JP5165862B2 - 非水電解液およびそれを用いた電気化学エネルギー蓄積デバイス - Google Patents
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Description
電気二重層キャパシタのエネルギー密度を増やすためには、非水電解液中のイオン濃度を高くする必要がある。また、支持塩を溶解する溶媒に非水溶媒を用いているため、電気二重層キャパシタの充電電圧を高く設定することができ、キャパシタのエネルギー密度が一層高くなる。
代表的な非水溶媒としては、環状カーボネートであるエチレンカーボネート(以下、ECと略記)、プロピレンカーボネート(以下、PCと略記)、ブチレンカーボネート(以下、BCと略記)、環状エステルであるγ−ブチロラクトン(以下、γ−BLと略記)、鎖状カーボネートであるジメチルカーボネート(以下、DMCと略記)、エチルメチルカーボネート(以下、EMCと略記)、ジエチルカーボネート(以下、DECと略記)などが挙げられる。
前記アンモニウム塩(B)における窒素原子に結合する4つの基が、それぞれ独立してC n H 2n+1 (n=1〜4)で表される直鎖状アルキル基であり、
前記リチウム塩(A)に対する前記溶媒(C)のモル比C/A、または前記アンモニウム塩(B)に対する前記溶媒(C)のモル比C/Bが6以下であり、
前記リチウム塩(A)に対する前記アンモニウム塩(B)のモル比B/Aが、1/0.6〜0.6/1であり、
単一の相からなることを特徴とする。
電気化学的酸化還元に対する耐性に優れているため、上記溶媒のなかでも、ECなどの環状カーボネートが特に好ましい。
具体的には、ECと、LiTFSIと、トリエチルメチルアンモニウム・ビス[トリフルオロメタンスルフォニル]イミド(以下、TEMA・TFSIと略記)とを、EC/LiTFSI/TEMA・TFSI=4/1/1のモル比で混合した電解液が挙げられる。
また、リチウム塩と溶媒とのモル比C/Aが4以下の組み合わせ、または、アンモニウム塩と溶媒とのモル比C/Bが4以下の組み合わせにおいては、単一の相は得られないが、C/AまたはC/Bのモル比を4以下として、溶媒中にリチウム塩とアンモニウム塩とを共存させて単一の相となる場合、一層、高イオン濃度の電解液が得られる。
具体的には、DMEと、LiTFSIと、TEMA・TFSIとを、DME/LiTFSI/TEMA・TFSI=1/1/1のモル比で混合した電解液が挙げられる。なお、DMEとLiTFSIとを、DME/LiTFSI=1/1のモル比で混合すると、常温では電解液は固体である。
上記リチウム塩(A)のなかでも、特に、LiPF6、LiBETI、LiMBSI、LiCHSI、LiBOB、LiCF3BF3、LiC2F5BF3が好ましい。
上記アンモニウム塩(B)のカチオン([R4N]+)は、特に、トリメチルプロピルアンモニウムイオンであるのが好ましい。
リチウム一次電池では、正極材料には、MnO2やCFx(x=0.9〜1.1)などが用いられ、負極材料には、リチウム金属などが用いられる。
リチウム二次電池では、正極材料には、LiCoO2、LiNiO2、LiMn2O4などのリチウム含有遷移金属酸化物などが用いられ、負極材料には、グラファイトやLi4Ti5O12などが用いられる。
上記の正極材料や負極材料は、単独で用いてもよく、複数の材料を混合して用いてもよい。
なお、負極材料としてのグラファイトは、非水電解液の組成により、リチウムイオンおよびアンモニウムイオンの吸蔵・放出を行うことができる。
リチウム塩とアンモニウム塩とを共存させて、高イオン濃度の電解液を調製した実施例を以下に示す。
《実施例1》
ECと、LiBF4と、TEA・BF4とを、EC/LiBF4/TEA・BF4=6/1/1のモル比で混合した。その結果、全塩濃度が2.4モル/kgの常温で単一な相の電解液を調製することができた。なお、目視によって、溶け残りの塩が浮遊していないことやにごりがなく透明であることを確かめることにより、電解液が単一な相であることを確認した。
