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JP5076423B2 - Ni含有鋼板の製造方法 - Google Patents

Ni含有鋼板の製造方法 Download PDF

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JP5076423B2 JP2006261865A JP2006261865A JP5076423B2 JP 5076423 B2 JP5076423 B2 JP 5076423B2 JP 2006261865 A JP2006261865 A JP 2006261865A JP 2006261865 A JP2006261865 A JP 2006261865A JP 5076423 B2 JP5076423 B2 JP 5076423B2
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Description

本発明は、LNG貯蔵タンク用鋼材として好適な、低温靭性に優れ、とくに強度−靭性バランスに優れたNi含有鋼板の製造方法に関する。
近年、世界的なエネルギー需要の増大とそれに伴う地球環境の悪化が問題となっている。そのため、クリーンなエネルギー源としての天然ガス(LNG)の需要が急増している。この天然ガス(LNG)の需要増大に伴い、最近、LNG貯蔵用タンクの建設が国内外で積極的に推進されている。このような状況から、LNG貯蔵用タンクの本体に使用される9%Ni鋼等の低温靭性に優れたNi含有鋼板の需要も増加している。しかも、タンク建設用の敷地を有効利用するため、LNG貯蔵用タンクは大型化される傾向にあり、使用する鋼板には、脆性破壊に対する安全性の確保の観点から優れた低温靭性を有することに加えて、同時により高い降伏強さを有することが要望されている。
低温靭性に優れた9%Ni鋼板の製造方法として、JIS G 3127(低温圧力容器用ニッケル鋼鋼板(降伏点または耐力:590MPa以上))やASTM A553には、再加熱焼入れ焼戻し処理(以下、QTプロセスという)が、また、ASTM A844には、直接焼入れ焼戻し処理(以下、DQTプロセスという)が指定されている。QTプロセス、DQTプロセスはいずれも、焼入れを一段とする熱処理である。
近年、Ni含有鋼板の低温靭性を、強度を維持したまま、安定してさらに向上させる熱処理方法が提案されている。例えば、非特許文献1には、オーステナイト域から急冷することでマルテンサイトを得る第一段の焼入れ(Q)と、Ac3変態点以下の(γ+α)二相域から急冷する第二段の焼入れ(Q’)と、Ac1変態点近傍以下で焼戻する焼戻(T)とからなる熱処理(以下、QQ’Tプロセスという)についての解説がある。QQ’TプロセスにおけるQ’処理では、Q処理で形成されたマルテンサイトが焼戻され焼戻マルテンサイトとなり、一部がオーステナイトに変態し、組織が微細化されるとともに、合金元素の再配分が生じるため、その後の急冷により、合金元素の濃縮したマルテンサイトと、少量の残留オーステナイトが形成される。このような混合組織にさらに焼戻(T)処理を施すと、さらに合金元素の濃縮した安定オーステナイト相が析出するとともに、焼戻マルテンサイト中のC,Nのような靭性に有害な不純物がオーステナイト相中に移行する。これにより、微細で、かつ極めて高い靭性を有する焼戻マルテンサイト相と、極低温でも安定な残留オーステナイト相とからなる組織となる。このようなことから、QQ’Tプロセスを施すことによりNi含有鋼板の低温靭性が著しく向上するとしている。
このQQ’Tプロセスを基本として、Ni含有鋼板について、更なる強度、低温靭性の向上策が種々、提案されている。例えば、特許文献1には、Ni:7.5〜12.0%含有する含Ni厚鋼板に、Ac3点以上の温度に加熱し冷却する一次焼入れ処理と、ついで(Ac1+10℃)〜(Ac3−10℃)の二相温度範囲でかつ該温度範囲で生成するオーステナイト量が20〜65面積%または85〜95面積%となる加熱保持を行い冷却する二次焼入れ処理と、さらに500℃以上(Ac1−10℃)以下の焼戻処理とを行う、QQ’Tプロセスを利用した、含Ni厚鋼板の製造方法が記載されている。特許文献1に記載された技術によれば、板厚50mm以上の含Ni厚鋼板においても、優れた降伏強さと低温靭性が安定して得られるとしている。
