以下に添付図面を参照し、本発明の保守点検支援プログラム、保守点検支援装置および保守点検支援方法にかかる実施形態の一例を詳細に説明する。なお、以下に示す第1実施形態の一例〜第3実施形態の一例では、配管および各種機器を有する配管プラントの保守点検を支援する保守点検支援処理をコンピュータ装置に実行させる保守点検支援プログラム、保守点検支援装置および保守点検支援方法について説明する。しかし、開示の実施形態は、これに限定されず、CADアプリケーションなどの設計支援アプリケーションソフトを使用して設計されたプラントを含む構造物一般に適用可能である。
先ず、図1〜図17を参照して、第1実施形態の一例を説明する。図1は、第1実施形態の一例にかかる保守点検支援装置の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、第1実施形態の一例にかかる保守点検支援装置100aは、制御部101と、記憶部102と、入出力端末装置200との情報送受信のための入出力インターフェース部103とを有する。
制御部101は、保守点検支援装置100aの全体制御をつかさどる制御部である。そして、第1実施形態の一例に関連する構成として、入出力GUI(Graphical User Interface)制御部101aと、グラフ作成処理部101bと、測定箇所抽出処理部101cと、測定周期表作成処理部101dと、測定データ入力テーブル作成処理部101eとを有する。
また、記憶部102は、CADデータ記憶部102aと、一時記憶部102bと、測定箇所抽出条件記憶部102cと、測定周期表記憶部102dと、測定データ入力テーブル格納部102eとを有する。
入出力GUI制御部101aは、入出力端末装置200に接続されている出力装置200b(例えば、ディスプレイ装置やプリンターなど)に、各種情報の入出力のために表示する各種GUIの表示制御をおこなう。各種GUIには、後述する測定箇所抽出指示入力画面501(図15−1参照)、流動方向選択画面502(図15−2参照)、測定箇所表示条件入力画面503(図16参照)および測定箇所表示画面504(図17参照)がある。
また、入出力GUI制御部101aは、入出力端末装置200に接続されている入力装置200a(例えば、キーボード、マウスなど)を使用して、測定箇所抽出指示入力画面501から入力された測定箇所抽出指示に基づいて、グラフ作成処理部101bに対して、CADデータ記憶部102aに記憶されるCADデータをもとに、保守支援対象の配管プラントの木構造グラフを作成するように指示する。
CADデータは、例えば、図2に示すように、「要素番号」、「系統」、「種別」、「名称」、「呼び径」、「配置座標」のカラムを有する。「要素番号」は、CADデータ(または、配管プラント)内において、当該エントリに格納されている配管プラントの構成要素を一意に識別するための識別情報である。
CADデータは、CADアプリケーションによって、保守点検支援装置100aの外部で作成されたCADデータを使用してもよい。または、保守点検支援装置100aがCADアプリケーション機能を有することとし、保守点検支援装置100aの内部で作成されたCADデータを使用することとしてもよい。
「系統」は、当該エントリに格納されている配管プラントの構成要素が属する、配管プラント内のセグメントを示す。「種別」は、当該エントリに格納されている配管プラントの構成要素の機器または配管の区別を示す。「名称」は、当該エントリに格納されている配管プラントの構成要素の名称を表す。「呼び径」は、当該エントリに格納されている配管プラントの構成要素が配管である場合、配管の直径を示す情報である。
「配置座標」は、当該エントリに格納されている配管プラントの構成要素の始点座標および終点座標を示す。始点座標および終点座標を3次元で表すことによって、3次元CAD表示画面に構成要素を3次元表示するとともに、当該構成要素の向きを指定することが可能となる。なお、始点座標および終点座標を2次元で表す場合は、2次元CAD表示画面に構成要素を2次元表示することとなる。
図2を参照すると、例えば、「要素番号」が「1」の要素は、「系統」が「A」、「種別」が「機器」、「名称」が「ポンプ」、「始点座標」が「(x1,y1,z1)」、「終点座標」が「(x2,y2,z2)」である。なお、ある構成要素の「終点座標」と、他の「始点座標」とが一致する場合は、この2つの構成要素は、配管プラント内で接続されている状態である。
グラフ作成処理部101bは、CADデータ記憶部102aから読み出したCADデータに基づいて、保守点検支援対象の配管プラントの木構造グラフを作成する。グラフ作成処理部101bは、作成した木構造グラフを、一時記憶部102bに一時記憶させる。
グラフ作成処理部101bによって作成された木構造グラフの一例は、図3に示すとおりである。図3に示す木構造グラフは、保守点検支援対象の配管プラントが有する機器をノード(節点または頂点)とし、配管をエッジ(枝または辺)とする。
そして、木構造グラフの各ノードおよび各エッジは、例えば、CADデータから取得した要素番号、系統番号、機器/配管の区別、要素名称、配管の呼び径を属性として保持している。
また、木構造グラフにおいて、より上位に位置する機器または配管から、下位に位置する機器または配管へと、配管プラントを流動する流体の流動方向が示される。すなわち、各機器および各配管の接続関係と、各機器および各配管の親子関係とによって、保守点検支援対象の配管プラントの配管を流動する流体の流動方向が、容易に把握可能になる。
また、CADデータに基づいて、保守点検支援対象の配管プラントの木構造グラフを作成することによって、各機器および各配管の接続関係と、各機器および各配管の親子関係とを容易に把握することが可能になるので、測定箇所の抽出処理を、迅速かつ効率的におこなうことができる。
なお、グラフ作成処理部101bが作成するグラフは、木構造グラフに限らず、保守点検支援対象の配管プラントの各機器および各配管の接続関係と、各機器および各配管の親子関係とを容易に把握することが可能なグラフであれば、いずれであってもよい。
グラフ作成処理部101bによって木構造グラフの作成処理、一時記憶処理が終了すると、測定箇所抽出処理部101cは、一時記憶部102bに記憶される木構造グラフを読み出し、測定箇所抽出条件記憶部102cに記憶される測定箇所抽出条件(図4参照)に従って、保守点検のために配管の肉厚の測定が必要な測定箇所を抽出する。
なお、例えば、図4に示す測定箇所抽出条件は、配管の肉厚を測定する必要がある箇所を測定箇所として列挙するリストである。各測定箇所には、一意の「測定箇所識別番号」が付与されている。例えば、「測定箇所識別番号」が「1」であれば、測定箇所が「90°エルボ」であることを示す。この「測定箇所識別番号」は、後述の「測定番号」を生成する際に利用される。
図4に示すように、測定箇所抽出条件(保守点検対象として抽出されるべき配管の測定箇所)は、少なくとも、「1.90°エルボ」、「2.45°エルボ」、「3.ティー」、「4.レジューザ」、「5.直管・短管」、「6.弁下流直管」、「7.オリフィス後管」「8.曲げ管」を含む。また、例えば、「呼び径」が5Bを超えるか否かによって異なる。
例えば、図9−1の「1.90°エルボ」の配管種別を参照すると、「呼び径」が5Bを超える場合に、「X」〜「Y」の7箇所の測定ポイントごとに、8方向について測定をおこなわなければならない。その一方で、「呼び径」が5B以下である場合に、「X」、「A」、「C」、「E」、「Y」5箇所の測定ポイントごとに、8方向について測定をおこなうのみで十分である。
測定箇所抽出処理部101cは、図4に示す測定箇所抽出条件に合致する、配管の肉厚の測定が必要な測定箇所の抽出をおこなう。この際に、測定箇所を一意に測定可能な測定番号を生成して、各測定箇所に付与する。測定番号は、「系統番号−測定配管番号−測定箇所識別番号」との組み合わせで表される。なお、測定番号は、測定箇所抽出処理部101cに生成されずとも、手動で設定することとしてもよい。
例えば、「測定番号」が「系統A−配管1−6」であれば、この測定番号を有する測定箇所は、「A」である「系統」に属する、「1」番目の配管であり、「弁下流直管」であることを示す。
測定箇所抽出処理部101cは、抽出した測定箇所に対して、木構造グラフから取得した「要素番号」および「呼び径」と、生成した「測定番号」とを付与して、例えば、図5
に示すようなリスト形式で、一時記憶部102bに記憶させる。
図5を参照すると、例えば、「No.1」のエントリは、「要素番号」が「2」、「測定番号」が「系統A−配管1−6」、「測定箇所」が「弁下流直管」、「呼び径」が「6B」である測定箇所を示す。
測定周期表作成処理部101dは、先ず、一時記憶部102bに記憶される測定箇所リストにおいて、「測定番号」の「系統」および「測定箇所識別番号」が一致するエントリを検索し、検索がヒットしたエントリの「No.」が最小のエントリの測定箇所を、「代表測定箇所」とする。
