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JP5009714B2 - フレキシブル配線基板用積層体及びcof用フレキシブル配線基板 - Google Patents

フレキシブル配線基板用積層体及びcof用フレキシブル配線基板 Download PDF

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JP5009714B2 JP2007204105A JP2007204105A JP5009714B2 JP 5009714 B2 JP5009714 B2 JP 5009714B2 JP 2007204105 A JP2007204105 A JP 2007204105A JP 2007204105 A JP2007204105 A JP 2007204105A JP 5009714 B2 JP5009714 B2 JP 5009714B2
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Description

本発明は、金属層と絶縁層とからなり、ポリイミド樹脂を絶縁層とするフレキシブル配線基板やHDD(ハードディスクドライブ)サスペンションに使用される配線基板用積層体に関するものである。
一般的に電子機器に使用されるフレキシブル配線基板、これを形成するフレキシブル銅張積層板の絶縁層には、耐熱性、寸法安定性、電気特性等の諸特性に優れるポリイミド樹脂が広く用いられている。
そして、これまでポリイミドを絶縁層とする様々なフレキシブル銅張積層板が検討されて来ている。例えば、特許文献1には、特定の樹脂構造を有するポリイミド樹脂からなるフレキシブル銅張積層板が開示されている。しかし、従来のポリイミド樹脂は、他の有機ポリマーに比べ耐熱性や電気絶縁性は優れているものの、吸湿率が大きいためにこれを加工して得られるフレキシブル配線基板を半田浴に浸漬した際に生じる膨れや、ポリイミド樹脂の吸湿後の寸法変化による電子機器の接続不良等の懸念があった。
そこで、ポリイミド樹脂の湿度環境変化による寸法安定性を改善するために、ポリイミド樹脂層を形成するポリイミド樹脂として、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジメチルビフェニルを20モル%以上含有するジアミンを使用して得られたポリイミド樹脂の層を有する積層体が特許文献2に示されている。
近年、電子機器の高性能化、高機能化が急速に進んでおり、これに伴い電子機器に用いられる電子部品やそれらを実装する基板に対しても、より高密度で高性能なものへと要求が高まっている。そして、電子機器は益々軽量化、小型化、薄型化の傾向にあり、電子部品を収容するスペースは狭まる一方である。これらの課題を解決する技術の1つに、フレキシブル配線基板上に半導体チップを実装する技術が注目されている。このいわゆるCOF(チップ・オン・フィルム)用途に使用されるフレキシブル配線基板は、製造工程の搬送のためにスプロケットホールを有しているが、その部分の破断と変形を生じやすいという問題から、これまでのフレキシブル配線基板の絶縁層は、その信頼性を維持するために40μm程度以上の一定の厚みを必要としていた。
一方、折畳み型携帯電話や摺動型携帯電話等の可動部に用いられるフレキシブル配線基板においても同様に配線の高密度化が求められ、それに伴い高耐屈曲性も要求されるようになった。しかしながら、従来のフレキシブル配線基板は多層化や小屈曲半径化すると長期間の使用後に断線を発生するといった問題があり、折畳み型携帯電話や摺動型携帯電話の可動部に十分な耐屈曲性を有するものは必ずしも得られていなかった。そこで、寸法安定性、耐熱性、その他のポリイミド樹脂の優れた特性を生かしながら、耐屈曲性にも優れたフレキシブルブル配線基板を与える銅張積層板の開発が望まれていた。
また、HDDサスペンションの用途でも、絶縁層のポリイミド樹脂には、寸法安定性や吸湿率の低いものが好ましく使用されるが、これら特性の他にも、更に、強度に優れ、加工特性にも優れていることが好ましい。HDDサスペンション用途へ適用する場合の加工方法の1つとして、アルカリ水溶液によるエッチング液を用いたウエットエッチング法が知られており、加工部分のエッチング形状を良好なものにするにはエッチング速度が速いことが好ましい。以上のことから、エッチング特性に優れたHDDサスペンションに使用される積層体の開発も望まれていた。
特開昭63−245988号公報 WO01/028767号公報
本発明は、熱膨張係数に代表される寸法安定性、COF実装時に要求される耐熱特性、その他のポリイミドの優れた特性を生かしながら、耐屈曲性にも優れたフレキシブル配線基板やエッチング特性に優れたHDDサスペンションに使用される配線基板用積層体を提供することを目的とする。
