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JP5093664B2 - 移動体システム - Google Patents

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JP5093664B2 JP2008025935A JP2008025935A JP5093664B2 JP 5093664 B2 JP5093664 B2 JP 5093664B2 JP 2008025935 A JP2008025935 A JP 2008025935A JP 2008025935 A JP2008025935 A JP 2008025935A JP 5093664 B2 JP5093664 B2 JP 5093664B2
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Description

この発明はリニアモータを用いた移動体システムに関し、特に移動体の走行ルートに対する座標を求めることに関する。
クリーンルームなどでの物品の搬送に、地上側が1次、機上側が2次のリニアモータにより、移動体を移動させるシステムが知られている。リニアモータの種類は例えばLSM(リニア同期モータ)で、地上側にコイルを設け、機上側にマグネットなどの2次側部材を設ける。大規模なシステムは走行ルートが長くかつ複数のループやループ間の渡り部などを備えるため、走行ルートを複数のゾーンに分割し、ゾーン毎のゾーンコントローラでリニアモータを制御する。
リニアモータの1次側コイルに設けたリニアスケールなどにより、ゾーンコントローラはリニアスケールを基準とする移動体の座標を認識できる。しかしながらこの座標を互いに接続して、走行ルートに対する移動体の座標を求めることは知られていない。ここでゾーンコントローラは個々のリニアスケールを基準とする座標で移動体の位置を管理するため、1ゾーンに複数の移動体を配置することが困難になる。これは移動体の位置を走行ルート上の位置ではなく、コイルに対する位置で管理するため、移動体間の距離などを管理するのが難しいためである。
ゾーン当たりの移動体の数はシステムの搬送能力を表す。そこで発明者は、リニアスケール基準の座標ではなく、走行ルート上の位置を直接表現する座標系で移動体の位置を表現できるようにし、搬送能力を増すことを検討した。ここで関連する先行技術を示すと、特許文献1:特開2002−337037は、リニアスケールを用いて移動体の位置を検出することを提案している。
特開2002−337037
この発明の課題は、走行ルートに対する移動体の座標を既存のセンサで求めることにより、各ゾーンに複数台の移動体を走行させることができるようにすることにある。
この発明は、走行ルートに沿ってリニアモータの1次側コイルを配列すると共に、移動体にリニアモータの2次側を設け、前記走行ルートを複数のゾーンに分割して、各ゾーンのゾーンコントローラによりゾーン内のリニアモータのコイルを制御するようにした移動体システムであって、
前記コイルは移動体の座標を出力するリニアスケールを備え、
前記コイルのオフセットを記憶すると共に、前記リニアスケールからのリニアスケールを基準とする移動体の座標に、前記コイルのオフセットを加算することにより、走行ルートを基準とする座標に変換するための座標算出手段を、ゾーンコントローラに設けたことを特徴とする。
好ましくは、前記座標算出手段で求めた座標により移動体間の距離を求めるための手段を設けて、1ゾーン内を複数台の移動体の走行を自在にする。
より好ましくは、移動体にIDを設けると共に、各ゾーンに少なくとも1台のIDリーダを設けて、ゾーン内の移動体のIDを読み取る。
特に好ましくは、前記走行ルートは複数のサブルートに分割されており、前記リニアスケールを基準とする移動体の座標に前記コイルのオフセットを加算した座標は、サブルート内での座標であり、前記走行ルートを基準とする座標は、サブルート内での座標と、サブルートのIDとにより表される。
この発明では、リニアスケール基準の座標を走行ルートを基準とする座標に変換することにより、移動体の客観的な位置を求める。従って移動体間の車間距離を求めることができ、1つのゾーンに複数台の移動体を走行させることができる。
ここでゾーン内の移動体のIDをIDリーダで読み取ると、移動体が新たなゾーンに進入した際にどの移動体が進入したのかを特定でき、移動体の移動をトラッキングするのが容易になる。また停電などから復旧する際に、どの移動体がどのゾーンに存在するのかを確認できる。従って走行ルートに沿って作業者が巡回して移動体の配置を確認しなくても、システムを復旧できる。
