熱箱体全体の信頼性を維持することができる。
発泡ウレタン樹脂内に設置する気体吸着材は特に限定するものではなく、請求項3に記載の発明に適用できる気体吸着材であれば、どれでも構わない。
ただし、発泡ウレタン樹脂の場合、発泡条件により主気体吸着材を変えることが好ましい。例えば発泡剤に水を用いた場合は、水分吸着材を主気体吸着材として用いる。
また、発泡手段として超臨界二酸化炭素や超臨界窒素を用いた場合は、それぞれ二酸化炭素吸着材、窒素吸着材を主気体吸着材として用いると良い。
また、未発泡成分は炭化水素吸着材等を用いると良い。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明するが、先に説明した実施の形態と同一構成については同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における真空断熱箱体の断面図であり、図2は本発明の実施の形態1における真空断熱箱体の空間内に設置する真空断熱材の断面図である。
図1において、真空二重壁構造を有する真空断熱箱体1は、それぞれ気体難透過性材料からなる外箱2及び内箱3と、外箱2と内箱3とにより形成され減圧密封された空間6内に真空断熱材4と発泡ウレタン樹脂5と真空断熱箱体用気体吸着材7とを有する。
まず、外箱2と内箱3とにより形成される空間6に、真空断熱材4と発泡ウレタン樹脂5と真空断熱箱体用気体吸着材7を設置し、外箱2と内箱3を接合することで空間6を密閉し、外箱2に設けられ空間6と外部空間とを連通する排気口8から、空間6の空気を排気し、減圧後、排気口8を封止することで、真空断熱箱体1を構成する。また、内箱3には内部にお湯や冷水等を出し入れするための開口部9がある。また、真空断熱材4は真空断熱材用気体吸着材10を内部に備えている。
図2において、真空断熱材4は2枚の気体難透過性材料からなる外被材11で、ガラス短繊維を加圧成型してなる繊維状芯材12と真空断熱材用気体吸着材10を覆い、繊維状芯材12に接するように真空断熱材用気体吸着材10を設置し、そして内部を減圧し、外被材11の対向する熱溶着層12を熱溶着して真空を維持している。
真空断熱材4の繊維状芯材12は配向性を有し、真空断熱箱体1の伝熱方向に対し、繊維状芯材12の配向方向が略垂直になるように真空断熱材4を配置してある。
次に、真空断熱箱体1の製造方法について説明する。内箱2及び外箱3は結晶性シンジオタクチックポリスチレンを用い、射出成型により成形した。内箱2と外箱3は開口部9がある方向を上部として、それぞれ、上面だけ異なる金型を用いて、射出成形する。開口部9は内箱2の上面部に射出成型により形成される。成形後、各部品に無電解メッキを施し、気体難透過性を向上させる。無電解メッキはCu3μm/Ni5μmとし、溶着部分にはマスキングテープでメッキがつかないようにする。
次に、内箱2の上面部と本体とを熱溶着し、内箱2を形成する。次に、真空断熱材4を内箱2の表面にエポキシ樹脂で貼り付ける。このとき、内箱2の開口部9にてつながっている空間にお湯等の保温もしくは、氷水等の保冷物質が入ることから、内箱2を熱源とみなし、繊維状芯材12の配向性が熱源からの伝熱方向に対し、ほぼ垂直になるように貼り付ける。
次に、真空断熱材4を貼り付けた内箱2を外箱3の本体内に設置し、同時に真空断熱箱体用気体吸着材7も隙間部分に設置する。真空断熱箱体用気体吸着材7には水分を吸着する酸化カルシウムと、酸素・窒素を吸着するCu置換したZSM−5型ゼオライトを複合化したものを用いた。
酸化カルシウムは不織布に入れ取扱い性を高め、Cu置換したZSM−5型ゼオライトは密封し、加熱により軟化して開封する仕組みのデバイス化をすることで設置時に周囲の空気成分を吸着し、不活化することを防いでいる。そして、外箱3の上面部を合わせ、熱溶着する。溶着部は外周及び排気口8と開口部9の周囲部分である。
そして、排気口8から発泡ウレタン樹脂5の原料であるポリオールとイソシアネートと発泡剤(シクロペンタン)を混合した液体を注入する。液体状で注入されかつ、発泡するため、空間6内を隅々まで発泡ウレタン樹脂5がいきわたる。このとき、排気口8は密封し、気体だけが抜けるようにすることで、発泡ウレタン樹脂5が排気口8からあふれ出ないようにする。また、内箱2および外箱3は発泡圧により変形しない強度を有するか、必要に応じて治具で固定したり、空気圧や水圧をかけ、変形を防止する。
