JP5012174B2 - 車両用フード構造 - Google Patents
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Description
上記インシュレータは、上記インタークーラーダクトと重なり合う重合部を有し、
該重合部の少なくとも一部には、上記インシュレータを貫通してなる貫通穴部が形成されており、
該貫通穴部は、上記インタークーラーダクトによって上記インシュレータの内側から覆われていることを特徴とする車両用フード構造にある(請求項1)。
また、自動車のSUV系車両等に用いられる大型のフードは、小型のフードに比べて質量が大きく、剛性も高くなるため、歩行者頭部安全試験における1次ピーク及び頭部障害値が特に高くなる傾向にある。そのため、大型のフードに上記構造の車両用フードを適用することにより、上記の効果を特に有効に発揮することができる。
また、上記貫通穴部は、上記ダクトと重なり合う上記重合部に形成する。そのため、上記貫通穴部を形成した部分においては、エンジンルーム内で発生した音の外部への伝達を抑制するという上記インシュレータの役割を上記貫通穴部に重なって配設される上記ダクトが代わりに果たす。それ故、上記構造を適用した場合であっても、エンジンルーム内で発生した音の外部への伝達を充分に抑制することができる。
また、上記貫通穴部のサイズ、形状等は、上記インシュレータの強度を充分に確保することができれば、特に限定されるものではない。
また、上記インシュレータの強度を確保するために、上記貫通穴部間に補強部材等を架設することもできる。また、上記貫通穴部間に上記インシュレータをカットせずに残すことによって形成された補強部等を設けることもできる。
この場合には、上記インシュレータの軽量化及び上記フードにおける省スペース化を図ることができる。
すなわち、グラスウールは比較的重量が大きいため、上記貫通穴部を設けることによる効果が大きい。
なお、上記インシュレータを構成する材料としては、上記のグラスウール以外にも、硬質発泡ウレタン、メラミン樹脂発泡体等を用いることができる。
本例のフード1は、図1〜図4に示すごとく、エンジンルーム6を覆うフード1の車体外表面を構成するフードアウタ2と、フードアウタ2の裏面に配設されたフードインナ3と、エンジンルーム6内で発生した音の外部への伝達を抑制するためのインシュレータ4と、エンジンルーム6内に流入した外気を案内してインタークーラー(図示略)に送給するインタークーラーダクト5とを備えている。
そして、インシュレータ4は、インタークーラーダクト5と重なり合う重合部41の一部に貫通穴部42を有している。
以下、これを詳説する。
また、外枠部31で囲まれた領域には、複数の中枠部32全体によって外枠部31からフードアウタ2側に凹んだ形状を呈し、インシュレータ4を組み付けるための組付凹部33が形成されている。
また、図2、図4に示すごとく、重合部41には、インタークーラーダクト5の外形に合致するように凹んだ形状を呈し、組み付け時においてインタークーラーダクト5の一部を重ねて収容するための薄肉凹部43が形成されている。
本例では、図2に示すごとく、重合部41において、インタークーラーダクト5を構成する後述の分岐ダクト51、52と重なる部分に、それぞれ2つの貫通穴部42が形成されている。
また、貫通穴部42間には、インシュレータ4の強度を確保するために貫通穴部42を形成せず、つまりインシュレータ4をカットせずに残すことによって形成された補強部421が設けられている。
なお、本例のインシュレータ4は、グラスウール層及び不織布層の2層構造からなり、所定の形状に成形された成形タイプのものである。
また、図3、図4に示すごとく、インタークーラーダクト5は、組み付け時において、分岐ダクト51、52の一部を薄肉凹部43内に収容するように配設される。
本例のフード1の構造において、インシュレータ4は、インタークーラーダクト5と重なり合う部分に重合部41を有し、重合部41の一部には、インシュレータ4を貫通してなる貫通穴部42が形成されている。すなわち、貫通穴部42を形成した分だけインシュレータ4をカットすることができ、インシュレータ4の軽量化を図ることができる。これにより、インシュレータ4を含めたフード1全体の質量を小さくすることができる。
また、自動車のSUV系車両等に用いられる大型のフード1は、小型のフード1に比べて質量が大きく、剛性も高くなるため、歩行者頭部安全試験における1次ピーク及び頭部障害値が特に高くなる傾向にある。そのため、上記構造のフード1を適用することにより、上記の効果を特に有効に発揮することができる。
また、貫通穴部42は、インタークーラーダクト5と重なり合う重合部41に形成する。そのため、貫通穴部42を形成した部分においては、エンジンルーム6内で発生した音の外部への伝達を抑制するというインシュレータ4の役割を貫通穴部42に重なって配設されるインタークーラーダクト5が代わりに果たす。それ故、上記構造を適用した場合であっても、エンジンルーム6内で発生した音の外部への伝達を充分に抑制することができる。
本例では、インシュレータ4の重合部41に貫通穴部42を設けた本実施例のフード1(本発明品)を準備した。また、比較として、インシュレータに貫通穴部を設けない従来のフード(従来品)を準備した。そして、それぞれについて歩行者頭部安全試験を行い、頭部障害値(HIC)を求めた。
なお、本例で用いたフードは、SUV系車両に適用される大型のものである。
同図から本発明品(曲線E)と従来品(曲線C)とを比較すると、頭部インパクタがフードに衝突した際に表れる1次ピークP1は、本発明品のほうが従来品に比べて低くなっている。これは、本発明品のフード全体の質量の低減、剛性の低下によるものと考えられる。
頭部障害値(HIC)は、歩行者頭部安全試験の結果の一例を示した図6を用いて説明すると、加速度と時間との関係によって示された曲線Gにおいて、任意の時間(t1〜t2)を選定し、下記の式を用いて積分することによって求めることができる。
2 フードアウタ
3 フードインナ
4 インシュレータ
41 重合部
42 貫通穴部
5 インタークーラーダクト
6 エンジンルーム
Claims (3)
- エンジンルームを覆うフードの車体外表面を構成するフードアウタと、該フードアウタの内表面に配設されたフードインナと、上記フードアウタの内側に配設され、上記エンジンルーム内で発生した音の外部への伝達を抑制するためのインシュレータと、上記インシュレータの内側に配設され、上記エンジンルーム内に流入した外気を案内してインタークーラーに送給するインタークーラーダクトとを備えた車両用フード構造において、
上記インシュレータは、上記インタークーラーダクトと重なり合う重合部を有し、
該重合部の少なくとも一部には、上記インシュレータを貫通してなる貫通穴部が形成されており、
該貫通孔部は、上記インタークーラーダクトによって上記インシュレータの内側から覆われていることを特徴とする車両用フード構造。 - 請求項1において、上記インシュレータの上記重合部には、上記インタークーラーダクトの外形に沿って凹んだ薄肉凹部が形成されており、該薄肉凹部内には、上記インタークーラーダクトの少なくとも一部が収容されていることを特徴とする車両用フード構造。
- 請求項1又は2において、上記インシュレータは、グラスウールを含有することを特徴とする車両用フード構造。
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