さらに走行ルート基準での移動体の座標を、サブルートのIDとサブルート内での座標で表現すると、移動体の位置を一意に表現できる。またサブルート間の接続関係を記載したデータを参照することにより、目的地までの走行距離を容易に求めることができる。
以下に本発明を実施するための最適実施例を示す。
図1〜図7に、実施例の移動体システムを示す。図1に実施例での基本的な概念を示す。走行ルートはゾーン1〜ゾーン6までの複数のゾーンに分割され、このうちゾーン1〜4はインターベイルートで、ゾーン5,ゾーン6はイントラベイルートである。インターベイルートは基幹あるいは親となるサブルートで、イントラベイルートは枝あるいは子となるサブルートである。また各サブルートは原則としてループ状で、ルートとルートの間は渡り線24で接続されている。
各ゾーン毎にゾーンコントローラC1〜C6を設け、これらをシステム全体を制御するコントローラ30で制御する。ゾーン1の走行ルートの一部を拡大して図1の下側に示す。走行ルートに沿ってリニア同期モータの1次側コイル42が例えば所定のピッチで配列され、これらのリニアモータの2次側のマグネットを備えた移動体44が移動する。各コイル42はリニアスケール43を備えて、移動体44のマグネット45などを磁気的に検出する、あるいは移動体44に設けた光学式のスケールを読み取るなどにより、リニアスケール43の設置位置を基準とする移動体44の座標を出力する。
コントローラC1などは、サブルート単位での座標系での各走行ルートでのコイル42のオフセットを記憶し、オフセットとリニアスケールからの座標とを加算し、サブルート内での座標を求める。ゾーンコントローラC1などは以上のようにして、サブルートでの移動体の位置を求め、サブルートのIDや種別を付加した絶対座標に変換し、周囲のゾーンコントローラやコントローラ30に出力する。またここでコイル42,42の配列ピッチを、移動体44とリニアスケール43との組み合わせで定まる測定スパンよりも短くし、移動体の座標をギャップ無しで連続的に測定することが好ましい。
図2に移動体システムのレイアウトを示す。なお図1と同じ符号は同じものを表し、ゾーン1〜ゾーン4とゾーン8〜ゾーン9とで、2車線の基幹ループ20を構成する。またゾーン14,15で1車線の基幹ループ21を構成する。ゾーン12,13により、イントラベイルート22,22を構成する。図の1点鎖線はゾーンの境界を示し、24は渡り線で、イントラベイルート22,22を基幹ループ20,21と接続し、また2車線の基幹ループ20で車線間を接続する。26はショートカットで、ループ20,21をより短時間で走行できるようにする。
ゾーンコントローラC1〜C15は対応するゾーンを管理し、各ゾーンには少なくとも1台のIDリーダI1〜I45を設け、移動体のIDを読み取る。IDリーダI1〜I45はここではゾーンの入口側と分岐の上流側とに設けるが、リニアモータのコイル毎に設けても良い。なお図2の矢印は移動体の走行方向を表す。
図3に、ゾーン1を例に、IDリーダの配置や渡り線24の配置を示す。IDリーダはゾーンへの入口と分岐の手前とに配置する。これによって移動体がゾーン1内に進入するとIDを読み取ることができ、また分岐の手前でIDを読み取り、直進か分岐かを制御できる。実施例では移動体はメカニカルな機構により分岐や合流を行うものとするが、リニアモータにより分岐や合流を制御しても良く、D1〜D4は分岐装置、M1〜M3は合流装置で、これらは図2の各分岐部や合流部毎に設けられている。
32はバスで、コントローラ30と各ゾーンコントローラC1などを接続し、コントローラ30はゾーンコントローラC1などに搬送指令を送信し、ゾーンコントローラC1などはコントローラ30に対して絶対座標での移動体の現在位置と速度とを報告する。またゾーンコントローラC1などは上流側のゾーンコントローラに、ゾーンの境界での制限速度を通知し、上流側のゾーンコントローラはゾーンの境界での制限速度を加味して、移動体の速度を規制する。
