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JP5036587B2 - 車両制御装置、及び鞍乗型車両 - Google Patents

車両制御装置、及び鞍乗型車両 Download PDF

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JP5036587B2 JP2008037432A JP2008037432A JP5036587B2 JP 5036587 B2 JP5036587 B2 JP 5036587B2 JP 2008037432 A JP2008037432 A JP 2008037432A JP 2008037432 A JP2008037432 A JP 2008037432A JP 5036587 B2 JP5036587 B2 JP 5036587B2
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Description

本発明は、ユーザーが所持する携帯機との通信機能を有する車両制御装置、及びそれを備えた鞍乗型車両に関し、特に車両の停止状態において電力が無駄に消費されることを防止する技術に関する。
近年、自動二輪車などの鞍乗型車両において、ユーザーによって所持される携帯機と、車体に搭載される車両制御装置とを含むキーレスエントリーシステムが利用されてきている。このようなキーレスエントリーシステムでは、携帯機には予め識別情報が設定されており、車両制御装置は携帯機と無線で通信して、その識別情報に基づいて携帯機について認証の処理を行う。そして、その処理の結果、携帯機が認証された場合に、ユーザーによる車両の起動及び操作が許容される。
このようなキーレスエントリーシステムを備える車両を駐車する際には、一般的に、ユーザーが車両の電源スイッチをオフすることで、ECU等の各種電装品への電力供給が停止される。しかしながら、ユーザーが電源スイッチをオフすることを忘れたまま車両から立ち去ると、電源の電力が無駄に消費され、電源の残量が著しく低下する場合がある。
このような事態を防止する技術として、特許文献1には、車両が停止されると車両制御装置が携帯機との通信を試行し、通信が成立しない場合には、電源からの電力供給を自動的に停止する処理を行うシステムが開示されている。
特許第2678502号公報
しかしながら、車両の使用状況によっては、車両の停止状態において携帯機との通信が成立しない場合に、電源の電力供給を自動で停止することが必ずしも適切でない場合がある。
例えば、キーレスエントリーシステムを備えた車両には、走行中に携帯機が落下した場合に、当該携帯機の落下を検知するとともに、そのまま車両の走行が許容されるものがある。このように携帯機が走行中に落下した場合など、車両制御装置と携帯機との通信が成立し得ない状況で車両の走行が許容されていた場合には、その後の停止状態において、電源の電力供給を自動で停止することは必ずしも適切でない。しかしながら、上記特許文献1に開示されるシステムでは、このような場合にまで、電力供給が停止され、利便性において十分ではなかった。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、電源からの電力供給を自動で停止する処理を適切な状況において実行し、車両の利便性を向上できる車両制御装置及び鞍乗型車両を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る車両制御装置は、電装品に電力を供給する電源とともに車両に搭載され、ユーザーによって所持される携帯機と通信可能に設けられる車両制御装置であって、提供された情報を記憶する記憶部と、前記携帯機と通信するための通信部と、前記通信部による前記携帯機との通信が成功しない状況において車両の作動が許容される許容条件が満たされるか否かを判定するとともに、当該許容条件が満たされる場合には、前記携帯機との通信が成功しない状況において車両の作動が許容されたことを示す情報を無通信許容情報として前記記憶部に格納する条件判定部と、車両が停止状態に至ったか否かを判定する停止判定部と、車両の停止状態において前記通信部による前記携帯機との通信が成立しない場合に、前記電源の電力供給を停止する処理を実行する電源制御部と、を備える。そして、前記電源制御部は、前記記憶部に前記無通信許容情報が格納されている場合には、前記電源の電力供給を停止する前記処理の実行が制限される。
