ところで、凝縮水を改質器に供給するにあたって、改質器内に配置される水供給管に不純物が析出し、それにより改質器が故障することや、改質触媒が劣化すること等を抑制すべく、イオン交換樹脂等の水処理装置等で処理した凝縮水を改質器に供給する必要がある。
ここで、凝縮水を水処理して改質器に供給するにあたり、凝縮水を貯水するための凝縮水タンクを具備するとともに、イオン交換樹脂等の凝縮水処理手段を具備することが考えられる。
しかしながら、凝縮水を処理する凝縮水処理手段においては、使用により劣化を生じるため、凝縮水処理手段の処理能力等にもよるが、例えば、数ヶ月に1度、もしくは数年に1度といったように、適宜交換等のメンテナンスを行なう必要性が生じる場合がある。
また、凝縮水とは別に、外部から供給される水(水道水等)を使用する場合においても、外部から供給される水を処理するための水処理装置が必要となり、この水処理装置においても、例えば、数ヶ月に1度、もしくは数年に1度といったように、適宜交換等のメンテナンスを行なう必要性が生じる場合がある。
さらに、凝縮水を利用するにあたり、凝縮水を外部から供給される水を処理するための水処理装置にて処理する構成の燃料電池装置においては、水処理装置の使用頻度によっては、排ガス成分を完全に除去することが難しくなる場合がある。この場合、排ガス成分を含む水が改質器に供給された場合であっても、改質器に対する悪影響はない(もしくは少ない)ものの、水処理装置を通過した排ガス成分を含む水は、その導電率が純水に比べて高いため、外部から供給される水を処理するための水処理装置の寿命を判断することが難しくなる場合がある。
そして、これら凝縮水処理手段や水処理装置(特にはイオン交換樹脂)の交換時期や故障を適切に判断することができない場合、劣化したまたは故障した水処理手段や水処理装置を使用することで水の純度が低下するおそれがあり、純度が低下した水に含まれる不純物により、改質器に配置される水供給管の内部が詰まり改質器が故障する、または改質触媒が劣化するおそれがあった。
それゆえ本発明は、燃料電池の発電に伴う排ガスと水との熱交換で生じる凝縮水を処理するための凝縮水処理手段や、外部から供給される水を処理するための水処理装置の交換時期や故障を適切に判断することができる燃料電池装置を提供することを目的とする。
本発明の燃料電池装置は、燃料電池と、該燃料電池に供給される改質ガスを生成するために水蒸気改質を行なう改質器と、前記燃料電池の発電により生じる排ガスと水とで熱交換を行なう熱交換器と、該熱交換器での熱交換により生じる凝縮水を貯水する凝縮水タンクと、該凝縮水タンクに貯水される凝縮水を処理するための凝縮水処理手段と、外部から供給される水を処理するためのイオン交換樹脂装置とを具備する水処理装置と、該水処理装置で処理された水を貯水するための水タンクと、前記水処理装置に外部から水を供給するための水供給管とを具備し、前記凝縮水タンクに貯水された凝縮水が前記水タンクに供給されるように前記凝縮水タンクと前記水タンクとがタンク連結管にて連結された燃料電池装置であって、前記タンク連結管に第1の導電率センサを具備し、前記水処理装置と前記水タンクとを連結する水供給管に第2の導電率センサを具備し、前記タンク連結管に弁を具備し、前記水処理装置に外部から水を供給する前記水供給管に給水弁を具備するとともに、前記第1の導電率センサが予め定められた設定範囲外の値を示した場合に、前記弁が閉で前記給水弁が開となるように制御する制御装置を具備することを特徴とする。
このような燃料電池装置においては、燃料電池の発電により生じる排ガスと水との熱交換により生じる凝縮水を貯水するための凝縮水タンクと、凝縮水タンクに貯水される凝縮水を処理するための凝縮水処理手段と、外部から供給され水処理装置にて処理された水を貯水する水タンクとを具備し、凝縮水タンクに貯水された凝縮水が水タンクに供給されるよう、凝縮水タンクと水タンクとがタンク連結管にて連結されていることから、凝縮水は凝縮水処理手段で処理された後に水タンクに供給される。
ここで、凝縮水タンクと水タンクとを連結するタンク連結管に第1の導電率センサを具備することから、第1の導電率センサが予め定められた設定範囲外の値を示した場合には、凝縮水処理手段が劣化等していることが分かる。
また、水処理装置と水タンクとを連結する水供給管に第2の導電率センサを具備することから、第2の導電率センサが予め定められた設定範囲外の値を示した場合には、外部から供給される水を処理するためのイオン交換樹脂装置等の水処理装置が劣化等していることが分かる。
また、凝縮水は外部から供給される水を処理するためのイオン交換樹脂装置を具備する水処理手段にて処理されないことから、外部から供給される水を処理するためのイオン交換樹脂装置等の水処理装置で処理された水の導電率等を適切に計測することができることから、イオン交換樹脂装置の寿命を適切に判断することができる。
それゆえ、凝縮水処理手段や水処理装置等の交換時期や故障を容易に認識することができることから、適切な時期に凝縮水処理手段や水処理装置等を交換・修理することができる。またあわせて、凝縮水を利用する場合であっても、浄化された凝縮水を改質器に供給することができることから、改質器に配置される水供給管の内部が詰まり改質器が故障する、または改質触媒が劣化することを抑制(防止)することができる。
