まず、図1を参照して、本発明の原理を説明する。
図1は、本発明の原理による読み出し動作を示すタイミング図である。前述した図29と対比すると判るように、本発明では半導体記憶装置外部から見ると、従来用いられていたビット線プリチャージのコマンドPREがない。換言すれば、本発明は従来のように、ビット線対をVCC/2にプリチャージしない。従って、コラムアドレスのコマンドCOLを受けた後、すぐに次の読み出しサイクルに入ることができる。次の読み出しサイクルに入った後でも、前の読み出しサイクルのデータがデータ線(図28のデータ線DB、/DB相当)に出力されている。これは、読み出し動作のアクセスサイクル(ROWを発行して次にCOLを発行するまでの時間)が、読み出し動作の1サイクルよりも短いことを意味し、前回の読み出し動作の完了前に次のセルの読み出し動作を開始することを意味している。
また、本発明では、内部的に見ると、ビット線対をVCC/2にプリチャージしてリセットする代わりに、新たなビット線のリセット方法を提案する。これは、次回の読み出しサイクルにおいて、前回の読み出しサイクルで読み出し側となったビット線の電位をリセット状態(リセット電位)とし、他方のビット線の電位をこの電位に合わせる。このように、両方のビット線を、前回の読み出しサイクルで読み出し側となったビット線の電位に設定した状態をリセット状態とする。換言すれば、前回の読み出し情報に応じて、次回の読み出しのためのリセット電位の値が決まる。
図1に示すタイミング図を参照して、読み出し動作を説明すると、ローアドレスのコマンドROWを受けてワード線WLが立ち上がる。この例では、2つのビット線BL、/BLはVSSレベルにリセットされている。これは、前回の読み出し動作の選択側ビット線に0が読み出されたことを意味する。ワード線WLが立ち上がると、ビット線BLと/BLの電位が図示するように変化し始める。図示する例では、ビット線BLが選択側で、ビット線/BLが非選択側である。選択側のビット線BLに接続されたセルにはデータ1が記憶されているので、ビット線BLの電位はVCCに向けて立ち上がる。この立ち上がり初期において、非選択側のビット線/BLもVSSより多少高い電位に立ち上がるが、ビット線BLの立ち上がり電位よりは低く設定されている。これは、後述するダミーセルの機能による。
このようにして、ビット線BLと/BLとには電位差が生じるので、これをセンスアンプでセンスすれば、データの読み出しが可能である。なお、非選択側のビット線/BLはその後、センスアンプにより増幅されるためVSSに戻る。なお、VSSに戻ることは必須ではなく、ビット線BLの電位よりも低い電位にあればよい。
このようにして生じた電位差をセンスアンプでセンスした後に、非選択側のビット線/BLの電位を選択側のビット線電位に合わせるように制御する。この例では、ビット線/BLの電位をVCCまで持ち上げる。ビット線BLと/BLがいずれもVCCとなったところで、ビット線BL、/BLのリセット動作は完了である。よって、いままで選択していたワード線WLを立ち下げると共に、次の読み出しサイクルのローアドレスのコマンドROWに応じて、選択されたワード線WL'を立ち上げる。
図示する場合、選択側のビット線はビット線BLであり、データ0が選択されたメモリセルから読み出された(センスアンプでセンスされた)ことで、ビット線BLの電位はVSSに向かい下降する。このビット線BLの立ち下がり初期において、非選択側のビット線/BLはダミーセルの機能により選択側のビット線
BLよりも高い電位にある。よって、この電位差をセンスアンプでセンスする。
以上のような読み出し動作により、読み出し動作の1サイクルを60nsにすることができ、読み出し動作の高速化が可能になる。
なお、図28及び図29に示す従来技術の先行技術として、各読み出しサイクルにおいてビット線対をVCCレベルにリセットする方法が知られているが、この技術とは前回の読み出しサイクルで読み出されたデータがビット線リセット電位となる点で異なる。
図2は、本発明の第1の実施の形態によるDRAM装置の要部の構成を示す回路図である。
図示する回路構成は、1対のビット線BL0、/BL0に関するものであり、同様の回路構成がその他のビット線対毎に設けられている。ビット線BL、/BL0に対し、セルアレイ部31、2つのセンスアンプ部301 、302 、及びダミーセル部42が設けられている。
セルアレイ部31は、ビット線対BL0、/BL0に交互に接続された複数のセル(CELL)を有する(フォールディッドビット線構造)。各セルは、図3に示すように、1キャパシタ、1トランジスタ構成のセルMCである。各トランジスタのゲートにはワード線WL1、WL2・・・WLnが接続されている。
センスアンプ部301は、セルアレイ部31内のビット線対BL0、/BL0の一方の側に設けられて、センスアンプ302はダミーセル部42を介してビット線対BL0、/BL0の他方の側に設けられている。センスアンプ部301は、センスアンプ341、データ入出力回路361、トランスファゲート回路391、及びビット線リセット回路441を有し、これらはセンスアンプ部301内の内部ビット線対BL01、/BL01に接続されている。
センスアンプ341及びデータ入出力回路361の構成を図4に示す。センスアンプ341はトランジスタQ1〜Q4で構成されるフリップフロップと、更にトランジスタQ5、Q6を有する。なお、図中、矢印が付いたトランジスタ記号はPチャネルの電界効果トランジスタ(例えば、MOSトランジスタ)を示し、矢印が付いていないトランジスタ記号はNチャネルの電界効果トランジスタを示している。トランジスタQ5は、制御信号PSA1に従い選択的に電源電圧VCCをフリップフロップに接続する。同様に、トランジスタQ6は制御信号NSA1に従い選択的に電源電圧VSSをフリップフロップに接続する。データ入出力回路361はトランジスタQ11とQ12とから構成され、コラム選択信号CL1に従い、内部ビット線BL01、/BL01をそれぞれデータ線DB1、/DB1に接続する。なお、PSA1=L(=VSS)、NSA1=H(=VCC)の場合に、センスアンプ341はオンする。
トランスファゲート回路391はトランジスタQ50及びQ51を有し、トランスファ制御信号BT01、/BT01に従い選択的に内部ビット線BL01、/BL01をそれぞれ選択的にセルアレイ部31のビット線BL0、/BL0にそれぞれ接続する。
ビット線リセット回路441はトランジスタQ52を有し、ビット線リセット信号BRST1がアクティブになると、内部ビット線BL01と/BL01とをショートとして、内部ビット線BL01と/BL01とをリセットする。