また、上記課題を解決するために、本発明に係る鞍乗型車両は上記車両制御装置を備える。
本発明では、電源制御部が、車両の停止状態において携帯機との通信が成立しない場合に、電源の電力供給を停止するので、車両の停止状態において電源の電力が無駄に消費されることを抑制できる。また、携帯機と通信することなく車両の作動が許容されている状況では、その後の停止状態においては電源制御部の処理が制限され、電源の電力供給を維持できるので、車両の利便性を向上できる。なお、ここで鞍乗型車両は、ユーザーがシートに跨って座る車両であり、例えば、自動二輪車(スクーターを含む)や、二輪電動車、四輪バギー、スノーモービル等である。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の実施形態の例である車両制御装置1を備える自動二輪車100の概略の側面図であり、図2は当該自動二輪車100が備える装置のブロック図である。
なお、自動二輪車100は、所謂キーレスエントリーシステムを備えた車両であり、ユーザーによって所持される携帯機30を認証するための処理を実行する。当該処理において携帯機30が認証されると、エンジンの始動等の車両の作動が許容される。携帯機30には固有の識別情報が割り当てられており、携帯機30は、識別情報の送信を要求する信号を自動二輪車100から受信した場合に、予め記憶している識別情報を返信する。自動二輪車100では、携帯機30から返信された識別情報に基づいて、上述した認証のための処理が実行される。
図1又は図2に示すように、自動二輪車100は、車両制御装置1の他に、エンジン2と、前輪3と、後輪4と、バッテリ41とを備えている。また、車両制御装置1は、電源制御装置10とECU(Electronic Control Unit)20とを含んでいる。
図1に示すように、前輪3は車体前部に配置されたフロントフォーク8によって支持されている。フロントフォーク8の上方にはハンドル5が配置され、当該ハンドル5は、ユーザーのハンドル操作に応じて、フロントフォーク8及び前輪3と一体的に回転可能に設けられている。エンジン2は車体下部に配置され、その内部で燃料を燃焼させることによって駆動する。エンジン2の駆動力は変速機等を含む伝達ユニット9を介して後輪4に伝達される。また、自動二輪車100では、エンジン2の上方に搭乗者が跨って座るためのシート6が配置され、車体中央の下部には、車体を立った姿勢で支持するためのスタンド7が配置されている。スタンド7は、その使用時にはユーザーによって地面に対して立てられて、車体を支持し、その不使用時には車体側に上げられる。
バッテリ41は、エンジン2の駆動によって発電する発電機(不図示)に接続されており、当該発電機によって充電される。バッテリ41は、蓄えた電力をECU20や電源制御装置10、不図示の灯火器等に供給する。図2に示すように、バッテリ41は電源制御装置10とECU20のそれぞれに接続され、ECU20とバッテリ41との間にはリレー回路42が設けられている。
ECU20の構成について説明する。図2に示すように、ECU20は、制御部21と、記憶部22と、電源回路23と、エンジン駆動回路24と、入力回路25と、通信インターフェース部26とを備え、リレー回路42を介してバッテリ41から供給される電力によって作動する。
記憶部22はRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)を含んでおり、制御部21によって実行されるプログラムを予め記憶している。制御部21は、マイクロプロセッサを含み、記憶部22に格納されているプログラムに従って動作して、エンジン2を制御する。例えば、制御部21は、エンジン2に設けられた点火装置(不図示)による点火タイミングや、燃料噴射装置(不図示)による燃料のエンジン2への供給量等を制御する。エンジン駆動回路24は、制御部21から入力される信号に基づいて、このような燃料噴射装置や点火装置を駆動させる。