図4に、リニアスケール43の配置と、ゾーンコントローラの構成とを示す。移動体44は永久磁石などのマグネット45を備え、コイル42からの移動磁界と同期して走行し、図示しない車輪などにより重力を支持する。そしてリニアスケール43と磁極センサ47とが例えばコイル42と一体に設けられ、磁極センサ47でマグネット45の磁極の数をカウントする。リニアスケール43は、リニアスケール43に対するマグネット45の位相などを検出し、磁極センサ47の信号と組み合わせて、リニアスケール43を基準とする移動体44の位置を求める。移動体44はRFIDやバーコードなどのID46を備え、IDリーダI1などで読み取られる。40は電源線、41は信号線で、ゾーンコントローラC1などは信号線41からコイル42を制御し、リニアスケール43やIDリーダからのデータを受け取る。そして電源線40からコイル42に電流を供給する。ゾーンコントローラC1などは、これ以外に、ステーションに設けた移載装置50などを制御し、分岐装置D1などや合流装置M1などを制御する。
ゾーンコントローラC1などはそれぞれ、絶対座標算出部51を備えている。リニアスケール43からの信号は、コイル42のIDを含んでおり、絶対座標算出部51は、コイルのIDをコイルが属するサブルートのIDと、そのサブルートの原点を基準とするオフセットに変換するテーブルを備えている。そこでリニアスケール43からの座標にオフセットを加算し、リニアスケールの属するサブルートのIDや種別を付加すると、全走行ルートに渡って移動体44の位置を一意を特定する、絶対座標が得られる。走行ルートの種別は例えば大規模基幹ループと中規模基幹ループ、並びにイントラベイルートや渡り線などである。
目標速度設定部52は移動体44の目標速度を設定し、これに従ってコイル42を制御する。例えばコイル42の配列ピッチなどに対応したサイズのセグメント毎に、走行速度の上限が規定されている。次に移動体44間の距離により、干渉を防止するための制限速度が定まる。ここで先行する移動体が最大減速度で減速した際に、後行の移動体が最大減速度で減速すると干渉を回避できる速度を、制限速度とする。また各ゾーンコントローラは、上流側のゾーンコントローラに対し、ゾーンの境界での制限速度を通知する。ゾーン境界での制限速度は、下流側のゾーン内の移動体44と干渉せずに、また下流側のゾーンの出口を制限速度内で通過できるように、上流側のゾーンから移動体が進入するための最大速度である。ゾーン境界での制限速度を通知すると、上流側のゾーンコントローラは、下流側のゾーンでの移動体の位置や速度を考慮する代わりに、ゾーン境界での制限速度を考慮すればよい。このため上流側のゾーンコントローラでの処理が容易になる。
モータ制御部53はリニアモータの1次コイルであるコイル42を制御する。移載制御部54は、ステーションで停止している移動体44に対する、移載装置50の動作を制御する。分岐制御部55は分岐装置D1や合流装置M1などを制御し、移動体44の分岐や合流を制御する。
ゾーンコントローラC1などは通信部56を備え、バス32を介して他のゾーンコントローラC2などや、コントローラ30との間で通信する。ゾーンコントローラ間の通信は、上流側のゾーンコントローラに対する制限速度の通知と、下流側のゾーンコントローラに対する、進入する移動体のIDや行き先などのデータの通知である。またコントローラ30とゾーンコントローラC1などの間では、ゾーンコントローラ側から移動体の絶対座標や速度をコントローラ30へ通知する。コントローラ30はゾーンコントローラC1などへ、移動体のIDと走行指令とを通知する。走行指令には、移動体のIDや目的地と、目的地までに通過するサブルートのリストが含まれている。
図5に絶対座標データ60〜62を示す。データ60は大規模基幹ループ用のデータで、種別として先頭1ビットに例えば0が割り振られ、ルートのIDとルート内の座標を記載する。データ61は中規模基幹ループ用で、種別は例えば2ビットの10で表され、ルートのIDとルート内の座標を記載する。データ62はイントラベイルートや渡り線用で、種別データは11の2ビットで、ルートIDとルート内の座標を記載する。データ60〜62はデータ長が共通である。また同じサブルート内では、前方位置への距離は現在位置が分かれば判明する。同じルート内の後方位置への距離間隔は、ルートの全長が分かれば判明する。
64はルートテーブルで、例えばコントローラ30に記憶し、これ以外にゾーンコントローラC1〜C15に記憶してもよい。ルートテーブル64を1サブルート分図6に示すと、ルートのIDと種別並びにルートの全長が記載されている。1つのサブルートには一般に1〜複数個の接続元ルートと、接続先ルートとがある。接続元とは上流側を、接続先は下流側を意味する。そこで接続元や接続先の各ルートに対してルートのIDと、接続位置の座標を接続元と接続先の双方で記載する。このようにすれば、全走行ルート上の任意の位置と任意の位置との間の距離が判明する。