センスアンプ部302は、センスアンプ部301と同一構成である。すなわち、センスアンプ部302はセンスアンプ342、データ入出力回路362、トランスファゲート回路392及びビット線リセット回路442を有し、これらはセンスアンプ部302内の内部ビット線対BL02、/BL02に接続されている。センスアンプ342及びデータ入出力回路362の構成は、図4に示すものと同一構成である。各部を示す記号に添えられている数字を読み替えは、センスアンプ部302の構成となる(BL01→BL02、/BL01→/BL02、DB1→DB2、/DB1→/DB2、CL1→CL2、PSA1→PSA2、NSA1→NSA2)。
トランスファゲート回路392はトランジスタQ53及びQ54を有し、トランスファ制御信号BT02、/BT02に従い内部ビット線BL02、/BL02をそれぞれ選択的にセルアレイ部31のビット線BL0、/BL0にそれぞれ接続する。
ビット線リセット回路442はトランジスタQ55を有し、ビット線リセット信号BRST2がアクティブになると、内部ビット線BL02と/BL02とをショートとして、内部ビット線BL02と/BL02とをリセットする。
ダミーセル部42は、図5に示す2つのダミーセルトランジスタQ14、Q15、キャパシタC及びキャパシタCに選択的にVCC/2を与えるトランジスタQ16と、を有する。トランジスタQ14はビット線BL0とキャパシタCとの間に設けられ、ダミーセル制御信号CNT1でオン/オフする。トランジスタQ15はビット線/BL0とキャパシタCとの間に設けられ、ダミーセル制御信号CNT2でオン/オフする。トランジスタQ16はVCC/2に接続され、選択的にキャパシタCを充電する。
センスアンプ部31のビット線BL0に接続されるセルからデータを読み出す場合には、他方のビット線/BL0に接続されたダミーセル部42のトランジスタQ15がオンするようにダミーセル制御信号CNT2が与えられる。また、ビット線/BL0に接続されるセルからデータを読み出す場合には、他方のビット線BL0に接続されたダミーセル部42のトランジスタQ14がオンするようにダミーセル制御信号CNT1が与えられる。
次に、図2に示す半導体記憶装置の動作について、図6を参照して説明する。以下に詳述するように、読み出し動作において、センスアンプ301と302は交互に動作させる。すなわち、読み出したデータをデータ線対DB1、/DB1とデータ線対DB2、/DB2から交互に出力させる。センスアンプ部301からデータを読み出して出力している間は、センスアンプ部302でビット線対のリセットを行う。
センスアンプ部301の動作によりデータを読み出すためのローアドレスのコマンドROW1が入る直前の状態は、センスアンプ部301がオフで、センスアンプ部302がオンである。センスアンプ部301、302のオン/オフ(より詳細には、センスアンプ341、342のオン/オフ)は制御信号PSA1、NSA1、PSA2、NSA2で行う。この時、センスアンプ部301の内部ビット線対BL01、/BL01はリセット(図示する例では、VSSに設定されたリセット状態)されており、トランジスタQ50、Q51、Q52がオンしている。センスアンプ部302はオンでデータの読み出しを行っており、選択側のビット線(仮にBL0側)のトランジスタQ53がオン、トランジスタQ54、Q55はオフである。
コマンドROW1が外部から半導体記憶装置に入力されると、制御信号PSA1、NSA1、PSA2、NSA2により、センスアンプ部301がオンし、センスアンプ部302がオフする。上記コマンドROW1は、図示を省略するデコーダでデコードすることでワード線(図6の例では図2に示すワード線WL1)が選択され、ワード線WL1の電位がVCCに向け立ち上がる。一方、ビット線リセット信号BRST1が立ち下がり、トランジスタQ52がオフすることで内部ビット線BL01、/BL01のリセットは解除され、センスアンプ341がセルからデータを読み出せる状態になる。他方、センスアンプ部302のトランジスタQ53は、トランスファ制御信号BT02がローレベルになることでオフし、センスアンプ342はセルアレイ部31のビット線BL0と切り離される。
ワード線WL1が立ち上がると、ビット線BL0、/BL0に電位差が生じる。例えば、選択されたワード線WL1に接続されているセルに1のデータが記憶されているとする。このセルに蓄積された電荷がビット線BL0に流れ出ることで、ビット線BL0の電位は上昇する。他方、内部ビット線/BL0の電位は図5に示すダミーセル回路42のトランジスタQ15がオンするように制御信号CNT2で制御されるので、キャパシタCに蓄積された電荷がVSSレベルにあるビット線/BL0に流れ出る。選択されたセルの電荷はVCCで蓄積されているのに対し、トランジスタQ15の電荷はVCC/2で蓄積されているため、ビット線/BL0の上昇する電位はビット線BL0の電位よりも低い。よって、ビット線BL0、/BL0に電位差が生じる。
上記電位差は内部ビット線対BL01、/BL01に伝えられ、センスアンプ341はこの電位差をセンスする。センスしたタイミングでトランスファ制御信号/BT01を立ち下げ、非選択側のトランジスタQ51をオフさせる。センスアンプ341がデータをセンスした時点で、コラムアドレスのコマンドCOL1をデコードすることでコラム制御信号CL1を立ち上げ、センスしたデータをデータ線DB1、/DB1に出力する。
他方、センスアンプ部302では、上記のようにトランジスタQ53がオフになって、ビット線BL0が内部ビット線BL02から切り離される。これにより、内部ビット線対BL02、/BL02はフローティング状態になる。センスアンプ部301のトランジスタQ51がオフになったら、セルアレイ部31のビット線BL0、/BL0のリセット動作を開始する。すなわち、トランジスタQ53、Q54、Q55がオンし、非選択側ビット線/BL0はセンスアンプ341により、センスアンプ341、トランジスタQ50、ビット線BL0、トランジスタQ53、Q55、トランジスタQ54、ビット線/BL0の経路でリセットが行われ、選択側のビット線BL0の電位、すなわちこの例ではVCCの電位にリセットされる。このようにして、読み出しデータをセンスした後に、非選択側のビット線の電位を選択側のビット線の電位にリセットすることで、次の読み出し動作に備える。
次の読み出しでは、ローアドレスのコマンドROW2により図2に示すワード線WL2が選択される。これを受けて、センスアンプ部301はオフし、センスアンプ部302はオンする。また、コラム選択信号CL1が立ち下がることでセンスアンプ部301のデータ入出力回路361はオフし、トランスファ制御信号BT01が立ち下がることでトランジスタQ50がオフし、前回の読み出し動作で選択側であったビット線BL0を切り離す。図示する場合は、選択側のビット線/BL0に0のデータが記憶されている。この場合、図5に示すダミーセル部42の非選択側トランジスタQ14がオンする。ワード線WL2に接続されたセルMCのデータは0なので、ビット線/BL0からセルのキャパシタに電荷が流れ込み、ビット線/BL0の電位は下がる。他方、トランジスタQ14がオンするので、電荷がVCCにあるビット線BL0からキャパシタCに流れ込む。この場合、CはVCC/2で充電されているので、ビット線BL0の電位は、ビット線/BL0の電位よりは下がらない。