電源回路23はリレー回路42を介してバッテリ41に接続されており、リレー回路42がオン状態に設定されている場合には、当該バッテリ41から供給される電力を、ECU20を構成する各部の動作電圧に変換して供給する。バッテリ41からの電力供給は、リレー回路42がオフ状態にされることによって停止される。詳細には、リレー回路42がオフ状態にされると、まず電源回路23がその旨を制御部21に通知し、制御部21は当該通知に応じて予め設定された動作終了時の処理を実行した後に、電源回路23の作動を停止させて、バッテリ41からECU20への電力供給を停止する。なお、後述するように、リレー回路42のオン/オフは電源制御装置10によって行われる。
入力回路25は、車速センサ53aとエンジン回転数センサ53bのそれぞれに接続されている。車速センサ53aは、例えば前輪3の車軸に取り付けられ、車速に応じたパルス信号を出力する。エンジン回転数センサ53bは、エンジン2の内部に配置され、エンジン回転数に応じたパルス信号を出力する。入力回路25は、車速センサ53a及びエンジン回転数センサ53bから入力された信号をデジタル信号に変換して制御部21に入力する。制御部21は、入力回路25から入力された信号に基づいて、車速及びエンジン回転数を検知する。また、入力回路25にはスタンド7の使用状態に応じて信号を出力するスタンドセンサ53cが接続されている。スタンドセンサ53cは、例えば、スタンド7が不使用状態にある時には信号を出力し、使用状態にある場合には当該信号の出力を停止する。入力回路25は、スタンドセンサ53cから入力された信号を制御部21に入力し、制御部21はその信号に基づいてスタンド7の使用状態を検知する。
通信インターフェース部26は電源制御装置10に接続されており、制御部21の指示に基づいて電源制御装置10に信号を出力し、車両の運転状態等を示す各種情報を電源制御装置10に通知する。本実施形態では、通信インターフェース部26は、制御部21が車速センサ53aによって検知した車速と、エンジン回転数センサ53bによって検知したエンジン回転数とを電源制御装置10に通知する。
電源制御装置10の構成について説明する。図2に示すように、電源制御装置10は、制御部11と、記憶部12と、無線通信部13と、リレー駆動回路14と、ランプ駆動回路15と、入力回路16と、電源回路17と、通信インターフェース部18とを有している。
記憶部12はROMやRAMなどを備えており、制御部11によって実行されるプログラムを予め記憶している。制御部11は、マイクロプロセッサを含み、記憶部12に予め格納されたプログラムに従って動作する。例えば、制御部11は携帯機30を認証するための処理や、バッテリ41の電力が無駄に消費されるのを防止するために、所定の状況下では、自動でバッテリ41の電力供給を停止する処理を行う。制御部11が実行する処理については後において詳細に説明する。
無線通信部13は送信機や、受信機、無線アンテナ等を含み、制御部11から入力される信号を電波信号として送信する。また、無線通信部13は、携帯機30から受信した電波信号をデジタル信号として制御部11に出力する。なお、無線通信部13は予め設定された強度で電波を送信するよう設けられており、所定の通信範囲(例えば、電源制御装置10から数メートルの範囲)に携帯機30がある場合に、当該携帯機30との通信が可能となっている。
リレー駆動回路14はリレー回路42に接続されており、制御部11から入力される信号に基づいてリレー回路42をオン状態又はオフ状態に設定する。
入力回路16は電源スイッチ51と、複数の操作センサ52a,52b・・・52nとに接続されている。電源スイッチ51は、ユーザーがオン/オフ操作することによって、バッテリ41からECU20等の各種電装品への電力供給を許容又は停止するためのスイッチである。また、操作センサ52a,52b・・・52nは、例えば、左右のフラッシャ(不図示)を同時に点灯させるハザードスイッチや、左右のフラッシャのいずれか一方を点灯させる方向指示器スイッチ、シート6の開閉を検知するセンサである。電源スイッチ51と操作センサ52a,52b・・・52nは、それぞれユーザーの操作に応じて入力回路16に信号を出力し、入力回路16は当該信号を制御部11に入力する。
ランプ駆動回路15は警告ランプ44に接続され、制御部11から入力される信号に従って警告ランプ44に電力を供給し、当該警告ランプ44を点灯させる。ランプ駆動回路15は、例えば、後述する制御部11の処理によって携帯機30の紛失が検知された場合に警告ランプ44を点灯させて、その旨をユーザーに通知する。なお、警告ランプ44は、例えば車速を表示するスピードメータを含む表示装置44aに設けられる(図1参照)。