図7に、上流側のゾーンから下流側のゾーンへ移動体が移動する際のアルゴリズムを示す。下流側のゾーンコントローラは上流側ゾーンコントローラに対し、例えば所定の時間間隔で、ゾーン境界での制限速度を通知する。これによって上流側のゾーンコントローラでは、移動体が下流側に進入した際に先行する移動体と干渉するなどの事態を防止するように速度を規制する。下流側のゾーンへ移動しようとする移動体が存在する場合、上流側のゾーンコントローラから移動体のIDや行き先(目的地までに走行するルートのリスト)を通知する。これによって下流側のゾーンコントローラは移動体の到着に備えた処理を行うことができ、ゾーンの入口のIDリーダで移動体のIDを検出すると、移動体が到着したことをIDと共に、上流側のゾーンコントローラに通知する。これによって下流側に移動した移動体を上流側のゾーンコントローラの管理対象から削除し、下流側のゾーンコントローラの管理対象に追加する。
実施例では物品搬送用の移動体を示したが、移動体の種類は任意である。また用いるリニアモータの種類はリニア同期モータには限らない。
実施例では以下の効果が得られる。
(1) コイルのリニアスケールを用いて、全走行ルートに対する移動体の位置を、一意に特定できる。
(2) このため1ゾーン内に複数台の移動体を走行させることが容易になり、移動体システムの効率が向上する。
(3) ゾーンに設けたIDリーダにより、どの移動体がどのゾーンを通過したかのトラッキングを容易にし、移動体がゾーン間の境界を通過する際の処理を容易にする。また停電などからシステムを復旧させる場合も、ゾーン内の移動体を低速で走行させ、IDリーダでIDを検出すれば、システムの状態が判明する。
(4) 走行ルート全体に対する移動体の位置を、絶対座標により一意に特定できる。
実施例の移動体システムの要部平面図 実施例の移動体システムのレイアウトを示す平面図 実施例でのゾーンコントローラの制御範囲を模式的に示す図 実施例でのゾーンコントローラの構成を示すブロック図 実施例での絶対座標のデータ構造を示す図 実施例でのルートテーブルのデータを1ルート分示す図 実施例で、ゾーンコントローラ間の境界を移動体が通過する際の制御を示す図
符号の説明
1〜15 ゾーン
20,21 基幹ループ
22 イントラベイループ
24 渡り線
26 ショートカット
30 コントローラ
32 バス
40 電源線
41 信号線
42 コイル
43 リニアスケール
44 移動体
45 マグネット
46 ID
47 磁極センサ
50 移載装置
51 絶対座標算出部
52 目標速度設定部
53 モータ制御部
54 移載制御部
55 分岐制御部
56 通信部
60〜62 絶対座標データ
64 ルートテーブル

C1〜C15 ゾーンコントローラ
I1〜I45 IDリーダ
D1〜D4 分岐装置
M1〜M3 合流装置

Claims (4)

  1. 走行ルートに沿ってリニアモータの1次側コイルを配列すると共に、移動体にリニアモータの2次側を設け、前記走行ルートを複数のゾーンに分割して、各ゾーンのゾーンコントローラによりゾーン内のリニアモータのコイルを制御するようにした移動体システムであって、
    前記コイルは移動体の座標を出力するリニアスケールを備え、
    前記コイルのオフセットを記憶すると共に、前記リニアスケールからのリニアスケールを基準とする移動体の座標に、前記コイルのオフセットを加算することにより、走行ルートを基準とする座標に変換するための座標算出手段を、ゾーンコントローラに設けたことを特徴とする、移動体システム。
  2. 前記座標算出手段で求めた座標により移動体間の距離を求めるための手段を設けて、1ゾーン内を複数台の移動体の走行を自在にしたことを特徴とする、請求項1の移動体システム。
  3. 移動体にIDを設けると共に、各ゾーンに少なくとも1台のIDリーダを設けて、ゾーン内の移動体のIDを読み取るようにしたことを特徴とする、請求項2の移動体システム。
  4. 前記走行ルートは複数のサブルートに分割されており、前記リニアスケールを基準とする移動体の座標に前記コイルのオフセットを加算した座標は、サブルート内での座標であり、前記走行ルートを基準とする座標は、サブルート内での座標と、サブルートのIDとにより表されることを特徴とする、請求項3の移動体システム。
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