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JP5075510B2 - 着色組成物およびそれを用いたカラーフィルタ - Google Patents

着色組成物およびそれを用いたカラーフィルタ Download PDF

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JP5075510B2 JP2007189736A JP2007189736A JP5075510B2 JP 5075510 B2 JP5075510 B2 JP 5075510B2 JP 2007189736 A JP2007189736 A JP 2007189736A JP 2007189736 A JP2007189736 A JP 2007189736A JP 5075510 B2 JP5075510 B2 JP 5075510B2
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Description

本発明は、カラー液晶表示装置、カラー撮像管素子等を構成するカラーフィルタの製造に好適に使用される着色組成物およびカラーフィルタに関する。
近年、テレビモニタ用途、パソコンモニタ用途、モバイル用途などに、液晶表示装置が応用されている。液晶表示装置に用いられるカラーフィルタに対しては、色再現性向上のため、明度、色純度などへの要求レベルが高まってきている。また、液晶表示装置は長期間使用されることから、カラーフィルタに対しては、耐熱性や耐光性など耐性に関する品質面への要求も強い。さらには、カラーフィルタの製造に用いられる着色組成物に対しても、各色フィルタセグメントを形成する際の塗布均一性、感度、現像性、パターン形状への要求レベルが高まってきている。これらの要求に対応するため、着色組成物中の顔料等の色素成分の濃度を上げ、光硬化性樹脂やモノマーの成分濃度を低下させることが行われている。
また、液晶表示装置の増え続ける需要に対応するため、カラーフィルタの製造では、工程の簡素化による生産時間短縮も行われている。
しかし、着色組成物の色素成分を増やして光硬化成分を減らすことや、カラーフィルタの製造工程の簡素化のために紫外線照射時間の短縮をすることで、着色塗膜が光硬化不良となる。具体的には、硬化不良塗膜とは、硬化すべき箇所において、十分硬化している部分と、硬化が十分ではない部分が混在してしまっている着色塗膜をさす。硬化不良塗膜をアルカリ現像することにより、十分硬化している部分と硬化が十分ではない部分で、色差が生じる。
上記色差が生じてしまう問題について、従来技術により解決を試みた。
まず、特許文献1に開示されている、高感度な光重合開始剤を含有する感光性着色組成物を用い、少ない光硬化成分と少ない紫外線照射量でも塗膜の硬化不良が解決できるかを検討した。しかし、高感度な光重合開始剤を使用し、その含有量を増やしても、硬化する光硬化成分の量は限られているため硬化飽和となり、硬化不良に起因する色差のない硬化塗膜とはならなかった。
次に、特許文献2に開示されている、多官能(メタ)アクリルモノマーからなるA成分と、特定の環状炭化水素を含む構成単位を有するポリマーからなるB成分と、単官能モノマーからなるC成分と、光重合開始剤及び光増感剤の少なくとも一方からなるD成分とを特定の割合で含む、アルカリ耐性がある感光性組成物についても検討を行った。しかし、該感光性組成物に含まれるポリマーからなるB成分は、紫外線照射により硬化しないため、アルカリ現像で塗膜剥がれが発生し、逆に大きな色差となってしまった。
特開2005−099488号公報 特開2002−318453号公報
そこで本発明は、紫外線による硬化性が高い着色組成物、および硬化不良に起因する色差が認められないフィルタセグメントを具備するカラーフィルタを提供することを目的とする。