芯材封入後、排気口8から空間6を減圧し、減圧したまま、排気口8をピンチして封止することで、真空断熱箱体1が完成する。完成後、真空断熱箱体1を100℃で加熱することで真空断熱箱体用気体吸着材7が開封し、空気成分吸着能を発現する。
次に真空断熱材4の作製方法について説明する。繊維状芯材12にはガラス繊維を用い、平均繊維径3.5μmのガラス繊維集合体を加圧した状態で加熱し、密度が200kg/m3程度の形状を維持しているボード状のものを用いる。平均繊維径はN=50を顕微鏡で測定した平均値で評価しているが、1μm〜20μmの範囲のものが好ましく、2μm〜10μmのものが芯材としての剛性を備え、かつ生産性と熱伝導率の面でより好ましい。
そして、繊維状芯材12を140℃の乾燥炉で30分間乾燥した後、ラミネートフィルムの三方を熱溶着層13を熱溶着にてシールして袋状に成形した外被材11に、水分吸着材である不織布に封止した酸化カルシウムと、酸素・窒素吸着材であるラミネートフィルムに真空封止したCu置換したZSM−5型ゼオライトを複合化した真空断熱材用気体吸着材10を挿入し、減圧チャンバー内で、外被材11内部が10Pa以下になるように減圧し、開口部を熱溶着層13を熱溶着することにより密閉封止している。このとき、密閉封止されたとき、真空断熱材4は大気圧縮されるが、この大気圧縮の力を用い、酸素・窒素吸着材の入ったラミネートフィルムを針状のもので突き刺し、開封される構成にし、密閉封止後に気体吸着能が発現する。
このとき、外被材11は、表面保護層としてポリエチレンテレフタレートフィルム(12μm)、中間層には気体難透過性を持つアルミ箔(6μm)、熱溶着層13として直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(50μm)からなるラミネートフィルムにより構成している。密封後、大気圧縮により、繊維状芯材12の密度は若干増加する。
断熱性能及び取扱い性の面で密封後のガラス繊維からなる繊維状芯材12の密度は210〜280kg/m3の範囲がより好ましく、240kg/m3となるように作製した。ここではバインダーを用いることなく芯材成形を行っているが、バインダーを用いてより低温で芯材を成形しても良い。
また、表面性が問題とならない場合には、ガラス繊維の集合体をそのまま密閉封止しても構わない。その場合には、製造工数が削減するために、生産性が向上する。
このようにして形成した真空断熱材4の熱伝導率を英弘精機製のオートラムダにて測定した。結果、熱伝導率は、平均温度24℃にて0.0011〜0.0017W/mKであり、汎用的な硬質ウレタンフォームの10倍以上の断熱性能を有していた。
以上のようにして作製した真空断熱箱体1の開口部9から95℃のお湯をいれ、開口部9をふさぎ、12h放置したところ、湯温は78℃であり、良好な保温特性を有する。また、同様の評価を30回繰り返しても保温特性に差は見られなかった。
次に、真空断熱箱体1の内部圧力が上昇する機構について説明する。
外気からの空気や水蒸気は、外箱2もしくは内箱3の材料もしくは溶接・溶着箇所を通じ、真空断熱箱体1内に侵入する。また、もともと空間6内に存在する外箱2や内箱3、真空断熱材4の構成材料に吸着していた空気成分や、発泡ウレタン樹脂5の未反応成分や発泡剤、原料中に含まれていた空気成分や水分等の初期残存成分がある。初期残存成分は減圧によりある程度は除去されるが、発泡ウレタン樹脂5の独泡中にある気体成分は、短時間での減圧では完全には除去できない。そして、空間6内に存在する空気や水蒸気が、熱溶着層13を通じ、真空断熱材4内に侵入する。ここで、空気や水蒸気の侵入量に影響する因子として、外部と内部との圧力差、外気と内部をつなぐ熱溶着層の長さ・面積、気体の種類、温度、湿度等が影響するが、製造工程が同一であれば、外部と内部との圧力差による影響が大きい。
真空断熱箱体1の空間6内と外気との圧力差は、残存成分の影響を含めても1気圧近くあり、外箱2、内箱3の気体透過性に応じ、空気成分は空間6内に侵入してくるが、その量は非常に微量であり、空間容積、気体透過性、温度、初期残存性分量、独泡率等の条件により増減するが、1年間経過しても数百Pa程度の内圧上昇であり、真空断熱材4の周辺圧力は低く、それにより、熱溶着層13を通じ、真空断熱材4内に侵入する空気成分はさらに微小であり、真空断熱材4の断熱性能はほとんど低下せず、長期信頼性を有する。
