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JP5081393B2 - 鳥インフルエンザ予防剤 - Google Patents

鳥インフルエンザ予防剤 Download PDF

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Description

この発明は、鳥インフルエンザ予防剤に係り、特に鳥インフルエンザを効果的に予防することができる鳥インフルエンザ予防剤に関するものである。
近年、例えば、養鶏分野においては、鳥にインフルエンザウィルスが感染した鳥インフルエンザが流行して問題になっている。この鳥インフルエンザは、鳥のみならず、人間にも感染するおそれがあり、その予防策が研究されている。
従来、鳥インフルエンザの予防策には、遺伝子の組み換えウィルスを構築し、このウィルスを組み換えて生ワクチンとして鳥に接種するものがある。
国際公開WO98/03635号公報
ところが、従来、ワクチンを鳥に接種する鳥インフルエンザの予防策の場合に、遺伝子の組み換え等を行うする必要があり、遺伝子の抽出やその組み換え等によりその工程が面倒になるという不都合があった。また、このように生成されたワクチンは、他の異なる液体として用いることができず、汎用性が低かったという不都合があった。
また、従来、殺菌剤等としては、有機系のものと金属系のものとがある。多種多様な菌類を殺菌するためには、有機化学反応に基づく有機系の殺菌剤よりも物理的反応に基づく金属系の殺菌剤の方が有利に思われている。金属系の殺菌剤では、銅、錫、亜鉛、銀等を用いたものが知られている。このうち、銀を用いた殺菌剤は、安全性に優れ、その効果にも確実性が高いものである。銀は高価であるので、銀を細かく分散させて使う必要があるが、銀をナノサイズの粒子にまで細分化して安定して分散させることは、困難であった。また、低濃度状況下でのナノサイズ銀粒子と菌との効率的接触を確保する必要があった。このような状況下で、菌や銀を効率良く補足し、鳥等に対して害のないものが求められていた。
そこで、この発明は、発明者の鋭意研究の結果、骨に関係するリン酸カルシウム、この重合体であるヒドロキシアパタイトが良いことに着目し、ヒドロイキシアパタイトがタンパク質やアミノ酸等の付着に優れており、特に、ヒドロイキシアパタイトがナノサイズ銀粒子と菌との効率的接触を確保する場を提供するものとして優れていることから、銀の有する効能を十分に活用させ、鳥インフルエンザを簡単で且つ効果的に予防することを目的とする。
この発明の鳥インフルエンザ予防剤は、10nm以下の粒径に微粒子化した銀を純水に混入して銀コロイド溶液を生成し、前記微粒子化した銀の粒径の3倍以上で且つ500nm以下の粒径に微粒子化したハイドロキシアパタイトを純水に混入してハイドロキシアパタイト溶液を生成し、前記銀コロイド溶液を前記ハイドロキシアパタイト溶液中に分散させて生成した銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液からなることを特徴とする。
この発明は、銀コロイド溶液をハイドロキシアパタイト溶液中に分散させて生成した銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液からなる鳥インフルエンザ予防剤により、銀の有する効能を十分に活用させ、鳥インフルエンザを簡単で且つ効果的に予防することができる。
この発明は、鳥インフルエンザを簡単で且つ効果的に予防するために、銀コロイド溶液をハイドロキシアパタイト溶液中に分散させた銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液を生成して実現するものである。
以下、図面に基づいてこの発明の実施例を詳細且つ具体的に説明する。
図1〜図10は、この発明の実施例を示すものである。
図1において、2は鳥インフルエンザ予防剤である。この鳥インフルエンザ予防剤2は、銀コロイド溶液4をハイドロキシアパタイト溶液6中に分散させて生成した銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液8からなる。
銀コロイド溶液4は、図2に示す如く、設定粒径以下に微粒子化した銀10を第1の液体12に混入して生成され、微粒子化した銀10を各微粒子上に存在する電荷によって第1の液体12に浮遊させ、この微粒子化した銀10を第1の液体12中に分散している。
微粒子化した銀10は、電気分解やジルコニウム機械分散法等の適宜技法により、設定粒径以下として、例えば、10nm(ナノメータ)サイズ以下、好ましくは、4nmサイズに微粒子化して形成され、第1の液体12中に分散する物質(分散質)である。このようなサイズに微粒子化した銀10は、微粉末状であり、銀イオンを保有し、鳥インフルエンザウィルスの不活性化を効率良くするとともに、殺菌力を有して飲料水等の腐敗防止にも有効である。
第1の液体12は、例えば、純水であり、微粒子化した銀10を分散させる物質(分散媒)である。第1の液体12は、純水として、微粒子化した銀10の銀イオンと反応してしまうマイナスイオンを減少させるように、適宜手段により生成されている。従って、第1の液体12中においては、微粒子化した銀10の銀イオンが減少されにくいものである。