「代表測定箇所」とは、他の機器または配管との接続状況が同一である測定箇所を、測定作業の負荷軽減のために、代表させて、例えば、毎回測定する測定箇所をいう。「代表測定箇所」に代表される他の測定箇所は、例えば、3回の測定実施のうち1回だけ測定を実施するなどして、周期的に測定を実施するようにする。
このため、「代表測定箇所」に代表される他の測定箇所の数が多い場合には、測定実施の都度、毎回測定実施の測定箇所の数を大幅に減らすことが可能になるので、配管プラントの配管の肉厚測定の負荷軽減を図ることが可能になる。
次に、測定周期表作成処理部101dは、測定箇所それぞれの測定重要度に応じた測定周期を設定する。例えば、「代表測定箇所」は、測定実施の都度、毎回測定することとし、「代表測定箇所」以外の測定箇所は、3回の測定実施ごとに1回測定することとする。
そして、測定周期表作成処理部101dは、一時記憶部102bに記憶される測定箇所抽出リストから、「要素番号」、「測定番号」、「測定箇所」、「呼び径」、当該測定箇所を代表して測定される測定箇所のエントリの「No.」を示す「代表測定」、当該測定箇所の測定実施回ごとの測定実施予定の有無を示す「測定周期」を含む測定周期表(例えば、図6参照)を作成し、測定周期表記憶部102dに記憶させる。
すなわち、測定周期表によれば、各測定箇所が、どのタイミングで配管の肉厚測定をおこなうべきであるかが、一目瞭然となる。以上の処理が終了すると、測定周期表作成処理部101dは、一時記憶部102bの一時記憶内容(木構造グラフおよび測定箇所リスト)を消去する。
測定データ入力テーブル作成処理部101eは、測定周期表記憶部102dに記憶される測定周期表に基づいて、測定データを入力するための測定データ入力テーブル(例えば、図7参照)を作成する。測定データとは、測定箇所抽出処理部101cによって抽出された測定箇所の配管の肉厚を、非破壊検査などで実際に測定した結果である。
なお、測定データ入力テーブルは、測定周期表に基づいて作成されるので、図7に例示するように、「測定番号」、「測定回数」、「配管種別(測定箇所)」の情報を有する。測定データ入力テーブルは、測定データ入力後は、測定データ表示のためにも利用されることから、これらの情報を有することによって、容易に測定場所の測定データを特定して表示しせることができる。
また、測定データ入力テーブルは、「測定番号」、「測定回数」、「配管種別(測定箇所)」の情報を有することから、これらの情報を有する他のデータとのデータ連携を図ることが可能になる。
なお、測定データ入力テーブル作成処理部101eは、以上のようにして作成した測定データ入力テーブルを、測定データ入力テーブル格納部102eに格納する。測定データの入力の際には、測定データ入力テーブル格納部102eの測定データ入力テーブルから、入力をおこなう測定箇所のエントリを読み出して表示し、測定データを入力させる。
図7に示す測定データ入力テーブルは、「測定番号」、「測定回数」および「配管種別」で特定される測定箇所に対応して、「測定断面」および「測定方向」の入力項目を有する。「測定断面」を縦軸、「測定方向」を横軸として、複数の「測定断面」および複数の「測定方向」の組み合わせで、詳細な測定箇所が特定される。なお、「測定断面」および「測定方向」の組み合わせを、「測定ポイント」と呼ぶこととする。
「測定断面」は、例えば、図8−1に示すように、配管側面から見て、流動方向の上流側から、「X」、「A」、「B」、「C」、「D」、「E」および「Y」が設定される。「X」と「A」との間隔、「E」と「Y」との間隔は、25mm以内である。配管が「3.ティー」である場合には、例えば、垂直方向に、「F」および「Z」がさらに設定される。ここで、「X」、「Y」、「Z」の「測定断面」は、例えば、配管の溶接部分である。
また、「測定方向」は、例えば、図8−2に示すように、配管断面を上流から見て、「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、「6」、「7」および「8」が設定される。このように、「測定断面」および「測定方向」の組み合わせによって、1つの測定箇所において、最大7×8=56箇所の測定ポイントが設定されることとなる。
なお、測定箇所の配管種別によっては、「測定断面」の「B」、「C」、「D」のうち少なくとも1つの測定断面が省略される。また、同様に、測定箇所の配管種別によっては、「測定方向」の「2」、「4」、「6」、「8」の測定方向が省略される。
また、図7に示すように、測定データ入力テーブル作成処理部101eは、測定データ入力テーブル作成時に、測定が省略される「測定ポイント」の入力項目は、測定データ入力不可に設定する。
図9−1〜図9−4に示すように、「測定ポイント」の設定箇所は、「配管種別」(「1.90°エルボ」、「2.45°エルボ」、「3.ティー」、「4.レジューザ」、「5.直管・短管」、「6.弁下流直管」、「7.オリフィス後管」「8.曲げ管」など)および配管の「呼び径」(配管の断面の直径)によって異なる。「配管種別」は、少なくとも図4に示した配管種別を含む。なお、図9−1〜図9−4の図中に示す矢印は、流動方向を表す。
また、「測定ポイント」の設定箇所は、同一の「配管種別」であっても、「呼び径」が、例えば、5Bを超えるか否かによって異なる。例えば、図9−1の「1.90°エルボ」の配管種別を参照すると、「呼び径」が5Bを超える場合には、56箇所すべての測定ポイントにて肉厚測定をおこなうが要求される。
一方、「呼び径」が5B以下の場合には、「測定断面」は、「X」、「A」、「C」、「E」、「Y」の4箇所、「測定方向」は、「1」、「3」、「5」、「7」の4箇所であり、4×4=16の測定ポイントにおける肉厚測定が要求されるに過ぎない。
次に、第1実施形態の一例にかかる保守点検支援処理について説明する。図10は、第1実施形態の一例にかかる保守点検支援処理手順を示すフローチャートである。先ず、制御部101は、すべてのテーブル(特に、一時記憶部102b)および配管番号を初期化する(ステップS101)。
続いて、入出力GUI制御部101aは、図15−1に例示する測定箇所抽出指示入力画面501の配管表示501aにおいて、測定箇所抽出の始点となる要素が、マウスポインタ501bによる指示後のマウスクリックなどにより選択され、測定箇所抽出処理実行ボタン501cの押下によって抽出開始が指示されたか否かを判定する(ステップS102)。なお、測定箇所抽出指示入力画面501の画面表示は、入出力GUI制御部101aがキャンセルボタン501dの押下を検知するとキャンセルされる。
測定箇所抽出の始点となる要素が選択され、抽出開始が指示されたと判定された場合に(ステップS102肯定)、ステップS103へ移り、測定箇所抽出の始点となる要素が選択され、抽出開始が指示されたと判定されなかった場合に(ステップS102)を繰り返す。
ステップS103では、グラフ作成処理部101bは、始点に指定された要素を、処理対象部品とし、処理対象部品を最上位階層とする木構造グラフを作成開始する。続いて、グラフ作成処理部101bは、処理対象部品は「配管」であるか否かを判定する(ステップS104)。
処理対象部品は「配管」であると判定された場合に(ステップS104肯定)、ステップS105へ移り、処理対象部品は「配管」であると判定されなかった場合に(ステップS104否定)、ステップS106へ移る。
ステップS105では、配管番号に「1」を設定し、処理対象部品に付与する。一方、ステップS106では、機器番号に「1」を設定し、処理対象部品に付与する。これらの処理が終了すると、ステップS107へ移る。
ステップS107では、グラフ作成処理部101bは、木構造グラフ作成処理を実行する。この処理の詳細は、図11を参照して、後述する。続いて、グラフ作成処理部101bは、処理対象部品は「無し」であるか否かを判定する(ステップS108)。すなわち、木構造グラフに追加する構成要素が「無し」であるかを判定する。
処理対象部品は「無し」であると判定された場合に(ステップS108肯定)、ステップS109へ移り、処理対象部品は「無し」であると判定されなかった、すなわち、木構造グラフに追加すべき構成要素がまだ残っている場合に(ステップS108否定)、ステップS107へ移る。
ステップS109では、グラフ作成処理部101bは、ステップS107の木構造グラフ作成処理において待機部品リストに登録され、かつ未処理(木構造グラフへの追加処理が未了)の待機部品があるか否かを判定する。
待機部品リストに登録されかつ未処理の待機部品があると判定された場合に(ステップS109肯定)、ステップS110へ移り、待機部品リストに登録されかつ未処理の待機部品があると判定されなかった場合に(ステップS109否定)、ステップS111へ移る。
ステップS110では、グラフ作成処理部101bは、待機部品リストに登録されている待機部品を1つ取り出し、処理対象部品として、ステップS104へ移る。ステップS111では、測定箇所抽出処理部101cは、測定箇所抽出処理を実行する。測定箇所抽出処理の詳細は、図12を参照して後述する。