本発明者等は上記課題を解決するために検討を重ねた結果、絶縁層を構成するポリイミド樹脂に特定のポリイミド樹脂を採用することで上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、複数層からなるポリイミド樹脂層の少なくとも一方の面に金属層を有する配線基板用積層体において、重量平均分子量が150000〜800000の範囲にあるポリイミド前駆体樹脂をイミド化して得られるポリイミド樹脂層(A)を主たるポリイミド樹脂層とし、ポリイミド樹脂層(A)は、厚さが10〜30μmであり、引き裂き伝播抵抗が100〜400mNの範囲にあり、かつ、熱膨張係数が30×10 -6 /K以下であり、ポリイミド樹脂層(A)を構成するポリイミド樹脂が下記一般式(1)及び(2)で表される構造単位からなることを特徴とするフレキシブル配線基板用積層体である。
Figure 0005009714
(一般式(1)において、Rは炭素数1〜6の低級アルキル基、フェニル基又はハロゲンを示し、一般式(2)において、Ar1は下記式(a)及び(b)から選択される2価の芳香族基のいずれかを示し、Ar3は下記式(c)又は(d)から選択される2価の芳香族基のいずれかを示し、lは0.7〜0.9、mは0.1〜0.3の範囲の数である。)
Figure 0005009714
Figure 0005009714
上記ポリイミド樹脂層(A)は、厚さが5〜30μmで、引き裂き伝播抵抗が100〜400mNの範囲にあり、かつ、熱膨張係数が30×10-6/K以下であることがよい。また、上記ポリイミド樹脂層(A)は、ガラス転移温度が310℃以上で、かつ、400℃における弾性率が、0.1GPa以上であることがよい。そして、上記配線基板用積層体は、フレキシブル配線基板用積層体又はHDDサスペンション用積層体として適する。
また、本発明は、上記フレキシブル配線基板用積層体を、配線加工して得られるフレキシブル配線基板の側部に所望形状のスプロケットホールを設けたことを特徴とするCOF用フレキシブル配線基板である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の配線基板用積層体は、ポリイミド樹脂層の少なくとも一方の面、すなわち、片側又は両側に金属層を有する。ポリイミド樹脂層と金属層を積層させる方法には、ポリイミド前駆体樹脂溶液(ポリアミド酸溶液ともいう。)を塗布した後、乾燥・硬化する所謂キャスト法、ポリイミドフィルムに熱可塑性のポリイミドを塗布した後に銅箔、ステンレスなどによる金属層を熱ラミネートする所謂ラミネート法、ポリイミドフィルムの表面にスパッタ処理により導通層を形成した後、電気めっきにより導体層を形成する所謂スパッタめっき法などがある。これらのいずれの方法を用いてもよいが、ポリイミド前駆体樹脂溶液を塗布した後、乾燥・硬化するキャスト法が最も適する。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
ポリイミド樹脂層は、単層であっても、また複数層であってもよい。但し、接着層としてエポキシ樹脂層などポリイミド以外の樹脂層を設けると耐熱性の低下を招くことから、実質的にはポリイミド以外の樹脂層を有しない。また、ポリイミド樹脂層は、主たる層として、ポリイミド樹脂層(A)を有する。本発明で、主たる層とは、ポリイミド樹脂層の全厚みの60%以上、好ましくは70%以上の厚みを有する層をいう。
ポリイミド樹脂層(A)は、上記一般式(1)及び(2)で表される構造単位から構成されている。また、l、mは各構造単位の存在モル比(全構造単位の合計を1としたとき)を示し、lは0.7〜0.9、mは0.1〜0.3の範囲の数である。
一般式(1)の構造単位は主に低熱膨張性と高耐熱性等の性質を向上させ、一般式(2)の構造単位は主に強靭性や接着性等の性質を向上させると考えられるが、相乗効果や分子量の影響があるため厳密ではない。しかし、強靭性等を増加させるためには、一般式(2)の構造単位を増やすことが、有効である。
一般式(1)において、Rは炭素数1〜6の低級アルキル基、フェニル基又はハロゲンを示す。本発明における一般式(1)で表される構造単位の好ましい例としては、下記式(3)で表される構造単位が例示される。
Figure 0005009714
一般式(2)において、Ar1は上記式(a)及び(b)から選択される2価の芳香族基のいずれかを示す。式(a)及び(b)において、Ar3は上記式(c)又は(d)から選択される2価の芳香族基のいずれかを示す。Ar1の好ましい例としては、下記式(e)、(f)及び(g)で表される2価の芳香族基が例示される。
Figure 0005009714