銀コロイド溶液4は、設定粒径以下に微粒子化した銀10と第1の液体12とを所定の割合で混合し、所定条件の下で生成される。微粒子化した銀10は、銀コロイド溶液4をハイドロキシアパタイト溶液6中に分散させて銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液8が生成された場合に、鳥に感染する鳥インフルエンザウィルスを不活性化する所定濃度(例えば、0.5〜100ppm、1〜10ppm、最も好ましくは、2〜5ppm)に調整されるような所定量で、所定量の第1の液体12に混入される。このように、銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液8中において、上記の所定濃度に調整された微粒子化した銀10は、銀イオンにより鳥インフルエンザウィルスを分解し、鳥インフルエンザウィルスの不活性化を最も効率良く行う。
ハイドロキシアパタイト溶液6は、図3に示す如く、設定粒径以下に微粒子化されたハイドロキシアパタイト14を第2の液体16に混入して生成される。ハイドロキシアパタイト14は、水酸基を有し、六方晶系でリン酸カリシウムの一種であり、イオン交換性に優れ、アミノ酸、タンパク質、有機酸等と特異的に反応し、親水性(水との親和性)が良いものである。また、ハイドロキシアパタイト14は、タンパク質やアミノ酸等の付着に優れており、特に、ナノサイズ銀粒子と菌との効率的接触を確保する場を提供するものとして優れている。
この微粒子化したハイドロキシアパタイト14は、適宜技法により、微粒子化した銀10の粒径よりも大きな粒径で且つ設定粒径以下(例えば、微粒子化した銀10の粒径の3倍以上で且つ500nm以下の粒径、最も好ましくは、15〜150nmの粒径)に微粒子化され、第2の液体16中に分散する物質(分散質)である。このように微粒子化されたハイドロキシアパタイト14は、微粉末状であり、比表面積が、例えば、100m2/g程度と大きく形成され、多孔質で、吸着性に優れているものである。特に、この微粒子化したハイドロキシアパタイト14は、15〜150nmの粒径に形成されることにより、微粒子化した銀10の吸着性を最も高くする。
この微粒子化したハイドロキシアパタイト14は、銀コロイド溶液4をハイドロキシアパタイト溶液6中に分散させて銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液8が生成された場合に、所定濃度(例えば、100ppm程度)に調整されるような所定量で、所定量の第2の液体16に混入される。このように、銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液8において、上記の所定濃度に調整されたハイドロキシアパタイト14は、多孔質で且つ比表面積が大きいことから、吸着性が良く、微粒子化した銀10を最も効率良く吸着する。
ハイドロキシアパタイト溶液6は、上述のように、設定粒径以下に微粒子化したハイドロキシアパタイト14と第2の液体16とが所定の割合で混合し、所定条件の下で生成される。
第2の液体16は、第1の液体12と同様に、純水であり、ハイドロキシアパタイト14を分散させる物質(分散媒)である。
銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液8は、所定量の銀コロイド溶液4を所定量のハイドロキシアパタイト溶液6に分散させ、所定条件の下で生成される。この銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液8中においては、鳥インフルエンザウィルスを不活性化する上記の所定濃度に調整された微粒子化した銀10と、この微粒子化した銀10の吸着性を高くする所定濃度に調整された微粒子化したハイドロキシアパタイト14とが、第1の液体12と第1の液体16との混合した液体中に分散され、そして、微粒子化したハイドロキシアパタイト14が、多孔質で且つ比表面積が大きくて吸着性が良いことから、ハイドロキシアパタイト14の水酸基により微粒子化した銀10をハイドロキシアパタイト14に保持させ、微粒子化した銀10を安定して存在させ、微粒子化した銀10が鳥インフルエンザウィルスに接触する機会し易い環境を維持させ、鳥インフルエンザウィルスが微粒子化した銀10に接触する機会を多くしている。
このように、銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液8から得られる鳥インフルエンザ予防剤2は、鳥に接種された場合に、微粒子化した銀10を鳥の体内に吸収させ易くして鳥のインフルエンザウィルスに対する免疫を強める等で鳥の体力を健康状態に維持させる。これは、特に、上述の所定濃度に調整された微粒子化した銀10の銀イオンが鳥インフルエンザウィルスの必要とする酵素のみを分解(破壊)するためであり、よって、鳥の体内には、必然的に鳥インフルエンザウィルスが生存することができなくなるからである。また、鳥インフルエンザウィルスの必要とする酵素は、微粒子化した銀10の銀イオンによって容易に分解される。
銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液8には、図4に示す如く、該銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液8中の環境を還元状態に維持して微粒子化した銀10の酸化を防止する還元剤18を、必要に応じて所要量混入する。この還元剤18は、例えば、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンE、β−カロチン、クエン酸、酢酸中の一種である。この場合、この還元剤18の濃度は、銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液8中において、例えば、1〜10mM(ミリモル)に調整される。このような濃度に調整された還元剤18は、微粒子化した銀10の酸化を最も効率良く防止する。
