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JP5087901B2 - 車輪用転がり軸受装置 - Google Patents

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JP5087901B2 JP2006294471A JP2006294471A JP5087901B2 JP 5087901 B2 JP5087901 B2 JP 5087901B2 JP 2006294471 A JP2006294471 A JP 2006294471A JP 2006294471 A JP2006294471 A JP 2006294471A JP 5087901 B2 JP5087901 B2 JP 5087901B2
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Description

本発明は、例えば、自動車等の車両の車輪を支持する車輪用転がり軸受装置に関する。
自動車等の車両には、車輪を支持するための車輪用転がり軸受装置が用いられている。この車輪用転がり軸受装置は、車両のブレーキロータや車輪が取り付けられるフランジを有する回転輪と、車両側に固定され前記回転輪に同心に配置された固定輪と、前記回転輪と前記固定輪との間にそれぞれ転動自在に配置された複数の転動体とを備えている。
上記車輪用転がり軸受装置においては、軽量化のために、前記フランジが、前記回転輪から径外方向に放射状に延びるとともに、車両のブレーキ及び前記車両の車輪を固定するためのハブボルトが固定される貫通孔が形成された複数のアーム部より構成されているものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−94905号公報(図2)
このような車輪用転がり軸受装置のフランジには、前記ブレーキロータが、前記複数のアーム部の車両外方側に向く外側面に当接した状態で、前記ハブボルトと、このハブボルトに螺合するハブナットとでを締め付けられて固定されている。
しかし、上記従来の車輪用転がり軸受では、前記フランジが前記複数のアーム部によって構成されているので、フランジが全周に渡って連続的に形成されたものと比較して、軽量化を図ることができるものの、その剛性が不足するおそれがある。
このため、前記アーム部全体の肉厚を増加することにより、前記アーム部の剛性を高めるようにしていたが、アーム部全体の肉厚を増加すると、前記ブレーキの取付部が当接する外側面の軸方向位置等が変わる等、当該車輪用転がり軸受装置を含むナックル全体としての設計寸法を変更しなければならない場合があり、アーム部全体の形状を大幅に変更することは好ましくない。このため、フランジの寸法、特に、フランジを構成するアーム部の外側面の軸方向位置を変更せず、その剛性を高める方策が嘱望されていた。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、フランジの寸法を大きく変更することなく、当該フランジの剛性を高めることができる車輪用転がり軸受装置を提供することを目的とする。
本発明は、車両のブレーキロータ及び車輪が取り付けられるフランジを有する回転輪と、前記車両側に固定され前記回転輪に同心に配置された固定輪と、
前記回転輪と前記固定輪との間にそれぞれ転動自在に配置された複数の転動体とを備え、前記フランジが、前記回転輪から径方向外方に放射状に延びるとともに、前記ブレーキロータ及び車輪を取り付けるためのハブボルトが固定される貫通孔が形成され、車両外方側に向く外側面に前記ブレーキロータが当接して固定される複数のアーム部よりなる車輪用転がり軸受装置において、前記アーム部の、前記車両内方側に向く内側面に、前記ハブボルトの頭部が当接する当該アーム部のボルト座面よりも前記車両内方に突出することで厚肉とされ、前記ハブボルトの頭部の、前記アーム部の径方向外側以外部分を囲むように、前記回転輪から前記アーム部の両側縁部に沿って径方向外方に延びる厚肉部が形成されていることを特徴とするものである。
上記のように構成された車輪用転がり軸受装置によれば、厚肉部を当該アーム部の両側縁部に沿って形成したので、この厚肉部がアーム部を補強するリブとして機能し、アーム部の剛性を高めることができる。また、厚肉部は、アーム部の内側面に、ボルト座面よりも車両内方側に突出して厚肉に形成されているので、アーム部の外側面の軸方向位置を変更する必要がない。
上記車輪用転がり軸受装置において、前記厚肉部の径外方向の先端縁が、前記貫通孔の中心位置よりも、径方向外方に位置していることが好ましい。
この場合、アーム部において、比較的剛性の低くなる貫通孔が位置する部分の両側縁部に厚肉部が形成されるので、より効果的にアーム部の剛性を高めることができる。
また、厚肉部の径方向外側の先端部は、基端部から径外方向に延ばされ、アーム部の両側縁部にリブ状に形成されるとともに、ハブボルト頭部の両側を囲うように形成されており、径外方向の先端縁に向かって序々に薄肉となるように傾斜して滑らかにボルト座面と繋がっているようにしてもよい。
