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JP5098748B2 - 車輪用軸受装置 - Google Patents

車輪用軸受装置 Download PDF

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Description

この発明は、車輪が取り付けられるハブホイールのハブ軸と、等速ジョイントの外輪とがトルク伝達可能に連結された車輪用軸受装置に関する。
この種の車輪用軸受装置においては、例えば、特許文献1に開示されてた構造のものが知られている。
これにおいては、図6に示すように、ハブホイール210と等速ジョイント250とをトルク伝達可能に接続するために、ハブホイール210のハブ軸213の端面と、この端面に突き合わされる等速ジョイント250の外輪260の端壁部261の端面に、相互に噛み合うことでハブホイール210と等速ジョイント250とをトルク伝達する両サイドスプライン(サイドフェーススプライン)218、262が形成される。
また、ハブホイール210のハブ軸213と等速ジョイント250の外輪260とを連結するために、等速ジョイント250の外輪260の端壁部261に、連結ボルト270の雄ねじ部273に対応する雌ねじ263が形成される一方、ハブ軸213の中心部には連結ボルト270の軸部272が挿通される中心孔214が形成される。
そして、両サイドスプライン218、262を噛み合わせた状態で、ハブ軸213の外側から中心孔214を通して連結ボルト270の軸部272が挿通され、この軸部272の雄ねじ部273が外輪260の端壁部261の雌ねじ263に締め付けられることで、ハブホイール210のハブ軸213と等速ジョイント250の外輪260とが連結される。
特開昭57−178903号公報
ところで、図6に示すような構造をもつ車輪用軸受装置においては、両サイドスプライン218、262を噛み合わせた状態で、連結ボルト270の軸部272をハブ軸213の外側から中心孔214に挿通し、その軸部272の雄ねじ部273の先端を外輪260の端壁部261の雌ねじ263に位置合わせする作業が厄介であり、連結ボルト270の締め付けに多くの手間を必要としていた。
この発明の目的は、前記問題点に鑑み、ハブホイールのハブ軸と、等速ジョイントの外輪との両サイドスプラインを噛み合わせながら連結ボルトによってハブホイールのハブ軸と等速ジョイントの外輪とを容易に連結することができる車輪用軸受装置を提供することである。
前記目的を達成するために、この発明の請求項1に係る車輪用軸受装置は、車輪が取り付けられるハブホイールのハブ軸の外周に転がり軸受が設けられ、前記ハブ軸の端面と、等速ジョイントの外輪の端壁部の端面にそれぞれ形成された両サイドスプラインがトルク伝達可能に噛み合わされ、連結ボルトによって前記ハブホイールのハブ軸と前記等速ジョイントの外輪とが連結された車輪用軸受装置であって、
前記等速ジョイントの外輪の端壁部には、前記連結ボルトの軸部が圧入される貫通孔が貫設され、
前記連結ボルトの軸部は、その頭部下面が前記等速ジョイントの外輪の端壁部の内側面に当接する位置まで前記貫通孔に圧入された状態で、前記ハブ軸の中心孔に挿通されると共に、その軸部先端部が前記ハブ軸の外側端面から突出され、
前記連結ボルトの軸部先端部には、雄ねじ部が形成され、この雄ねじ部に締付ナットが締め付けられることで前記ハブホイールのハブ軸と前記等速ジョイントの外輪とが連結されていることを特徴とする。
前記構成によると、ハブホイールと等速ジョイントとをトルク伝達可能に一体状に連結する場合、予め、等速ジョイントの外輪の端壁部の内側面から、その端壁部の貫通孔に連結ボルトの軸部を、頭部下面が端壁部の内側面に当接する位置まで圧入する。これによって、等速ジョイントの外輪の端壁部の外側面から連結ボルトの軸部を所定長さ突出させておく。
次に、連結ボルトの軸部をハブ軸の中心孔の一端側(車幅方向中心側)から他端側(車幅方向外側)に向けて挿通する。
そして、ハブ軸の端面と等速ジョイントの外輪の端壁部の端面との両サイドスプラインを噛み合わせながら、連結ボルトの軸部先端部の雄ねじ部をハブ軸の中心孔の他端側に突出させる。
ここで、連結ボルトの軸部の雄ねじ部に締付ナットを締め付けることによって、ハブホイールと等速ジョイントとを容易に連結することができる。
