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JP5004462B2 - 害虫捕獲シート - Google Patents

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JP5004462B2 JP2005345583A JP2005345583A JP5004462B2 JP 5004462 B2 JP5004462 B2 JP 5004462B2 JP 2005345583 A JP2005345583 A JP 2005345583A JP 2005345583 A JP2005345583 A JP 2005345583A JP 5004462 B2 JP5004462 B2 JP 5004462B2
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Description

本発明は、害虫捕獲シートに関し、さらに詳しくは、圃場や農業用ハウス内等に配設して飛翔害虫を捕獲するための害虫捕獲シートに関する。
古くから、家庭、商店等で飛来するハエなどの害虫を捕獲駆除する方法として、紙等の基材に粘着剤が塗布されたハエトリ紙が使用されてきた。このハエトリ紙は、ハエが集まりやすい場所に設置し、表面の粘着性によりハエを捕獲するものである。
しかし、農業ハウス、大型店舗等、設備が大型化するに従い捕獲能力が不足するようになり、使用量が減少し、代わって、殺虫剤を散布する駆除方法が主流となってきている。殺虫剤を散布する方法は、広域を一度に処理し得る利点を有するが、土壌や環境に対して、好ましくない影響を及ぼす問題がある。
このため、薬剤の拡散のない害虫捕獲シート方式が見直されてきており(特許文献1、2)、とくに、色彩、フェロモン等の害虫誘引要素の研究が進んだことから、害虫捕獲能力が進歩しており、今後、ますます需要は増加するものと予想される。
しかして、従来の害虫捕獲シートは、紙類が基材として使用されてきたが、農業分野において害虫捕獲シートを使用する場合、害虫捕獲シートの取り付け場所が多様化し、その大きさ、形状が変わるため、害虫捕獲シートの装着場所に合せて形状を変える必要があり、装着場所に合せて裁断できることが必要であり、また、この際、はさみ等の刃物を必要とすると裁断に手数を要し、取り付け作業の能率を上げることは難しくなることから、手で容易に切断でき、かつ、直線的に切断されることが重要となる。
特開平6−153751 特開2004−97203
本発明は、環境汚染のおそれがなく、飛翔害虫を捕獲駆除することができ、また、手切れ性がよく、シートの取り付け作業を能率的に行うことのできる害虫捕獲シートを提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するため鋭意検討した結果なされたもので、具体的には、熱可塑性樹脂を一軸延伸して得られたフラットヤーンを平織した織布からなり手切れ性が良い布状体の片面又は両面に、熱可塑性樹脂フィルム層が形成された積層シート(不織布を含まない)を基材とし、該基材の熱可塑性樹脂フィルム層の面側に、架橋されたアクリル系粘着剤からなる害虫捕獲粘着剤層を形成してなることを特徴とする害虫捕獲シートを提供するものである。
また、本発明は、基材の片面に害虫捕獲粘着剤層を形成し、他面にシートを固定するための装着粘着剤層を形成してなり、前記基材の少なくとも一辺が、害虫捕獲粘着剤層及び装着粘着剤層から突出してなる上記の害虫捕獲シート、及び、前記基材又は前記害虫捕獲粘着剤層が青色系色相に着色されてなる上記の害虫捕獲シートを提供するものである。
本発明の害虫捕獲シートは、熱可塑性樹脂製の布状体を基材としているから、機械的強度に優れ破断のおそれがなく、耐水性に優れているから、水に濡れた場合にも強度が低下することがない。また、手切れ性がよく、手で容易に引裂くことができ、引裂き線は、直線的に走り、また、カールすることがないので設置を能率的に行うことができる。
本発明の害虫捕獲シート1は、図1〜3に示すように、熱可塑性樹脂を一軸延伸して得られた線条体2からなる布状体3の片面又は両面に、熱可塑性樹脂フィルム層4が形成された積層シート5を基材とし、その少なくとも片面に害虫捕獲粘着剤層6を形成することによって形成される。
本発明において布状体とは、線条体が編織されて形成された可撓性のシート状体を総称するものとし、熱可塑性樹脂製の一軸延伸された線条体を主体として織布又は編布とされる。
線条体2としては、テープ、ヤーン、スプリットヤーン、モノフィラメント等を用いることができ、これら線条体2は必要に応じて撚糸される。
線条体2としては、タテ、ヨコの線条体2a、線条体2bのいずれにおいても、図6(A)に示すように、結晶性樹脂の単層であってもよく、また、図6(B)に示すように、基層10の片面に接合層11が積層されたものとすることができ、また、図6(C)に示すように、接合層11が基層10の両面に積層されたものとすることもできる。また、図6(D)に示すように、シースコアー構造、図6(E)に示すように、サイドバイサイド構造とすることも可能である。
