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JP5014805B2 - 水溶性アルコキシアミンを用いたエマルションラジカル重合法 - Google Patents

水溶性アルコキシアミンを用いたエマルションラジカル重合法 Download PDF

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JP5014805B2 JP2006551881A JP2006551881A JP5014805B2 JP 5014805 B2 JP5014805 B2 JP 5014805B2 JP 2006551881 A JP2006551881 A JP 2006551881A JP 2006551881 A JP2006551881 A JP 2006551881A JP 5014805 B2 JP5014805 B2 JP 5014805B2
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Description

本発明は、ラジカル重合可能な少なくとも一種のモノマーの、水溶性アルコキシアミンを用いたエマルション、ミニエマルション(mini-emulsion)またはマイクロエマルション(micro-emulsion)重合方法に関するものである。
下記文献には、安定な遊離ラジカル、例えばTEMPOの名称で市販の2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシまたはその誘導体と、乳化剤の存在下でラジカル重合可能な少なくとも一種のモノマーをエマルション重合する方法が開示されている。
欧州特許第970,973号公報
重合は重合開始剤、好ましくは有機過酸化物およびヒドロペルオキシド、アゾ誘導体、金属および過硫酸塩のアンモニア塩または酸化還元対の中から選択される水溶性の重合開始剤で開始される。
下記文献には下記式(A)で表される過硫酸塩型の水溶性開始剤のアミノ−TEMPO誘導体およびSDSまたはSDBS型の界面活性剤の存在下でスチレンを制御下にラジカルエマルション重合する方法が開示されている。
Figure 0005014805
Marestin C., Noel C., Guyot A. and Claverie J., Macromolecules, 1998, 31(12) 4041-4044
この方法で得られるラテックスは安定で、固体含有率は約10%で、粒径分布はビモダル(二モード)である。しかし、重合速度が非常に遅く、130℃にしても55時間重合した後のスチレンの変換率はわずか70%にしかならないことがわかっている。
下記文献には複数のTEMPO誘導体を用いてスチレンを制御下にラジカルエマルション重合する別の例が開示されている。
Cao J., He J., Li C. and Yang Y., Polym. J, 2001,33,75
この方法では粒径分布がモノモードの120℃で安定なラテックスが得られるが、上記TEMPO誘導体で制御が可能なのはスチレンモノマーに限られるということがわかっている。
この文献にはさらに、二成分開始系を用いて水相で開始され、制御剤がTEMPOまたはその誘導体の一種である制御されたラジカル重合方法に加えて、N−(tert−ブチル)−1−ジエチルホスホノ−2,2−ジメチルプロピル-ニトロオキシド(SG1)誘導体を用いて開始し、重合開始剤が過硫酸塩、ジアゾまたは過酸化物型の水溶性開始剤である制御されたラジカル重合方法が開示されている。
Figure 0005014805
下記文献には上記SG1から得られる下記式(B)で表される有機可溶性アルコキシアミンの存在下でのスチレンおよびアクリレートモノマーの溶液重合、塊重合またはミニエマルションラジカル重合法が開示されている:
国際特許第00/49027号公報
Figure 0005014805
本発明は、ラジカル重合可能な少なくとも一種のモノマーを少なくとも一種の水溶性アルコキシアミンの存在下でミニエマルション重合、マイクロエマルション重合またはエマルション重合する方法を提供する。
本発明方法の特徴は、重合を少なくとも一種の水溶性アルコキシアミン、好ましくは下記式(I)のモノアルコキシアミンまたは下記式(II)のモノまたはポリアルコキシアミンの存在下で行う点にある:
Figure 0005014805
(ここで、R1とR3は炭素原子数が1〜3の直鎖または分岐鎖のアルキル基を表し、互いに同一でも異なっていてもよく、R2はLi、NaまたはKのようなアルカリ金属、NH4+、NBu4+またはNHBu3 +のようなアンモニウムイオンを表す)
Figure 0005014805
(ここで、mは1以上、好ましくは2以上の整数であり、R1、R2およびR3は式(I)と同じ意味を有する)
重合媒体は液体の有機相と液体の水相とからなり、液体有機相は重合されるモノマーを50重量%以上の含むのが好ましく、液体水相は少なくとも50重量%の水を含むのが好ましい。
本発明方法を用いると高分子構造が制御された(コ)ポリマーのラテックスが得られる。
特定の説明に縛られるものではないが、本発明方法では式(I)および/または(II)の水溶性アルコキシアミンが開始剤と乳化剤の両方の役目をすると考えられる。すなわち、上記式(I)および/または(II)の水溶性アルコキシアミンの界面活性特性によって、エマルション重合、ミニエマルション重合またはマイクロエマルション重合プロセスでの他の界面活性剤の使用量を減すことができ、さらには、他の界面活性剤は使用する必要がない。
「水溶性アルコキシアミン」という用語は、水相中の溶解度が25℃で少なくとも1g/リットルである任意のアルコキシアミンを表す。このアルコキシアミンはモノマー重量に対して0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%の比率で重合媒体中に導入することができる。