また、連結ボルトの軸部とハブ軸の中心孔とが微小な隙間をもって嵌合するように、ハブ軸の中心孔を高精度に孔明け加工した場合には、ハブ軸の中心孔に連結ボルトの軸部を挿通させる動作によって、ハブホイールと等速ジョイントとを同一中心線上に正確に位置合わせすることが可能となる。
請求項2に係る車輪用軸受装置は、請求項1に記載の車輪用軸受装置であって、
ハブホイールのハブ軸の端部は、半径方向外方へかしめられて転がり軸受の内輪を固定するかしめ部が形成され、このかしめ部の端面にサイドスプラインが形成されていることを特徴とする。
前記構成によると、ハブホイールのハブ軸のかしめ部の端面にサイドスプラインを形成することによって、サイドスプラインの外径寸法を大きくすることができる。そして、ハブ軸のサイドスプラインに対応する外径寸法をもって等速ジョイントの外輪の端壁部端面にサイドスプラインを形成して噛み合わせることによって、トルク伝達性の向上を図ることができる。
請求項3に係る車輪用軸受装置は、請求項1又は2に記載の車輪用軸受装置であって、
連結ボルトの頭部は非円形に形成される一方、
等速ジョイントの外輪の端壁部の内側面には、連結ボルトの頭部を回止して嵌合させる凹部が形成されていることを特徴とする。
前記構成によると、等速ジョイントの外輪の端壁部の凹部に連結ボルトの頭部を回止して嵌合させることによって、連結ボルトの雄ねじ部に締付ナットを締め付ける際に、連結ボルトが不測に空回りすることがないため、締付ナットの締め付けを容易に行うことができる。
請求項4に係る車輪用軸受装置は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の車輪用軸受装置であって、
締付ナットにはその座部に円形鍔部が形成される一方、
ハブホイールのハブ軸の外側端面には、前記締付ナットの円形鍔部と略同径の内径寸法を有す芯合わせ用の凹部が形成されていることを特徴とする。
前記構成によると、ハブ軸の外側端面の中心孔の開口部回りの芯合わせ用の凹部に、締付ナットの円形鍔部(円形座部)を嵌合させて連結ボルトの雄ねじ部に締付ナットを締め付けることによってハブホイールと等速ジョイントとを同一中心線上に正確に位置合わせすることが可能となる。
次に、この発明を実施するための最良の形態を実施例にしたがって説明する。
(実施例1)
この発明の実施例1を図1と図2にしたがって説明する。
図1はこの発明の実施例1に係る車輪用軸受装置を示す縦断面図である。図2はハブホイールと等速ジョイントとが分離された状態を示す説明図である。
図1に示すように、この実施例1に係る車輪用軸受装置は、ハブホイール10と、転がり軸受としての複列のアンギュラ玉軸受20と、等速ジョイント50とを備えて構成されている。
等速ジョイント50は、周知のツェッパー型、バーフィールド型と呼ばれている等速ジョイントが使用されており、駆動軸51の一端に一体状に連結された内輪52と、外輪60と、これら内・外輪52、60の間に配設された複数のボール53と、これら複数のボール53を保持する保持器54を備えて構成されている。
等速ジョイント50の外輪60の端壁部61の端面には、サイドスプライン62が形成されている。
また、等速ジョイント50の外輪60の端壁部61の中心部には、ハブホイール10と等速ジョイント50とを一体状に連結するための連結ボルト70の軸部72が圧入される貫通孔63が貫設されている。
連結ボルト70は、頭部71と軸部72とを有し、軸部72の先端部には雄ねじ部73が形成されている。さらに、雄ねじ部73には締付ナット75を回り止めするためのかしめ溝74が凹設されている。
そして、図2に示すように、連結ボルト70は、その軸部72が等速ジョイント50の外輪60の端壁部61の内側面から頭部71の下面が端壁部61の内側面に当接する位置まで貫通孔63に圧入されて固定される。これによって、等速ジョイント50の外輪60の端壁部61の端面から連結ボルト70の軸部72が所定長さ突出される。
なお、連結ボルト70の軸部72の根元部にセレーションを形成し、そのセレーション軸部において、貫通孔63に圧入することによって圧入強度を高めると共に、回り止めすることが望ましい。
図1に示すように、ハブホイール10は、円筒状をなすハブ軸13と、ハブ軸13の一端部寄り外周面に形成されたフランジ11とを一体に有している。そして、フランジ11には、ブレーキロータ(図示しない)を間に挟んで車輪(図示しない)を取り付けるための複数本のハブボルト12が所定ピッチでかつ圧入によって固定されている。
