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JP2007238141A - 真空容器 - Google Patents

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JP2007238141A
JP2007238141A JP2006063896A JP2006063896A JP2007238141A JP 2007238141 A JP2007238141 A JP 2007238141A JP 2006063896 A JP2006063896 A JP 2006063896A JP 2006063896 A JP2006063896 A JP 2006063896A JP 2007238141 A JP2007238141 A JP 2007238141A
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Akihiro Nozue
章浩 野末
Akiko Yuasa
明子 湯淺
Chie Hirai
千恵 平井
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

【課題】断熱性能、信頼性ともに優れた真空容器を提供する。
【解決手段】少なくともガスバリア性材料からなる外箱3及び内箱6と、外箱3と内箱6とにより構成される空間7に減圧密封される芯材8及び少なくとも窒素を吸着可能な気体吸着材9とからなる真空二重壁構造を有する真空容器1であって、気体吸着材9が空間7における相対的に高温となる高温部に設置されているので、気体吸着材9の反応性が向上し、加温により芯材8や外箱3または内箱6に吸着した気体が脱離し、また、樹脂材料のように高温となることでガスバリア性が低下し、気体侵入量が増加しても、気体吸着材9が速やかに吸着する。
【選択図】図2

Description

本発明は、断熱・保温を必要とするもの、例えば冷蔵庫・保温保冷容器、自動販売機、電気湯沸かし器、車両等の保温容器として使用可能な真空容器に関するものである。
近年、地球環境問題である温暖化を防止することの重要性から、省エネルギー化が望まれており、民生用機器に対しても省エネルギーの推進が行われている。自動車のエンジンの循環系に組み込まれる保温貯液容器では、昇温冷却水を保温し、有効活用することで、エンジン動作初期からの燃焼効率を確保できる。また、ジャーポット等の保温容器においては、保温性能をあげることで、省エネルギーに貢献する。冷蔵庫などでは熱の進入を遮断し、冷凍システムの稼働率を下げることで、省エネルギーに寄与する。以上のような観点から、断熱性能を向上した真空容器が求められている。
空気が介在して熱伝導が行われる場合、断熱性能に影響を及ぼす物性として気体の平均自由行程がある。気体の平均自由行程とは、空気を構成する分子の一つが別の分子と衝突するまでに進む距離のことであり、平均自由行程よりも形成されている空隙が大きい場合は空隙内において分子同士が衝突し、気体による熱伝導が生じるため、熱伝導率は大きくなる。
真空断熱体の断熱原理は、熱を伝える空気をできる限り排除し、気体による熱伝導を低減することである。一方、平均自由行程よりも空隙が小さい場合は、熱伝導率は小さくなる。これは空気の衝突による熱伝導がほとんどなくなるためである。
このような課題を解決する一手段として、空間を保持する芯材と、空間と外気を遮断する外被材によって構成される真空断熱体がある。その芯材として、一般に、粉体材料、繊維材料、連通化した発泡体などが用いられているが、近年では、真空断熱体への要求が多岐にわたってきており、一層高性能な真空断熱体が求められている。真空断熱体は、主として真空断熱パネルとしての用途が多いが、形態の多様化により、容器状の真空容器も求められている。
例えば、自動車のエンジンの循環系に組み込まれ、冷却水を保温する保温蓄熱タンクでは、金属製の真空二重容器を断熱構造として用いられ、エンジンの動作に伴い循環されながら昇温していく冷却水を真空容器本体内に隔壁を通じ導入して、エンジン停止後、容器内に停滞する昇温冷却水を保温し、次のエンジン始動時に、昇温冷却水が供給され、燃焼効率を確保できる(特許文献1参照)。金属製の真空二重容器の断熱構造においては、工業的レベルにおける真空度は10Pa程度であるが、固体伝導はなく、金属製のため外気の侵入はほとんどない。また、100℃以下の低温で使用されるため、輻射の影響もほとんどない。
また、真空容器は、内部の真空度を上げることにより、高性能な断熱性能を得ることができるが、真空容器内部に存在する気体には大きくわけて次の3つがある。一つめは、真空容器作製時、排気できずに残存する気体、二つめは、減圧封止後、芯材や外被材から発生する気体(芯材や外被材に吸着している気体や、芯材の未反応成分が反応することによって発生する反応ガス等)、三つ目は、外被材を通過して外部から侵入してくる気体である。
これらの気体を吸着するため、吸着材を真空断熱体に充填する方法が考案されている。例えば、真空断熱体内の二酸化炭素や水分を、汎用的な吸着材であるシリカアルミナ等で吸着するものがある(特許文献2参照)。
特開平10−71840号公報 特開昭61−103090号公報
特許文献1の構成では、魔法瓶構造を有しているため、形状自由度が低く、また、強度の点から大型化が難しく、箱体の材料も断熱性能維持のためにはガスバリア性に有利な金属材料に限定され、金属は高熱伝導率を有するため、壁材を通じてのヒートリークが大きくなる問題もある。また、リークすると、真空空間が大きいため、わずかのリーク量で断熱性能が低下する。さらに、魔法瓶構造では、吸着した水分や気体を取り除くために、封止時に200℃以上に加熱し、その温度で作動する吸着材を用いるが、樹脂材料には適用できず、さらにリークや内部に吸着した気体の脱離といった、継時的な内圧上昇には対応していない。
また、特許文献2の構成では、窒素等の活性の低い気体を低圧下で吸着することができず、真空断熱材内部の圧力は増加していき、断熱性能が徐々に低下していく。さらに、温度が高くなるほど、侵入気体や吸着気体の脱離量は多くなるため、断熱性能の寿命は短くなる。また、吸着材自体の熱伝導率も断熱性能に影響する。
本発明の目的は、高い断熱性能を有する真空断熱箱体構造を有した真空容器であって、長期信頼性を有した高性能真空容器を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の真空容器は、少なくともガスバリア性材料からなる外箱及び内箱と、前記外箱と前記内箱とにより構成される空間に減圧密封される芯材及び少なくとも窒素を吸着可能な気体吸着材とからなる真空二重壁構造を有する真空容器であって、前記気体吸着材が前記空間における相対的に高温となる高温部に設置されていることを特徴とするものである。
真空断熱材に用いられる気体吸着材は、低圧を維持するため主として化学吸着を含んだ吸着をする。その際、周辺温度が高い方が吸着活性は高くなる。真空容器では、例えば湯等を保温する保温容器であれば、内箱内に加温された液体が保温されるため、内箱側の温度が高く、真空断熱層を介在するため、外箱側に行くに従い温度が低くなる。
反対に、氷や蓄冷材等を保冷する保冷容器であれば、外箱側の温度が高く、真空断熱層を介在するため、内箱側に行くに従い温度が低くなる。