続いて、測定周期表作成処理部101dは、測定周期表作成処理を実行する(ステップS112)。続いて、測定データ入力テーブル作成処理部101eは、図7に例示する測定データ入力テーブルを作成し、測定データ入力テーブル格納部102eに格納する(ステップS113)。
次に、第1実施形態の一例にかかる木構造グラフ作成処理について説明する。第1実施形態の一例にかかる木構造グラフ作成処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、グラフ作成処理部101bは、処理対象部品と接続されている接続部品を、CADデータ記憶部102aに記憶されているCADデータから検索する(ステップS151)。
続いて、グラフ作成処理部101bは、ステップS151の検索がヒットしたか否かを判定する(ステップS152)。ステップS151の検索がヒットしたと判定された場合に(ステップS152肯定)、ステップS153へ移り、ステップS151の検索がヒットしたと判定されなかった場合に(ステップS152否定)、ステップS161へ移る。
ステップS153では、グラフ作成処理部101bは、処理対象部品と接続されている接続部品は複数か否かを判定する。処理対象部品と接続されている接続部品は複数であると判定された場合に(ステップS153肯定)、ステップS154へ移り、処理対象部品と接続されている接続部品は複数であると判定されなかった場合に(ステップS153否定)、ステップS157へ移る。
ステップS154では、グラフ作成処理部101bは、入出力GUI制御部101aに指示して、図15−2に例示する流動方向選択画面502の配管表示502aを出力装置200bに表示するよう、表示制御させる。なお、流動方向選択画面502は、配管の分岐がある場合に、流動方向を、マウスポインタ502bによる指示後、マウスクリックなどによって指定することにより、配管における流動方向を指定する画面である。
続いて、グラフ作成処理部101bは、流動方向選択画面502において、流動方向は選択されたか否かを判定する(ステップS155)。流動方向は選択されたと判定された場合に(ステップS155肯定)、ステップS156へ移り、流動方向は選択されたと判定されなかった場合に(ステップS155否定)、ステップS155を繰り返す。
ステップS156では、グラフ作成処理部101bは、ステップS155で選択されなかった流動方向の接続部品が、機器の場合は機器番号に「1」を加算し、配管の場合は配管番号に「1」を加算して、それぞれ付与する。そして、選択されなかった接続部品を、一時記憶部102bの待機部品リストに登録する(ステップS156)。
続いて、グラフ作成処理部101bは、唯一の接続部品(処理対象部品に接続される接続部品が1つだけであった場合)または選択された流動方向に接続される接続部品を処理対象部品とし、木構造グラフに追加する(ステップS157)。
続いて、グラフ作成処理部101bは、ステップS157で木構造グラフに追加された処理対象部品は「配管」であるか否かを判定する(ステップS158)。処理対象部品は「配管」であると判定された場合に(ステップS158肯定)、ステップS159へ移り、処理対象部品は「配管」であると判定されなかった場合に(ステップS158否定)、ステップS160へ移る。
ステップS159では、グラフ作成処理部101bは、配管番号に「1」を加算し、処理対象部品に付与する。また、ステップS160では、機器番号に「1」を加算し、処理対象部品に付与する。これらの処理によって、配管番号および機器番号をカウントアップする。
一方、ステップS161では、グラフ作成処理部101bは、処理対象部品は「無し」とする。この情報は、図10のステップS108の判定処理にて参照される。ステップS159、ステップS160またはステップS161の処理が終了すると、図10の保守点検支援処理に復帰する。
以上の木構造グラフ作成処理によって、CADデータの構成要素を、構成要素間の接続関係および流動方向を考慮した親子関係が容易に把握可能になる木構造グラフ化することができる。
次に、第1実施形態の一例にかかる測定箇所抽出処理について説明する。図12は、第1実施形態の一例にかかる測定箇所抽出処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、先ず、測定箇所抽出処理部101cは、一時記憶部102bに記憶される木構造グラフにおいて、配管番号が最小の配管を検索し、これを処理対象配管とする(ステップS201)。
続いて、測定箇所抽出処理部101cは、処理対象配管の上流側接続部品は「機器」であるか否かを判定する(ステップS202)。処理対象配管の上流側接続部品は「機器」であると判定された場合に(ステップS202肯定)、ステップS203へ移り、処理対象配管の上流側接続部品は「機器」であると判定されなかった場合に(ステップS202否定)、ステップS204へ移る。
ステップS203では、測定箇所抽出処理部101cは、上流側接続部品と、処理対象配管との接続部分を測定箇所として、一時記憶部102bの測定箇所リストに登録する。これは、「機器(弁)下流の配管」を測定対象とする測定箇所抽出基準に基づく。
続いて、ステップS204では、測定箇所抽出処理部101cは、処理対象配管は直管以外であるか否かを判定する。処理対象配管は直管以外であると判定された場合に(ステップS204肯定)、ステップS205へ移り、処理対象配管は直管以外であると判定されなかった場合に(ステップS204否定)、ステップS206へ移る。
ステップS205では、測定箇所抽出処理部101cは、処理対象配管を測定箇所として、一時記憶部102bの測定箇所リストに登録する。これは、「直管以外の配管」を測定対象とする測定箇所抽出基準に基づく。
続いて、ステップS206では、測定箇所抽出処理部101cは、木構造グラフにおいて、配管番号が、処理対象配管の次に小さい配管を検索する。続いて、測定箇所抽出処理部101cは、ステップS206の検索がヒットしたか否かを判定する(ステップS207)。
ステップS206の検索がヒットしたと判定された場合に(ステップS207肯定)、ステップS208へ移り、ステップS206の検索がヒットしたと判定されなかった場合に(ステップS207否定)、図10の保守点検支援処理に復帰する。
ステップS208では、測定箇所抽出処理部101cは、ステップS206の検索でヒットした配管を、処理対象配管とする。
以上の測定箇所抽出処理によって、木構造グラフから、測定箇所として抽出されるべき測定箇所を、漏れなく、自動的に抽出することが可能になる。
次に、第1実施形態の一例にかかる測定周期表作成処理について説明する。図13は、第1実施形態の一例にかかる測定周期表作成処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、先ず、測定周期表作成処理部101dは、測定箇所抽出結果で、まだ読み出していないエントリの中から、エントリの「No.」が最小のエントリを1つ読み出す(ステップS251)。
続いて、測定周期表作成処理部101dは、読み出したエントリと、測定番号の系統および測定箇所識別番号が一致するエントリが、測定周期表に存在するか否かを判定する(ステップS252)。
読み出したエントリと、測定番号の系統および測定箇所識別番号が一致するエントリが、測定周期表に存在すると判定された場合に(ステップS252肯定)、ステップS253へ移り、読み出したエントリと、測定番号の系統および測定箇所識別番号が一致するエントリが、測定周期表に存在すると判定されなかった場合に(ステップS252否定)、ステップS256へ移る。
ステップS253では、測定周期表作成処理部101dは、読み出したエントリに該当する測定箇所を代表測定箇所として、測定周期表に登録する。この処理では、エントリの「No.」が最小のエントリと同一の測定番号の系統および測定箇所識別番号を有するエントリが測定周期表に存在しない場合に、読み出したエントリを代表測定箇所に決定する。そして、代表測定箇所の測定周期として、測定実施の都度、毎回測定をおこなうと設定する。
続いて、測定周期表作成処理部101dは、読み出したレコードと、測定番号の系統および測定箇所識別番号が一致するレコードが、図12に示した測定箇所抽出処理によって抽出された測定箇所抽出結果に存在するか否かを判定する(ステップS254)。
読み出したレコードと、測定番号の系統および測定箇所識別番号が一致するレコードが、測定箇所抽出処理によって抽出された測定箇所抽出結果に存在すると判定された場合に(ステップS254肯定)、ステップS255へ移り、読み出したレコードと、測定番号の系統および測定箇所識別番号が一致するレコードが、測定箇所抽出処理によって抽出された測定箇所抽出結果に存在すると判定されなかった場合に(ステップS254否定)、ステップS256へ移る。
ステップS255では、測定周期表作成処理部101dは、測定番号の系統および測定箇所識別番号が一致するエントリを読み出して、代表測定箇所に代表される通常測定箇所として測定周期表に登録する。そして、通常測定箇所の測定周期として、例えば、3回の測定実施のうち1回測定をおこなうと設定する。この処理までを実行することによって、測定周期表に記載する代表測定箇所と、この代表測定箇所に代表される通常測定箇所と、測定周期とが決定されることとなる。