線条体2の単層体、あるいは積層シートの基層10を構成する熱可塑性樹脂としては、延伸効果の大きい樹脂、一般には結晶性樹脂が使用され、具体的には、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレンブロック共重合体、線状低密度ポリエチレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド等を用いることができる。
中でも加工性と経済性から高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンが望ましい。特に、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレンが望ましく、高密度ポリエチレンとしては、密度が0.930〜0.970、好ましくは0.940〜0.960のものが使用される。
接合層11は、線条体2が布状とされた後、線条体2間を接合するもので、基層10を構成する熱可塑性樹脂より融点が低く熱融着性の優れた樹脂が用いられる。
具体的には、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレンブロック共重合体等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン66のポリアミド等を用いることができ、基層10の熱可塑性樹脂との関係で基層より低融点の熱可塑性樹脂が選択される。
さらに、布状体3を形成する熱可塑性樹脂には、無機充填材を添加することができる。無機充填材の種類としては、合成樹脂添加材として自体公知の無機充填材を使用することができ、例えば、タルク、クレー、マイカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、ウオラストナイト、ゼオライト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、珪酸カルシウム等を使用することができる。無機充填材を配合することによって難燃性と手切れ性を向上することができる。無機充填材の配合量は、3〜60重量%、好ましくは5〜40重量%である。
基層10あるいは接合層11として用いられる熱可塑性樹脂には、目的に応じて各種の添加剤をさらに添加することができる。
具体的には、フェノール系、有機ホスファイト系、ホスナイトなどの有機リン系、チオエーテル系等の酸化防止剤;ヒンダードアミン系等の光安定剤;ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾエート系等の紫外線吸収剤;ノニオン系、カチオン系、アニオン系等の帯電防止剤;ビスアミド系、ワックス系、有機金属塩系等の分散剤;アミド系、ワックス系、有機金属塩系、エステル系等の滑剤;含臭素有機系、メラミン系、リン酸系、リン酸エステル系、三酸化アンチモン、水酸化マグネシウム、赤リン等の難燃剤;有機顔料;無機顔料;有機充填材;金属イオン系などの無機、有機抗菌剤等が挙げられる。
特に、害虫捕獲シート1の色彩は、黄色系又は青色系とすることが望ましく、このため、線条体2を黄色系色相又は青色系色相に着色することが望ましい。
これら添加剤は、適宜組み合わせて、基層10や接合層11の材料組成物を製造するいずれかの工程で配合される。添加剤の配合は、従来の公知の二軸スクリュー押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ミキシングロール等の混練装置を用いて所定割合に混合して、これを溶融混練して調製してもよいし、高濃度のいわゆるマスターバッチを作製し、これを希釈して使用するようにしてもよい。
線条体2として積層テープもしくは積層ヤーンが使用される場合、その成形材料となる積層フィルムを成形する手段としては、予め基層10となるフィルムと接合層11となるフィルムを形成してドライラミネート法や熱ラミネート法を用いて複層化する手段や、基層10となるフィルムの表面に接合層11となる合成樹脂をコーティングする方法、予め形成した基層10となるフィルムに接合層11を押出ラミネートする方法、あるいは、多層共押出法によって積層フィルムとして押出成形するなどの公知の手段から適宜選択して用いられるが、成形の容易さやコスト面、並びに、製品の各層間の接着性及び光透過性の点では、多層共押出法によって基層10と接合層11の積層シートを一段で得る方法が望ましい。
また、延伸して線条体2とする手段としては、基層10となるフィルムを一軸方向に延伸した後接合層11となる熱可塑性樹脂を積層し、これをテープ状にスリットしてもよく、あるいは、基層10と接合層11とが積層された積層フィルムをスリットする前、又は、スリットした後、一軸方向に延伸することによって得ることもできる。