従って、気体吸着材を高温部もしくはその周辺に設置することで、気体吸着材の反応性が向上し、速やかに内部気体を吸着し、真空容器の断熱性能の向上および性能維持を図ることができる。
さらに、真空容器の構成は、箱体が金属でできている場合、金属の熱伝導率が高いため高温部の箱体表面は近辺の芯材や箱体表面に吸着していた気体が脱離し、気化しやすくなる。しかし、前記空間の高温部に気体吸着材を設置することで、気体吸着材の温度も上昇するため、吸着速度が向上し、吸着気体の発生量が増加しても、十分な反応速度を得ることが可能となり、真空度の維持を図ることができる。
また、箱体が樹脂でできている場合、樹脂材料、特に熱可塑性樹脂材料は温度が高いほど気体透過性が悪化する。そのため、高温部からの気体侵入量が多くなるが、気体吸着材を高温部もしくはその周辺に設置することで、吸着速度も増加するため、断熱性能に影響を及ぼさず、長期信頼性を得ることが可能となる。
また、樹脂材料の気体透過性は、絶対温度が高いほど気体を透過しやすくなるため、高温部の絶対温度が高いほど、効果も大きくなる。
また、本発明の真空容器は、少なくともガスバリア性材料からなる外箱及び内箱と、前記外箱と前記内箱とにより構成される空間に減圧密封される芯材及び少なくとも窒素を吸着可能な気体吸着材とからなる真空二重壁構造を有する真空容器であって、前記気体吸着材が前記空間における相対的に低温となる低温部に設置されていることを特徴とするものである。
真空断熱材に用いられる気体吸着材は、低圧を維持するため主として化学吸着を含んだ吸着をし、一般に固体状である。真空断熱材では気体による熱伝導を減少させるために減圧しているが、同時に真空を支持するための芯材があり、芯材は固体であるため、芯材からの固体熱伝導率が影響する。そして、固体熱伝導率は芯材以外にも吸着材の固体伝導率が影響し、できるだけ固体熱伝導率を下げる方が、より断熱性能は向上する。吸着材の原料種や量、形状により固体熱伝導率を低減することは可能だが、さらに熱伝導率は温度が低いほど小さくなることから、吸着材を低温部に設置することで、吸着材による固体熱伝導率の影響をより小さくすることができる。
この効果は、吸着材の使用量が多いほど、あるいは、高温側と低温側の温度差が大きいほど効果を発揮する。
真空容器では、例えば湯等を保温する保温容器であれば、内箱内に加温された液体が保温されるため、内箱側の温度が高く、真空断熱層を介在するため、外箱側に行くに従い温度が低くなる。
反対に、氷や蓄冷材等を保冷する保冷容器であれば、外箱側の温度が高く、真空断熱層を介在するため、内箱側に行くに従い温度が低くなる。
従って、気体吸着材を低温部もしくはその周辺に設置することで、気体吸着材の固体熱伝導率が低下し、真空容器の断熱性能の向上および性能維持を図ることができる。
また、本発明の真空容器は、少なくともガスバリア性材料からなる外箱及び内箱と、前記外箱と前記内箱とにより構成される空間に減圧密封される芯材及び少なくとも窒素を吸着可能な気体吸着材とからなる真空二重壁構造を有する真空容器であって、前記気体吸着材が前記空間における相対的に高温となる高温部と相対的に低温となる低温部との中間温度部分に設置されていることを特徴とするものである。
真空断熱材に用いられる気体吸着材は、低圧を維持するため主として化学吸着を含んだ吸着をし、一般に固体状である。真空断熱材では、気体熱伝導率以外にも芯材や気体吸着材の固体熱伝導率が影響する。熱伝導率は温度が低いほど小さくなり、影響が小さくなる。
一方で、真空断熱材に用いられる気体吸着材は、低圧を維持するため主として化学吸着を含んだ吸着をするが、周辺温度が高い方が吸着活性は高くなる。そのため、速やかな気体の吸着が行われ、気体熱伝導率は低減し、高性能・高信頼性が得られる。
この両方の特性を生かすため、吸着材を高温部と低温部の中間温度部分に設置することで固体熱伝導率を低減し、気体吸着活性を高め、高断熱性能、高信頼性の真空容器を得ることができる。
また、本発明の真空容器は、前記ガスバリア性材料が樹脂材料と金属シートを複層化した複合材料であることを特徴とするものである。
これにより、高ガスバリア性樹脂材料だけのガスバリア性よりも、さらに高めることができるとともに、樹脂材料のみでは温度が高くなるほどガスバリア性が低下するものがあるが、ガスバリア性に優れた金属シートを樹脂材料と複合化することで、ガスバリア性が著しく向上し、外部からの気体浸入を抑制することができるため、気体吸着材の使用量を少なくすることができ、経済的に優れる。また、樹脂材料を基本構成に使っているため、ヒートリークが少ない構成となり、さらに断熱性能が向上する。
また、樹脂材料と金属シートをインサート成型で複層化することで、蒸着法やメッキ法のように、設備、工程の負荷を大きくすることなく、成形と同時に複層化が可能で、工数を削減することができる。あらかじめ、金属シートを複層化した樹脂シートを成形すると、樹脂と金属の伸び率や収縮率が異なるため、変形しないあるいはシートが破れる、しわが生じる等の現象が起こるため箱体への成形が困難である。また、樹脂成型品に金属シートを接着剤等で張り付ける工程は工数およびコストが増える問題がある。
本発明の真空容器は、気体吸着材を高温部に設置することで、気体吸着材の反応性が向上し、加温により芯材や外被材に吸着した気体が脱離し、また、樹脂材料のように高温となることでガスバリア性が低下し、気体侵入量が増加しても、気体吸着材が速やかに吸着し、断熱性能、信頼性ともに優れた真空容器を提供することができる。
請求項1に記載の真空容器の発明は、少なくともガスバリア性材料からなる外箱及び内箱と、前記外箱と前記内箱とにより構成される空間に減圧密封される芯材及び少なくとも窒素を吸着可能な気体吸着材とからなる真空二重壁構造を有する真空容器であって、前記気体吸着材が前記空間における相対的に高温となる高温部に設置されていることを特徴とするものであり、前記気体吸着材を前記空間における相対的に高温となる高温部に設置することにより、気体吸着材の温度も上昇するため、吸着活性が上昇し、真空度の維持、信頼性の向上を図ることができる。
真空断熱材に用いられる気体吸着材は、低圧を維持するため主として化学吸着で吸着する。その際、雰囲気温度が高い方が吸着活性は高くなる。真空容器では、例えば湯等を保温する保温容器であれば、内箱内に加温された液体が保温されるため、内箱側の温度が高く、真空断熱層を介在するため、外箱側に行くに従い温度が低くなる。
反対に、氷や蓄冷材等を保冷する保冷容器であれば、外箱側の温度が高く、真空断熱層を介在するため、内箱側に行くに従い温度が低くなる。
従って、気体吸着材を高温部に設置することで、気体吸着材の反応性が向上し、速やかに内部気体を吸着し、真空容器の断熱性能の向上および性能維持を図ることができる。
さらに、真空容器の構成は、箱体が金属でできている場合、金属の熱伝導率が高いため高温部の箱体表面は近辺の芯材や箱体表面に吸着していた気体が脱離し、気化しやすくなる。しかし、前記空間の高温部に気体吸着材を設置することで、気体吸着材の温度も上昇するため、吸着速度が向上し、吸着気体の発生量が増加しても、十分な反応速度を得ることが可能となり、真空度を維持し、信頼性の向上を図ることができる。
また、箱体が樹脂でできている場合、樹脂材料、特に熱可塑性樹脂材料は温度が高いほど気体透過性が悪化する。そのため、高温部もしくはその周辺からの気体侵入量が多くなるが、気体吸着材を高温部に設置することで、吸着速度も増加するため、断熱性能に影響を及ぼさず、長期信頼性を得ることが可能となる。