このようにして生成されたビット線BL0と/BL0の電位差は内部ビット線BL02、/BL02に伝えられ、センスアンプ342でセンスされる。センス後、非選択側の内部ビット線BL02に接続されているトランジスタQ53をオフし、またデータ入出力回路342をオンしてセンスしたデータをデータ線DB2、/DB2に出力する。
他方、センスアンプ部301では、内部ビット線対BL01、/BL01はフローティング状態になる。センスアンプ部302のトランジスタQ53がオフになったら、セルアレイ部31のビット線BL0、/BL0のリセット動作を開始する。すなわち、トランジスタQ50、Q51、Q52がオンし、非選択側ビット線BL0はセンスアンプ342により、センスアンプ342、トランジスタQ54、ビット線/BL0、トランジスタQ51、トランジスタQ52、トランジスタQ50、ビット線BL0の経路でリセットが行われ、選択側のビット線/BL0の電位、すなわちこの例ではVSSの電位にリセットされる。このようにして、読み出しデータをセンスした後に、非選択側のビット線の電位を選択側のビット線の電位にリセットすることで、次の読み出し動作に備える。
上記読み出し動作においては、従来のようなビット線プリチャージのためのコマンドPREがなく、前の読み出しサイクルのコマンドCOLの次に、次の読み出しサイクルのコマンドROWを持ってくることができるので、高速動作が可能になる。
図7は、本発明の第2の実施の形態によるDRAM装置の要部の構成を示す回路図である。第2の実施の形態は、1つのセンスアンプ部を2つのセルアレイ部に共通に設けたことを特徴とする。なお、前述した第1の実施の形態による半導体記憶装置の構成要素と同一のものには、同一の参照番号を付けてある。
図示する回路構成は、1対のビット線BL0、/BL0に関するものであり、同様の回路構成がその他のビット線対毎に設けられている。ビット線BL、/BL0に対し、1つのセンスアンプ部30と2つのセルアレイ部32、33が設けられている。センスアンプ部30はセルアレイ部32と33とに共通に設けられている。センスアンプ部30は、センスアンプ34、データ入出力回路36、トランスファゲート回路38及び40を有する。
センスアンプ34は、フリップフロップを実現するトランジスタQ1〜Q4と、更にトランジスタQ5、Q6を有する。トランジスタQ5は、制御信号PSAに従い選択的に電源電圧VCCをフリップフロップに接続する。同様に、トランジスタQ6は制御信号NSAに従い選択的に電源電圧VSSをフリップフロップに接続する。
データ入出力回路36はトランジスタQ11とQ12とから構成され、コラム選択信号CLに従い、ビット線BL0、/BL0をそれぞれデータ線DB、/DBに接続する。
トランスファゲート回路38はトランジスタQ7及びQ8を有し、トランスファ制御信号BT0、/BT0に従い選択的にビット線BL0、/BL0をそれぞれ選択的にセンスアンプ部30に接続することで、選択的にセルアレイ部32をセンスアンプ部30に接続する。トランスファゲート回路40はトランジスタQ9、Q10を有し、トランスファ制御信号BT1、/BT1に従い選択的にビット線BL0、/BL1をセンスアンプ部30に接続することで、選択的にセルアレイ部33をセンスアンプ部30に接続する。なお、トランスファゲート回路38、40のいずれか一方のゲートが開いている時は、他方のゲートは閉じている。
セルアレイ部32は、複数のセル(図7ではMC1とMC2の2つのみ図示してある)と、ダミーセル部42と、ビット線リセット回路44とを具備している。各セルは、1キャパシタ、1トランジスタ構成である。
ビット線リセット回路44はトランジスタQ13を有し、ビット線リセット信号BRSTがアクティブになると、ビット線BL0と/BL0とをショートとして、ビット線BL0と/BL0とをリセットする。
次に、図7の半導体記憶装置の動作について、図8を参照して説明する。
ビット線BL0、/BL0がVSSにリセットされている状態で、ローアドレスのコマンドROWが外部から半導体記憶装置に与えられると、これを図示を省略するデコーダでデコードすることでワード線WLが選択される。今、選択されたワード線は図7のワード線WL1であるとする。ワード線選択と同時にセルアレイ部32をセンスアンプ部30に接続するために、トランスファ制御信号BT0、/BT0がアクティブにされる。
今、選択されたワード線WL1に接続されたセルMC1がデータ1を保持している場合、セルMC1に蓄積された電荷がビット線BL0に流れ出ることで、ビット線BL0の電位は上昇する。他方、ビット線/BL0の電位はダミーセル部42のトランジスタQ15がオンするので、キャパシタCに蓄積された電荷がVSSレベルにあるビット線/BL0に流れ出る。セルMC1の電荷はVCCで蓄積されているのに対し、トランジスタQ15の電荷はVCC/2で蓄積されているため、ビット線/BL0の電位はビット線BL0の電位よりも低い。
このようにして形成されたビット線BL0と/BL0との電位差を、センスアンプ34がセンスする。これにより、ビット線BL0の電位はVCCに向け急上昇し、ビット線/BL0の電位はVSSに向かう。センスアンプ34でセルMC1のデータをセンスしたので、ダミーセルの情報を読み出しているビット線/BL0をセンスアンプ34から切り離すために、トランスファ制御信号/BT0を立ち下げる(オフ)。セルMC1の情報を読み出しているビット線BL0はセンスアンプ34に接続したままにしておく。
一方、センスしたデータをデータ線DB、/DBに出力させるために、コラムアドレスのコマンドCOLをデコードすることで、コラム選択信号CLをアクティブにする。これにより、センスアンプ34にラッチされたセルMC1のデータは、データ線DB、/DBに出力される。
次に、ビット線リセット信号BRSTをアクティブにして、ビット線BL0、/BL0をリセットする動作を開始させる。前述したように、ビット線BL0、/BL0のリセットは、非選択側のビット線/BL0を選択側のビット線BL0の電位に合わせることである。選択側のビット線BL0はセンスアンプ34を介して電源VCCに接続されているため、ビット線/BL0の電位はVCCに向かい上昇する。ビット線BL0と/BL0の電位(次回の読み出し動作のリセット電位)になったところで、ビット線リセット信号BRSTを立ち下げる(オフ)。また、ビット線リセット信号BRSTの立ち下げと同時にトランスファ制御信号BT0を立ち下げ、センスアンプ34と選択側ビット線BL0を切り離す。ただし、図4の例では、引き続きワード線WL2が選択されセルアレイ32が選択されるため、トランスファ制御信号BT0は立ち下がらずに引き続き選択される。