「モノマー」とはラジカル重合で(共)重合可能な任意のモノマーを意味する。この「モノマー」には複数のモノマーの混合物が含まれることは言うまでもない。このモノマーは炭素−炭素二重結合を有するラジカル重合可能なモノマー、例えばビニル、ビニリデン、ジエンおよびオレフィン、アリル、アクリルまたはメタクリルモノマー等の中から選択することができる。
上記モノマーとしては特に、ビニル芳香族モノマー、例えばスチレンまたは置換されたスチレン、特にα−メチルスチレンおよびナトリウムスチレンスルホナート、ジエン類、例えばブタジエンまたはイソプレン、アクリルモノマー、例えばアクリル酸またはその塩、アクリル酸アルキル、アクリル酸シクロアルキルまたはアクリル酸アリール、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、エチルヘキシルアクリレート、フェニルアクリレート、ヒドロキシアルキルアクリレート、例えば2−ヒドロキシエチルアクリレート、エーテルアルキルアクリレート、例えば2−メトキシエチルアクリレート、アルコキシまたはアリールオキシポリアルキレングリコールアクリレート、例えばメトキシポリエチレングリコールアクリレート、エトキシポリエチレングリコールアクリレート、メトキシポリプロピレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールアクリレートまたはその混合物、アミノアルキルアクリレート、例えば2−(ジメチルアミノ)アクリル酸エチル(ADAME)、アミン塩のアクリレート、例えば[2−(アクリロイルオキシ)エチル]トリメチル塩化または硫酸アンモニウム、[2−(アクリロイルオキシ)エチルジメチルベンジル塩化または硫酸アンモニウム、フルオロアクリレート、シリル化アクリレートまたは燐含有アクリレート、例えばアルキレングリコールアクリレート燐酸塩、メタクリルモノマー、例えばメタクリル酸またはその塩、メタクリル酸アルキル、メタクリル酸シクロアルキル、メタクリル酸アルケニルまたはメタクリル酸アリール、例えばメタクリル酸メチル、ラウリルメタクリレート、メタクリル酸シクロヘキシル、アリルメタクリレート、メタクリル酸フェニル、ヒドロキシアルキルメタクリレート、例えば2−ヒドロキシエチルメタクリレート、または、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、エーテルアルキルメタクリレート、例えば2−エトキシエチルメタクリレート、アルコキシまたはアリールオキシポリアルキレングリコールメタクリレート、例えばメトオキシポリエチレングリコールメタクリレート、エトオキシポリエチレングリコールメタクリレート、メトオキシポリプロピレングリコールメタクリレート、メトオキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールメタクリレートまたはその混合物、アミノアルキルメタクリレート、例えば2−(ジメチルアミノ)メタクリル酸エチル(MADAME)、アミン塩のメタクリレート、例えば[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]トリメチル塩化または硫酸アンモニウム、[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]ジメチルベンジル塩化または硫酸アンモウム、フルオロメタクリレート、例えば2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、シリル化メタクリレート、例えば3−メタクリロイルオキシプロピルトリメチルシラン、燐含有メタクリレート、例えばアルキレングリコールメタクリレート燐酸塩、ヒドロキシエチルイミダゾリドンメタクリレート、ヒドロキシエチルイミダゾリジノンメタクリレート、2−(2−オキソ−1−イミダゾリデイニル)メタクリル酸エチル、アクリロニトリル、アクリルアミド、または、置換されたアクリルアミド、4−アクリロイルモルホリン、N−メチロールアクリルアミド、アクリルアミドプロピルトリメチル塩化アンモニウム(APTAC)、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸(AMPS)またはその塩、メタクリルアミドまたは置換されたメタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、メタアクリルアミドプロピルトリメチル塩化アンモニウム(MAPTAC)、イタコン酸、マレイン酸またはその塩、無水マレイン酸、アルキルまたはアルコキシまたはアリールオキシポリアルキレングリコールマレイン酸エステルまたはヘミ(hemi)マレイン酸エステル、ビニールピリジン、ビニルピロリジノン、(アルコキシ)ポリ(アルキレングリコール)ビニルエーテルまたはジビニルエーテル、例えばメトオキシポリ(エチレングリコール)ビニルエーテルまたはポリ(エチレングリコール)ジビニルエーテル、オレフィンモノマー、例えばエチレン、ブテン、ヘキセン、および、1−オクテン、および、フルオロオレフィンモノマーおよびビニリデンモノマー、例えばフッ化ビニリデンの中から選択される単独または上記モノマーの少なくとも2つの混合物を挙げることができる。
重合媒体には少なくとも一種の乳化剤、すなわちエマルションを安定化させることができる界面活性剤を添加することができる。本発明ではこの乳化剤はアルコキシアミンではないということは理解できよう。このタイプのエマルションで標準的な任意の乳化剤を用いることができる。
乳化剤はアニオン、カチオンまたはノニオン性の乳化剤にすることができ、両性または第四級またはフッ素化された乳化剤にすることもできる。乳化剤はアルキルまたはアリールスルフェート、アルキルまたはアリールスルホネート、脂肪酸塩、ポリ(ビニルアルコール)またはポリエトキシ化脂肪アルコールの中から選択できる。例えば、乳化剤は下記の中から選択できる:
ラウリル硫酸ナトリウム、
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、
ステアリン酸ナトリウム、
ポリエトキシ化ノニルフェノール、
ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、
ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、
臭化ラウリルジメチルアンモニウム、
ラウリルアミドベタイン、
ペルフルオロオクチル酢酸カリウム。
乳化剤は両親媒性のブロックまたはランダムまたはグラフトコポリマー、例えばスチレンスルホン酸ナトリウムコポリマー、特にポリスチレン−b−ポリ(スチレンスルホン酸ナトリウム)や他の重合法で製造された任意の両親媒性コポリマーにすることもできる。
乳化剤は一種または複数のモノマーの重量に対して0.1〜10重量%の比率で重合媒体中に導入することができる。
「ミニエマルション(mini-emulsion)」という用語は直径が2μm以下、一般に100〜1000nmの液滴を有機相が形成するエマルションを意味する。
一般に、ミニエマルション状態は媒体に十分な剪断力を与え且つ疎水性ポリマーと共溶媒をミニエマルション中に存在させることによって得られる。この疎水性ポリマーは有機相に可溶でなければならず、25℃での水へ溶解度が1×10-6g/リットルで、重量平均分子量が少なくとも100,000、例えば100,000〜400,000であるのが好ましい。疎水性ポリマーの一例としてはポリスチレン、ポリ(メチルメタクリレート)またはポリ(ブチルアクリレート)が挙げられる。疎水性ポリマーは重合されるモノマーに対して0.5〜2重量%の比率でエマルション中に導入することができる。
共溶媒は25℃での水中溶解度が1×10-6g/リットルで、重合温度で液体で且つ例えば少なくとも6個の炭素原子から成る炭化水素単位を有する。共溶媒がフッ素原子を含まない場合、炭化水素単位は少なくとも12個の炭素原子を含むのが好ましい。
一例として、共溶媒は下記にすることができる:
ヘキサデカン、
ステアリルメタクリレート、
ドデシルメタクリレート、
ペルフルオロオクチルメタクリレート。
ミニエマルション状態を作るのに十分な剪断は、例えば超音波で得られる激しい攪拌によって発生させることができる。一般に、ミニエマルション状態が得られた後は剪断を低下させ、エマルションで標準的な剪断力に戻しても一般にミニエマルション状態を維持することができる。
「マイクロエマルション(micro-emulsion)」とは例えば下記刊行物に記載されているようなエマルションを意味する。
Candau, F., Microemulsion Polymerization. Nato ASI Series, Series E: Applied Sciences(1997), 335(Polymeric Dispersions: Principles and Applications),127-140 Morgan, John D., Microemulsion Polymerization. Recent Research Developments in Macromolecules Research(1998), 3(Pt. 2), 551-592 Capek, Advances in Colloid and Interface Science, 82(1999),253-273 and 92(2001)195-233
エマルション、ミニエマルションまたはマイクロエマルションは下記の水相と有機相とを高い剪断力下に攪拌混合することによって生成させることができる:
水相
水、
少なくとも一種の上記定義の(I)および/または(II)の型の水溶性アルコキシアミン、
必要に応じて用いる乳化剤
有機相
一種または複数の重合可能なモノマー、
任意成分の有機溶媒、
任意成分の共溶媒、特にミニエマルションの場合
重合温度は媒体中に存在するモノマーの種類に依存する。アルコキシアミン(I)および/または(II)からメタクリレートの重合を開始する場合には10〜80℃の重合温度が好ましい。他のモノマーの場合には一般に50〜130℃の温度を選択する。本発明方法はエマルションの各相が沸騰するのを阻止するのに十分な圧力で且つ基本的に各成分をエマルション中に残留させるのに十分な圧力で行う(各成分の蒸気相への移行を最小化する)。
本発明の重合方法によって得られるポリマーラテックス中に存在するポリマー粒子の平均粒径は2μm以下、一般に0.01μm〜1μmである。
得られるポリマーはアルコキシアミン官能基を有するリビングポリマーで、このポリマーはラジカル重合プロセスで上記モノマーと、一回または複数回、再度反応してブロックコポリマーになる。
従って、本発明方法でブロックポリマーを製造することができる。すなわち、本発明方法では第1モノマーの重合によってリビングポリマーブロックが生じ、次に、この第1リビングポリマーブロックを第2モノマーの重合媒体中に入れることによってこの第1ブロックに別のポリマーのブロックを結合させることができる。すなわち、本発明方法ではブロックコポリマー、例えば一つまたは複数のポリスチレンブロックと一つまたは複数のポリブタジエンブロックとを含むコポリマー、または、一つまたは複数のポリスチレンブロックと一つまたは複数のメタクリレート型ブロックと、一つまたは複数のアクリレート型ブロックとを含むコポリマーを作ることができる。
実際には各ブロックを同じ設備で順次作ることができる。第1ブロックを作るための第1モノマーが消費された時に、攪拌を停止せず且つ冷却またはその他の中断をせずに、第2ブロックを作るための第2モノマーを導入すればよい。各ブロックを形成するための条件、例えばエマルションの温度はモノマーの種類に応じて調整できるということは理解できよう。
ブロックを形成したいモノマーの重合媒体中にリビングポリマーを入れることで所望ブロックをリビングポリマーに結合できるということは理解できよう。