また、樹脂材料の気体透過性は、絶対温度が高いほど気体を透過しやすくなるため、高温部の絶対温度が高いほど、効果も大きくなる。
また、芯材は材料系を特に限定するものではなく、有機あるいは無機繊維、粉末、粉末を固形化したもの、発泡樹脂など、特に限定するものではない。
例えば繊維を用いた芯材では、グラスウール、グラスファイバー、アルミナ繊維、シリカアルミナ繊維、シリカ繊維、ロックウール、炭化ケイ素繊維等の無機繊維、あるいは木綿等の天然繊維、ポリエステル、ナイロン等の合成繊維等の有機繊維など、公知の材料を使用することができる。
繊維を使用するには、繊維を圧縮もしくは加熱圧縮、水やバインダーを用いての圧縮もしくは加熱圧縮、ニードリング、スパンレース、抄造等の方法がある。
一方、粉末を用いた芯材ではシリカ、パーライト、カーボンブラック等の無機粉末、あるいは合成樹脂粉末等の有機粉末、あるいはそれらの混合物などを、粉末そのままで充填、あるいは通気性のある袋に充填して用いる、あるいは繊維バインダーあるいは無機や有機の液状バインダーにて固形化する等の方法がある。 また、発泡樹脂ではウレタンフォーム、フェノールフォーム、スチレンフォーム等を使用することができる。
本発明において、高温部というのは、外箱と内箱の間の空間で、相対的に温度が高い部分を示しており、少なくとも平均温度よりも高ければ良い。好ましくは、より絶対温度が高い部分に接する方が望ましい。また、より好ましくは、気体吸着材が相対的に最も高温の部分と接している方が望ましい。
また、気体吸着材の一部が、高温部に存在すれば、残りの部分が低温部に存在しても構わないが、好ましくは、より多くの部分が高温部に存在する方がよく、より好ましくは、全体が高温部にある方がよい。
また、少なくとも窒素を吸着可能な気体吸着材とは、常圧もしくは減圧、さらに好ましくは1000Pa以下、さらに好ましくは100Pa以下にて1cm3/g以上の窒素を吸着することが望ましく、さらには酸素、水分、二酸化炭素等も吸着することが望ましい。また、これらの吸着を好ましくは100℃以下、さらに好ましくは常温にて吸着することが望ましい。また、気体吸着材を複数種類用いてもよい。
また、気体吸着材は粉末あるいは成形体として使用することができるが、特に指定するものではない。また、成形した気体吸着材とは、圧縮成型、錠剤化、ペレット化等の形態で使用することも可能であり、あるいは別容器に粉体を入れその容器中の粉末を圧縮したもの等が考えられ、さらに気体吸着材を別の気体吸着材で覆っていてもよい。
また、気体吸着材の使用方法については、断熱体と気体吸着材を収容した容器を通気可能にした状態で断熱体中を真空排気し、その後、断熱体を密閉化することにより真空断熱空間を作りだし気体吸着材にて断熱体中の真空度を維持すること、あるいは断熱体中を工業的に到達容易な程度の真空排気をし、その後、断熱体を密閉化し、その際に残存する断熱体中の気体を気体吸着材で吸着することにより、二段減圧のような働きをすること、あるいは気体吸着材は別容器に密閉しておき、断熱体内を所定圧に真空排気後、気体吸着材を何らかの方法で断熱体内と通じることを可能とすることにより、気体吸着材をより高活性に保ったまま二段減圧のような働きをさせることも可能であるが、使用方法については特に指定するものではない。
また、気体吸着材の配設箇所についても、一箇所、またさらに生産効率を向上させるために複数箇所に配設してもかまわない。
また、リサイクル時等の解体時には、気体吸着材を取り外すことも可能である。また、外被材の材料は特に指定するものではい。
請求項2に記載の真空容器の発明は、少なくともガスバリア性材料からなる外箱及び内箱と、前記外箱と前記内箱とにより構成される空間に減圧密封される芯材及び少なくとも窒素を吸着可能な気体吸着材とからなる真空二重壁構造を有する真空容器であって、前記気体吸着材が前記空間における相対的に低温となる低温部に設置されていることを特徴とするものである。
真空断熱材に用いられる気体吸着材は、低圧を維持するため主として化学吸着を含んだ吸着をし、一般に固体状のである。真空断熱材では気体による熱伝導を減少させるために減圧しているが、同時に真空を支持するための芯材があり、芯材は固体であるため、芯材からの固体熱伝導率が影響する。そして、固体熱伝導率は芯材以外にも吸着材の固体伝導率が影響し、できるだけ固体熱伝導率を下げる方が、より断熱性能は向上する。吸着材の原料種や量、形状により固体熱伝導率を低減することは可能だが、さらに熱伝導率は温度が低いほど小さくなることから、吸着材を低温部に設置することで、吸着材による固体熱伝導率の影響をより小さくすることができる。
この効果は、吸着材の使用量が多いほど、あるいは、高温側と低温側の温度差が大きいほど効果を発揮する。
真空容器では、例えば湯等を保温する保温容器であれば、内箱内に加温された液体が保温されるため、内箱側の温度が高く、真空断熱層を介在するため、外箱側に行くに従い温度が低くなる。
反対に、氷や蓄冷材等を保冷する保冷容器であれば、外箱側の温度が高く、真空断熱層を介在するため、内箱側に行くに従い温度が低くなる。
従って、気体吸着材を低温部もしくはその周辺に設置することで、気体吸着材の固体熱伝導率が低下し、真空容器の断熱性能の向上および性能維持を図ることができる。
また、芯材は材料系を特に限定するものではなく、有機あるいは無機繊維、粉末、粉末を固形化したもの、発泡樹脂など、特に限定するものではない。
例えば繊維を用いた芯材では、グラスウール、グラスファイバー、アルミナ繊維、シリカアルミナ繊維、シリカ繊維、ロックウール、炭化ケイ素繊維等の無機繊維、あるいは木綿等の天然繊維、ポリエステル、ナイロン等の合成繊維等の有機繊維など、公知の材料を使用することができる。
繊維を使用するには、繊維を圧縮もしくは加熱圧縮、水やバインダーを用いての圧縮もしくは加熱圧縮、ニードリング、スパンレース、抄造等の方法がある。
一方、粉末を用いた芯材ではシリカ、パーライト、カーボンブラック等の無機粉末、あるいは合成樹脂粉末等の有機粉末、あるいはそれらの混合物などを、粉末そのままで充填、あるいは通気性のある袋に充填して用いる、あるいは繊維バインダーあるいは無機や有機の液状バインダーにて固形化する等の方法がある。 また、発泡樹脂ではウレタンフォーム、フェノールフォーム、スチレンフォーム等を使用することができる。
本発明において、低温部というのは、外箱と内箱の間の空間で、相対的に温度が低い部分を示しており、少なくとも平均温度よりも低ければ良い。好ましくは、より絶対温度が低い部分に接する方が望ましい。また、より好ましくは、気体吸着材が相対的に最も低温の部分と接している方が望ましい。
また、気体吸着材の一部が、低温部に存在すれば、残りの部分が高温部に存在しても構わないが、好ましくは、より多くの部分が低温部に存在する方がよく、より好ましくは、全体が低温部にある方がよい。
また、少なくとも窒素を吸着可能な気体吸着材とは、常圧もしくは減圧、さらに好ましくは1000Pa以下、さらに好ましくは100Pa以下にて1cm3/g以上の窒素を吸着することが望ましく、さらには酸素、水分、二酸化炭素等も吸着することが望ましい。また、これらの吸着を好ましくは100℃以下、さらに好ましくは常温以下にて吸着することが望ましい。また、気体吸着材を複数種類用いてもよい。