また、特許文献2には、C:0.10%以下、Ni:8.0〜10.0%を含み、不純物であるPを0.001%以下、Sを0.001%以下とした鋼に、熱間圧延後、Ac3点以上の温度から焼入れし、ついで680〜710℃に再加熱した後焼入れし、ついで570〜600℃に焼戻する、QQ’Tプロセスを利用した、極低温用鋼材の製造方法が記載されている。特許文献2に記載された技術によれば、板厚40mmを超える極厚材であっても低温靭性に優れた鋼板とすることができるとしている。なお、特許文献2に記載された技術では、熱間圧延終了温度が800〜900℃であれば、第一段の焼入れ(Q)を直接焼入れ(DQ)としてもよいとしている。
また、特許文献3には、Ac3変態点〜850℃の間に加熱し水冷する焼入れ処理と、Ac1変態点〜Ac3変態点間の二相域に加熱し水冷する中間焼入れ処理とを、500℃以上の温度範囲で50℃/min以上の加熱速度で行い、さらにAc変態点以下で焼戻する、QQ’Tプロセスを利用した、9%Ni鋼の熱処理方法が記載されている。特許文献3に記載された技術によれば、焼入れ時の加熱速度の上昇により、結晶粒が微細化されるため、冷却速度の低下に伴う靭性の低下を補い、結果として靭性を損なわずに優れた降伏強さを有する鋼板を製造できるとしている。
また、特許文献4には、Ni:6.5〜12.0%含有するスラブに、1200〜1350℃で24h以上保持する拡散熱処理を施したのち、熱間圧延し、Ac3変態点〜(Ac3変態点+200℃)の温度範囲に加熱し冷却し、さらに、(Ac1変態点+50℃)〜Ac3変態点の二相域に加熱し冷却し、450℃〜(Ac1変態点+70℃)の温度で焼戻する、QQ’Tプロセスを利用した、低温用鋼板の製造方法が記載されている。特許文献4に記載された技術によれば、Ni含有低温用鋼板の低温靭性が向上するとともに、熱処理の温度範囲を広範囲に許容でき製造性が改善されるとしている。
また、特許文献5には、Ni:7.5〜12.0%、Nb:0.003〜0.03%を含有する含Ni厚鋼板に、980〜Ac3点の温度範囲で、かつNb、Cに関係する式で定義される温度TQ以上の温度に、あるいはTQ未満の温度でかつ加熱温度に関連する式で定義されるtQ以下の時間加熱保持し冷却する一次焼入れ処理と、ついで(Ac1+10℃)〜(Ac3−10℃)の二相温度範囲で加熱保持を行い冷却する二次焼入れ処理と、さらに500℃以上(Ac1−10℃)以下の焼戻処理とを行う、QQ’Tプロセスを利用した、含Ni厚鋼板の製造方法が記載されている。特許文献5に記載された技術によれば、板厚50mm以上の含Ni厚鋼板においても、優れた降伏強さと低温靭性が安定して得られるとしている。
特開平9−256039号公報 特開平6−179909号公報 特開平8−27517号公報 特開平9−41036号公報 特開平9−256040号公報 日本金属学会編:改訂4版金属便覧、p.801、丸善、1982年12月発行
特許文献1〜5に記載された技術はいずれも、QQ’TプロセスまたはDQQ’Tプロセスを利用しており、QQ’TプロセスまたはDQQ’Tプロセスを利用することにより、強度を確保しつつ、より安定して優れた低温靭性を有する含Ni厚鋼板を製造できる。しかし、QQ’TプロセスまたはDQQ’Tプロセスは、複数の熱処理工程を含むため、製造コストが高騰することに加えて、製造工程が長期間を要し、生産性に問題を残していた。
