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JP5079434B2 - テープ式使い捨ておむつ - Google Patents

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Description

本発明は、テープ式使い捨ておむつに関するものである。
テープ式使い捨ておむつは、背側部分の幅方向両側部から、他方の部分と着脱自在に連結されるファスニングテープがそれぞれ突出されているものである(例えば特許文献1、2参照)。ファスニングテープは、背側部分に対する固定部と、背側部分から突出する突出部とを有し、この突出部は、連結のためのフックテープや粘着剤層等の連結部が設けられた先端部と、この先端部よりも基端側の本体部とを有している。
このようなテープ式使い捨ておむつにおいては、身体に対するフィット性を向上させるために、ファスニングテープの本体部が幅方向に弾性伸縮するものが提案されている(例えば、特許文献3,4参照)ように構成されており、は、不織布により形成されることが多くなってきており、その場合、固定部及び先端部においては、強度や剛性を十分に確保するために総坪量を高くするのが望ましく、また本体部においては柔軟性や伸縮性が十分に確保するために総坪量を低くするのが望ましい。
特開2005−160506号公報 特許3737725号公報 実開昭57−157209号公報 特開昭62−81474号公報
しかしながら、従来のファスニングテープでは、本体部における弾力性が幅方向に均一であったため、大人用のようにファスニングテープの弾力性が強い場合、おむつを装着する際、ファスニングテープを伸張させるために必要以上に強く急激な力を加えてしまい、固定部が破り取れるおそれがあった。また、ファスニングテープを摘む力が弱いと、手からファスニングテープがすっぽ抜けるおそれもあった。
この問題点を解決するために、弾力性を弱くすることも考えられるが、ファスニングテープの弾性収縮による締め付け力が弱くなり、おむつがずれ易くなるため好ましくない。
そこで、本発明の主たる課題は、ファスニングテープを容易かつ円滑に伸張できるとともに、十分な締め付け力を発揮させることができるテープ式使い捨ておむつを提供することにある。
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
腹側部分及び背側部分を有し、腹側部分及び背側部分のうち少なくとも一方の部分における幅方向両側部から、他方の部分と着脱自在に連結されるファスニングテープがそれぞれ突出されている、テープ式使い捨ておむつにおいて、
前記ファスニングテープは、前記一方の部分に固定された固定部と、前記一方の部分から突出する突出部とを有し、この突出部は、前記連結のための連結部が設けられた先端部と、この先端部よりも基端側の本体部とを有しており、
前記本体部は、不織布に、幅方向に沿って延在する弾性部材が幅方向に沿って伸張した状態で且つ幅方向と直交する上下方向に間隔を空けて複数本固定されることによって、幅方向に弾性伸縮するように構成されており、且つ
前記本体部における幅方向の一部の部分においては、前記弾性部材が前記上下方向に1本又は複数本おきに幅方向に不連続となるように切断されるとともに、他の部分においては、前記弾性部材が全て切断されていないか、又は前記上下方向に1本又は複数本おきに幅方向に不連続となるように切断されることによって、前記本体部における幅方向の一部の部分の弾性変形時引張応力が、他の部分における弾性変形時引張応力より弱い、
ことを特徴とするテープ式使い捨ておむつ。
(作用効果)
本発明では、ファスニングテープの本体部のうち、幅方向の一部の弾性変形時引張応力が、他の部分における弾性変形時引張応力より弱いため、ファスニングテープを幅方向に引っ張ると、先ずファスニングテープの本体部のうち他の部分のみが弱い力で伸張し、この部分が伸びきった後に、より強い力がファスニングテープの本体部の一部の部分に加わるようになり、この一部の部分が伸張するようになる。つまり、伸張当初は弱い力で伸張するが、ある程度まで伸張した後はより強い力を加えることにより伸張する、換言すれば伸張に必要な力が漸増する。したがって、ファスニングテープを伸張させる際、使用者は徐々に引張力を強くすることにより円滑にファスニングテープを伸張させることができるため、必要以上に強く急激な力を加え難くなり、固定部が破り取れるといった事態や、手からファスニングテープがすっぽ抜けるといった事態も発生し難くなる。