なお、センスアンプ34がデータをセンスした後に、図5に示す制御信号CONT3でトランジスタQ16をオンにして、キャパシタCをVCC/2で充電する。
このようにして、ビット線BL0、/BL0はリセット状態に設定され、次の読み出し動作が可能になる。次に選択されるワード線が図7のWL2であり、セルMC2に蓄積されているデータが0であるとする。この場合には、図5のトランジスタQ14が選択される。セルMC2のデータは0なので、ビット線/BL0からセルMC2のキャパシタに電荷が流れ込み、ビット線/BL0の電位は下がる。他方、トランジスタQ14がオンするので、電荷がVCCにあるビット線BL0からキャパシタCに流れ込む。この場合、CはVCC/2で充電されているので、ビット線BL0の電位は、ビット線/BL0の電位よりは下がらない。このようにして生成されたビット線BL0と/BL0の電位差をセンスアンプ34でセンスする。読み出した後、非選択側のビット線BL0の電位を選択側のビット線BL0の電位VSSに一致させることで、ビット線BL0と/BL0はリセットされ、次の読み出し動作に備える。
上記読み出し動作においては、従来のようなビット線プリチャージのためのコマンドPREがなく、前の読み出しサイクルのコマンドCOLの次に、次の読み出しサイクルのコマンドROWを持ってくることができるので、高速動作が可能になる。
なお、上記の構成ではセンスアンプ34のリセット(プリチャージ)の構成は省略してある。
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。
図9は、本発明の第3の実施の形態による半導体記憶装置の要部を示すブロック図である。なお、前述した第1及び第2の実施の形態による半導体記憶装置の構成要素と同一のものには、同一の参照番号を付けてある。
第3の実施の形態は、ダミーセル回路42をセンスアンプ部300内に設け、読み出し動作をより高速に行えるようにしたことを特徴とする。このために、センスアンプ部300のフリップフロップ回路34は、センスアンプ部300内の内部ビット線対BL、/BLをセンスする構成である。センスする際には、セルアレイ部320と330はセンスアンプ部300から切り離されるので、センス動作速度は内部ビット線BL、/BLの負荷に依存する。図7に示す構成では、図9の内部ビット線BL、/BLよりも長いビット線BL0、/BL0の負荷に依存するので、センス動作速度は図9の構成に比べ遅い。この結果、センス動作で消費する電力も軽減することができる。
センスアンプ部300を上記の通り構成したので、センスアンプ部300に接続されるセルアレイ部320、330も図7に示す構成とは異なる。具体的には、セルアレイ部320はビット線BL0のみを有し、セルアレイ部330はビット線/BL0のみを有する。すなわち、センスアンプ300に対して、いずれか一方のビット線BL0又は/BL0が駆動される。
センスアンプ部300は、フリップフロップ回路34及びデータ入出力回路36に加え、トランスファゲート回路38A、40A、ダミーセル回路42及びビット線リセット回路44Aを有する。トランスファゲート回路38AはトランジスタQ7を有し、トランスファゲート40AはトランジスタQ10を有する。ダミーセル部42は図5に示す構成であるが、センスアンプ部300内の内部ビット線BL、/BLに接続されている点で図7に示す構成とは異なる。また、ビット線リセット回路44Aは、センスアンプ部300内の内部ビット線BL、/BLをリセットする。
図10は、図9の回路構成の動作を示すタイミング図である。
今、ビット線BL、/BLがVSSにリセットされている状態で、ローアドレスのコマンドROWが外部から半導体記憶装置に与えられると、これを図示を省略するデコーダでデコードすることでワード線WLが選択される。今、選択されたワード線は図9のワード線WL1であるとする。ワード線選択と同時にセルアレイ部320をセンスアンプ部30に接続するために、トランスファ制御信号BT0がアクティブにされる。
今、選択されたワード線WL1に接続されたセルMC1がデータ1を保持している場合、セルMC1に蓄積された電荷がビット線BL0に流れ出ることで、ビット線BL0の電位は上昇する。よって、センスアンプ部300内の内部ビット線BLの電位も上昇する。他方、ビット線/BLの電位はダミーセル部42のトランジスタQ15がオンするので、キャパシタCに蓄積された電荷がVSSレベルにある内部ビット線/BLに流れ出る。セルMC1の電荷はVCCで蓄積されているのに対し、トランジスタQ15の電荷はVCC/2で蓄積されているため、内部ビット線/BLの電位は内部ビット線BLの電位よりも低い。
このようにして形成された内部ビット線BL0と/BL0との電位差を、フリップフロップ回路34がセンスする。この時、セルアレイ部320は、トランジスタQ7をオフさせて、センスアンプ部300から切り離された状態にしておく。これにより、内部ビット線BLの電位はVCCに向け急上昇し、内部ビット線
/BLの電位はVCCに向かう。
一方、センスしたデータをデータ線DB、/DBに出力させるために、コラムアドレスのコマンドCOLをデコードすることで、コラム選択信号CLをアクティブにする。これにより、フリップフロップ回路34にラッチされたセルMC1のデータは、データ線DB、/DBに出力される。
次に、ビット線リセット信号BRSTをアクティブにして、内部ビット線BL、/BLをリセットする動作を開始させる。内部ビット線BL0、/BL0のリセットは、非選択側の内部ビット線/BL0を選択側の内部ビット線BL0の電位に合わせることである。よって、この場合はビット線/BL0の電位がVCCに向かい上昇する。内部ビット線BL0と/BL0の電位がVCC(次回の読み出し動作のリセット電位)になったところで、ビット線リセット信号BRSTを立ち下げる(オフ)。
なお、センスアンプ34がデータをセンスした後に、図5に示す制御信号CONT3でトランジスタQ16をオンにして、キャパシタCをVCC/2で充電する。
ビット線BL、/BLがリセットされていれば直ちに次の読み出し動作を実行することができる。よって、外部からの読み出しに関するコマンドを図10に示すように配列することができる。センス動作をより高速にできるので、コマンドも詰めて配列することができる。
なお、図9ではセンスアンプ部300の両方向にビット線が延びている構成であったが、一方向に延びる構成であってもよい。
また、上記の構成ではセンスアンプ34のリセット(プリチャージ)の構成は省略してある。
また、第1ないし第3の実施の形態で用いられているセンスアンプ341及び342は6個のトランジスタから成るが、図11に示すように、2つのPチャネルトランジスタ及び2つのNチャネルトランジスタの計4個のトランジスタで構成しても良い。図11の構成では、制御信号PSA及びNSAがそれぞれハイレベル及びローレベルにあると、センスアンプはオンする。従って、図11の構成では、6個のトランジスタで構成されるセンスアンプの動作とは逆になる。