真空断熱箱体1の真空断熱材4と発泡ウレタン樹脂5の占める割合は特に限定するものではないが、真空断熱材4の割合が多い方が、断熱性能は向上する。
また、発泡ウレタン樹脂5が隅々まで充填されるためには、発泡ウレタン樹脂5の充填される箇所が連通されている必要がある。
また、通常、真空断熱箱体1は空間6を排気口8から減圧することで、大気圧により外箱2と内箱3が圧縮される。外箱2と内箱3に大気圧に耐えうる強度がなかったり、空間6に大気圧に耐えられる圧縮強度を持つ芯材がなければ、外箱2あるいは内箱3は変形する。変形の程度にもよるが、断熱層の厚さが減少することで断熱性能が低下したり、クラック等が生じ、空間6へ外気が侵入する恐れがある。しかし、真空断熱材4は、最初から大気圧縮されており、空間6を減圧しても、初期の厚さから変形することはなく、真空断熱材4を空間6に設置することでスペーサーとしての効果も発揮する。金属や樹脂をスペーサーとして用いると、それがヒートリークを起こすが、真空断熱材4は断熱性能も優れており、ヒートリークの問題もない。
また、真空断熱材4は空間6の厚さと同程度の方が、変形も少なく、断熱性能にも優れ、好ましい。
また、実際には、繊維状芯材12の配向方向を真空断熱箱体1の伝熱方向に対し完全な垂直にすることは、伝熱方向が一様でないこと、繊維状芯材12が完全に配向しているわけではないこと等から困難なため、略垂直方向とし、略垂直方向とは、主となる伝熱方向に対し、70〜110度の角度内にあればよい。
また、真空断熱材4を、真空断熱箱体1の空間6内に芯材として挿入するため、発泡ウレタン樹脂5の封入量が空間全体に封入するよりも少なくなり、発泡ウレタン樹脂5の減圧にかかる時間も少なくて済み、生産性を向上することができる。
また、水分吸着材は、各構成材料に吸着した水分を除去するため、さらには外気から侵入する水蒸気の吸着を行うことで、内部圧力の上昇を抑制することができ、備えることが望ましい。また、設置場所は、真空断熱材4および発泡ウレタン樹脂5のそれぞれに接するように設置することで、最も効果を発揮するため好ましい。繊維状芯材12にのみ水分吸着材を設置すると、外箱2あるいは内箱3が破損する等、何らかの要因で空間6内に、水蒸気が侵入しても、熱溶着層13を通じ、真空断熱材4内に侵入する水蒸気を吸着するため、真空断熱材4の断熱性能は維持することができ、信頼性を維持できる。また、発泡ウレタン樹脂5にのみ接するように水分吸着材を設置すると、空間6内に侵入する水蒸気を吸着することで空間6内の内部圧力上昇を抑え、信頼性を維持することができる。
また、水分吸着材の種類を特に限定するものではないが、物理吸着材としては、具体的には、合成ゼオライト、活性炭、活性アルミナ、シリカゲル、ドーソナイト、ハイドロタルサイト、金属錯体等が望ましく、化学吸着剤としては、アルカリ金属やアルカリ土類金属の酸化物や、アルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物等が利用でき、特に、酸化リチウム,水酸化リチウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化バリウム、水酸化バリウムが効果的に作用する。また、塩化カルシウム、五酸化リンも効果的である。
また、酸素・窒素の空気成分吸着材は、減圧しきれずに残存した空気成分や、さらには外気から侵入する空気成分の吸着を行うことで、内部圧力の上昇を抑制することができ、長期信頼性が向上する。
また、空気成分吸着材の設置場所は、真空断熱材4および発泡ウレタン樹脂5のそれぞれに接するように設置することで、最も効果を発揮するため好ましい。繊維状芯材12にのみ空気成分吸着材を設置すると、外箱2あるいは内箱3が破損する等、何らかの要因で空間6内に、空気成分が侵入しても、熱溶着層13を通じ、真空断熱材4内に侵入する空気成分を吸着するため、真空断熱材4の断熱性能は維持することができ、信頼性を維持できる。また、発泡ウレタン樹脂5にのみ接するように空気成分吸着材を設置すると、空間6内に侵入する空気成分を吸着することで空間6内の内部圧力上昇を抑え、信頼性を維持することができる。
また、空気成分吸着材として、その吸着機構は、物理吸着、化学吸着、および吸蔵、収着等のいずれでもよいが、非蒸発型ゲッターとして作用する物質が良好である。
具体的には、合成ゼオライト、活性炭、活性アルミナ、シリカゲル、ドーソナイト、ハイドロタルサイト等の物理吸着材である。