続いて、測定周期表作成処理部101dは、測定箇所抽出結果からまだ読み出していないエントリが存在するか否かを判定する。測定箇所抽出結果からまだ読み出していないエントリが存在すると判定された場合に(ステップS256肯定)、ステップS251へ移り、測定箇所抽出結果からまだ読み出していないエントリが存在すると判定されなかった場合に(ステップS256否定)、図10の保守点検支援処理に復帰する。
測定周期表作成処理部101dが測定周期表を自動生成することによって、測定周期を正確に設定することが可能になり、保守点検のための測定漏れを防止することが可能になる。
次に、図12に示した測定箇所抽出処理によって抽出された測定箇所を表示する抽出測定箇所処理について説明する。図14は、第1実施形態の一例にかかる抽出測定箇所表示処理手順を示すフローチャートである。
図14に示すように、先ず、入出力GUI制御部101aは、CADデータ記憶部102aからCADデータを読み込む(ステップS301)。続いて、入出力GUI制御部101aは、測定周期表記憶部102dから測定周期表を読み込む(ステップS302)。
続いて、入出力GUI制御部101aは、図16に例示する測定箇所表示条件入力画面503において、ラジオボタン503eによってチェックボックス503fおよびチェックボックス503gが有効化され、チェックボックス503fの「代表測定箇所を表示する」の項目のみがチェックされ(すなわち、代表測定箇所のみを表示する)、上記条件で表示ボタン503hが押下されたか否かを判定する(ステップS303)。
代表測定箇所のみを表示すると判定された場合に(ステップS303肯定)、ステップS304へ移り、代表測定箇所のみを表示すると判定されなかった場合に(ステップS303否定)、ステップS305へ移る。
ステップS304では、入出力GUI制御部101aは、CADデータの「要素番号」と、測定周期表の代表測定箇所の「要素番号」とを関係付け、代表測定箇所をCAD図面に表示する(例えば、図17の配管表示504aの代表測定箇所表示504c参照)。
ステップS305では、入出力GUI制御部101aは、測定箇所表示条件入力画面503において、ラジオボタン503eによってチェックボックス503fおよびチェックボックス503gが有効化され、チェックボックス503gの「通常測定箇所のみを表示する」の項目のみがチェックされ(すなわち、通常測定箇所のみを表示する)、「上記条件で表示」ボタン503hが押下されたか否かを判定する。
通常測定箇所のみを表示すると判定された場合に(ステップS305肯定)、ステップS306へ移り、代表測定箇所のみを表示すると判定されなかった場合に(すなわち、測定箇所表示条件入力画面503において、ラジオボタン503eによってチェックボックス503fおよびチェックボックス503gが有効化され、ともにチェックされた場合に(すなわち、代表測定箇所および通常測定箇所を表示すると指示された場合、ステップS305否定)、ステップS307へ移る。
ステップS306では、入出力GUI制御部101aは、CADデータの「要素番号」と、測定周期表の通常測定箇所の「要素番号」とを関係付け、通常測定箇所をCAD図面に表示する(例えば、図17の配管表示504aの通常測定箇所表示504b参照)。
また、ステップS307では、入出力GUI制御部101aは、すべてのCADデータの「要素番号」と、すべての測定周期表の「要素番号」とを関係付け、通常測定箇所と、代表測定箇所とを識別して(例えば、色による識別など)、CAD図面に表示する(例えば、図17の配管表示504aの通常測定箇所表示504bおよび代表測定箇所表示504c参照)。ステップS304、ステップS306またはステップS307が終了すると、ステップS308へ移る。
ステップS308では、入出力GUI制御部101aは、配管表示504aにおいて、表示されている測定箇所がクリックまたはマウスポインタ指示されたか否かを判定する。表示されている測定箇所がクリックまたはマウスポインタ指示されたと判定された場合に(ステップS308肯定)、ステップS309へ移り、表示されている測定箇所がクリックまたはマウスポインタ指示されたと判定されなかった場合に(ステップS308否定)、ステップS310へ移る。
ステップS309では、入出力GUI制御部101aは、クリックまたはマウスポインタ指示された抽出測定箇所の詳細情報(例えば、図17の詳細表示504dに示すように、配管名称、測定番号、代表測定箇所/通常測定箇所の区別など)をポップアップ表示する。
続いて、ステップS310では、入出力GUI制御部101aは、抽出測定箇所を伴ったCAD図面表示を終了するか否かを判定する。抽出測定箇所を伴ったCAD図面表示を終了する(すなわち、CAD図面表示終了が指示された)と判定された場合に(ステップS310肯定)、抽出測定箇所表示処理は終了し、抽出測定箇所を伴ったCAD図面表示を終了すると判定されなかった場合に(ステップS310否定)、ステップS308へ移る。
なお、抽出測定箇所表示処理において、測定箇所表示条件入力画面503から、抽出先頭測定回プルダウンメニュー503aおよび抽出末尾測定回プルダウンメニュー503bによる測定回の指定、ラジオボタン503cの選択による配管番号指定プルダウンメニュー503dの有効化によって、配管番号指定プルダウンメニュー503dからの配管番号の指定によっても、指定された測定箇所を選択的に表示することが可能である。なお、測定箇所表示条件入力画面503の画面表示は、入出力GUI制御部101aがキャンセルボタン503iの押下を検知するとキャンセルされる。
このように、測定箇所を、CAD画面上に対応付けて表示するので、視覚的に容易に測定箇所の位置を認識することが可能になる。
次に、図18〜図32を参照して、第2実施形態の一例を説明する。図18は、第2実施形態の一例にかかる保守点検支援装置の構成を示す機能ブロック図である。第2実施形態の一例にかかる保守点検支援装置100bの構成および機能の説明は、第1実施形態の一例にかかる保守点検支援装置100aの構成および機能との差異部分のみについて説明することとする。
図18に示すように、第2実施形態の一例にかかる保守点検支援装置100bは、制御部101−2と、記憶部102−2とを有する。その他の構成は、第1実施形態の一例にかかる保守点検支援装置100aと同一である。
制御部101−2は、制御部101と比較して、測定結果評価処理部101fと、重要測定箇所推定処理部101gと、測定周期表更新処理部101hと、測定データ入力テーブル追加更新処理部101iとをさらに有する。また、記憶部102−2は、測定結果評価条件記憶部102fと、測定結果評価記憶部102gとをさらに有する。
なお、第2実施形態の一例の説明の前提として、入力装置200aから入出力GUI制御部101aを介して、測定データ入力テーブル格納部102eの測定データ格納テーブルに、実際に測定された配管の肉厚の測定データが入力されているとする。
具体的には、図28に例示する測定結果入力表示画面505から、測定回数設定プルダウンメニュー505aから設定される「測定回数」、測定番号設定プルダウンメニュー505bから設定される「測定番号」ごとに、あらかじめ測定が必要とされた測定ポイントの測定データが、測定データ入力表示フィールド505fに入力されている。
そして、計算ボタン505gが押下されると、あらかじめ定められている計算式に従って、当該配管の余寿命表示フィールド505h、減肉率表示フィールド505iに表示させる余寿命および減肉率が、それぞれ表示される。測定データ入力表示フィールド505fに入力された測定ポイントの測定データ、計算された配管の余寿命および減肉率は、「配管番号」、「測定回数」、「配管種別」ごとに、図19に例示する測定データテーブルに格納されている。
なお、測定データテーブルにおける必要最小肉厚表示フィールド505lの「必要最小肉厚」は、「配管種別」および経年数に基づいて、別途計算されるものである。また、測定結果入力表示画面505の開くボタン505jが押下されると、測定回設定フィールド505aに設定された測定回、および、測定番号設定プルダウンメニュー505bに設定された測定番号に対応する測定データ、余寿命、減肉率、必要最小肉厚が読み出されて、測定データ入力表示フィールド505f、余寿命表示フィールド505h、減肉率表示フィールド505iにそれぞれ表示される。
また、測定結果入力表示画面505の保存ボタン505kが押下されると、現在表示中の表示内容が、測定データテーブルに保存される。また、印刷ボタン505mが押下されると、現在表示中の表示内容が、プリンターによって印刷される。
測定結果評価処理部101fは、測定データ入力テーブルに格納されている配管の肉厚の測定データを、測定結果評価条件記憶部102fに記憶されている測定結果評価条件から選択された「測定結果評価条件」、「測定回」および「配管番号」に応じて評価する。