本発明はさらに、ブロックポリマーの製造方法に関するものである。この方法では第1リビングブロックを作り、このリビングブロックを第1ブロックに結合したブロックを形成したい少なくとも一種のモノマーの存在下に置いてリビングジブロックを形成し、生成したいブロックの数に応じてこの操作を繰り返す少なくとも一つの段階を含む。
本出願はさらに、本発明方法で第1モノマーを重合して第1リビングブロックを作り、得られた第1リビングブロックを第2モノマーの存在下に置き、第2モノマーを重合して第1ブロックに結合した第2ブロックを形成する段階を含むジブロックポリマーの製造方法に関するものである。
本出願はさらに、上記方法で製造されたジブロックポリマーの存在下で、他のモノマーを重合してジブロックポリマーに結合した第3ブロックを形成する段階を一つまたは複数含むマルチブロックポリマーの製造方法に関するものである。所望の数のブロックを得るのに必要な回数だけ上記プロセスを繰り返すことができる。
一例として、下記のブロックポリマーを生成することができる:
ポリスチレン−b−ポリ(メチルメタクリレート)、
ポリスチレン−b−ポリスチレンスルホネート、
ポリスチレン−b−ポリアクリルアミド、
ポリスチレン−b−ポリメタクリルアミド、
ポリ(メチルメタクリレート)−b−ポリ(エチルアクリレート)、
ポリスチレン−b−ポリ(ブチルアクリレート)、
ポリブタジエン−b−ポリ(メチルメタクリレート)、
ポリイソプレン−b−ポリ(スチレン−コ−アクリロニトリル)、
ポリブタジエン−b−ポリ(スチレン−コ−アクリロニトリル)、
ポリ(スチレン−コ−ブチルアクリレート)−b−ポリ(メチルメタクリレート)、
ポリスチレン−b−ポリ(酢酸ビニル)、
ポリスチレン−b−ポリ(2−エチルヘキシルアクリレート)、
ポリスチレン−b−ポリ(メチルメタクリレート−コ−ヒドロキシエチルアクリレート)、
ポリスチレン−b−ポリブタジエン−b−ポリ(メチルメタクリレート)、
ポリブタジエン−b−ポリスチレン−b−ポリ(メチルメタクリレート)、
ポリスチレン−b−ポリ(ブチルアクリレート)−b−ポリスチレン、
ポリスチレン−b−ポリブタジエン−b−ポリスチレン、
ポリスチレン−b−ポリイソプレン−b−ポリスチレン、
ポリ(ペルフルオロオクチルアクリレート)−b−ポリ(メチルメタクリレート)、
ポリ(ペルフルオロオクチルアクリレート)−b−ポリスチレン、
ポリ(ペルフルオロオクチルアクリレート)−b−ポリ(ベヘニルアクリレート)、
ポリ(ペルフルオロオクチルアクリレート)−b−ポリ(ステアリルメタクリレート)、
ポリ(n−オクチルアクリレート)−b−ポリ(メチルメタクリレート)、
ポリ(メチルメタクリレート)−b−ポリ(ブチルアクリレート)−b−ポリ(メチルメタクリレート)、
ポリ(メチルメタクリレート)−b−ポリ(メトキシエチルアクリレート)−b−ポリ(メチルアクリレート)、
ポリ((メタ)アクリル酸)−b−ポリ(ブチルアクリレート)−b−ポリ((メタ)アクリル酸)。
「ポリマー」または「ポリマーブロック」という用語は一般的な意味で用いられ、この用語にはホモポリマー、コポリマー、ターポリマーおよびポリマーブレンドが含まれる。「重合」という用語もやはり一般的な意味で用いられる。
水相のpHは(共)重合するモノマー(一つまたは複数)のタイプに応じて決めることができる。pH>8の重合条件の場合にはR2がアルカリ金属原子であるアルコキシアミン(I)および/または(II)を用い、このアルコキシアミンを10-1mol・I-1の濃度がpH=9の水溶液にして反応媒体中に導入するのが好ましい。pH<6の重合条件の場合にはR2がアンモニウムイオンであるアルコキシアミン(I)および/または(II)を用いのが好ましい。pHを6〜7に維持したい場合には任意のアルコキシアミン(I)および/または(II)を用い、例えば炭酸水素カルシウムから成る所定量の緩衝液を水相に添加する。低pH(<5)で起る重合はpH>5で起る重合よりも一般に高速で、良く制御されない。
本発明はさらに、有機および/または無機過酸化物タイプおよび/またはアゾタイプの遊離ラジカル開始剤(一種または複数)を加えて上記の段階の一つの残留モノマーを変換する方法にも関するものである。この方法が上記重合方法と本質的に異なる点は、制御されたラジカル重合によってモノマーの変換(重合)の全てを行うのではなく、制御されたラジカル重合条件下で重合を開始し、通常のラジカル重合条件下(すなわち過酸化物、過硫酸塩、アゾ化合物および/またはこれらの均等物を用いる条件下)で重合を完了する点にある。通常のラジカル重合条件下で重合されるモノマーは上記の制御されたラジカル重合で既に存在している未変換のものにするか、上記の制御されたラジカル重合またはその変形例の組合せ法で既に作られた分散剤の一部を含む水溶液中にモノマーを添加することができる。この通常のラジカル重合を行うためには、上記の制御されたラジカル重合によって既に作られた分散剤の一部を含む水溶液中に、水性媒体を用いた通常のラジカル重合反応で一般に用いられる当業者に周知の通常のラジカル発生剤を添加する。このラジカル発生剤としては金属および過硫酸塩のアンモニア塩、例えば過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウムおよび過硫酸アンモニウム、水溶性アゾ開始剤、例えば2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリドおよび4,4'−アゾビス(4−シアノ−ペンタノン酸)の金属塩およびアンモニア塩、酸化還元対、例えば過硫酸塩(ナトリウム、カルシウムまたはアンモニウム)/ビタミンC対またはメタ重亜硫酸ナトリウムまたはカリウム/過硫酸塩対または過酸化水素水溶液/第一鉄イオン塩対またはtert−ブチルヒドロペルオキシド/スルホキシル酸ナトリウム対、一種または複数の酸化剤/一種または複数の還元剤の可能な組合せ等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
