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JP5151005B2 - ポジ型感光性樹脂組成物、半導体装置及び表示素子、並びに半導体装置及び表示素子の製造方法 - Google Patents

ポジ型感光性樹脂組成物、半導体装置及び表示素子、並びに半導体装置及び表示素子の製造方法 Download PDF

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JP5151005B2 JP2005036560A JP2005036560A JP5151005B2 JP 5151005 B2 JP5151005 B2 JP 5151005B2 JP 2005036560 A JP2005036560 A JP 2005036560A JP 2005036560 A JP2005036560 A JP 2005036560A JP 5151005 B2 JP5151005 B2 JP 5151005B2
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Description

本発明は、ポジ型感光性樹脂組成物、半導体装置及び表示素子、並びに半導体装置及び表示素子の製造方法に関するものである。
従来から半導体素子の表面保護膜、層間絶縁膜には、耐熱性に優れ又卓越した電気特性、機械特性等を有するポリイミド樹脂が用いられているが、近年半導体素子の高集積化、大型化、半導体装置の薄型化、小型化、半田リフローによる表面実装への移行等により耐熱サイクル性、耐熱ショック性等の特性に対する著しい向上の要求があり、ポリイミド樹脂に対して更なる高性能が必要とされるようになってきた。
一方、ポリイミド樹脂自身に感光性を付与する技術が注目を集めてきており、例えば、下記式(8)に示される感光性ポリイミド樹脂が挙げられる。
これを用いるとパターン作成工程の一部が簡略化でき、工程短縮及び歩留まり向上の効果はあるが、現像の際にN−メチル−2−ピロリドン等の溶剤が必要となるため、安全性、取扱い性に問題がある。
そこで最近、アルカリ水溶液で現像ができるポジ型感光性樹脂組成物が開発されている。例えば、特許文献1にはベース樹脂であるポリベンゾオキサゾール前駆体と感光材であるジアゾキノン化合物より構成されるポジ型感光性樹脂組成物が開示されている。これは高い耐熱性、優れた電気特性、微細加工性を有し、ウェハーコート用のみならず層間絶縁用樹脂組成物としての可能性も有している。このポジ型感光性樹脂組成物の現像メカニズムは以下のようになっている。未露光部のジアゾキノン化合物はアルカリ水溶液に不溶であり、ベース樹脂と相互作用することでこれに対し耐性を持つようになる。一方、露光することによりジアゾキノン化合物は化学変化を起こし、アルカリ水溶液に可溶となり、ベース樹脂を溶解させる。この露光部と未露光部との溶解性の差を利用し、露光部を溶解除去することにより未露光部のみの塗膜パターンの作成が可能となるものである。
また、これらの感光性樹脂組成物を実際に使用する場合、作製した硬化膜の物性も重要である。硬化膜の耐溶剤性、耐リフロー性、膜物性等に優れる感光性樹脂組成物の開発が強く望まれている。
特公平1−46862号公報
本発明は、硬化膜の膜物性に優れたポジ型感光性樹脂組成物並びに半導体装置及び表示素子を提供するものである。
このような目的は、下記[1]〜[15]に記載の本発明により達成される。
[1] アルカリ可溶性樹脂(A)及び環状イミノエーテル構造を有する化合物(B)を含むことを特徴とする樹脂組成物。
[2] 更に光により酸を発生する化合物(C)を含むことを特徴とする[1]記載のポジ型感光性樹脂組成物。
[3] 光により酸を発生する化合物(C)が、フェノール化合物と、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸又は1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸とのエステル化合物である[2]記載のポジ型感光性樹脂組成物。
[4] 更にフェノール性水酸基を有する化合物(D)を含むことを特徴とする[2]又は[3]記載のポジ型感光性樹脂組成物。
[5] フェノール性水酸基を有する化合物(D)が、式(1)の群より選ばれてなる[4]に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
[6] アルカリ可溶性樹脂(A)が、ポリベンゾオキサゾール構造、ポリベンゾオキサゾール前駆体構造、ポリイミド構造、ポリイミド前駆体構造又はポリアミド酸エステル構造であって、これらを単独又は2種類以上含んでなる[2]〜[5]記載のポジ型感光性樹脂組成物。
[7] アルカリ可溶性樹脂(A)が、一般式(4)で示される構造を含むポリアミド樹脂である[2]〜[6]記載のポジ型感光性樹脂組成物。
[8] 一般式(4)で示される構造を含むポリアミド樹脂中のXが、式(5)の群より選ばれてなる[7]記載のポジ型感光性樹脂組成物。
[9] 一般式(4)で示される構造を含むポリアミド樹脂中のYが、式(6)及び(7)の群より選ばれてなる[7]又は[8]記載のポジ型感光性樹脂組成物。
[10] 一般式(4)で示される構造を含むポリアミド樹脂が、アルケニル基又はアルキニル基を少なくとも1個有する脂肪族基又は環式化合物基を含む誘導体によって末端封止されたものである[7]〜[9]のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
[11] [2]〜[10]のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物を基板上に塗布して組成物層を形成する工程と、該組成物層に活性エネルギー線を照射して現像液と接触させてパターンを形成する工程と、該組成物を加熱する工程を有することを特徴とするパターン状樹脂膜の製造方法。