ハブ軸13の外周には、外輪30、内輪21、転動体としての複数の玉41、42及び保持器45、46を備えた複列のアンギュラ玉軸受20が組み付けられている。すなわち、この実施例1において、ハブ軸13はフランジ11側に形成された大径軸部15と、大径軸部15よりも適宜に小径でかつ大径軸部15と段差部をもって連続して形成された小径軸部16とを一体に有している。そして、大径軸部15の外周面に、外輪30の一方の軌道面31に対応する軌道面22が形成されている。
さらに、外輪30の他方の軌道面32に対応する軌道面23が外周面に形成された内輪21がハブ軸13の小径軸部16の外周面に嵌込まれた後、小径軸部16の先端部が半径方向外方へかしめられてかしめ部17が形成されることによって、内輪21が段差部とかしめ部17との間に固定されている。
また、外輪30の両軌道面31、32と、ハブ軸13側の両軌道面22、23との間には各複数個の玉41、42と、これら各複数個の玉41、42をそれぞれ保持する保持器45、46が組み付けられる。
また、外輪30の外周面には、車両の懸架装置(図示しない)に支持された車体側部材(ナックル、又はキャリア)にボルトによって取り付けるための固定フランジ35が一体に形成されている。
図1に示すように、ハブ軸13の端面、この実施例1ではハブ軸13のかしめ部17の端面には、この端面に突き合わされる等速ジョイント50の外輪60の端壁部61のサイドスプライン62に噛み合うサイドスプライン18が形成されている。
また、ハブ軸13の中心孔14は、連結ボルト70の軸部72が微小な隙間をもって挿入(嵌挿)される孔径寸法に形成されている。
上述したように構成されるこの実施例1に係る車輪用軸受装置において、ハブホイール10と等速ジョイント50とをトルク伝達可能に一体状に連結する場合、図2に示すように、予め、等速ジョイント50の外輪60の端壁部61の内側面から、端壁部61の貫通孔63に連結ボルト70の軸部72を、頭部71下面が端壁部61の内側面に当接する位置まで圧入する。これによって、等速ジョイント50の外輪60の端壁部61の外側面から連結ボルト70の軸部72を所定長さ突出させておく。
次に、連結ボルト70の軸部72をハブホイール10のハブ軸13の中心孔14の一端側(車幅方向中心側)から他端側(車幅方向外側)に向けて挿通する。
この際、ハブ軸13端面と等速ジョイント50の外輪60の端壁部61外面との両サイドスプライン18、62を噛み合わせながら、連結ボルト70の軸部72先端部の雄ねじ部73をハブ軸13の中心孔14の他端側に突出させる。
ここで、連結ボルト70の軸部72の雄ねじ部73に締付ナット75を所要とする締め付け状態まで締め付ける。最後に、締付ナット75端部の薄肉部76の一部が雄ねじ部73のかしめ溝74内にかしめられて周り止めされることによって、ハブホイール10と等速ジョイント50とが連結される。
また、この実施例1において、連結ボルト70の軸部72とハブ軸13の中心孔14とが微小な隙間をもって嵌合するように、連結ボルト70の軸部72とハブ軸13の中心孔14とのうち、少なくともハブ軸13の中心孔14が高精度に孔明け加工される。
これによって、ハブ軸13の中心孔14に連結ボルト70の軸部72を挿通させる動作によって、ハブホイール10と等速ジョイント50とを同一中心線上に正確に位置合わせすることができる。
また、この実施例1において、ハブ軸13の端部が半径方向外方へかしめられ、これによって形成されたかしめ部17の端面に、サイドスプライン18が形成される。このため、かしめ部17が形成されない場合と比べ、サイドスプライン18の外径寸法を大きくすることができる。
そして、ハブ軸13のサイドスプライン18に対応する外径寸法をもって等速ジョイント50の外輪60の端壁部61外面にサイドスプライン62を形成して噛み合わせることによって、トルク伝達性の向上を図ることができる。
(実施例2)
次に、この発明の実施例2を図3〜図5にしたがって説明する。
図3はこの発明の実施例2に係る車輪用軸受装置を示す縦断面図である。図4は連結ボルトの頭部が多角形に形成された実施態様を示す説明図である。図5は連結ボルトの頭部が二面幅に面取りされた実施態様を示す説明図である。
図3に示すように、この実施例2においては、ハブホイール10のハブ軸13の外側端面の中心孔14の開口部回りに、締付ナット75の円形鍔部(円形座部)77と略同径の内径寸法を有す芯合わせ用の凹部19が形成されている。
また、この実施例2においては、連結ボルト70の頭部71は非円形に形成される。例えば、図4に示すように、連結ボルト70の頭部71aが多角形(図では正五角形)に形成されたり、又は、図5に示すように、連結ボルト70の円形の頭部71bが二面幅をもって面取りされている。