また、銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液8には、図5に示す如く、鳥の栄養源としての添加物20を、必要に応じて所要量混入する。この添加物20は、例えば、アミノ酸(必須アミノ酸の20種類、タウリン中のいくつかを含む、又は、ビタミン類(ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンD、ビタミンK中のいくつかを含む、又は、ミネラル類(カルシウム、マグネシウム、カリウム、セレニウム中のいくつかを含む)である。
この添加物20は、鳥に活力を与えるとともに、鳥の排泄物の臭いを抑制する防臭効果や菌の繁殖を抑制する殺菌効果を有する。このとき、添加物20をアミノ酸とした場合には、例えば、必須アミノ酸の20種類、タウリン中のいくつかを含むものであり、その濃度を1〜10mg/mlとする。また、添加物20をビタミン類とした場合には、例えば、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンD、ビタミンK中のいくつかを含むものであり、その濃度を0.1〜1mg/mlとする。更に、添加物20をミネラル類とした場合には、例えば、カルシウム、マグネシウム、カリウム、セレニウム中のいくつかを含むものであり、その濃度を0.1〜1mg/mlとする。このように、添加物20の各種が所定の濃度に調整されることにより、防臭効果や殺菌効果を高くすることができる。
また、銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液8には、図6に示す如く、還元剤18と添加物20との双方を混入することも可能である。この場合、銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液8中の微粒子化した銀10は、還元剤18と添加物20とにより、その有効性が高く維持される。
なお、銀コロイド溶液4をハイドロキシアパタイト溶液6に分散させる際には、シラノール基を持つシリカ系微粒子を分散した溶液を混入することも可能である。シラノール基を持つシリカ系微粒子は、銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液8中において、シラノール基の水素結合ネットに微粒子化した銀10やハイドロキシアパタイト14を保持して安定させ、微粒子化した銀10が鳥インフルエンザウィルスに接触する機会し易い環境を維持し、鳥インフルエンザウィルスが微粒子化した銀10に接触する機会をさらに多くする。
次に、この実施例の作用を図7のフローチャートに基づいて説明する。
図7に示すように、先ず、適宜技法により、設定粒径以下に微粒子化した銀10を作る(ステップS1)。そして、この微粒子化した銀10を所定量だけ所定量の第1の液体12に混入し(ステップS2)、この微粒子化した銀10を第1の液体12中に分散させて銀コロイド溶液4を生成する(ステップS3)。この銀コロイド溶液4は、微粒子化した銀10を第1の液体12中に分散させたコロイド液である。
また、適宜技法により、設定粒径以下に微粒子化したハイドロキシアパタイト14を作る(ステップS4)。このハイドロキシアパタイト14は、微粒子化した銀10の粒径よりも大きな粒径で且つ設定粒径以下に微粒子化される。そして、この微粒子化したハイドロキシアパタイト14を第2の液体16中に混入し(ステップS5)、ハイドロキシアパタイト溶液6を生成する(ステップS6)。このハイドロキシアパタイト溶液6は、微粒子化したハイドロキシアパタイト14を第2の液体16中に分散させた懸濁液である。
次いで、所定量の銀コロイド溶液4を所定量のハイドロキシアパタイト溶液6中に分散させ(ステップS7)、銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液8を生成する(ステップS8)。また、銀コロイド溶液4をハイドロキシアパタイト溶液6中に分散させる際には、シラノール基を持つシリカ系微粒子を分散した溶液を混入することも可能である。
この銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液8中には、微粒子化した銀10及び微粒子化したハイドロキシアパタイト14が分散している。この場合、この銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液8には、鳥の抵抗力を考慮し、最終的な所定濃度(例えば、0.5〜100ppm、1〜10ppm、最も好ましくは、2〜5ppm)に調整された微粒子化した銀10が混入している。このように、所定濃度に調整された微粒子化した銀10は、銀イオンにより鳥の体内において鳥インフルエンザウィルスの不活性化を効率良くする。
また、この銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液8には、最終的な所定濃度(例えば、100ppm程度)に調整されたハイドロキシアパタイト14が混入している。このように、所定濃度に調整されたハイドロキシアパタイト14は、多孔質で且つ比表面積が大きく吸着性が良いことから、その水酸基により微粒子化した銀10を保持して微粒子化した銀10を安定して存在させ、微粒子化した銀10が鳥インフルエンザウィルスに接触する機会し易い環境を維持し、よって、鳥インフルエンザウィルスが微粒子化した銀10に接触する機会を多くし、少量の微粒子化した銀10の銀イオンで効率良く鳥インフルエンザウィルスの不活性化を図ることができる。
更に、銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液8中にシラノール基を持つシリカ系微粒子を分散した溶液を混入した場合には、シラノール基の水素結合ネットに微粒子化した銀10やハイドロキシアパタイト14を保持して安定させることができる。