電源回路17はバッテリ41に接続されており、当該バッテリ41から供給される電力を、電源制御装置10を構成する各部の動作電圧に変換して供給する。また、電源回路17は制御部11の指示に応じて、電源制御装置10を構成する各部への電力供給を停止する。
通信インターフェース部18はECU20の通信インターフェース部26に接続されており、通信インターフェース部26が送信した信号を受信して制御部11に入力する。
次に、制御部11が実行する処理について説明する。制御部11は、車両が停止状態にある時にユーザーによる電源スイッチ51のオフ操作に対応して、バッテリ41の電力供給を停止する処理を行う。また、制御部11は、ユーザーが電源スイッチ51のオフ操作を行うことなく車両から立ち去ってしまった場合など、車両の停止状態において携帯機30との通信が成功しない場合には、自動でバッテリ41の電力供給を停止する処理(以下、自動停止処理)を実行する。また、本実施形態では、ユーザーが携帯機30を紛失した場合等に備えて、携帯機30との通信が成功しない状況においても車両の作動が許容される条件(以下、起動許容条件、継続走行許容条件)が予め定められている。そして、制御部11は、車両の起動時や走行中など車両が停止する前にこれらの起動許容条件及び継続走行許容条件が充足されている場合には、その後の停止状態においてこの自動停止処理の実行を制限し、ユーザーによる電源スイッチ51のオフ操作があるまで、バッテリ41の電力供給を維持している。なお、この説明では、これら起動許容条件と継続走行許容条件がそれぞれ、請求項に記載する許容条件に対応している。
図3に示すように、制御部11は、その機能として、認証処理部11aと、起動条件判定部11bと、継続走行条件判定部11cと、停止判定部11dと、電源制御部11eとを含んでいる。また、電源制御部11eは手動停止処理部11fと自動停止処理部11gとを含んでいる。なお、この説明では、起動条件判定部11bと継続走行条件判定部11cがそれぞれ、請求項に記載する条件判定部に対応している。
認証処理部11aは、予め設定されたスイッチ操作がユーザーによってなされた時(例えば電源スイッチ51がオンされた時)に、携帯機30と通信し当該携帯機30を認証するための処理(以下、認証処理)を実行する。具体的には、認証処理部11aは、まず携帯機30に対して応答を要求する信号(以下、応答要求信号)を送信し、携帯機30から応答があった場合には、携帯機30に対して、当該携帯機30が有する識別情報の送信を要求する。記憶部12には予め携帯機30の識別情報が格納されており、認証処理部11aは、記憶部12に格納されている識別情報と、認証処理部11aの要求に答えて携帯機30から送られてきた識別情報とを比較する。そして、これらが一致する場合に、認証処理部11aは携帯機30を認証する。そして、携帯機30を認証した場合、認証処理部11aは車両の起動を許容する。具体的には、認証処理部11aは、リレー回路42をオン状態にして、バッテリ41のECU20に対する電力供給を許容する。これによって、ECU20はその動作を開始し、エンジン2等の始動が可能となる。
また、自動二輪車100では、ユーザーが携帯機30を紛失した場合等に備えて、上述した起動許容条件が予め記憶部12に格納されており、当該起動許容条件が充足された場合には、携帯機30と通信及び認証することなく、車両の起動が許容される。起動許容条件は、具体的には、予め規定されたスイッチ操作がなされることである。起動条件判定部11bは、例えば、電源スイッチ51がユーザーによってオンされた後の所定時間内に、操作センサ52a,52b・・・52n等が予め規定された手順で操作されたか否かを判定し、当該手順で操作された場合に、起動許容条件が充足されたと判断する。
起動許容条件が充足されると、起動条件判定部11bは、携帯機30との通信の成否或いは認証の成否に関わらず、車両の起動を許容し、上述と同様に、リレー回路42をオン状態にしてバッテリ41からECU20への電力供給を許容する。また、この時、起動条件判定部11bは、携帯機30について認証することなく、起動許容条件が充足されたことによって車両の起動を許容したことを示す情報(以下、起動時無通信許容情報)を記憶部12に格納する。なお、この起動時無通信許容情報は、後述する自動停止処理部11gの処理において利用される。