本発明の着色組成物は、エチレン性不飽和二重結合を有する重合性モノマー、エチレン性不飽和二重結合を有する透明樹脂、色素および有機溶剤を含有する着色組成物であって、前記重合性モノマーの二重結合当量MDCに対する、前記重合性モノマーの溶解度パラメータMSPの比MSP/MDCが0.10以下であり、かつ前記透明樹脂の二重結合当量PDCに対する、前記透明樹脂の溶解度パラメータPSPの比PSP/PDCが0.012以上であり、かつ前記重合性モノマーの重量が、前記透明樹脂の重量の30〜332%であり、
重合性モノマーが、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、またはエチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレートの少なくとも1種を含有することを特徴とする。
また、本発明のカラーフィルタは、基板上に、本発明の着色組成物を用いて形成されたフィルタセグメントを具備することを特徴とする。
本発明の着色組成物は、紫外線照射により十分に硬化するため、本発明の着色組成物を用いて形成された硬化塗膜は、アルカリ現像液に対して十分な耐性を発揮する。これにより、カラーフィルタが具備するフィルタセグメントの面内色差が無くなり、良好な液晶表示装置が得られる。良好な液晶表示装置を安定的に得ることは、製造ラインの不良率低下による、コストダウンやスループットの向上により、急成長により需要が増え続けている液晶表示装置市場に対応するための優れた効果である。
まず、本発明の着色組成物について具体的に説明する。
本発明の着色組成物は、エチレン性不飽和二重結合を有する重合性モノマー(以下、重合性モノマーという。)、エチレン性不飽和二重結合を有する透明樹脂、色素および有機溶剤を含有する。
そして、本発明の着色組成物において、前記重合性モノマーの二重結合当量MDCに対する、前記重合性モノマーの溶解度パラメータMSPの比MSP/MDCは0.10以下であり、かつ前記透明樹脂の二重結合当量PDCに対する、前記透明樹脂の溶解度パラメータPSPの比PSP/PDCは0.012以上であり、かつ前記重合性モノマーの重量は、前記透明樹脂の重量の30〜150%である。
本発明における重合性モノマーの溶解度パラメータMSPは、「ポリマー・エンジニアリング・アンド・サイエンス(Polymer Eng.& Sci.)」第14巻、第2号(1974)、P.148〜P.154に記載されているFedorsの式、すなわち下記式(1)により算出される。
式(1) MSP=(ΣΔe/ΣΔv1/2
(Δeは原子又は基に帰属する25℃における蒸発エネルギー、Δvは25℃におけるモル体積である。)
上記の式中のΔeおよびΔvは、分子中のi個の原子および基に与えられた一定の数値である。表1に、原子又は基に対して与えられたΔeおよびΔvの数値の代表例を示す。
これらの式を用いて例えば下記構造式(2)で表される2−ヒドロキシエチルアクリレートの溶解度パラメータを計算する。
式(2)
2−ヒドロキシエチルアクリレートは、=CH2を1個、-CH=を1個、-COO-を1個、-CH2-を2個、-OH(C隣接)を1個含むから、そのΣΔeは1030+1030+4300+1180×2+5220=13940(cal/mol)となる。また、ΣΔvは28.5+13.5+18+16.1×2+13=105.2(cm3/mol)となる。したがって、2−ヒドロキシエチルアクリレートの溶解度パラメータMSPは、(ΣΔe/ΣΔv1/2 =11.5(cal/cm)となる。
なお、2種類以上の重合性モノマーを混合して用いる場合は、下記式より計算される混
合重合性モノマーの溶解度パラメータの値を重合性モノマーの溶解度パラメータとする。
MSPmix=aM1MSPM1+aM2MSPM2+aM3MSPM3+・・・+aMn MSPMn
MSPmix:混合重合性モノマーの溶解度パラメータ
MSPM1:重合性モノマー1の溶解度パラメータ
MSPM2:重合性モノマー2の溶解度パラメータ
MSPM3:重合性モノマー3の溶解度パラメータ