なお、本発明における弾性変形時引張応力とは、幅方向の対象部分を他の部分から切断して幅方向の引張試験を行うことにより測定される、幅方向の最大伸張時における伸張長さに対して15%収縮した時の引張応力を意味する。
弾性伸縮するファスニングテープの構造は種々考えられるが、肌触りやコストの観点からは、不織布に弾性部材を幅方向に沿って伸張した状態で固定した構造が好ましい。そして、この場合、ファスニングテープの本体部において部分的に弾性変形時引張応力に強弱を持たせる方法は種々考えられるが、弾性部材の一部又は全部の切断や、弾性部材の有無を利用すると、製造が容易であるため好ましく、特に通気性や製造容易性(弾性変形時引張応力に強弱を持たせるのも容易である)の観点からも、本発明のような構造が好ましい。
<請求項2記載の発明>
前記幅方向の一部の部分が、前記本体部における幅方向先端部側の部分及び固定部側の部分のうち先端部側の部分であり、前記他の部分が前記固定部側の部分である、請求項1記載のテープ式使い捨ておむつ。
(作用効果)
ファスニングテープの本体部における先端部側の部分の弾性変形時引張応力が固定部側の部分より弱くなっていると、ファスニングテープを伸張させる際、当初はファスニングテープの固定部に力が集中しないため、急激に力を加えても、固定部が破れ難いという利点がある。
<請求項3記載の発明>
前記幅方向の一部の部分が、前記本体部における幅方向先端部側の部分及び固定部側の部分のうち固定部側の部分であり、前記他の部分が前記先端部側の部分である、請求項1記載のテープ式使い捨ておむつ。
(作用効果)
ファスニングテープの本体部における固定部側の部分の弾性変形時引張応力が先端部側の部分より弱くなっていると、ファスニングテープを伸張させる際、当初はファスニングテープの固定部側の部分が伸張するため、ファスニングテープの方向を振り易くなり、ファスニングテープの止着位置に変化を付け易いという利点がある。
<請求項4記載の発明>
前記ファスニングテープは、使用時に上下方向中間部において分離されることにより形成される又は予め上下方向中間部において分離された上段部及び下段部からなり、これら上段部及び下段部の各々が前記固定部、本体部、先端部及び連結部を備えている、請求項1記載のテープ式使い捨ておむつ。
(作用効果)
このようなファスニングテープでは、上段部と下段部とを交差させた状態で、腹側部分及び背側部分のうち他方の部分と着脱自在に連結することができる。この際、上段部及び下段部は幅方向に対して斜めに傾斜するが、前述のようにファスニングテープの本体部における固定部側の部分の弾性変形時引張応力が先端部側の部分より弱くなっていると、このような交差止着形態でも、ファスニングテープの方向を振り易く、止着が容易になる。
<請求項5記載の発明>
前記細長状弾性部材が前記上下方向に1本又は複数本おきに幅方向に不連続となるように切断されている領域では、前記細長状弾性部材の切断本数が先端部側に近づくにつれて増加するように構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載のテープ式使い捨ておむつ。
以上のとおり本発明によれば、ファスニングテープを容易かつ円滑に伸張できるとともに、十分な締め付け力を発揮させることができるようになる、等の利点がもたらされる。
以下、本発明の一実施形態について添付図面を参照しながら詳説する。
(基本的な構造について)
図1〜図9は、本発明に係るテープ式使い捨ておむつの一例を示しており、この使い捨ておむつは、外面に外装シート12が積層された不透液性バックシート1の内面と、透液性トップシート2との間に、吸収体3が介在されているものである。
