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JP5142582B2 - 画像加熱装置 - Google Patents

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JP5142582B2 JP2007111166A JP2007111166A JP5142582B2 JP 5142582 B2 JP5142582 B2 JP 5142582B2 JP 2007111166 A JP2007111166 A JP 2007111166A JP 2007111166 A JP2007111166 A JP 2007111166A JP 5142582 B2 JP5142582 B2 JP 5142582B2
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Description

本発明は、電子写真装置、静電記録装置などの画像形成装置に用いられ、記録材に形成された画像を加熱するための画像加熱装置に関するものである。
電子写真装置、静電記録装置などの画像形成装置においては、記録材上にトナー画像を形成し、これを加熱、加圧して定着させることにより画像を形成している。このような定着動作を行う装置として、加熱部材とそれに対して加圧するもう一つの加圧部材により定着ニップを形成し、この両者間で記録材を挟持搬送しながら定着を行うものがある。
このような定着装置(画像加熱装置)において、ユーザーや、サービスマン、オペレーター等が、定着装置内部のメンテナンスや滞留紙除去を行うため、定着ニップ直後の搬送ローラを定着装置に対して離間可能に構成したものがある(特許文献1参照)。
図14に示すように、画像形成装置1の筐体から、引き出しレール91に固定された引き出しユニット92と、引き出しユニット92上に搭載された定着装置5を引き出した後に、定着装置5の操作を行う。
図15(a)に示すように、定着装置5は、加熱部材としての定着ローラ71と、定着ローラ71に加圧する加圧部材としての定着ベルト731を有し、分離部材としての分離爪800、分離板817を定着ベルト731、定着ローラ71に隣接させている。
回動アーム85は、前後の側板(不図示)により、分離爪800と分離板817と、定着ローラ71直後の搬送ローラ対82を両端から保持し、開閉ユニット81を構成している。分離爪800は、定着ベルト731からの記録材分離のため、定着ベルト731が定着ローラ71に当接した状態で、引張バネ801により定着ベルト731にバネ付勢されて当接している。図15(b)に示すように、開閉ユニット81は、回動軸819を中心に定着ローラ71、定着ベルト731から離間する方向(矢印A方向)に回動可能である。
上記構成の画像形成装置において、定着装置内で搬送不良の発生や、メンテナンスなどのため定着装置内部にアクセスするような場合には、定着ローラ71から定着ベルト731を離間させ、圧解除状態とする。その後、開閉ユニット81を回動し、定着装置内部にアクセスする。
特開平4−316076号公報
しかしながら、定着ローラ71と定着ベルト731が加圧状態で、停電、故障などにより突然電源が遮断されたり、誤動作により、定着ローラ71と定着ベルト731は離間せず、加圧状態のまま動作を停止したりする場合がある。
このような状態で、引き出しユニット92を引き出し、開閉ユニット81を開き、定着装置内部にアクセスしようとすると、定着ベルト731に押圧された分離爪800の先端が定着ベルト731表面を摺擦する。高画質化などのため、定着ベルト731の表層を弾性のある部材や柔らかい部材で形成すると、分離爪800による摺擦により、微小な傷が発生する。画像を記録材上の定着ベルト731側に形成し、定着ニップWを通過させると、定着ベルト731の微小な表面状態が定着後のトナー像表面に転写される。これに対応してトナー画像上に表面状態の差が生じてしまい、結果、光沢ムラ(グロスムラ)等の画像品位の低下が生じてしまう。これは特に高グロスで顕著となる。
また、開閉ユニット81が正常にセットされていない半締り状態になると、定着ニップとその直後の搬送ローラ対82や搬送ガイドとの関係が変化するため、搬送不良の発生要因となった。この場合も、前述するように分離爪800により表面に傷が発生し、画像品位の低下の要因となる問題があった。同様に開閉ユニット81が正常にセットされた状態でも、作業者の操作や衝撃などでラッチが外れるなどし、開閉ユニット81が半締りになると同様の問題が発生した。
