JP5154463B2 - 作業機の通信システム - Google Patents
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Description
特許文献1には、操作部材の操作量とこの操作量に対応して作動信号とは別に仮想的に定められた仮想制御量との関係が示された仮想制御量変換マップと、仮想制御量の上限値を多段のレベルに分けた制御量上限変換マップと、仮想制御量を作動信号に変換する実制御変換マップとを備えた制御装置が開示されている。
特許文献2には、作業機が位置する地域に応じて少なくとも表示項目が異なる地域別表示画面を構築して、これらの地域別表示画面を選択して表示できるようにする表示態様構成手段と、GPS衛星から出力される電波に基づいて作業機が位置する地域を判定する現在位置判定手段と、この現在位置判定手段により判定された作業機の地域に応じた地域別表示画面を表示態様構成手段より選択し、選択採用された表示画面で作業機の表示装置に表示制御を行なう表示制御手段とを有する表示制御装置が開示されている。
また、特許文献2は、GPS衛星から出力される電波に基づいて作業機が位置する地域を判定して、当該作業機の地域に応じて表示画面の文字等の言語を制御するものである。このような表示制御装置においても、言語を追加する場合には、表示制御装置を作業機から取り外して、当該表示制御装置を書込装置に接続することによって、プログラムやデータの更新を行っているのが実情である。
本発明は上記問題点に鑑み、作業機内に設けられた複数の作業機用制御装置に対して、プログラム等の更新を簡単に行うことができる作業機の通信システムを提供することを目的としたものである。
図4は本発明の作業機の通信システムにおける作業機を示している。なお、本発明の作業機の通信システムは、この実施の形態の作業機に限定されない。
図4に示すように、作業機(バックホー)1は、下部の走行装置2と、上部の旋回体3とを備えている。
走行装置2は、ゴム製覆帯を有する左右一対の走行体4を備え、両走行体4を走行モータMで駆動するようにしたクローラ式走行装置が採用されている。また、該走行装置2の前部にはドーザ5が設けられている。
作業装置13は、旋回台12の前部に左右方向の中央部よりやや右寄りにオフセットして設けられた支持ブラケット16に上下方向の軸心回りに左右揺動自在に支持されたスイングブラケット17と、該スイングブラケット17に基部側を左右方向の軸心廻りに回動自在に枢着されて上下揺動自在に支持されたブーム18と、該ブーム18の先端側に左右方向の軸心廻りに回動自在に枢着されて前後揺動自在に支持されたアーム19と、該アーム19の先端側にスクイ・ダンプ動作可能に設けられたバケット20とを備えている。
作業機用通信システムは、作業機1に備えられた複数の作業機用制御装置(コントローラ)25と、この複数の作業機用制御装置25を通信可能に接続する車両用通信ネットワーク26とを備えたものである。車両用通信ネットワーク26とは、Controller Area Network、即ち、CAN通信であって、当該CAN通信26により複数の作業機用制御装置25は互いにデータの送受信が行えるようになっている。
図1に示すように、作業機用制御装置25は、作業機1を動作させるための電子電気機器類である。例えば、この実施形態では、3つの作業機用制御装置25が作業機1に備えられている。
メイン制御装置25Aには、スイングシリンダ、ブームシリンダ22、アームシリンダ23、バケットシリンダ21などの各種アクチュエータを操作する操作部材(例えば、操作レバー15や操作スイッチ)の操作量、ガバナセンサからのガバナ角度(ガバナ位置)、アクセルレバーの操作量(角度)、アイドルスイッチ(AI-SW)のオン信号/オフ信号、エンジン回転センサからのエンジン回転数などの各種制御信号が入力される。