[12] [2]〜[10]のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物を用いて製作されてなることを特徴とする半導体装置。
[13] [2]〜[10]のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物を用いて製作されてなることを特徴とする表示素子。
[14] [2]〜[10]のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物を加熱脱水閉環後の膜厚が、0.1〜30μmになるように半導体素子上に塗布し、プリベーク、露光、現像、加熱して得られることを特徴とする半導体装置の製造方法。
[15] [2]〜[10]のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物を加熱脱水閉環後の膜厚が、0.1〜30μmになるように表示素子用基板上に塗布し、プリベーク、露光、現像、加熱して得られることを特徴とする表示素子の製造方法。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、膜減りが少なく、パターン形状の崩れがなく、更に露光部の感光性樹脂組成物の残り(スカム)がない特性を有する高感度で高解像度、かつ硬化膜物性に優れるという特徴を有している。
本発明で用いるアルカリ可溶性樹脂(A)としては、ポリベンゾオキサゾール前駆体構造、ポリイミド構造、ポリイミド前駆体構造又はポリアミド酸エステル構造であって、主鎖又は側鎖に水酸基、カルボキシル基、又はスルホン酸基を持つ樹脂であり、クレゾール型ノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレン、一般式(4)で示される構造を含むポリアミド樹脂等が挙げられるが、最終加熱後の耐熱性の点から一般式(4)で示される構造を含むポリアミド樹脂が好ましい。
一般式(4)で示される構造を含むポリアミド樹脂中のXは、2〜4価の有機基を表し、R7は、水酸基、O−R9で、mは0〜2の整数、これらは同一でも異なっていても良い。Yは、2〜6価の有機基を表し、R8は水酸基、カルボキシル基、O−R9、COO−R9で、nは0〜4の整数、これらは同一でも異なっていても良い。ここでR9は炭素数1〜15の有機基である。但し、R7として水酸基がない場合は、R8は少なくとも1つはカルボキシル基でなければならない。又R8としてカルボキシル基がない場合は、R7は少なくとも1つは水酸基でなければならない。
一般式(4)で示される構造を含むポリアミド樹脂は、例えば、Xの構造を有するジアミン或いはビス(アミノフェノール)、2,4−ジアミノフェノール等から選ばれる化合物、必要により配合されるZの構造を有するシリコーンジアミンとYの構造を有するテトラカルボン酸無水物、トリメリット酸無水物、ジカルボン酸或いはジカルボン酸ジクロリド、ジカルボン酸誘導体、ヒドロキシジカルボン酸、ヒドロキシジカルボン酸誘導体等から選ばれる化合物とを反応して得られるものである。なお、ジカルボン酸の場合には反応収率等を高めるため、1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール等を予め反応させた活性エステルの型のジカルボン酸誘導体を用いてもよい。
一般式(4)で示される構造を含むポリアミド樹脂において、Xの置換基としてのO−R9、Yの置換基としてのO−R9、COO−R9は、水酸基、カルボキシル基のアルカリ水溶液に対する溶解性を調節する目的で、炭素数1〜15の有機基で保護された基であり、必要により水酸基、カルボキシル基を保護しても良い。R9の例としては、ホルミル基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ターシャリーブチル基、ターシャリーブトキシカルボニル基、フェニル基、ベンジル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基等が挙げられる。
このポリアミド樹脂を約250〜400℃で加熱すると脱水閉環し、ポリイミド、又はポリベンゾオキサゾール、或いは両者の共重合という形で耐熱性樹脂が得られる。
本発明の一般式(4)で示される構造を含むポリアミド樹脂のXは、例えば、
等であるがこれらに限定されるものではない。
これら中で特に好ましいものとしては、
より選ばれるものであり、又2種以上用いても良い。
又一般式(4)で示される構造を含むポリアミド樹脂のYは、例えば、
等であるがこれらに限定されるものではない。
これらの中で特に好ましいものとしては、
より選ばれるものであり、又2種以上用いても良い。
又、本発明においては、保存性という観点から、末端を封止する事が望ましい。封止にはアルケニル基又はアルキニル基を少なくとも1個有する脂肪族基又は環式化合物基を有する誘導体を一般式(4)で示されるポリアミドの末端に酸誘導体やアミン誘導体として導入することができる。具体的には、Xの構造を有するジアミン或いはビス(アミノフェノール)、2,4−ジアミノフェノール等から選ばれる化合物、必要により配合されるZの構造を有するシリコーンジアミンとYの構造を有するテトラカルボン酸無水物、トリメリット酸無水物、ジカルボン酸或いはジカルボン酸ジクロライド、ジカルボン酸誘導体、ヒドロキシジカルボン酸、ヒドロキシジカルボン酸誘導体等から選ばれる化合物とを反応させて得られた一般式(4)で示される構造を含むポリアミド樹脂を合成した後、該ポリアミド樹脂中に含まれる末端のアミノ基をアルケニル基又はアルキニル基を少なくとも1個有する脂肪族基又は環式化合物基を含む酸無水物又は酸誘導体を用いてアミドとしてキャップすることが好ましい。アミノ基と反応した後のアルケニル基又はアルキニル基を少なくとも1個有する脂肪族基又は環式化合物基を含む酸無水物又は酸誘導体に起因する基としては、例えば、
等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらの中で特に好ましいものとしては、