不透液性バックシート1としては、ポリエチレンフィルム等の他、ムレ防止の点から遮水性を損なわずに透湿性を備えたシートも用いることができる。この遮水・透湿性シートは、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン樹脂中に無機充填材を溶融混練してシートを形成した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートを用いることができる。
外装シート12は、肌触りを改善するために不透液性バックシート1の外面に張り合わされるものである。外装シート12としては各種の不織布を用いることができる。不織布を構成する素材繊維としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、アミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができる。
透液性トップシート2としては、有孔または無孔の不織布や穴あきプラスチックシートなどが用いられる。不織布を構成する素材繊維としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、アミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができる。また、不織布の加工方法としては、スパンレース法、スパンボンド法、SMS法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等の公知の方法を用いることができる。
吸収体3としては、パルプ繊維の積繊体、セルロースアセテート等のフィラメントの集合体、あるいは不織布を基本とし、必要に応じて高吸収性ポリマーを混合、固着等してなるものを用いることができる。必要に応じて、吸収体3はクレープ紙(図示せず)により包むことができる。また、吸収体3の形状は適宜定めることができるが、図示のような砂時計形状の他、長方形等のように、股間部の前側から後側まで延在する形状が好適である。
不透液性バックシート1は、吸収体3の周囲より外方に延在して略砂時計形状を成している。不透液性バックシート1の側方延在部の内面にはバリヤシート4の幅方向外側の部分4xが前後方向全体にわたり貼り付けられ、吸収体3の存在しないサイドフラップ部SFを構成している。バリヤシート4の幅方向中央側の部分4cはトップシート2上にまで延在しており、その幅方向中央側の端部には、細長状弾性部材4Gが前後方向に沿って伸張状態でホットメルト接着剤等により固定されている。この細長状弾性部材4G及び後述する細長状弾性部材7,13,20としては、糸状、紐状、帯状等に形成された、スチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコン、ポリエステル等、通常使用される素材を用いることができる。
透液性トップシート2は、吸収体3より若干大きめの砂時計形状とされ、吸収体3側縁より若干外方に延在する部分がバリヤシート4と不透液性バックシート1との間に介在され不透液性バックシート1側にホットメルト接着剤等により接着されている。この接着剤部分は図3及び図4では点模様(網掛け)で示されている。バリヤシート4の素材としては、プラスチックシートやメルトブローン不織布を使用することもできるが、肌への感触性の点で、不織布にシリコンなどにより撥水処理をしたものが好適に使用される。
不透液性バックシート1の外面を不織布で覆う場合には、不透液性バックシート1に代えて、外装不織布を吸収体3の周囲より外方に延在させてバリヤシート4の側部とともに、吸収体3の存在しないサイドフラップ部SFを構成することもできる。この場合、不透液性バックシート1をサイドフラップ部SFまで延在させず、トップシート2と同様の形状とすることができる。