γ−BLと、LiBF4と、TEA・BF4とを、γ−BL/LiBF4/TEA・BF4=4/1/1のモル比で混合した後、60℃で保持した。その結果、全塩濃度が3.1モル/kgの単一な相の電解液を調製することができた。なお、γ−BLとTEA・BF4を、γ−BL/TEA・BF4=4/1のモル比で混合した場合は、TEA・BF4は、60℃で溶解しきれずに溶液の上面に浮遊した。ここで、TEA・BF4がすべて溶解していたと仮定すると、塩濃度は1.8モル/kgの電解液が得られる。TEA・BF4は、LiBF4の存在によって溶解しやすくなるとともに、電解液中の塩濃度が少なくとも1.7倍になったことがわかる。
ECと、LiBF4と、TEMA・BF4とを、表1に示す種々の割合で混合した。このとき、調製された電解液の状態を表1に示す。なお、組成1−1、1−2、1−8、および1−9は比較例である。
溶媒としてECと、リチウム塩としてLiBF4と、アンモニウム塩としてTMA(テトラメチルアンモニウム)・BF4とを、表2に示す割合で混合した。このとき、調製された電解液の状態を表2に示す。
表3に示す非水溶媒を用いて、LiBF4とTEMA・BF4を、非水溶媒/LiBF4/TEMA・BF4=2/1/1のモル比で混合した。混合後の状態を表3に示す。
なお、非水溶媒と、LiBF4とを、非水溶媒/LiBF4=2/1のモル比で混合した場合、および非水溶媒と、TEMA・BF4とを、非水溶媒/TEMA・BF4=2/1のモル比で混合した場合は、いずれも塩をすべて溶媒に溶解させることはできなかった。
ECと、LiBF4と、TBA・BF4とを、EC/LiBF4/TBA・BF4=3/1/1のモル比で混合した。その結果、全塩濃度が2.9モル/kgである単一の相の電解液を調製することができた。なお、ECと、LiBF4とを、EC/LiBF4=3/1のモル比で混合した場合は、LiBF4は溶解しきれずに沈殿することから、TBA・BF4の存在によってLiBF4が溶解しやすくなったことがわかる。
ECと、LiBF4と、TMEA・BF4とを、EC/LiBF4/TMEA・BF4=2/1/1のモル比で混合した。その結果、全塩濃度が4.5モル/kgである単一の相の電解液を調製することができた。なお、ECと、LiBF4とを、EC/LiBF4=2/1のモル比で混合した場合は、LiBF4は溶解しきれずに沈殿することから、TMEA・BF4の存在によってLiBF4が溶解しやすくなったことがわかる。
ECと、LiBF4と、TMPA・BF4とを、EC/LiBF4/TMPA・BF4=1/1/1のモル比で混合した。その結果、全塩濃度が5.4モル/kgである単一の相の電解液を調製することができた。なお、ECと、TMPA・BF4とを、EC/TMPA・BF4=1/1のモル比で混合した場合は、TMPA・BF4は溶解しきれずに沈殿することから、LiBF4とTMPA・BF4が共存することによって、LiBF4およびTMPA・BF4が溶解しやすくなったことがわかる。
非水溶媒としてEC、DME、EME、またはDEEを用い、リチウム塩としてLiTFSIを用い、アンモニウム塩としてTEMA・TFSIまたはTMPA・TFSIを用いて、表4に示すように、非水溶媒と、LiTFSIと、アンモニウム塩とを、非水溶媒/LiTFSI/アンモニウム塩=1/1/1のモル比で混合した。混合後の状態を表4に示す。
なお、ECと、LiTFSIとを、EC/LiTFSI=1/1のモル比で混合した場合は、LiTFSIをすべてECに溶解させることはできなかった。また、DMEと、LiTFSIとを、DME/LiTFSI=1/1のモル比で混合した場合、およびEMEと、LiTFSIとを、EME/LiTFSI=1/1のモル比で混合した場合は、混合物は固体状になった。
ECと、LiClO4と、TMPA・ClO4とを、EC/LiClO4/TMPA・ClO4=2/1/1のモル比で混合した。その結果、全塩濃度が4.1モル/kgである単一の相の電解液を調製することができた。なお、ECとLiClO4とを、EC/LiClO4=3/1のモル比で混合した場合は、LiClO4は溶解しきれずに沈殿することから、TMPA・ClO4が存在することによって、LiClO4が溶解しやすくなったことがわかる。