より選ばれるものであり、これらは2種以上用いても良い。またこの方法に限定される事はなく、該ポリアミド樹脂中に含まれる末端の酸をアルケニル基又はアルキニル基を少なくとも1個有する脂肪族基又は環式化合物基を含むアミン誘導体を用いてアミドとしてキャップすることもできる。
更に、必要によって用いる一般式(4)で示される構造を含むポリアミド樹脂のZは、例えば
等であるがこれらに限定されるものではなく、又2種以上用いても良い。
一般式(4)で示される構造を含むポリアミド樹脂のZは、例えば、シリコンウェハーのような基板に対して、特に優れた密着性が必要な場合に用いるが、その使用割合cは最大40モル%までである。40モル%を越えると露光部の樹脂の溶解性が極めて低下し、現像残り(スカム)が発生し、パターン加工ができなくなるので好ましくない。
本発明で用いる環状イミノエーテル構造を有する化合物(B)は、例えば、
等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、これらの化合物の環状イミノエーテル構造を有する化合物をカルボン酸、水酸基、アミノ基、チオール基を有する化合物であらかじめ反応させて用いても良い。例えば、
等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらの中で特に好ましいものとしては、
より選ばれるものであり、これらは2種以上用いても良い。
本発明で用いる環状イミノエーテル構造を有する化合物(B)の好ましい添加量は、アルカリ可溶性樹脂100重量部に対して0.1〜50重量部である。更に好ましくは0.5〜20重量部である。0.1重量部を下回ると吸水率やのびなどのフィルム物性が低下し、50重量部を超えると(B)成分が析出したり、感度が極端に低下するなどの問題を生ずる。
本発明で用いる光により酸を発生する化合物(C)は、例えば、オニウム塩、ハロゲン化有機化合物、キノンジアジド化合物、α,α−ビス(スルホニル)ジアゾメタン系化合物、α−カルボニル−α−スルホニル−ジアゾメタン系化合物、スルホン化合物、有機酸エステル化合物、有機酸アミド化合物、有機酸イミド化合物等が挙げられる。オニウム塩の具体例としては、未置換、対称的にまたは非対称的に置換されたアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、芳香族基、ヘテロ環状基を有するジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ヨ−ドニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、アルソニウム塩、オキソニウム塩等が挙げられる。これらオニウム塩の対アニオンの具体例としては、対アニオンを形成できる化合物であれば、特に限定されるものではないが、ホウ素酸、砒素酸、燐酸、アンチモン酸、スルホン酸、カルボン酸、あるいはこれらのハロゲン化物が挙げられる。ハロゲン化有機化合物は、有機化合物のハロゲン化物であれば特に制限はなく、各種の公知の化合物が可能であって、具体例としては、ハロゲン含有オキサジアゾ−ル系化合物、ハロゲン含有トリアジン系化合物、ハロゲン含有アセトフェノン系化合物、ハロゲン含有ベンゾフェノン系化合物、ハロゲン含有スルホキサイド系化合物、ハロゲン含有スルホン系化合物、ハロゲン含有チアゾ−ル系化合物、ハロゲン含有オキサゾ−ル系化合物、ハロゲン含有トリアゾ−ル系化合物、ハロゲン含有2−ピロン系化合物、ハロゲン含有脂肪族炭化水素化合物、ハロゲン含有芳香族炭化水素化合物、その他のハロゲン含有ヘテロ環状化合物、スルフェニルハライド系化合物などの各種化合物が挙げられる。さらにハロゲン化有機化合物として、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェ−ト、トリス(2,3−ジブロモ−3−クロロプロピル)ホスフェ−ト、クロロテトラブロモエタン、ヘキサクロロベンゼン、ヘキサブロモベンゼン、ヘキサブロモシクロドデカン、ヘキサブロモビフェニル、トリブロモフェニルアリルエ−テル、テトラクロロビスフェノ−ルA、テトラブロモビスフェノ−ルA、ビス(ブロモエチルエ−テル)テトラブロモビスフェノ−ルA、ビス(クロロエチルエ−テル)テトラクロロビスフェノ−ルA、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレ−ト、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン等の含ハロゲン系難燃剤、ジクロロジフェニルトリクロロエタン、ベンゼンヘキサクロライド、ペンタクロロフェノ−ル、2,4,6−トリクロロフェニル−4−ニトロフェニルエ−テル、2,4−ジクロロフェニル−3′−メトキシ−4′−ニトロフェニルエ−テル、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸、4,5,6,7−テトラクロロフサライド、1,1−ビス(4−クロロフェニル)エタノ−ル、1,1−ビス(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリクロロエタノ−ル、エチル−4,4−ジクロロベンジレ−ト、2,4,5,4′−テトラクロロジフェニルスルフィド、2,4,5,4′−テトラクロロジフェニルスルホン等の有機クロロ系農薬等も挙げられる。