また、気体吸着材は粉末あるいは成形体として使用することができるが、特に指定するものではない。また、成形した気体吸着材とは、圧縮成型、錠剤化、ペレット化等の形態で使用することも可能であり、あるいは別容器に粉体を入れその容器中の粉末を圧縮したもの等が考えられ、さらに気体吸着材を別の気体吸着材で覆っていてもよい。
また、気体吸着材の使用方法については、断熱体と気体吸着材を収容した容器を通気可能にした状態で断熱体中を真空排気し、その後、断熱体を密閉化することにより真空断熱空間を作りだし気体吸着材にて断熱体中の真空度を維持すること、あるいは断熱体中を工業的に到達容易な程度の真空排気をし、その後、断熱体を密閉化し、その際に残存する断熱体中の気体を気体吸着材で吸着することにより、二段減圧のような働きをすること、あるいは気体吸着材は別容器に密閉しておき、断熱体内を所定圧に真空排気後、気体吸着材を何らかの方法で断熱体内と通じることを可能とすることにより、気体吸着材をより高活性に保ったまま二段減圧のような働きをさせることも可能であるが、使用方法については特に指定するものではない。
また、気体吸着材の配設箇所についても、一箇所、またさらに生産効率を向上させるために複数箇所に配設してもかまわない。
また、リサイクル時等の解体時には、気体吸着材を取り外すことも可能である。また、外被材の材料は特に指定するものではい。
請求項3に記載の真空容器の発明は、少なくともガスバリア性材料からなる外箱及び内箱と、前記外箱と前記内箱とにより構成される空間に減圧密封される芯材及び少なくとも窒素を吸着可能な気体吸着材とからなる真空二重壁構造を有する真空容器であって、前記気体吸着材が前記空間における相対的に高温となる高温部と相対的に低温となる低温部との中間温度部分に設置されていることを特徴とするものである。
真空断熱材に用いられる気体吸着材は、低圧を維持するため主として化学吸着を含んだ吸着をし、一般に固体状である。真空断熱材では、気体熱伝導率以外にも芯材や気体吸着材の固体熱伝導率が影響する。熱伝導率は温度が低いほど小さくなり、影響が小さくなる。
一方で、真空断熱材に用いられる気体吸着材は、低圧を維持するため主として化学吸着を含んだ吸着をするが、周辺温度が高い方が吸着活性は高くなる。そのため、速やかな気体の吸着が行われ、気体熱伝導率は低減し、高性能・高信頼性が得られる。
この両方の特性を生かすため、吸着材を高温部と低温部の中間温度部分に設置することで固体熱伝導率を低減し、気体吸着活性を高め、高断熱性能、高信頼性の真空容器を得ることができる。
真空容器では、例えば湯等を保温する保温容器であれば、内箱内に加温された液体が保温されるため、内箱側の温度が高く、真空断熱層を介在するため、外箱側に行くに従い温度が低くなる。
反対に、氷や蓄冷材等を保冷する保冷容器であれば、外箱側の温度が高く、真空断熱層を介在するため、内箱側に行くに従い温度が低くなる。
従って、気体吸着材を前記空間の高温部と低温部の中間温度部分に設置することで、気体吸着材の固体熱伝導率が低下し、さらに、吸着材の活性化を図ることができ、真空容器の断熱性能の向上および長期信頼性を確保することができる。
また、芯材は材料系を特に限定するものではなく、有機あるいは無機繊維、粉末、粉末を固形化したもの、発泡樹脂など、特に限定するものではない。
例えば繊維を用いた芯材では、グラスウール、グラスファイバー、アルミナ繊維、シリカアルミナ繊維、シリカ繊維、ロックウール、炭化ケイ素繊維等の無機繊維、あるいは木綿等の天然繊維、ポリエステル、ナイロン等の合成繊維等の有機繊維など、公知の材料を使用することができる。
繊維を使用するには、繊維を圧縮もしくは加熱圧縮、水やバインダーを用いての圧縮もしくは加熱圧縮、ニードリング、スパンレース、抄造等の方法がある。
一方、粉末を用いた芯材ではシリカ、パーライト、カーボンブラック等の無機粉末、あるいは合成樹脂粉末等の有機粉末、あるいはそれらの混合物などを、粉末そのままで充填、あるいは通気性のある袋に充填して用いる、あるいは繊維バインダーあるいは無機や有機の液状バインダーにて固形化する等の方法がある。 また、発泡樹脂ではウレタンフォーム、フェノールフォーム、スチレンフォーム等を使用することができる。
また、高温部というのは、外箱と内箱の間の空間で、相対的に温度が高い部分を示しており、低温部というのは、外箱と内箱の間の空間で、相対的に温度が低い部分を示している。中間温度部分とはその間の温度領域を指す。
また、気体吸着材の一部が、中間温度部分に存在すれば、残りの部分が低温部や高温部に存在しても構わないが、好ましくは、より多くの部分が中間温度部に存在する方がよく、より好ましくは、全体が中間温度部にある方がよい。
また、少なくとも窒素を吸着可能な気体吸着材とは、常圧もしくは減圧、さらに好ましくは1000Pa以下、さらに好ましくは100Pa以下にて1cm3/g以上の窒素を吸着することが望ましく、さらには酸素、水分、二酸化炭素等も吸着することが望ましい。また、これらの吸着を好ましくは100℃以下、さらに好ましくは常温以下にて吸着することが望ましい。また、気体吸着材を複数種類用いてもよい。
また、気体吸着材は粉末あるいは成形体として使用することができるが、特に指定するものではない。また、成形した気体吸着材とは、圧縮成型、錠剤化、ペレット化等の形態で使用することも可能であり、あるいは別容器に粉体を入れその容器中の粉末を圧縮したもの等が考えられ、さらに気体吸着材を別の気体吸着材で覆っていてもよい。
また、気体吸着材の使用方法については、断熱体と気体吸着材を収容した容器を通気可能にした状態で断熱体中を真空排気し、その後、断熱体を密閉化することにより真空断熱空間を作りだし気体吸着材にて断熱体中の真空度を維持すること、あるいは断熱体中を工業的に到達容易な程度の真空排気をし、その後、断熱体を密閉化し、その際に残存する断熱体中の気体を気体吸着材で吸着することにより、二段減圧のような働きをすること、あるいは気体吸着材は別容器に密閉しておき、断熱体内を所定圧に真空排気後、気体吸着材を何らかの方法で断熱体内と通じることを可能とすることにより、気体吸着材をより高活性に保ったまま二段減圧のような働きをさせることも可能であるが、使用方法については特に指定するものではない。
また、気体吸着材の配設箇所についても、一箇所、またさらに生産効率を向上させるために複数箇所に配設してもかまわない。
また、リサイクル時等の解体時には、気体吸着材を取り外すことも可能である。また、外被材の材料は特に指定するものではい。
請求項4に記載の真空容器の発明は、請求項1から請求項3いずれか一項に記載の発明における前記ガスバリア性材料が、樹脂材料と金属シートを複層化した複合材料であることを特徴とするものであり、ガスバリア性材料に樹脂材料と金属シートを複層化した複合材を用いることで、樹脂材料のみでは温度が高くなることでガスバリア性が低下する材料でも、ガスバリア性を格段に高め、外部からの気体浸入を抑制することができ、幅広い温度領域でガスバリア性を向上させるとともに、気体吸着材の使用量を少なくすることができる。
一方、金属材料では熱伝導率が大きく、箱体を伝わるヒートリーク量も大きくなり断熱性能が低下することから、金属シートと樹脂材料の複合化により、ヒートリークも減少することができる。
また、金属シートの種類は限定するものではないが、コストや汎用性の点からAl、Fe、Cu、ステンレスもしくはこれらの複合して用いるのが好ましい。