開閉ユニット81の半締り対策としては、トグル機構の追加、あるいはセンサーを追加しロック状態を検知するなどの方法があるが、操作性や確実性の達成は困難であるし、いずれも機構や部品追加のためコスト上昇が避けられなかった。
そこで本発明は、分離ユニットを正規の位置に保持し、低コストで搬送不良、画像品位の低下を抑制できる画像加熱装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明に係る画像加熱装置の代表的な構成は、記録シート上に形成された画像を加熱する加熱部材と、前記加熱部材に圧接する加圧部材を備えた加圧ユニットと、前記加圧部材が前記加熱部材に圧接した圧接位置と前記加圧部材が前記加熱部材から離間した離間位置を取り得るように前記加圧ユニットを移動させる移動手段と、前記加圧部材から記録シートを分離する分離部材を備え、前記分離部材が記録シートを分離する分離位置と前記分離部材が前記分離位置から退避した退避位置を取り得るように移動可能に構成された分離ユニットと、を有し、前記移動手段は、前記分離ユニットが前記退避位置に位置しているとき、前記加圧ユニット前記離間位置から前記圧接位置へと移動させる動作に連動して前記分離ユニットを前記分離位置にてロックすべく前記分離位置へと押圧する押圧部を有することを特徴とする。
本発明によれば、分離ユニットを正規の位置に保持し、低コストで搬送不良、画像品位の低下を抑制できる。
本発明に係る画像加熱装置の実施形態について、図を用いて説明する。
(画像形成装置)
図1は本実施形態に係る画像形成装置(レーザービームプリンタ)の断面図である。図2は画像形成部の断面図である。
図1に示すように、装置本体内には画像形成手段である4つの画像形成ステーションPa、Pb、Pc、Pdが並設されている。画像形成ステーションPa〜Pdは、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの各色のトナー像を形成する。
図2に示すように、図示矢印方向に回転される像担持体である感光ドラム1a、1b、1c、1dをそれぞれ有している。また、各感光ドラム1a〜1dの周囲には、帯電器12a、12b、12c、12dと現像装置2a、2b、2c、2d及びクリーナ4a、4b、4c、4dが各感光ドラム1a〜1dの回転方向に沿って順次配設されている。各感光ドラム1a〜1dの下方には、転写部3が配設されている。尚、転写部3は、各画像形成ステーションPa〜Pdに共通の記録搬送手段である転写ベルト31と転写用帯電器3a、3b、3c、3dを有している。
給送手段である給送カセット11から給送された記録材Sは、転写ベルト31上に支持されて各画像形成ステーションPa〜Pdへ搬送され、各感光ドラム1a〜1d上に形成された各色のトナー像を順次転写される。トナー像を転写された記録材Sは、転写ベルト31から分離され、定着装置5へ搬送される。定着装置5で記録材Sに転写されたトナー像は、熱と圧力により記録材S上に定着され、排出処理装置6に搬送される。排出処理装置6では、記録材Sを搬送ローラ61で排出トレイ62上へ排出する。排出トレイ62は下方に移動することで多数枚の排出積載が可能となっている。排出処理装置6では、多数枚の記録材Sをスティップルしたりする処理も可能である。
(画像加熱装置)
画像加熱装置の一例である定着装置5の構成について、図3〜図7を用いて説明する。
図3に示すように、定着装置5は、定着ローラ部70、定着ベルト部73を有している。
定着ローラ部70は、定着ローラ71、ヒーター721を有している。
定着ローラ71は、アルミ等からなる芯金711の表層に、シリコンゴムからなる弾性層712が設けられ、その表層にはPFAチューブからなりトナーの離型性を高める離型層713が設けられている。定着ローラ内部には、ヒーター721が中心部近傍に配置されている。
定着ベルト部73は、エンドレスである定着ベルト731を、入口ローラ732、分離ローラ733、ステアリングローラ734により張架している。定着ベルト部73は、定着ローラ71に対して加圧動作することで定着ニップNを形成する加圧ユニットである。定着ベルト部73は、定着ローラ71に対して記録材搬送路よりも加圧部材側に位置する回動軸754を中心に回動可能となっている。
