JP5143655B2 - 半導体装置へのデータ書き込み方法、半導体装置 - Google Patents
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Description
不安定な電荷による書き込み確認処理への影響は、メモリセルのゲート長が短いほど大きくなる。そのために、フラッシュメモリの更なる高集積化の妨げになる。よって、絶縁膜に残った不安定な電荷の影響を受けずに書き込み確認処理を行うことは重要である。
この半導体装置では、第1拡散領域に負電圧を印加するために、本発明の半導体装置へのデータ書き込み方法で行うような書き込み確認が行える。そのために、書き込み確認時に、電荷蓄積層に注入されずに絶縁膜に残った電荷によるチャネル電流への影響は少ない。
本発明の半導体装置の抵抗は、回路上に抵抗成分として作用する素子であればよく、通常の抵抗素子の他に、トランジスタによるチャネル抵抗を用いたものであってもよい。また、他の抵抗成分を有する素子を用いることも勿論可能である。
前記抵抗は、例えば、前記切替器に接続される第1抵抗と、前記第1抵抗と前記電源の陰極との間に接続される第2抵抗とを備えている。この場合、前記第1抵抗と前記第2抵抗との間の電圧が、前記確認用センスアンプで前記確認用基準電圧と比較される。
このメモリセル1は、例えば浮遊ゲートを有するn型MOSトランジスタの構造を有する。メモリセル1は、半導体基板10に2つのn型の拡散領域が形成されている。拡散領域の一方がソースS、他方がドレインDである。拡散領域に挟まれた領域の半導体基板10上には、シリコン酸化膜12に囲まれた浮遊ゲート13と、制御ゲート11とが積層されている。シリコン酸化膜12は、絶縁膜となる。浮遊ゲート13は電荷蓄積層として機能しており、データの書き込み時に電荷が注入される。
書き込み確認を行う場合には、ソースSを接地して(ソース電圧VS=0V)、制御ゲート11に4.5〜5.0V(ゲート電圧VG=4.5〜5.0V)、ドレインDに−1.0〜−0.5V(ドレイン電圧VD=−1.0〜−0.5V)を印加する。このように印加することで、ドレインDとソースSとの間にチャネル領域15が形成される。チャネルの向きは、データの書き込み時とは逆向きになる。
ドレインDに印加されるドレイン電圧VDが負電圧なので、これがシリコン酸化膜12に残った電荷から影響を受けることはない。そのために、ドレインDとソースSとの間のチャネル電流は、従来よりも多く流れる。チャネル電流が多く流れるので、書き込み確認が従来よりも確実に行えるようになる。
図1a、bに示すメモリセル1をNOR型に接続して構成されるメモリセルアレイ20では、制御ゲート11にワード線WLn(n=0,1,2…)が接続され、ソースSが接地され、ドレインDにビット線BLが接続される。通常はビット線BLも複数設けられるが、説明を簡素にするために、ここでは1本のビット線BLについて説明する。
ワード線WLnには、書き込み、読み出し、書き込み確認、消去などの処理に応じて適切な電圧が印加される。ワード線WLnに印加される電圧は、メモリセル1の制御ゲート電圧VGとなる。ワード線WLnへの電圧の印加装置については、従来と同じ構成のものを使用することができるので、ここでは説明を省略する。
読出用センスアンプ23及び確認用センスアンプ25に印加される基準電圧は、基準電圧発生器26から供給される。読出用センスアンプ23に印加される読出用基準電圧と確認用センスアンプ25に印加される確認用基準電圧とは、同じ電圧であっても異なる電圧であっても、どちらでもよい。
浮遊ゲート13に電荷が注入されているか否かにより、読み出し時のメモリセル1のドレインDの電圧が異なる。そのために、ビット線BLの電圧も異なる。この異なる電圧に応じた電圧がカスコード回路22から読出用センスアンプ23に入力される。読出用センスアンプ23では、カスコード回路22から入力される電圧と読出用基準電圧とを比較して、浮遊ゲート13に電荷が注入されている場合には、論理データ「0」となる電圧を読み出しデータとして出力し、浮遊ゲート13に電荷が注入されていない場合には、論理データ「1」となる電圧を読み出しデータとして出力する。