上記の制御されたラジカル重合反応の後に未変換の残留モノマーが多量に残っている場合、通常のラジカル重合開始剤を用いることで、通常のラジカル重合で得られる水溶液または水性分散液、制御されたラジカル重合で得られる水溶液または水性分散液からなる起源が異なる各種コポリマーのブレンドの水溶液または水性分散液が得られる。通常のラジカル重合段階で連鎖移動剤、例えば水性媒体中の通常のラジカル重合で通常用いられる連鎖移動剤を使用することもできる。使用しない方が有利な場合もある。通常のラジカル重合で用いられる連鎖移動剤の例としてはイソプロパノール、水溶性メルカプタン、例えばチオグリコール酸またはメルカプトプロピオン酸またはメルカプトエタノールが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
以下の実施例では下記の方法で特徴付けを行った:
(1)モノマーのポリマーへの変換率:導入したモノマーの重量に対する乾燥重量(固体含有率)を測定
(2)粒子の平均径:光散乱(Malvern Zeta Sizer 4装置)による、
(3)ポリマーの分子量および多分散性:ポリマーを水で洗浄して水溶性単位を除去した後、立体排除クロマトグラフィを実施。溶離剤としてテトラヒドロフラン(THF)の「ウォーターズ」クロマトグラフを使用。このクロマトグラフには100、500、1000および10,000Åの4つのPL Gel(登録商標)10μmカラム(ポリ(スチレン)ジビニルベンゼン)と、二重検出器(屈折計および254nmでの紫外線)を設けた。較正は標準ポリスチレンサンプルを用いて行った。1ml/分の流量につきポリマーを10mg/mlで導入した。
実施例1A
2−メチル−2−[N−(tert-ブチル)−N−(ジエトキシホスホリル−2,2−ジメチルプロピル)アミノオキシ]プロピオン酸メチルの製造
Figure 0005014805
操作法
窒素でパージした2リットル容のガラス反応器中に500mlの脱気したトルエンと、35.9g(250mmol)のCuBrと、15.9g(250mmol)の銅粉末と、86.7g(500mmol)のN,N,N’,N’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)とを導入した後、攪拌下に周囲温度(20℃)で500mlの脱気したトルエンと、42.1g(250mmol)の2−ブロモ−2−メチルプロピオン酸と、78.9gすなわち225mmolの84% SG1とから成る混合物を導入した。
90分間、攪拌下に周囲温度で反応させた後、反応媒体を濾過した。トルエン濾過物を1.5リットルのNH4Cl飽和水溶液で二回洗浄した。
得られた黄色の固体をペンタンで洗浄すると51gの2−メチル−2−[N−(tert-ブチル)−N−(ジエトキシホスホリル−2,2−ジsメチルプロピル)アミノオキシ)プロピオン酸が得られる(60%収率)。
分析結果は下記の通り:
(1) 質量分析で求めたモル質量: 381.44/g.mol-1(C1736NO6P)
(2) 元素分析(実験式:C1736NO6P):
計算値%:C=53.53、H=9.51、N=3.67
実験値%:C=53.57、H=9.28、N=3.77
(3) Buchi B−540装置で求めた融点:124℃/125℃
Figure 0005014805
このアルコキシアミンの水性懸濁液に1.7当量の水酸化ナトリウム溶液を攪拌下に周囲温度で徐々に加える。周囲温度で30分間攪拌を維持し、以下の実施例のようにR2=Naのアルコキシアミン(I)を用いる。
元素分析(実験式 C1735NO6PNa)
計算値%:C=50.61; H=8.74; N=3.47
実験値%:C=49.29; H=8.97; N=3.01
kd(120℃)=0.2s-1
Figure 0005014805
実施例1B
1Aで得られたモノアルコキシアミンからのジアルコキシアミンの製造
窒素でパージした100ml容の丸底フラスコ中に下記を入れる:
1) 1Aで調製した2g(2当量)のアルコキシアミン、
2) 純度が>98%の0.52gの1,4−ブタンジオールジアクリレート(1当量)、
3) 6.7mlのエタノール。
この混合物を20時間加熱還流(温度78℃)した後、エタノールを減圧蒸発させると2.5gの粘度の高い黄色の油が得られる。
31P NMR分析によって、2−メチル−2−[N−(tert-ブチル)−N−(ジエトキシホスホリル−2,2−ジメチルプロピル)アミノオキシ]プロピオン酸(27.4ppm)が完全に消え、ジアルコキシアミン(24.7〜25.1ppmで多重線)が生じたことがわかる。
電子スプレー型の質量分析から質量は961(M+)である。
実施例2
1Aで調製されたアルコキシアミン(I)の臨界ミセル濃度(CMC)の測定
2=Naのアルコキシアミン(I)の界面活性特性をより良く特徴付けするという観点から、この水溶性アルコキシアミンの界面張力の低下はその濃度の関数であることを確認した。臨界ミセル濃度(CMC)値、被覆率および界面で吸収されたアルコキシアミンの1分子当たりの面積を評価した。
作用界面として空気を選択した。R2=Naのアルコキシアミン(I)に対して空気中で行った測定値をSDS(ドデシルベンゼンスルホネートナトリウム)型の通常の界面活性剤で得られた値と比較した。
ITC Concept社から市販の液滴張力計を用いて表面張力を測定した。原理は以下の通り。注射器の針の先端で自動的に一滴が形成する(形成する液滴とは別の液体を充填した容器中)。この液滴を均一な光源で照らし、液滴の輪郭の画像をテレセントリックレンズを介してCCDカメラに投影し、デジタル化した後、Windrop1.1ソフトウェアで処理して界面張力、表面積および液滴の体積をラプラス−ヤング方程式を用いて求める。こうすることによって、例えば2つの液体の界面で界面活性剤が吸着している時の界面張力γ30minの変化(界面張力を下げる反応速度)を時間の関数でモニターでき、従って、いくつかの特徴、例えば臨界ミセル濃度(CMC)、被覆率(G)、界面での界面活性剤1分子当たりの面積(a)等を求めることができる。