キノンジアジド化合物の具体例としては、1,2−ベンゾキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、1,2−ナフトキノンジアジド−6−スルホン酸エステル、2,1−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,1−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、2,1−ナフトキノンジアジド−6−スルホン酸エステル、その他のキノンジアジド誘導体のスルホン酸エステル、1,2−ベンゾキノンジアジド−4−スルホン酸クロライド、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸クロライド、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロライド、1,2−ナフトキノンジアジド−6−スルホン酸クロライド、2,1−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸クロライド、2,1−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロライド、2,1−ナフトキノンジアジド−6−スルホン酸クロライド、その他のキノンアジド誘導体のスルホン酸クロライド等のo−キノンアジド化合物が挙げられる。α,α−ビス(スルホニル)ジアゾメタン系化合物の具体例としては、未置換、対称的にまたは非対称的に置換されたアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、芳香族基、ヘテロ環状基を有するα,α−ビス(スルホニル)ジアゾメタンなどが挙げられる。α−カルボニル−α−スルホニル−ジアゾメタン系化合物の具体例としては、未置換、対称的にまたは非対称的に置換されたアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、芳香族基、ヘテロ環状基を有するα−カルボニル−α−スルホニル−ジアゾメタンなどが挙げられる。スルホン化合物の具体例としては、未置換、対称的にまたは非対称的に置換されたアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、芳香族基、ヘテロ環状基を有するスルホン化合物、ジスルホン化合物などが挙げられる。有機酸エステルの具体例としては、未置換、対称的にまたは非対称的に置換されたアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、芳香族基、ヘテロ環状基を有するカルボン酸エステル、スルホン酸エステルなどが挙げられる。有機酸アミドの具体例としては、未置換、対称的にまたは非対称的に置換されたアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、芳香族基、ヘテロ環状基を有するカルボン酸アミド、スルホン酸アミドなどが挙げられる。有機酸イミドの具体例としては、未置換、対称的にまたは非対称的に置換されたアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、芳香族基、ヘテロ環状基を有するカルボン酸イミド、スルホン酸イミドなどが挙げられる。これらの活性光線の照射により解裂して酸を生成可能な化合物は、単独でも2種以上混合して用いても良い。
これらの中で好ましいのは、1,2−ベンゾキノンジアジド或いは1,2−ナフトキノンジアジド構造を有する化合物であり、米国特許明細書第2772975号、第2797213号、第3669658号により公知の物質である。例えば、下記のものが挙げられる。
さらに、これらの中で特に好ましいのはフェノール化合物と、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸又は1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸とのエステル化合物である。フェノール化合物としては、例えば下記のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。又これらは2種以上用いても良い。
本発明で用いる光により酸を発生する化合物(C)の好ましい添加量は、アルカリ可溶性樹脂100重量部に対して1〜50重量部である。1重量部を下回るとポリアミド樹脂のパターニング性が不良となり、50重量部を越えると感度が大幅に低下する。
本発明において、好ましくは、一般式(1)で示されるフェノール性水酸基を有する化合物(D)を加えた方がよい。フェノール性水酸基を有する化合物(D)は、例えば、下記のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、フェノール性水酸基を有する化合物(D)の好ましい添加量は、アルカリ可溶性樹脂100重量部に対して1〜150重量部であり、さらに好ましくは1〜100重量部である。1重量部を下回ると現像時における感度が低下し、150重量部を越えると現像時に著しい未露光部の膜減りが生じたり、冷凍保存中において析出が起こり実用性に欠ける。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、必要により感光特性を高めるためにジヒドロピリジン誘導体を含んでいてもよい。ジヒドロピリジン誘導体としては、例えば、2,6−ジメチル−3,5−ジアセチル−4−(2′−ニトロフェニル)−1,4−ジヒドロピリジン、4−(2′−ニトロフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ジカルボエトキシ−1,4−ジヒドロピリジン、4−(2′,4′−ジニトロフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ジカルボメトキシ−1,4−ジヒドロピリジン等を挙げることができる。
本発明におけるポジ型感光性樹脂組成物には、必要によりレベリング剤、シランカップリング剤等の添加剤を含んでも良い。