このように、先端部の先端縁に滑らかにかに繋ぐことで、厚肉部の先端部とボルト座面との境界に応力が集中するのを防止できる。
本発明の車輪用転がり軸受装置によれば、車両内方側に突出する厚肉部によってアーム部が補強されるので、アーム部により構成されるフランジの寸法を大きく変更することなく、当該フランジの剛性を高めることができる。
次に、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照しながら説明する。図1は本発明の一実施形態である車輪用転がり軸受装置の構成を示す断面図である。この車輪用転がり軸受装置10は、自動車などの車両の車輪を懸架装置に対して回転自在に支持するものである。
車輪用転がり軸受装置10は、外輪11と、内軸(ハブ)12と、外輪11と内軸12間に配置された転動体としての複数の玉13と、これらの玉13をそれぞれ周方向等間隔に保持する保持器14と、外輪11と内軸12との間の環状の隙間を密封するシール部材15,18と、を備えている。
外輪11は、車両側に固定される固定輪であり、その内周面には第一および第二の外輪軌道11a,11bが形成され、外周面には車両の図示しない懸架装置に取り付けるための取付部11cが形成されている。
内軸12は、回転輪であると同時に車両の車輪が取り付けられる車軸を構成しており、外輪11の内周側に同心に配置されている。また、内軸12は、内軸本体16と、内輪17とを組合わせて構成されている。
内軸本体16は、一端部側に車輪を構成するホイールW、及びブレーキロータとしてのブレーキドラムBが取り付けられるフランジ20と、これらホイールW及びブレーキドラムBの内径面に嵌め込まれるインロー部16cと、が形成されている。また、他端部側には内輪軌道12aよりも小径の小径部16bが形成されている。また、内軸本体16の外周面には、第1の外輪軌道11aに対向する第一の内輪軌道16aが形成されている。
内輪17は、円環状に成形されており、内軸本体16の小径部16bに圧入状態で挿入されるとともに、内軸本体16の他端部に形成されたかしめ部16dによって軸方向への移動が規制されることで、内軸本体16に一体回転可能に固定されている。また、この内輪17の外周面には、第二の外輪軌道11bに対向する第二の内輪軌道17aが形成されている。
上記第一および第二の外輪軌道11a,11bと第一および第二の内輪軌道16a,17aとの間には、それぞれ複数の玉13が各軌道に対して所定の接触角をもって転動自在に配置されており、この車輪用転がり軸受装置10は複列のアンギュラ玉軸受を構成している。従って、内軸12は、外輪11に対して回転自在に支持される。
なお、当該車輪用転がり軸受装置10は、ホイールWが取り付けられるフランジ20が形成された内軸本体16の一端部側(紙面右側)が車両外方側となり、他端部側(紙面左側)が車両内方側となるように車両に固定される。
図2は、図1中の矢印Aの方向から見たときのフランジ20の形状を示した外観図である。図1及び図2を参照して、フランジ20は、回転輪としての内軸12(内軸本体16)から径方向外方に放射状に延びる4つのアーム部21より構成されている。これらアーム部21は、周方向に等間隔に配置されており、ブレーキドラムB及びホイールWを固定するためのハブボルトHが固定される貫通孔22が、当該アーム部21の中央部に形成されている。
貫通孔22の内周面とハブボルトHの外周面とは、互いに噛み合うスプライン溝が形成されており、ハブボルトHは、貫通孔22に対してスプライン嵌合することによって、アーム部21に固定されている。
アーム部21の車両外方側に向く外側面21aには、ブレーキドラムBがその取付部B1を当接させた状態で配置される。このブレーキドラムBの外方側には、さらに、ホイールWが重ねられ、これらブレーキドラムB及びホイールWは、外側面21aとハブボルトHに螺合するハブナットNとによって挟持されることでアーム部21に固定され、フランジ20に取り付けられる。
アーム部21の車両内方側に向く内側面21bには、軸方向直交面に対してほぼ平行とされ、ハブボルトHの頭部H1aが当接するボルト座面23が形成されている。さらに、内側面21bには、ボルト座面23よりも車両内方に突出することで厚肉とされ、ハブボルトH1の頭部H1aの周囲を囲むように、内軸本体16からアーム部21の両側縁部に沿って径外方向に延びる厚肉部24が形成されている。
厚肉部24の内軸本体16側の基端部24aは、厚肉部24を正面視したときに、アーム部21の両側縁部、内軸本体16の外周面、及び基端部24aのボルト座面23との境界部24a1によって囲まれる部分全域に渡って厚肉となるように形成されている。また、基端部24aのボルト座面23との境界部24a1は、ハブボルトHの頭部H1の周囲を囲むように形成されている。このようにして、厚肉部24の基端部24aは、頭部H1を回避しつつ、アーム部21の基端部が厚肉となるように形成されており、これによって、アーム部21の基端部における強度を高めることができる。