一方、等速ジョイント50の外輪60の端壁部61の内側面の貫通孔63の開口部回りに、連結ボルト70の頭部71a(又は71b)に対応する形状で回止して嵌合させる凹部61a(又は61b)が形成されている。
この実施例2のその他の構成は、実施例1と同様にして構成されるため、同一構成部分に対し同一符号を付記してその説明は省略する。
したがって、この実施例2においても実施例1と略同様の作用効果を奏する。
特に、この実施例2において、ハブ軸13の外側端面の中心孔14の開口部回りの芯合わせ用の凹部19に、締付ナット75の円形鍔部77を嵌合させて連結ボルト70の軸部72の雄ねじ部73に締付ナット75を締め付けることによって、ハブホイール10と等速ジョイント50とを同一中心線上に正確に位置合わせすることができる。
また、ハブ軸13の中心孔14を高精度に孔明け加工する必要がないため、加工コストの低減に効果がある。
また、この実施例2において、等速ジョイント50の外輪60の端壁部61の凹部61a(又は61b)に、連結ボルト70の頭部71a(又は71b)を回止して嵌合させることによって、連結ボルト70の軸部72の雄ねじ部73に締付ナット75を締め付ける際に、連結ボルト70が不測に空回りすることがないため、締付ナット75の締め付けを容易に行うことができる。
なお、この発明は前記実施例1及び2に限定するものではない。
例えば、前記実施例1及び2においては、ハブホイール側の転がり軸受として複列のアンギュラ玉軸受20を用いたが、複列の円すいころ軸受けを用いてもこの発明を実施可能である。
この発明の実施例1に係る車輪用軸受装置を示す縦断面図である。 同じくハブホイールと等速ジョイントとが分離された状態を示す説明図である。 この発明の実施例2に係る車輪用軸受装置を示す縦断面図である。 連結ボルトの頭部が多角形に形成された実施態様を示す説明図である。 連結ボルトの頭部が二面幅に面取りされた実施態様を示す説明図である。 従来の車輪用軸受装置を示す縦断面図である。
符号の説明
10 ハブホイール
11 フランジ
13 ハブ軸
14 中心孔
17 かしめ部
18 サイドスプライン
20 アンギュラ玉軸受(転がり軸受)
50 等速ジョイント
60 外輪
61 端壁部
62 サイドスプライン
70 連結ボルト
72 軸部
73 雄ねじ部
75 締付ナット

Claims (4)

  1. 車輪が取り付けられるハブホイールのハブ軸の外周に転がり軸受が設けられ、前記ハブ軸の端面と、等速ジョイントの外輪の端壁部の端面にそれぞれ形成された両サイドスプラインがトルク伝達可能に噛み合わされ、連結ボルトによって前記ハブホイールのハブ軸と前記等速ジョイントの外輪とが連結された車輪用軸受装置であって、
    前記等速ジョイントの外輪の端壁部には、前記連結ボルトの軸部が圧入される貫通孔が貫設され、
    前記連結ボルトの軸部は、その頭部下面が前記等速ジョイントの外輪の端壁部の内側面に当接する位置まで前記貫通孔に圧入された状態で、前記ハブ軸の中心孔に挿通されると共に、その軸部先端部が前記ハブ軸の外側端面から突出され、
    前記連結ボルトの軸部先端部には、雄ねじ部が形成され、この雄ねじ部に締付ナットが締め付けられることで前記ハブホイールのハブ軸と前記等速ジョイントの外輪とが連結されていることを特徴とする車輪用軸受装置。
  2. 請求項1に記載の車輪用軸受装置であって、
    ハブホイールのハブ軸の端部は、半径方向外方へかしめられて転がり軸受の内輪を固定するかしめ部が形成され、このかしめ部の端面にサイドスプラインが形成されていることを特徴とする車輪用軸受装置。
  3. 請求項1又は2に記載の車輪用軸受装置であって、
    連結ボルトの頭部は非円形に形成される一方、
    等速ジョイントの外輪の端壁部の内側面には、連結ボルトの頭部を回止して嵌合させる凹部が形成されていることを特徴とする車輪用軸受装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の車輪用軸受装置であって、
    締付ナットにはその座部に円形鍔部が形成される一方、
    ハブホイールのハブ軸の外側端面には、前記締付ナットの円形鍔部と略同径の内径寸法を有す芯合わせ用の凹部が形成されていることを特徴とする車輪用軸受装置。
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