本発明においては、これらの成分を溶剤に溶解し、ワニス状にして使用する。溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、メチル−1,3−ブチレングリコールアセテート、1,3−ブチレングリコール−3−モノメチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メチル−3−メトキシプロピオネート等が挙げられ、単独でも混合して用いても良い。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物の使用方法は、まず該樹脂組成物を適当な支持体、例えば、シリコンウェハー、セラミック基板、アルミ基板等に塗布する。塗布量は、半導体装置の場合、硬化後の最終膜厚が0.1〜30μmになるように塗布する。膜厚が0.1μmを下回ると半導体素子の保護表面膜としての機能を十分に発揮することが困難となり、30μmを越えると、微細な加工パターンを得ることが困難となる。塗布方法としては、スピンナーを用いる回転塗布、スプレーコーターを用いる噴霧塗布、浸漬、印刷、ロールコーティング等がある。次に、60〜130℃でプリベークして塗膜を乾燥後、所望のパターン形状に化学線を照射する。化学線としては、X線、電子線、紫外線、可視光線等が使用できるが、200〜500nmの波長のものが好ましい。
次に照射部を現像液で溶解除去することによりレリーフパターンを得る。現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第1アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン等の第2アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第3アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第4級アンモニウム塩等のアルカリ類の水溶液、及びこれにメタノール、エタノールのごときアルコール類等の水溶性有機溶媒や界面活性剤を適当量添加した水溶液を好適に使用することができる。現像方法としては、スプレー、パドル、浸漬、超音波等の方式が可能である。
次に、現像によって形成したレリーフパターンをリンスする。リンス液としては、蒸留水を使用する。次に加熱処理を行い、オキサゾール環及び/又はイミド環を形成し、耐熱性に富む最終パターンを得る。
本発明による感光性樹脂組成物は、半導体用途のみならず、多層回路の層間絶縁やフレキシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜や液晶配向膜、表示素子における素子の層間絶縁膜等としても有用である。
半導体用としての具体的用途の例としては、半導体素子上に上述の感光性樹脂組成物膜を形成することによるパッシベーション膜、また半導体素子上に形成されたパッシベーション膜上に上述の感光性樹脂組成物膜を形成することによるバッファコート膜、半導体素子上に形成された回路上に上述の感光性樹脂組成物膜を形成することによる層間絶縁膜などを挙げることができる。
その中で、本発明の感光性樹脂組成物を半導体装置に用いた応用例の1つとして、バンプを有する半導体装置への応用について図面を用いて説明する。図1は、本発明のバンプを有する半導体装置のパット部分の拡大断面図である。図1に示すように、シリコンウェハー1には入出力用のAlパッド2上にパッシベーション膜3が形成され、そのパッシベーション膜3にビアホールが形成されている。更に、この上にポジ型感光性樹脂(バッファコート膜)4が形成され、更に、金属(Cr、Ti等)膜5がAlパッド2と接続されるように形成され、その金属膜5はハンダバンプ10の周辺をエッチングして、各パッド間を絶縁する。絶縁されたパッドにはバリアメタル8とハンダバンプ10が形成されている。
表示体装置用途としての例は、TFT用層間絶縁膜、TFT素子平坦化膜、カラーフィルター平坦化膜、MVA型液晶表示装置用突起、有機EL素子用陰極隔壁がある。その使用方法は、半導体用途に順じ、表示体素子やカラーフィルターを形成した基板上にパターン化された感光性樹脂組成物層を、上記の方法で形成することによる。表示体装置用途、特に層間絶縁膜や平坦化膜には、高い透明性が要求されるが、この感光性樹脂組成物層の硬化前に、後露光工程を導入することにより、透明性に優れた樹脂層が得られることもでき、実用上更に好ましい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
<実施例1>
4,4’―オキシジフタル酸無水物17.1g(0.055モル)と2−メチル−2−プロパノール8.15g(0.110モル)とピリジン10.9g(0.138モル)とを温度計、攪拌機、原料投入口、乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに入れ、N−メチル−2−ピロリドン150gを加えて溶解させた。この反応溶液に1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール14.9g(0.110モル)をN−メチル−2−ピロリドン30gと共に滴下した後、ジシクロヘキシルカルボジイミド22.7g(0.110モル)をN−メチル−2−ピロリドン50gと共に滴下し、室温で一晩反応させた。その後、この反応溶液にジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸1モルと1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール2モルとを反応させて得られたジカルボン酸誘導体(活性エステル)27.1g(0.055モル)とヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン44.8g(0.122モル)をN−メチル−2−ピロリドン70gと共に添加し、室温で2時間攪拌した。その後オイルバスを用いて75℃にて12時間攪拌して反応を終了した。反応混合物を濾過した後、反応混合物を水/メタノール=3/1(体積比)の溶液に投入、沈殿物を濾集し水で十分洗浄した後、真空下で乾燥し、一般式(4)で示され、Xが下記式X−1、Yが下記式Y−1及びY−2で、b=100、c=0からなるポリアミド樹脂(A−1)を合成した。