測定結果評価条件は、例えば、図20に例示するように、「指定された回数の間において、実際の測定回数が、予定されていた測定回数を下回っている配管の抽出」、「指定された回数の間において、同一配管内で、実際に測定がおこなわれた測定箇所数が、予定されていた測定箇所数を下回っている配管の抽出」などがある。
そして、図20に示すように、各測定結果評価条件には、「対処重要度」が対応付けられている。「対処重要度」は、対処しなければならない重要度の高さを数値化したものである。測定結果評価処理部101fによる測定結果評価結果は、測定結果評価記憶部102gに記憶される。
測定結果評価結果の一例として、例えば、図21−1に例示するように、測定結果評価条件が「第1回において、同一配管内で、予定されていた測定箇所数と、実際に測定された測定箇所数との比較」の場合、「測定結果評価条件No.」、「測定回」、「要素番号」、「測定番号」、「抽出測定箇所数」、「測定実績箇所数」、「対処重要度」がそれぞれ「2」、「第1回」、「18」、「系統A−配管6−1」、「4」、「3」、「2」の評価結果が得られる。
また、例えば、図21−2に例示するように、測定結果評価条件が「1回から第5回まで、全く測定がおこなわれていない配管を抽出」の場合、「測定結果評価条件No.」、「要素番号」、「測定番号」、「対処重要度」がそれぞれ「3」、「7」、「系統A−配管4−2」、「3」の評価結果が得られる。
重要測定箇所推定処理部101gは、例えば、図22に例示するように、「配管番号」(または「要素番号」)ごとに上記「対処重要度」を合計して、一時記憶部102bに記憶させる。そして、当該「対処重要度」の合計を、図23に例示する対処重要度判定テーブルを参照して、破裂の危険度が高いと推定される配管の測定箇所を重要測定箇所として推定し、次回以降の測定の要否、測定周期の変更の要否を判定する。
このように、測定箇所の測定の重要性および緊急性を、対処重要度の合計で評価することによって、近い将来に破裂の危険性が高い配管を認識することができ、配管プラント管理者は、必要な緊急対処または点検周期の変更をおこなうことができるので、配管管理の効果を高め、配管破裂の防止を図ることができる。
図23を参照すると、例えば、「対処重要度の合計」が「1」または「2」であれば、次回要測定箇所ではあるが(「次回要測定箇所」が「設定」)、「次回以降の測定周期」は「通常」(すなわち、通常測定箇所/代表測定箇所の区別に応じた測定周期に従って測定)である。
また、例えば、「対処重要度の合計」が「3」であれば、次回要測定箇所であり、かつ「次回以降の測定周期」が「次々回も測定」(すなわち、次回要測定および次々回要測定)である。
また、例えば、「対処重要度の合計」が「4〜8」であれば、次回要測定箇所であり、かつ「次回以降の測定周期」が「毎回」(すなわち、次回測定以降、毎回測定)である。さらに、例えば、「対処重要度の合計」が「9」以上であれば、即座の緊急対処が必要な測定箇所であり、かつ「次回以降の測定周期」が「毎回」である。
測定周期表更新処理部101hは、重要測定箇所推定処理部101gによって推定された重要測定箇所の「対処重要度」に応じて、測定周期表における当該重要測定箇所の測定周期を更新する。
測定データ入力テーブル追加更新処理部101iは、測定周期表更新処理部101hによって測定周期が変更となった重要測定箇所の測定データテーブルの入力フィールドの追加、更新または削除、若しくは、「測定回数」の変更または更新をおこなう。
次に、第2実施形態の一例にかかる測定結果評価処理について説明する。図24は、第2実施形態の一例にかかる測定結果評価処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、先ず、入出力GUI制御部101aは、測定結果評価条件入力画面を表示する(ステップS351)。
次に、測定結果評価処理部101fは、測定結果評価条件入力画面506において測定結果評価条件が設定され、上記条件で評価ボタン506eが押下されたか否かを判定する(ステップS352)。
測定結果評価条件入力画面506において測定結果評価条件が設定され、上記条件で評価ボタン506eが押下されたと判定された場合に(ステップS352肯定)、ステップS353へ移り、上記条件で評価ボタン606eが押下されたと判定されなかった場合に(ステップS352否定)、ステップS352を繰り返す。
ステップS353では、測定結果評価処理部101fは、設定された測定結果評価条件に基づき、測定データ入力テーブルを検索する。続いて、測定結果評価処理部101fは、ステップS353の検索がヒットしたか否かを判定する(ステップS354)。ステップS353の検索がヒットしたと判定された場合に(ステップS354肯定)、ステップS355へ移り、ステップS353の検索がヒットしたと判定されなかった場合に(ステップS354否定)、ステップS356へ移る。
ステップS355では、測定結果評価処理部101fは、検索結果を、測定結果評価結果として、測定結果評価記憶部102gに記憶する。続いて、ステップS356では、測定結果評価処理部101fは、測定結果評価検索を終了するか否かを判定する。測定結果評価検索を終了すると判定された場合に(ステップS356肯定)、ステップS357へ移り、測定結果評価検索を終了すると判定されなかった場合に(ステップS356否定)、ステップS352へ移る。
続いて、重要測定箇所推定処理部101gは、重要測定箇所推定処理を実行する(ステップS357)。重要測定箇所推定処理の詳細は、図25を参照して後述する。続いて、測定周期表更新処理部101hは、測定周期の変更にともなう測定周期表の追加、変更、更新、削除などの処理をおこなう(ステップS358)。
続いて、測定データ入力テーブル追加更新処理部101iは、測定周期の変更にともなう測定データ入力テーブルの追加、変更、更新または削除をおこなう(ステップS359)。続いて、入出力GUI制御部101aは、測定結果表示処理を実行する(ステップS360)。測定結果表示処理の詳細は、図26を参照して後述する。
次に、第2実施形態の一例にかかる重要測定箇所推定処理について説明する。図25は、第2実施形態の一例にかかる重要測定箇所推定処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、先ず、重要測定箇所推定処理部101gは、最新の測定結果評価結果から、測定結果評価条件No.1に該当する配管番号を検索する(ステップS401)。
次に、重要測定箇所推定処理部101gは、ステップS401の検索がヒットしたか否かを判定する(ステップS402)。ステップS401の検索がヒットしたと判定された場合に(ステップS402肯定)、ステップS403へ移り、ステップS401の検索がヒットしたと判定されなかった場合に(ステップS402否定)、ステップS404へ移る。続いて、ステップS403では、重要測定箇所推定処理部101gは、検索がヒットした配管番号それぞれの対処重要度に1を加算する。
続いて、重要測定箇所推定処理部101gは、ステップS404〜ステップS406では、測定結果評価条件No.2について、ステップS407〜ステップS409では、測定結果評価条件No.3について、ステップS410〜ステップS412では、測定結果評価条件No.4について、ステップS413〜ステップS415では、測定結果評価条件No.5について、ステップS416〜ステップS418では、測定結果評価条件No.6について、同様の処理をおこなう。このようにして、各測定結果評価条件について、該当する場合には、対応する対処重要度が加算されていくこととなる。
ステップS417の判定結果が否定またはステップS418が終了した場合、ステップS419へ移る。ステップS419では、重要測定箇所推定処理部101g配管番号ごとに対処重要度の合計を、判定し、対処重要度判定テーブルを参照した判定結果に従って、測定周期表を更新する。続いて、入出力GUI制御部101aは、測定周期表が更新された配管を、配管番号をキーに、CAD表示と連携させて表示する(ステップS420)。
このように、あらかじめ定められている基準に基づいて、対処重要度が高い測定箇所を抽出することが可能になるので、軽微なものから重大なものまで、配管の破裂の危険性を、もれなく報知することが可能になり、配管破裂事故の防止につながる。
次に、第2実施形態の一例にかかる測定結果評価結果表示処理について説明する。図26は、第2実施形態の一例にかかる測定結果評価結果表示処理手順を示すフローチャートである。先ず、入出力GUI制御部101aは、測定結果評価結果表示条件入力画面507を、出力装置200bに表示させる(ステップS451)。
続いて、入出力GUI制御部101aは、測定結果評価結果表示条件入力画面507において、測定結果評価結果表示条件が設定されたか否かを判定する(ステップS452)。
ここで、測定結果評価結果表示条件は、図30に示すように、先頭測定回設定プルダウンメニュー507aから設定される「先頭測定回」、末尾測定回設定プルダウンメニュー507bから設定される「末尾測定回」、配管番号設定プルダウンメニュー507cから設定される「配管番号」、評価条件設定プルダウンメニュー507dから設定される「評価条件」がある。