本実施形態では、上述した継続走行許容条件として、車両が走行状態にある時に無線通信部13による携帯機30との通信が成立しなくなることが設定されている。継続走行条件判定部11cは、車両の走行中に、無線通信部13によって応答要求信号を間欠的に送信して、携帯機30との通信を試行する(以下、この処理を紛失検知処理とする)。そして、継続走行条件判定部11cは、応答要求信号に応答する信号が携帯機30から送信されず、携帯機30との通信が成功しない場合に、継続走行許容条件が満たされたと判断する。この場合、継続走行条件判定部11cは、携帯機30との通信が成功しない状況が車両の走行中に発生し、自動二輪車100が継続して走行することが許容されたことを示す情報(以下、走行時無通信許容情報)を記憶部12に格納する。なお、走行中に携帯機30との通信が成功しなくなる場合には、携帯機30との紛失が生じたものと認められる。そこで、この場合には、継続走行条件判定部11cは、警告ランプ44を点灯させてユーザーにその旨を通知してもよい。また、継続走行条件判定部11cは、走行中の携帯機30の紛失を検知するために、走行時無通信許容情報及び起動時無通信許容情報が記憶部12に格納されていない場合には、紛失検知処理を走行中に繰り返し実行する。
停止判定部11dは車両が停止したか否かを判定する。この説明では、電源制御装置10には、車速センサ53aによって検知される車速と、エンジン回転数センサ53bによって検知されるエンジン回転数とがECU20から通知されており、停止判定部11dは、通知された車速とエンジン回転数とに基づいて、車両が走行状態から停止状態に至ったか否かを判定する。停止判定部11dは、車速とエンジン回転数とが予め設定された条件(例えば、車速が所定の閾値(以下、車速閾値)より低く且つエンジン回転数が所定の閾値(以下回転数閾値)より低いこと(以下、停止判定条件))を充足するに至った場合に、車両が停止したと判断する。なお、停止判定部11dは、このような停止判定条件を車両の運転状態が所定時間以上継続して充足する場合に、車両が停止したと判断してもよい。
なお、制御部11にはECU20からスタンド7の使用状態が通知されてもよい。この場合、停止判定部11dは、スタンド7の使用状態の使用状態に基づいて車両が停止状態にあるか否かを判定してもよい。例えば、車速が車速閾値より低く、且つ、スタンド7が使用されている場合に、停止判定部11dは、停止判定条件が満たされ、車両が停止状態にあると判断してもよい。また、車両が停止しているか否かの判定は、ECU20の制御部21の処理として実行されてもよい。この場合、電源制御装置10には車速及びエンジン回転数に代えて、ECU20における処理の結果、すなわち車両が停止状態にある場合にはその旨が通知されてもよい。
電源制御部11eは、上述したように手動停止処理部11fと自動停止処理部11gとを含んでいる。手動停止処理部11fは、車両の停止状態において電源スイッチ51がオフ状態に設定された場合に、バッテリ41の電力供給を停止する処理を実行する。詳細には、手動停止処理部11fは、リレー回路42をオフ状態に設定してECU20への電力供給を停止するとともに、電源回路17から電源制御装置10を構成する各部への電力供給を停止或いは低減させて、電源制御装置10を待機状態に移行させる。
自動停止処理部11gは、車両の停止状態において電源スイッチ51のオン状態が継続している場合であって、走行時無通信許容情報又は起動時無通信許容情報の双方が記憶部12に格納されていない場合に、ユーザーの車両操作を要することなく、自動でバッテリ41の電力供給を停止する処理(すなわち自動停止処理)を実行する。すなわち、自動停止処理部11gは、自動停止処理を実行するのに先立って、記憶部12における走行時無通信許容情報又は起動時無通信許容情報の有無を判定する。そして、走行時無通信許容情報又は起動時無通信許容情報のいずれかが記憶部12に格納されている場合には、自動停止処理部11gは、自動停止処理を実行することなく、バッテリ41からの電力供給を維持する。これによって、車両が停止状態に至る前において、携帯機30と通信することなく車両の起動又は走行が許容されていた場合には、その後の停止状態においては携帯機30との通信を要することなく、車両の作動が許容される。
