JP5007924B2 - 電動機制御装置とその振動抑制方法 - Google Patents
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Description
この絶対位置検出部8は、電動機1の振れが生じている個所を見つけるために、速度検出器3の検出速度から絶対位置を検出する機能をもっている。FFT算出部9は、速度検出器3から出力される検出速度を取り込んで高速フーリエ変換を実施し、絶対位置検出部8により検出される絶対位置に対し、検出速度の変動分がどのような周波数成分と振幅成分とを含んでいるかを算出する。速度補償部10は、FFT算出部9により算出される周波数成分および振幅成分に基づいて逆変換を実施し、検出速度の変動分とは全く逆の速度変動分を作成する機能をもっている。この逆変換によって作成された逆の速度変動分は補償演算要素11に導かれ、ここで逆の速度変動分を用いて速度検出器3の検出速度に含まれる速度変動分を補償する。
このように、従来の電動機制御装置は、検出速度に含まれる速度変動分を周波数解析することにより、速度変動とは全く逆の速度変動の速度補償信号を作成し、この速度補償信号を用いて、検出速度に含まれる速度変動を相殺している。
このフィルタ時定数換算部32は、速度検出器3で検出された検出速度に応じてフィルタ時定数に換算し、この換算されたフィルタ時定数をバンドパスフィルタ31に設定する。このバンドパスフィルタ31は、フィルタ時定数換算部32から設定されるフィルタ時定数に基づき、帯域周波数をシフトしながら、検出速度に応じた所定の帯域の周波数だけを通し、電動機1に振動の影響を与える周波数成分をカットし、偏差演算要素4に導くものである。
このように、他の実施例の従来の電動機制御装置は、検出速度に応じてフィルタ時定数を可変し、検出速度に含まれる異なる周波数であっても、検出速度に応じて異なる電動機1の振動周波数を低減し、ノッチフィルタの効果を出している。
このように、他の従来の電動機制御装置は、トルク指令値7に出てくるリップル成分を除去する為にモータ角度に同期してSin波を生成し、Sin波形をモータの角度に同期させて発生させ、トルクにフィードバックさせるリップル生成器8に用いるパラメータA,B,αを順次決定して、トルクリップルを除去している。
これらの電動機に依存する振動と、電動機に締結された負荷(機械等)に依存する振動とを区別して抑制することができれば、それぞれの振動を個別に抑制する調整ができ、電動機およびエンコーダ等の機械等への取付け適用の幅が広がり(汎用性および柔軟性の向上)、また、電動機制御装置自体の汎用性の向上もできる。
また、これら振動の区別は、電動機に依存する振動は電動機の回転周期に依存する成分のみを抽出するものであるため、区別することができる。すなわち、電動機の回転周期に依存する成分は、ポールや巻線ピッチ、エンコーダ取付け等の偏心等に依存し、その回転数に応じた周波数は予め分かっているため、その抽出は容易にすることができるのである。
また、他の実施例の従来の電動機制御装置は、バンドパスフィルタにより所定の帯域の周波数だけを通し、電動機に振動の影響を与える周波数成分をカットするものであるが、低速度ではバンドパスフィルタの周波数も低周波数となり制御周波数もカットするため、所望の制御応答性が得られないという問題があった。この場合、バンドパスフィルタにより速度検出を行うため、所定の速度分のみの周波数成分を通してそれ以外はカットするため、例えば、低速度では高周波数はカットされるため速度検出信号はきれいになる。しかしながら、高応答性を必要とするサーボ用途では、制御に必要な周波数成分もカットされてしまうため制御応答性に問題があるのである。
また、他の従来の電動機制御装置は、トルク指令をFFT解析し、トルク指令に含まれる振動成分の振幅および位相の補正パラメータの決定処理を繰り返し実施し、決定された補正パラメータに基づく補正トルク指令を、振動が抑制するようにトルク指令加算するので、トルク指令に含まれる振動成分が電動機に依存するものか、電動機に締結された負荷(機械等)に依存するものか判別がつかないという問題があった。また、電動機の運転中に振動が発生した場合、繰り返し実施する補正パラメータの決定処理の過程で、得られた振動周波数およびモータ速度、エンコーダパルス数等を入力する工程があるため、運転中に一連の補正パラメータの決定処理を行なうのが困難であり、振動を抑制する調整が困難という問題もあった。
請求項1に記載の発明は、位置または速度指令と、位置検出器の検出値である電動機の現在位置とに基づいて前記電動機を位置または速度フィードバック制御する電動機制御装置において、前記現在位置に基づいて算出された検出速度と予め設定された第1の速度範囲とを比較し、前記検出速度が前記第1の速度範囲内である場合、前記電動機の駆動状態が一定速であると判断する電動機一定速検出手段と、前記電動機の駆動状態が一定速である場合、前記検出速度の最大値と最小値との差である速度振幅と予め設定された第2の速度範囲とを比較し、前記速度振幅が前記第2の速度範囲以上である場合、振動が発生していると判断する振動検出手段と、前記振動が発生している場合、前記検出速度を周波数解析して特定の周波数成分のみの振動振幅および振動位相を検出する周波数解析手段と、フィルタ振幅およびフィルタ位相が可変であるフィルタと、を備え、前記振動振幅および前記振動位相に基づいて、前記フィルタ振幅および前記フィルタ位相を設定した前記フィルタに前記検出速度を通し、更にゲインを乗算し、前記速度指令と前記検出速度との差である速度偏差信号から、前記ゲインを乗算した信号を減算するものである。