化学吸着材としては、アルカリ金属やアルカリ土類金属の酸化物や、アルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物等が利用でき、特に、酸化リチウム,水酸化リチウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化バリウム、水酸化バリウムが効果的に作用する。
また、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、塩化カルシウム、炭酸リチウム、不飽和脂肪酸、鉄化合物等も効果的に作用する。
また、二酸化炭素を吸着するためであれば、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ性化合物が好ましい。
また、バリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、リチウム等の物質を単独、もしくは合金化したゲッター物質を適用するのもより効果的である。
さらには、このような前記ゲッター物質を少なくとも窒素、酸素、水分、二酸化炭素を吸着除去するため、種々混合して適用することも可能である。
しかし、特に銅イオン交換したZSM−5型ゼオライトは、常温における単位重量あたりの気体吸着量が他のゼオライトや、金属系吸着材と比べても高く、少量の気体吸着材で大量の空気を吸着でき、真空断熱材として断熱性能を発揮する10Pa程度の低真空でも、その吸着能を発揮し、さらには、約940kJ/molという大きい結合エネルギーを有する非極性分子で、吸着困難な窒素をも吸着可能であり、高性能かつ効果的で、省スペース化も行え、最も好ましい気体吸着材7である。
また、空気成分吸着材には空気成分だけでなく、水蒸気も吸着する材料も少なくなく、好ましくは、空気成分吸着材を水分吸着材で包み込む構造や、水分吸着材を通過して空気成分吸着材へ空気成分および水蒸気が到達する構造をとることが、空気成分吸着材の吸着能力を長期間維持でき、より好ましい。
外被材11はAL箔ラミネートフィルム、AL蒸着ラミネートフィルムが気体難透過性に優れ好ましく、またAL以外の金属箔であっても効果は変らない。また、シリカ、ダイヤモンドライクカーボン、アルミナ等の無機材料を蒸着・コーティングしたフィルム材でも構わない。
また、金属箔や無機材料コーティングよりも気体難透過性は劣るが、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、MXナイロン、ポリビニルアルコール等の気体難透過性樹脂でも構わず、さらに、シリカ、ダイヤモンドライクカーボン、アルミナ等の無機材料を蒸着・コーティングし、気体難透過性を向上させるとさらに好ましい。
また、ステンレス等の金属材料を外被材に用い、溶接しても構わない。
また、熱溶着層13にポリエチレンを用いると、ポリエチレンは比較的低い温度で溶着できるので、追加加熱による溶着が容易で、より低コストで真空断熱材4を提供することができる。
また、外被材11の最外層にポリエチレンテレフタレートからなる保護層を設けてもよい。このように外被材11の最外層に表面保護を目的とした材料を配設することで、より確実な耐傷付き性や耐突き刺し性を発揮させてピンホール等の発生を抑制する作用を有し、長期信頼性を有する真空断熱材4を提供することができ、さらには長期信頼性を有する真空断熱箱体1を提供することができる。また。ポリエチレンテレフタレートは安価な材料であり、より低コストで真空断熱材4を提供することができる。
また、繊維状芯材12としては、汎用的な工業材料としては、ガラス短繊維が好適である。より望ましくは、ガラス短繊維のウェブの積層体からなり、前記ウェブ間は積層体の一体性が保持できる必要最低限の繊維の交絡により結合され、厚み方向に均質に積層配列された繊維集合体が好適である。
また、繊維径は、特に指定するものではないが、繊維径が微細なものは、より優れた断熱性能が得られる。しかし、経済性の観点からは、平均繊維径が3〜5μmのものを使用するのが望ましい。
また、外箱2、内箱3を構成する気体難透過性材料としては、ステンレスや鉄などの金属材料、ガラス材料が好ましい。ガラス材料は割れやすいため、金属材料がより好ましい。