厚肉部24の径方向外側の先端部24bは、基端部24aから径外方向に延ばされ、アーム部21の両側縁部にリブ状に形成されるとともに、ハブボルトHの頭部H1の両側を囲うように形成されており、その径外方向の先端縁24b1に向かって序々に薄肉となるように傾斜して滑らかにボルト座面23と繋がっている。このように、先端部24bの先端縁24b1を滑らかに繋ぐことで、厚肉部24の先端部24bとボルト座面23との境界に応力が集中するのを防止している。また、先端部24bの先端縁24b1は、貫通孔22の中心軸22aよりも径方向外方に位置するように形成されている。
上記構成の車輪用転がり軸受装置10は、アーム部21より構成されるフランジ20にブレーキドラムB及びホイールWが取り付けられるとともに、外輪11が車両側の懸架装置に固定され、ホイールWを含む車輪を車両に対して回転自在に支持する。
上記のように構成された本実施形態の車輪用転がり軸受装置10によれば、厚肉部24をアーム部21の両側縁部に沿って形成したので、この厚肉部24がアーム部21を補強するリブとして機能し、アーム部21の剛性を高めることができる。また、この厚肉部24は、内側面21bに、アーム部21のボルト座面23よりも車両内方側に突出して厚肉に形成されているので、アーム部21の外側面21aの軸方向位置を変更する必要がなく、フランジ20としての寸法を大きく変更する必要がない。
以上のように、本実施形態の車輪用転がり軸受装置10は、アーム部21に形成した厚肉部24によって、フランジ20の寸法を大きく変更することなくその剛性を高めることができるので、ブレーキドラムBの歪みを緩和すべく当該ブレーキドラムBの取付部B1の剛性が低く設定されたとしても、当該車輪用転がり軸受装置10を含むナックル全体としての設計変更をすることなく、取付部B1の剛性を補完し、ブレーキドラムBの早期破損を防止することができる。
また、上記本実施形態では、厚肉部24の先端縁24b1が、貫通孔22の中心軸22aよりも、径方向外方に位置しているため、アーム部21において、比較的剛性の低くなる貫通孔22が位置する部分の両側縁部に厚肉部24が形成される。この結果、より効果的にアーム部21の剛性を高めることができる。
なお、本発明の車輪用転がり軸受装置は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、複列のアンギュラ玉軸受を構成したものを示したが、例えば、複列の円錐ころ軸受や、単列の玉軸受等を構成する転がり軸受装置にも適用することができる。また、上記実施形態では、外輪11を固定輪、内軸12を回転輪とした場合を示したが、外輪を回転輪、内輪を固定輪とした転がり軸受装置にも本発明は適用することができる。
また、上記実施形態では、ブレーキロータとして、ドラムブレーキのブレーキドラムを取り付けた場合を示したが、ディスクブレーキのディスクロータに対しても適用することができる。
本発明の第一の実施形態である車輪用転がり軸受装置の構成を示す断面図である。 図1中の矢印Aの方向から見たときのフランジの形状を示した外観図である。
符号の説明
10 車輪用転がり軸受装置
11 外輪(固定輪)
12 内軸(回転輪)
13 玉(転動体)
20 フランジ
21 アーム部
21a 外側面
21b 内側面
22 貫通孔
23 ボルト座面
24 厚肉部
24b1 先端縁
B ブレーキドラム(ブレーキロータ)
H ハブボルト
H1 頭部
W ホイール(車輪)

Claims (2)

  1. 車両のブレーキロータ及び車輪が取り付けられるフランジを有する回転輪と、
    前記車両側に固定され前記回転輪に同心に配置された固定輪と、
    前記回転輪と前記固定輪との間にそれぞれ転動自在に配置された複数の転動体とを備え、
    前記フランジが、前記回転輪から径方向外方に放射状に延びるとともに、前記ブレーキロータ及び車輪を取り付けるためのハブボルトが固定される貫通孔が形成され、車両外方側に向く外側面に前記ブレーキロータが当接して固定される複数のアーム部よりなる車輪用転がり軸受装置において、
    前記アーム部の、前記車両内方側に向く内側面に、前記ハブボルトの頭部が当接する当該アーム部のボルト座面よりも前記車両内方に突出することで厚肉とされ、前記ハブボルトの頭部の、前記アーム部の径方向外側以外部分を囲むように、前記回転輪から前記アーム部の両側縁部に沿って径方向外方に延びる厚肉部が形成されていることを特徴とする車輪用転がり軸受装置。
  2. 厚肉部の径方向外側の先端部は、基端部から径外方向に延ばされ、アーム部の両側縁部にリブ状に形成されるとともに、ハブボルト頭部の両側を囲うように形成されており、径外方向の先端縁に向かって序々に薄肉となるように傾斜して滑らかにボルト座面と繋がっている請求項1に記載の車輪用転がり軸受装置。
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