ポリイミド樹脂層(A)を構成するポリイミド樹脂は、重量平均分子量が150000〜800000、好ましくは200000〜800000の範囲にあるポリイミド前駆体樹脂をイミド化して得られる。重量平均分子量の値が150000に満たないと、フィルムの引裂き伝播抵抗が弱くなり、800000を超えると均一なフィルムの作製が困難となる。重量平均分子量はGPC法によってポリスチレン換算の値を求めることができる。なお、ポリイミド前駆体樹脂をイミド化して得られるポリイミド樹脂の重量平均分子量も、ポリイミド前駆体樹脂状態で測定されるものと略等しいため、ポリイミド前駆体樹脂の重量平均分子量をもってポリイミド樹脂の重量平均分子量と見做すことができる。
ポリイミド樹脂層の合計の厚さは、好ましくは10〜40μm、より好ましくは15〜30μmの範囲にあることがよい。また、ポリイミド樹脂層(A)の厚さは5〜35μm、好ましくは5〜30μm、より好ましくは10〜30μmの範囲とすることがよい。ポリイミド樹脂層(A)の厚みをこの範囲にすることで、屈曲性に優れたフレキシブル配線用基板とすることができる。
また、ポリイミド樹脂層(A)の引裂き伝播抵抗を100〜400mN、有利には130〜350mNとすることで、ポリイミド樹脂層の厚みを薄くしても、破断や変形しにくく、屈曲性にも優れたフレキシブル配線基板用積層体とすることができる。また、熱膨張係数を30×10-6/K以下、有利には25×10-6/K以下とすることで、カール等の変形を制御することができる。更に、ポリイミド樹脂層(A)のガラス転移温度を310℃以上、有利には310〜500℃とし、400℃における弾性率を0.1GPa以上、有利には0.15〜5GPaの範囲とすることで、高温実装が可能となり、COF用途に特に適したフレキシブル配線基板用積層体とすることができる。このような特性のポリイミド樹脂層(A)とするには、ポリイミド樹脂層(A)を構成する構造単位や分子量を最適範囲とすることによって得ることができる。
本発明のポリイミド樹脂は、上述したように複数層によって形成することもできる。ポリイミド樹脂層(A)及びポリイミド樹脂層(A)以外の他のポリイミド樹脂層を構成するポリイミド樹脂は、原料のジアミンと酸無水物とを溶媒の存在下で重合し、ポリイミド前駆体樹脂とした後、熱処理によりイミド化することによって製造することができる。溶媒は、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリジノン、2-ブタノン、ジグライム、キシレン等が挙げられ、1種若しくは2種以上併用して使用することもできる。
他のポリイミド樹脂層を構成するポリイミド樹脂原料となるジアミンとしては、H2N−Ar4−NH2によって表される化合物が挙げられ、Ar4としては下記によって表わされる芳香族ジアミン残基が例示される。
Figure 0005009714
これらの中でも、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(4,4’−DAPE)、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE−R)、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン(APB)、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン(BAPP)が好適なものとして例示される。
また、酸無水物としては、O(OC)2Ar5(CO)2Oによって表される化合物が挙げられ、Ar5としては、下記式で表わされる芳香族酸二無水物残基が例示される。
Figure 0005009714
これらの中でも、ピロメリット酸二無水物(PMDA)、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物(DSDA)が好適なものとして例示される。
ポリイミド樹脂層(A)を構成するポリイミド樹脂原料となるジアミン及び酸無水物としては、上記一般式(1)及び(2)の説明から理解されるが、ジアミンとしてはTPE−R、APB、4,4’−DAPE等があり、酸無水物としてはPMDAがある。そして、ポリイミド樹脂層(A)を構成するポリイミド樹脂原料となるジアミン及び酸無水物は、上記式及びモル比を満足する限り、2又は4以上のジアミン及び酸無水物を使用してもよく、他のジアミン及び酸無水物を使用してもよい。
ポリイミド樹脂の分子量は、原料のジアミンと酸無水物のモル比で主に制御可能である。ポリイミド樹脂層(A)を構成するポリイミド樹脂は、その前駆体(溶液)を、イミド化することにより得られる。そして、他のポリイミド樹脂層として良接着性のポリイミド樹脂層を使用する場合は、この他のポリイミド樹脂層は有利には、金属層と接するように設け、ポリイミド樹脂層(A)は他のポリイミド樹脂層と接するように設けることがよい。ポリイミド樹脂層(A)を2種以上使用する場合も、相対的に良接着性のポリイミド樹脂層(A)を金属層と接するように設けることがよい。