本発明の燃料電池装置は、燃料電池と、該燃料電池に供給される改質ガスを生成するために水蒸気改質を行なう改質器と、前記燃料電池の発電により生じる排ガスと水とで熱交換を行なう熱交換器と、該熱交換器での熱交換により生じる凝縮水を貯水する凝縮水タンクと、該凝縮水タンクに貯水される凝縮水を処理するための凝縮水処理手段と、外部から供給される水を処理するためのイオン交換樹脂装置を具備する水処理装置と、該水処理装置で処理された水を貯水するための水タンクとを具備し、前記凝縮水タンクに貯水された凝縮水を前記改質器に向けて供給するための凝縮水供給管と前記水タンクに貯水された水を前記改質器に向けて供給するための水タンク水供給管とが途中から改質器水供給管にまとめられて前記改質器に接続されている燃料電池装置であって、前記凝縮水供給管に第1の導電率センサを具備するとともに、前記水タンク水供給管もしくは前記水処理装置と前記水タンクとを接続する水供給管に第2の導電率センサを具備し、前記凝縮水供給管に凝縮水給水弁を具備し、前記水タンク水供給管に水タンク水給水弁を具備し、前記第1の導電率センサが予め定められた設定範囲外の値を示した場合に、前記凝縮水供給弁が閉で前記水タンク水給水弁が開となるように制御し、前記第2の導電率センサが予め定められた設定範囲外の値を示した場合に、前記水タンク水給水弁が閉で前記凝縮水給水弁が開となるように制御する制御装置を具備することを特徴とする。
このような燃料電池装置においては、改質器に水を供給するための凝縮水タンクと水タンクとが直接連結されていないことから、例えば凝縮水処理手段が寿命となった場合に、水タンクに貯水された水を改質器に供給することができる。また逆に外部から供給される水を処理するための水処理装置に異常が生じた場合や寿命となった場合には、凝縮水タンクに貯水された凝縮水を改質器に供給することができる。
それに伴い、凝縮水処理手段の交換や、水処理装置の交換等のメンテナンス時において、改質器への水の供給を停止することなくメンテナンスを行なうことができる。
ここで、凝縮水供給管に第1の導電率センサを具備することから、第1の導電率センサが予め定められた設定範囲外の値を示した場合には、凝縮水処理手段が劣化等していることが分かる。
また、水タンク水供給管もしくは水処理装置と水タンクとを接続する水供給管に第2の導電率センサを具備することから、第2の導電率センサが予め定められた設定範囲外の値を示した場合には、外部から供給される水を処理するための水処理装置が劣化等していることが分かる。
また、凝縮水は外部から供給される水を処理するためのイオン交換樹脂装置を具備する水処理手段にて処理されないことから、外部から供給される水を処理するためのイオン交換樹脂装置等の水処理装置で処理された水の導電率等を適切に計測することができることから、イオン交換樹脂装置の寿命を適切に判断することができる。
それゆえ、凝縮水処理手段や水処理装置等の交換時期や故障を容易に認識することがで
きることから、適切な時期に凝縮水処理手段や水処理装置等を交換・修理することができる。またあわせて、凝縮水を利用する場合であっても、浄化された凝縮水を改質器に供給することができることから、改質触媒の劣化や、改質器に設けられた配管がつまることで改質器が故障することを抑制(防止)することができる。
また、第1の導電率センサまたは第2の導電率センサが予め定められた設定範囲外の値を示した場合に、その導電率センサが配置されている水供給管(凝縮水供給管および水タンク水供給管)に設けられた各給水弁(凝縮水給水弁および水タンク水給水弁)を制御することにより、改質器に対して浄化された水を継続して改質器に供給することができる。
それゆえ、改質器に配置される水供給管の内部が詰まり改質器が故障する、または改質触媒が劣化することを抑制(防止)することができるとともに、水処理手段または水処理装置の一方が劣化や故障等を生じた場合であっても、改質器に浄化された水を供給することができる。
本発明の燃料電池装置は、燃料電池と、該燃料電池に供給される改質ガスを生成するために水蒸気改質を行なう改質器と、前記燃料電池の発電により生じる排ガスと水とで熱交換を行なう熱交換器と、該熱交換器での熱交換により生じる凝縮水を貯水する凝縮水タンクと、該凝縮水タンクに貯水される凝縮水を処理するための凝縮水処理手段と、外部から供給される水を処理するためのイオン交換樹脂装置を具備する水処理装置と、該水処理装置で処理された水を貯水するための水タンクとを具備し、前記凝縮水タンクに貯水された凝縮水を前記改質器に向けて供給するための凝縮水供給管と前記水タンクに貯水された水を前記改質器に向けて供給するための水タンク水供給管と前記改質器に接続されている改質器水供給管とが水流れ切換手段で接続されているとともに、前記改質器水供給管に導電率センサを具備し、前記凝縮水タンクに貯水された凝縮水または前記水タンクに貯水された水のいずれかを前記改質器に供給するように前記水流れ切換手段を制御する制御装置を備え、前記凝縮水タンクに貯水された凝縮水を前記改質器に供給しており、かつ前記導電率センサが予め定められた設定範囲外の値を示した場合に、前記水タンクに貯水された水を前記改質器に供給するように前記水流れ切換手段を制御し、前記水タンクに貯水された水を前記改質器に供給しており、かつ前記導電率センサが予め定められた設定範囲外の値を示した場合に、前記凝縮水タンクに貯水された凝縮水を前記改質器に供給するように前記水流れ切換手段を制御することを特徴とする。