図3及び図4にも示されるように、両バリヤシート4,4は、幅方向外側の部分4xが前後方向全体にわたり物品内面(図示形態ではトップシート2表面およびバックシート1内面)に着脱しないように固定されるとともに、幅方向中央側の部分4cが、前後方向の両端部では物品内面(図示形態ではトップシート2表面)に着脱しないように固定され、かつ前後方向の両端部間では物品内面(図示形態ではトップシート2表面)に固定されていない。この非固定部分は、図4に示されるように、物品内面(図示形態ではトップシート2表面)に対して起立可能なバリヤ部となる部分であり、その起立基端4bはバリヤシート4における幅方向外側の固定部分4xと内側の部分4cとの境に位置する。
使い捨ておむつの前後方向両端部では、不透液性バックシート1および透液性トップシート2が吸収体3の前後端よりも前後両側にそれぞれ延在され、吸収体3の存在しないエンドフラップ部EFが形成され、このうち背側のエンドフラップ部EFにおいては、複数本、図示の例では3本の細長状弾性部材7,7…が幅方向に沿って配設されている。
また、背側の両サイドフラップ部SFには、それぞれファスニングテープ5,5が側方に突出するように取り付けられるとともに、使い捨ておむつの腹側表面に幅方向に沿ってフロントターゲットテープ6が貼着されており、このフロントターゲットテープ6にファスニングテープ5を止着することによって使い捨ておむつが身体に装着されるようになっている。より詳細には、ファスニングテープ5は、背側部分のサイドフラップSFに固定された固定部5fと、サイドフラップ部SFから幅方向外側に突出する突出部5eとを有しており、この突出部5eは先端部5pと、この先端部5pよりも基端側の本体部5bとを有している。ファスニングテープ5の先端部5pの内面側(透液性表面シート2側)には、ターゲットテープ6との連結のための連結部として、表面にフック状突起を多数有するフックテープ(メカニカルファスナーの雄材)9,9がそれぞれ取り付けられており、フロントターゲットテープ6としてフック状突起が着脱可能に掛止される表面を有するもの(メカニカルファスナーの雌材)6が取り付けられている。おむつ外面の素材自体をフロントターゲットテープ6の代わりに用いたり、フックテープ9に代えて粘着剤層を用いるとともに、フロントターゲットテープ6として粘着性に富むような表面が平滑な樹脂テープを用いたりすることができる。
使い捨ておむつの幅方向両側には、腹側部分から背側部分にわたり延在するように、複数本の細長状弾性部材13がそれぞれ設けられている。この弾性部材13は、本実施形態では外装シート12とバックシート1との間に接着剤を用いて固定されているが、サイドフラップ部SFのみに設ける場合等、取付位置に応じて、バックシート1とバリヤシート4との間や、バックシート1とトップシート2との間に設けることもできる。
特に本実施形態においては、サイドフラップ部SFにおいて、脚周りに沿うように形成された括れ部分に沿って延在する複数本(図示例では5本)の外側弾性部材13と、腹側及び背側のサイドフラップ部SFに始端及び終端を有し、股間側の部分において吸収体と重なる部分まで内側に膨出延在する複数本(図示例では3本)の内側弾性部材13とが設けられている。
外側弾性部材13は、前後方向に沿って延在するように束ねられた背側端部収束部分13sと、及び前後方向に沿って延在するように束ねられた腹側端部収束部分13sと、これらの中間部としての、弾性部材13相互の間隔が空けられた非収束部分とを有している。
内側弾性部材13は、前後方向に沿って延在するように束ねられた背側端部収束部分13sと、及び前後方向に沿って延在するように束ねられた腹側端部収束部分13sと、背側及び腹側端部収束部分13s間の部分のうち背側端部収束部分13sの近傍及において、おむつ前後方向中央からファスニングテープ側へ向かうにつれて幅方向外側に位置するように向きを変えつつ斜めに延在する背側傾斜収束部分13tと、背側及び腹側端部収束部分13s間の部分のうち腹側端部収束部分13sの近傍及において、おむつ前後方向中央からファスニングテープ側へ向かうにつれて幅方向外側に位置するように向きを変えつつ斜めに延在する腹側傾斜収束部分13tと、これら背側及び腹側傾斜収束部分13t間の中間部としての、弾性部材13相互の間隔が空けられた非収束部分とを有している。