次に、本発明の第4の実施の形態を説明する。
前述した第1の実施の形態では、ビット線BL0、/BL0の両側にそれぞれ設けられた2つのセンスアンプ341及び342を用い、一方のセンスアンプでデータを読み出ている間は、他方のセンスアンプでビット線対BL0、/BL0のプリチャージ(リセット)を行うとともに、データの読み出し後に前記一方のセンスアンプ内のビット線(ノード)をリセットして(フローティング状態)、ラッチ状態を解除する構成である。
この構成を用いて実際の半導体記憶装置を構成した場合、図12(A)に示すように、センスアンプS/A1、S/A2を一対のビット線の両側に配置することは可能であるが、図12(B)に示すリラックス方式のレイアウトを実現するのは極めて困難である。リラックス方式は複数のビット線対がセンスアンプS/A1、S/A2を共用する構成である。従って、図12(B)のセンスアンプの配列を可能とする構成が必要となる。
本発明の第4の実施の形態は、ビット線とセンスアンプ(この中のビット線)とをプリチャージする手段を設け、図12(B)に示すようなレイアウトを可能にするものである。また、この手段を前述の第2及び第3の実施の態様に適用し
て、センスアンプ内のビット線をリセットするために用いることもできる。
図13は、本発明の第4の実施の形態を示す回路図である。図13の構成は、一対のビット線に関するもので、複数のメモリセル、前述したダミーセル回路42、4トランジスタ構成のセンスアンプ110、プリチャージ制御回路120、プリチャージ回路130、及びデータ入出力回路140を具備する。プリチャージ回路130は、センスアンプ110側のビット線対BLX(BL)、BLZ(BL)及びビット線BLX(LA)、BLZ(LA)を同時にプリチャージする。プリチャージ回路130はセンスアンプ110と同一回路構成なので、データをラッチする機能も有する。プリチャージ制御回路120は、1つのNチャネルMOSトランジスタからなるビット線リセット回路121と、2つのNチャネルMOSトランジスタからなるトランスファゲート122とを具備し、ビット線対BLX(BL)、BLZ(BL)及びビット線BLX(LA)、BLZ(LA)のプリチャージを制御する。
次に図13の動作を、図14を参照して説明する。以下では、図中のアルファベットA〜Fで示した区間ごとにその動作を説明する。
区間A
まず始めに、ビット線BLX(BL)、BLZ(BL)がハイレベルHにプリチャージされている状態で、ワード線WL1が立ち上がると、ワード線WL1に接続されているメモリセルからデータが出てくる。この例の場合では、"L"が出てきたと仮定する。これと同時に、ダミーセル42からもデータが出てくる。前述したように、ダミーセル42には電源電圧VCCの半分の電荷が蓄積されている。よって選択されたメモリセルに接続するビット線BLX(BL)は、ダミーセル42に接続するビット線BLZ(BL)よりも立ち下がりが速い。センスアンプ110は、制御信号NSA1、PSA1が反転してオンし、ビット線BLX(BL)とBLZ(BL)との僅かな電位差を増幅する。
区間B
次に、プリチャージ制御回路120はセンスアンプ110が増幅したデータをプリチャージ回路130へ転送する。センスアンプ110のラッチ後、トランスファ制御信号BT0、/BT0が立ち上がり、トランスファゲート122の2つのトランジスタが両方オンし、ラッチされたデータがプリチャージ回路130へ転送される。
区間C
制御信号PSA、NSAが反転し、プリチャージ回路130がオンする。この時、制御信号PSA1、NSA1が反転し、センスアンプ110をオフにする。これは、次にセンスアンプ110とビット線のプリチャージが行われるのであるが、その時にセンスアンプ110を前もってオフの状態にしておかないとプリチャージできないからである。
区間D
センスアンプ110のプリチャージ(すなわち、ビット線対BLX(BL)、BLZ(BL)のプリチャージ)と、ビット線対BLX(LA)、BLZ(LA)のプリチャージが行われる。区間Dでは、まず、区間Bで同時に立ち上げたトランスファ制御信号BT0、/BT0のうち、選択されたメモリセル(この場合はワード線WL1に接続されているメモリセル)につながるビット線、すなわち非選択側のビット線(この場合、ビット線BLZ(BL))をプリチャージ回路130から切り離すために、トランスファ制御信号BT0を立ち下げる。そして、ビット線リセット信号BRSTを立ち上げ、ビット線ショート回路121のトランジスタをオンし、ビット線BLX(BL)とBLZ(BL)とをショートし、非選択側のビット線BLZ(BL)をローレベルにプリチャージする。すなわち、プリチャージ回路130のビット線BLX(LA)はローレベルにあり、センスアンプ110のビット線BLZ(BL)はハイレベルにある。よって、ビット線BLZ(BL)の電荷がビット線ショート回路121、/BT0側トランジスタ、ビット線BLX(LA)、及びNチャネルMOSトランジスタを通して、NSAに流れ込む。
なお、区間Dでコラム選択信号CLを立ち上げる(オン)することで、読み出したデータをデータバスDBX、DBZに出力することができる。
区間E
この状態では、センスアンプ110のビット線対BLZ(BL)、BLX(BL)のプリチャージは完了している。またプリチャージ回路130は、ビット線BLX(LA)がローレベル、ビット線BLZ(LA)がハイレベルになっており、読み出したデータをラッチしていることになる。そして、トランスファ制御信号/BT0を立ち下げ、ビット線リセット信号BRSTを立ち下げる。
区間F
そして、制御信号PSA、NSAを反転させ、プリチャージ回路130をオフにする。これにより、次の新しいデータをラッチする際のタイミングマージンに余裕ができる。
以上説明したように、プリチャージ回路130でセンスアンプ110から延びるビット線対BLZ(BL)、BLX(BL)をプリチャージできるので、図2に示す構成よりも回路が簡単化できる。図13に示す回路構成を用いて、図12(B)に示す配置を実現することができる。
図15は、図13に示す回路構成を用いて実現したリラックス方式の半導体記憶装置を示す回路図である。以下、図15の構成を本発明の第5の実施の態様として説明する。図15中、図13に示す構成要素と同一部分には同一の参照番号を付けてある。図15に示す回路の特徴は、左センスアンプ110と右センスアンプ140に共通に1つのプリチャージ回路130を設け、プリチャージ回路130で両方のセンスアンプをプリチャージする。なお、以下の説明では、プリチャージ回路130に対し、左と右の構成要素を区別するために、図13に示す参照番号うち信号、ビット線、ワード線を表すものにはL(左)、R(右)を付ける。例えば左側(図15では便宜上、上側)に配置されたワード線はWLL1、WLL2であり、右側(図15では便宜上、下側)に配置されたワード線はWLR1、WLR2である。