なお、自動停止処理では、自動停止処理部11gは、まず携帯機30に応答要求信号を送信して携帯機30との通信を試行する。そして、自動停止処理部11gは、当該応答要求信号に答えた信号が携帯機30から送られてくるか否かを判定する。そして、携帯機30からの信号がなく通信が成立しない場合に、上述と同様に、リレー回路42をオフ状態に設定してECU20への電力供給を停止するとともに、電源回路17を制御して電源制御装置10を待機状態に移行させる。
また、自動停止処理において、自動停止処理部11gは、携帯機30との通信を複数回試行してもよい。そして、携帯機30との通信が成功しない状態が継続する場合、すなわち、いずれの応答要求信号に対しても携帯機30から応答がない場合に、上述した処理によってバッテリ41の電力供給を停止してもよい。
また、自動停止処理部11gは、車両の停止状態と電源スイッチ51のオン状態とが所定時間(以下、開始条件時間)以上継続する場合に、このような自動停止処理を実行してもよい。すなわち、自動停止処理部11gは、車両が停止したと判断されてからの経過時間を計数し、当該経過時間が開始条件時間に達した後に、自動停止処理を実行してもよい。
また、自動停止処理部11gは、自動停止処理において携帯機30との通信を試行した結果、当該通信が成立した場合には、その成立からさらに所定時間(例えば、上述の開始条件時間)が経過した後に、再び自動停止処理を開始してもよい。すなわち、自動停止処理部11gは、所定時間間隔で自動停止処理を繰り返し実行してもよい。
ここで、制御部11が実行する処理の流れについて説明する。図4は制御部11が実行する処理の例のフローチャートである。
電源スイッチ51がオンされると、認証処理部11aは認証処理を実行し、携帯機30の認証が成功するか否かを判定する(S101)。ここで、携帯機30の認証が成功した場合には、認証処理部11aは、車両の起動を許容する(S104)。具体的には、認証処理部11aは、リレー回路42をオン状態に設定してバッテリ41のECU20への電力供給を許容し、エンジン2の始動等を可能にする。
一方、S101において、携帯機30との通信が成立しない場合、或いは、携帯機30が正規の携帯機と認められない場合には、起動条件判定部11bは、起動許容条件が充足されるか否かを判定する(S102)。具体的には、起動条件判定部11bは、予め設定された時間内に、操作センサ52a,52b・・・52nが所定の手順で操作されたか否かを判定する。ここで、起動許容条件が充足されたと判断した場合には、起動条件判定部11bは、起動時無通信許容情報を記憶部12に格納するとともに(S103)、車両の起動を許容する(S104)。なお、S102において起動許容条件が充足されていないと判断された場合には、制御部11は、その処理は終了する。
その後、自動停止処理部11gは、車両が停止してからの経過時間を計測するための変数(以下、経過時間変数)iを初期値0に設定する(S105)。また、停止判定部11dは、車両が停止状態にあるか否かを判定する(S106)。
ここで、車両が停止状態ではなく走行状態にある場合には、継続走行条件判定部11cは紛失検知処理を実行し、継続走行許容条件が満たされるか否か、すなわち車両の走行中に携帯機30との通信が成功するか否かを判定する(S107)。ここで、携帯機30との通信が成功する場合には、S105の処理に戻り、その後の処理を実行する。一方、携帯機30との通信が成功しない場合には、継続走行条件判定部11cは走行時無通信許容情報を記憶部12に格納した後に(S108)、S105の処理に戻る。なお、S107の紛失検知処理において、継続走行条件判定部11cは応答要求信号を複数回送信して携帯機30との通信を試行してもよい。また、継続走行条件判定部11cは、S107の処理に先立って、記憶部12に起動時無通信許容情報が格納されているか否かを判定し、格納されている場合にはS107の処理を実行することなく、S105の処理に移行してもよい。
S106において車両が停止していると判断された場合には、手動停止処理部11fは、電源スイッチ51がオフされたか否かを判定する(S109)。ここで電源スイッチ51がオフされている場合には、手動停止処理部11fは、バッテリ41の電力供給を停止する処理を実行した後(S110)、その処理を終了する。なお、手動停止処理部11fは、バッテリ41の電力供給を停止する前に、記憶部12における走行時無通信許容情報の有無を判定してもよい。そして、走行時無通信許容情報が格納されている場合には、手動停止処理部11fは、警告ランプ44を点灯させて、携帯機30の紛失をユーザーに通知してもよい。
