JP5151005B2 - ポジ型感光性樹脂組成物、半導体装置及び表示素子、並びに半導体装置及び表示素子の製造方法 - Google Patents
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Description
このポリアミド樹脂を約250〜400℃で加熱すると脱水閉環し、ポリイミド、又はポリベンゾオキサゾール、或いは両者の共重合という形で耐熱性樹脂が得られる。
<実施例1>
4,4’―オキシジフタル酸無水物17.1g(0.055モル)と2−メチル−2−プロパノール8.15g(0.110モル)とピリジン10.9g(0.138モル)とを温度計、攪拌機、原料投入口、乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに入れ、N−メチル−2−ピロリドン150gを加えて溶解させた。この反応溶液に1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール14.9g(0.110モル)をN−メチル−2−ピロリドン30gと共に滴下した後、ジシクロヘキシルカルボジイミド22.7g(0.110モル)をN−メチル−2−ピロリドン50gと共に滴下し、室温で一晩反応させた。その後、この反応溶液にジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸1モルと1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール2モルとを反応させて得られたジカルボン酸誘導体(活性エステル)27.1g(0.055モル)とヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン44.8g(0.122モル)をN−メチル−2−ピロリドン70gと共に添加し、室温で2時間攪拌した。その後オイルバスを用いて75℃にて12時間攪拌して反応を終了した。反応混合物を濾過した後、反応混合物を水/メタノール=3/1(体積比)の溶液に投入、沈殿物を濾集し水で十分洗浄した後、真空下で乾燥し、一般式(4)で示され、Xが下記式X−1、Yが下記式Y−1及びY−2で、b=100、c=0からなるポリアミド樹脂(A−1)を合成した。
このワニス状の樹脂組成物をシリコンウェハー上にスピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートにて120℃で4分プリベークし、膜厚約13μmの塗膜を得た。更に、クリーンオーブンで150℃/30分、320℃/30分、酸素濃度雰囲気が10ppm以下で硬化を行った。次に得られた硬化膜を2%のフッ化水素水に漬浸し、膜をシリコンウエハーから剥離した。得られた膜を純水で充分に洗浄した後、60℃/5時間かけてオーブンで乾燥した。得られた膜を50℃で24時間乾燥した後、23℃に保った純水に乾燥後の膜を浸漬する方法(JIS−K7209準拠)で吸水率を測定したところ、吸水率は0.26%であった。また、得られた硬化膜をウェハーごとダイシングソーを用いて10mmの短冊状にカットした後、2%のフッ化水素水に浸漬することによって、ウェハーから剥離した短冊状のフィルムを得た。次に引っ張り試験器にて短冊状のフィルムの引っ張り伸度を測定したところ、18%であった。
ポジ型感光性樹脂組成物の作製
ポリアミド樹脂(A−1)100g、環状イミノエーテル構造を有する化合物(B−1)2g、下記式(C−1)で示される光により酸を発生する化合物をγ−ブチロラクトン150gに溶解した後、0.2μmのテフロン(登録商標)フィルターで濾過してポジ型感光性樹脂組成物を得た。
このポジ型感光性樹脂組成物をシリコンウェハー上にスピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートにて120℃で4分プリベークし、膜厚約13μmの塗膜を得た。この塗膜に凸版印刷(株)製・マスク(テストチャートNo.1:幅0.88〜50μmの残しパターン及び抜きパターンが描かれている)を通して、i線ステッパー((株)ニコン製・4425i)を用いて、露光量を変化させて照射した。次に2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に110秒浸漬することによって露光部を溶解除去した後、純水で10秒間リンスした。その結果、露光量510mJ/cm2で照射した部分よりパターンが形成されていることが確認できた。(感度は510mJ/cm2)。解像度は5μmを示した。更に、クリーンオーブンで150℃/30分、320℃/30分、酸素濃度雰囲気が10ppm以下で硬化を行った。次に得られた硬化膜を2%のフッ化水素水に漬浸し、膜をシリコンウエハーから剥離した。得られた膜を純水で充分に洗浄した後、60℃/5時間かけてオーブンで乾燥した。得られた膜を50℃で24時間乾燥した後、23℃に保った純水に乾燥後の膜を浸漬しする方法(JIS−K7209準拠)で吸水率を測定したところ、吸水率は0.19%と低かった。また、得られた硬化膜をウェハーごとダイシングソーを用いて10mmの短冊状にカットした後、2%のフッ化水素水に浸漬することによって、ウェハーから剥離した短冊状のフィルムを得た。次に引っ張り試験器にて短冊状のフィルムの引っ張り伸度を測定したところ、27%と良好であった。
合成したポリアミド樹脂(A−1)100g、環状イミノエーテル構造を有する化合物(B−1)2g、光により酸を発生する化合物(C−1)16g、下記式(D−1)で示されるフェノール性水酸基を有する化合物10gをγ−ブチロラクトン150gに溶解した後、0.2μmのテフロン(登録商標)フィルターで濾過しポジ型感光性樹脂組成物を得た。このポジ型感光性樹脂組成物に対して実施例2と同様の評価を行った。