ステアリングローラ734の一端は、矢印T方向に移動可能となっていて、定着ベルト731の寄りを修正している。定着ローラ71及び定着ベルト731は、記録材Sに形成された画像を加熱するため記録材Sを挟持搬送する加熱部材及び加圧部材である。
また、ベルト内部には加圧パッド部740が配置されている。加圧パッド部740は、SUS等の金属からなるベース741、シリコンゴム等からなる加圧パッド742、PIフィルム等からなる摺動シート743を有している。摺動シート743は、加圧パッド742と定着ベルト731の間に配置されている。
入口ローラ732と加圧パッド部740の間には、オイル塗布部材735が設けられている。オイル塗布部材735には、シリコンオイルが含浸されていて、定着ベルト731の内面にオイルを塗布し、定着ベルト731と摺動シート743との摩擦力を低減している。定着ベルト表面の温度を測定するサーミスター736が、入口ローラ732近傍に配置されている。
(加圧機構75)
次に、図4、図5を用いて、定着ベルト部73を定着ローラ71へ加圧する加圧機構75について説明する。加圧機構75は、定着ベルト部73の両端に設けられている。両側の加圧機構75はほぼ同構成であるため、図4では片側の加圧機構75のみ図示して説明する。
加圧機構75は、定着ベルト731を圧接位置から退避させるため定着ベルト731を備えた定着ベルト部(加圧ユニット)73を回動させる回動手段である。図4に示すように、加圧機構75は、ローラ加圧ホルダ751、パッド加圧ホルダ752、加圧ホルダ753、ローラ加圧バネ757、パッド加圧バネ758から構成されている。
ローラ加圧ホルダ751は、定着入口ローラ732の端部の軸受732a、分離ローラ733の端部の軸受733aを押し上げ可能に支持している。パッド加圧ホルダ752は、加圧パッド部740のベース741の端部を押し上げ可能に支持している。ローラ加圧ホルダ751、パッド加圧ホルダ752の下方には加圧ホルダ753が配置されている。ホルダ751〜753は、回動軸754に揺動可能に軸支されている。
また、加圧ホルダ753とローラ加圧ホルダ751の間には、ローラ加圧バネ757が配置されている。加圧ホルダ753に固定されたガイド軸755は、ローラ加圧バネ757の内部を通り、ローラ加圧ホルダ751に設けられた穴を通るように配置されている。
また、加圧ホルダ753とパッド加圧ホルダ752の間には、パッド加圧バネ758が配置されている。加圧ホルダ753に固定されたガイド軸756は、パッド加圧バネ758の内部を通り、パッド加圧ホルダ752に設けられた穴を通るように配置されている。
加圧パッドホルダ753の側面には、受部759が設けられている。受部759の下には、加圧カム761が設けられている。加圧カム761は、回動軸760を偏心軸として回動し、受部759を上下させる。
図5(a)は定着ローラ71に定着ベルト部73が加圧されている状態を示す図である。図5(b)は定着ローラ71から定着ベルト部73が退避している状態を示す図である。
図5(a)に示すように、加圧カム761(移動手段)が回動軸760を中心に図示しない駆動系により回転し、加圧カム761の長径761aが頂上(受部759に当接する位置)に位置する。この状態で、受部759(移動手段)が上方に押し上げられ、加圧ホルダ753が回動軸754を中心に定着ローラ71側(矢印V方向)に回転する。
これにより、ローラ加圧ホルダ751が、ローラ加圧バネ757の付勢力により回動軸754を中心に回動し、分離ローラ733が定着ローラ71に加圧力SFで加圧される。同様に、パッド加圧ホルダ752が、パッド加圧バネ758の付勢力により回動軸754を中心に回動し、加圧パッド部740が定着ローラ71に加圧力PFで加圧される。
この状態で、定着ローラ71を搬送方向(矢印G方向)に回転させると、定着ベルト731も定着ローラ71に従動して回転する。記録材Sが矢印H方向から搬送され、定着ローラ71と定着ベルト731のニップNに狭時されると、定着ローラ71、定着ベルト731との熱で記録材S上のトナーが溶融され、加圧パッド部740の圧によりトナーが記録材Sに押し付けられ定着する。
図5(b)に示すように、加圧カム761が回動軸760を中心に図示しない駆動系により回転し、加圧カム761の短径761bが受部759に当接する。この状態で、受部759が図5(a)の状態から下方に下げられ、加圧ホルダ753が回動軸754を中心に定着ローラ71から離間する方向(矢印W方向)に回転する。