本発明は、上記した従来技術の問題を解決し、従来より低温靭性に優れ、かつ強度に優れ、優れた強度−靭性バランスを有するNi含有鋼板を、優れた生産性で製造できる、Ni含有鋼板の製造方法を提供することを目的とする。なお、ここでいう「低温靭性に優れた」とは、シャルピー衝撃試験を試験温度:−196℃で実施した場合の吸収エネルギーが、150J以上である場合をいうものとする。また、ここでいう「強度に優れた」とは、降伏強さが600MPa以上である場合をいうものとする。また、「優れた強度−靭性バランス」とは、(降伏強さYS(MPa))×(−196℃における吸収エネルギー値vE-196(J))が、100000MPaJ以上である場合をいうものとする。
本発明者らは、上記した目的を達成するために、DQQ’TプロセスまたはQQ’Tプロセスを利用せず、QTプロセスあるいはDQTプロセスといった、焼入れ処理を一段とするプロセスを選択し、Ni含有鋼板の低温靭性および強度に及ぼす熱処理条件の影響について鋭意研究した。その結果、本発明者らは、熱間圧延後、再加熱焼入れあるいは熱間圧延後直接焼入れしたままの、焼入れ状態のNi含有鋼板にさらに、従来の焼戻しより高温に、しかも急速に昇温したうえ、冷却する熱処理を施すことにより、優れた強度−靭性バランスを有するNi含有鋼板を、工程を短縮して製造可能であることを見出した。
本発明者らは、まず、優れた低温靭性を安定的に得るためには、低温で安定性の高い残留オーステナイト相を充分に確保することにある、と考えた。しかし、残留オーステナイト相の含有量が多すぎると、降伏強さが低下する。このため、残留オーステナイト相の含有量は、強度と低温靭性がともに優れる適正な範囲に調整する必要がある。
従来のQTまたはDQTプロセスでは、CやNiの濃化が少なく、安定性の高い残留オーステナイト相を充分な量確保することは困難であった。そこで、本発明者らは、焼入れ処理後の熱処理の加熱温度を、二相温度域の高温域に設定することを思い付いた。加熱温度を二相温度域の中の高温域に設定すると、十分な量のオーステナイトが析出するが、しかし、オーステナイト中のCやNiなどの合金元素の濃度が、加熱温度が低温の場合にくらべかなり低下するため、オーステナイトが不安定となり、冷却後にマルテンサイトに変態する。オーステナイトの析出量を抑えるには、加熱保持時間を短くすればよいが、この場合、Niが十分にオーステナイト中に濃化することができず、やはり、オーステナイトは不安定となる。
そこで、本発明者らは、焼入れ処理後の熱処理を、二相温度域の高温域まで、急速短時間加熱し冷却する処理とすることに思い至った。これにより、α→γ変態の変態核を増大させ、微細なオーステナイトを多数分散、析出させることができる。析出するオーステナイトを微細にすることで、低温における安定性を高め、それにより優れた低温靭性を確保でき、またさらに、急速短時間加熱であるために、オーステナイトに変態しないマルテンサイト相の焼戻しの進行が抑制されるため、同一成分であっても、従来に比べて、高強度化が図れ、強度−靭性バランスに優れた鋼板となることを見出した。
本発明は、上記した知見に基づき、さらに検討を加えて完成されたものである。すなわち、本発明の要旨は次のとおりである。
(1)質量%で、C:0.02〜0.13%、Si:0.04〜0.5%、Mn:0.2〜1.0%、Ni:7.0〜10.0%、Al:0.005〜0.10%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する鋼素材に、熱間圧延を施し鋼板としたのち直ちに、焼入れする直接焼入れ処理と、ついで、℃/s以上の昇温速度で、(Ac1変態点+15℃)以上、(Ac1変態点+0.8×(Ac3変態点−Ac1変態点))以下の範囲の温度に加熱したのち冷却する熱処理と、を順次施すことを特徴とする低温靭性および強度−靭性バランスに優れたNi含有鋼板の製造方法。
(2)質量%で、C:0.02〜0.13%、Si:0.04〜0.5%、Mn:0.2〜1.0%、Ni:7.0〜10.0%、Al:0.005〜0.10%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する鋼素材に、熱間圧延を施し鋼板としたのち、空冷し、ついでAc3変態点〜850℃の範囲の温度に再加熱し焼入れする再加熱焼入れ処理と、ついで、℃/s以上の昇温速度で、(Ac1変態点+15℃)以上、(Ac1変態点+0.8×(Ac3変態点−Ac1変態点))以下の範囲の温度に加熱したのち冷却する熱処理と、を順次施すことを特徴とする低温靭性および強度−靭性バランスに優れたNi含有鋼板の製造方法。