また、請求項2に記載の発明は、位置または速度指令と、位置検出器の検出値である電動機の現在位置とに基づいて前記電動機を位置または速度フィードバック制御する電動機制御装置において、前記現在位置に基づいて算出された検出速度と予め設定された第1の速度範囲とを比較し、前記検出速度が前記第1の速度範囲内である場合、前記電動機の駆動状態が一定速であると判断する電動機一定速検出手段と、前記電動機の駆動状態が一定速である場合、前記検出速度の最大値と最小値との差である速度振幅と予め設定された第2の速度範囲とを比較し、前記速度振幅が前記第2の速度範囲以上である場合、振動が発生していると判断する振動検出手段と、前記振動が発生している場合、前記検出速度を周波数解析して特定の周波数成分のみの振動振幅および振動位相を検出する周波数解析手段と、指令振幅および指令位相が可変である振動抑制指令設定手段と、を備え、前記振動振幅および前記振動位相に基づいて、前記指令振幅および前記指令位相を振動抑制指令に設定し、前記速度指令またはトルク指令に前記振動抑制指令を加算するものである。
また、請求項1に記載の発明によると、更に、振動を抑制するフィルタ値を格納または設定でき、電動機制御装置の再起動時(電源を一旦オフして再度オンする)等、再度、同じフィルタ値を使用でき、フィードバック制御特性の高再現性やバラツキを少なくすることができる。
また、請求項2に記載の発明によると、更に、振動を抑制する抑制指令を格納または設定でき、電動機制御装置の再起動時(電源を一旦オフして再度オンする)等、再度、同じ抑制指令を使用でき、フィードバック制御特性の高再現性やバラツキを少なくすることができる。また、制振制御やフィルタ等を用いての振動抑制に比べ制御遅れがなく、速い振動抑制ができる。
本発明が従来技術と異なる部分は、振動検出部15と周波数解析部16を備えた部分であり、また、振動検出部15と周波数解析部16で実施する振動抑制方法である。
また、検出する振動振幅と位相は、ある特定の周波数のみを抽出する。これは、電動機に依存する振動のみを抽出するためである。この抽出において、電動機の回転周期に依存する成分、すなわち、ポールや巻線ピッチ、エンコーダ取付け等の偏心等に依存する成分は、その回転数に応じた周波数が予め分かっているため、その抽出は容易にすることができるのである。
この場合、振動の発生が最も小さくなるように振動振幅とその位相を調整における最終の調整値を、振動振幅とその位相の検出値とする。
この場合、振動の発生が最も小さくなるように振動振幅とその位相を調整における最終の調整値を、振動振幅とその位相の検出値とする。
2 電動機(モータ)
3 位置検出器
11 位置または速度制御部
12 電流制御部
13 インバータ部
14 FB(フィードバック)信号処理部
15 振動検出部
16 周波数解析部
17 フィルタ
18 ゲイン
Claims (2)
- 位置または速度指令と、位置検出器の検出値である電動機の現在位置とに基づいて前記電動機を位置または速度フィードバック制御する電動機制御装置において、
前記現在位置に基づいて算出された検出速度と予め設定された第1の速度範囲とを比較し、前記検出速度が前記第1の速度範囲内である場合、前記電動機の駆動状態が一定速であると判断する電動機一定速検出手段と、
前記電動機の駆動状態が一定速である場合、前記検出速度の最大値と最小値との差である速度振幅と予め設定された第2の速度範囲とを比較し、前記速度振幅が前記第2の速度範囲以上である場合、振動が発生していると判断する振動検出手段と、
前記振動が発生している場合、前記検出速度を周波数解析して特定の周波数成分のみの振動振幅および振動位相を検出する周波数解析手段と、
フィルタ振幅およびフィルタ位相が可変であるフィルタと、を備え、
前記振動振幅および前記振動位相に基づいて、前記フィルタ振幅および前記フィルタ位相を設定した前記フィルタに前記検出速度を通し、更にゲインを乗算し、
前記速度指令と前記検出速度との差である速度偏差信号から、前記ゲインを乗算した信号を減算すると共に、
前記振動が抑制するまで、前記フィルタ振幅または前記フィルタ位相を順次可変させることを特徴とする電動機制御装置。 - 位置または速度指令と、位置検出器の検出値である電動機の現在位置とに基づいて前記電動機を位置または速度フィードバック制御する電動機制御装置において、
前記現在位置に基づいて算出された検出速度と予め設定された第1の速度範囲とを比較し、前記検出速度が前記第1の速度範囲内である場合、前記電動機の駆動状態が一定速であると判断する電動機一定速検出手段と、
前記電動機の駆動状態が一定速である場合、前記検出速度の最大値と最小値との差である速度振幅と予め設定された第2の速度範囲とを比較し、前記速度振幅が前記第2の速度範囲以上である場合、振動が発生していると判断する振動検出手段と、
前記振動が発生している場合、前記検出速度を周波数解析して特定の周波数成分のみの振動振幅および振動位相を検出する周波数解析手段と、
指令振幅および指令位相が可変である振動抑制指令設定手段と、を備え、
前記振動振幅および前記振動位相に基づいて、前記指令振幅および前記指令位相を振動抑制指令に設定し、前記速度指令またはトルク指令に前記振動抑制指令を加算すると共に、
前記振動が抑制するまで、前記指令振幅または前記指令位相を順次可変させることを特徴とする電動機制御装置。
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