これにより、ローラ加圧バネ757の付勢力が付加されなくなり、ローラ加圧ホルダ751が回動軸754を中心に回動して、分離ローラ733が定着ローラ71から離間する。同様に、パッド加圧バネ758の付勢力が付加されなくなり、パッド加圧ホルダ752が回動軸54を中心に回動して、加圧パッド部740が定着ローラ71から離間する。
記録材が搬送されていない状態や、画像出力待ちのようなスタンバイ状態では、図5(b)の配置にし、定着ローラ71から定着ベルト731、分離ローラ733、加圧パッド部740を離間させる。
ここで定着ベルト731が停止していると、入口ローラ780内に設けたベルトヒ−タ781からの熱で入口ローラ780の部分だけ定着ベルト731の温度が高くなってしまう。そこで、分離ローラ733を搬送方向(矢印J方向)に回転する。このとき、定着ローラ71も回転させれば定着ローラ71の温度ムラも発生しない。
また、最近の高出力定着装置では、定着時に記録材に温度が奪われるときにおこる定着ローラ71の温度低下を防止するために、定着ローラ71を外部からあたためる外部加熱ローラ(不図示)を備えた定着構成が提案されている。このような構成の定着装置においては、スタンバイ中に定着ローラ71が回転していないと、外部加熱ローラの熱で局所的に定着ローラ71を加熱してしまうため、スタンバイ中に定着ローラ71も回転させて定着ローラ71の温度ムラを防止している。
(分離構成)
次に図6を用いて、定着ニップNを記録材Sが通過した後の分離構成について説明する。図6は分離ローラ733近傍の拡大図である。図6に示すように、金属からなる分離ローラ733は、加圧手段により定着ベルト731を介して定着ローラ71に加圧されているため、定着ローラ71の弾性層712が円弧形状に凹む。特に分離ローラ733と接触している端部では、弾性層712の円弧形状が反対方向になり、凸となる。
記録材S上のトナーは定着装置5のニップNで溶融、加圧されるため、トナーと定着ローラ表層はその表面張力により張り付いた状態となる。しかし、定着ローラ71の弾性層712bで分離ローラ733によりその円弧形状が反対方向になっている。このため、定着ローラ71に張り付いたトナーは剥離される。
ニップNの搬送方向下流側には、定着ベルト731、定着ローラ71から記録材Sを分離する分離爪800、分離板817(分離部材)(分離ユニット)が設けられている。分離ユニットは、定着ベルト部73に対して記録材搬送路よりも加熱部材側に位置する回動軸819を中心に回動可能となっている。
記録材Sは弾性層712と分離ローラ733でしごかれ、定着ベルト731方向にコシ付けされる。そのため、先端が定着ベルト731に巻きつきやすくなるため、分離爪(分離部材)800を定着ベルト731に接触させて、定着ベルト731から記録材Sを分離する。分離爪800は、定着ベルト731上の記録材S先端をスクレープし、定着ベルト731の面からの記録材Sの分離を補助する。
分離爪800は記録材Sを確実に分離するため、鋭利な先端部を有し、その先端精度が要求されるため、耐熱高硬度材であるポリイミド系(PI)、あるいはポリアミドイミド系(PAI)等の材料が用いられる。また、分離爪800の離型性を向上させるために先端表面にフッ素樹脂のコーティングがほどこしてある。
記録材Sの厚さが薄くなると、分離爪800を定着ベルト731に対して非接触とすると、分離爪800と定着ローラ間に記録材Sの先端が侵入し、記録材搬送の妨げになる。このため、分離爪800は、分離爪回動軸802を中心に引張バネ(付勢部材)801により定着ベルト731に向けて付勢されている。
しかしながら、分離爪800は上述のように硬質の材料で形成されるため、先端やエッジ部を定着ベルト731に当接させると、鋭利なエッジや微細なバリ等の影響で記録材Sのスクレープの際に、定着ベルト731に微細な傷をつける場合がある。画像を記録材上の定着ベルト731側に形成し、ニップNを通過させる際に、定着ベルト731の微小な表面状態が定着後のトナー像表面に転写される。定着ベルト731上の表面状態が異なると、それに対応してトナー画像上に表面状態の差が生じてしまい、結果、光沢ムラ(グロスムラ)を生じてしまう。これは特に高グロスで顕著となる。
そのため、定着ベルト731に対して先端を非接触かつ平面部を当接させることで、分離爪先端による定着ベルト傷を防止すると共に、分離爪800と定着ベルト間に記録材Sが侵入することを防止し、分離を向上させる。