このような燃料電池装置においては、凝縮水供給管、水タンク水供給管および改質器水供給管が水流れ切換手段で接続され、改質器水供給管に導電率センサを具備することから、凝縮水タンクに貯水された凝縮水もしくは水タンクに貯水された水の一方のみを改質器に供給するよう水流れ切換手段を調整する場合において、導電率センサが予め定められた設定範囲外の値を示した場合には、凝縮水処理手段または外部から供給される水を処理するための水処理装置のいずれかが劣化等していることが分かる。そしてこの場合においては、導電率センサを複数個設ける必要がない。
すなわち、例えば水流れ切換手段が凝縮水タンクに貯水された凝縮水を改質器に供給するよう制御されている場合に、導電率センサが予め定められた設定範囲外の値を示した場合には、凝縮水処理手段が劣化等していることが分かり、逆に水流れ切換手段が水タンクに貯水された水を改質器に供給するよう制御されている場合に、導電率センサが予め定められた設定範囲外の値を示した場合には、外部から供給される水を処理するための水処理装置が劣化等していることが分かる。
それゆえ、水処理手段や水処理装置等の交換時期や故障を容易に認識することができることから、適切な時期に水処理手段や水処理装置等を交換・修理することができる。またあわせて、凝縮水を利用する場合であっても、浄化された凝縮水を改質器に供給することができることから、改質器に配置される水供給管の内部が詰まり改質器が故障する、または改質触媒が劣化することができる。
また、凝縮水タンクに貯水された凝縮水または水タンクに貯水された水のいずれかを改質器に供給するように水流れ切換手段を制御する制御装置を備える場合において、凝縮水
タンクに貯水された凝縮水を改質器に供給しており、かつ導電率センサが予め定められた設定範囲外の値を示した場合には、水タンクに貯水された水を改質器に供給し、水タンクに貯水された水を改質器に供給しており、かつ導電率センサが予め定められた設定範囲外の値を示した場合には、凝縮水タンクに貯水された凝縮水を改質器に供給するように水流れ切換手段を制御することから、浄化された水を継続して改質器に供給することができる。
それゆえ、改質器に配置される水供給管の内部が詰まり改質器が故障する、または改質触媒が劣化することができるとともに、水処理手段または水処理装置の一方が劣化や故障等を生じた場合であっても、改質器に浄化された水を供給することができる。
また、本発明の燃料電池装置は、燃料電池と、該燃料電池に供給される改質ガスを生成するために水蒸気改質を行なう改質器と、前記燃料電池の発電により生じる排ガスと水とで熱交換を行なう熱交換器と、該熱交換器での熱交換により生じる凝縮水を貯水する凝縮水タンクと、該凝縮水タンクに貯水される凝縮水を処理するための凝縮水処理手段と、外部から供給される水を処理するためのイオン交換樹脂装置を具備する水処理装置と、該水処理装置で処理された水を貯水するための水タンクとを具備し、前記凝縮水タンクに貯水された凝縮水を前記改質器に向けて供給するための凝縮水供給管と前記水タンクに貯水された水を前記改質器に向けて供給するための水タンク水供給管とが途中から改質器水供給管にまとめられて前記改質器に接続されている燃料電池装置であって、前記凝縮水供給管に第1の導電率センサを具備するとともに、前記水タンク水供給管もしくは前記水処理装置と前記水タンクとを接続する水供給管に第2の導電率センサを具備し、前記凝縮水供給管、前記水タンク水供給管および前記改質器水供給管が水流れ切換手段で接続され、前記第1の導電率センサが予め定められた設定範囲外の値を示した場合に、前記水タンクに貯水された水を前記改質器に供給するよう前記水流れ切換手段を制御し、前記第2の導電率センサが予め定められた設定範囲外の値を示した場合に、前記凝縮水タンクに貯水された凝縮水を前記改質器に供給するよう前記水流れ切換手段を制御する制御装置を具備することを特徴とする。
このような燃料電池装置においては、凝縮水供給管、水タンク水供給管および改質器水供給管が水流れ切換手段で接続されていることから、改質器に供給する水は、水流れ切換手段を制御することにより調整することができる。
それゆえ、第1の導電率センサおよび第2の導電率センサの示す値に基づき、凝縮水タンクまたは水タンクの少なくとも一方の水を供給することにより、改質器に配置される水供給管の内部が詰まり改質器が故障する、または改質触媒が劣化することを抑制(防止)することができる。
このような燃料電池装置においては、第1の導電率センサが予め定められた設定範囲外の値を示した場合に、水タンクに貯水された水を改質器に供給するよう水流れ切換手段を制御し、逆に第2の導電率センサが予め定められた設定範囲外の値を示した場合に、凝縮水タンクに貯水された凝縮水を改質器に供給するよう三方弁を制御することから、浄化された水を継続して改質器に供給することができる。
それゆえ、改質器に配置される水供給管の内部が詰まり改質器が故障する、または改質触媒が劣化することを抑制(防止)することができるとともに、水処理手段または水処理装置の一方が劣化や故障等を生じた場合であっても、改質器に浄化された水を供給することができる。
また、本発明の燃料電池装置は、前記制御装置は、前記第1の導電率センサが予め定められた設定範囲外の値を示して前記水タンクに貯水された水を前記改質器に供給するよう制御した後、再び前記第1の導電率センサの値が予め定められた設定範囲内になったことを検知すると、前記凝縮水タンクに貯水された凝縮水を前記改質器に供給する制御を行なうことが好ましい。
このような燃料電池装置においては、改質器に供給する水として凝縮水を優先的に使用することにより、外部から供給される水のコストを低減することができる。