S109において電源スイッチ51が未だオン状態にあると判断された場合には、自動停止処理部11gは、記憶部12における走行時無通信許容情報又は起動時無通信許容情報の有無を判定する(S111)。ここで、走行時無通信許容情報及び起動時無通信許容情報の双方が記憶部12に格納されていない場合には、自動停止処理部11gは、経過時間変数iが上述した開始条件時間に対応する値(以下、処理開始条件値)kを超えているか否かを判定する(S112)。ここで経過時間変数iが処理開始条件値kを未だ超えていない場合には、自動停止処理部11gは、経過時間変数iをインクリメントした後(S113)、S106に戻り、その後の処理を繰り返す。一方、S112の判定において、経過時間変数iが処理開始条件値kを超えている場合に、自動停止処理部11gは自動停止処理を開始する。具体的には、自動停止処理部11gは、まず携帯機30との通信を試行し、当該通信が成功するか否かを判定する(S114)。なお、S114の処理においても、自動停止処理部11gは応答要求信号を複数回送信して携帯機30との通信を試行してもよい。そして、いずれの応答要求信号に対しても携帯機30から応答が無い場合に、自動停止処理部11gは、通信が成功しないと判断してもよい。
S114において携帯機30との通信が成功しないと判断された場合には、自動停止処理部11gはバッテリ41の電力供給を停止する(S115)。一方、S114において携帯機30との通信が成功したと判断された場合には、制御部11の処理は、S105に戻り、以降の処理を繰り返す。
また、S111の判定において、記憶部12に走行時無通信許容情報又は起動時無通信許容情報のいずれか一方が格納されている場合には、自動停止処理部11gは、その後の自動停止処理を開始することなく、S106の処理に戻る。以上の処理が、制御部11が実行する処理の例である。
以上説明した車両制御装置1には、条件判定部(起動条件判定部11b及び継続走行条件判定部11c)が設けられ、当該条件判定部は、携帯機30との通信が成功しない状況において車両の作動を許容する許容条件(起動許容条件及び継続走行許容条件)が満たされるか否かを判定している。また、当該条件判定部は、当該許容条件が満たされる場合には、携帯機30との通信が成功しない状況において車両の作動が許容されたことを示す情報を無通信許容情報(起動時無通信許容情報及び走行時無通信許容情報)として記憶部12に格納している。また、車両制御装置1には、車両の停止状態において携帯機30との通信が成立しない場合に、バッテリ41の電力供給を停止する処理を実行する電源制御部11eが設けられ、当該電源制御部11eは、記憶部12に無通信許容情報が格納されている場合には、バッテリ41の電力供給を停止する処理の実行が制限されている。
これによって車両の停止状態において携帯機30との通信が成立しない場合に、バッテリ41の電力供給が停止され、車両の停止状態においてバッテリ41の電力が無駄に消費されることを抑制できる。また、車両が停止する前に携帯機30との通信が成立しない状況で車両の作動が許容されていた場合には、その後の停止状態においても車両の作動が許容され、車両の利便性を向上できる。なお、この説明では、条件判定部として、起動条件判定部11bと継続走行条件判定部11cとが制御部11に設けられていた。しかしながら、起動条件判定部11bと継続走行条件判定部11cのいずれか一方のみが条件判定部として制御部11に設けられていてもよい。
また、車両制御装置1では、ユーザーによって所定の車両操作がなされることが起動許容条件として設定され、起動条件判定部11bは、操作センサ52a,52b・・52nから入力される信号に基づいて起動許容条件が満たされるか否かを判定している。そして、起動条件判定部11bは、起動許容条件が満たされる場合に起動時無通信許容情報を記憶部12に格納するとともに、車両の起動を許容している。これによって、携帯機30を紛失した場合などに、携帯機30を用いることなく車両を起動できる。また、そのように起動した場合には、その後に車両が停止した場合においてもバッテリ41の電力供給が維持され、車両を作動させることができる。