延伸方法としては、熱ロールによる延伸、熱板による延伸、熱風炉内でロールによって延伸する方法等によって行なうことができる。延伸倍率は、3〜12倍、好ましくは5〜10倍程度が適当である。
線条体2としては、モノフィラメントを使用するときは、繊度が50〜1000デシテックスが好ましく、テープ状線条体を用いるときは、50〜1000デシテックス、糸幅が0.3〜10mm、特に、繊度が50〜500デシテックス、好ましくは60〜350デシテックス、糸幅が0.4mm〜2.0mm、好ましくは0.5〜1.5mmの範囲が適する。こうして得られたテープ状の線条体2には、縦方向に多数の小さな切れ目を入れてスプリットヤーンとすることもでき、スプリットヤーンとすることによって風合い、手触りを改良することができる。
得られた線条体2は、図4に示すように平織とし、又は、綾織、斜文織、畦織、二重織、絡み織等に織製し、あるいは、メリヤス編み等に編製することによって布状体3とされる。
また、図5に示すように、多数の線条体2aを並列し、その上に交差するように線条体2bを並列して交点を結合して交差結合布とした布状体3を用いることができる。織製した場合、図2に示す害虫捕獲シート1が得られ、交差結合布としたときは図3に示す害虫捕獲シート1が得られる。
布状体3の糸密度は経糸が25〜50本/25.4mm、好ましくは29〜46本/25.4mmが適当であり、緯糸が12〜25本/25.4mm、好ましくは14〜20本/25.4mmが適当である。
布状体3には、その片面又は両面に、熱可塑性樹脂フィルム層4が積層形成される。布状体3と熱可塑性樹脂フィルム層4を積層することによって、手切れ性が向上し、手で容易に引裂きのきっかけをつくることができ、また、引裂き線は直線的に走るようになる。
熱可塑性樹脂フィルム層4を構成するための熱可塑性樹脂としては、高圧法低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレンブロック共重合体等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン66のポリアミド等を用いることができる。
なお、本発明においては、線条体2、熱可塑性樹脂フィルム層4等の害虫捕獲シート1を構成する材料としては、それぞれオレフィンからなる重合体を使用することが望ましい。同種の樹脂を用いることによって廃品の回収、再生を容易にすることができる。
また、積層シート5の片面又は両面に、害虫捕獲粘着剤が塗布されて害虫捕獲粘着剤層6が形成される。
害虫捕獲粘着剤層6を形成する害虫捕獲粘着剤としては、粘着剤として一般的に用いられるものを使用することができ、例えば、アクリル樹脂系粘着剤、天然ゴムや合成ゴム等のゴム系粘着剤、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体やスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体並びにこれらの水素添加物等のブロック共重合体系粘着剤、エチレン−酢酸ビニル共重合体系粘着剤、ポリビニルエーテル樹脂系粘着剤、シリコン樹脂系粘着剤等を挙げることができる。これらの粘着剤は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。一般に、粘り付きの強いものとなるように配合される。
これらの害虫捕獲粘着剤層6の形態は、特に限定されるものではなく、例えば、溶液型粘着剤、エマルジョン型粘着剤、ホットメルト型粘着剤、反応型粘着剤、光重合可能なモノマー型粘着剤等のいずれの形態であってもよい。
具体例としては、たとえば、高分子エラストマーと軟化剤とからなる粘着剤を使用することができる。
高分子エラストマーとしては、ポリイソブチレンゴムブチルゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレンゴム、アクリルゴム等から選ばれた少なくとも一種を使用することができる。特にポリイソブチレンゴムとブチルゴムは後述する軟化剤との相溶性がよく、飛翔害虫に対して優れた捕獲能力を示し、好ましい粘着剤である。
軟化剤としては液状ポリイソプレン、液状ポリブタジエン、ポリブデン、液状ポリイソブチレン等を使用することができる。
また、これらの害虫捕獲粘着剤層6の粘着剤には、本発明の課題達成を阻害しない範囲で必要に応じて、ポリイソシアネート系化合物やアジリジン系化合物、金属キレート系化合物等の架橋剤や、粘着性付与剤、カップリング剤、充填剤、軟化剤、可塑剤、界面活性剤、酸化防止剤(老化防止剤)、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、消泡剤、難燃剤、帯電防止剤等の各種添加剤の1種もしくは2種以上が添加されていてもよい。