浮遊ゲート13に電荷が注入されているか否かにより、ビット線BLを流れる電流が異なる。この異なる電流のそれぞれに応じた電圧が、電圧供給回路24から確認用センスアンプ25に入力される。確認用センスアンプ25では、電圧供給回路24から入力される電圧と確認用基準電圧とを比較して、浮遊ゲート13に電荷が注入されている場合には、論理データ「1」となる電圧を確認データとして出力し、浮遊ゲート13に電荷が注入されていない場合には、論理データ「0」となる電圧を確認データとして出力する。
浮遊ゲート13に電荷が注入されている場合には、チャネルが発生せず、ビット線BLに電流は流れない。そのために、第1抵抗27と第2抵抗28との間の電圧は電源29から供給される電圧と同じになる。
つまり、浮遊ゲート13に電荷が注入されていないときの第1抵抗27と第2抵抗28との間の電圧が、電荷が注入されているときの電圧よりも高くなる。確認用センスアンプでは、この電圧と確認用基準電圧とを比較することで、論理データ「1」を出力するときは電荷が注入されていることを表し、論理データ「0」を出力するときは電荷が注入されていないことを表す、確認データを出力する。
上記の説明では、メモリセル1がn型MOS構造を有する半導体記憶装置であったが、これはp型MOS構造を有する半導体記憶装置であってもよい。この場合、書き込み確認時には、制御ゲート11に負電圧を印加する。また、浮遊ゲート13に代えて、ONO(Oxide-Nitride-Oxide)構造の窒化膜により電荷蓄積層が形成されていてもよい。
Claims (5)
- 半導体基板に第1、第2拡散領域が形成され、この2つの拡散領域に挟まれた領域の前記半導体基板上に、絶縁層に囲まれた電荷蓄積層と制御ゲートとが積層された半導体装置へのデータ書き込み方法であって、
前記制御ゲートに所定の電圧を印加し、前記第1拡散領域に正電圧を印加し、前記第2拡散領域に接地電圧を印加して前記電荷蓄積層に電荷を注入する工程と、
前記制御ゲートに前記所定の電圧と同じ極性の電圧を印加し、前記第1拡散領域に負電圧を印加し、前記第2拡散領域に前記接地電圧を印加して前記電荷蓄積層に注入された電荷の確認を行う工程と、を含む、
半導体装置へのデータ書き込み方法。 - 前記電荷蓄積層に注入された電荷の確認を行う工程では、前記制御ゲートに4.5〜5.0Vの電圧を印加し、前記第1拡散領域に−1.0V〜−0.5Vの電圧を印加する、
請求項1記載の半導体装置へのデータ書き込み方法。 - 半導体基板に第1、第2拡散領域が形成され、この2つの拡散領域に挟まれた領域の前記半導体基板上に、絶縁層に囲まれた電荷蓄積層と制御ゲートとが積層された半導体素子が、NOR型に接続されて、前記制御ゲートにワード線が接続され、前記第1拡散領域にビット線が接続され、前記第2拡散領域が接地されるメモリセルアレイと、
前記半導体素子の書き込み確認時に、抵抗を介して前記ビット線に負電圧を印加して、前記電荷蓄積層に注入された電荷に応じた電流を前記ビット線に流させる電源と、
前記ビット線を流れる電流に応じた電圧と確認用基準電圧とを比較して、その結果を書き込み確認の結果として出力する確認用センスアンプと、を備える、
半導体装置。 - 前記半導体素子からのデータ読み出し時に、前記ビット線の電圧に応じた電圧を読出用基準電圧と比較して、その結果を読み出しデータとして出力する読出用センスアンプと、
前記半導体素子からのデータ読み出し時に前記読出用センスアンプを前記ビット線に接続し、前記半導体素子の書き込み確認時に前記抵抗を前記ビット線に接続する切替器と、をさらに備える、
請求項3記載の半導体装置。 - 前記抵抗は、前記切替器に接続される第1抵抗と、前記第1抵抗と前記電源の陰極との間に接続される第2抵抗とを備えており、
前記第1抵抗と前記第2抵抗との間の電圧が、前記確認用センスアンプで前記確認用基準電圧と比較される、
請求項3又は4記載の半導体装置。
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