ここで第1の導電率センサが予め定められた設定範囲外の値を示して凝縮水給水弁を閉じた後、再び第1の導電率センサの値が予め定められた設定範囲内になったことを検知すると、凝縮水タンクに貯水された凝縮水を改質器に供給するように制御することにより、改質器に供給される水として凝縮水を優先的に使用することができる。
また、本発明の燃料電池装置は、前記凝縮水処理手段の交換を検知する検知センサを具備するとともに、前記凝縮水タンクに貯水された凝縮水を優先的に前記改質器に供給する燃料電池装置であって、前記制御装置は、前記検知センサからの情報により、前記凝縮水処理手段の交換を検知して所定時間経過後に前記水流れ切換手段を制御して、前記凝縮水タンクに貯水された凝縮水を前記改質器に供給する制御を行なうことが好ましい。
このような燃料電池装置においては、凝縮水タンクに貯水された凝縮水を優先的に改質器に供給することにより、外部から供給される水のコストを低減することができる。
ここで、凝縮水処理手段の交換を検知する検知センサからの情報に基づき、凝縮水処理手段の交換を検知し所定時間経過後に凝縮水タンクに貯水された凝縮氏を改質器に供給するよう水流れ切換手段を制御することから、改質器に供給される水として凝縮水を優先的に使用することができる。
また、本発明の燃料電池装置は、前記凝縮水処理手段が前記凝縮水タンクに設けられているとともに、前記凝縮水処理手段がイオン交換樹脂であることが好ましい。
このような燃料電池装置においては、凝縮水処理手段であるイオン交換樹脂が凝縮水タンクに設けられていることから、凝縮水を浄化して改質器に供給することができる。さらに、イオン交換樹脂が凝縮水タンクに設けられていることから、燃料電池装置をコンパクトとすることができる。
本発明の燃料電池装置は、燃料電池の発電により生じる排ガスと水とで熱交換した際に生じる凝縮水を貯水するための凝縮水タンクと、凝縮水を処理するための凝縮水処理手段と、外部から供給される水を処理するための水処理装置と、水処理装置で処理された水を貯水する水タンクとを具備するとともに、凝縮水処理手段で処理された凝縮水の導電率を測定するための第1の導電率センサと、水処理装置で処理された外部から供給される水を処理するための第2の導電率センサを具備することから、凝縮水処理手段および水処理装置の劣化を適切に判断することができる。
図1は、本発明の燃料電池装置の構成の一例を示した構成図である。本発明の燃料電池装置は、発電を行なう発電ユニット、熱交換後の湯水を貯湯する貯湯ユニット、これらのユニット間を水が循環するための循環配管から構成されている。
図1に示す燃料電池装置は、燃料電池1、天然ガスや灯油等の被改質ガスを供給する被改質ガス供給手段2、酸素含有ガスを燃料電池1に供給するための酸素含有ガス供給手段3、被改質ガスと水蒸気により水蒸気改質する改質器4を具備している。
ここで外部から供給される水を純水に処理し、改質器4に供給する手段の一つである水処理装置Xは、水を浄化するための活性炭フィルタ装置7、逆浸透膜装置8(以下、RO膜装置とする)および浄化された水を純水にするためのイオン交換樹脂装置9の各装置を具備する。そして、イオン交換樹脂装置9にて処理された純水は水タンク10に貯水される。
また、図1に示す燃料電池装置においては、活性炭フィルタ装置7、RO膜装置8、イオン交換樹脂装置9および水タンク10をこの順で接続する水供給管5が設けられており、水供給管5には、水供給管5に供給される水量を調整する給水弁6が設けられている。
また、図1に示す燃料電池装置においては、燃料電池1の発電により生じた排ガス(排熱)と水とで熱交換を行なう熱交換器13、熱交換により生じる凝縮水を貯水する凝縮水タンク19が設けられており、凝縮水タンク19と水タンク10とが、タンク連結管20にて連結されている。
さらに、燃料電池1にて発電された直流電力を交流電力に切り替え外部負荷に供給するためのパワーコンディショナ12、熱交換器13の出口に設けられ熱交換器13の出口を流れる水(循環水流)の水温を測定するための出口水温センサ15、水を循環させるための循環ポンプ16、循環ポンプ16の運転を制御する制御装置14により発電ユニットが構成されている。なお、制御装置14については後述する。
また貯湯ユニットは、熱交換後の湯水を貯湯するための貯湯タンク18を具備して構成されている。
さらに、熱交換器13と貯湯タンク18との間で水を循環させるための循環配管17が設けられており、発電ユニット、貯湯ユニット、循環配管17をあわせて燃料電池装置が構成される。
なお、図中の矢印は、燃料、酸素含有ガス、水の各流れ方向を示したものであり、また破線は制御装置14に伝送される主な信号経路、または制御装置14より伝送される主な信号経路を示している。また、同一の構成については同一の番号を付するものとし、以下同様である。さらに図示していないが、被改質ガス供給手段2と改質器4との間に、被改質ガスを加湿するための被改質ガス加湿器を設けることも可能である。
また、燃料電池1としては、各種燃料電池が知られているが、燃料電池を小型化する上で、固体酸化物形燃料電池とすることができる。それにより、燃料電池のほか、燃料電池の動作に必要な補機類を小型化することができ、燃料電池装置を小型化することができる。またあわせて、家庭用燃料電池で求められる変動する負荷に追従する負荷追従運転を行なうことができる。
このように、本発明の燃料電池装置は、水蒸気改質を行なう燃料電池装置において有用であり、なかでも、例えば燃料電池1の上方に、水蒸気改質を行なうための改質器4を配置し、燃料電池1で使用されなかった燃料を燃焼させて改質器4を加熱する固体酸化物形燃料電池において最適となる。