MSPMn:重合性モノマーnの溶解度パラメータ
M1:混合重合性モノマー中の重合性モノマー1の重量分率
M2:混合重合性モノマー中の重合性モノマー2の重量分率
M3:混合重合性モノマー中の重合性モノマー3の重量分率


Mn:混合重合性モノマー中の重合性モノマーnの重量分率
また、重合性モノマーの二重結合当量とは、下記式で定義され、重合性モノマー1分子中に含まれる二重結合量の尺度となる。同じ分子量の化合物であれば、二重結合当量の数値が小さいほど二重結合の導入量が多くなる。
(二重結合当量)=(重合性モノマーの分子量)/(重合性モノマー1分子中の二重結合の数)
2種類以上の重合性モノマーを混合して用いる場合は、下記式より計算される混合重合性モノマーの二重結合当量の値を重合性モノマーの二重結合当量とする。
MDCmix=aM1 MDCM1+aM2 MDCM2+aM3 MDCM3+・・・+aMn MDCMn
MDCmix:混合重合性モノマーの二重結合当量
MDCM1:重合性モノマー1の二重結合当量
MDCM2:重合性モノマー2の二重結合当量
MDCM3:重合性モノマー3の二重結合当量


MDCMn:重合性モノマーnの二重結合当量
M1:混合重合性モノマー中の重合性モノマー1の重量分率
M2:混合重合性モノマー中の重合性モノマー2の重量分率
M3:混合重合性モノマー中の重合性モノマー3の重量分率


Mn:混合重合性モノマー中の重合性モノマーnの重量分率
前記重合性モノマーの二重結合当量MDCに対する、前記重合性モノマーの溶解度パラメータMSPの比MSP/MDCが0.1より大きくなる場合には、紫外線照射により塗膜表面の硬化が進み、硬化塗膜にクラック等が生じる。MSP/MDCは、0.03以上であることが好ましく、0.05以上0.07未満であることがより好ましい。
本発明の着色組成物に含まれる重合性モノマーの二重結合当量は120〜350であることが好ましく、150〜300であることがより好ましい。重合性モノマーの二重結合当量が120よりも小さい場合には、紫外線照射により塗膜表面の硬化が進み、硬化塗膜にクラック等が生じる場合がある。また、重合性モノマーの二重結合当量が350よりも大きい場合には、着色組成物の感度が十分でなく、紫外線を照射しても塗膜が硬化しないことがある。
重合性モノマーは、1種を単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
本発明におけるエチレン性不飽和二重結合を有する透明樹脂(以下、光硬化性透明樹脂という)は、エチレン性不飽和二重結合を有し、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂である。光硬化性透明樹脂の溶解度パラメータは、重合性モノマー同様に、Fedorsの式にて算出される。光硬化性透明樹脂の場合には、下記式に示される、その樹脂を構成する理論モノマー組成(モル比)より算出する。
光硬化性透明樹脂の溶解度パラメータPSP=Wta×SPa+Wtb×SPb+Wtc×SPc・・・・
Wta:モノマーAのモル分率
Wtb:モノマーBのモル分率
Wtc:モノマーCのモル分率


SPa:モノマーAの溶解度パラメータ
SPb:モノマーBの溶解度パラメータ
SPc:モノマーBの溶解度パラメータ


例えば、光硬化性透明樹脂の構成モノマーがメタクリル酸(分子量:86、溶解度パラ
メータ:10.7)70重量%、メチルメタクリレート(分子量:100、溶解度パラメータ:9.3)30重量%の場合、その樹脂の溶解度パラメータは、(メタクリル酸のモル分率)×(メタクリル酸の溶解度パラメータ)+(メチルメタクリレートのモル分率)×(メチルメタクリレートの溶解度パラメータ)=(70/86)/(70/86+30/100)×10.7+(30/100)/(70/86+30/100)×9.3=10.32となる。
また、2種類以上の光硬化性透明樹脂を混合して用いる場合は、下記式より計算される混合光硬化性透明樹脂の溶解度パラメータの値を光硬化性透明樹脂の溶解度パラメータとする。
PSPmix=aP1MSPM1+aP2MSPM2+aP3MSPM3+・・・+aPn MSPMn
PSPmix:混合光硬化性透明樹脂の溶解度パラメータ
PSPS1:光硬化性透明樹脂1の溶解度パラメータ
PSPS2:光硬化性透明樹脂2の溶解度パラメータ
PSPS3:光硬化性透明樹脂3の溶解度パラメータ


MSPSn:光硬化性透明樹脂nの溶解度パラメータ
P1:混合光硬化性透明樹脂中の光硬化性透明樹脂1の重量分率
P2:混合光硬化性透明樹脂中の光硬化性透明樹脂2の重量分率
P3:混合光硬化性透明樹脂中の光硬化性透明樹脂3の重量分率