金属層は、銅、アルミニウム、鉄、銀、パラジウム、ニッケル、クロム、モリブデン、タングステン、亜鉛及びそれらの合金等の導電性金属を挙げることができ、これらの中でもステンレス、銅箔又は銅を90%以上含む銅合金箔が好ましい。金属層のポリイミド樹脂と接している面の表面粗さ(Rz)は、3.5μm以下であることが好ましく、1.5μm以下の電解銅箔がより好ましい。フレキシブル配線基板用積層体用の金属層としては、銅箔又は銅を90%以上含む合金銅箔が好ましく、HDDサスペンション用積層体の金属層としては、一方の面がステンレス箔で、他方の面が銅箔又は銅を90%以上含む合金銅箔であることが好ましい。
ポリイミド樹脂層を複数層とする場合、ポリイミド樹脂層(A)以外の樹脂層は、ポリイミド樹脂層(A)の少なくとも一方の面に隣接して設けることが好ましい。ポリイミド樹脂層(A)を(A)層、ポリイミド樹脂層(A)以外の他のポリイミド樹脂層を(II)層、金属層をM層と表した場合、本発明の好ましいフレキシブル配線基板用積層体の好ましい積層順としては、次のような構造が例示される。
M層/(A)層
M層/(A)層/(II)層
M層/(II)層/(A)層
M層/(II)層/(A)層/(II)層
M層/(A)層/(A)層/(A)層
M層/(A)層/(II)層/(A)層
M層/(A)層/(II)層/M層
M層/(II)層/(A)層/(II)層/M層
本発明では、上記M層/(A)層/(A)層/(A)層の様に、一般式(1)及び(2)の範囲で構造単位の種類又はモル比等を変えた複数種のポリイミド樹脂層(A)を複数層設けたものであってもよい。このように積層構成を工夫することで、実装時に要求される耐熱性とスプロケットホールの破断などのしにくい、COF用途により適した積層体とすることができる。なお、HDDサスペンション用積層体である場合は、好ましくは両面がM層となる。
金属層上へのポリイミド樹脂の形成は、ポリイミド前駆体状態で金属箔上に直接塗布して形成することが好ましく、この際、重合された樹脂粘度を500〜70000cpsの範囲とすることが好ましい。ポリイミド絶縁層を複数層とする場合、異なる構成成分からなるポリイミド前駆体樹脂の上に他のポリイミド前駆体樹脂を順次塗布して形成することができる。ポリイミド絶縁層が3層以上からなる場合、同一の構成のポリイミド前駆体樹脂を2回以上使用してもよい。なお、樹脂溶液の塗布面となる金属層表面に対して適宜表面処理した後に塗布を行ってもよい。
本発明の配線基板用積層体は、上記したように金属箔上にポリイミド前駆体樹脂を塗布することにより製造することができるが、1層以上のポリイミドフィルムを銅箔にラミネートして製造することもできる。このように製造された配線基板用積層体は金属箔を片面のみに有する片面配線基板用積層体としてもよく、また、金属箔を両面に有する両面配線基板用積層体とすることもできる。これら配線基板用積層体において、金属箔に銅箔を使用したものは、それぞれ片面銅張積層板、両面銅張積層板と呼ばれている。両面配線基板用積層体は、片面配線基板用積層体を形成後、金属箔を熱プレスにより圧着する方法、2枚の金属箔層間にポリイミドフィルムを挟み熱プレスにより圧着する方法等によって得ることができる。本発明の配線基板用積層体がフレキシブル配線基板用積層体である場合は、片面銅張積層板、両面銅張積層板等が適する。HDDサスペンション用積層体である場合は、片面を銅箔等の導体層とし、他の面をステンレス箔等の弾性体金属層とした両面配線基板用積層体が適する。なお、配線基板用積層体からフレキシブル配線基板又はHDDサスペンションを製造する方法は公知である。例えば、金属箔層をエッチングして所定の回路を形成する方法がある。
ポリイミド樹脂層には、本発明の目的を損なわない範囲で各種充填剤や添加剤を含有させてもよい。
本発明のフレキシブル配線基板用積層体は、COF用途に適している。本発明のCOF用フレキシブル配線基板は、上記フレキシブル配線基板用積層体を、配線加工して得られるフレキシブル配線基板の端部に所望形状のスプロケットホールを設けてなる。
COF用フレキシブル配線基板の一例をその平面図を示す図1により説明する。COF用フレキシブル配線基板1とする手段は特に限定されるものではないが、ポリイミド樹脂層と金属箔からなる積層体の両側端に一定間隔でスプロケットホール2を形成し、任意の配線回路を形成し、ソルダーレジスト層を形成する方法が一般的である。