これら外側及び内側弾性部材13における背側及び腹側端部収束部分13sは、サイドフラップ部SFにおける脚周り括れ部分より上側に設けられており、特に背側端部収束部13sはファスニングテープ5の基端部と重なる位置に設けられている。また、特に背側及び腹側端部収束部分13sは前後方向に沿う直線状にするよりも、前後方向に沿わないように傾斜した直線状や、緩やかな弧状等の曲線状にするのが望ましい。
また、外側及び内側弾性部材13における背側及び腹側端部収束部13sは、単一の束として収束されており、その端部側の一部または全部が接着固定されていない。これは、製造時に行われる前後縁での切断により弾性部材13を同時に切断し、弾性部材13の前後端部を収縮させて、外装シート12とバックシート1との間に引き込ませ、前後縁からはみ出ないようにするためである。この結果、図13に点線で示すように、外装シート12とバックシート1との間に筒状の通路12rが形成される。この通路12rは製品前後縁に開口する。外側及び内側弾性部材13の他の部分は、内側弾性部材13における背側及び腹側傾斜収束部分13tを含め、伸張状態で両シート12,1に接着固定される。
かくして構成されたテープ式使い捨ておむつでは、サイドフラップ部SFにおいて、脚周り方向のみならず、胴回り方向に対しても伸縮性が発揮されるようになる。特に背側における内側弾性部材13は、ファスニングテープ5の基端部と重なる部分まで収束部分が延在され、且つ伸張状態で固定されているため、ファスニングテープ5の締め付けに対して胴回り方向の伸縮性を発揮して追従することができ、フィット性に優れたものとなる。
(ファスニングテープについて)
図5及び図6に示すように、本実施形態のファスニングテープ5は、その全体にわたる(つまり固定部5f、本体部5b及び先端部5pにわたる)弾性伸縮シート51と、この弾性伸縮シート51の先端部5pにホットメルト接着剤やヒートシール等により固定されたフックテープ取付シート52とを有する構造となっている。弾性伸縮シート51は、複数枚の不織布基材NFを貼り合わせるとともに、それらの間に、弾性部材20を幅方向に伸張させた状態でホットメルト接着剤により固定してなるものである。弾性部材20の接着は長手方向に所定の規則的間隔で間欠的になされているのが好ましく、特に本体部5bでは間欠接着、固定部5f及び先端部5pでは連続接着となっているのが好ましい。図中にはこの接着剤部分が点模様(網掛け)により示されている。また、フックテープ取付シート52は、不織布基材NFの内面の所定部位にフックテープ9を貼り付けてなるものである。
弾性伸縮シート51及びフックテープ取付シート52を構成する不織布NFとしては、公知のものを特に限定無く用いることができる。不織布NFを構成する素材繊維としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、アミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができる。また、不織布NFの加工方法としては、スパンレース法、スパンボンド法、SMS法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等の公知の方法を用いることができる。特にオレフィン系繊維を用いたスパンボンド不織布、SMS不織布が好ましい。使用する不織布NFの坪量は適宜定めることができるが、弾性伸縮シート51を構成する各不織布NFの坪量は10〜150g/m2程度であるのが好ましく、フックテープ取付シート52を構成する不織布NFの坪量は5〜200g/m2程度であるのが好ましい。
弾性伸縮シート51に固定する弾性部材20としては、例えば図6〜10及び図13に示す形態のように、糸状、紐状、帯状等の細長状のゴムからなるものを使用できる他、図11に示す形態のように網状のゴムからなるものも使用できるが、図12に示す形態のようにシート状のゴムからなるもの使用する形態は本発明に含まれない。以下、各形態について順に詳説する。