Pn:混合光硬化性透明樹脂中の光硬化性透明樹脂nの重量分率
また、光硬化性透明樹脂の二重結合当量とは、下記式で定義され、分子中に含まれる二重結合量の尺度となる。同じ分子量の光硬化性透明樹脂であれば、二重結合当量の数値が小さいほど二重結合の導入量が多くなる。
(二重結合当量)=(光硬化性透明樹脂の重量平均分子量)/(光硬化性透明樹脂1分子中の二重結合の数)
2種類以上の光硬化性透明樹脂を混合して用いる場合は、下記式より計算される混合光硬化性透明樹脂の値を光硬化性透明樹脂の二重結合当量とする。
PDCmix=aP1 PDCP1+aP2 PDCP2+aP3 PDCP3+・・・+aPnPDCPn
PDCmix:混合光硬化性透明樹脂の二重結合当量
PDCP1:光硬化性透明樹脂1の二重結合当量
PDCP2:光硬化性透明樹脂2の二重結合当量
PDCP3:光硬化性透明樹脂3の二重結合当量


PDCPn:光硬化性透明樹脂nの二重結合当量
P1:混合光硬化性透明樹脂中の光硬化性透明樹脂1の重量分率
P2:混合光硬化性透明樹脂中の光硬化性透明樹脂2の重量分率
P3:混合光硬化性透明樹脂中の光硬化性透明樹脂3の重量分率