(3)(1)または(2)において、前記熱処理における加熱後、10s以下(0sを含む)保持することを特徴とするNi含有鋼板の製造方法。
(4)(1)ないし(3)のいずれかにおいて、前記組成に加えてさらに、質量%で、Mo:0.5%以下、V:0.1%以下、Cr:0.5%以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含有することを特徴とするNi含有鋼板の製造方法。
(5)(1)ないし(4)のいずれかにおいて、前記組成に加えてさらに、質量%で、Ti:0.03%以下を含有することを特徴とするNi含有鋼板の製造方法。
本発明によれば、一段の焼入れ処理と焼戻処理からなる簡易なプロセスで、工程を短縮し、しかも安定して優れた低温靭性と所望の高強度を有し、強度−靭性バランスに優れたNi含有鋼板を能率よく製造でき、産業上格段の効果を奏する。また、本発明によれば、強度−靭性バランスに優れたNi含有鋼板を安価に製造でき、LNGタンクの大型化の推進やその安全性の向上に大きく貢献できるという効果もある。
まず、本発明で使用する鋼素材(Ni含有鋼板素材)の組成限定理由について説明する。以下、質量%は単に%で記す。
C:0.02〜0.13%
Cは、鋼の強度を増加させる元素であり、所望の高強度を確保するためには、0.02%以上の含有を必要とする。一方、0.13%を超える含有は、低温靭性の低下を招く。このため、Cは0.02〜0.13%の範囲に規定した。なお、焼入れ性の確保と靭性確保の観点から好ましくは0.04〜0.10%である。
Si:0.04〜0.5%
Siは、脱酸剤として作用するとともに、鋼の強度を向上する元素であり、このような効果を得るためには0.04%以上の含有を必要とする。一方、0.5%を超えて多量に含有すると、焼戻脆化感受性が高まる。このため、Siは0.04〜0.5%の範囲に規定した。
Mn:0.2〜1.0%
Mnは、熱間における延性を向上させ熱間加工性を向上させるとともに、強度向上にも寄与する元素であり、これらの効果を得るためには、0.2%以上の含有を必要とする。一方、1.0%を超えて含有しても、強度向上効果が飽和するとともに、低温靭性が低下し、さらに焼戻脆化感受性が高くなる。このため、Mnは0.2〜1.0%の範囲に規定した。なお、好ましくは0.4〜0.8%である。
Ni:7.0〜10.0%
Niは、低温靭性を向上させる有効な元素であり、さらに残留オーステナイト相の安定化にも寄与する。このような効果を得るためには、7.0%以上の含有を必要とする。一方、10.0%を超えて含有しても効果が飽和し、含有量に見合う効果が期待できなくなり経済的に不利となる。このため、Niは7.0〜10.0%の範囲に規定した。
Al:0.005〜0.10%
Alは、脱酸剤として作用するとともに、結晶粒を微細化する作用を有する元素である。このような効果を得るためには0.005%以上含有することが必要であるが、0.10%を超えて含有すると、清浄度が低下する。このため、Alは0.005〜0.10%に規定する。
上記した成分が基本の成分であり、この基本組成に加えてさらに、Mo:0.5%以下、V:0.1%以下、Cr:0.5%以下のうちから選ばれた1種または2種以上、および/または、Ti:0.03%以下を必要に応じて選択して含有することができる。
Mo:0.5%以下、V:0.1%以下、Cr:0.5%以下のうちから選ばれた1種または2種以上