図6に示す形態では、本体部5bを横断して固定部5fと先端部5pとを往復しながらファスニングテープ5の上下方向に延在する波状をなすように、細長状弾性部材20が伸張状態でホットメルト接着剤により固定されている。細長状弾性部材20の具体的配置形状としては、三角波状等であっても良いが、図示のように幅方向に沿う直線状部分20sと折り返し部分20rからなる波状であるのが好ましい。後者の場合、直線状部分は固定部5f及び先端部5pにわたるように設けられているが好ましく、折り返し部分20rは円弧状等の曲線状をなしているのが好ましい。
細長状弾性部材20の寸法等については適宜定めれば良いが、例えば、ファスニングテープ5の寸法に関して、高さ(上下方向長さ)hを60〜240mm、固定部5fの幅を20〜60mm、本体部5bの幅を40〜250mm、先端部5pの幅を30〜105mmとする場合、弾性部材20の太さを10〜2000dtex(合成糸ゴムを用いる場合)とし、幅方向に沿う直線状部分と折り返し部分からなる波状に配置する場合には直線状部分20sの上下方向間隔sを2〜30mmとして、ファスニングテープ5の上下方向全体にわたり弾性部材20を設けるのが好ましい。
細長状弾性部材20がこのような波状に配置されていると、細長状弾性部材20が少なくとも固定部5fと本体部5bとに跨るように及び本体部5bと先端部5pとに跨るように、上下方向と交差する方向に沿って延在するため、細長状弾性部材20が固定部5f及び先端部5pと本体部5bとの各境界を繋ぐ補強部材となるだけでなく、各境界に加わる力が分散するため、裂けや破れが防止される。しかも、この細長状弾性部材20を設けるだけであれば、柔軟性が損なわれることもなく、また形状が細長状であるため通気性が損なわれることもない。
そして特徴的には、本体部5bの幅方向中間位置に対して先端部5p側の部分b1における細長状弾性部材20の一部を幅方向に不連続となるように切断し、固定部5f側の部分b2における細長状弾性部材20を切断しないことにより、固定部側の部分b2よりも先端部側の部分b1の方が、弾性変形時引張応力が弱くなるように構成されている。
切断パターンは適宜定めることができ、例えば図示のように切断箇所20cが縦横に所定の間隔で並ぶ行列状パターンの他、千鳥状パターン(例えば幅方向に隣接する切断箇所の上下方向位置が互にずれている)とすることができる。また、図6に示す本体部5bでは、細長状弾性部材20が幅方向と直交する上下方向に間隔を空けて複数本固定されている構造において、上下方向に1本又は複数本おきに切断しており、また幅方向に適宜の間隔(例えば1〜10mm程度)を空けて複数箇所20cで切断している。図7に示すように、切断本数を先端部側に近づくにつれて増やすことにより、弾性変形時引張応力を複数段階に分けて漸減させることもできる。また、図示例では、固定部側の部分b2の弾性部材20が切断されていないが、先端部側の部分b1よりも強い弾性変形時引張応力が発揮される限り、先端部側の部分b1に倣って切断することもできる。
弾性部材20を切断するための具体的方法としては、図14に示すように、弾性伸縮シート51の製造に際して、不織布基材NFを張り合わせて接合しつつ、それらの間に弾性部材20を挟んで固定した後、このシートにおけるライン流れ方向の切断領域Xにおいて、所定のパターンで微小なスリット状の切り込みを入れることにより、又はヒートエンボス加工を施すことにより、弾性部材20を切断するという方法を採用することができる。このような弾性部材の切断方法は、例えば特開2000−26015号公報や、特開2002−273808号公報、特開2004−229857号公報に示されているように、周知の方法であるため、詳細な説明は省略する。
他の手段としては、図8に示すように、先端部側の部分b1及び固定部側の部分b2のそれぞれに同じ太さの細長状弾性部材20,20を個別に配置するとともに、先端部側の部分b1における細長弾性部材20の直線状部分20sの上下方向間隔s2を固定部側の部分b2の間隔s1よりも広くし、幅方向の伸縮に寄与する部分の本数を少なくすることも可能である(参考例)。この場合、先端部側の部分b1の上下方向に占める弾性部材20の幅が、固定部側の部分b2の上下方向に占める弾性部材20の幅よりも短くなる(換言すれば合計太さが細くなる)ため、固定部側の部分b2よりも先端部側の部分b1の方が、弾性変形時引張応力が弱くなる。図9に示すように、先端部側の部分b1及び固定部側の部分b2のそれぞれに同じ配置で細長状弾性部材20,20を個別に配置するとともに、先端部側の部分b1における細長弾性部材20の太さを固定部側の部分b2よりも細くしても同様である(参考例)。これらの例は弾性部材20の切断を用いていない参考例であるが、弾性部材20の切断を組み合わせることも可能である。