具体的には、まず、フレキシブル配線基板用積層体を所定幅(例えば、35mm)にスリットしテープ状にし、幅方向に対してその両側端部にスプロケットホール2を開孔する。開孔は、通常金型により所望の形状に空けられる。その一例としては、一辺が1.98mmの正方形の孔を4.75mm間隔に空けたものが挙げられる。次に、感光性樹脂の塗布、写真法による感光性樹脂層のパターニング、酸による導体層のエッチング、感光性樹脂層の剥離により導体のパターニングを行い、パターニングされた導体上に、更に無電解すずめっき、無電解ニッケル−金めっき、無電解ニッケル−金めっきなどのめっき処理を行い、永久レジストにより導体層のカバーを施すことでCOF用フレキシブル配線基板を得ることができる。
このようにして得られたフレキシブル配線基板はポリイミド基材の上に所定の配線回路パターンを有し、銅箔の表面はめっきにより覆われ、更にコネクションに必要な部分以外の導体は絶縁体で保護されている。また、COF用のフレキシブル配線基板はテープ状の形態を示し、その両側端部には搬送用のスプロケットホールを有する。このCOF用のフレキシブル配線基板には、液晶駆動用のIC等の半導体が実装され、絶縁性の樹脂で封止され、半導体毎の個片に分割され、液晶パネルなどに接続される。これらの工程において、スプロケットホールに鎖歯車、いわゆるスプロケットを組み合わせてテープ搬送を行なう。この際に、スプロケット部分の強度が不足すると、スプロケットホールからテープの切断が発生する問題が生じる。
本発明によれば、配線基板用積層体を構成する絶縁層のポリイミド樹脂の耐熱性が高く、寸法安定性に優れたものであるばかりでなく、強靭でもあることから、ポリイミド樹脂層の厚みを薄くすることができ、耐屈曲性の優れたフレキシブル配線基板用積層体とすることができる。したがって、特にスプロケットホールなどの破断、変形が問題とされやすいCOF用途に適して用いることができる。また、本発明の配線基板用積層体に用いられるポリイミド樹脂層はエッチング特性も良好であることから、HDDサスペンション用積層体としても好適に使用される。
以下、実施例に基づいて、本発明の内容を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施
例の範囲に限定されるものではない。
実施例等に用いた略号を下記に示す。
・PMDA :ピロメリット酸二無水物
・BTDA :3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物
・TPE-Q :1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン
・TPE-R :1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン
・APB :1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン
・m-TB :2,2'-ジメチルベンジジン
・BAPP :2,2-ビス(4-アミノフェノキシフェニル)プロパン
・NBOA :2,7-ビス(4-アミノフェノキシ)ナフタレン
・3,4'-DAPE:3,4'-ジアミノジフェニルエーテル
・4,4'-DAPE:4,4'-ジアミノジフェニルエーテル
・DANPG:1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)-2,2-ジメチルプロパン
・DMAc :N,N-ジメチルアセトアミド
また、実施例中の各種物性の測定方法と条件を以下に示す。なお、以下ポリイミドフィルムと表現したものは、配線基板用積層体(以下、CCLともいう)の銅箔をエッチング除去して得られたポリイミドフィルムを指す。
[引き裂き伝播抵抗の測定]
63.5mm×50mmの試験片を準備し、試験片に長さ12.7mmの切り込みを入れ、東洋精機社製の軽荷重引き裂き試験機を用い測定した。なお、CCL引き裂き伝播抵抗とは金属層とポリイミド樹脂層とからなるCCLについて測定したものを指し、PI引き裂き伝播抵抗とはCCLの銅箔をエッチング除去して得られたポリイミドフィルムについて測定したものを指す。また、ポリイミドフィルムは、CCLの銅箔をエッチング除去して得られたポリイミドフィルムを指す。
[熱膨張係数(CTE)の測定]
ポリイミドフィルム(3mm×15mm)を、熱機械分析(TMA)装置にて5.0gの荷重を加えながら20℃/minの昇温速度で30℃から260℃の温度範囲で引張り試験を行った。温度に対するポリイミドフィルムの伸び量から熱膨張係数を測定した。
[ガラス転移温度(Tg)、貯蔵弾性率(E')]
ポリイミドフィルム(10mm×22.6 mm)をDMAにて20℃から500℃まで5℃/分で昇温させたときの動的粘弾性を測定し、ガラス転移温度Tg(tanδ極大値)及び400℃の貯蔵弾性率(E')を求めた。
[接着強度の測定]
接着力は、テンションテスターを用い、幅1mmのCCLの樹脂側を両面テープによりアルミ板に固定し、銅を180°方向に50mm/minの速度で剥離してピール強度を求めた。