合成したポリアミド樹脂(A−1)100gと下記式(B−1)で示される環状イミノエーテル構造を有する化合物2gをγ−ブチロラクトン150gに溶解した後、0.2μmのテフロン(登録商標)フィルターで濾過してワニス状の樹脂組成物を得た。
特性評価
このワニス状の樹脂組成物をシリコンウェハー上にスピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートにて120℃で4分プリベークし、膜厚約13μmの塗膜を得た。更に、クリーンオーブンで150℃/30分、320℃/30分、酸素濃度雰囲気が10ppm以下で硬化を行った。次に得られた硬化膜を2%のフッ化水素水に漬浸し、膜をシリコンウエハーから剥離した。得られた膜を純水で充分に洗浄した後、60℃/5時間かけてオーブンで乾燥した。得られた膜を50℃で24時間乾燥した後、23℃に保った純水に乾燥後の膜を浸漬する方法(JIS−K7209準拠)で吸水率を測定したところ、吸水率は0.26%であった。また、得られた硬化膜をウェハーごとダイシングソーを用いて10mmの短冊状にカットした後、2%のフッ化水素水に浸漬することによって、ウェハーから剥離した短冊状のフィルムを得た。次に引っ張り試験器にて短冊状のフィルムの引っ張り伸度を測定したところ、18%であった。
<実施例2>
ポジ型感光性樹脂組成物の作製
ポリアミド樹脂(A−1)100g、環状イミノエーテル構造を有する化合物(B−1)2g、下記式(C−1)で示される光により酸を発生する化合物をγ−ブチロラクトン150gに溶解した後、0.2μmのテフロン(登録商標)フィルターで濾過してポジ型感光性樹脂組成物を得た。
特性評価
このポジ型感光性樹脂組成物をシリコンウェハー上にスピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートにて120℃で4分プリベークし、膜厚約13μmの塗膜を得た。この塗膜に凸版印刷(株)製・マスク(テストチャートNo.1:幅0.88〜50μmの残しパターン及び抜きパターンが描かれている)を通して、i線ステッパー((株)ニコン製・4425i)を用いて、露光量を変化させて照射した。次に2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に110秒浸漬することによって露光部を溶解除去した後、純水で10秒間リンスした。その結果、露光量510mJ/cm2で照射した部分よりパターンが形成されていることが確認できた。(感度は510mJ/cm2)。解像度は5μmを示した。更に、クリーンオーブンで150℃/30分、320℃/30分、酸素濃度雰囲気が10ppm以下で硬化を行った。次に得られた硬化膜を2%のフッ化水素水に漬浸し、膜をシリコンウエハーから剥離した。得られた膜を純水で充分に洗浄した後、60℃/5時間かけてオーブンで乾燥した。得られた膜を50℃で24時間乾燥した後、23℃に保った純水に乾燥後の膜を浸漬しする方法(JIS−K7209準拠)で吸水率を測定したところ、吸水率は0.19%と低かった。また、得られた硬化膜をウェハーごとダイシングソーを用いて10mmの短冊状にカットした後、2%のフッ化水素水に浸漬することによって、ウェハーから剥離した短冊状のフィルムを得た。次に引っ張り試験器にて短冊状のフィルムの引っ張り伸度を測定したところ、27%と良好であった。
<実施例3>
合成したポリアミド樹脂(A−1)100g、環状イミノエーテル構造を有する化合物(B−1)2g、光により酸を発生する化合物(C−1)16g、下記式(D−1)で示されるフェノール性水酸基を有する化合物10gをγ−ブチロラクトン150gに溶解した後、0.2μmのテフロン(登録商標)フィルターで濾過しポジ型感光性樹脂組成物を得た。このポジ型感光性樹脂組成物に対して実施例2と同様の評価を行った。
<実施例4>
実施例3における環状イミノエーテル構造を有する化合物(B−1)の添加量を表1に示す量に変えた以外は実施例3と同様にポジ型感光性樹脂組成物を作製し、実施例2と同様の評価を行った。
<実施例5>
実施例3における環状イミノエーテル構造を有する化合物(B−1)を(B−2)に変えた以外は実施例3と同様にポジ型感光性樹脂組成物を作製し、実施例2と同様の評価を行った。
<実施例6>
実施例3における環状イミノエーテル構造を有する化合物(B−1)を(B−3)に変えた以外は実施例3と同様にポジ型感光性樹脂組成物を作製し、実施例2と同様の評価を行った。
<実施例7>
実施例3における環状イミノエーテル構造を有する化合物(B−1)を(B−4)に変えた以外は実施例3と同様にポジ型感光性樹脂組成物を作製し、実施例2と同様の評価を行った。
<実施例8>
実施例3における光により酸を発生する化合物(C−1)16gを(C−2)13g、フェノール性水酸基を有する化合物(D−1)10gを(D−2)5gに変えた以外は実施例3と同様にポジ型感光性樹脂組成物を作製し、実施例2と同様の評価を行った。
<実施例9>
実施例3における光により酸を発生する化合物(C−1)16gを(C−3)22g、フェノール性水酸基を有する化合物(D−1)10gを(D−3)10gに変えた以外は実施例3と同様にポジ型感光性樹脂組成物を作製し、実施例2と同様の評価を行った。
<実施例10>
実施例3における環状イミノエーテル構造を有する化合物(B−1)の替わりに、環状イミノエーテル構造を有する化合物(B−1)2モルと4,4‘−オキシビス(ベンゾイックアシッド)1モルとをγ―ブチロラクトン中で反応させた反応生成物(B−5)6gに変え、更にフェノール性水酸基を有する化合物(D−1)10gを(D−1)15gに変えた以外は実施例3と同様にポジ型感光性樹脂組成物を作製し、実施例2と同様の評価を行った。
<実施例11>
実施例3における環状イミノエーテル構造を有する化合物(B−1)の替わりに、環状イミノエーテル構造を有する化合物(B−1)2モルと4,4‘−オキシビス(ベンゾイックアシッド)1モルとをγ―ブチロラクトン中で反応させた反応生成物(B−5)12gに変え、更にフェノール性水酸基を有する化合物(D−1)10gを(D−3)10gに変えた以外は実施例3と同様にポジ型感光性樹脂組成物を作製し、実施例2と同様の評価を行った。