次に、本発明の電解液を使用することにより、グラファイトへのリチウムイオンの電気化学的吸蔵・放出が可能になる例を示す。
充放電でリチウムイオンを吸蔵・放出する負極材料に人造黒鉛粉末を用い、以下のように負極を作製した。
人造黒鉛粉末75重量部と、導電剤としてアセチレンブラックを20重量部と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン樹脂5重量部とを、脱水N−メチル−2−ピロリドン中にて混合した。次に、この混合物を厚さ20μmの銅箔集電体の片面に、塗布した後、乾燥して厚さ80μmの活物質層を形成した。そして、活物質層を形成した銅箔集電体を35mm×35mmサイズに切り出し、リードのついた厚さ0.5mmの銅集電板に超音波溶接した。
試験極に上記で作製した負極を用い、対極および参照極にリチウム金属箔を用い、人造黒鉛粉末へのリチウムイオンの電気化学的挿入を試みた。挿入条件を雰囲気温度20℃および電流値0.03mA/cm2とした。
非水電解液に、ECと、LiTFSIと、TEMA・TFSIとを、EC/LiTFSI/TEMA・TFSI=6.7/1/1のモル比で混合したものを用いた。
上記の非水電解液を用いて、実施例10と同様の方法により、人造黒鉛粉末へのリチウムイオンの電気化学的挿入を試みた。
これは、比較例1では、電解液中に遊離するTEMAイオンの量が多いためであると考えられる。TEMAイオンはECに溶媒和されたリチウムイオンよりも小さいため、黒鉛層間に挿入されやすい。このため、リチウムイオンではなくTEMAイオンが黒鉛層間に挿入されることにより、黒鉛の層状構造が破壊されたと推測される。
非水電解液には、DMEと、LiTFSIと、TMPA・TFSIとを、DME/LiTFSI/TMPA・TFSI=1/1/1のモル比で混合したものを用いた。
上記の非水電解液を用い、試験極に実施例10の負極を用い、対極および参照極にリチウム金属箔を用い、人造黒鉛粉末へのリチウムイオンの電気化学的挿入と放出を試みた。挿入条件を雰囲気温度20℃および電流値0.03mA/cm2とし、カソード電気量を、人造黒鉛粉末に対して60mAh/gとした。また、放出条件を雰囲気温度20℃および電流値0.03mA/cm2とした。
非水電解液には、ECと、LiBF4と、TEMA・BF4とを、EC/LiBF4/TEMA・BF4=2/1/1のモル比で混合したものを用いた。
上記の非水電解液を用い、試験極に実施例10の負極を用い、対極および参照極にリチウム金属箔を用い、人造黒鉛粉末へのリチウムイオンの電気化学的挿入を試みた。挿入条件を、雰囲気温度20℃および電流値0.03mA/cm2とした。
非水電解液には、ECと、LiBF4と、TEMA・BF4とを、EC/LiBF4/TEMA・BF4=6.7/1/1のモル比で混合したものを用いた。
上記の非水電解液を用いて、実施例12と同様の方法により、人造黒鉛粉末へのリチウムイオンの電気化学的挿入を試みた。
非水電解液には、ECと、LiBF4と、TMPA・BF4とを、EC/LiBF4/TMPA・BF4=2/1/1のモル比で混合したものを用いた。
上記の非水電解液を用い、試験極に実施例10の負極を用い、対極および参照極にリチウム金属箔を用い、人造黒鉛粉末へのリチウムイオンの電気化学的挿入と放出を試みた。挿入条件を、雰囲気温度20℃および電流値0.03mA/cm2とし、カソード電気量を、人造黒鉛粉末に対して60mAh/gとした。また、放出条件を雰囲気温度20℃および電流値0.03mA/cm2とした。
非水電解液には、ECと、LiBF4と、TMEA・BF4とを、EC/LiBF4/TMEA・BF4=2/1/1のモル比で混合したものを用いた。