ここで、図1に示した燃料電池装置を用いて、本発明の燃料電池装置の運転方法について説明する。
燃料電池1の発電に用いられる改質ガスを得るための改質器4で使用される外部から供給される水(純水)は、給水弁6が開放され、水供給管5を通して活性炭フィルタ装置7に給水される。活性炭フィルタ装置7にて処理された水は、続いてRO膜装置8に給水される。RO膜装置8にて処理された水は、続いてイオン交換樹脂装置9に供給・処理され純水が生成される。イオン交換樹脂装置9にて生成された純水は、水タンク10に供給され一時的に貯水される。一方、熱交換器13による熱交換により生じた凝縮水は、凝縮水タンク19に貯水され、次いで水タンク10に供給される。水タンク10に貯水された水は、改質器4で必要となる水の量に応じて、水ポンプ11により改質器4に供給される。
改質器4においては、水ポンプ11により供給された水と、被改質ガス供給手段2より供給される被改質ガスとにより水蒸気改質を行なう。改質器4にて生成された改質ガス(燃料ガス)は、燃料電池1に供給され、酸素含有ガス供給手段3より供給される酸素含有ガスと反応して、燃料電池1の発電が行なわれる。そして、燃料電池1の発電で生じた電力は、パワーコンディショナ12を通じて外部負荷に供給される。
一方、燃料電池1の発電により生じた排ガス(排熱)は、主に燃料電池1の温度を高めるもしくは維持するために使用された後、燃料電池1より熱交換器13に供給され外部に放出される。
熱交換器13に供給された排ガスは、熱交換器13内を通水(循環)する水とで熱交換される。そして熱交換された水(湯水)は、循環配管17を循環して貯湯タンク18に貯湯される。
ここで、改質器4に供給する水は、改質器4の内部(改質器4内に配置される水供給管の内部)に不純物が析出すると改質器4の故障が生じる、改質器4内に配置される改質触媒が劣化するといった問題が生じる場合があるため、凝縮水を改質器4に供給するにあたっては、凝縮水を処理した後(浄化した後)、改質器4に供給することが好ましい。
それゆえ、本発明においては凝縮水を処理するための凝縮水処理手段(図示せず)を設けることが好ましい。このような凝縮水処理手段としては、凝縮水中に含まれる成分や凝縮水の純度等にあわせて、適宜公知のものを用いることができる。また、凝縮水処理手段は、凝縮水が水タンク10に供給されるまでに処理すればよいため、例えば凝縮水処理手段を、第2のイオン交換樹脂装置として、熱交換器13と凝縮水タンク19とを接続する水供給管や、凝縮水タンク19と水タンク10とを接続するタンク連結管20に設けることもでき、その他、凝縮水タンク19に凝縮水処理手段を設けることもできる。
なお、凝縮水タンク19に凝縮水処理手段を設ける場合にあっては、例えば凝縮水処理手段をイオン交換樹脂とし、凝縮水タンク19中にイオン交換樹脂を充填する、イオン交換樹脂を充填したユニットを設けそのユニットを通過した凝縮水を凝縮水タンク19に貯水するようにする等、適宜設定することができる。さらに、凝縮水タンク19に具備する凝縮水処理手段をイオン交換樹脂とすることにより、凝縮水を浄化して改質器4に供給することができる。
そして、凝縮水タンク19に凝縮水処理手段を設けた場合には、例えば熱交換器13と凝縮水タンク19とを接続する水供給管に第2のイオン交換樹脂装置を設ける場合に比べて、よりコンパクトな燃料電池装置とすることができる。
なお、凝縮水タンク19に充填するイオン交換樹脂としては、例えば球状のイオン交換樹脂を用いることができる。それにより、凝縮水と接触する表面積を増やすことができるため、より効率よく凝縮水を浄化することができる。
さらに、イオン交換樹脂は、排ガス中に含まれる成分に対応して適宜選択して使用でき、例えば、排ガス成分である二酸化炭素(炭酸イオン)をより吸着するイオン交換樹脂としてもよく、またイオン交換樹脂装置9と同等の性能としてもよい。ちなみにイオン交換樹脂装置9としては、水道水等の外部から供給される水より純水を生成するために通常用いられるイオン交換樹脂装置を用いることができる。
ところで、上述したように、凝縮水処理手段やイオン交換樹脂装置9を具備する水処理装置は、使用頻度に伴い劣化や故障を生じる。ここで、凝縮水処理手段やイオン交換樹脂装置9に劣化や故障が生じた場合には、その劣化した凝縮水処理手段やイオン交換樹脂装置9を継続して使用することで、生成される純水の純度が低下するおそれがある。
ここで、純水の純度が低下した場合(以下、低純水と呼ぶ場合がある)は、その低純水中に含まれる不純物が改質器4内に配置される水供給管内に析出し、水供給管内を閉塞することにより、改質器4にて水蒸気改質を行なうことが困難となり、改質器4が故障するおそれがある。さらには、水蒸気改質を行なうための改質触媒(図示せず)に悪影響を与え、水蒸気改質反応が低下するおそれがある。
ここで、図1においては、凝縮水タンク19と水タンク10とを接続するタンク連結管20に第1の導電率センサ21を設けるとともに、イオン交換樹脂装置9と水タンク10とを接続する水供給管5に第2の導電率センサ22をそれぞれ設け、各センサ21、22の情報は、モニタ等(図示せず)に表示されるようになっている。
それにより、第1の導電率センサ21で測定される凝縮水処理手段で処理された凝縮水と、第2の導電率センサ22で測定されるイオン交換樹脂装置9で処理された水(イオン交換樹脂装置9を通った、以下通水したと表現する)の導電率について、予め設定範囲を定めておくとともに、それぞれの導電率センサが設定範囲外の値を示す場合には、凝縮水処理手段やイオン交換樹脂装置9が劣化または故障等の異常を示していることが分かる。