Mo、V、Crはいずれも、強度向上に寄与する元素であり、必要に応じて選択して1種または2種以上含有できる。とくにこれらの元素の含有は、強度の低下が著しくなる厚肉材の場合に有効となる。このような効果を得るためには、Mo:0.03%以上、V:0.02%以上、Cr:0.05%以上含有することが望ましい。一方、Mo:0.5%、V:0.1%、Cr:0.5%をそれぞれ超える含有は、強度向上代が小さくなるうえ、母材や溶接部の靭性低下の原因となる。このため、Mo:0.5%以下、V:0.1%以下、Cr:0.5%以下にそれぞれ規定することが好ましい。
Ti:0.03%以下
Tiは、母材の機械的特性には特に影響を及ぼさないが、溶接熱影響部の靭性を高める元素であり、必要に応じて含有できる。このような効果を得るためには0.01%以上含有することが望ましいが、0.03%を超えて含有しても、効果が飽和し、経済的に不利となる。このため、Tiは0.03%以下に規定することが好ましい。
上記した成分以外の残部は、Feおよび不可避的不純物である。
健全な母材および溶接継手を得るためには、不可避的不純物として、P:0.01%以下、S:0.01%以下に可能な限り低減することが好ましい。
本発明では、上記した組成を有する鋼素材を出発素材とする。鋼素材の製造方法についてはとくに規定しないが、通常の溶製方法、鋳造方法がいずれも適用できる。なかでも、上記した組成を有する溶鋼を、転炉等の通常の溶製炉で溶製し、連続鋳造法でスラブ(鋼素材)とすることが好ましい。
得られた鋼素材を熱間圧延可能な温度に加熱したのち、熱間圧延を施し、所望の板厚の鋼板とすることが好ましい。得られた鋼板に、圧延終了後、直ちに焼入れする直接焼入れ処理を施すか、あるいは圧延終了後、空冷し、ついでAc3変態点〜850℃の範囲の温度に再加熱し焼入れする再加熱焼入れ処理を施し、鋼板組織を均一マルテンサイト組織とする。
直接焼入れ処理、再加熱焼入れ処理はいずれも、均一なマルテンサイト組織を得るために行われるものである。そのため、直接焼入れ処理の場合には、圧延終了後の鋼板温度(中心)が、600℃以上を保持していることが必要となる。圧延終了後の鋼板温度(中心)が、600℃未満の場合には、その後急冷(水冷)しても、均一マルテンサイト組織を確保することが難しくなる。
また、再加熱焼入れ処理の場合には、少なくともAc3変態点以上の温度に再加熱する必要がある。再加熱温度がAc3変態点未満では、その後急冷(水冷)しても、均一マルテンサイト組織を確保することができなくなる。一方、加熱温度が850℃を超えると、加熱時にオーステナイト粒が粗大化する。このため、再加熱焼入れ処理の再加熱温度は、Ac3変態点〜850℃の範囲の温度に規定した。上記した再加熱温度に加熱保持したのち、水冷(焼入れ)し、均一マルテンサイト組織を得る。なお、直接焼入れ処理と、上記した再加熱焼入れ処理とは、ほぼ同等の効果が得られることを確認している。
直接焼入れ処理あるいは再加熱焼入れ処理を施された鋼板は、ついで、℃/s以上の昇温速度で、(Ac1変態点+15℃)以上、(Ac1変態点+0.8×(Ac3変態点−Ac1変態点))以下の範囲の温度に加熱されたのち、冷却する熱処理を施される。なお、ここでいう、昇温速度は、板厚方向平均の昇温速度であって、しかも、500〜600℃間での平均昇温速度をいうものとする。
この熱処理は、本発明において最も重要なものである。
この熱処理における昇温速度は、℃/s以上に規定する。昇温速度が℃/s未満では、昇温速度が遅く、オーステナイトの核生成頻度が小さいため、析出オーステナイトの粒成長が顕著となり、残留オーステナイトが粗大化し、さらに、マルテンサイトの焼戻しが進行し強度が低下するため、所望の低温靭性および強度−靭性バランスを確保できなくなる。なお、好ましくは10℃/s以上、さらに好ましくは20℃/s以上である。また、昇温速度の上限は加熱装置の能力に依存するためとくに規定する必要はないが、現状の、例えば誘導加熱方式の加熱装置として、この世に製造可能なものの現実性から考えて、200℃/sが上限といえる。
また、この熱処理における加熱温度は、(Ac1変態点+15℃)以上、(Ac1変態点+0.8×(Ac3変態点−Ac1変態点))以下の範囲の温度に規定する。なお、ここでいう温度は、板厚方向の平均温度を意味し、板厚、表面温度および冷却条件等から、シミュレーション計算等により求められるものを用いることができる。例えば、差分法を用い、板厚方向の温度分布を平均化することにより得られた温度を平均温度とすることもできる。