Pn:混合光硬化性透明樹脂中の光硬化性透明樹脂nの重量分率
前記光硬化性透明樹脂の二重結合当量PDCに対する、前記光硬化性透明樹脂の溶解度パラメータPSPの比PSP/PDCが0.012以下となる場合には、着色組成物の光硬化性が低
下し、紫外線を照射しても塗膜が十分に硬化しない。PSP/PDCは、0.05以下であることが好ましく、0.015以上0.045以下であることがより好ましい。
本発明の着色組成物に含まれる光硬化性透明樹脂の二重結合当量は200〜800であることが好ましく、300〜700であることがより好ましい。光硬化性透明樹脂の二重結合当量が200よりも小さい場合には、紫外線照射により塗膜表面の硬化が進み、硬化塗膜にクラック等が生じる場合がある。また、光硬化性透明樹脂の二重結合当量が800よりも大きい場合には、十分な着色組成物の感度が得られず、紫外線を照射しても塗膜が十分に硬化しない。
光硬化性透明樹脂としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の反応性の置換基を有する線状高分子にイソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基等の反応性置換基を有する(メタ)アクリル化合物やケイヒ酸を反応させて、(メタ)アクリロイル基、スチリル基等の光架橋性基を該線状高分子に導入した樹脂が用いられる。また、スチレン−無水マレイン酸共重合物やα−オレフィン−無水マレイン酸共重合物等の酸無水物を含む線状高分子をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化したものも用いられる。
光硬化性透明樹脂は、1種を単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
本発明の着色組成物において、前記重合性モノマーの重量は、前記光硬化性透明樹脂の重量の30〜150%であり、50〜100%であることが好ましい。本発明の着色組成物では、重合性モノマーが硬化主体の役割を果たし、光硬化性透明樹脂が硬化補助の役割を果たす。光硬化性透明樹脂自体は、重合性モノマーと比較して、光硬化に対する影響が小さい一方、重合性モノマーは光でその物が硬化するため、前記のように定義している。両者はバランス良く含んでいることが好ましい。
本発明の着色組成物を用いて形成された塗膜に紫外線を照射すると、光硬化性透明樹脂が有するエチレン性不飽和二重結合を起点として、重合性モノマーの重合が促進され、紫外線を照射した部分の塗膜全体が、硬化不良を生じることなく十分に硬化する。前記重合性モノマーの重量が前記光硬化性透明樹脂の重量の150%を超える場合には、重合性モノマーの重合の起点となる光硬化性透明樹脂が少なく、十分に重合性モノマーが硬化しないため好ましくない。また、30%未満の場合には、重合性モノマーは十分硬化するが、重合性モノマーの絶対量が減ってしまい、塗膜の硬化が不十分となってしまうため好ましくない。
本発明の着色組成物に含まれる色素としては、有機または無機の顔料を、単独でまたは2種類以上混合して用いることができる。顔料のなかでは、発色性が高く、且つ耐熱性の高い顔料、特に耐熱分解性の高い顔料が好ましく、通常は有機顔料が用いられる。
以下に、本発明の着色組成物に好ましく使用できる有機顔料の具体例を、カラーインデックス番号で示す。
赤色フィルタセグメントを形成するための赤色着色組成物には、例えばC.I. Pigment Red 7、9、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、97、122、123、146、149、168、177、178、180、184、185、187、192、200、202、208、210、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、246、254、255、264、272等の赤色顔料を用いることができる。赤色着色組成物には、黄色顔料、オレンジ顔料を併用することができる。
イエロー色フィルタセグメントを形成するためのイエロー色着色組成物には、例えばC.I. Pigment Yellow 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、1
7、18、20、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、86、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、125、126、127、128、129、137、138、139、147、148、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、199等の黄色顔料を用いることができる。
オレンジ色フィルタセグメントを形成するためのオレンジ色着色組成物には、例えばC.I. Pigment orange 36、43、51、55、59、61等のオレンジ色顔料を用いることができる。
緑色フィルタセグメントを形成するための緑色着色組成物には、例えばC.I. Pigment Green 7、10、36、37等の緑色顔料を用いることができる。緑色着色組成物には黄色顔料を併用することができる。
青色フィルタセグメントを形成するための青色着色組成物には、例えばC.I. Pigment Blue 15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64等の青色顔料を用いることができる。青色着色組成物には、C.I. Pigment Violet 1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、50等の紫色顔料を併用することができる。
シアン色フィルタセグメントを形成するためのシアン色着色組成物には、例えばC.I. Pigment Blue15:1、15:2、15:4、15:3、15:6、16、81等の青色顔料を用いることができる。
マゼンタ色フィルタセグメントを形成するためのマゼンタ色着色組成物には、例えばC.I. Pigment Violet 1、19、C.I. Pigment Red144、146、177、169、81等の紫色顔料および赤色顔料を用いることができる。マゼンタ色着色組成物には、黄色顔料を併用することができる。
また、無機顔料としては、硫酸バリウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑、アンバー、チタンブラック、合成鉄黒、酸化チタン、四酸化鉄などの金属酸化物粉や、金属硫化物粉や、金属粉等が挙げられる。無機顔料は、彩度と明度のバランスを取りつつ良好な塗布性、感度、現像性等を確保するために、有機顔料と組み合わせて用いられる。
本発明の着色組成物には、調色のため、耐熱性を低下させない範囲内で染料を含有させることができる。
本発明の着色組成物に含まれる有機溶剤としては、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロヘキサノン、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソアミル、酢酸n−アミル、メチルイソブチルケトン、n−ブチルアルコール(、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、1,2,3−トリクロロプロパン、o−クロロトルエン、o−キシレン、m−キシレン、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロ
パンジオール、ジイソブチルケトン、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、3-エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、p−クロロトルエン、o−ジエチルベンゼン、m−ジエチルベンゼン、p−ジエチルベンゼン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、n−ブチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール等が挙げられる。これらは、単独でまたは2種以上混合して用いられる。有機溶剤は、着色組成物中の色素100重量部に対して、800〜4000重量部、好ましくは1000〜2500重量部の量で用いることができる。
本発明の着色組成物には、光重合開始剤が添加される。
光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン等のチオキサンソン系光重合開始剤、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系光重合開始剤、ボレート系光重合開始剤、カルバゾール系光重合開始剤、イミダゾール系光重合開始剤等が用いられる。光重合開始剤は、着色組成物中の色素100重量部に対して、5〜200重量部、好ましくは10〜150重量部の量で用いることができる。
上記光重合開始剤は、単独でまたは2種以上混合して用いることができるが、増感剤として、α−アシロキシムエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等の化合物を併用することもできる。増感剤は、着色組成物中の光重合開始剤100重量部に対して、0.1〜60重量部の量で用いることができる。
本発明の着色組成物は、1種または2種以上の色素を、前記重合性モノマーおよび光重合開始剤と共に、前記光硬化性透明樹脂および有機溶剤中に三本ロールミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダー、アトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散して製造することができる。また、2種以上の色素を含む着色組成物は、各色素を別々に前記光硬化性透明樹脂および有機溶剤中に微細に分散したものを混合して製造することもできる。色素として顔料を前記光硬化性透明樹脂および有機溶剤中に分散する際には、適宜、樹脂型顔料分散剤、界面活性剤、顔料誘導体等の分散助剤を含有させることができる。分散助剤は、顔料の分散に優れ、分散後の顔料の再凝集を防止する効果が大きいので、分散助剤を用いて顔料を前記光硬化性透明樹脂および有機溶剤中に分散してなる着色組成物を用いた場合には、透明性に優れたカラーフィルタが得られる。
樹脂型顔料分散剤としては、顔料に吸着する性質を有する顔料親和性部位と、顔料担体と相溶性のある部位とを有し、顔料に吸着して顔料の顔料担体への分散を安定化する働きをするものである。樹脂型顔料分散剤として具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレートなどのポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩などの油性分散剤、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、燐酸エステル系等が用いられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどのノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物などのカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
顔料誘導体は、有機顔料に置換基を導入した化合物であり、有機顔料には、一般に顔料とは呼ばれていないナフタレン系、アントラキノン系等の淡黄色の芳香族多環化合物も含まれる。顔料誘導体としては、特開昭63−305173号公報、特公昭57−15620号公報、特公昭59−40172号公報、特公昭63−17102号公報、特公平5−9469号公報等に記載されているものを使用でき、これらは単独でまたは2種類以上を混合して用いることができる。
本発明の着色組成物には、現像液に対する溶解性や耐性をコントロールするために、非感光性透明樹脂を含有させることができる。非感光性透明樹脂は、エチレン性不飽和二重結合を有しない、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において透過率が好まし
くは80%以上、より好ましくは95%以上の透明樹脂である。このような非感光性透明樹脂には、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂が含まれ、これらを単独で、または2種類以上混合して用いることができる。
非感光性熱可塑性樹脂としては、例えば、ブチラール樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、スチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリブタジエン、ポリイミド樹脂等が挙げられる。また、非感光性熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
また、本発明の着色組成物には、組成物の経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。貯蔵安定剤としては、例えばハイドロキノン、メチルハイドロキノン、2,5ジ−tert−ブチルハイドロキノン、tert−ブチルハイドロキノン、tert−ブチル−β−ベンゾキノン、tert−ブチルハイドロキノン、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノンなどのハイドロキノン系化合物、ベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリベンジルホスフィンなどのホスフィン化合物、トリオクチルホスフィンオキサイド、トリフェニルホスフィンオキサイドなどのホスフィンオキサイド化合物、トリフェニルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイトなどのホスファイト化合物、t−ブチルピロカテコールなどが挙げられる。貯蔵安定剤は、着色組成物中の色素100重量部に対して、0.1〜10重量部の量で用いることができる。
また、基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることもできる。
シランカップリング剤としては、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオシラン類等が挙げられる。シランカップリング剤は、カラーフィルタ用着色組成物中の色素100重量部に対して、0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部の量で用いることができる。
本発明の着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。