上記の非水電解液を用い、試験極に実施例10の負極を用い、対極および参照極にリチウム金属箔を用い、人造黒鉛粉末へのリチウムイオンの電気化学的挿入と放出を試みた。挿入条件を、雰囲気温度20℃および電流値0.03mA/cm2とし、カソード電気量を、人造黒鉛粉末に対して60mAh/gとした。また、放出条件を雰囲気温度20℃および電流値0.03mA/cm2とした。
非水電解液には、ECと、LiClO4と、TMPA・ClO4とを、EC/LiClO4/TMPA・ClO4=2/1/1のモル比で混合したものを用いた。
上記の非水電解液を用い、試験極に実施例10の負極を用い、対極および参照極にリチウム金属箔を用い、人造黒鉛粉末へのリチウムイオンの電気化学的挿入と放出を試みた。挿入条件を、雰囲気温度20℃および電流値0.03mA/cm2とし、カソード電気量を、人造黒鉛粉末に対して60mAh/gとした。また、放出条件を雰囲気温度20℃および電流値0.03mA/cm2とした。
次に、リチウム二次電池を組み立て、電池特性を確認した例を示す。
充放電時にリチウムイオンを吸蔵・放出する正極材料としてLiCoO2を用い、以下のように正極を作製した。
まず、LiCoO2粉末85重量部と、導電剤としてアセチレンブラック10重量部と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン樹脂5重量部とを混合し、これらを脱水N−メチル−2−ピロリドン中に分散させてスラリー状の正極合剤を調製した。
この正極合剤をアルミニウム箔からなる正極集電体上に塗布し、乾燥後、圧延して、正極集電体上に活物質層を形成した。そして、表面に活物質層が形成された正極集電体を35mm×35mmのサイズに切り出し、リードのついた厚さ0.5mmのアルミニウム集電板に超音波溶接して、正極を得た。
非水電解液には、ECと、LiTFSIと、TEMA・TFSIとを、EC/LiTFSI/TEMA・TFSI=2/1/1のモル比で混合したものを用いた。
ポリプロピレン製の不織布を介して、上記で得られた正極と、実施例10の負極とを対向させ、正極および負極をテープで固定し、これらを一体化した。この一体化物を筒状のアルミラミネートに納め、両極のリード部分において、一方の開口部を溶着した。そして、他方の開口部から上記で得られた非水電解液を滴下した。そして、10mmHg下で5秒間、脱気した後、他方の開口部を溶着して封止し、リチウム二次電池を得た。
実施例16と同様にして、リチウム二次電池を組み立てた。
非水電解液には、ECと、LiTFSIと、TEMA・TFSIとを、EC/LiTFSI/TEMA・TFSI=6.7/1/1のモル比で混合したものを用いた。
上記の非水電解液を用いた以外は、実施例16と同様の方法により、リチウム二次電池を作製して、充放電を行った。図5に、2サイクル目の充放電時における電池電圧の推移を示す。なお、図5中において、iは充電曲線を示し、jは放電曲線を示す。
よって、本発明の実施例16の非水電解液を用いることにより、高エネルギー密度のリチウム二次電池が得られた。
次に、非水電解液中にC=C不飽和結合を有する環状カーボネートを添加し、リチウム二次電池の特性が向上した例を示す。
以下に示す2種類の電池を作製した。
1つは、電解液に、ECと、LiTFSIと、TEMA・TFSIとを、EC/LiTFSI/TEMA・TFSI=2/1/1のモル比で混合したものを用いた。この非水電解液を使用した以外は、実施例16と同様の方法によりリチウム二次電池18Aを作製した。
もう1つは、電解液に、ECと、Vecと、LiTFSIと、TEMA・TFSIとを、EC/Vec/LiTFSI/TEMA・TFSI=1.9/0.1/1/1のモル比で混合したものを用いた。この非水電解液を使用した以外は、実施例10と同様の方法によりリチウム二次電池18Bを作製した。
容量維持率は、電池18Aでは0.93であり、電池18Bでは0.97であった。非水電解液にVecを添加することで、容量維持率が向上することがわかる。なお、本実施例ではC=C不飽和結合を有する環状カーボネートにVecを用いたが、他のC=C不飽和結合を有する環状カーボネートまたは鎖状カーボネートを用いた場合にも同様な結果が得られる。