図15の上側の回路構成は図13に示す回路構成と同じである。また、図15の下側の回路構成は、セルアレイ、ダミーセル142、右センスアンプ140及び右プリチャージ制御回路150を有する。右センスアンプ140は左センスアンプ110と同一構成である。また、右プリチャージ制御回路150は左プリチャージ制御回路120と同一構成で、ビット線ショート回路151及びトランスファゲート152を有する。なお、データバス線DBX、DBZ及びデータ入出力回路140は同一である。
次に、図16及び図17を参照して、図15に示す構成の動作を説明する。図16は、プリチャージ回路130に対し左側に位置する左側回路の動作タイミング図、図17は右側に位置する右側回路の動作タイミング図である。図16及び図17に、図14に示す区間A〜区間Fに対応する区間A〜区間Fを示す。
まず、図16において、ワード線WLL1に接続されるセルが選択されたとする。この場合の左側回路の動作は、図14を参照して説明した回路動作と同様である。すなわち、図16の区間A〜区間Fのそれぞれの各部の動作は、図14の区間A〜区間Fの対応する部分の動作と同じである。従って、ここでの左側回路の動作説明は省略する。
右側回路中の右プリチャージ制御回路150は、左プリチャージ制御回路120と異なる動作をする。図17において、スタンバイ状態(0(ns)時)では、右センスアンプ140は左センスアンプ110とは反対のプリチャージレベルにある。すなわち、右センスアンプ140内のビット線BLRX(BL)、BLRZ(BL)ともローレベルにある。左側回路のメモリセルが選択されて左側回路がセンス動作をしている時(図16の区間C)は、右プリチャージ制御回路150のトランスファ制御信号BTR0、/BTR0はいずれもローレベルにある。従って、右センスアンプ140はプリチャージ回路130から切り離された状態、すなわちフローティング状態にある。左側回路のセンス動作が終了し、プリチャージ動作に入った時(図16の区間D)、右側回路も同時にプリチャージ動作に入る(図17の区間D)。このプリチャージ動作において、プリチャージ回路130の負荷を増やさないように、左側がVSS方向のプリチャージ動作を行っているならば、右側はVCC方向のプリチャージ動作を行う。すなわち、図16では区間Dでトランスファ制御信号/BTL0がオンであり、プリチャージ回路130は、左センスアンプ110のビット線BLLZ(BL)電位をビット線BLX(LA)の電位VSSにプリチャージするように動作する。よって、図17の区間では、トランスファ制御信号BTR0がビット線リセット信号BRSTRと同時にオンし、プリチャージ回路130は、右センスアンプ140のビット線BLRX(BL)、BLRZ(BL)をBLZ(LA)の電位VCCにプリチャージするように動作する。この結果、非活性時(オフ)にビット線がフローティング状態になることはない。
以上の通り、図15の回路構成で図12(B)に示す配列を実現でき、しかもプリチャージ回路は右側回路と左側回路とで共用できるので、レイアウト面積上からも利点がある。
次に、図18を参照して、本発明の第6の実施の態様を説明する。なお、図18において、前述した図に示される構成要素と同一のものには同一の参照番号を付けてある。本発明の第6の実施の態様は、図13に示す本発明の第4の実施の態様による回路構成に対し、貫通電流阻止ゲート160を設けたものである。この貫通電流阻止ゲート160は、図15に示す回路構成にも適用できる。
図13において、メモリセルアレイが非活性状態(いずれも選択されていない:以下、この状態にあるメモリセルアレイを非活性アレイという)でプリチャージ回路130がラッチ状態にある時にコラム選択信号CLがオンした場合、プリチャージ回路130にラッチされたデータとデータバス線DBX,DBZのプリチャージレベルとが異なる時には、データバスDBX又はDBZからデータ入出力回路140を介して、プリチャージ回路130のPSA又はNSAに貫通電流が流れてしまう。通常、上記貫通電流は、図15に示すような複数のセンスアンプがデータバスを共用している場合に流れる。図15では、例えば左側回路のメモリセルアレイが非活性状態で右側回路のメモリセルアレイが活性状態(ワード線が立ち上がり、メモリセルが選択される:以下、この状態にあるメモリセルアレイを活性アレイという)にある場合、データのデータバスDBX,DBZに出力するためにコラム選択信号CLを立ち上げると、上記の貫通電流が流れてしまう。
貫通電流阻止ゲート160は、2つのNチャネルMOSトランジスタからなる。この2つのトランジスタのゲートには、制御信号CLDが与えられる。ワード線が選択されセンスアンプが動作する場合には、貫通電流阻止ゲート160は開いていなければならない。そのため、ゲート制御信号CLDはコラム選択信号CLがオンする前又は同時にオンしていなければならない。本実施の形態の場合では、ゲート制御信号CLDを制御信号PSA、NSAに同期させ、コラム選択信号CLがオンする前にゲート制御信号CLDをオンする構成としている。
図19は、図18の構成の活性アレイ動作を示すタイミング図である。制御信号PSA、NSAが反転してプリチャージ回路130がオンする時に、ゲート制御信号CLDがオンして貫通電流阻止ゲート160のゲートが開く。その後、コラム選択信号CLがオンして、プリチャージ回路130にラッチされたデータがデータバス線DBX、DBZに転送される。
図20は、図18の構成の非活性アレイ動作を示す図である。メモリセルが選択されない場合には、ゲート制御信号CLDはローレベル(オフ)のままである。従って、その後、コラム選択信号CLがオンしてもデータバス線DBX、DBZとプリチャージ回路130とは切り離されており、貫通電流が流れることはない。
データ入出力回路140は、図18に示す2トランジスタ構成以外の構成を具備した回路であっても良い。図21は、ダイレクトセンス回路180を具備した構成である。なお、図21において、前述した構成要素と同一のものには同一の参照番号を付けている。以下、図21に示す構成を本発明の第7の実施の形態として説明する。なお、以下の説明では、データバス線DBX、DBZはVCCレベルにプリチャージされるものとする。
ダイレクトセンス回路180は、トランジスタQ21〜Q28を具備する。ビット線BLZ(LA)、BLX(LA)をそれぞれトランジスタQ25、Q26のゲートで受け、これらのドレインをデータバス線DBX、DBZに接続してある。メモリセルから読み出され、プリチャージ回路130でラッチされたデータがトランジスタQ25、Q26のオン/オフを制御することで、データバス線DBX、DBZに転送される。データの書き込み時、書き込み時コラム選択信号WCLEがオンしてトランジスタQ23、Q24がオンする。データバス線DBX、DBZ上の書き込みデータはトランジスタQ21〜Q24を通りプリチャージ回路130に与えられる。