これらの評価条件の少なくとも一つを設定し、上記条件に基づく評価結果を表示ボタン507e、を押下することによって、所望の測定結果評価結果が表示される。測定結果評価結果表示条件入力画面507の画面表示は、入出力GUI制御部101aがキャンセルボタン507fの押下を検知するとキャンセルされる。
さて、測定結果評価結果表示条件が設定されたと判定された場合に(ステップS452肯定)、ステップS453へ移り、測定結果評価結果表示条件が設定されたと判定されなかった場合に(ステップS452否定)、ステップS452を繰り返す。
ステップS453では、入出力GUI制御部101aは、測定結果評価表示条件に基づき、測定結果評価記憶部102gを検索する。続いて、入出力GUI制御部101aは、ステップS453の検索がヒットしたか否かを判定する(ステップS454)。ステップS453の検索がヒットしたと判定された場合に(ステップS454肯定)、ステップS455へ移り、ステップS453の検索がヒットしたと判定されなかった場合に(ステップS454否定)、ステップS456へ移る。
ステップS455では、入出力GUI制御部101aは、ステップS453の検索結果を、出力装置200bに表示させる。続いて、入出力GUI制御部101aは、表示画面を終了するか否かを判定する(ステップS456)。表示画面を終了すると判定された場合に(ステップS456肯定)、ステップS457へ移り、表示画面を終了すると判定されなかった場合に(ステップS456否定)、ステップS456を繰り返す。
ステップS457では、入出力GUI制御部101aは、他の測定結果評価結果表示条件を設定するか否かを判定する。他の測定結果評価結果表示条件を設定すると判定された場合に(ステップS457肯定)、ステップS452へ移り、他の測定結果評価結果表示条件を設定すると判定されなかった場合に(ステップS457否定)、図24の測定結果評価処理へ復帰する。
例えば、図29に例示するように、測定結果評価条件入力画面506は、先頭測定回設定プルダウンメニュー506a、末尾測定回設定プルダウンメニュー506b、配管番号設定プルダウンメニュー506c、評価条件設定プルダウンメニュー506dそれぞれにおいて選択して設定した測定結果評価条件にて、上記条件で評価ボタン506eを押下すると、所望の測定結果評価を取得することができる。なお、キャンセルボタン506fが押下されると、測定結果評価条件入力画面506は終了する。
このように、設定された表示条件に対応する測定結果を表示することを可能としたので、配管プラント管理者は、様々な観点から、配管の肉厚の状態(減肉状態)を分析することが可能になり、配管プラントの安全操業に資する場合がある。
次に、第2実施形態の一例にかかる抽出測定箇所表示処理を説明する。図27は、第2実施形態の一例にかかる抽出測定箇所表示処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、先ず、入出力GUI制御部101aは、CADデータ記憶部102aからCADデータを読み込む(ステップS501)。続いて、入出力GUI制御部101aは、測定周期表記憶部102dから測定周期表を読み込む(ステップS502)。
続いて、入出力GUI制御部101aは、図31に例示する測定箇所表示条件入力画面508において、ラジオボタン508eによってチェックボックス508fおよびチェックボックス508gが有効化され、チェックボックス503fの「代表測定箇所のみを表示する」の項目のみがチェックされ(すなわち、代表測定箇所のみを表示する)、上記条件で表示ボタン508iが押下されたか否かを判定する(ステップS503)。
代表測定箇所のみを表示すると判定された場合に(ステップS503肯定)、ステップS504へ移り、代表測定箇所のみを表示すると判定されなかった場合に(ステップS503否定)、ステップS505へ移る。
ステップS504では、入出力GUI制御部101aは、CADデータの「要素番号」と、測定周期表の代表測定箇所の「要素番号」とを関係付け、代表測定箇所を、最新の測定回数とともにCAD図面に表示する。
ステップS505では、入出力GUI制御部101aは、測定箇所表示条件入力画面508において、ラジオボタン508eによってチェックボックス508fおよびチェックボックス508gが有効化され、チェックボックス508gの「通常測定箇所のみを表示する」の項目のみがチェックされ(すなわち、通常測定箇所のみを表示する)、上記条件で表示ボタン508iが押下されたか否かを判定する。
通常測定箇所のみを表示すると判定された場合に(ステップS505肯定)、ステップS506へ移り、代表測定箇所のみを表示すると判定されなかった場合に(すなわち、測定箇所表示条件入力画面508において、ラジオボタン508eによってチェックボックス508fおよびチェックボックス508gが有効化され、ともにチェックされた場合に(すなわち、代表測定箇所および通常測定箇所を表示すると指示された場合、ステップS505否定)、ステップS507へ移る。
ステップS506では、入出力GUI制御部101aは、CADデータの「要素番号」と、測定周期表の通常測定箇所の「要素番号」とを関係付け、通常測定箇所を、最新の測定回数とともにCAD図面に表示する。
また、ステップS507では、入出力GUI制御部101aは、測定実績の無い測定箇所のみを表示するか否か(すなわち、ラジオボタン508hが選択されたか否か)を判定する。測定実績の無い測定箇所のみを表示すると判定された場合に(ステップS507肯定)、ステップS508へ移り、測定実績の無い測定箇所のみを表示すると判定されなかった場合に(ステップS507否定)、ステップS509へ移る。
ステップS508では、入出力GUI制御部101aは、CADデータの「要素番号」と、測定周期表の「要素番号」と、測定周期表の「配管番号」と、測定結果評価条件を「3」として抽出した測定結果評価結果の「配管番号」とを関係付け、測定実績の無い測定箇所をCAD図面に表示する。
また、ステップS509では、入出力GUI制御部101aは、すべてのCADデータの「要素番号」と、すべての測定周期表の「要素番号」とを関係付け、通常測定箇所と、代表測定箇所と、測定実績のない測定箇所とを識別して(例えば、色による識別など)、CAD図面に表示する。例えば、図32に例示するように、各測定箇所の最新の点検回を表示してもよい。ステップS504、ステップS506、ステップS508またはステップS509が終了すると、ステップS510へ移る。
ステップS510では、入出力GUI制御部101aは、配管表示504aにおいて、表示されている測定箇所がクリックまたはマウスポインタ指示されたか否かを判定する。表示されている測定箇所がクリックまたはマウスポインタ指示されたと判定された場合に(ステップS510肯定)、ステップS511へ移り、表示されている測定箇所がクリックまたはマウスポインタ指示されたと判定されなかった場合に(ステップS510否定)、ステップS512へ移る。
ステップS511では、入出力GUI制御部101aは、クリックまたはマウスポインタ指示された抽出測定箇所の詳細情報(例えば、図32の測定箇所表示画面509の測定箇所表示509aの、マウスポインタ509bによって指示されて表示される詳細表示509cに示すように、配管名称、測定番号、余寿命、減肉率など)をポップアップ表示する。
続いて、ステップS512では、入出力GUI制御部101aは、抽出測定箇所を伴ったCAD図面表示を終了するか否かを判定する。抽出測定箇所を伴ったCAD図面表示を終了する(すなわち、CAD図面表示終了が指示された)と判定された場合に(ステップS512肯定)、抽出測定箇所表示処理は終了し、抽出測定箇所を伴ったCAD図面表示を終了すると判定されなかった場合に(ステップS512否定)、ステップS510へ移る。
なお、抽出測定箇所表示処理において、測定箇所表示条件入力画面508から、先頭測定回プルダウンメニュー508aおよび末尾測定回プルダウンメニュー508bによる測定回の指定、ラジオボタン508cの選択による配管番号指定プルダウンメニュー508dの有効化によって、配管番号指定プルダウンメニュー508dからの配管番号の指定によっても、指定された測定箇所を選択的に表示することが可能である。
また、ラジオボタン508hの選択によって、測定実績のない配管を表示することが可能である。なお、測定箇所表示条件入力画面503の画面表示は、入出力GUI制御部101aがキャンセルボタン503iの押下を検知するとキャンセルされる。
このように、CAD画面上に測定結果を表示可能としたので、視覚的に容易に認識可能に測定結果を閲覧することが可能になる。
次に、図33〜図38を参照して、第3実施形態の一例を説明する。先ず、第3実施形態の一例にかかる各種データ連携の概要を説明する。図33は、第3実施形態の一例にかかる各種データ連携の概要を示す図である。