[接着強度の測定(ステンレス箔)]
接着力は、テンションテスターを用い、幅1mmの積層体の樹脂側を両面テープによりアルミ板に固定し、ステンレス箔を90°方向に50mm/minの速度で剥離してピール強度を求めた。
[PIエッチング速度]
エッチング速度は金属箔上にポリイミド層を形成した積層体を用い、基準エッチング液(エチレンジアミン11.0wt%、エチレングリコール22.0wt%、水酸化カリウム33.5wt%の水溶液)を用いて測定する。測定は、まず、金属箔上にポリイミド層を形成した積層体全体の厚みを測定し、次いで金属箔を残したままの状態で、80℃の上記基準エッチング液に浸漬してポリイミド樹脂が全てなくなる時間を測定し、初期の厚みをエッチングに要した時間で割った値をエッチング速度とした。
[吸湿率の測定]
ポリイミドフィルム(4cm×20cm)を、120℃で2時間乾燥した後、23℃/50%RHの恒温恒湿機で24時間静置し、その前後の重量変化から次式により求めた。
吸湿率(%)=[(吸湿後重量−乾燥後重量)/乾燥後重量]×100
[湿度膨張係数(CHE)の測定]
35cm×35cmのポリイミド/銅箔積層体の銅箔上に、エッチングレジスト層を設け、これを一辺が30cmの正方形の四辺に10cm間隔で直径1mmの点が16箇所配置するパターンに形成した。エッチングレジスト開孔部の銅箔露出部分をエッチングし、16箇所の銅箔残存点を有するCHE測定用ポリイミドフィルムを得た。このフィルムを120℃で2時間乾燥した後、23℃/30%RH・50%RH・70%RHの恒温恒湿機で各湿度において24時間静置し、二次元測長機により測定した各湿度での銅箔点間の寸法変化から湿度膨張係数(ppm/%RH)を求めた。
[MIT耐折性の評価]
東洋精機製作所社製のMIT耐揉疲労試験機DA型を用い、試験を行った。CCLを幅15mm、長さ130mm以上の短冊状サイズにカットし、L/S=150/200μmのパターンに回路加工し、屈曲回数を測定した。なお、測定条件は荷重500g、屈曲角度270℃、屈曲速度175rpm、屈曲半径R=0.8mmとした。
[搬送性評価]
スプロケットホールの変形による搬送性評価は、CCLを35mm幅にスリットしテープ状にし、両側端部にTABテープ用スプライサーを用いて35super規格のスプロケットホールを形成して行った。ここで、スプロケットホールのホールピッチは4.75mm、ホール形状は一辺が1.42mmの正方形、テープエッジからホール中心線までの距離は0.6mmとした。そして、このスプロケットホール付きテープの銅箔部を塩化第二鉄溶液で除去し、スプロケットホール付きポリイミドフィルムテープを得、OLBボンダーにてロール・トゥ・ロールでの搬送試験を行った。○は良好、×は不良を示す。
[PIエッチング形状]
ステンレス箔上に絶縁層を有する積層体に電解銅箔(厚み12μm、表面粗さRz0.7)を絶縁層の上に重ね合わせ、真空プレス機を用いて、面圧15Mpa、温度320℃、プレス時間20分の条件で加熱圧着した。次に、この積層体の銅箔面にエッチングレジスト層を公知の方法にて形成せしめた後、塩化第二鉄水溶液に38℃で20秒間浸漬して銅箔を選択的に除去した後、この銅箔をエッチングマスクとして露出したポリイミド樹脂層をエチレンジアミン11.0wt%、エチレングリコール22.0wt%及び水酸化カリウム33.5wt%を含有するエッチング水溶液に浸漬して所定のパターンとなるようにエッチングを行い、顕微鏡でエッチング後の形状を観察した。
合成例1〜13
ポリイミド前駆体樹脂A〜K、U及びVを合成するため、窒素気流下で、表1に示したジアミンを500mlのセパラブルフラスコの中で攪拌しながら溶剤DMAc約250〜300gに溶解させた。次いで、表1に示したテトラカルボン酸二無水物を加えた。その後、溶液を室温で4時間攪拌を続けて重合反応を行い、ポリイミド前駆体樹脂(ポリアミド酸;以下、ポリアミド酸をポリアミック酸ともいう)A〜K、U及びVの黄〜茶褐色の粘稠な溶液を得た。それぞれのポリイミド前駆体樹脂溶液の25℃での粘度を測定し、表1にまとめた。なお、粘度は、恒温水槽付のコーンプレート式粘度計(トキメック社製)にて、25℃で測定した。また、GPCによる測定した重量平均分子量(Mw)を表1に示した。なお、表1中のジアミン及びテトラカルボン酸二無水物の量の単位はgである。
Figure 0005009714
実施例1〜6
銅箔A(12μm厚みの電解銅箔、表面粗さRz:0.7μm)上に、A〜Fのポリイミド前駆体樹脂の溶液を、それぞれアプリケータを用いて塗布し、50〜130℃で2〜60分間乾燥した後、更に130℃、160℃、200℃、230℃、280℃、320℃、360℃で各2〜30分段階的な熱処理を行い、銅箔上にポリイミド層を形成し、CCLを得た。