ここで、メモリセルが非選択の場合、プリチャージ回路130の制御信号NSAはハイレベルに設定される。この点に着目し、トランジスタQ27、Q28のソースをプリチャージ回路130の制御信号NSAのノードに接続してある。従って、たとえコラム選択信号CLがオンしてトランジスタQ25、Q26がオンしても、データバス線DBX、DBZからプリチャージ回路130のNSAのノードに貫通電流が流れることはない。
図22は、図21の構成の活性アレイ動作を示すタイミング図である。この場合、プリチャージ回路130の制御信号NSA、PSAをそれぞれローレベル、ハイレベルに設定する。そして、コラム選択信号CLをオンする。図22の場合、ビット線BLZ(LA)がハイレベルにあるのでトランジスタQ25がオンし、データバス線DBXからプリチャージ回路130のNSAのノードに電流が流れ、データバス線DBXの電位はVCCから下降する。一方、ビット線BLX(LA)はローレベルなのでトランジスタQ26はオフしている。よって、データバス線DBZの電位はハイレベルのままである。
図23は、図21の構成の非活性アレイ動作を示すタイミング図である。この場合、プリチャージ回路130の制御信号NSA、PSAはそれぞれハイレベル、ローレベルにある。また、トランジスタQ25はオンし、トランジスタQ26はオフしている。よって、コラム選択信号CLが立ち上がりトランジスタQ27、Q28がオンしてもデータバス線DBX、DBZとプリチャージ回路130のNSAのノードは同一レベル(ハイレベル)にあるので、貫通電流が流れることはない。
なお、図21に示す回路構成では、トランジスタQ27、Q28のソースをプリチャージ回路130のNSAのノードに直結していたが、NSAと同様に変化する別の回路に接続することとしても良い。
また、図21〜図23では、データバス線DBX、DBZはVCCにプリチャージされる場合であったが、VSSレベルにプリチャージされる場合には、トランジスタQ27、Q28のソースをPSAのノードに接続すれば良い。更に、データバス線DBX、DBZがVCC/2の場合には、トランジスタQ27、Q28のソースを、活性アレイ動作時0V、非活性動作時VCC/2に変化するノード(回路)に接続すれば良い。
図24は、上記第1ないし第7の実施の形態が適用可能な半導体記憶装置の一例であるシンクロナスDRAM(SDRAM)の構成を示すブロック図である。図24に示すSDRAMは、クロックバッファ200、コマンドデコーダ210、アドレスバッファ/レジスタ220、I/Oデータバッファ/レジスタ230、メモリセルアレイ240、ローデコーダ250、センスアンプ部260、及びコラムデコーダ270を有する。クロックバッファ200は外部からクロック信号CLKやクロックイネーブル信号CKEを受け取り、内部回路に必要な内部クロック信号を生成して、コマンドデコーダ210、アドレスバッファ/レジスタ220、I/Oデータバッファ/レジスタ230等に出力する。コマンドデコーダ210は、外部からチップセレクト信号/CS、ローアドレスストローブ信号/RAS、コラムアドレスストローブ信号/CAS、ライトイネーブル信号/WEを受け取り、これらの信号をデコードして内部回路が必要とする種々の信号、例えば前述したビット線リセット信号BRST、トランスファ制御信号BT、制御信号NSA、PSA等を生成する。その他、図24には図示を省略するが、前述の制御信号CNT、ゲート制御信号CLD等もコマンドデコーダ210で生成される。アドレスバッファ/レジスタ220は、外部からのアドレス信号A0〜Amをデコードし、ローアドレス及びコラムアドレスを生成する。I/Oデータバッファ/レジスタ230はデータバスDB、/DB(前述のDBX、DBZにも相当する)に接続し、外部からの書き込みデータを一時記憶し、外部への読み出しデータを一時記憶する。メモリセルアレイ240は、多数のメモリセル、ワード線、ビット線を含む回路である。ローデコーダ250は、ローアドレスをデコードしてワード線を駆動する信号(前述のWL1等)を生成する。コラムデコーダ270は、コラムアドレスをデコードして前述のコラム選択信号CL等を生成する。センスアンプ部260は、メモリセルアレイとデータバスDB、/DBとの間の全ての回路部分を含むものであり、例えば図13の構成ではセンスアンプ110、プリチャージ制御回路120、プリチャージ回路130及びデータ入出力回路140を含むものである。
ここで、図24のブロック図のメモリセルアレイ240とセンスアンプ部260との配列関係が直接対応するのは、図13に示す第4の実施の形態である。しかしながら、図24のメモリセルアレイ240とセンスアンプ部260との配列関係はあくまでも一例であって、その他の実施の形態や変形例、改良例を含むものである。例えば、図16の構成は図24のメモリセルアレイ240とセンスアンプ部260との配列関係に直接対応しないが、図24のメモリセルアレイ240とセンスアンプ部260とからなるブロック内に図16の構成が実現されていると考えることができる。また、図24のメモリセルアレイ240は、複数のバンクを有する構成であっても良いことは勿論である。
ここで、図24に示す半導体記憶装置は、データ書き込み動作に関し、以下に説明する特徴的構成を具備することができる。実際の半導体記憶装置では、複数ビットのデータが一度に書き込まれるが、この際、書き込みデータの一部をマスクして書き込みを禁止することがある。例えば、データバス上の書き込みデータを対応するセンスアンプを介してメモリセルに一度に書き込む場合、マスクすべきデータをマスクすればよい。
図25は、あるデータバスの1本(1ビット)のデータバス線に対する書き込み動作及びマスク動作を説明するための図である。書き込みクロックの立ち上がりに同期して、データH、L、H、L・・・が順番にメモリセルに書き込まれる。この場合、2番目のデータLの書き込みを禁止する場合には、このタイミングでデータLをマスクして、対応するメモリセルに接続するデータバス線にデータLが出力されるのを禁止すれば良い。通常、このマスク動作のために、マスク信号が生成される。
これに対しある1つのデータバス線の1ビットデータを複数個ためて(例えば、同時に4つのセンスアンプが選択される場合にはそれぞれにつながるデータバス線にデータをためる)、一度にメモリセルに書き込む動作がある。この書き込み動作は一括書き込み動作とも呼ばれ、例えば、図25の例では、H、L、H、Lの4個の1ビットデータがたまるまで書き込み動作を行わず、4個のデータがたまると一度にメモリセルに書き込む。この場合、2番目のデータLをマスクする必要がある場合には、4個のデータを一度にメモリセルに書き込むために、2番目のデータがマスクされるデータであることを指定する必要がある。従って、図25に示すような書き込みクロックの各立ち上がりに同期してデータを書き込む場合のマスク動作では、一括してデータを書き込み際のマスク動作を実現できない。