実施例3における環状イミノエーテル構造を有する化合物(B−1)の添加量を表1に示す量に変えた以外は実施例3と同様にポジ型感光性樹脂組成物を作製し、実施例2と同様の評価を行った。
実施例3における環状イミノエーテル構造を有する化合物(B−1)を(B−2)に変えた以外は実施例3と同様にポジ型感光性樹脂組成物を作製し、実施例2と同様の評価を行った。
実施例3における環状イミノエーテル構造を有する化合物(B−1)を(B−3)に変えた以外は実施例3と同様にポジ型感光性樹脂組成物を作製し、実施例2と同様の評価を行った。
実施例3における環状イミノエーテル構造を有する化合物(B−1)を(B−4)に変えた以外は実施例3と同様にポジ型感光性樹脂組成物を作製し、実施例2と同様の評価を行った。
実施例3における光により酸を発生する化合物(C−1)16gを(C−2)13g、フェノール性水酸基を有する化合物(D−1)10gを(D−2)5gに変えた以外は実施例3と同様にポジ型感光性樹脂組成物を作製し、実施例2と同様の評価を行った。
実施例3における光により酸を発生する化合物(C−1)16gを(C−3)22g、フェノール性水酸基を有する化合物(D−1)10gを(D−3)10gに変えた以外は実施例3と同様にポジ型感光性樹脂組成物を作製し、実施例2と同様の評価を行った。
実施例3における環状イミノエーテル構造を有する化合物(B−1)の替わりに、環状イミノエーテル構造を有する化合物(B−1)2モルと4,4‘−オキシビス(ベンゾイックアシッド)1モルとをγ―ブチロラクトン中で反応させた反応生成物(B−5)6gに変え、更にフェノール性水酸基を有する化合物(D−1)10gを(D−1)15gに変えた以外は実施例3と同様にポジ型感光性樹脂組成物を作製し、実施例2と同様の評価を行った。
実施例3における環状イミノエーテル構造を有する化合物(B−1)の替わりに、環状イミノエーテル構造を有する化合物(B−1)2モルと4,4‘−オキシビス(ベンゾイックアシッド)1モルとをγ―ブチロラクトン中で反応させた反応生成物(B−5)12gに変え、更にフェノール性水酸基を有する化合物(D−1)10gを(D−3)10gに変えた以外は実施例3と同様にポジ型感光性樹脂組成物を作製し、実施例2と同様の評価を行った。
ポリアミド樹脂の合成
テレフタル酸0.9モルとイソフタル酸0.1モルと1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール2モルとを反応させて得られたジカルボン酸誘導体(活性エステル)360.4g(0.9モル)とヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン366.3g(1モル)とを温度計、攪拌機、原料投入口、乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに入れ、N−メチル−2−ピロリドン3000gを加えて溶解させた。その後オイルバスを用いて75℃にて12時間反応させた。次にN−メチル−2−ピロリドン500gに溶解させた5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物32.8g(0.2モル)を加え、更に12時間攪拌して反応を終了した。反応混合物を濾過した後、反応混合物を水/メタノール=3/1(体積比)の溶液に投入、沈殿物を濾集し水で充分洗浄した後、真空下で乾燥し、一般式(4)で示され、Xが下記式X−1、Yが下記式Y−3及びY−4の混合物で、b=100、c=0からなる目的のポリアミド樹脂(A−2)を得た。
合成したポリアミド樹脂(A−2)100g、下記式(B−1)で示される環状イミノエーテル構造を有する化合物2g、下記式(C−1)で示される光により酸を発生する化合物16g、下記式(D−1)で示されるフェノール性水酸基を有する化合物10gをγ−ブチロラクトン150gに溶解した後、0.2μmのテフロン(登録商標)フィルターで濾過しポジ型感光性樹脂組成物を得た。このポジ型感光性樹脂組成物に対して実施例2と同様の評価を行った。
実施例8におけるポリアミド樹脂の合成において、ヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパンを348.0g(0.95モル)に減らし、替わりに1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン12.4g(0.05モル)を加え、一般式(4)で示され、Xが下記式X−1、Yが下記式Y−3及びY−4の混合物、Zが下記式Z−1で、b=95、c=5からなるポリアミド樹脂(A−3)を合成した。(A−2)を(A−3)に変えた以外は実施例8と同様にポジ型感光性樹脂組成物を作製し、実施例2と同様の評価を行った。
ガラス基板上にITO膜を蒸着形成した後、フォトレジストを使用した通常のフォトリソグラフィー法によってこのITO膜をストライプ状に分割した。この上に、実施例3で得られたポジ型感光性樹脂組成物を塗布し、厚さ約2μmの樹脂層を形成した。次に平行露光機(光源:高圧水銀灯)を使用して露光強度25mW/cm2で10秒間ガラスマスクを介し露光を行った。その後、2.38%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液に樹脂層を20秒間浸漬現像することにより、各ストライプ上のITOの縁以外の部分を露出し、ITOの縁部とITOの除去された部分の上にのみ樹脂層が形成されるよう加工を行った。その後、樹脂層全体に露光時に用いた平行露光機を使用して、露光強度25mW/cm2で40秒間、後露光を行った後、熱風循環式乾燥器を使用して空気中230℃で1時間加熱硬化を行った。
実施例1における環状イミノエーテル構造を有する化合物を無添加にした以外は実施例1と同様にポジ型感光性樹脂組成物を作製し、実施例1と同様の評価を行った。