図33に示すように、計装図(P&ID)データと、CADデータと、測定周期表と、測定データとは、互いにデータ連携可能である。例えば、計装図(P&ID)の表示画面において、遷移先を測定周期表表示画面に指定して、ある要素を選択してダブルクリックなどのアクションを実行すると、測定周期表表示画面を表示し、かつ測定周期表表示画面における当該要素のデータを強調表示することが可能である。
これは、計装図(P&ID)データと、CADデータと、測定周期表とは、要素番号で関連付けられており、測定周期表と、測定結果データとは、測定番号で関連付けられているためである。
従って、計装図(P&ID)データと、CADデータと、測定周期表と、測定結果データとは、すべて関連付けられていることとなるので、これらのデータうちのいずれか一つに基づく表示と、異なる他のデータに基づく表示とを、連携表示させることが可能になる。
図34は、第3実施形態の一例にかかる保守点検支援装置の構成を示す機能ブロック図である。第3実施形態の一例にかかる保守点検支援装置100cの構成および機能の説明は、第2実施形態の一例にかかる保守点検支援装置100bの構成および機能との差異部分のみについて説明することとする。
図34に示すように、第3実施形態の一例にかかる保守点検支援装置100cは、制御部101−3と、記憶部102−3とを有する。制御部101−3は、制御部101−2と同一の構成であるが、入出力GUI制御部101aの機能が異なる。その他の構成は、第2実施形態の一例にかかる保守点検支援装置100bと同一である。
記憶部102−3は、計装図(P&ID)データ記憶部102hをさらに有する。計装図(P&ID)データは、例えば、図35に例示するように、2次元の設計情報であり、第3実施形態の一例では、例えば、CADデータの「配置座標」を2次元へと次元を下げたものとしている。ただし、計装図(P&ID)データは、これに限定されるものではない。
次に、第3実施形態の一例にかかるデータ連携表示処理について説明する。図36は、第3実施形態の一例にかかるデータ連携表示処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、入出力GUI制御部101aは、いずれかの画面表示(計装図(P&ID)表示画面512、CAD表示画面511、測定周期表表示画面510、測定結果入力表示画面505)において、要素が選択されたか否かを判定する(ステップS551)。
いずれかの画面表示において、要素が選択されたと判定された場合に(ステップS551肯定)、ステップS552へ移り、いずれかの画面表示において、要素が選択されたと判定されなかった場合に(ステップS551否定)、ステップS551を繰り返す。
ステップS552では、入出力GUI制御部101aは、当該要素が選択された画面と連携して表示する画面が指定されたか否かを判定する。当該要素が選択された画面と連携して表示する画面が指定されたと判定された場合に(ステップS552肯定)、ステップS553へ移り、当該要素が選択された画面と連携して表示する画面が指定されたと判定されなかった場合に(ステップS552否定)、ステップS552を繰り返す。
ステップS553では、入出力GUI制御部101aは、「要素番号」または「測定番号」の関係付けに基づいて取得されるデータを表示する他の表示画面を、出力装置200bに表示し、当該要素を視認容易に表示(例えば、強調表示など)する。
なお、例えば、連携して表示する画面の指定は、図37の測定周期表表示画面510においては、測定結果表示ボタン510c、CAD表示ボタン510d、P&ID表示ボタン510eの押下によってなされる。
また、当該要素を視認容易に表示する例として、図37の測定周期表表示画面510において、測定周期表表示510aのマウスポインタ510bが指し示すエントリの太枠表示がある。
他の例では、連携して表示する画面の指定は、図38のCAD表示画面511においては、測定結果表示ボタン511b、P&ID表示ボタン511c、測定周期表表示ボタン511dの押下によってなされる。図38のP&ID表示画面512においては、測定結果表示ボタン512b、CAD表示ボタン512c、測定周期表表示ボタン512dの押下によってなされる。
また、当該要素を視認容易に表示する他の例として、図38のCAD表示画面511において、マウスポインタ511aによる該当要素の指示がある。図38の計装図(P&ID)表示画面512において、マウスポインタ512aによる該当要素の指示がある。
図28に示す測定結果入力表示画面505では、連携して表示する画面の指定は、CAD表示ボタン505c、P&ID表示ボタン505d、測定周期表表示ボタン505eの押下によってなされる。また、図28に示す測定結果入力表示画面505では、当該要素を視認容易に表示することは、測定回数設定プルダウンメニュー505aへの測定回の表示、測定番号設定プルダウンメニュー505bへの測定番号の表示、測定データ入力表示フィールド505fへの各測定データの表示、余寿命表示フィールド505hへの余寿命表示、減肉率表示フィールド505iへの減肉率表示、必要最小肉厚表示フィールド505lへの必要最小肉厚表示などがある。
このように、計装図(P&ID)表示画面512、CAD表示画面511、測定周期表表示画面510、測定結果入力表示画面505のそれぞれの画面間でデータ連携を図ることによって、配管プラント管理者は、配管の肉厚の状況(減肉状況)を多面的に分析することが可能になる。
以上、本発明の実施形態の一例を説明したが、本発明は、これに限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内で、更に種々の異なる実施形態で実施されてもよいものである。また、実施形態に記載した効果は、これに限定されるものではない。
また、上記実施例において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。この他、上記実施例で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
また、図示した保守点検支援装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示のように構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
さらに、保守点検支援装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPU(Central Processing Unit)(またはMPU(Micro Processing Unit)、MCU(Micro Controller Unit)などのマイクロ・コンピュータ)および当該CPU(またはMPU、MCUなどのマイクロ・コンピュータ)にて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現されてもよい。
以上の第1実施形態の一例〜第3実施形態の一例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)設計支援設計装置の支援により設計された流体プラントの保守点検を支援する保守点検支援処理をコンピュータ装置に実行させる保守点検支援プログラムであって、
前記設計支援設計装置の支援により設計された前記流体プラントの設計情報から、前記流体プラントが有する構成要素の接続状況、および、直接接続されている前記構成要素間における流体の流動方向に対応する前記構成要素の親子関係を示すグラフ図を作成するグラフ図作成手順と、
前記グラフ図作成手順によって作成された前記グラフ図において、ルートノードを出発点として、前記構成要素の接続状況および親子関係に基づき、前記流体プラントの構成要素の要点検箇所を抽出する要点検箇所抽出手順と
を前記コンピュータ装置に実行させることを特徴とする保守点検支援プログラム。
(付記2)前記グラフ図作成手順は、ユーザによって指定された前記構成要素を出発点として、前記流体プラントの設計情報から、前記構成要素の接続状況および親子関係を示すグラフ図を作成することを特徴とする付記1に記載の保守点検支援プログラム。
(付記3)前記要点検箇所抽出手順によって抽出された前記要点検箇所ごとの属性に応じた保守点検時期を規定する保守点検周期を決定し、決定された前記保守点検周期を記録する保守点検周期表を作成する保守点検周期作成手順を、前記コンピュータ装置にさらに実行させることを特徴とする付記1または2に記載の保守点検支援プログラム。
(付記4)前記要点検箇所抽出手順によって抽出された前記グラフ図に含まれる前記要点検箇所に、該要点検箇所を一意に識別するための要点検箇所識別情報を付与する要点検箇所識別情報付与手順を、前記コンピュータ装置にさらに実行させることを特徴とする付記1、2または3に記載の保守点検支援プログラム。
(付記5)前記要点検箇所抽出手順によって抽出された前記要点検箇所のうち、前記構成要素の接続状況および親子関係が同一である要点検箇所を代表する代表点検箇所を決定する代表点検箇所決定手順を、前記コンピュータ装置にさらに実行させることを特徴とする付記1〜4のいずれか一つに記載の保守点検支援プログラム。