次に電解液にLiPF6を添加し、リチウム二次電池の特性を調べた。
以下に示す2種類のリチウム二次電池を作製した。
1つは、非水電解液に、ECと、LiTFSIと、TEMA・TFSIとを、EC/LiTFSI/TEMA・TFSI=4/1/1のモル比で混合したものを用い、この非水電解液を使用した以外は実施例16と同様の方法によりリチウム二次電池19Aを作製した。
電池19Aでは、5サイクルを経過すると集電体であるアルミニウムが腐食し、充放電ができなくなった。一方、電池19Bの容量維持率は0.94であった。
よって、非水電解液にLiPF6を添加することで、容量維持率が向上することがわかる。なお、本実施例ではLiPF6を添加した場合を用いたが、他のリチウム塩を添加した場合にも同様な結果が得られる。
次に、リチウム一次電池を構成し、保存特性の評価を行った。
リチウム一次電池を次の手順で組み立てた。
正極材料にγ/β−MnO2を用いた以外は、実施例16と同様の方法により正極を作製した。
リチウム金属箔を35mm×35mmのサイズに切り出した後、リードのついた厚さ0.5mmの銅集電板に圧着して負極を作製した。
非水電解液には、ECと、LiTFSIと、TEMA・TFSIとを、EC/LiTFSI/TEMA・TFSI=2/1/1のモル比で混合したものを用いた。
非水電解液には、ECと、LiTFSIと、TEMA・TFSIとを、EC/LiTFSI/TEMA・TFSI=6.7/1/1のモル比で混合したものを用いた。そして、この非水電解液を用いた以外は、実施例19と同様の方法により、リチウム一次電池を作製し、保存前後の内部インピーダンスの変化を調べた。
次に、正極にキャパシタで使用される分極性電極、および負極にリチウム二次電池で使用される黒鉛電極を用いたハイブリッドキャパシタについて評価を行った。
分極性電極を以下に示す手順で作製した。
フェノール樹脂を用いて得られた比表面積1700m2/gの活性炭粉末と、導電剤としてアセチレンブラックと、結着剤としてカルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩と、分散媒として水およびメタノールとを、重量比10:2:1:100:40の割合で混合した。この混合物を厚さ20μmのアルミニウム箔製の集電体の片面に、塗布した後、乾燥して厚さ80μmの活物質層を形成した。これを35mm×35mmのサイズに切断した後、リードのついた厚さ0.5mmのアルミニウム集電板に超音波溶接した。
非水電解液には、ECと、LiTFSIと、TEMA・TFSIとを、EC/LiTFSI/TEMA・TFSI=4/1/1のモル比で混合したものを用いた。
非水電解液として、ECと、LiBF4と、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウム・ビス[トリフルオロメタンスルフォニル]イミド(以下、DEME・BF4と略記)とを、EC/LiBF4/DEME・BF4=4/1/1のモル比で混合したものを用いた。この非水電解液を用いた以外は、実施例20と同様の方法により、ハイブリッドキャパシタを組み立て、容量の推移を調べた。
よって、本発明の電解液を用いることにより、サイクル寿命の長いハイブリッドキャパシタを得ることができる。
次に、正極および負極に分極性電極を用いた電気二重層キャパシタについて評価を行った。
分極性電極は、実施例20と同様の手順で作製した。
2枚の分極性電極を、ポリプロピレン製の不織布からなるセパレータを介して対向させたものを、アルミニウムラミネートチューブ内に収納して電気二重層キャパシタとした。
非水電解液には、ECと、LiClO4と、TMPA・ClO4とを、EC/LiClO4/TEMA・ClO4=2/1/1のモル比で混合したものを用いた。
組み立てた電気二重層キャパシタを用いて、雰囲気温度20℃および電流値0.3mA/cm2で、2.0〜3.2Vの電圧範囲において充放電を行った。20サイクル後のキャパシタの充放電効率は、およそ96%であった。なお、充放電効率は、20サイクル目における充電容量に対する放電容量の割合である。