図7に示すように、ニップNから排出された記録材Sは、排出ローラ810と排出従動ローラ811(搬送手段)とで挟持搬送され、搬送下ガイド812、搬送上ガイド813にガイドされて装置外へと排出される。
分離板817の先端は、定着ローラ71に記録材Sが張り付くことを防止するため、定着ローラ71に対してギャップを持って近接している。記録材S上のトナーが冷却され定着する前に分離板817に付着することを防止するため、PFAのシート部材を分離板817に塗布している。
分離爪800、分離板817、搬送下ガイド812、搬送上ガイド813、排出ローラ810、排出従動ローラ811は、定着後排出側板(奥)814と定着後排出側板(手前)815に保持されて、開閉ユニット(回動手段)81(分離ユニット)を構成している。
開閉ユニット81は、定着装置5に対して定着ローラ71の回転方向に回転可能に、回動軸819に軸支されている。開閉ユニット81は、ラッチ部材818により定着装置5の軸部材820にラッチすることで固定される。図8に示すように、開閉ユニット81は回動操作のためのハンドル822を具備し、図示されないラッチ作動手段を有する。開閉ユニット81は、ハンドル822によりラッチが解除され、矢印のX方向に回動させて、分離爪800、分離板817を分離位置から退避できる。
(定着装置内部へのアクセス)
次に、搬送異常やメンテナンスのために定着装置内部にアクセスするための構成及びその作用について図9、図14〜図15を用いて詳細に説明する。
定着装置内部にアクセスする場合、図14に示すように、定着装置5を画像形成装置の筐体外へと引き出し、開閉ユニット81を図9で示すように開く。ハンドル822(図8参照)を回してラッチを解除し、開閉ユニット81を矢印X方向に回動させる(図9参照)。この際、ニップN直後の排出ローラ810、排出従動ローラ811と分離爪800も定着ローラ71から離間する方向へ回動される。
回動軸819には図示されないダンパー機構が具備され、定着ローラ71に接近する方向の回動に抵抗力を付勢することで、開閉ユニット81が急に締ることを抑止する。また、回動軸819上に図示されないトグル機構を配し、開閉ユニット81を開状態で保持する角度付近で、図9上において時計回りの力を作用させ、保持位置(開位置)に開閉ユニット81を引き込むようにしている。
図9(a)に示すように、搬送異常が発生して記録材Sが停止した場合、開閉ユニット81を図9(b)のように開き、記録材Sを処理する。また、分離爪800と定着ベルト731間に記録材Sが侵入するような場合にも、図9(b)のように分離爪800が同一の機構でワンアクションに退避動作可能であるため、容易に滞留紙の処理が可能である。
(ロック手段)
次に、加圧機構75(図5参照)が開閉ユニット81を押し込んでロックするロック手段と、半締り状態にある開閉ユニット81の押し込みについて、図10〜図13を用いて詳細に説明する。
定着ベルト部(加圧ユニット)73は、定着ローラ71に圧接した圧接位置にあるとき分離位置にある分離ユニット(分離爪800、分離板817)をロックする押し上げ部材(ロック手段)840を有する。
定着ベルト731の加圧時のロック動作と、ベルト加圧する際の開閉ユニット81の押し込み動作について説明する。図10は加圧状態、図11は加圧動作中の状態である。図12(a)、図12(b)は加圧状態と加圧動作中の状態における開閉ユニット81を押し込む押し込み機構の詳細図である。
開閉ユニット81は、押し込み部材830を有する。押し込み部材830は押し込み回動軸831を介して開閉ユニット81に回動可能に取り付けられ、押バネ832により押圧されている。
定着ベルト部73を定着ローラ71に加圧する際に、ローラ加圧ホルダ751が押し上げられる。この動作により、ローラ加圧ホルダ751に取り付けられた押し上げ部材840(押圧部)の斜面840aが、押し込み部材830の頂点831aを押圧し、押バネ832の付勢力に抗して所定の角度回動し、開閉ユニット81を矢印Y方向に押圧する。これにより、開閉ユニット81は、閉位置(分離位置)に回動し、図11の待機位置Tにある分離爪800と定着ベルト731が接触し、定着ベルト731の定着ローラ71への加圧が完了する。
加圧完了状態では、押し上げ部材840の平面部840bは、押し込み部材830の平面部830bを押圧し、開閉ユニット81が押圧されて、ロック状態になる。