また、金属シートは厚いほどガスバリア性は高まるが、ヒートリークが増え、加工性が低下する。逆に金属シートが薄いと、ヒートリークは減少するが、ピンホールが増えたりし、ガスバリア性は劣る。従って好ましくは5μm〜50μmの厚さが良い。
請求項5に記載の真空容器の発明は、請求項4に記載の発明における前記複合材料が、インサート成形により作製されたものであることを特徴とするものであり、複層化において、蒸着法やメッキ法では、設備、工程の負荷が大きくなるが、インサート成型であれば成形と同時に複層化され、工数を削減し、簡便な手法で複層化が可能である。
あらかじめ、金属シートを複層化した樹脂シートを成形すると、樹脂と金属の伸び率や収縮率が異なるため、変形しない、シートが破れる、あるいはしわが生じる等の現象が起こるため箱体への成形が困難である。また、樹脂成型品に金属シートを接着剤等で張り付ける工程は工数が増える問題がある。
また、成型方法も限定するものではないが、ブロー成形、射出成型、真空成型、圧空成型が最も一般的で、簡便に成型しやすく、いずれの成型方法でも構わない。また、ブロー成形は容器上の形状を、射出成形は精密な形状の成形を、真空成型、圧空成型は大型品の成形コストが安いといったそれぞれの特長があるため、これらの成型方法を組み合わせても構わない。
請求項6に記載の真空容器の発明は、請求項4または請求項5に記載の発明における前記樹脂材料が、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニリデン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフェニレンフルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリアクリル酸系樹脂からなる群から少なくとも一つを用いることを特徴とするものであり、高ガスバリア性を有する樹脂材料を用いることで、さらにガスバリア性を向上させることができる。
請求項7に記載の真空容器の発明は、請求項1から請求項6いずれか一項に記載の発明における前記気体吸着材が、少なくともLiと、Liと金属間化合物をつくらない遷移金属とからなり、かつ前記2種の金属の混合のエンタルピーが0より大きいことを特徴とする。
相互に金属間化合物をつくらない金属であり、かつ前記2種の金属の混合のエンタルピーが0より大きい金属で、通常では相互作用をもたないような金属を用いることにより、その中に含まれる金属の活性を向上させることが可能である。従って、金属と気体との反応性が向上し気体吸着活性が高くなる。そのため、不活性で反応性に乏しい窒素も常温で吸着可能な気体吸着材となる。
Liとの混合エンタルピーが0より大きい遷移金属としては、Fe、Cu、Ni、W等がある。また、Liと前記遷移金属の少なくとも一部が相溶していることが望ましい。
本発明において、少なくとも一部が相溶しているとは、少なくとも一部が物理的に2種の物質を分離できない状態のことをいう。例えば2種の物質の境界面の一部が原子レベルで物質同士が混合している等の状態をいうが、これに限定するものではない。
Liと前記遷移金属の間で少なくとも一部は相溶が起こるほど混合することにより、金属間の反発力をさらに高め、その中に含まれる金属の活性を向上させることができる。従って、気体との反応性が向上し、気体吸着活性が高くなるのである。
請求項8に記載の真空容器の発明は、請求項1から請求項6いずれか一項に記載の発明における前記気体吸着材が、少なくともLiと、25℃における硬度が5以上でありかつ密度が4g/cm3以下である固体物質を含むことを特徴とする。
Liの硬度が0.6であるのに対し、硬度が5以上の固体物質を共存させ、Liと前記物質を磨砕することによりLi表面が削られ、活性な表面を新生することが可能となると共に、Liを細分化することが可能となる。従ってLiの比表面積増大、及び活性化により、常温で窒素を吸着可能となる。
また、密度が4g/cm3以下の物質を用いることにより、密度が0.53g/cm3のLiと組み合わせたときでも密度上昇が少なく、例えば気体吸着材を製品に組み込んだときでも重量増加が少ない。
本発明において、硬度が5以上でありかつ密度が4g/cm3以下である固体物質とは、Si、B、c−C、SiO2、SiC、c−BN、Al23、MgO等があげられる。また、Liと前記固体物質の少なくとも一部が相溶していることが望ましい。
また、少なくとも一部が相溶しているとは、少なくとも一部が物理的に2種の物質を分離できない状態のことをいう。例えば2種の物質の境界面の一部が原子レベルで物質同士が混合している等の状態をいうが、これに限定するものではない。
請求項9に記載の真空容器の発明は、請求項7または請求項8に記載の発明における前記気体吸着材を、少なくとも機械的混合を含む工程により製造したことを特徴とする。
メカニカルアロイをすることにより、上記相溶の効果が効果的に得られる。また、Liと前記遷移金属、あるいはLiと前記固体物質を高エネルギーで磨砕、混合することができ、前記固体によるLiを削る効果が増大し、Li新生面露出や細分化効果が増大する。また、固体物質も削られ細分化されるので、Liを細分化することに対しさらに効果的となるのである。
また、機械的混合を行うことにより、機械的エネルギーがLiや前記固体物質に蓄積され、出発点で有するエネルギーよりも機械的混合後に有するエネルギーの方が増大し、さらに高活性化することが考えられる。
また、機械的混合とは、ボールミリング法、バルクメカニカルアロイング法等を用いたメカニカルアロイング工程を指すが、出発点で有するエネルギーよりも機械的混合後に有するエネルギーの方が増大するのであれば、その方法を限定するものではない。
また、高活性な気体吸着材を作製するため、不活性気体中、例えばAr、He等の希ガス雰囲気中、あるいは真空下で機械的混合を行うことが好ましい。
請求項10に記載の真空容器の発明は、請求項1から請求項6いずれか一項に記載の発明における前記気体吸着材が、一価のCuイオンを含むゼオライトであることを特徴とする。
一価のCuイオンを含むゼオライト、特にZSM−5型ゼオライトが好ましい。汎用的なゼオライトでは常温・減圧下で窒素を吸着することはできないが、一価のCuイオンを含むゼオライトが特異的に窒素を吸着することが可能である。
以下、本発明の真空容器の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における真空容器の外観斜視図であり、図2は実施の形態1における真空容器の縦断面図であり、図3は実施の形態1における真空容器の箱体製造方法を示す概略図である。
図1を用いて本実施の形態1における真空容器の構成について説明する。
内部に湯や水を溜められる構造をした真空容器1は、上部に内部へ湯等を貯蔵するための注水口2を有し、外側はガスバリア性材料からなる外箱3で、断熱空間を減圧にするための排気口4と芯材を封入するための注入口5がある。
次に、図2を用いて、本実施の形態1における真空容器の断面構成について説明する。図1と同じ構成の部品については詳細な説明は省略する。
真空容器1は上部に外箱3と内箱6とからなり、外箱3と内箱6の間には断熱空間7が存在する。断熱空間7の内部は注入口5から封入された芯材8で満たされており、気体吸着材9と水分吸着材10を有しており、気体吸着材10は内箱側に設置されている。断熱空間7は排気口4から排気され、減圧空間となり、その後、排気口4を封止することで密封する。