非水電解液として、ECと、LiBF4と、DEME・BF4とを、EC/LiBF4/DEME・BF4=4/1/1のモル比で混合したものを用いた。この非水電解液を用いた以外は、実施例21と同様の方法により、電気二重層キャパシタを組み立て、充放電効率を測定した。
その結果、20サイクル後の充放電効率は67%であった。これは、比較例5と同様の理由で、分極性電極である正極の電位が過充電状態になり、電解液が酸化分解されたためと推定される。
よって、本発明の電解液を用いることにより、高電圧で充放電サイクルを行っても、充放電効率の高い電気二重層キャパシタを得ることができる。
Claims (9)
- リチウム塩(A)と、第4級アンモニウム塩(B)と、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメトキシエタン、エトキシメトキシエタン、およびジエトキシエタンからなる群より選択された少なくとも1種からなる溶媒(C)とを含む非水電解液であって、
前記アンモニウム塩(B)における窒素原子に結合する4つの基が、それぞれ独立してC n H 2n+1 (n=1〜4)で表される直鎖状アルキル基であり、
前記リチウム塩(A)に対する前記溶媒(C)のモル比C/A、または前記アンモニウム塩(B)に対する前記溶媒(C)のモル比C/Bが6以下であり、
前記リチウム塩(A)に対する前記アンモニウム塩(B)のモル比B/Aが、1/0.6〜0.6/1であり、
単一の相からなることを特徴とする非水電解液。 - 前記リチウム塩(A)に対する前記溶媒(C)のモル比C/A、または前記アンモニウム塩(B)に対する前記溶媒(C)のモル比C/Bが4以下である請求項1記載の非水電解液。
- 前記リチウム塩(A)のアニオンは、BF4 -、ビス[トリフルオロメタンスルフォニル]イミドイオン、およびClO4 -からなる群より選択された少なくとも1種である請求項1または2記載の非水電解液。
- 前記リチウム塩(A)が、
LiBF4、リチウムビス[トリフルオロメタンスルフォニル]イミド、およびLiClO4からなる群より選択された少なくとも1種と、
LiPF6、リチウムビス[ペンタフルオロエタンスルホニル]イミド、リチウム[トリフルオロメタンスルホニル][ノナフルオロブタンスルホニル]イミド、リチウムシクロヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス[スルホニル]イミド、リチウムビス[オキサレート(2−)]ボレート、リチウムトリフルオロメチルトリフルオロボレート、およびリチウムペンタフルオロエチルトリフルオロボレートからなる群より選択されるリチウム塩と、を含む請求項3記載の非水電解液。 - 前記アンモニウム塩(B)のアニオンは、BF4 -、ビス[トリフルオロメタンスルフォニル]イミドイオン、およびClO4 -からなる群より選択された少なくとも1種である請求項1〜4のいずれか1項に記載の非水電解液。
- 前記アンモニウム塩(B)のカチオンは、トリメチルプロピルアンモニウムイオンである請求項1〜5のいずれか1項に記載の非水電解液。
- さらに、添加剤として、C=C不飽和結合を有する環状カーボネートまたはC=C不飽和結合を有する鎖状カーボネートを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の非水電解液。
- 前記リチウム塩(A)に対する前記溶媒(C)および前記添加剤の混合溶媒(C’)のモル比C’/A、または前記アンモニウム塩(B)に対する前記溶媒(C)および前記添加剤の混合溶媒(C’)のモル比C’/Bが6以下である請求項7記載の非水電解液。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の非水電解液と、正極と、負極とを具備することを特徴とする電気化学エネルギー蓄積デバイス。
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