JP5035750B2 - 水晶振動片、水晶振動子、及び水晶発振器 - Google Patents
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Description
そこで、本願発明では、上記課題を解決し、振動部に対する振動エネルギーの閉じ込め効果を維持しつつ、引出し電極の断線も防ぐことのできる水晶振動片、および当該水晶振動片を搭載した水晶振動子、並びに水晶発振器を提供することを目的とする。
第1の形態の水晶振動片は、肉厚の振動部と前記振動部の周囲に配された肉薄の周縁部とを有したATカット水晶素板と、当該水晶素板の表裏面に配設された電極とより構成される水晶振動片であって、前記水晶素板は、前記振動部が+Y´軸側、−Y´軸側のいずれか一方または双方に凸設され、前記振動部が+Y´軸側に凸設された場合には、前記振動部の平面視形状において、前記振動部の中心を基準にして+X軸側かつ−Z´軸側に位置する隅部に、+X軸と−Z´軸とに交わる線分を接線とする曲線部、または+X軸と−Z´軸とに交わる線分である直線部を設け、前記振動部が−Y´軸側に凸設された場合には、前記振動部の平面視形状において、前記振動部の中心を基準にして+X軸側かつ+Z´軸側に位置する隅部に、+X軸と+Z´軸とに交わる線分を接線とする曲線部、または+X軸と+Z´軸とに交わる線分である直線部を設け、前記振動部の平面視形状はそれぞれ、前記隅部を除く外縁に直線状の縁辺を備え、前記電極は、前記振動部に配される励振電極と、前記周縁部に配される接続電極、及び前記励振電極と前記接続電極とを電気的に接続する引出し電極とから成り、前記引出し電極は前記隅部に設けた前記曲線部または前記直線部を通るように配設したことを特徴とする水晶振動片。
上記のような特徴を有する水晶振動片であれば振動部に対する振動エネルギーの閉じ込め効果を維持しつつ、引出し電極の断線も防ぐことができる。よって、電気的特性の悪化を防止すると共に、歩留りの向上を図ることができる。
第2の形態の水晶振動片は、第1の形態に記載の水晶振動片であって、前記振動部の中心を基準にして、前記振動部における−X軸側と+X軸側のそれぞれの端部に位置する前記縁辺は、当該振動部に生ずる屈曲振動の腹の位置に一致させて設けたことを特徴とする水晶振動片。
上記のような特徴を有する水晶振動片であれば、主振動である厚み滑り振動に重畳する屈曲振動を抑圧することができる。
第3の形態の水晶振動片は、第1または第2の形態に記載の水晶振動片であって、前記直線部は、Z´軸に平行な直線を基準として反時計回りに25°≦θ<90°の範囲内の方向に一致させて形成したことを特徴とする水晶振動片。
上記のような特徴を有する水晶振動片であれば、引出し電極を配設する直線部を順テーパ面のみで構成することができる。このため、引出し電極の膜厚が極端に薄くなる箇所が存在せず、断線の危険性が低減される。
第4の形態の水晶振動片は、第1乃至第3の形態のいずれかに記載の水晶振動片であって、前記引出し電極を前記振動部における直線状の縁辺の延長線よりも内側に配設した事を特徴とする水晶振動片。
上記のような特徴を有する水晶振動片であれば、水晶素板の幅方向の寸法の拡大を抑制することができる。よって、水晶振動片を小型化することができる。
第5の形態の水晶振動片は、第1乃至第4の形態のいずれかに記載の水晶振動片であって、前記引出し電極の幅を前記直線部または前記曲線部の幅と一致させたことを特徴とする水晶振動片。
上記のような特徴を有する水晶振動片であれば、断線の危険性を低減できると共に、引出し電極の抵抗値を下げることができる。
また、第1の形態に係る水晶振動子は、水晶素板における−X軸側を自由端、+X軸側を固定端として定め、第1乃至第5の形態のいずれかに記載の水晶振動片をパッケージに収容したことを特徴とする水晶振動子。
上記のような特徴を有する水晶振動子は、断線の発生を抑える事ができるため、信頼性が高く、歩留りの良いものとすることができる。また、水晶振動片をウエットエッチングにより構成する場合には、自由端側のエッチング喰われを抑制することができる。