このため、搬送中のラッチ外れ等を防止できる。また、開閉ユニット81はロックされた状態になるため、定着ベルト部73の加圧状態で開閉ユニット81を操作することはできない。このため、定着ベルト部73の加圧状態で誤って開閉ユニット81を開いてしまうことによる、分離爪800と定着ローラ731間の擦りなどを防止でき、分離爪800による定着ベルト731への傷発生を低減できる。
定着ベルト部73を定着ローラ71から離間する際は、上記動作と逆の動作をし、ローラ加圧ホルダ751が下方に回動することにより、押し上げ部材840が押し込み部材830から離間し、開閉ユニット81の回動範囲から退避する。これにより、開閉ユニット81を開く際には、常に定着ベルト731を定着ローラ71から離間させた状態となっており、分離爪800が定着ベルト731を傷つけることを防止できる。
次に、開閉ユニット81の半締り状態における定着ベルト部73の加圧動作と開閉ユニット81を押し込む動作について説明する。図13は定着ベルト部73の加圧動作中の状態である。
図13に示すように、半締り状態の開閉ユニット81に対して定着ベルト部73が矢印A方向に加圧動作すると、まずローラ加圧ホルダ751の押し上げ部材840が開閉ユニット81の押し込み部材830に接触する。そのまま、押し込み部材830を矢印B方向に押圧し、開閉ユニット81を矢印C方向に押圧する。
開閉ユニット81のラッチ部材818は、開閉ユニット81が矢印C方向に押圧されることで、定着装置5に取り付けられた軸部材820(回動軸)にラッチする。分離爪800は、半締り状態では位置が決まらず、定着ベルト731に対して不安定な位置関係にあるが、開閉ユニット81がラッチされて正規の位置にセットされることで、待機位置Tに移動する。そのため、定着ベルト731と分離爪800が接触する際には、安定した分離爪800と定着ベルト731の当接関係が維持することができる。
本実施例では、定着ベルト731を定着ローラ71から退避させる際の定着ベルト部73の回動方向を、分離爪800を定着ベルト731から退避させる際の分離ユニット(分離爪800、分離板817)の回動方向とは逆方向とした。すなわち、開閉ユニット81の閉じる回転方向に対して、加圧機構75による加圧の回転方向が呼び込みの位置関係にあるため、開閉ユニット81の押し込み動作に対して優位な構成となっている。
また、定着ベルト部73は、圧接位置にあるとき、退避位置にある分離ユニット(分離爪800、分離板817)が分離位置へ位置するのを阻止する阻止部841を有する。これにより、定着ベルト731が定着ローラ71に圧接した加圧状態において、開閉ユニット81が閉じて分離爪800が定着ベルト731を傷つけることを防止できる。
上記構成により、トグル機構の追加、あるいはセンサーを追加することなく、定着ベルト731を定着ローラ71に加圧する動作により、ロック手段により開閉ユニット81を正規の位置に保持することができ、低コストで搬送不良、画像品位の低下を抑制できる。
なお、本実施例においては、押し込み部材830と押し上げ部材840が加圧動作で接触可能な位置状態にあるときの例を示したが、別の半締り防止機構により、おおまかに開閉ユニット81の位置を決めてから、押し込む構成も同様な効果が得られる。また、分離爪800と定着ベルト731の当接順序に関してもこの実施例の限りでは無く、加圧動作により分離爪800と定着ベルト731の接触位置が決まる構成であれば、本実施例に限定されない。
さらに、押し込み部材830の変わりに、加圧する機構の部品の一部が加圧状態において、開閉ユニット81の一部に当接し、開閉ユニット81の回動を抑止する構成であれば、本実施例と同様の効果が得られる。
本発明の実施例では、定着部材にローラを、そして熱源にハロゲンランプを用いた例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ローラがベルトでも、熱源が誘導加熱でも良く、本発明を適用することにより同様の効果が得られる。