塩化第二鉄水溶液を用いて銅箔をエッチング除去してフィルム状のポリイミドA〜Fを作成し、引き裂き伝播抵抗、熱膨張係数(CTE)、ガラス転移温度(Tg)、400℃での貯蔵弾性率(E’)、180度ピール強度、PIエッチング速度、吸湿率を求めた。結果を表2に示す。
なお、A〜Kのポリイミドフィルムは、A〜Kのポリイミド前駆体から得られたことを意味する。
比較例1〜4及び参考例1
ポリイミド前駆体樹脂として合成例7〜11で得たG〜Kを使用した以外は、実施例1と同様にしてポリイミドフィルムを得た。ポリイミドフィルムG〜Kの特性を表2に示す。
Figure 0005009714
合成例11で得たポリイミド前駆体樹脂Kは分子量が低いため、フィルムの引き裂き伝播抵抗が小さい。なお、ポリイミド前駆体樹脂Jは良接着性のポリイミド樹脂を与える。
なお、実施例1〜6、及び10〜20は参考例である。
実施例7
銅箔Aを使用し、この銅箔上に合成例2で調製したポリイミド前駆体樹脂Bの溶液を硬化後の厚みが1.5μmの厚みになるように均一に塗布し、130℃で加熱乾燥し、溶剤を除去した。次に、その上に合成例3で調製したポリイミド前駆体樹脂Cの溶液を硬化後の厚みが21μmの厚みになるように均一に塗布し、70〜130℃で加熱乾燥し溶剤を除去した。更に、その上にポリイミド前駆体樹脂Bの溶液を硬化後の厚みが2.5μmの厚みになるように均一に塗布し、140℃で加熱乾燥し溶剤を除去した。この後、130℃、160℃、200℃、230℃、280℃、320℃、360℃で各2〜30分段階的な熱処理によりイミド化を行い、3層のポリイミド樹脂層からなる合計厚み25μmの絶縁樹脂層が銅箔上に形成された積層体を得た。銅箔上の各ポリイミド樹脂層の厚みは、B/C/Bの順に、1.5μm/21μm/2.5μmである。その後、過酸化水素/硫酸系のエッチング液を用いて銅箔を8μmの厚さになるまでエッチングし、CCL(M1)を得た。
実施例8
銅箔Aを使用し、この銅箔上に合成例2で調製したポリイミド前駆体樹脂Bの溶液を硬化後の厚みが23μmの厚みになるように均一に塗布し、70〜130℃で加熱乾燥し溶剤を除去した。次に、その上に合成例10で調製したポリイミド前駆体樹脂Jの溶液を硬化後の厚みが2μmの厚みになるように均一に塗布し、140℃で加熱乾燥し溶剤を除去した。この後、130℃、160℃、200℃、230℃、280℃、320℃、360℃で各2〜30分段階的な熱処理によりしイミド化を行い、2層のポリイミド樹脂層からなる合計厚み25μmの絶縁樹脂層が銅箔上に形成された積層体を得た。銅箔上の各ポリイミド樹脂層の厚みは、B/Jの順に、23μm/2μmである。その後、過酸化水素/硫酸系のエッチング液を用いて銅箔を8μmの厚さになるまでエッチングし、CCL(M2)を得た。
実施例9
ポリイミド樹脂層の厚みがB/Jの順に、27μm/3μmとなるようにした以外は実施例8と同様に行いCCL(M3)を得た。
比較例5
銅箔Aを使用し、この銅箔上に合成例11で調製したポリイミド前駆体樹脂Kの溶液を均一に塗布し、130℃で加熱乾燥し溶剤を除去した。次に、130℃、160℃、200℃、230℃、280℃、320℃、360℃で各2〜30分段階的な熱処理によりイミド化を行い、厚み38μmの絶縁樹脂層が銅箔上に形成された積層体を得た。その後、過酸化水素/硫酸系のエッチング液を用いて銅箔を8μmの厚さになるまでエッチングし、CCL(M4)を得た。特性評価結果をまとめて表3に示す。


Figure 0005009714
スプロケットホールの変形による搬送性評価を行った結果、実施例7〜9は良好な搬送性を示した。比較例4はテープの破断が発生した。また、実施例7〜9で得られたCCL(M1)〜(M3)は、ポリイミド樹脂層が多層で構成されており、本発明の大きな特徴であるポリイミド樹脂層の引き裂き強さと他の諸特性のバランスをポリイミド樹脂層(A)で担保しながら、他の層でカール制御、金属箔との接着性などポリイミド層が単層では制御困難な制御を行っており、特に、約400℃の高温で行われる半導体素子実装時における配線の沈み込みのないCOF用フレキシブル配線基板としたものである。表3からも分かるように、CCL(M1)〜(M3)は、高接着強度、高耐熱性、高引き裂き伝播抵抗、低吸湿の積層体で、かつ、MIT耐折性も300回以上と高屈曲特性にも優れている。
実施例10〜14
銅箔A上に、ポリイミド前駆体樹脂Bの溶液をアプリケータを用いて各実施例で厚みを変化させて塗布し、50〜130℃で2〜60分間乾燥した後、更に130℃、160℃、200℃、230℃、280℃、320℃、360℃で各2〜30分段階的な熱処理を行い、銅箔上に表4に記載した厚みのポリイミド樹脂層を形成したCCLを得た。
塩化第二鉄水溶液を用いて銅箔をエッチング除去してポリイミドフィルムL〜Pを作成し、引き裂き伝播抵抗、熱膨張係数(CTE)、PIエッチング速度、吸湿率を求めた。結果を表4に示す。