なお、熱交換器13での熱交換にて生じる凝縮水には、燃料電池1の発電により生じた排ガス成分の一種である二酸化炭素等が溶解している場合があり、凝縮水処理手段の処理能力や使用頻度によっては、凝縮水に含有される排ガス中の成分(例えば、二酸化炭素等)の一部が、凝縮水処理手段で処理できない場合がある。そして、凝縮水に排ガス中の成分が含まれている場合であっても、その排ガス成分が改質器に対して悪影響を及ぼさない場合があるが、凝縮水に排ガス中の成分が溶解する場合には、凝縮水処理手段を通水した凝縮水の導電率が上昇する。
それゆえ、凝縮水処理手段の劣化については、予め凝縮水処理手段での処理時間と凝縮水の処理量との相関関係を調査しておき、一定の基準を上回った場合に、凝縮水処理手段が劣化していると判断できるように設定しておくことが好ましい。
また、あわせて凝縮水は、外部から供給される水を処理するためのイオン交換樹脂装置9を具備する水処理装置にて処理されないことから、イオン交換樹脂装置9等の水処理装置の導電率を適切に計測することができ、イオン交換樹脂装置9の寿命を適切に判断することができる。
それにより、凝縮水処理手段やイオン交換樹脂装置9の交換時期や故障等の異常を容易に判断することができることから、適切な時期に凝縮水処理手段やイオン交換樹脂装置9を交換・修理することで、改質器4に対して浄化された水を供給することができ、改質器4が故障する、改質触媒に悪影響を与えるといったことを抑制できる。
なお、図1においては、凝縮水タンク19の水が水タンク10に供給されるように、タンク連結管20により、凝縮水タンク19と水タンク10とが連結されている。それにより、改質器4に供給する水の量(貯水量)の管理は、水タンク10のみを管理すればよいこととなる。それゆえ、改質器4に供給するための水の貯水量の管理が容易となる。
ここで、凝縮水タンク19中の凝縮水が水タンク10に貯水されるように配置するにあたっては、例えば、凝縮水タンク19中の凝縮水が、タンク連結管20を介して水タンク10に滴下するよう、凝縮水タンク19を水タンク10よりも上方に位置するように配置することができる。さらには、タンク連結管20の一端を水タンク10の上方に接続する、もしくはタンク連結管20の一端を、水タンク10の上方より水タンク10に凝縮水タンク19の水が滴下するように配置することもできる。また、凝縮水タンク19の水を水タンク10により供給しやすくすることを目的として、タンク連結管20に水ポンプを設けることもできる。
また、図1においては、第1の導電率センサ21をタンク連結管20に具備する例を示したが、第1の導電率センサ21は、凝縮水処理手段にて処理された凝縮水が水タンク10に供給されるまでの間に配置すればよい。それゆえ、例えば凝縮水処理手段を、熱交換器13と凝縮水タンク19とを接続する水供給管に設ける場合には、第1の導電率センサを、凝縮水処理手段から水タンク10までの間(例えば、凝縮水タンク19等)に設けることもできる。
同様に第2の導電率センサは、イオン交換樹脂装置9を通水した水の導電率を測定できればよいことから、例えば、イオン交換樹脂装置9の出口や水タンク10の入口に設けることもできる。
ここで、タンク連結管20にタンク連結管20を流れる凝縮水を制御する弁を設け、第1の導電率センサ21が予め定められた設定範囲外の値を示した場合に、タンク連結管20に設けられた弁を閉じるとともに、給水弁5を開き外部から供給される水を水処理装置にて処理した後に、水タンク10に貯水するよう制御する制御装置14を具備することが好ましい。
図2は、凝縮水タンク19と水タンク10とを連結しない場合の一例を示しており、凝縮水タンク19中の水を改質器4に向けて供給するための凝縮水供給管23と、水タンク10中の水を改質器4に向けて供給するための水タンク水供給管24とがそれぞれ設けられており、これら凝縮水供給管23と水タンク水供給管24とが、途中から改質器水供給管25にまとめられて、改質器4に接続されている。
さらに図2においては、凝縮水供給管23に第1の導電率センサ28を設け、イオン交換樹脂装置9と水タンク10とを接続する水供給管5に第2の導電率センサ29が設けられている。
それにより、第1の導電率センサ28が予め定められた設定範囲外の値を示した場合には、凝縮水処理手段が劣化等していることが分かり、第2の導電率センサ29が予め定められた設定範囲外の値を示した場合には、イオン交換樹脂装置9等の水処理装置が劣化等していることが分かる。
ここで図2においては、凝縮水タンク19と水タンク10とを連結しないように配置することにより、例えば第1の導電率センサ28が予め定められた設定範囲外の値を示した場合には、水タンク10に貯水された水を改質器4に供給するように制御し、逆に第2の導電率センサ29が予め定められた設定範囲外の値を示した場合には、凝縮水タンク19に貯水された凝縮水を改質器4に供給するように制御する。
それゆえ、凝縮水処理手段やイオン交換樹脂装置9等の水処理装置の寿命を適切に判断することができるとともに、凝縮水処理手段の交換等のメンテナンスを行なう間は、水タンク10に貯水された水を改質器4に供給することができ、イオン交換樹脂装置9等の水処理装置の交換等のメンテナンスを行なう間は、凝縮水タンク19に貯水された凝縮水を改質器4に供給することができることから、凝縮水処理手段や水処理装置の交換等のメンテナンス時において、改質器4への水の供給を停止することなく、凝縮水処理手段や水処理装置のメンテナンスを行なうことができる。