図10に示すように、幅方向に沿って固定部5fから先端部5pまで延在する直線状の細長状弾性部材20を、上下方向に間隔を空けて平行に複数本固定しても良い。幅方向両端部が上下間で不連続になり、横縞状の配置となる点以外は、本体部5bの全体にわたり弾性部材20が設けられる点も含めて上記例と同様である。図10に示す形態では、図6に示す形態と同様のパターンでの切断を採用しているが、図7〜9に示すのと同様の変形が可能である。
また、図11に示すように、弾性伸縮シート51の弾性部材20として、幅方向に沿う直線状部分と上下方向に沿う直線状部分とが格子状に一体化された網状の弾性部材20を用いることもできる。縦方向に沿う直線状部分が追加となる点以外は、本体部5bの全体にわたり弾性部材20が設けられる点も含めて上記例と同様である。図10に示す形態では、図6に示す形態と同様のパターンでの切断を採用しているが、図7〜9に示すのと同様の変形が可能である。切断箇所20cは、幅方向に沿う直線状部分及び上下方向に沿う直線状部分のいずれか一方(特に幅方向に沿う部分)又は両方を含むようにすることができる。
さらに、図12に示すように、弾性伸縮シート51の弾性部材20として、シート状の弾性部材20を用いることも可能である(参考例)。シート状である点以外は、本体部5bの全体にわたり弾性部材20が設けられる点も含めて上記例と同様である。図12に示す形態では、図6に示す形態と同様のパターンでの切断を採用しているが、図7〜9に示すのと同様の変形が可能である。ただし、ゴムシート20を広範囲に設けると通気性が低下するため、弾性変形時引張応力に強弱を持たせるために、図示のように細かなスリット状の切断箇所20cを多数設け、伸張時にゴムシート20に多数の通気孔が形成されるように構成するのが好ましい。
上記例のファスニングテープ5は、本体部5bにおける先端部側の部分b1の弾性変形時引張応力が相対的に弱い構造を有しているが、反対に、図13に示すように、固定部側の部分b2における細長状弾性部材20の一部を幅方向に不連続となるように切断し、先端部側の部分b1における細長状弾性部材20を切断しない等により、先端部側の部分b1よりも固定部側の部分b2の方が、弾性変形時引張応力が弱くなるように構成することも提案される。この場合においても、図7〜図12に示す形態と同様の変形が可能である(先端部側の部分b1と固定部側の部分b2とを読み替えれば良い)。
この形態において、図示のファスニングテープ5のように、上下方向中間部における幅方向外側縁から本体部5b内まで幅方向に沿うミシン目10を設け、このミシン目10を切り離すことにより上段部及び下段部に分離し、且つ上段部及び下段部の各々が固定部、本体部、先端部及び連結部を備えていると好ましい。ミシン目10による分離線は細長状弾性部材20を横切らないような配置とするか、又は横切る場合にはミシン目10のカット部分の形成時に同時に細長状弾性部材20を切断しておくことが望ましい。ミシン目10に代えて、予め切断等により分離されていても良い。このようなファスニングテープ5は、上段部と下段部とを交差させた状態で、腹側部分のフロントターゲットテープ6に着脱自在に連結することができ、この際、先端部側の部分b1よりも固定部側の部分b2の方が、弾性変形時引張応力が弱いと、上段部及び下段部の付根部の向きが変わり易く、上段部及び下段部の交差角度の調整が容易となる。
他方、本発明はこのような上下2段分割タイプに限られず、2段分割しないタイプ等、他の公知のファスニングテープに応用することもできる。