図26の構成は、上記複数の1ビットデータをためて一度に書き込む場合でも、その中のデータをマスクすることができることを特徴とする。より特定すれば、図26の構成は、マスクすべきデータに対応するデータバス線をフローティング状態に設定することで、マスクすべきデータと特定するとともに書き込み動作を禁止する。以下、図26に示す構成を本発明の第8の実施の形態として説明する。
図26は、図24のセルアレイ240及びセンスアンプ部260に相当する部分を示したもので、4ビットを一括でメモリセルに書き込む場合を想定している。セルアレイ300の両側には複数のセンスアンプ(S/A)310、320が設けられ、前述したリラックス方式に従い、両側のセンスアンプ310、320から交互にビット線対が延びている。図26では、説明を判りやすくするために、各センスアンプから延びるビット線対は一対のみ示してある。センスアンプ310、320の各々はデータバスに接続される。図26では、4対のデータバス線DB0X、DB0Z;DB1X、DB1Z;DB2X、DB2Z;DB3X、DB3Zに図示するように接続されている。コラムデコーダ270はデータの書き込み時、一度に4つのデータ入出力回路(前述のデータ入出力回路140に相当するが、図26では図示を省略してある)を選択し、対応する4つのセンスアンプと上記データバス線とを接続する。
4対のデータバス線DB0X、DB0Z;DB1X、DB1Z;DB2X、DB2Z;DB3X、DB3Z毎にそれぞれデータバス制御回路3301、3302、3303、3304が設けられている。データバス制御回路3301、3302、3303、3304はそれぞれ、書き込み指示信号線WDM0、WDM1、WDM2及びWDM3、データバス線WDB0X,WDB0Z、WDB1X、WDB1Z,WDB2X、WDB2Z、WDB3X及びWDB3Z、並びにデータバスプリチャージ指示信号線DBPに図示するように接続されている。書き込み指示信号線WDM0、WDM1、WDM2及びWDM3は、書き込み指示信号生成回路340で生成される。書き込み指示信号生成回路340は、ライトイネーブル信号WEと、データマスク信号DQM0、DQM1、DQM2及びDQM3との所定の論理演算を行い、書き込み指示信号WDM0、WDM1、WDM2及びWDM3を生成する。
なお、データマスク信号DQM0、DQM1、DQM2及びDQM3、並びにデータバスプリチャージ信号DBPは図24のコマンドデコーダ210から供給される。また、データバス線WDB0X,WDB0Z、WDB1X、WDB1Z,WDB2X、WDB2Z、WDB3X及びWDB3Zは図24のI/Oデータバッファ/レジスタ230に接続される。
書き込み指示信号生成回路340は、4つのナンドゲート341〜344及び4つのインバータ345〜348からなる。ナンドゲート341〜344はそれぞれ、ライトイネーブル信号WEとデータマスク信号DQM0、DQM1、DQM2及びDQM3とのナンド論理演算を行い、その出力はインバータ345〜348を介して、書き込み指示信号WDM0、WDM1、WDM2及びWDM3として出力される。なお、データマスク信号DQM0、DQM1、DQM2及びDQM3は、マスクを指示する場合にローレベルとなる。
各データバス制御回路3301〜3304は、プリチャージ回路331、データバス駆動回路332、ナンドゲート333、334、及びインバータ336〜338からなる。図26では、一例としてデータバス制御回路3301の構成のみを示している。ナンドゲート334は書き込み指示信号WDM0と書き込みデータWDB0Xのナンド論理をとり、その出力を2つのインバータ336、337を介して、データバス駆動部337のデータバス線DB0X側のCMOSインバータのPチャネルMOSトランジスタのゲートに与える。インバータ336の出力は、データバス駆動部337のデータバス線DB0Z側のCMOSインバータのNチャネルMOSトランジスタのゲートに与える。ナンドゲート333は書き込み指示信号WDM0と書き込みデータWDB0Zのナンド論理をとり、その出力を2つのインバータ335、338を介して、データバス駆動部337のデータバス線DB0Z側のCMOSインバータのPチャネルMOSトランジスタのゲートに与える。インバータ335の出力は、データバス駆動部337のデータバス線DB0X側のCMOSインバータのNチャネルMOSトランジスタのゲートに与える。上記2つのCMOSインバータの出力はそれぞれ、データバス線DB0X、DB0Zに接続されている。
データバス駆動回路332の4つのトランジスタがすべてオフになると、データバス線DB0X、DB0Zはフローティング状態になる。
プリチャージ回路331は、2つのPチャネルMOSトランジスタ331からなる。これらのゲートは、上記データバスプリチャージ指示信号を受け、ドレインはそれぞれデータバス線DB0X及びDB0Zに接続されている。図示の構成では、データバス線DB0X及びDB0Zはハイレベル(VCC)にプリチャージされる。
次に、図26の動作を図27のタイミング図を参照して説明する。
一度に4つのセンスアンプが選択されるデータの書き込み時、データバスプリチャージ信号DBP及びライトイネーブル信号WEが立ち上がり、書き込み動作可能となる。図27の例では、データマスク信号DQM0〜DQM2が立ち上がり、対応するデータの書き込みが指示されるが、データマスク信号DQM3はローレベルのままであり、対応するデータのマスクが指示される。この場合、書き込み指示信号生成回路340は書き込み指示信号WDM0、WDM1及びWDM
2をハイレベルに設定し、書き込み指示信号WDM3をローレベルに設定する。
上記書き込み指示信号WDM3を受けたデータバス制御回路3304のデータバス駆動回路332の4つのトランジスタはすべてオフとなる。すなわち、書き込み指示信号WDM3がローレベルなので、インバータ335、336の出力はローレベル、インバータ337、338の出力はハイレベルになる。よって、データバス線DB3X、DB3Zは、ハイレベルのフローティング状態に設定される。このハイレベルのフローティング状態は前述したセンスアンプのデータの読み出し状態に相当するので、データを書き込みことはできない。
その他のデータバス制御回路3301〜3303は書き込みデータWDB0X,WDB0Z、WDB1X、WDB1Z,WDB2X、WDB2Zに応じてデータバス線DB0X〜DB2Zが駆動される。
以上のように、マスクすべきデータに対応するデータバス線をフローティング状態に設定することで、複数データの一括同時書き込みにもかかわらずマスクすべきデータの書き込みを禁止できる。
以上、本発明の実施の態様を説明した。本発明は、DRAM装置を全て含むものであり、特に現在注目されている高速動作可能なSDRAM(同期式DRAM)に適用して好適である。