具体的には、メイン制御装置25AによるAI制御では、操作レバー15を中立位置にしてアイドルスイッチのオン信号が入力されると、アクセルレバーの操作量に関わらず、オートアイドルモータにアイドル信号を出力してオートアイドルモータを駆動し、エンジン回転数をアイドル回転数にする。また、メイン制御装置25AによるAI制御では、操作レバー15を前後又は左右に揺動してアイドルスイッチのオフ信号を入力すると、アクセル位置の信号に基づきオートアイドルモータに作動信号を出力してオートアイドルモータを駆動する。オートアイドルモータを駆動するとガバナレバーが作動しエンジン回転数が、アクセルレバーに対応した回転数になる。
メイン制御装置25Aによる流量制御では、例えば、操作レバー15を中立位置より一方(左側)に揺動させて左側の操作量を入力すると、操作したアクチュエータに対応する電磁比例弁のソレノイドに所定値の電流(作動信号)を出力する。そうすると、電磁比例弁は電流値に応じて開き、操作したアクチュエータに対応する制御弁のパイロット圧が制御され、アクチュエータが一方に動作する。なお、操作レバー15を中立位置より上記とは反対側に揺動させて右側の操作量を入力すると、左側に揺動したときとは反対側にアクチュエータを動作させる。
第2作業機用制御装置25B(サブ制御装置)は、入力された各種制御信号等に基づいて、ブームの高さ制御やアームの角度制御を行うものである。具体的には、サブ制御装置25Bには、アームの角度、ブームの角度などの各種制御信号が入力される。
第3作業機用制御装置25C(表示制御装置ということがある)は、運転席9の周囲に配置されていて、作業機1の駆動に関連する情報(データ)が入力され、当該入力された情報を表示するようになっている。例えば、表示制御装置25Cには、キーSW(イグニッションスイッチ)のオン信号/オフ信号、エンジンの回転数、燃料センサが検出した燃料量、水温センサが検出した水温等の情報が入力される。そして、表示制御装置25Cは、イグニッションスイッチのオン/オフ、エンジン回転数、燃料、水温等の情報を液晶パネル等の表示部31に表示する。上述したような情報の表示は、表示制御装置25Cに設けられてCPUやMPUから構成された制御部32により行われる。表示制御装置25Cは、フラッシュROM等の不揮発性メモリ(記憶部36)を備えている。この記憶部30に、上述した情報を表示部31に表示させるためのプログラム(制御プログラムということがある)や表示するためのデータ(制御データであって、例えば、表示に使用する画像や情報に対応する国言語データなど)が格納されている。この制御プログラムは、例えば、各種情報に対して、表示位置、表示色、表示言語の態様等を制御するためのプログラムである。制御プログラムに従って制御部32が動作することにより上述した各種制御が行われる。
さて、上述したようなメイン制御装置25A、サブ制御装置25B、表示制御装置25Cなどの作業機用制御装置25は、内蔵(格納)されている制御プログラムや制御データを新しいプログラムに更新(変更)しなければならないことがある。
作業機用制御装置25に格納されている制御プログラムや制御データを更新する場合には、パーソナルコンピュータ等で構成された書込装置(ライター)34を作業機1側に接続して、書込装置34から更新プログラムや更新データを作業機1内の作業機用制御装置25に送信しなければならない。
以下、ゲートウェイ機能を有するメイン制御装置について詳しく説明する。
第1通信ポート40は、メイン制御装置25Aに取り込まれたデータ等をサブ制御装置25Bや表示制御装置25Cに向けて送信したり、サブ制御装置25Bや表示制御装置25Cから送信されたデータ等をメイン制御装置25Aに取り込むためのものである。
メイン制御装置25Aの記憶部28には、サブ制御装置25Bや表示制御装置25Cと区別するための特定コード(例えば、IDコード)が格納されている。なお、サブ制御装置25Bの記憶部30や表示制御装置25Cの記憶部36にも、他の制御装置と区別するための特定コード(例えば、IDコード)が格納されている。
詳しくは、メイン制御装置25Aの制御部27は、第2通信ポート41に入力された更新プログラム及び/又は更新データが、当該メイン制御装置25Aの記憶部28に記憶されている制御プログラムや制御データを更新するためのものであれば、当該更新プログラム及び/又は更新データをメイン制御装置25Aの記憶部28に書き込む動作をする。
メイン制御装置25Aの制御部27は、変換手段45と、照合手段46と、書込手段47と、送信手段48とを備えている。