また、凝縮水供給管23と水タンク水供給管24とが、改質器水供給管25にまとめられて改質器4に接続されていることから、改質器4に供給される水は1つの水供給管である改質器水供給管25により供給することができる。ここで、改質器4に水を供給するための水ポンプ11を設ける場合にあたって、改質器水供給管25に水ポンプを設けることにより、水ポンプ11に接続される水供給管が改質器水供給管25のみとなるため、特別な水ポンプ(水ポンプに給水側として水供給管を2つ接続できるような水ポンプ等)を必要とせず、一般に使用される水ポンプ等を使用することができる。
そして、凝縮水タンク19中の水を改質器4へ向けて供給する凝縮水供給管23や、水タンク10中の水を改質器4へ向けて供給する水タンク水供給管24を制御するにあたり、凝縮水供給管23に凝縮水給水弁26、水タンク水供給管24に水タンク水給水弁27を設けることができる。それにより、凝縮水給水弁26および水タンク水給水弁27を制御することで、改質器4に必要量の水を供給することができる。
なお、凝縮水供給管23に凝縮水給水弁26、水タンク水供給管24に水タンク水給水弁27を設ける場合において、第1の導電率センサ28は凝縮水給水弁26よりも凝縮水タンク19側に設けることが好ましく、第2の導電率センサ29を水タンク水供給管24に設ける場合には、第2の導電率センサ29は水タンク水給水弁27よりも水タンク10側に設けることが好ましい。
ここで、図2に示す燃料電池装置においては、第1の導電率センサ28および第2の導電率センサ29の値に基づき、改質器4に供給する水を制御する制御装置14を具備する。
具体的には、図2において、凝縮水を改質器4に対して優先的に供給する場合は、改質器4より改質器4で必要とされる水量情報が制御装置14に伝送される。制御装置14は、その水量情報に基づき、凝縮水給水弁26を制御し、改質器4で必要とされる水を供給する。
ここで、第1の導電率センサ28が予め定められた設定範囲外の値を示した場合に、制御装置14は凝縮水給水弁26を閉じる制御を行い、代わりに水タンク水給水弁27を開く制御を行なうことで、水タンク10中の水が、水タンク水供給管24を介して改質器4に供給される。それにより、改質器4に供給される水が枯渇することを抑制できる。また逆に、第2の導電率センサ29が、予め定められた設定範囲外の値を示した場合には、制御装置14は水タンク水給水弁27を閉じる制御を行い、代わりに凝縮水給水弁26を開く制御を行なうことで、凝縮水タンク19中の水が、凝縮水供給管23を介して改質器4に供給される。それにより、凝縮水タンク19に貯水された凝縮水および水タンク10に貯水された水を改質器4に供給することができる。
なお、図2においては、第2の導電率センサ29を、イオン交換樹脂装置9と水タンク10とを接続する水供給管5に設けた例を示したが、水タンク水供給管24や水タンク10に第2の導電率センサ29を設けることもできる。
図3は、図2に示した燃料電池装置の他の一例を示す図であり、凝縮水供給管23、水タンク水供給管24および改質器水供給管25が水流れ切換手段30で接続されている例を示す。なお、図3においては第2の導電率センサを水タンク水供給管24に設けた例を示している。
なお、水流れ切換手段30としては、例えば凝縮水供給管23または水タンク水供給管24から供給される凝縮水または水を、改質器水供給管25に供給することができる三方弁や、凝縮水供給管23または水タンク水供給管24から供給される凝縮水および水を混合した後、改質器水供給管25に供給することができる三方弁等を使用することができる。
ここで、水流れ切換手段30が凝縮水供給管23および水タンク水供給管24の流量を調整し改質器4に供給することから、改質器4に供給する水は水流れ切換手段30を制御することで制御できる。
ここで、水流れ切換手段30が凝縮水タンク19に貯水された凝縮水と水タンク10に貯水された水の両方を混合して改質器4に供給する三方弁の場合であっても、凝縮水供給管23に設けられる第1の導電率センサ28と、水タンク水供給管24に設けられる第2の導電率センサ29の値に基づき、適宜水流れ切換手段30を制御して、凝縮水タンク19に貯水された凝縮水もしくは水タンク10に貯水された水の一方のみを改質器4に供給するようにすることもできる。それにより、凝縮水タンク19に貯水された凝縮水および水タンク10に貯水された水を改質器4に供給することができる。
また、凝縮水を改質器4に対して優先的に供給する場合において、第1の導電率センサ28が予め定められた設定範囲外の値を示した場合には、凝縮水処理手段の交換等のメンテナンスを行なうが、その交換が行った後は、再度凝縮水タンク19に貯水された凝縮水が、改質器4に供給されるよう制御されることが好ましい。
それゆえ、図2および図3で示した燃料電池装置においては、第1の導電率センサ28が予め定められた設定範囲外の値を示して凝縮水給水弁26を閉じたあと、再び第1の導電率センサ28の値が予め定められた設定範囲内になった場合には、凝縮水処理手段が交換され、その交換された凝縮水処理手段で処理された凝縮水が凝縮水タンク19に十分に貯水されていることが分かる。なお、凝縮水処理手段を交換する際には、あわせて凝縮水供給管23や凝縮水タンク19に残っている水を排水するようにすることが好ましい。