ガスバリア性材料は、空気透過速度が10[cm3・10μm/m2・day・atm]以下であり、好ましくは1[cm3・10μm/m2・day・atm]以下、より好ましくは0.1[cm3・10μm/m2・day・atm]以下であることが望ましい。これは空気透過速度が10[cm3・10μm/m2・day・atm]より大きくなると、外部からの空気浸入量が増大し、長期信頼性が劣る。
中空二重壁構造にするためにはいくつかの手法があるが、図3(a)にあるように、内箱6をブロー成形等で成形し、外箱3は射出成形、真空成形、圧空成形等で、外箱3a,3bの二つ作製し、内箱6を挟みこんで溶接する。
または、図3(b)にあるように内箱6も射出成形、真空成形、圧空成形等で内箱6a,6bの二つずつ作製し、溶接することで真空二重壁構造とする。
または、図3(c)にあるようように、ブロー成形で中空二重壁容器11を中空二重壁容器11a,11bの二つずつ作製し、それぞれ溶接する。中空二重壁容器11は図3(d)にあるように、ブロー成形により中空体となっている。
成形法、溶接法には種々の組合せがあるが、特に限定するものではない。ただし、ガスバリア性や強度の観点から、溶接部分はどうしても他の部分より劣るため、できるだけ少なくすることが好ましい。
また、樹脂成形での表記になっているが、ステンレス等の金属製材料でも、ヒートリークが大きくなるが、絞り加工や折り曲げ加工、溶接により作製可能で、ガスバリア性も高く、真空断熱筐体として十分である。
また、本実施の形態では二つに分割する表記しかないが、三つ以上に分割しても工数や溶接箇所が増えるが、真空断熱体としての機能は損なわないため、問題はない。
また、溶接方法は特に限定するものではなく、工数、設備の差はあるが接合には十分であり、振動溶着、超音波溶着、レーザー溶着、IRAM、DSI、溶接、ホットメルト、電磁誘導、熱風溶着、インパルス溶着、熱風溶着、近赤溶着、拡散結合等が用いられる。また、これらを複合しても構わない。
また、溶接部はあらかじめフランジ部を設けていると溶接シロができるため、溶接が容易になる。
次に芯材の封入であるが、図1の注入口5から封入し、真空引きは排気口4から行い、減圧後、注入口5、排気口4とも溶接し、封止する。
また、封入時には排気口から、芯材が飛散しないように、ピンチする。また、加圧成形することで芯材の体積が減少し、芯材がさらに封入できる空隙ができる場合は、再び、加圧封入し、空隙ができなくなるまで繰り返し、封入する。
気体吸着材の種類を変えた断熱体における断熱性能の評価結果を実施例1から実施例3に示す。
(実施例1)
芯材には、平均一次粒子径7nmの乾式シリカ85.5wt%と、平均粒子径42nmのカーボンブラック4.5wt%を混合した粉末、および繊維材料として平均繊維径0.8μmのグラスウール10wt%とを混合して成形したものである。
粉末をカッターミルで混合した後、さらに繊維材料を加えて混合した。このようにして作製した芯材を110℃の乾燥炉で1時間乾燥し、加圧成形に供する。
箱体は内箱が厚さ2mmのポリプロピレンと厚さ100μmのエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)からなる多層材料で、ポリプロピレンが内側となり、成形はブロー成形で行う。また、ポリプロピレンとEVOHは接合材(10μm)で接合されている。
外箱は厚さ2mmの高密度ポリエチレンと厚さ100μmのEVOHとからなる多層材料で、高密度ポリエチレンが外側になり、内箱同様、ブロー成形によって作製し、高密度ポリエチレンとEVOHは接合材(10μm)で接合されている。ブロー成形によって成形した外箱を半分に切断し、内箱を内部に挿入し、さらに気体吸着材と水分吸着材を内箱に設置する。
また、内箱と外箱の間は10mmとなるように成形した。
気体吸着材はLiとFeをAr雰囲気でメカニカルアロイングした粉体を用いた。気体吸着材を通気性のある不織布袋に充填後、シール性の弱い密閉袋に封入する。なお、シール性の弱い密閉袋とは、密閉袋内が常圧で雰囲気圧が常圧〜中真空程度、すなわち内外の圧力差が小さいときはシールされているが、一方、外被材内に挿入され雰囲気圧が中真空〜高真空、すなわち内外の圧力差が大きくなるとシール部が離れ、外気と通気部を有するような袋であるが、気体吸着材を封入する容器はこれに特定するものではない。また、水分吸着材には酸化カルシウムを用いた。
そして、外箱と内箱を溶着させ、さらに半分に切断した外箱を切断部分で溶着した。その後、箱体中空部を真空排気後、事前に準備した芯材を注入口から封入し、箱体中空部を25Paまで減圧後、注入口、排気口とも封止した。
以上のような真空容器の熱伝導率は、0.0073W/mKであった。
また、80℃の湯を容器の8割の量を注入し、25℃の雰囲気中で、1日放置し、それを60日繰り返したところ、熱伝導率は0.0074W/mKであり、性能劣化はほとんどなかった。
(実施例2)
芯材、外被材、水分吸着材は実施例1と同様のものを用い、工法も同様の方法で作製した。気体吸着材はLiとAl23をAr雰囲気でメカニカルアロイングした粉体を用いた。
以上のような真空容器の熱伝導率は、0.0074W/mKであった。
また、80℃の湯を容器の8割の量を注入し、25℃の雰囲気中で、1日放置し、それを60日繰り返したところ、熱伝導率は0.0076W/mKであり、性能劣化はほとんどなかった。
(実施例3)
芯材、外被材、水分吸着材は実施例1と同様のものを用い、工法も同様の方法で作製した。気体吸着材はLiとMgOをAr雰囲気でメカニカルアロイングした粉体を用いた。
以上のような真空容器の熱伝導率は、0.0072W/mKであった。
また、80℃の湯を容器の8割の量を注入し、25℃の雰囲気中で、1日放置し、それを60日繰り返したところ、熱伝導率は0.0073W/mKであり、性能劣化はほとんどなかった。
(実施例4)
芯材、外被材は実施例1と同様のものを用い、工法も同様の方法で作製した。気体吸着材として、Cuイオン交換したZSM−5ゼオライトを用いた。
以上のような真空容器の熱伝導率は、0.0075W/mKであった。
また、80℃の湯を容器の8割の量を注入し、25℃の雰囲気中で、1日放置し、それを60日繰り返したところ、熱伝導率は0.0077W/mKであり、性能劣化はほとんどなかった。
(実施例5)
外被材、気体吸着材、水分吸着材は実施例1と同様のものを用い、ブロー成形によって成形した外箱を半分に切断するまでは実施例1と同じ工法で作製した。
固形化した芯材と内箱とを内部に挿入し、外箱と内箱を溶着させ、さらに半分に切断した外箱を切断部分で溶着した。その後、箱体中空部を真空排気後し、箱体中空部を25Paまで減圧後、注入口、排気口とも封止した。
芯材として、平均繊維径5μmのガラス繊維を用い、二重壁空間形状に500℃で加圧成型し、固形化したものを用いた。
以上のような真空容器の熱伝導率は、0.0053W/mKであった。
また、80℃の湯を容器の8割の量を注入し、25℃の雰囲気中で、1日放置し、それを60日繰り返したところ、熱伝導率は0.0055W/mKであり、性能劣化はほとんどなかった。
(実施例6)
芯材、外被材、水分吸着材は実施例1と同様のものを用い、工法も同様の方法で作製した。気体吸着材はLiとAl23をAr雰囲気でメカニカルアロイングした粉体を用いた。