下記の空気に対して測定した結果は[表1]にまとめて示してある:
アルコキシアミン(I)
SDS
Figure 0005014805
この測定結果は、アルコキシアミンは大きな界面活性特性を有し、従って、エマルションの安定化に関与できることを示している。
実施例3
1Aで調製された水溶性アルコキシアミン(I)によって開始されるバッチ条件下のミニエマルション法によるブチルアクリレートの制御されたラジカル重合−過硫酸アンモニウムを用いる通常のラジカル重合による残留モノマーの変換
下記を混合して有機溶液を調製し:
85g(0.7mol)のブチルアクリレート、
0.11gの重量平均分子量(Mw)が330,000であるポリスチレン、
0.68g(3.0mmol)のヘキサデカン
下記を混合して水溶液を調製する:
323gの水、
1.87g(2.3mmol)の乳化剤Dowfax 8390、
0.32g(3.8mmol)のNaHCO3
0.98g(2.6mmol)の1Aで調製したアルコキシアミン(I)を過剰(1.7当量)の水酸化ナトリウムで中和したもの。
上記2つの溶液を磁気攪拌器を用いて10分間混合する。続いて、混合物を超音波プローブ(Branson 450、パワー7)を介して10分間激しく攪拌し、滴径が約10nmのエマルションを得る。
このエマルションを500mlのジャケット付き反応器に導入し、窒素で10分間脱気した後、反応媒体を112℃に加熱し、この温度を温度調節によって8時間維持する。反応中にサンプルを抜き出し、(1)重量測定(固体含有率の測定)によって重合反応速度を求め、(2)分子量の変化を変換率の関数でモニターした。
[表2]は重合反応速度の変化と、変換率を関数としたモル質量の変化を示している。8時間の重合で変換率が90%に達することがわかる。
Figure 0005014805
CHDF(毛細管ハイドロダイナミック フラクション)によるラテックスの特徴付け
[図1]を参照
10%の残留モノマーは次の第2段階で過硫酸カリウム(Aldrich、残留モノマーに対して0.5mol%)の存在下で通常のラジカル重合によって変換した。攪拌下に10分間窒素で脱気した後、反応媒体を75℃で4時間加熱した後、周囲温度に冷却する。重量測定で評価して得られた変換率は98重量%以上である。
実施例4
1Aで調製された水溶性アルコキシアミン(I)によって開始されるバッチ条件下のミニエマルション法によるスチレンの制御されたラジカル重合
下記を混合して有機溶液を調製し:
85g(0.8mol)のスチレン、
0.85gの、Mwが330,000であるポリスチレン、
4.26g(19.0mmol)のヘキサデカン
下記を混合して水溶液を調製する:
317gの水、
1.87g(2.3mmol)の乳化剤Dowfax 8390、
0.32g(3.8mmol)のNaHCO3
0.96g(2.5mmol)の、1Aで調製したアルコキシアミン(I)を過剰(1.7当量)の水酸化ナトリウムで中和したもの
上記2つの溶液を磁気攪拌器を用いて10分間混合した後、混合物を超音波プローブ(Branson 450、パワー7)で10分間激しく攪拌し、滴径が約10nmのエマルションを得る。
このエマルションを500mlのジャケット付き反応器に導入し、窒素で10分間脱気する。次いで、この反応媒体を120℃に加熱し、この温度を温度調節によって8時間維持する。
反応中にサンプルを抜き出し、(1)重量測定(固体含有率の測定)によって重合反応速度を求め、(2)分子量の変化を変換率の関数でモニターした。
[表4]は変換率を関数としたモル質量の変化を示している。8時間の重合で変換率が50%に達することがわかる。
Figure 0005014805
CHDF(毛細管ハイドロダイナミック フラクション)によるラテックスの特徴付け
[図2]を参照
実施例5
1Aで調製された水溶性アルコキシアミン(I)によって開始されるバッチ条件下のエマルション法によるブチルアクリレートの制御されたラジカル重合
85g(0.66mol)のブチルアクリレート、322gの水、1.87g(2.3mmol)の乳化剤Dowfax 8390、0.33g(3.9mmol)のNaHCO3、および、0.96g(2.5mmol)の1Aで調製したアルコキシアミン(I)を過剰(1.7当量)の水酸化ナトリウムで中和したものを500mlのジャケット付き反応器に導入する。この溶液を窒素で10分間脱気する。次いで、この反応媒体を112℃に加熱し、この温度を温度調節によって7時間維持する。
反応中にサンプルを抜き出し、(1)重量測定(固体含有率の測定)によって重合反応速度を求め、(2)分子量の変化を変換率の関数としてモニターした。
[表5]は変換率を関数としたモル質量の変化を示している。7時間の重合で変換率が65%に達することがわかる。
Figure 0005014805
ラテックスは周囲温度で数日間安定であり、ポリマーは低温(−10℃)で凝固回収される。
実施例6
ブチルアクリレートをシードとし、ブチルアクリレート(BuA)をバッチで添加する1Aで調製された水溶性アルコキシアミン(I)によって開始されるエマルション法によるブチルアクリレートの制御されたラジカル重合
合成は2段階で行われる:
第1段階
固体含有率の低い(約1重量%)シードの調製
3g(0.02mol)のブチルアクリレート、409gの水、1.87g(2.3mmol)の乳化剤Dowfax 8390、0.43g(5.1mmol)のNaHCO3、および、0.95g(2.5mmol)の、1Aで調製したアルコキシアミン(I)を過剰(1.7当量)の水酸化ナトリウムで中和したものを500mlのジャケット付き反応器に導入する。この溶液を窒素で10分間脱気する。次いで、この反応媒体を112℃に加熱し、この温度を温度調節によって8時間維持する。