照合手段46は、更新プログラム及び/又は更新データとは別に書込装置34から送られてきた認証コードと、記憶部30に格納されている特定コード(IDコード)とを照合するものである。認証コードは、更新プログラム及び/又は更新データを書き込む先を指定するものである。即ち、認証コードは、更新プログラム及び/又は更新データがメイン制御装置25Aに対するものであれば当該メイン制御装置25Aに対応したコード(例えば、メイン制御装置25Aの記憶部28に記憶されているIDコードと同じコード)となり、更新プログラム及び/又は更新データがサブ制御装置25Bに対するものであれば当該サブ制御装置25Bに対応したコードとなり、更新プログラム及び/又は更新データが表示制御装置25Cであれば当該表示制御装置25Cに対応したコードとなる。
送信手段48は、照合手段46による照合が不成立の際には、即ち、第2通信ポート41に入力された認証コードと、メイン制御装置25Aの記憶部28に格納されている特定コードとが一致しない場合、第2通信ポート41に入力されて変換手段45によりCAN通信26の通信プロトコルに変換された更新プログラム及び/又は更新データをメイン制御装置25Aの第1通信ポート40に出力して当該メイン制御装置25Aとは別のサブ制御装置25Bや表示制御装置25Cに送信する。この送信手段48は、第1通信ポート40から更新プログラム及び/又は更新データを出力する際には、書込装置34から送信された認証コードも出力する。
メイン制御装置25Aの第1通信ポート40に出力された更新プログラム及び/又は更新データと、認証コードとは、CAN通信26を介してサブ制御装置25Bや表示制御装置25Cに入力される。具体的には、更新プログラム及び/又は更新データと認証コードとは、サブ制御装置25Bに設けられてCAN通信26に接続するための入出力部33Bに入力される。
サブ制御装置25Bは、予めサブ制御装置25Bの記憶部30に記憶された特定コード(IDコード)と、CAN通信26を経てメイン制御装置25Aから送信された認証コードとが一致すれば、入出力部33Bに入力された更新プログラム及び/又は更新データを記憶部30に格納し、これにより、予め記憶部30に格納されていた制御プログラム及び/又は制御データを新しいものに更新する。
図2は、メイン制御装置の制御プログラムを更新する場合のフローチャート(プログラム更新方法)を示したものである。
書込装置34からメイン制御装置25Aに対応する認証コードを送信すると共に、メイン制御装置25Aに予め格納されている制御プログラムを更新するための更新プログラムを送信する(S2:認証コード及び更新プログラムの送信)。メイン制御装置25Aの照合手段46により、認証コードと特定コードとが一致しているか否かを検証する(S3)。
図3は、サブ制御装置の制御プログラムを更新する場合のフローチャート(プログラム更新方法)を示したものである。
RS−232C用のケーブル42の一端をパーソナルコンピュータ等から構成された書込装置34に接続すると共に、RS−232C用のケーブル42の他端を作業機1のメイン制御装置25Aの第2通信ポート41に接続する(S10:書込装置34とメイン制御装置25Aとを接続する)。
メイン制御装置25Aの照合手段46による照合が不成立(コードが一致していない)であれば、まず、変換手段45により、RS−232Cのケーブル42を介して書込装置34から送られてきた更新プログラム及び認証コードをCAN通信26にて送信可能となるように更新プログラムの信号をCAN通信26の規格に対応した信号に変換する(S13)。
サブ制御装置25Bが、メイン制御装置25Aから送信された認証コードを受信すると、当該サブ制御装置25Bは、予めサブ制御装置25Bの記憶部30に記憶された特定コード(IDコード)と、CAN通信26を経てメイン制御装置25Aから送信された認証コードとを照合する(S15)。照合が成立すれば、サブ制御装置25Bは、更新プログラムを当該サブ制御装置25Bの記憶部30に格納して制御プログラムを書き換える(S16)。