そして、第1の導電率センサ28の値が予め定められた設定範囲内になった場合には、図2に示した燃料電池装置においては、制御装置14は水タンク水給水弁27を閉じる制御を行なうとともに、凝縮水給水弁26を開く制御を行なうことが好ましく、図3に示した燃料電池装置においては、制御装置14は凝縮水タンク19に貯水された凝縮水が改質器4に供給されるように水流れ切換手段30を制御することが好ましい。それにより、改質器4に供給される水として凝縮水を優先的に使用することができ、外部から供給される水のコストを低減することができる。
図4は、凝縮水タンク19に貯水された凝縮水および水タンク10に貯水された水を供給するにあたり別の手段を有する燃料電池装置の一例であり、図4においては、凝縮水供給管23、水タンク水供給管24および改質器水供給管25が水流れ切換手段30で接続されるとともに、改質器水供給管25に導電率センサ31が設けられている。なお、水流れ切換手段30としては、凝縮水供給管23または水タンク水供給管24から供給される凝縮水または水を、改質器水供給管25に供給することができる三方弁等を用いることができる。
このような燃料電池装置においては、凝縮水タンク19に貯水された凝縮水および水タンク10に貯水された水のうち一方のみを改質器4に供給するように水流れ切換手段30を制御する場合において、導電率センサ31が予め定められた設定範囲外の値を示した場合には、凝縮水処理手段またはイオン交換樹脂装置9を具備する水処理装置のいずれかが劣化等していることが分かる。すなわち、このような燃料電池装置においては、導電率センサは1つだけ設ければよいこととなる。
そして、制御装置14は、凝縮水タンク19に貯水された凝縮水もしくは水タンク10に貯水された水の一方のみを改質器4に供給するよう水流れ切換手段30を制御するとともに、導電率センサ31が予め定められた設定範囲外の値を示した場合には、凝縮水タンク19に貯水された凝縮水もしくは水タンク10に貯水された水のうち他方の水を改質器4に供給するよう水流れ切換手段30を制御する。それにより、改質器4に対して浄化された水を継続して供給することができる。
ところで、上述したように凝縮水タンク19に貯水された凝縮水を優先的に改質器4に供給する場合において、凝縮水処理手段にて処理された凝縮水の導電率が、予め定められた設定範囲外の値を示した場合には、凝縮水処理手段の交換等のメンテナンスを行なうとともに、改質器4には水タンク10に貯水された水を供給するように制御することとなる。それゆえ、凝縮水処理手段の交換等(場合によっては凝縮水タンク)のメンテナンスが完了した後は、凝縮水タンク19に貯水された凝縮水を改質器4に供給するように制御することが好ましい。
それゆえ、凝縮水処理手段の交換を検知する検知センサ(図示せず)を具備することが好ましい。このような検知センサとしては、例えば凝縮水処理手段の脱着を検知することができる接触型の検知センサ等を用いることができる。
そして、凝縮水処理手段の交換を検知する検知センサより、凝縮水処理手段の交換を検知した情報が制御装置14に伝送されると、制御装置14は水流れ切換手段30を制御して、凝縮水タンク19に貯水された凝縮水を改質器4に供給する制御を行なうことが好ましい。
ここで、凝縮水処理手段を交換した直後は、凝縮水処理手段にて処理された凝縮水の貯水量が少ない(もしくはない)ため、制御装置14は、凝縮水処理手段の交換を検知して所定時間経過後に、水流れ切換手段30を制御して、凝縮水タンク19に貯水された凝縮水を改質器4に供給するよう制御することが好ましい。
そして、制御装置14が凝縮水処理手段の交換を検知し所定時間経過後とは、凝縮水タンク19の大きさや、凝縮水処理手段の処理能力等により適宜設定することができるが、例えば凝縮水処理手段の交換が完了してから5〜10分後とすることができる。
それにより、改質器4に供給される水として凝縮水を優先的に使用することができ、外部から供給される水のコストを低減することができる。
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更、改良等が可能である。
例えば、図1〜図4で示した導電率センサの値が、予め定められた設定範囲を超えた値を示した場合に、導電率センサの値が設定範囲を超えたことを示す警報装置を設けることもできる。そのような警報装置としては、例えば、凝縮水処理手段やイオン交換樹脂装置9に異常が生じた場合に音を鳴らすブザーや、異常を示す表示機器、さらには異常が生じていることを携帯電話やパソコンなどのメールに送信する機器等を、適宜選択して使用することができる。
さらに、凝縮水処理手段およびイオン交換樹脂装置9で処理された水の両方の導電率が、予め定められた設定範囲を超えた値を示した場合に、改質器4での改質反応を水蒸気改質から部分酸化改質に切りかえるようにする、もしくは燃料電池1の発電を停止するように制御することもできる。
また、凝縮水処理手段が交換されたことを検知するにあたって、例えば、凝縮水処理手段交換完了スイッチ等を設け、そのスイッチをON−OFFすることにより、凝縮水処理手段の交換が完了したことを制御装置14に伝送することもできる。さらには、凝縮水処理手段の交換時に、凝縮水タンク19が空となるよう凝縮水を排水するとともに、凝縮水タンク19に凝縮水タンク水位検知手段を具備するとともに、凝縮水タンクの水位が所定の水位を上回った場合に、凝縮水タンク19に貯水された凝縮水を改質器4に供給するよう水流れ切換手段30を制御するようにしてもよい。