また、上記各形態において、先端部側の部分b1と固定部側の部分b2との間の弾性変形時引張応力の差は適宜定めることができるが、一方の弾性変形時引張応力が他方の弾性変形時引張応力よりも5%以上弱くなるように構成するのが好ましい。引張応力差が大き過ぎるとファスニングテープ5の伸張時に張力変化が急激になり、伸張時の円滑性が損なわれる。引張応力差が小さ過ぎると前述した本発明の効果が乏しくなる。より具体的には、相対的に弱い方の弾性変形時引張応力が0〜10kg/mであるのが好ましく、強い方の弾性変形時引張応力が5〜25kg/mであるのが好ましい。
本発明は、テープ式使い捨ておむつに利用されるものである。
テープ式使い捨ておむつの展開状態の内面側を示す平面図である。 テープ式使い捨ておむつの展開状態の外面側を示す平面図である。 図1のB−B断面図である。 図1のC−C断面図である。 図1のA−A断面図である。 ファスニングテープ部分の要部拡大図である。 他のファスニングテープ部分の要部拡大図である。 他のファスニングテープ部分の要部拡大図である。 他のファスニングテープ部分の要部拡大図である。 他のファスニングテープ部分の要部拡大図である。 他のファスニングテープ部分の要部拡大図である。 他のファスニングテープ部分の要部拡大図である。 他のファスニングテープ部分の要部拡大図である。 弾性部材の切断方法の例を示す斜視図である。
1…不透液性バックシート、2…透液性トップシート、3…吸収体、4…バリヤシート、5…ファスニングテープ、6…ターゲットテープ、7…細長状弾性部材、9…フックテープ、10…ミシン目、12…外装シート、13…細長状弾性部材、20…細長状弾性部材、51…弾性伸縮シート、52…フックテープ取付シート、NF…不織布。

Claims (5)

  1. 腹側部分及び背側部分を有し、腹側部分及び背側部分のうち少なくとも一方の部分における幅方向両側部から、他方の部分と着脱自在に連結されるファスニングテープがそれぞれ突出されている、テープ式使い捨ておむつにおいて、
    前記ファスニングテープは、前記一方の部分に固定された固定部と、前記一方の部分から突出する突出部とを有し、この突出部は、前記連結のための連結部が設けられた先端部と、この先端部よりも基端側の本体部とを有しており、
    前記本体部は、不織布に、幅方向に沿って延在する弾性部材が幅方向に沿って伸張した状態で且つ幅方向と直交する上下方向に間隔を空けて複数本固定されることによって、幅方向に弾性伸縮するように構成されており、且つ
    前記本体部における幅方向の一部の部分においては、前記弾性部材が前記上下方向に1本又は複数本おきに幅方向に不連続となるように切断されるとともに、他の部分においては、前記弾性部材が全て切断されていないか、又は前記上下方向に1本又は複数本おきに幅方向に不連続となるように切断されることによって、前記本体部における幅方向の一部の部分の弾性変形時引張応力が、他の部分における弾性変形時引張応力より弱い、
    ことを特徴とするテープ式使い捨ておむつ。
  2. 前記幅方向の一部の部分が、前記本体部における幅方向先端部側の部分及び固定部側の部分のうち先端部側の部分であり、前記他の部分が前記固定部側の部分である、請求項1記載のテープ式使い捨ておむつ。
  3. 前記幅方向の一部の部分が、前記本体部における幅方向先端部側の部分及び固定部側の部分のうち固定部側の部分であり、前記他の部分が前記先端部側の部分である、請求項1記載のテープ式使い捨ておむつ。
  4. 前記ファスニングテープは、使用時に上下方向中間部において分離されることにより形成される又は予め上下方向中間部において分離された上段部及び下段部からなり、これら上段部及び下段部の各々が前記固定部、本体部、先端部及び連結部を備えている、請求項1記載のテープ式使い捨ておむつ。
  5. 前記細長状弾性部材が前記上下方向に1本又は複数本おきに幅方向に不連続となるように切断されている領域では、前記細長状弾性部材の切断本数が先端部側に近づくにつれて増加するように構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載のテープ式使い捨ておむつ。
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