以上のような真空容器の熱伝導率は、0.0074W/mKであった。このまま25℃雰囲気で60日間放置し、その後、0℃の水を容器の8割の量を注入し、25℃の雰囲気中で、1日放置した後、熱伝導率はを測定したところ、0.0071W/mKであり、性能劣化はほとんどなく、熱伝導率減少により性能向上も見られた。
(実施例7)
芯材、外被材、水分吸着材は実施例1と同様のものを用い、工法も同様の方法で作製した。気体吸着材はLiとAl23をAr雰囲気でメカニカルアロイングした粉体を用いた。また、吸着材は芯材のほぼ中央に設置した。
以上のような真空容器の熱伝導率は、0.0074W/mKであった。
また、80℃の湯を容器の8割の量を注入し、25℃の雰囲気中で、1日放置し、それを60日繰り返したところ、熱伝導率は0.0074W/mKであり、性能劣化はなく、吸着材の熱伝導率の影響もほとんどなかった。
(実施の形態2)
図4は本発明の実施の形態2における真空容器の縦断面図である。
図4の縦断面図では、真空容器12は外箱13と内箱14とからなり、外箱13と内箱14の間には断熱空間7が存在する。また外箱13の内側と内箱14の外側に金属シート15がインサート成型されている。断熱空間7の内部は注入口5から加圧封入され成形体となった芯材16で満たされており、気体吸着材9と水分吸着10を有している。気体吸着材9と水分吸着材10は内箱14に接して設置されている。断熱空間7は排気口4から排気され、減圧空間となり、その後、排気口4を封止することで密閉空間とする。
(実施例8)
芯材には、平均一次粒子径7nmの乾式シリカ85.5wt%と、平均粒子径42nmのカーボンブラック4.5wt%を混合した粉末、および繊維材料として平均繊維径0.8μmのグラスウール10wt%とを混合して成形したものである。
粉末をカッターミルで混合した後、さらに繊維材料を加えて混合した。このようにして作製した芯材を110℃の乾燥炉で1時間乾燥し、加圧成形に供する。
箱体は内箱が厚さ1mmのポリプロピレン2枚で厚さ100μmのエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)を挟んだ構造からなる多層材料で、成形はブロー成形で行う。また、ポリプロピレンとEVOHは接合材(10μm)で接合されている。そしてナイロン(10μm)とアルミニウムシート(20μm)とポリプロピレン(7μm)の複層材からなる金属シートを、ブロー成形時に金型内面の平面部に設置しておき、成型と同時に内箱に一体化するインサート成型を行う。金属シートのナイロンとアルミニウム、アルミニウムとポリプロピレンはそれぞれ接合材(5μm)で接合されている。また、金属シートはポリプロピレン側を内箱と接合させる。
外箱は厚さ2mmの高密度ポリエチレンと厚さ100μmのエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)からなる多層材料で、内箱同様、ブロー成形によって作製し、高密度ポリエチレンとEVOHは接合材(10μm)で接合されている。金属シートはナイロン(10μm)とアルミニウムシート(20μm)とポリエチレン(7μm)の複層材を用い、ブロー成型時に金型平面部に設置し、インサート成型する。金属シートのナイロンとアルミニウム、アルミニウムとポリエチレンはそれぞれ接合材(5μm)で接合されている。また、金属シートはポリエチレン側を外箱と接合させる。
ブロー成形によって成形した外箱を半分に切断し、内箱を内部に挿入し、さらに気体吸着材と水分吸着材を内箱に設置する。また、内箱と外箱の間は10mmとなるように成形した。また、金属シートによる被覆率は全表面積の80%であった。
気体吸着材はLiとFeをAr雰囲気でメカニカルアロイングした粉体を用いた。気体吸着材を通気性のある不織布袋に充填後、シール性の弱い密閉袋に封入する。なお、シール性の弱い密閉袋とは、密閉袋内が常圧で雰囲気圧が常圧〜中真空程度、すなわち内外の圧力差が小さいときはシールされているが、一方、外被材内に挿入され雰囲気圧が中真空〜高真空、すなわち内外の圧力差が大きくなるとシール部が離れ、外気と通気部を有するような袋であるが、気体吸着材を封入する容器はこれに特定するものではない。また、水分吸着材には酸化カルシウムを用いた。
そして、外箱と内箱を溶着させ、さらに半分に切断した外箱を切断部分で溶着した。その後、箱体中空部を真空排気後、事前に準備した芯材を注入口から封入し、箱体中空部を24Paまで減圧後、注入口、排気口とも封止した。
以上のような真空容器の熱伝導率は、0.0069W/mKであった。
また、80℃の湯を容器の8割の量を注入し、25℃の雰囲気中で、1日放置し、それを60日繰り返したところ、熱伝導率は0.0069W/mKであり、性能劣化はほとんどなかった。
(実施の形態3)
図5は、本発明の実施の形態3における真空容器を適用した自動車の蓄熱式暖気装置を示す。
図5において蓄熱式暖気装置17は、冷却水回路18を通じて、エンジン19で温められた冷却水がラジエーター20で冷却され、再びエンジン19に戻る循環経路である。また、エンジン始動時の冷却水が温まってない場合は、サーモスタット21が全閉されており、冷却水は放熱作用のあるラジエーター20を介さず、バイパス流路22を通り循環し冷却水の昇温を早める。
また、自動車連続走行中、冷却水回路20の温まっている冷却水を、流量制御弁23を切り替え入口パイプ24から真空容器26に流入させ保温しておく。その後エンジン始動時に流動制御弁23を切り替え出口パイプ25から、冷却水回路に流出させ、冷却水に混合し冷却水の昇温を早める。従ってエンジン始動時の車の燃費を向上させることができる。
真空容器26は、本実施の形態1あるいは本実施の形態2の真空容器を用いており、加温された冷却水が、真空容器内に保温されるため、樹脂材料のガスバリア性は低下するが、気体吸着材を内箱側に設置しており、気体吸着速度も向上し、断熱性能を維持することができる。
(実施の形態4)
図6は本発明の実施の形態4における真空容器を適用した冷蔵庫の縦断面図である。
冷蔵庫27は真空断熱箱体構造を有しており冷蔵庫内を構成する内箱28と外壁構成する外箱29とからなり、内箱28と外箱29の間には断熱層30が存在する。また外箱29はPCM鋼板で構成され、内箱28はアルミニウムシートをインサート成形したABS樹脂とからなり、断熱層側にアルミニウムシートがある。断熱層30の内部は芯材31が充填され、気体吸着材32と水分吸着材33を有している。また、34は排気口で、35は機械室で、36は圧縮機である。冷媒はイソブタンを使用している。
(実施例9)
芯材は平均繊維径5μmのガラス繊維を用い、バインダーとしてケイ酸ナトリウム3wt%溶液を塗布し、断熱層の形状に450℃加圧成型しながら溶媒を乾燥させ、固形化したものからなる。
内箱は厚さ3mmのABS樹脂と厚さ20μmのエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)にアルミニウムシート(20μm)をインサート成形した多層材料で、ABS樹脂が庫内側となり、成形は真空圧空成形で行う。
外箱は厚さ1mmのPCM鋼板で、プレス成型にて成型する。外箱と内箱とで芯材を挟みこむ形で挿入し、外箱と内箱を接触部分で接合する。