(付記6)前記要点検箇所抽出手順によって抽出された前記構成要素の要点検箇所を、前記流体プラントの設計情報と関連付けて、前記設計支援設計装置における前記流体プラントの設計画面において表示制御するとともに、前記設計画面において、前記要点検箇所の点検結果である点検データを、前記要点検箇所に関連付けて表示する要点検箇所表示制御手順を、前記コンピュータ装置にさらに実行させることを特徴とする付記1〜5のいずれか一つに記載の保守点検支援プログラム。
(付記7)前記要点検箇所の点検結果である点検データを、あらかじめ定められている点検結果評価基準に基づいて評価する点検結果評価手順と、
前記点検結果評価手順による前記要点検箇所の点検結果の評価に基づいて、前記要点検箇所のうち、将来の点検において点検重要度が高い重要点検箇所を推定する重要点検箇所推定手順と
を前記コンピュータ装置にさらに実行させることを特徴とする付記1〜6のいずれか一つに記載の保守点検支援プログラム。
(付記8)前記保守点検周期作成手順は、前記重要点検箇所推定手順によって推定された前記重要点検箇所の前記点検重要度に応じた保守点検時期にて前記保守点検周期表を更新することを特徴とする付記7に記載の保守点検支援プログラム。
(付記9)前記流体プラントの設計情報および/または前記保守点検周期表および/または前記点検データで同一の前記要点検箇所を含む構成要素を対応付けて、前記流体プラントの設計情報を表示する設計画面および/または前記保守点検周期表を表示する保守点検周期表表示画面および/または前記点検データを表示する点検データ表示画面をそれぞれ表示制御するとともに、これらの画面を連携させて表示制御するデータ表示制御手順を、前記コンピュータ装置にさらに実行させることを特徴とする付記7または8に記載の保守点検支援プログラム。
(付記10)設計支援設計装置の支援により設計された流体プラントの保守点検を支援する保守点検支援装置であって、
前記設計支援設計装置の支援により設計された前記流体プラントの設計情報から、前記流体プラントが有する構成要素の接続状況、および、直接接続されている前記構成要素間における流体の流動方向に対応する前記構成要素の親子関係を示すグラフ図を作成するグラフ図作成手段と、
前記グラフ図作成手段によって作成された前記グラフ図において、ルートノードを出発点として、前記構成要素の接続状況および親子関係に基づき、前記流体プラントの構成要素の要点検箇所を抽出する要点検箇所抽出手段と
を有することを特徴とする保守点検支援装置。
(付記11)前記グラフ図作成手段は、ユーザによって指定された前記構成要素を出発点として、前記流体プラントの設計情報から、前記構成要素の接続状況および親子関係を示すグラフ図を作成することを特徴とする付記10に記載の保守点検支援装置。
(付記12)前記要点検箇所抽出手段によって抽出された前記要点検箇所ごとの属性に応じた保守点検時期を規定する保守点検周期を決定し、決定された前記保守点検周期を記録する保守点検周期表を作成する保守点検周期作成手段をさらに有することを特徴とする付記10または11に記載の保守点検支援装置。
(付記13)前記要点検箇所抽出手段によって抽出された前記グラフ図に含まれる前記要点検箇所に、該要点検箇所を一意に識別するための要点検箇所識別情報を付与する要点検箇所識別情報付与手段をさらに有することを特徴とする付記10、11または12に記載の保守点検支援装置。
(付記14)前記要点検箇所抽出手段によって抽出された前記要点検箇所のうち、前記構成要素の接続状況および親子関係が同一である要点検箇所を代表する代表要点検箇所を決定する代表要点検箇所決定手段をさらに有することを特徴とする付記10〜13のいずれか一つに記載の保守点検支援装置。
(付記15)前記要点検箇所抽出手段によって抽出された前記構成要素の要点検箇所を、前記流体プラントの設計情報と関連付けて、前記設計支援設計装置における前記流体プラントの設計画面において表示制御するとともに、前記設計画面において、前記要点検箇所の点検結果である点検データを、前記要点検箇所に関連付けて表示する要点検箇所表示制御手段をさらに有することを特徴とする付記10〜14のいずれか一つに記載の保守点検支援装置。
(付記16)前記要点検箇所の点検結果である点検データを、あらかじめ定められている点検結果評価基準に基づいて評価する点検結果評価手段と、
前記点検結果評価手段による前記要点検箇所の点検結果の評価に基づいて、前記要点検箇所のうち、将来の点検において点検重要度が高い重要点検箇所を推定する重要点検箇所推定手段と
をさらに有することを特徴とする付記10〜15のいずれか一つに記載の保守点検支援装置。
(付記17)前記保守点検周期作成手段は、前記重要点検箇所推定手段によって推定された前記重要点検箇所の前記点検重要度に応じた保守点検時期にて前記保守点検周期表を更新することを特徴とする付記16に記載の保守点検支援装置。
(付記18)前記流体プラントの設計情報および/または前記保守点検周期表および/または前記点検データで同一の前記要点検箇所を含む構成要素を対応付けて、前記流体プラントの設計情報を表示する設計画面および/または前記保守点検周期表を表示する保守点検周期表表示画面および/または前記点検データを表示する点検データ表示画面をそれぞれ表示制御するとともに、これらの画面を連携させて表示制御するデータ表示制御手段をさらに有することを特徴とする付記16または17に記載の保守点検支援装置。
(付記19)設計支援設計装置の支援により設計された流体プラントの保守点検を支援する保守点検支援処理をコンピュータ装置が実行する保守点検支援方法であって、
前記設計支援設計装置の支援により設計された前記流体プラントの設計情報から、前記流体プラントが有する構成要素の接続状況、および、直接接続されている前記構成要素間における流体の流動方向に対応する前記構成要素の親子関係を示すグラフ図を作成するグラフ図作成ステップと、
前記グラフ図作成ステップによって作成された前記グラフ図において、ルートノードを出発点として、前記構成要素の接続状況および親子関係に基づき、前記流体プラントの構成要素の要点検箇所を抽出する要点検箇所抽出ステップと
を含むことを特徴とする保守点検支援方法。
(付記20)前記グラフ図作成ステップは、ユーザによって指定された前記構成要素を出発点として、前記流体プラントの設計情報から、前記構成要素の接続状況および親子関係を示すグラフ図を作成することを特徴とする付記19に記載の保守点検支援方法。
(付記21)前記要点検箇所抽出ステップによって抽出された前記要点検箇所ごとの属性に応じた保守点検時期を規定する保守点検周期を決定し、決定された前記保守点検周期を記録する保守点検周期表を作成する保守点検周期作成ステップをさらに含むことを特徴とする付記19または20に記載の保守点検支援方法。
(付記22)前記要点検箇所抽出ステップによって抽出された前記グラフ図に含まれる前記要点検箇所に、該要点検箇所を一意に識別するための要点検箇所識別情報を付与する要点検箇所識別情報付与ステップをさらに含むことを特徴とする付記19、20または21に記載の保守点検支援方法。
(付記23)前記要点検箇所抽出ステップによって抽出された前記要点検箇所のうち、前記構成要素の接続状況および親子関係が同一である要点検箇所を代表する代表要点検箇所を決定する代表要点検箇所決定ステップをさらに含むことを特徴とする付記19〜22のいずれか一つに記載の保守点検支援方法。
(付記24)前記要点検箇所抽出ステップによって抽出された前記構成要素の要点検箇所を、前記流体プラントの設計情報と関連付けて、前記設計支援設計装置における前記流体プラントの設計画面において表示制御するとともに、前記設計画面において、前記要点検箇所の点検結果である点検データを、前記要点検箇所に関連付けて表示する要点検箇所表示制御ステップをさらに含むことを特徴とする付記19〜23のいずれか一つに記載の保守点検支援方法。
(付記25)前記要点検箇所の点検結果である点検データを、あらかじめ定められている点検結果評価基準に基づいて評価する点検結果評価ステップと、
前記点検結果評価ステップによる前記要点検箇所の点検結果の評価に基づいて、前記要点検箇所のうち、将来の点検において点検重要度が高い重要点検箇所を推定する重要点検箇所推定ステップと
をさらに含むことを特徴とする付記19〜24のいずれか一つに記載の保守点検支援方法。
(付記26)前記保守点検周期作成ステップは、前記重要点検箇所推定ステップによって推定された前記重要点検箇所の前記点検重要度に応じた保守点検時期にて前記保守点検周期表を更新することを特徴とする付記25に記載の保守点検支援方法。
(付記27)前記流体プラントの設計情報および/または前記保守点検周期表および/または前記点検データで同一の前記要点検箇所を含む構成要素を対応付けて、前記流体プラントの設計情報を表示する設計画面および/または前記保守点検周期表を表示する保守点検周期表表示画面および/または前記点検データを表示する点検データ表示画面をそれぞれ表示制御するとともに、これらの画面を連携させて表示制御するデータ表示制御ステップをさらに含むことを特徴とする付記25または26に記載の保守点検支援方法。