第2段階
BuAの添加によるエマルションの生成
第1段階のシードに30g(0.23mol)のブチルアクリレートを添加する。窒素で脱気した後、この反応媒体を112℃に加熱し、この温度を温度調節によって8時間維持する。
反応中にサンプルを抜き出し、(1)重量測定(固体含有率の測定)によって重合反応速度を求め、(2)分子量の変化を変換率の関数としてモニターした。
[表6]および[図3]は重合の反応速度の変化と、変換率を関数としたモル質量の変化を示してある。8時間の重合で変換率が94%に達することがわかる。
Figure 0005014805
CHDF(毛細管ハイドロダイナミック フラクション)によるラテックスの特徴付け
[図3]を参照
実施例7
ブチルアクリレートをシードとし、ブチルアクリレート(BuA)を添加する、1Aで調製された水溶性アルコキシアミン(I)によって開始されるエマルション法によるブチルアクリレートの制御されたラジカル重合
固体含有率の低い(約1重量%)ブチルアクリレートシードの調製は実施例6に記載の調製と同様であるが、112℃での温度調節の維持を1時間だけにし、その後、30g(すなわち0.23mol)のブチルアクリレートを112℃で3時間にわたって連続的に添加した。次いで、この温度を温度調節によって8時間維持する。
反応中にサンプルを抜き出し、(1)重量測定(固体含有率の測定)によって重合反応速度を求め、(2)分子量の変化を変換率の関数としてモニターした。
[表7]および[図4]の曲線は重合の反応速度の変化と、変換率を関数としたモル質量の変化を示している。8時間の重合で変換率が95%に達することがわかる。
Figure 0005014805
CHDF(毛細管ハイドロダイナミック フラクション)によるラテックスの特徴付け
[図4]を参照
実施例8
ブチルアクリレートをシードとし、スチレンをバッチで添加する1Aで調製された水溶性アルコキシアミン(I)によって開始されるエマルション法によるスチレンの制御されたラジカル重合
合成は2段階で行われる:
第1段階
固体含有率の低い(約1重量%)ブチルアクリレートシードの調製
0.7g(0.005mol)のブチルアクリレート、90gの水、1.18g(1.4mmol)の乳化剤Dowfax 8390、0.09g(1.1mmol)のNaHCO3、および、0.21g(0.55mmol)の、1Aで調製したアルコキシアミン(I)を過剰(1.7当量)の水酸化ナトリウムで中和したものを250mlのジャケット付き反応器に導入する。この溶液を窒素で10分間脱気する。次いで、この反応媒体を112℃に加熱し、この温度を温度調節によって8時間維持する。
第2段階
スチレンのバッチ添加
第1段階のシードに18g(0.17mol)のスチレンを添加する。窒素で脱気した後、この反応媒体を112℃に加熱し、この温度を温度調節によって8時間維持する。
反応中にサンプルを抜き出し、(1)重量測定(固体含有率の測定)によって重合反応速度を求め、(2)分子量の変化を変換率の関数としてモニターした。
[表8]および[図5]の写真は重合の反応速度の変化と、変換率を関数としたモル質量の変化を示している。8時間の重合で変換率が87%に達することがわかる。
Figure 0005014805
透過電子顕微鏡によるラテックスの特徴付け
[図5]を参照。
実施例3の粒径(Dp)の数分布 実施例4の粒径(Dp)の数分布 実施例6の粒径(Dp)の数分布 実施例7の粒径(Dp)の数分布 実施例8の透過電子顕微鏡写真

Claims (14)

  1. ラジカル重合可能な少なくとも一種のモノマーをミニエマルション、マイクロエマルションまたはエマルション重合する方法において、
    重合を下記式(I)水溶性モノアルコキシアミンの存在下で行うことを特徴とする方法:
    Figure 0005014805
    (ここで、R1とR3は炭素原子数が1〜3の直鎖または分岐鎖のアルキル基を表し、互いに同一でも異なっていてもよく、R2はアルカリ金属またはアンモニウムイオンを表す)
  2. アルカリ金属がLi、NaおよびKの中から選択される請求項1に記載の方法。
  3. アンモニウムイオンがNH4+、NBu4+およびNHBu3 +の中から選択される請求項に記載の方法。
  4. 水溶性モノアルコキシアミンを上記モノマーの重量に対して0.01〜10重量%の比率で重合媒体に導入する請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. ラジカル重合可能な上記モノマーがラジカル重合可能な炭素−炭素二重結合を有するモノマーである請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  6. 上記モノマーがビニル芳香族モノマー、ジエンモノマー、アクリルモノマー、アクリル酸アルキル、アクリル酸シクロアルキルまたはアクリル酸アリール、エチルヘキシルアクリレート、フェニルアクリレート、ヒドロキシアルキルアクリレート、エーテルアルキルアクリレート、アルコキシまたはアリールオキシポリアルキレングリコールアクリレート、アミノアルキルアクリレート、アミン塩のアクリレート、フルオロアクリレート、シリル化アクリレートまたは燐含有アクリレート、メタクリルモノマー、メタクリル酸アルキル、メタクリル酸シクロアルキル、メタクリル酸アルケニルまたはメタクリル酸アリール、ヒドロキシアルキルメタクリレート、エーテルアルキルメタクリレート、アルコキシまたはアリールオキシポリアルキレングリコールメタクリレート、アミノアルキルメタクリレート、アミン塩のメタクリレート、フルオロメタクリレート、シリル化メタクリレート、燐含有メタクリレート、ヒドロキシエチルイミダゾリドンメタクリレート、ヒドロキシエチルイミダゾリジノンメタクリレート、2−(2−オキソ−1−イミダゾリデイニル)メタクリル酸エチル、アクリロニトリル、アクリルアミドまたは置換されたアクリルアミド、4−アクリロイルモルホリン、N−メチロールアクリルアミド、アクリルアミドプロピルトリメチル塩化アンモニウム(APTAC)、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸(AMPS)またはその塩、メタクリルアミドまたは置換されたメタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、メタアクリルアミドプロピルトリメチル塩化アンモニウム(MAPTAC)、イタコン酸、マレイン酸またはその塩、無水マレイン酸、アルキルまたはアルコキシまたはアリールオキシポリアルキレングリコールマレイン酸エステルまたはヘミ(hemi)マレイン酸エステル、ビニールピリジン、ビニルピロリジノン、(アルコキシ)ポリ(アルキレングリコール)ビニルエーテルまたはジビニルエーテル、オレフィンモノマー、および、フルオロオレフィンモノマーおよびビニリデンモノマーの中から選択される一つのモノマーまたはこれらモノマーの少なくとも2つの混合物である請求項5に記載の方法。
  7. 下記の(1)〜(3)を剪断力下に攪拌混合する請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法:
    (1)下記を含む水相:
    水、
    少なくとも一種の上記定義の水溶性モノアルコキシアミン、
    必要に応じて用いられる、アニオン、カチオン、ノニオン、両性、第四級またはフッ素化された乳化剤、
    (2)下記を含む有機相:
    一種または複数の重合可能なモノマー、
    有機溶媒(任意成分)、
    共溶媒(任意成分)、
    (3)有機および/または無機の過酸化物型および/またはアゾ型の少なくとも一種の遊離ラジカル開始剤(任意成分)
  8. 上記共溶媒が25℃での水への溶解度が1×10-6g/リットル以下で、重合温度10〜130℃の温度に保ち、エマルションの各相の沸騰を阻止し且つ各成分を基本的にエマルション中に留めておくのに十分な圧力下で液体である請求項7に記載の方法。
  9. マルチブロックポリマーの製造方法であって、
    第1段階で、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法に従って一種または複数のモノマーから第1ブロックを製造し、
    次に、第1ブロックの製造で用いたモノマーまたはモノマー混合物とは異なる第2ブロック製造用の第2モノマーまたはモノマーの混合物を、攪拌を停止せず且つ冷却またはその他を中断をせずに、導入し、その後、必要に応じて、第2ブロックの製造で用いたモノマーまたはモノマー混合物とは異なるモノマーまたはモノマー混合物等をさらに導入し、
    各ブロックの製造条件はモノマーの種類に応じて調整し、
    必要な場合には、有機および/または無機の過酸化物型および/またはアゾ型の少なくとも一種の遊離ラジカル開始剤を供給して残留モノマーを変換する段階をさらに有する、
    ことを特徴とする方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法で得られるポリマーからなるポリマー粒子。
  11. ポリマーがブロックポリマーである請求項10に記載のポリマー粒子。
  12. ポリマーが下記ポリマーの一つである請求項11に記載の粒子:
    ポリスチレン−b−ポリ(メチルメタクリレート)、
    ポリスチレン−b−ポリスチレンスルホネート、
    ポリスチレン−b−ポリアクリルアミド、
    ポリスチレン−b−ポリメタクリルアミド、
    ポリ(メチルメタクリレート)−b−ポリ(エチルアクリレート)、
    ポリスチレン−b−ポリ(ブチルアクリレート)、
    ポリブタジエン−b−ポリ(メチルメタクリレート)、
    ポリイソプレン−b−ポリ(スチレン−コ−アクリロニトリル)、
    ポリブタジエン−b−ポリ(スチレン−コ−アクリロニトリル)、
    ポリ(スチレン−コ−ブチルアクリレート)−b−ポリ(メチルメタクリレート)、
    ポリスチレン−b−ポリ(酢酸ビニル)、
    ポリスチレン−b−ポリ(2−エチルヘキシルアクリレート)、
    ポリスチレン−b−ポリ(メチルメタクリレート−コ−ヒドロキシエチルアクリレート)、
    ポリスチレン−b−ポリブタジエン−b−ポリ(メチルメタクリレート)、
    ポリブタジエン−b−ポリスチレン−b−ポリ(メチルメタクリレート)、
    ポリスチレン−b−ポリ(ブチルアクリレート)−b−ポリスチレン、
    ポリスチレン−b−ポリブタジエン−b−ポリスチレン、
    ポリスチレン−b−ポリイソプレン−b−ポリスチレン、
    ポリ(ペルフルオロオクチルアクリレート)−b−ポリ(メチルメタクリレート)、
    ポリ(ペルフルオロオクチルアクリレート)−b−ポリスチレン、
    ポリ(ペルフルオロオクチルアクリレート)−b−ポリ(ベヘニルアクリレート)、
    ポリ(ペルフルオロオクチルアクリレート)−b−ポリ(ステアリルメタクリレート)、
    ポリ(n−オクチルアクリレート)−b−ポリ(メチルメタクリレート)、
    ポリ(メチルメタクリレート)−b−ポリ(ブチルアクリレート)−b−ポリ(メチルメタクリレート)、
    ポリ(メチルメタクリレート)−b−ポリ(メトキシエチルアクリレート)−b−ポリ(メチルアクリレート)、
    ポリ((メタ)アクリル酸)−b−ポリ(ブチルアクリレート)−b−ポリ((メタ)アクリル酸)。
  13. 粒子の平均粒径が2μm以下である請求項10〜12のいずれか一項に記載の粒子群。
  14. 請求項13に記載の粒子群を含むラテックス。
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