気体吸着材はLiとFeをAr雰囲気でメカニカルアロイングした粉体を用いた。気体吸着材を通気性のある不織布袋に充填後、シール性の弱い密閉袋に封入する。なお、シール性の弱い密閉袋とは、密閉袋内が常圧で雰囲気圧が常圧〜中真空程度、すなわち内外の圧力差が小さいときはシールされているが、一方、外被材内に挿入され雰囲気圧が中真空〜高真空、すなわち内外の圧力差が大きくなるとシール部が離れ、外気と通気部を有するような袋であるが、気体吸着材を封入する容器はこれに特定するものではない。また、水分吸着材には酸化カルシウムを用いた。
気体吸着材は、庫内に比べ高温である外壁側、特に温度が高い圧縮機周辺や凝縮器周辺に重点して設置した。また、内箱側でもラジエントヒータ部周辺の比較的温度が高くなる周辺にも設置した。
断熱層は、冷蔵庫外の真空ポンプで排気口から減圧し、真空度が30Pa程度になったところで排気口部分を封止する。
このように構成された冷蔵庫の消費電力量を測定したところ、気体吸着材を設置しない冷蔵庫よりも20%減少しており、断熱効果を確認した。
次に本発明の情報機器に対する比較例を示す。
(比較例1)
外被材、芯材、気体吸着材、水分吸着材は実施例1と同様のものを用い、真空容器の構成、工法もほぼ同じ真空容器を作製した。気体吸着材は使用しなかった。
以上のような真空容器の熱伝導率は、0.0083W/mKであった。
また、80℃の湯を容器の8割の量を注入し、25℃の雰囲気中で、1日放置し、それを60日繰り返したところ、熱伝導率は0.0234W/mKであった。
(比較例2)
外被材、芯材、気体吸着材、水分吸着材は実施例1と同様のものを用い、真空容器の構成、工法もほぼ同じ真空容器を作製した。気体吸着材は外箱に密着させ、設置した。
以上のような真空容器の熱伝導率は、0.0073W/mKであった。
また、80℃の湯を容器の8割の量を注入し、25℃の雰囲気中で、1日放置し、それを60日繰り返したところ、熱伝導率は0.0094W/mKであった。
(比較例3)
外被材、芯材、気体吸着材、水分吸着材は実施例5と同様のものを用い、真空容器の構成、工法もほぼ同じ真空容器を作製した。気体吸着材は使用しなかった。
以上のような真空容器の熱伝導率は、0.0058W/mKであった。
また、80℃の湯を容器の8割の量を注入し、25℃の雰囲気中で、1日放置し、それを60日繰り返したところ、熱伝導率は0.0252W/mKであった。
(比較例4)
外被材、芯材、気体吸着材、水分吸着材は実施例5と同様のものを用い、真空容器の構成、工法もほぼ同じ真空容器を作製した。気体吸着材は外箱に密着させ、設置した。
以上のような真空容器の熱伝導率は、0.0053W/mKであった。
また、80℃の湯を容器の8割の量を注入し、25℃の雰囲気中で、1日放置し、それを60日繰り返したところ、熱伝導率は0.0072W/mKであった。
(比較例5)
外被材、芯材、気体吸着材、水分吸着材は実施例6と同様のものを用い、真空容器の構成、工法もほぼ同じ真空容器を作製した。気体吸着材は使用しなかった。
以上のような真空容器の熱伝導率は、0.0069W/mKであった。
また、80℃の湯を容器の8割の量を注入し、25℃の雰囲気中で、1日放置し、それを60日繰り返したところ、熱伝導率は0.0105W/mKであった。
以上のように、本発明にかかる真空容器は、気体吸着材を高温部に設置することで吸着活性が向上し、断熱性能、信頼性ともに優れた真空容器を構成できるものであり、自動車用の蓄熱式暖気装置やヒートポンプ用保温タンク、さらに冷凍冷蔵庫および冷凍機器をはじめとした温冷熱機器や、熱や寒さから保護したい物象などのあらゆる断熱用途に適用できる。
本発明の実施の形態1における真空容器の外観斜視図 本発明の実施の形態1における真空容器の縦断面図 本発明の実施の形態1における真空容器体の箱体の製造方法を示す概略図 本発明の実施の形態2における真空容器の縦断面図 本発明の実施の形態3における真空容器を適用した自動車の蓄熱式暖気装置の概略構成図 本発明の実施の形態4における真空容器を適用した冷蔵庫の縦断面図
符号の説明
1 真空容器
3 外箱
6 内箱
7 空間
8 芯材
9 気体吸着材
12 真空容器
13 外箱
14 内箱
16 芯材
26 真空容器
27 冷蔵庫
28 内箱
29 外箱
30 断熱層
31 芯材
32 気体吸着材

Claims (10)

  1. 少なくともガスバリア性材料からなる外箱及び内箱と、前記外箱と前記内箱とにより構成される空間に減圧密封される芯材及び少なくとも窒素を吸着可能な気体吸着材とからなる真空二重壁構造を有する真空容器であって、前記気体吸着材が前記空間における相対的に高温となる高温部に設置されていることを特徴とする真空容器。
  2. 少なくともガスバリア性材料からなる外箱及び内箱と、前記外箱と前記内箱とにより構成される空間に減圧密封される芯材及び少なくとも窒素を吸着可能な気体吸着材とからなる真空二重壁構造を有する真空容器であって、前記気体吸着材が前記空間における相対的に低温となる低温部に設置されていることを特徴とする真空容器。
  3. 少なくともガスバリア性材料からなる外箱及び内箱と、前記外箱と前記内箱とにより構成される空間に減圧密封される芯材及び少なくとも窒素を吸着可能な気体吸着材とからなる真空二重壁構造を有する真空容器であって、前記気体吸着材が前記空間における相対的に高温となる高温部と相対的に低温となる低温部との中間温度部分に設置されていることを特徴とする真空容器。
  4. 前記ガスバリア性材料が、樹脂材料と金属シートを複層化した複合材料であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の真空容器。
  5. 前記複合材料が、インサート成形により作製されたものであることを特徴とする請求項4に記載の真空容器。
  6. 前記樹脂材料が、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニリデン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフェニレンフルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリアクリル酸系樹脂からなる群から少なくとも一つを用いることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の真空容器。
  7. 前記気体吸着材が、少なくともLiと、Liと金属間化合物をつくらない遷移金属とからなり、かつ前記2種の金属の混合のエンタルピーが0より大きいことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の真空容器。
  8. 前記気体吸着材が、少なくともLiと、25℃における硬度が5以上でありかつ密度が4g/cm3以下である固体物質を含むことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の真空容器。
  9. 前記気体吸着材を、少なくとも機械的混合を含む工程により製造したことを特徴とする請求項7または請求項8に記載の真空容器。
  10. 前記気体吸着材が、一価のCuイオンを含むゼオライトであることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の真空容器。
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