そして、この銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液8には、所望により、還元剤18及び/又は添加物20を所要量だけ混入し(ステップS9)、そして、この銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液8を鳥インフルエンザ予防剤2として用いる(ステップS10)。
このように製造された鳥インフルエンザ予防剤2を、鳥に飲ませる等で与えることにより、鳥に接種する。この場合、設定粒径以下に微粒子化した銀10により、鳥の体内には、微粒子化した銀10が効果的に吸収される。
このように、微粒子化した銀10が鳥の体内に効果的に吸収されることにより、鳥の体内に悪影響させることなく、ハイドロキシアパタイト14に保持された微粒子化した銀10の銀イオンにより多くの鳥インフルエンザウィルスを分解して不活性化し、鳥インフルエンザが予防される。つまり、鳥インフルエンザ予防剤2が鳥に接種された場合に、この鳥インフルエンザ予防剤2中の微粒子化した銀10が、鳥の体内に吸収され易く、そして、血液中に拡散して免疫を強くし、微粒子化した銀10の銀イオンにより鳥インフルエンザウィルスの必要とする酵素のみを分解し(不能化)、これにより、鳥の体内には必然的に鳥インフルエンザウィルスが生存することができなくなり、よって、鳥の体力を健康状態に維持することができる。
次いで、この鳥インフルエンザ予防剤2の試験状況について述べる。
(A)、試験材料
(1)、被検物質
銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液(微粒子化した銀:2.5ppm、微粒子化したハイドロキシアパタイト:100ppm)
(2)、使用したウィルス
(i)、ヒト・インフルエンザウィルス A/Aichi/2/68(H3N2)
(ii)、イヌ・パルボウィルス Cp49株
(3)、反応条件
銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液とウィルス液とを混合した後、37℃で、30分間振動して反応させ、その後、遠心して上清を試料として残存ウィルス数を測定した。この場合、ヒト・インフルエンザウィルスは、MDCK細胞を用いて測定した。イヌ・パルボウィルスは、CRFK細胞を用いて測定した。
(B)、試験結果
図8に示すように、銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液は、ヒト・インフルエンザウィルス及びイヌ・パルボウィルスに対して、略完全に(99.9%以上)不活性化/除去する。図9には、ヒト・インフルエンザウィルスに及ぼす銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液の影響を示す。図10には、イヌ・パルボウィルスに及ぼす銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液の影響を示す。
詳しくは、図8〜図10において、銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液が無い場合(−)には、ヒト・インフルエンザウィルスが23,800残存し、また、イヌ・パルボウィルスが148,000残存するが、銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液が有る場合(+)には、ヒト・インフルエンザウィルスが100以下の残存とし、また、イヌ・パルボウィルスが38以下の残存とし、この結果、各ウィルスが略完全に不活性化/除去されていることが明白であります。
この結果、鳥インフルエンザ予防剤2は、設定粒径以下に微粒子化した銀10を第1の液体12に混入して銀コロイド溶液4を生成し、設定粒径以下に微粒子化したハイドロキシアパタイト14を第2の液体16に混入してハイドロキシアパタイト溶液6を生成し、そして、前記銀コロイド溶液4を前記ハイドロキシアパタイト溶液6中に分散させて生成した銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液8からなる。これにより、ハイドロキシアパタイト14によって微粒子化した銀10を安定して保持させ、微粒子化した銀10の有する効能を十分に活用させ、微粒子化した銀10の銀イオンにより鳥インフルエンザを簡単で且つ効果的に予防することができる。
また、銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液8には、該銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液8中の環境を還元状態に維持して微粒子化した銀10の酸化を防止する還元剤(ビタミンC、ビタミンE、β−カロチン、クエン酸、酢酸中の一種)18を混入した。これにより、微粒子化した銀10の酸化が防止され、微粒子化した銀10の有する効能を鳥の体内で長く持続させ、鳥インフルエンザを効果的に予防することができる。
更に、銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液8には、鳥の栄養源としての添加物(アミノ酸(必須アミノ酸の20種、タウリン中のいくつか)、ビタミン類(ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンD、ビタミンK中のいくつか)、ミネラル類(カルシウム、マグネシウム、カリウム、セレニウム中のいくつか))20を混入した。これにより、鳥に栄養を十分与えて、鳥の体力を強め、鳥インフルエンザウィルスに対して抵抗力を高めて鳥に活力を与えるとともに、鳥の排泄物の臭いを抑制して防臭することができ、しかも、鳥の有する菌の繁殖を抑制して殺菌することができる。