Figure 0005009714
実施例15〜17
ジアミンに対するテトラカルボン酸二無水物のモル比(酸二無水物/ジアミン)を0.985、0.988又は0.991とした以外は合成例2と同様にして重量平均分子量(Mw)が異なるポリイミド前駆体樹脂を合成した。これらのポリイミド前駆体樹脂溶液を銅箔A上にアプリケータを用いて塗布し、50〜130℃で2〜60分間乾燥した後、更に130℃、160℃、200℃、230℃、280℃、320℃、360℃で各2〜30分段階的な熱処理を行い、銅箔上にポリイミド層を形成し、CCLを得た。
塩化第二鉄水溶液を用いて銅箔をエッチング除去してポリイミドフィルムQ〜Sを作成し、引き裂き伝播抵抗、熱膨張係数(CTE)を求めた。
比較例6
ジアミンに対するテトラカルボン酸二無水物のモル比(酸二無水物/ジアミン)を0.980とした以外は合成例2と同様にしてポリイミド前駆体樹脂を合成した。このポリイミド前駆体樹脂溶液を厚さ12μmの電解銅箔(表面粗さRz:0.7μm)上にアプリケータを用いて塗布し、50〜130℃で2〜60分間乾燥した後、更に130℃、160℃、200℃、230℃、280℃、320℃、360℃で各2〜30分段階的な熱処理を行い、銅箔上にポリイミド層を形成し、CCLを得た。
塩化第二鉄水溶液を用いて銅箔をエッチング除去してポリイミドフィルムTを作成し、引き裂き伝播抵抗、熱膨張係数(CTE)を求めた。結果を表5に示す。
Figure 0005009714
実施例18〜20
銅箔A上に、ポリイミド前駆体樹脂Bの溶液をアプリケータを用いて各実施例で厚みを変化させて塗布し、50〜130℃で2〜60分間乾燥した。その後、更に130℃、160℃、200℃、230℃、280℃、320℃、360℃で各2〜30分段階的な熱処理を行い、銅箔上に表6に記載した厚みのポリイミド樹脂層を形成したCCL(M5)〜(M7)を得た。得られたCCLについてMIT耐折性試験を行った。その結果を表6に示す。
Figure 0005009714
実施例21
ステンレス箔A(20μm厚みのステンレス箔、新日本製鐵株式会社製、SUS304)を使用し、このステンレス箔上に合成例12で調製したポリイミド前駆体樹脂Uの溶液を硬化後の厚みが1.0μmの厚みになるように均一に塗布し、110℃で加熱乾燥し溶剤を除去した。次に、その上に合成例2で調製したポリイミド前駆体樹脂Bの溶液を硬化後の厚みが7.5μmの厚みになるように均一に塗布し、110℃で加熱乾燥し溶剤を除去した。更に、その上にポリイミド前駆体樹脂Vの溶液を硬化後の厚みが1.5μmの厚みになるように均一に塗布し、110℃で加熱乾燥し溶剤を除去した。この後、130℃〜360℃で各2〜30分段階的な熱処理によりイミド化を行い、3層のポリイミド樹脂層からなる合計厚み10μmの絶縁樹脂層がステンレス箔上に形成された積層体を得た。この積層体について表7に示す物性を測定した。
Figure 0005009714
COF用フレキシブル配線基板の平面図を示す。
符号の説明
1 COF用フレキシブル配線基板
2 スプロケットホール

Claims (3)

  1. 複数層からなるポリイミド樹脂層の少なくとも一方の面に金属層を有する配線基板用積層体において、重量平均分子量が150000〜800000の範囲にあるポリイミド前駆体樹脂をイミド化して得られるポリイミド樹脂層(A)を主たるポリイミド樹脂層とし、ポリイミド樹脂層(A)は、厚さが10〜30μmであり、引き裂き伝播抵抗が100〜400mNの範囲にあり、かつ、熱膨張係数が30×10 -6 /K以下であり、ポリイミド樹脂層(A)を構成するポリイミド樹脂が下記一般式(1)及び(2)で表される構造単位からなることを特徴とするフレキシブル配線基板用積層体。
    Figure 0005009714
    (一般式(1)において、Rは炭素数1〜6の低級アルキル基、フェニル基又はハロゲンを示し、一般式(2)において、Ar1は下記式(a)及び(b)から選択される2価の芳香族基のいずれかを示し、Ar3は下記式(c)又は(d)から選択される2価の芳香族基のいずれかを示し、lは0.7〜0.9、mは0.1〜0.3の範囲の数である。)
    Figure 0005009714
    Figure 0005009714
  2. ポリイミド樹脂層(A)は、ガラス転移温度が310℃以上で、かつ、400℃における弾性率が、0.1GPa以上である請求項1のフレキシブル配線基板用積層体。
  3. 請求項1又は2に記載のフレキシブル配線基板用積層体を、配線加工して得られるフレキシブル配線基板の側部に所望形状のスプロケットホールを設けたことを特徴とするCOF用フレキシブル配線基板
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