作業機1の通信システムによれば、作業機1内に設けられた作業機用制御装置25の1つであるメイン制御装置25Aがゲートウェイ制御装置とされていて、当該メイン制御装置25Aの制御部27が、第2通信ポート41に入力された更新プログラム及び/又は更新データを、当該メイン制御装置25Aに書き込む動作とメイン制御装置25Aとは別のサブ制御装置25B又は表示制御装置25Cに送信するために第1通信ポート40に出力する出力動作を行う。
即ち、メイン制御装置25Aに更新プログラム及び/又は更新データを送信するだけで、作業機1内の複数の作業機用制御装置25におけるプログラムやデータの更新を簡単に行えることができる。
また、メイン制御装置25Aに書込装置34を接続すれば、更新プログラム及び/又は更新データの更新が容易に行うことができるため、更新プログラム及び/又は更新データの更新のために、作業機1を工場やサービスセンター等にわざわざ移動させなくてもよく、場所を選ばずに容易に更新作業を行うことができる。
上記の実施形態では、AI制御や流量制御を行うメイン制御装置25Aと、ブームの高さ制御やアームの角度制御を行うサブ制御装置25Bと、作業機1の各種情報を表示する表示制御装置25Cとについて説明したが、これらの制御装置は、作業機1を制御する制御装置であれば何でも良い。例えば、作業機用制御装置は、作業機1のエンジンを制御するエンジンコンピュータユニット(ECU)であってもよい。また、AI制御、流量制御、ブームの高さ制御、アームの角度制御を行う制御装置は、それぞれ個別に独立したユニット(装置)であってもよい。また、作業機用制御装置25の少なくとも1つが、CAN通信26(車両用通信ネットワーク26)に接続するための第1通信ポート40と、CAN通信26(車両用通信ネットワーク26)とは異なる通信に接続するための第2通信ポート41とを備えたゲートウェイ制御装置あればよく、その台数は限定されない。
上記の実施形態では、第2通信ポート41は、例示としてRS−232Cに接続するためのものであるとしているが、例えば、LANを接続するものであっても、USB(Universal Serial Bus)であっても、それ以外のものであってもよい。
25 作業機用制御装置
26 車両用通信ネットワーク
27 制御部
40 第1通信ポート
41 第2通信ポート
Claims (1)
- 車両用通信ネットワークに接続された複数の作業機用制御装置を備えた作業機の通信システムであって、
前記各作業機用制御装置は、作業機内で前記車両用通信ネットワークにより接続され且つ作業機の動作時には車両用通信ネットワークを介して互いに通信が行えるように構成されており、
前記作業機用制御装置の少なくとも1つは、前記車両用通信ネットワークに接続するための第1通信ポートと、前記車両用通信ネットワークとは異なる外部の通信に接続するための第2通信ポートとを備えたゲートウェイ制御装置とされ、
前記ゲートウェイ制御装置は、前記第2通信ポートに入力された更新プログラム及び/又は更新データを、当該ゲートウェイ制御装置に書き込む動作と当該ゲートウェイ制御装置とは別の作業機用制御装置に送信するために第1通信ポートに出力する出力動作とを行う制御部と、プログラム及び/又はデータを記憶すると共に特定するための特定コードを記憶する記憶部とを備えており、
前記制御部は、第2通信ポートに入力された更新プログラム及び/又は更新データを前記車両用通信ネットワークの通信プロトコルに対応するように変換する変換手段と、
前記更新プログラム及び/又は更新データとは別に前記第2通信ポートに入力された認証コードと前記記憶部の特定コードとを照合する照合手段と、
前記照合手段による照合が成立した際には、前記第2通信ポートに入力された更新プログラム及び/又は更新データをゲートウェイ制御装置の記憶部に格納する書込手段と、
前記照合手段による照合が不成立の際には、第2通信ポートに入力されて変換手段により車両用通信ネットワークの通信プロトコルに変換された更新プログラム及び/又は更新データを、ゲートウェイ制御装置の第1通信ポートに出力して当該ゲートウェイ制御装置とは別の作業機用制御装置に送信する送信手段とを備えていることを特徴とする作業機の通信システム。
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