実施例2における環状イミノエーテル構造を有する化合物を無添加にした以外は実施例2と同様にポジ型感光性樹脂組成物を作製し、実施例2と同様の評価を行った。
実施例3における環状イミノエーテル構造を有する化合物を無添加にした以外は実施例3と同様にポジ型感光性樹脂組成物を作製し、実施例2と同様の評価を行った。
実施例8における環状イミノエーテル構造を有する化合物を無添加にした以外は実施例8と同様にポジ型感光性樹脂組成物を作製し、実施例2と同様の評価を行った。
実施例9における環状イミノエーテル構造を有する化合物を無添加にした以外は実施例9と同様にポジ型感光性樹脂組成物を作製し、実施例2と同様の評価を行った。
2 Alパッド
3 パッシベーション膜
4 バッファコート膜
5 金属(Cr、Ti等)膜
6 配線(Al、Cu等)
7 絶縁膜
8 バリアメタル
9 ハンダバンプ
Claims (15)
- アルカリ可溶性樹脂(A)及び環状イミノエーテル構造を有する化合物(B)を含む樹脂組成物であって、前記アルカリ可溶性樹脂(A)が、ポリベンゾオキサゾール構造、ポリベンゾオキサゾール前駆体構造、又はポリアミド酸エステル構造で、主鎖又は側鎖に水酸基、カルボキシル基、又はスルホン酸基を持つ樹脂であり、一般式(4)で示される構造を含むポリアミド樹脂から選ばれ、これらを単独で含んでおり、前記環状イミノエーテル構造を有する化合物(B)が、下記式より選ばれてなる化合物または、環状イミノエーテル構造を有する化合物をカルボン酸、水酸基、アミノ基を有する化合物であらかじめ反応させた化合物であることを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物。
- アルカリ可溶性樹脂(A)及び環状イミノエーテル構造を有する化合物(B)を含む樹脂組成物であって、前記アルカリ可溶性樹脂(A)が、ポリベンゾオキサゾール構造、ポリベンゾオキサゾール前駆体構造、ポリイミド構造、ポリイミド前駆体構造又はポリアミド酸エステル構造で、主鎖又は側鎖に水酸基、カルボキシル基、又はスルホン酸基を持つ樹脂であり、一般式(4´)で示される構造を含むポリアミド樹脂から選ばれ、これらを2種以上含んでおり、前記環状イミノエーテル構造を有する化合物(B)が、下記式より選ばれてなる化合物または、環状イミノエーテル構造を有する化合物をカルボン酸、水酸基、アミノ基を有する化合物であらかじめ反応させた化合物であることを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物。
- 更に、光により酸を発生する化合物(C)を含む請求項1または2記載のポジ型感光性樹脂組成物。
- 光により酸を発生する化合物(C)が、フェノール化合物と、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸又は1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸とのエステル化合物である請求項3記載のポジ型感光性樹脂組成物。
- 更に、フェノール性水酸基を有する化合物(D)を含むことを特徴とする請求項3又は4記載のポジ型感光性樹脂組成物。
- フェノール性水酸基を有する化合物(D)が、式(1)の群より選ばれてなる請求項5記載のポジ型感光性樹脂組成物。
- 前記アルカリ可溶性樹脂(A)が、一般式(4)または一般式(4´)で示される構造を含むポリアミド樹脂である請求項1〜5のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物。
- 一般式(4)で示される構造を含むポリアミド樹脂中のXが、式(5)の群より選ばれてなる請求項1および請求項3〜7のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物。
- 一般式(4)で示される構造を含むポリアミド樹脂中のYが、式(6)及び(7)の群より選ばれてなる請求項1および請求項3〜8のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物。
- 一般式(4)で示される構造を含むポリアミド樹脂が、アルケニル基又はアルキニル基を少なくとも1個有する脂肪族基又は環式化合物基を含む誘導体によって末端封止されたものである請求項1および請求項3〜9のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
- 請求項1〜10のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物を基板上に塗布して組成物層を形成する工程と、該組成物層に活性エネルギー線を照射して現像液と接触させてパターンを形成する工程と、該組成物を加熱する工程を有することを特徴とするパターン状樹脂膜の製造方法。
- 請求項1〜10のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物を用いて製作されてなることを特徴とする半導体装置。
- 請求項1〜10のいずれかに記載の樹脂組成物を用いて製作されてなることを特徴とする表示素子。
- 請求項1〜10のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物を加熱脱水閉環後の膜厚が、0.1〜30μmになるように半導体素子上に塗布し、プリベーク、露光、現像、加熱して得られることを特徴とする半導体装置の製造方法。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物を加熱脱水閉環後の膜厚が、0.1〜30μmになるように表示素子用基板上に塗布し、プリベーク、露光、現像、加熱して得られることを特徴とする表示素子の製造方法。
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