また、固体熱伝導率が金属よりも小さく断熱性能の向上を図れ、比重も小さく軽量化が可能な樹脂材料を用いる場合は、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、MXナイロン、ポリビニルアルコール、結晶性ポリエチレンテレフタレート、結晶性シンジオタクチックポリスチレン等の気体難透過性樹脂を用いることが好ましい。
さらに、気体難透過性を向上させるために、AL箔ラミネートフィルム、AL蒸着ラミネートフィルムのインサート成形を行った樹脂や、表面にシリカ、ダイヤモンドライクカーボン、アルミナ等の無機材料を蒸着・コーティングを施すことが、信頼性を向上させるために、より好ましい。
また、繊維状芯材は限定するものではなく、ガラス繊維、グラスファイバー、アルミナ繊維、シリカアルミナ繊維、シリカ繊維、ロックウール、炭化ケイ素繊維等が好ましく、特にガラス繊維は安価で高性能な真空断熱材を形成するため、最も望ましい。ガラス繊維は1μm〜20μmの範囲のものが好ましく、2μm〜10μmのものが芯材としての剛性を備え、かつ生産性と熱伝導率の面でより好ましい。
また、粉末芯材も限定するものではないが、無機粉末材料の方が、もともと粉末保持し、減圧時に粉末から発生する気体(アウトガス)が少なく、好ましい。
また、本実施の形態1では真空断熱材4の芯材として繊維用芯材12を用いたが、繊維状芯材に限定する必要はなく、粉末芯材でもかまわない。
また、粉末芯材も限定するものではないが、無機粉末材料の方が、もともと粉末保持し、減圧時に粉末から発生する気体(アウトガス)が少なく、好ましい。
さらに、粉末芯材が平均一次粒子径100nm以下である乾式シリカであること好ましい。芯材材料は空隙間距離が短くなる粉体材料の方が、圧力依存性に優れるため、長期信頼性を得るためには繊維系材料よりも優れている。また、固体熱伝導率が低く、粉体芯材としてはシリカ系材料が真空断熱材用芯材として優れている。また、粒径も平均一次粒子径が100nm以下であることで、内部圧力に対する断熱性能の低下が小さく、優れており、このようなシリカ粉末は乾式法で作られる乾式シリカが該当する。
また、乾式シリカにカーボンブラック1〜30wt%を混合することで、乾式シリカ粉末のみを用いた真空断熱材よりも断熱性能は向上する。
断熱性能向上のために乾式シリカに添加する粉末として、例えばカーボンブラックや酸化チタンなどは高温域で輻射防止材として働くことが知られているが、低温域でもカーボンブラック添加により大きな断熱性能向上が見られる。この理由は定かではないが、シリカ粉末とカーボンブラックとの何らかの作用により固体熱伝導が低減されるためと考える。
粉末状カーボン材料の添加量は、1〜30wt%がよい。これは、添加量が少なすぎると断熱性能向上の効果がなく、多すぎると断熱性能が粉末状カーボン材料に依存するようになり断熱性能が悪化することや、減圧下でガス発生が多くなり経時的に断熱性能が悪化するからである。
また、繊維状芯材と粉末芯材を複合化したものとして、前記乾式シリカに、ガラス繊維材料を混合し、前記ガラス繊維材料が平均繊維径10μm以下で、芯材への含有量が0.5〜40wt%であり、加圧して成形したものが好ましい。
乾式シリカは真空断熱材の芯材としては優れた性能を有するが、密度が小さいため、取扱いにくく、充填するために不織布内に一旦封止する必要があり、コストや工程数が増大する。そのため、乾式シリカを固形化して、封入することが工程上、優れる。
固形化手段として、一般的なシリカ粉末と繊維材料を混合撹拌し、加圧成形しても成形体にはならないが、平均一次粒子径が100nm以下の乾式シリカと、繊維材料とを混合、加圧成形することで、成形体を形成することができる。この要因として、粒子径の小さい粉末同士であるため分子間力が働き粉末同士が付着する、あるいは乾式であるため表面官能基が少なく相互反発が少ないため粉末同士が付着しやすいこと等が考えられ、したがって、加圧等の成形方法により成形体を作製するためには、平均一次粒子径100nm以下の乾式シリカと繊維材料を用いる必要がある。
また、ガラス繊維材料を、平均繊維径10μm以下とすることで、ガラス繊維の繊維径が小さいため比表面積が大きくなるすなわち表面エネルギーが大きくなり粉末と結びつきやすくなる、また、シリカ粉末はガラス繊維と親和性のよい組合せであるため相互に付着しやすい、あるいはそれらの相互作用によること等が考えられ、したがって、加圧等の成形方法により成形体を作製する際に、平均繊維径10μm以下のガラス繊維材料を用いることで、より強固な成形体を作製することができる。