加熱温度が、(Ac1変態点+15℃)未満では、十分な量の析出オーステナイト量を確保することができず、また、マトリクス(マルテンサイト組織)の焼戻しが十分でないために、低温靭性が低下する。一方、加熱温度を、(Ac1変態点+0.8×(Ac3変態点−Ac1変態点))を超える高温とすると、オーステナイトへの変態量が多くなり、オーステナイト相の安定性が低下し、得られる残留オーステナイト相量が減少するとともに、高温の焼戻しにより強度が低下する。このようなことから、この熱処理における加熱温度は(Ac1変態点+15℃)以上、(Ac1変態点+0.8×(Ac3変態点−Ac1変態点))以下に規定した。
なお、ここでいう変態点は、昇温速度1℃/sとして実験(変態測定)で求められた変態温度とする。Ni含有鋼では、主にNiのミクロ偏析に起因し、平衡状態における変態点と実際に変態が起こる温度に乖離がある。
上記した加熱温度に、鋼板温度が到達後は、保持せず(保持0s)に直ちに冷却するか、あるいは10s以下の時間保持したのち、冷却することが好ましい。上記した加熱保持の時間が10sを超えて長くなると、オーステナイトへの変態量が多くなり、得られる残留オーステナイト相量が減少するとともに、マトリクス(マルテンサイト組織)の焼戻しが進行し強度が低下する。このため、上記した熱処理における加熱保持は、10s以下(0sを含む)と規定することが好ましい。加熱保持後の冷却は、空冷あるいは水冷等、とくに規定する必要はないが、水冷とすることが焼戻脆化防止の観点から好ましい。
このような急速短時間加熱の熱処理は、例えば、ガス加熱装置や誘導加熱装置を利用することにより可能となる。
上記した熱処理を誘導加熱装置を利用して行う場合、誘導加熱装置は、例えば、厚板の製造ライン上に設置する、いわゆるオンライン方式とすることが好ましい。本発明におけるような、直接焼入れ処理後に熱処理を行うプロセスでは、とくに生産能率上、オンライン方式とすることが好ましい。もちろん、オフライン方式としてもよいことはいうまでもない。
表1に示す組成の溶鋼を真空溶解炉にて溶製し、小型鋼塊(100kg)とし、熱間圧延により、100mm厚のスラブ(鋼素材)とした。これら鋼素材を1100℃に加熱したのち、熱間圧延を施し、表2に示す板厚の鋼板とした。一部の鋼板には圧延終了後直ちに焼入れ(水冷)する直接焼入れ処理(DQ)を施し、また、一部の鋼板には圧延終了後空冷し、ついで再加熱して焼入れ(水冷)する再加熱焼入れ処理(Q)を施した。直接焼入れ処理の焼入れ開始温度(圧延終了温度)、および再加熱焼入れ処理の加熱温度を表2に併記した。
直接焼入れ処理または再加熱焼入れ処理を施された鋼板に、ついで、表2に示す昇温速度で表2に示す加熱温度に加熱し、表2に示す時間保持したのち冷却する熱処理(T)を施した。なお、冷却は空冷とした。
なお、比較として、QQ’Tプロセスを利用した熱処理(Q温度:810℃、Q’温度:680℃、T温度:570℃)を施した場合も行った(鋼板No.1)。なお、熱処理(T)の昇温速度は0.5℃/sとした。
得られた鋼板から、試験片を採取して引張試験、衝撃試験を実施し、強度および低温靭性を評価した。試験方法は次の通りとした。
(1)引張試験
得られた鋼板の板厚中心部から、JIS Z 2201の規定に準拠して、圧延方向と直角方向(板幅方向)が引張方向となるように丸棒試験片(平行部径:6mmφ)を採取し、JIS Z 2241の規定に準拠して室温で引張試験を実施し、降伏強さYSと引張強さTSを求めた。
(2)衝撃試験
得られた鋼板の板厚中心部から、圧延方向と直角方向(板幅方向)にVノッチ試験片を採取し、JIS Z 2242の規定に準拠して、試験温度:−196℃でシャルピー衝撃試験を実施し、−196℃における吸収エネルギーvE-196(J)を求めた。なお、試験は各3本行い、得られた吸収エネルギー値を算術平均して、その平均値をその鋼板の吸収エネルギー値とした。