また、害虫捕獲粘着剤には、必要に応じて、砂糖等の飛翔害虫の誘引剤、殺虫剤、成長調整剤、着色剤等を混入することができる。特に、害虫捕獲シート1又は害虫捕獲粘着剤層6を着色することによって、害虫捕獲粘着剤層6の部分を黄色系色相、又は青色系色相に着色することが好ましく、中でも、波長が520nm〜610nmの黄色系色相に着色することが望ましい。害虫捕獲シート1を黄色系色相、又は青色系色相に着色することによって害虫の誘引性が高くなり、害虫捕獲効果が高くなる。
害虫捕獲粘着剤層6の塗布厚さは、特に限定されるものではないが、10μm〜0.5mmであることが好ましい。粘着剤層の厚みが10μm未満であると、粘着テープ1の捕虫力が不十分となることがあり、逆に粘着剤層6の厚みが0.5mmを超えると、粘着性や捕虫力はもはやそれ以上向上しないにもかかわらず、コスト高となることがある。
害虫捕獲用粘着剤は、積層シート5の片面又は両面に塗布されて、害虫捕獲粘着剤層6が形成されるが、その際、積層シート5からなる基材の少なくとも一辺が害虫捕獲粘着剤層6から突出するように形成することが望ましい。すなわち、害虫捕獲粘着剤層6は基材の縁部に若干の剰余部を残すように塗布される。
なお、粘着剤層6を形成する塗布面には、必要に応じて、粘着剤との密着力を高めるため、その表面にサンドブラスト処理や火炎処理等の物理的処理またはコロナ処理やプラズマ処理等の化学的処理、あるいは、プライマー処理等を施すことが好ましい。
また、本発明の害虫捕獲シート1の裏面の少なくとも一部に、害虫捕獲シート1を所定の位置に配設するための装着粘着剤層8を形成することができる。
装着粘着剤層8に用いられる粘着剤としては、粘着テープ用の粘着剤として一般的に用いられるものでよく、例えば、アクリル樹脂系粘着剤、天然ゴムや合成ゴム等のゴム系粘着剤、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体やスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体並びにこれらの水素添加物等のブロック共重合体系粘着剤、エチレン−酢酸ビニル共重合体系粘着剤、ポリビニルエーテル樹脂系粘着剤、シリコン樹脂系粘着剤等が挙げられるが、なかでも耐久性や耐候性に優れ、取り扱い時の汚れも少ないアクリル樹脂系粘着剤が好適に用いられる。これらの粘着剤は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。
これらの粘着剤の形態は、特に限定されるものではなく、例えば、溶液型粘着剤、エマルジョン型粘着剤、ホットメルト型粘着剤、反応型粘着剤、光重合可能なモノマー型粘着剤等のいずれの形態であってもよい。
また、これらの装着粘着剤層8を形成する粘着剤には、本発明の課題達成を阻害しない範囲で必要に応じて、ポリイソシアネート系化合物やアジリジン系化合物、金属キレート系化合物等の架橋剤や、粘着性付与剤、カップリング剤、充填剤、軟化剤、可塑剤、界面活性剤、酸化防止剤(老化防止剤)、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、着色剤、消泡剤、難燃剤、帯電防止剤等の各種添加剤の1種もしくは2種以上が添加されていてもよい。
また、積層シート5上に形成される装着粘着剤層8は、特に限定されるものではないが、その厚みが10μm〜0.5mmであることが好ましい。粘着剤層の厚みが10μm未満であると、粘着テープ1の捕虫力が不十分となることがあり、逆に粘着剤層6の厚みが0.5mmを超えると、粘着性や捕虫力はもはやそれ以上向上しないにもかかわらず、コスト高となることがある。
アクリル樹脂系粘着剤についてさらに詳細に述べれば、アクリル樹脂系粘着剤としては、カルボキシル基含有単量体、あるいは、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体を重合させて得られるアクリル系ポリマーが用いられる。
アルキル基は炭素数が4〜12程度が望ましく、具体的には、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート等が挙げられるが、特に、n−ブチルアクリレートと2−エチルヘキシルアクリレートが好適である。
カルボキシル基含有単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸等のモノカルボン酸;フマル酸、マレイン酸等のジカルボン酸やこれらのモノエステル等が挙げられる。これらのカルボキシル基含有ラジカル重合性単量体のうち、アクリル酸、メタクリル酸が好適に用いられる。カルボキシル基含有重合性単量体は、単量体全体の3〜20重量%程度が望ましい。