また、車両制御装置1では、車両が走行中に通信部13と携帯機30との通信が成立しなくなることが継続走行許容条件として設定されている。そして、継続走行条件判定部11cは、車両の走行中に継続走行許容条件が満たされるか否かを判定し、継続走行許容条件が満たされる場合には走行時無通信許容情報を記憶部12に格納するとともに、車両が継続して走行することを許容している。これによって、走行中に携帯機30を紛失し場合にはその後も継続して走行することが許容される。また、その後、車両が停止した場合には、バッテリ41の電力供給が維持され、車両を作動させることができる。
なお、本発明は以上説明した車両制御装置1に限られず種々の変更が可能である。例えば、以上の説明では、車両の停止状態において携帯機30との通信が成功せず、且つ、起動時無通信許容情報と走行時無通信許容情報とが記憶部12に格納されていない場合には、ECU20へのバッテリ41の電力供給が停止されていたが、車両に設けられた灯火器等へのバッテリ41の電力供給が停止されてもよい。
本発明の一実施形態に係る車両制御装置を備えた自動二輪車の概略の側面図である。 上記自動二輪車が備える装置のブロック図である。 上記車両制御装置が備える制御部の機能ブロック図である。 上記制御部が実行する処理の例のフローチャートである。
符号の説明
1 車両制御装置、2 エンジン、3 前輪、4 後輪、5 ハンドル、6 シート、7 サイドスタンド、8 フロントフォーク、9 伝達ユニット、10 電源制御装置、11 制御部、11a 認証処理部、11b 起動条件判定部、11c 継続走行条件判定部、11d 停止判定部、11e 電源制御部、11f 手動停止処理部、11g 自動停止処理部、12 記憶部、13 無線通信部、14 リレー駆動回路、15 ランプ駆動回路、16 入力回路、17 電源回路、18 通信インターフェース部、20 ECU、21 制御部、22 記憶部、23 電源回路、24 エンジン駆動回路、25 入力回路、26 通信インターフェース部、30 携帯機、41 バッテリ(電源)、42 リレー回路、51 電源スイッチ、52a,52b,52n 操作センサ、100 自動二輪車。

Claims (4)

  1. 電装品に電力を供給する電源とともに車両に搭載され、ユーザーによって所持される携帯機と通信可能に設けられる車両制御装置であって、
    提供された情報を記憶する記憶部と、
    前記携帯機と通信するための通信部と、
    前記通信部による前記携帯機との通信が成功しない状況において車両の作動が許容される許容条件が満たされるか否かを判定するとともに、当該許容条件が満たされる場合には、前記携帯機との通信が成功しない状況において車両の作動が許容されたことを示す情報を無通信許容情報として前記記憶部に格納する条件判定部と、
    車両が停止状態に至ったか否かを判定する停止判定部と、
    車両の停止状態において前記通信部による前記携帯機との通信が成立しない場合に、前記電源の電力供給を停止する処理を実行する電源制御部と、を備え、
    前記電源制御部は、前記記憶部に前記無通信許容情報が格納されている場合には、前記電源の電力供給を停止する前記処理の実行が制限される、
    ことを特徴とする車両制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両制御装置において、
    ユーザーによる車両操作に応じて信号を出力する少なくとも1つのセンサを備え、
    ユーザーによって所定の車両操作がなされることが前記許容条件として設定され、
    前記条件判定部は、前記センサから入力される信号に基づいて前記許容条件が満たされるか否かを判定し、当該許容条件が満たされる場合に前記無通信許容情報を前記記憶部に格納するとともに、前記車両の起動を許容する、
    ことを特徴とする車両制御装置。
  3. 請求項1に記載の車両制御装置において、
    前記通信部は、車両の走行中に前記携帯機との通信を試行し、
    車両の走行中に前記通信部と前記携帯機との通信が成立しなくなることが前記許容条件として設定され、
    前記条件判定部は、車両の走行中に前記許容条件が満たされるか否かを判定し、当該許容条件が満たされる場合には前記無通信許容情報を前記記憶部に格納するとともに、車両が継続して走行することを許容する、
    ことを特徴とする車両制御装置。
  4. 請求項1に記載の車両制御装置を備えた鞍乗型車両。
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