また、第1の形態に係る水晶発振器は、第1の形態として記載した水晶振動子に対して発振回路を搭載したことを特徴とする水晶発振器。
上記のような特徴を有する水晶発振器は、上記水晶振動子と同様に、信頼性が高く、歩留りの良いものとすることができる。
また、第2の形態に係る水晶発振器は、第1乃至第5の形態として記載した水晶振動片と、発振回路とを単一のパッケージに搭載したことを特徴とする水晶発振器。
このような特徴を有する水晶発振器であっても、信頼性が高く、歩留りの良いものとすることができる。
上記のような特徴を有する水晶振動片であれば、主振動である厚み滑り振動に重畳する屈曲振動を抑圧することができる。
上記のような特徴を有する水晶振動片であれば、水晶素板の幅方向の寸法の拡大を抑制することができる。よって、水晶振動片を小型化することができる。
上記のような特徴を有する水晶振動片であれば、断線の危険性を低減できると共に、引出し電極の抵抗値を下げることができる。
上記のような特徴を有する水晶振動子は、断線の発生を抑える事ができるため、信頼性が高く、歩留りの良いものとすることができる。また、水晶振動片をウエットエッチングにより構成する場合には、自由端側のエッチング喰われを抑制することができる。
上記のような特徴を有する水晶発振器は、上記水晶振動子と同様に、信頼性が高く、歩留りの良いものとすることができる。
このような特徴を有する水晶発振器であっても、信頼性が高く、歩留りの良いものとすることができる。
まず、図1を参照して、本発明の水晶振動片に係る第1の実施形態について説明する。なお、図1において、図1(A)は水晶振動片の平面図を示し、図1(B)は同図(A)におけるA−A断面を示す図である。
なお、C面取り部18のカット角度(直線の方向)としては、図1中のθが25度以上90度未満とすることが望ましい。
このような寸法関係を満たすことにより、屈曲振動を抑圧することができる。よって、本実施形態のように、C面取り部18を形成した水晶振動片10であっても、振動部14の端部に、上記寸法関係を満たす直線状の縁辺の割合を多く残すことで、屈曲振動を効果的に抑圧することができる。
本実施形態に係る水晶振動片110の殆どの構成は、上述した第1の実施形態に係る水晶振動片10と同様である。したがって、その構成、機能を同一とする箇所には、図1に付した符号に100を足した符号を図面に付して、その詳細な説明は省略することとする。
その他の構成、作用、効果については、上述した第1の実施形態に係る水晶振動片10と同様である。
本実施形態に係る水晶振動片も、その殆どの構成を上述した第1、第2の実施形態と同様にしている。したがって、その構成、機能を同一とする箇所には、図1に付した符号に、それぞれ200,300を足した符号を付して、その詳細な説明は省略することとする。
その他の構成、作用、効果については、上述した第1、第2の実施形態に係る水晶振動片10,110と同様である。
本変形例に係る水晶振動片10は、図6に示すように、段差部に配置された引出し電極22の幅をC面取り部18の幅と同じにした点を特徴とする。
本実施形態に係る水晶振動子30は、水晶振動片10と、パッケージ32とから構成されている。前記水晶振動片10は、上述した各実施形態に係る水晶振動片(例えば水晶振動片10)であれば良い。また、パッケージ32の構成は、特に限定されるものでは無いが、例えば次のような構成のものであれば良い。すなわち、前記パッケージ32は、パッケージベース36とリッド34とより構成されるものであれば良い。ここで、パッケージベース36は、水晶振動片10を収容するためのキャビティを有する箱体であり、セラミックス等の絶縁材料により構成されると良い。パッケージベース36の内部底面には、上記水晶振動片10における接続電極24を実装するための内部実装端子38が形成されている。また、パッケージベース36の外部底面には、外部実装端子40が設けられ、内部実装端子38と電気的に接続されている。
このような構成の水晶振動子30であれば、信頼性が高く高品質なものとすることができる。
本実施形態に係る水晶発振器50は、図7に示した水晶振動子30をそのまま利用するもので、水晶振動子30の他、リードフレーム56と発振回路を備えたIC52を有する。