本発明で使用されるアクリル樹脂系粘着剤には、ガラス転移温度や極性等を調整する目的で少量の改質成分単量体が共重合されていてもよい。このような単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、アクリルアミド、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル、ビニルピロリドン等が例示できる。
アクリル系ポリマーには、分子内にカルボキシル基と反応する官能基を2個以上有する多官能性化合物、または多官能性化合物及び分子内に前記官能基を1個有する単官能性化合物を配合することができる。この種の官能基含有化合物としては、例えば、イソシアネート基含有化合物、エポキシ基(或いはグリシジル基)含有化合物、アジリジニル基含有化合物、金属錯体、メラミン系化合物等が例示できる。
また、粘着剤組成中に少量の可塑剤を配合することが特に有効である。配合される可塑剤の種類は限定されるものではなく、例えば、脂肪族多価カルボン酸のエステル、芳香族多価カルボン酸のエステル、リン酸エステル等の低分子可塑剤やポリエステルのような高分子可塑剤等が例示できるが、脂肪族2塩基酸のエステルが特に有効であり、中でもアジピン酸ジエステルが最も好適である。その配合量は0.05〜4重量%が好ましい。
粘着剤中にはベンゾトリアゾール系化合物を添加することが望ましい。ベンゾトリアゾール系化合物は、金属腐蝕を防止する作用が知られており、これを配合することで金属腐蝕による変色をより効果的に防止することが可能となる。ベンゾトリアゾール系化合物は有効量が添加されればよく、およそ0.01〜5重量%程度が有効量である。
粘着剤は、通常、適宜の有機溶剤に溶解された上で、積層シート5上に塗工した後乾燥され、或いは、離型処理が施された工程紙上に塗工後乾燥されたものが支持体上に転写されて、積層シート5と粘着剤層6が積層された害虫捕獲シート1とされる。塗工手段や乾燥方法に制限はなく、公知のものが採用できる。
また、積層シート5の背面、即ち、粘着剤層が積層される面の反対面であって、ロール状に巻き取ったときの粘着剤層表面が接触する面には、巻き戻す際の剥離力(展開力ともいう)を軽くするために、離型処理を施すことができる。また、離型処理を施した離型紙を貼付することができる。離型処理としては、必要により硬化反応を伴うシリコン系離型剤、フッ素系離型剤、長鎖アルキルグラフトポリマー系離型剤の塗布等を挙げることができる。
実施例1
布状体の製造
高密度ポリエチレン(密度0.956、MFR0.55)を、インフレーション成形法によってフィルムとし、得られたフィルムをレザーによってスリットした。次いで、温度110〜120℃の熱板上で7倍に延伸した後、温度120℃の熱風循環式オーブン内で6%の弛緩熱処理を行ない、糸幅0.56mm、繊度110デシテックスの経糸と糸幅1.2mm、繊度310デシテックスの緯糸を製造した。
得られた経緯糸をウオータージェット機によって、経糸46本/25.4mm、緯糸16本/25.4mm、目付け量40g/mの平織織布とした。
織布の両面に、黄色系色相に着色した低密度ポリエチレン(密度0.922、MFR10.0)を押出しラミネートし(ラミネート層厚み35μm)、その片面にコロナ放電処理を行ってぬれ張力を420μN/cmとした。
害虫捕獲粘着剤の塗布
上記の複合シートのコロナ放電処理面に、アクリル酸−2−エチルヘキシルを主成分とする共重合体に架橋剤として金属キレート系硬化剤、アルモニウムアセチルアセトネートのトルエン溶液を配合したアクリル系粘着剤を塗布厚み(固形分基準)65μmとなるように塗布した。
得られた害虫捕獲シートはカールがなく、手切れ性がよく、手で容易に引裂くことができ、また、直線的に引裂かれた。
本発明害虫捕獲シートの例を示す斜視図 本発明害虫捕獲シートの例を示す縦断面図 本発明害虫捕獲シートの他の例を示す縦断面図 本発明に使用される布状体の例を示す(A)は平面図、(B)は縦断面図 本発明に使用される布状体の他の例を示す縦断面図 線条体の例を示す縦断面図
符号の説明
1.害虫捕獲シート
2.線条体
3.布状体
4.熱可塑性樹脂フィルム層
5.積層シート
6.害虫捕獲粘着剤層
8.装着粘着剤層
10.基層
11.接合層

Claims (3)

  1. 熱可塑性樹脂を一軸延伸して得られたフラットヤーンを平織した織布からなり手切れ性が良い布状体の片面又は両面に、熱可塑性樹脂フィルム層が形成された積層シート(不織布を含まない)を基材とし、該基材の熱可塑性樹脂フィルム層の面側に、架橋されたアクリル系粘着剤からなる害虫捕獲粘着剤層を形成してなることを特徴とする害虫捕獲シート。
  2. 基材の片面に害虫捕獲粘着剤層を形成し、他面にシートを固定するための装着粘着剤層を形成してなり、前記基材の少なくとも一辺が、害虫捕獲粘着剤層及び装着粘着剤層から突出してなる請求項1記載の害虫捕獲シート。
  3. 前記基材又は前記害虫捕獲粘着剤層が青色系色相に着色されてなる請求項1又は2記載の害虫捕獲シート。
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