また、銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液8を、少なくとも、飲料用ミネラルウォーター、飼料、噴霧剤にも用いることが可能である。この場合、銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液8を利用したい物に合わせて、微粒子化した銀10や液体等の混入する割合を変更することができ、銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液8の汎用性を高くすることができる。
更に、銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液8にシラノール基を持つシリカ系微粒子を分散した溶液を混入した場合には、ハイドロキシアパタイト14とシラノール基を持つシリカ系微粒子との性質により、微粒子化した銀10を効率良く保持して安定させて銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液8中に存在させ、微粒子化した銀10が鳥インフルエンザウィルスに接触する機会し易い環境を維持し、鳥インフルエンザウィルスが微粒子化した銀10に接触する機会をさらに多くし、微粒子化した銀10の銀イオンにより鳥インフルエンザを効率良く予防することができる。
なお、この発明は、上述の実施例に限定されず、種々応用改変が可能であることは勿論である。
例えば、ナノサイズの異なる複数の微粒子化した銀を液体に混入することにより、より効力が大きく且つ鳥の体力に見合った鳥インフルエンザ予防剤を得ることも可能である。
銀コロイド溶液をハイドロキシアパタイト溶液中に分散させて生成した銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液を、治療方法等にも適用させることができる。
鳥インフルエンザ予防剤を製造するブロック図である。 微粒子化した銀を液体に混入して銀コロイド溶液を生成するブロック図である。 微粒子化したハイドロキシアパタイトを液体に混入してハイドロキシアパタイト溶液を生成するブロック図である。 銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液に還元剤を混入するブロック図である。 銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液に添加物を混入するブロック図である。 銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液に還元剤及び添加物を混入するブロック図である。 鳥インフルエンザ予防剤の製造方法を説明するフローチャートである。 試験結果を説明する図である。 試験結果においてヒト・インフルエンザウィルスに及ぼす銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液の影響を示す図である。 試験結果においてイヌ・パルボウィルスに及ぼす銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液の影響を示す図である。
符号の説明
2 鳥インフルエンザ予防剤
4 銀コロイド溶液
6 ハイドロキシアパタイト溶液
8 銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液
10 微粒子化した銀
12 第1の液体
14 微粒子化したハイドロキシアパタイト
16 第2の液体
18 還元剤
20 添加物

Claims (6)

  1. 10nm以下の粒径に微粒子化した銀を純水に混入して銀コロイド溶液を生成し、前記微粒子化した銀の粒径の3倍以上で且つ500nm以下の粒径に微粒子化したハイドロキシアパタイトを純水に混入してハイドロキシアパタイト溶液を生成し、前記銀コロイド溶液を前記ハイドロキシアパタイト溶液中に分散させて生成した銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液からなることを特徴とする鳥インフルエンザ予防剤。
  2. 前記銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液中において、前記微粒子化した銀は、鳥に感染する鳥インフルエンザウィルスを不活性化する濃度1〜10ppmに調整されたことを特徴とする請求項1に記載の鳥インフルエンザ予防剤。
  3. 前記銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液には、該銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液中の環境を還元状態に維持して前記微粒子化した銀の酸化を防止する還元剤を混入したことを特徴とする請求項1に記載の鳥インフルエンザ予防剤。
  4. 前記銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液には、鳥の栄養源としての添加物を混入したことを特徴とする請求項1に記載の鳥インフルエンザ予防剤。
  5. 前記銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液は、少なくとも、飲料用ミネラルウォーター、飼料、噴霧剤として用られることを特徴とする請求項1に記載の鳥インフルエンザ予防剤。
  6. 前記銀−ハイドロキシアパタイト懸濁液には、シラノール基を持つシリカ系微粒子を分散した溶液を混入したことを特徴とする請求項1に記載の鳥インフルエンザ予防剤。
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