なお、得られた鋼板の板厚中央部から、残留オーステナイト測定用試験片を採取しX線回折により、各鋼板の1/2t位置における残留オーステナイト量(体積%)を測定した。
得られた結果を表3に示す。
Figure 0005076423
Figure 0005076423
Figure 0005076423
鋼板No.1〜No.3は、従来の製造プロセスである、QQ’TプロセスおよびQTプロセスを利用した比較例である。QQ’Tプロセスを利用した鋼板No.1(比較例)は、残留オーステナイトが増加し、低温靭性の向上が認められる。QTプロセスを利用した鋼板No.3(比較例)は、熱処理(T)の加熱温度が高くQQ’Tプロセスと同等の残留オーステナイト量が得られているが、その安定性は低く、低温靭性が低下している。また、QTプロセスを利用した鋼板No.2(比較例)は、残留オーステナイト量が少なくQQ’Tプロセス材(鋼板No.1)に比べて低温靭性が低下している。
本発明例はいずれも、従来のQTプロセスを利用した比較例(鋼板No.2)と同等またはそれ以上の低温靭性を有しており、しかも、比較例(鋼板No.2)と同等の吸収エネルギーを有する場合には、より高い強度を有し、強度−靭性バランスに優れた鋼板となっている。
一方、熱処理(T)の加熱温度が本発明の範囲を外れる比較例(鋼板No.11、No.12)は、安定な残留オーステナイトが十分に得られず、靭性が低下している。また、C含有量が本発明の範囲を外れる比較例(鋼板No.28)、Ni含有量が本発明の範囲を外れる比較例(鋼板No.29、No.30)はいずれも、低温靭性が低下している。

Claims (5)

  1. 質量%で、
    C:0.02〜0.13%、 Si:0.04〜0.5%、
    Mn:0.2〜1.0%、 Ni:7.0〜10.0%、
    Al:0.005〜0.10%
    を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する鋼素材に、熱間圧延を施し鋼板としたのち直ちに、焼入れする直接焼入れ処理と、ついで、℃/s以上の昇温速度で、(Ac1変態点+15℃)以上、(Ac1変態点+0.8×(Ac3変態点−Ac1変態点))以下の範囲の温度に加熱したのち冷却する熱処理と、を順次施すことを特徴とする低温靭性および強度−靭性バランスに優れたNi含有鋼板の製造方法。
  2. 質量%で、
    C:0.02〜0.13%、 Si:0.04〜0.5%、
    Mn:0.2〜1.0%、 Ni:7.0〜10.0%、
    Al:0.005〜0.10%
    を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する鋼素材に、熱間圧延を施し鋼板としたのち、空冷する処理と、ついでAc3変態点〜850℃の範囲の温度に再加熱し焼入れする再加熱焼入れ処理と、ついで、℃/s以上の昇温速度で、(Ac1変態点+15℃)以上、(Ac1変態点+0.8×(Ac3変態点−Ac1変態点))以下の範囲の温度に加熱したのち冷却する熱処理と、を順次施すことを特徴とする低温靭性および強度−靭性バランスに優れたNi含有鋼板の製造方法。
  3. 前記熱処理における加熱後、10s以下(0sを含む)保持することを特徴とする請求項1または2に記載のNi含有鋼板の製造方法。
  4. 前記組成に加えてさらに、質量%で、Mo:0.5%以下、V:0.1%以下、Cr:0.5%以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のNi含有鋼板の製造方法。
  5. 前記組成に加えてさらに、質量%で、Ti:0.03%以下を含有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のNi含有鋼板の製造方法。
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