さらに、粒子径の非常に細かい乾式シリカと繊維径の小さいガラス繊維材料を用いることにより、粉立ちのほとんどない成形体が得られる。この理由は、上記のように粒子径の小さい粉末同士の分子間力、表面官能基が少ないことによる粉末同士の付着、シリカとガラス繊維との良好な親和性、細い繊維材料の大きな表面エネルギー等が考えられる。
また、上記組合せにより強固な成形体を得るとともに、弾性も有しているため可撓性をも有する成形体を得ることができる。
この理由は、平均繊維径が10μm以下の繊維を用いているため曲げ弾性が向上し、可とう性を有することができる等が考えられる。
繊維添加量が0.5〜40wt%であるのは、添加量が少なすぎると成形体形状を保てないし、多すぎると断熱性能が繊維に依存するようになり断熱性能が悪化するからである。
(実施の形態2)
図3は本発明の実施の形態2における真空断熱箱体の空間内に設置する真空断熱材の断面図である。なお、実施の形態1と同じ名称・作用のものは同一符号を付して説明を省略する。
図3において、真空断熱材4は、熱溶着層14は繊維状芯材12に沿って熱溶着し、繊維状芯材12の際まで上下の熱溶着層14が一体化している。なお、熱溶着層14の厚さは一定に保たれている。
次に、繊維状芯材12に沿って熱溶着をする製造方法について説明する。実施の形態1と同様に作製した真空断熱材4を熱溶着層14が溶着する温度より高温の130℃の恒温炉に約10分放置すると、大気圧縮により真空断熱材4全体が加圧されているため、真空断熱材4全体が熱溶着され、繊維状芯材12の際まで熱溶着される。
熱溶着層14が繊維状芯材12の際まで溶着されているため、熱溶着層14の範囲が広がりシール性をより向上させることができるとともに、際近くまで外周端部を切除することができ、かさばりが減り、発泡ウレタン樹脂5が充填されやすくなり、また、外周端部が減少することで空間6に高性能な真空断熱材4が占める面積比率を大きくすることが可能となり、高性能化を図ることができる。また、真空断熱材4は空間6内に内包されているため、際近くまで外周端部を切除し、熱溶着層14の幅が狭くなり、空気成分が真空断熱材4の内部に侵入しやすい条件になっても、空間6が減圧空間のため十分な信頼性を有する。
本発明にかかる真空断熱箱体は、長期に渡って断熱性能を維持できる。このため、冷蔵庫のような保冷機器や、電気湯沸かし器、炊飯器、保温調理器、給湯器等の保温機器に使用すれば長期に渡って優れた省エネ効果を示す。また、コンテナボックスやクーラーボックス等の保冷が必要な用途への適用も可能である。
また、自動車用の蓄熱式暖気装置の効率向上や同様の技術を用いることでヒートポンプ用保温タンク等の温熱機器や、熱や寒さから保護したい物象などのあらゆる断熱用途に適用できる
本発明の実施の形態1における真空断熱箱体の断面図 本発明の実施の形態1における真空断熱箱体の空間内に設置する真空断熱材の断面図 本発明の実施の形態2における真空断熱箱体の空間内に設置する真空断熱材の断面図
符号の説明
1 真空断熱箱体
2 外箱
3 内箱
4 真空断熱材
5 発泡ウレタン樹脂
6 空間
7 真空断熱箱体用気体吸着材
10 真空断熱材用気体吸着材
11 外被材
12 繊維状芯材

Claims (4)

  1. 気体難透過性素材からなる外箱と内箱とにより形成される空間の内部に発泡ウレタン樹脂を有するとともに前記空間が減圧密封された真空断熱箱体であって、前記真空断熱箱体の減圧密封された前記空間の内部に、さらに気体難透過性素材の外被材の内部に芯材を減圧密封してなる真空断熱材を備えることで真空二重壁構造を有する真空断熱箱体。
  2. 前記真空断熱材の前記芯材が配向性を有する繊維状芯材であり、前記真空断熱箱体の伝熱方向に対し、前記繊維状芯材の前記配向方向が略垂直になるように前記真空断熱材を配置することを特徴とする請求項1に記載の真空断熱箱体。
  3. 前記真空断熱材に前記真空断熱材内の気体を吸着するための気体吸着材を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の真空断熱箱体。
  4. 前記空間内に前記空間内の気体を吸着するための気体吸着材を備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の真空断熱箱体。
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