画像形成装置の断面図である。 画像形成手段の断面図である。 定着装置の断面図である。 加圧ユニットの斜視図である。 加圧ユニットの加圧・離間動作を説明する断面図である。 分離部材付近の断面図である。 開閉ユニットの断面図である。 開閉ユニットの斜視図である。 開閉ユニットの回動を説明する断面図である。 加圧ユニットの加圧状態における、開閉ユニットの固定方法を説明する断面図である。 ベルト加圧ユニットの加圧動作中における、開閉ユニットの固定方法を説明する断面図である。 ロック手段の断面図である。 開閉ユニットが半締り状態における加圧ユニットによる押し込みを説明する断面図である。 画像形成装置から定着装置を引き出す状態の斜視図である。 従来の定着装置の断面図である。
N…ニップ
P…画像形成ステーション
PF…加圧力
S…記録材
SF…加圧力
T…待機位置
1…感光ドラム
2…現像装置
3…転写部
3a…転写用帯電器
4…クリーナ
5…定着装置
6…排出処理装置
11…給送カセット
12…帯電器
31…転写ベルト
61…搬送ローラ
62…排出トレイ
70…定着ローラ部
71…定着ローラ(加熱部材)
73…定着ベルト部(加圧ユニット)
81…開閉ユニット
82…搬送ローラ対
92…引き出しユニット
711…芯金
712…弾性層
713…離型層
721…ヒーター
731…定着ベルト(加圧部材)
732…定着入口ローラ
732a…軸受
733…分離ローラ
733a…軸受
734…ステアリングローラ
735…オイル塗布部材
736…サーミスター
740…加圧パッド部
741…ベース
742…加圧パッド
743…摺動シート
75…加圧機構(回動手段)
751…ローラ加圧ホルダ
752…パッド加圧ホルダ
753…加圧ホルダ
754…回動軸
755…ガイド軸
756…ガイド軸
757…ローラ加圧バネ
758…パッド加圧バネ
759…受部
760…回動軸
761…加圧カム
761a…長径
761b…短径
800…分離爪(分離部材)
801…引張バネ
802…分離爪回動軸
810…排出ローラ
811…排出従動ローラ
812…搬送下ガイド
813…搬送上ガイド
814…定着後排出側板
815…定着後排出側板
817…分離板
818…ラッチ部材
819…軸部材
822…ハンドル
830…押し込み部材
830b…平面部
831…押し込み回動軸
831a…頂点
832…押バネ
840…押し上げ部材(ロック手段)
840b…平面部
841…阻止部

Claims (6)

  1. 記録シート上に形成された画像を加熱する加熱部材と、
    前記加熱部材に圧接する加圧部材を備えた加圧ユニットと、
    前記加圧部材が前記加熱部材に圧接した圧接位置と前記加圧部材が前記加熱部材から離間した離間位置を取り得るように前記加圧ユニットを移動させる移動手段と、
    前記加圧部材から記録シートを分離する分離部材を備え、前記分離部材が記録シートを分離する分離位置と前記分離部材が前記分離位置から退避した退避位置を取り得るように移動可能に構成された分離ユニットと、を有し、
    前記移動手段は、前記分離ユニットが前記退避位置に位置しているとき、前記加圧ユニット前記離間位置から前記圧接位置へと移動させる動作に連動して前記分離ユニットを前記分離位置にてロックすべく前記分離位置へと押圧する押圧部を有することを特徴とする画像加熱装置。
  2. 前記分離ユニットには前記加熱部材により加熱された記録シートを搬送する搬送手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の画像加熱装置。
  3. 前記加圧ユニットは前記画像加熱装置による記録シートの搬送経路よりも前記加圧部材側に設けられた回動軸を中心に回動可能であり、
    前記分離ユニット前記画像加熱装置による記録シートの搬送経路より前記加熱部材側に設けられた回動軸を中心に回動可能であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像加熱装置。
  4. 前記加圧ユニットが前記離間位置から前記圧接位置へ回動する方向と前記分離ユニットが前記退避位置から前記分離位置へ回動する方向は互いに逆方向であることを特徴とする請求項3に記載の画像加熱装置。
  5. 前記分離ユニットには前記分離ユニットを回動させるためのハンドルが設けられていることを特徴とする請求項3又は4に記載の画像加熱装置。
  6. 前記分離部材は前記加圧部材に接触して記録シートを分離するように設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の画像加熱装置。
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