<実施例12>
ポリアミド樹脂の合成
テレフタル酸0.9モルとイソフタル酸0.1モルと1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール2モルとを反応させて得られたジカルボン酸誘導体(活性エステル)360.4g(0.9モル)とヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン366.3g(1モル)とを温度計、攪拌機、原料投入口、乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに入れ、N−メチル−2−ピロリドン3000gを加えて溶解させた。その後オイルバスを用いて75℃にて12時間反応させた。次にN−メチル−2−ピロリドン500gに溶解させた5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物32.8g(0.2モル)を加え、更に12時間攪拌して反応を終了した。反応混合物を濾過した後、反応混合物を水/メタノール=3/1(体積比)の溶液に投入、沈殿物を濾集し水で充分洗浄した後、真空下で乾燥し、一般式(4)で示され、Xが下記式X−1、Yが下記式Y−3及びY−4の混合物で、b=100、c=0からなる目的のポリアミド樹脂(A−2)を得た。
ポジ型感光性樹脂組成物の作製
合成したポリアミド樹脂(A−2)100g、下記式(B−1)で示される環状イミノエーテル構造を有する化合物2g、下記式(C−1)で示される光により酸を発生する化合物16g、下記式(D−1)で示されるフェノール性水酸基を有する化合物10gをγ−ブチロラクトン150gに溶解した後、0.2μmのテフロン(登録商標)フィルターで濾過しポジ型感光性樹脂組成物を得た。このポジ型感光性樹脂組成物に対して実施例2と同様の評価を行った。
<実施例13>
実施例8におけるポリアミド樹脂の合成において、ヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパンを348.0g(0.95モル)に減らし、替わりに1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン12.4g(0.05モル)を加え、一般式(4)で示され、Xが下記式X−1、Yが下記式Y−3及びY−4の混合物、Zが下記式Z−1で、b=95、c=5からなるポリアミド樹脂(A−3)を合成した。(A−2)を(A−3)に変えた以外は実施例8と同様にポジ型感光性樹脂組成物を作製し、実施例2と同様の評価を行った。
<実施例14>
ガラス基板上にITO膜を蒸着形成した後、フォトレジストを使用した通常のフォトリソグラフィー法によってこのITO膜をストライプ状に分割した。この上に、実施例3で得られたポジ型感光性樹脂組成物を塗布し、厚さ約2μmの樹脂層を形成した。次に平行露光機(光源:高圧水銀灯)を使用して露光強度25mW/cm2で10秒間ガラスマスクを介し露光を行った。その後、2.38%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液に樹脂層を20秒間浸漬現像することにより、各ストライプ上のITOの縁以外の部分を露出し、ITOの縁部とITOの除去された部分の上にのみ樹脂層が形成されるよう加工を行った。その後、樹脂層全体に露光時に用いた平行露光機を使用して、露光強度25mW/cm2で40秒間、後露光を行った後、熱風循環式乾燥器を使用して空気中230℃で1時間加熱硬化を行った。
この基板上に、1×10−4Pa以下の減圧下で、正孔注入層として銅フタロシアニン、正孔輸送層としてビス−N−エチルカルバゾールを蒸着した後、発光層としてN,N'−ジフェニル−N,N'−m−トルイル−4,4'−ジアミノ−1,1'−ビフェニル,電子注入層としてトリス(8−キノリノレート)アルミニウムをこの順に蒸着した。さらに、この上に第二電極としてアルミニウム層を蒸着形成した後、フォトレジストを使用した通常のフォトリソグラフィー法によって、このアルミニウム層を上記ITO膜のストライプと直交をなす方向のストライプ状となるように分割した。得られた基板を減圧乾燥した後、封止用ガラス板をエポキシ系接着剤を用いて接着し、表示体素子を作成した。この表示体素子を80℃で200時間処理した後両電極に電圧を掛け順次駆動を行ったが、何ら問題なく素子は発光した。
<比較例1>
実施例1における環状イミノエーテル構造を有する化合物を無添加にした以外は実施例1と同様にポジ型感光性樹脂組成物を作製し、実施例1と同様の評価を行った。
<比較例2>
実施例2における環状イミノエーテル構造を有する化合物を無添加にした以外は実施例2と同様にポジ型感光性樹脂組成物を作製し、実施例2と同様の評価を行った。
<比較例3>
実施例3における環状イミノエーテル構造を有する化合物を無添加にした以外は実施例3と同様にポジ型感光性樹脂組成物を作製し、実施例2と同様の評価を行った。
<比較例4>
実施例8における環状イミノエーテル構造を有する化合物を無添加にした以外は実施例8と同様にポジ型感光性樹脂組成物を作製し、実施例2と同様の評価を行った。
<比較例5>
実施例9における環状イミノエーテル構造を有する化合物を無添加にした以外は実施例9と同様にポジ型感光性樹脂組成物を作製し、実施例2と同様の評価を行った。
なお、実施例1に対応するのは比較例1、実施例2に対応するのは比較例2、実施例3〜7に対応するのは比較例3、実施例8に対応するのは比較例4、実施例9に対応するのは比較例5である。
実施例は吸水率及び引張伸度の点で問題なかった。しかしながら比較例では吸水率の値が大きく、引張伸度の値が小さくなり、環状イミノエーテル構造を有する化合物(B)が吸水率と引張伸度の改善に効果があるという結果になった。
以下に、実施例1〜14及び比較例1〜5のX−1、Y−1〜Y−4、Z−1、B−1〜B−4、C−1〜C−3、D−1〜D−3の構造を示す。