本実施形態に係る水晶発振器50aは、図9に示すように、1つのパッケージ32aの中に、IC52と水晶振動片10を収容する形態を採るものである。図9に示す実施形態の場合、水晶発振器50aの小型化のために、IC52と水晶振動片10を縦方向に重ねるように配設することとしている。具体的には、パッケージベース36aのキャビティを階段状に形成し、最も下の段に位置する底板部にIC52を搭載する。IC52を搭載した段の上の段に、IC52とパッケージベース36aとを電気的に接続するための内部端子60を設け、IC52の能動面に設けられた端子54とパッケージベース36aに設けた内部端子60とを金属ワイヤ64により接続する。そして、前記内部端子60を設けた段の上の段に、水晶振動片10を実装するための内部実装端子38を設け、導電性接着剤42を介して水晶振動片10を実装する。水晶振動片10を実装した後、パッケージベース36aの上部開口部をリッド34aにより封止する。このような構成の水晶発振器50aであっても、上記第1の実施形態に係る水晶発振器と同様な効果を得ることができる。
Claims (8)
- 肉厚の振動部と前記振動部の周囲に配された肉薄の周縁部とを有したATカット水晶素板と、当該水晶素板の表裏面に配設された電極とより構成される水晶振動片であって、
前記水晶素板は、前記振動部が+Y´軸側、−Y´軸側のいずれか一方または双方に凸設され、
前記振動部が+Y´軸側に凸設された場合には、前記振動部の平面視形状において、前記振動部の中心を基準にして+X軸側かつ−Z´軸側に位置する隅部に、+X軸と−Z´軸とに交わる線分を接線とする曲線部、または+X軸と−Z´軸とに交わる線分である直線部を設け、
前記振動部が−Y´軸側に凸設された場合には、前記振動部の平面視形状において、前記振動部の中心を基準にして+X軸側かつ+Z´軸側に位置する隅部に、+X軸と+Z´軸とに交わる線分を接線とする曲線部、または+X軸と+Z´軸とに交わる線分である直線部を設け、
前記振動部の平面視形状はそれぞれ、前記隅部を除く外縁に直線状の縁辺を備え、
前記電極は、前記振動部に配される励振電極と、前記周縁部に配される接続電極、及び前記励振電極と前記接続電極とを電気的に接続する引出し電極とから成り、前記引出し電極は前記隅部に設けた前記曲線部または前記直線部を通るように配設したことを特徴とする水晶振動片。 - 請求項1に記載の水晶振動片であって、
前記振動部の中心を基準にして、前記振動部における−X軸側と+X軸側のそれぞれの端部に位置する前記縁辺は、当該振動部に生ずる屈曲振動の腹の位置に一致させて設けたことを特徴とする水晶振動片。 - 請求項1または請求項2に記載の水晶振動片であって、
前記直線部は、Z´軸に平行な直線を基準として反時計回りに25°≦θ<90°の範囲内の方向に一致させて形成したことを特徴とする水晶振動片。 - 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の水晶振動片であって、
前記引出し電極を前記振動部における直線状の縁辺の延長線よりも内側に配設した事を特徴とする水晶振動片。 - 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の水晶振動片であって、
前記引出し電極の幅を前記直線部または前記曲線部の幅と一致させたことを特徴とする水晶振動片。 - 水晶素板における−X軸側を自由端、+X軸側を固定端として定め、
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の水晶振動片をパッケージに収容したことを特徴とする水晶振動子。 - 請求項6に記載の水晶振動子に対して発振回路を搭載したことを特徴とする水晶発振器。
- 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の水晶振動片と、発振回路とを単一のパッケージに搭載したことを特徴とする水晶発振器。
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