本発明の高感度で高解像度かつ硬化膜物性に優れたポジ型感光性樹脂組成物は、膜減りが少なく、露光部の感光性樹脂組成物の残り(スカム)がなく、かつ硬化膜が耐溶剤性、耐リフロー性および膜物性に優れるという特性を有するものであり、半導体素子の表面保護膜、層間絶縁膜及び表示素子の絶縁膜等に好適に用いられる。
図1は、本発明のバンプを有する半導体装置のパット部分の拡大断面図である。
符号の説明
1 シリコンウエハ
2 Alパッド
3 パッシベーション膜
4 バッファコート膜
5 金属(Cr、Ti等)膜
6 配線(Al、Cu等)
7 絶縁膜
8 バリアメタル
9 ハンダバンプ

Claims (15)

  1. アルカリ可溶性樹脂(A)及び環状イミノエーテル構造を有する化合物(B)を含む樹脂組成物であって、前記アルカリ可溶性樹脂(A)が、ポリベンゾオキサゾール構造、ポリベンゾオキサゾール前駆体構造、又はポリアミド酸エステル構造で、主鎖又は側鎖に水酸基、カルボキシル基、又はスルホン酸基を持つ樹脂であり、一般式(4)で示される構造を含むポリアミド樹脂から選ばれ、これらを単独で含んでおり、前記環状イミノエーテル構造を有する化合物(B)が、下記式より選ばれてなる化合物または、環状イミノエーテル構造を有する化合物をカルボン酸、水酸基、アミノ基を有する化合物であらかじめ反応させた化合物であることを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物。
  2. アルカリ可溶性樹脂(A)及び環状イミノエーテル構造を有する化合物(B)を含む樹脂組成物であって、前記アルカリ可溶性樹脂(A)が、ポリベンゾオキサゾール構造、ポリベンゾオキサゾール前駆体構造、ポリイミド構造、ポリイミド前駆体構造又はポリアミド酸エステル構造で、主鎖又は側鎖に水酸基、カルボキシル基、又はスルホン酸基を持つ樹脂であり、一般式(4´)で示される構造を含むポリアミド樹脂から選ばれ、これらを2種以上含んでおり、前記環状イミノエーテル構造を有する化合物(B)が、下記式より選ばれてなる化合物または、環状イミノエーテル構造を有する化合物をカルボン酸、水酸基、アミノ基を有する化合物であらかじめ反応させた化合物であることを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物。
  3. 更に、光により酸を発生する化合物(C)を含む請求項1または2記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  4. 光により酸を発生する化合物(C)が、フェノール化合物と、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸又は1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸とのエステル化合物である請求項3記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  5. 更に、フェノール性水酸基を有する化合物(D)を含むことを特徴とする請求項3又は4記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  6. フェノール性水酸基を有する化合物(D)が、式(1)の群より選ばれてなる請求項5記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  7. 前記アルカリ可溶性樹脂(A)が、一般式(4)または一般式(4´)で示される構造を含むポリアミド樹脂である請求項1〜5のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  8. 一般式(4)で示される構造を含むポリアミド樹脂中のXが、式(5)の群より選ばれてなる請求項1および請求項3〜7のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  9. 一般式(4)で示される構造を含むポリアミド樹脂中のYが、式(6)及び(7)の群より選ばれてなる請求項1および請求項3〜8のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  10. 一般式(4)で示される構造を含むポリアミド樹脂が、アルケニル基又はアルキニル基を少なくとも1個有する脂肪族基又は環式化合物基を含む誘導体によって末端封止されたものである請求項1および請求項3〜9のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物を基板上に塗布して組成物層を形成する工程と、該組成物層に活性エネルギー線を照射して現像液と接触させてパターンを形成する工程と、該組成物を加熱する工程を有することを特徴とするパターン状樹脂膜の製造方法。
  12. 請求項1〜10のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物を用いて製作されてなることを特徴とする半導体装置。
  13. 請求項1〜10のいずれかに記載の樹脂組成物を用いて製作されてなることを特徴とする表示素子。
  14. 請求項1〜10のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物を加熱脱水閉環後の膜厚が、0.1〜30μmになるように半導体素子上に塗布し、プリベーク、露光、現像、加熱して得られることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  15. 請求項1〜10のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物を加熱脱水閉環後の膜厚が、0.1〜30μmになるように表示素子用基板上に塗布し、プリベーク、露光、現像、加熱して得られることを特徴とする表示素子の製造方法。
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