また、本発明の着色組成物は、塗布ムラを発生することなく、均一な塗膜を得るために
、25℃においてE型粘度計を用いて回転数20rpmで測定した粘度が10mPa・s以下になるように調整することが好ましく、1mPa・s以上8mPa・s以下になるように調整することがより好ましい。
着色組成物は、溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジスト材の形態で調製することができる。
つぎに、本発明の着色組成物を用いて形成されたフィルタセグメントを具備するカラーフィルタについて説明する。
カラーフィルタは、透明あるいは反射基板上に、R(赤)、G(緑)、B(青)、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)から選ばれる少なくとも2色のフィルタセグメントが形成されたものである。各色のフィルタセグメントは、フォトリソグラフィー法により、本発明の着色組成物を用いて形成することができる。
透明基板としては、ガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂板が用いられる。
反射基板としては、シリコンや、前記の透明基板上にアルミニウム、銀、銀/銅/パラジウム合金薄膜などを形成したものが用いられる。
フォトリソグラフィー法により各色フィルタセグメントを形成する場合は、上記溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジストとして調製した着色組成物を、基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布する。必要により乾燥された膜には、この膜と接触あるいは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行う。その後、溶剤またはアルカリ現像液に浸漬するかもしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去して所望のパターンを形成したのち、同様の操作を他色について繰り返してカラーフィルタを製造することができる。さらに、着色レジストの重合を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。フォトリソグラフィー法によれば、印刷法より精度の高いカラーフィルタが製造できる。
現像処理方法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、ディップ(浸漬)現像法、パドル(液盛り)現像法等を適用することができる。
なお、紫外線露光感度を上げるために、上記着色レジスト材を塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ可溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し、酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
以下に、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。なお、実施例における「部」は、「重量部」を表す。
(合成例1)
反応容器にシクロヘキサノン560部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら80℃に加熱して、同温度で、メタクリル酸34.0部、メチルメタクリレート23.0部、n−ブチルメタクリレート45.0部、グリセロールモノメタクリレート47.0部、および2,2’−アゾビスイソブチロニトリル4.0部の混合物を1時間かけて滴下して重合反応を行った。
滴下終了後、さらに80℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル1.0部をシクロヘキサノン55部に溶解させたものを添加し、さらに80℃で1時間反応を続けて、共重合体溶液を得た。
次に、得られた共重合体溶液338部に対して、2−メタクロイルエチルイソシアネート32.0部、ラウリン酸ジブチル錫0.4部、およびシクロヘキサノン120.0部の混合物を70℃で3時間かけて滴下した。
室温まで冷却した後、得られた光硬化性透明樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した光硬化性透明樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにシクロヘキサノンを添加して光硬化性透明樹脂溶液Aを調製した。得られた光硬化性透明樹脂の重量平均分子量は20000、二重結合当量は470、溶解度パラメータは11.0であった。
(合成例2)
反応容器にシクロヘキサノン520部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら80℃に加熱して、同温度で、メタクリル酸7.0部、メチルメタクリレート7.0部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート63.0部、グリセロールモノメタクリレート66.0部、および2,2’−アゾビスイソブチロニトリル4.0部の混合物を1時間かけて滴下して重合反応を行った。
滴下終了後、さらに80℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル1.0部をシクロヘキサノン70部に溶解させたものを添加し、さらに80℃で1時間反応を続けて、共重合体溶液を得た。
次に、得られた共重合体溶液220部に対して、2−メタクロイルエチルイソシアネート56.0部、ラウリン酸ジブチル錫0.4部、およびシクロヘキサノン220.0部の混合物を70℃で3時間かけて滴下した。
室温まで冷却した後、合成例1と同様にして不揮発分が20重量%になるようにシクロヘキサノンを添加し、光硬化性透明樹脂溶液Bを調製した。得られた光硬化性透明樹脂の重量平均分子量は20000、二重結合当量は270、溶解度パラメータは11.0であった。
(合成例3)
反応容器にシクロヘキサノン480部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら80℃に加熱して、同温度で、メタクリル酸32.0部、メチルメタクリレート24.0部、n−ブチルメタクリレート16.0部、ベンジルメタクリレート48.0部、グリセロールモノメタクリレート15.0部、および2,2’−アゾビスイソブチロニトリル4.0部の混合物を1時間かけて滴下して重合反応を行った。
滴下終了後、さらに80℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル1.0部をシクロヘキサノン80部に溶解させたものを添加し、さらに80℃で1時間反応を続けて、共重合体溶液を得た。
次に、得られた共重合体溶液445部に対して、2−メタクロイルエチルイソシアネート14.0部、ラウリン酸ジブチル錫0.4部、およびシクロヘキサノン55.0部の混合物を70℃で3時間かけて滴下した。
室温まで冷却した後、合成例1と同様にして不揮発分が20重量%になるようにシクロヘキサノンを添加し、光硬化性透明樹脂溶液Cを調製した。得られた光硬化性透明樹脂の重量平均分子量は20000、二重結合当量は1000、溶解度パラメータは10.8であった。
[実施例1]
下記の組成の混合物を均一に撹拌混合した後、直径1mmのガラスビーズを用いて、サンドミルで5時間分散した後、5μmのフィルタで濾過し銅フタロシアニン分散体を作製した。
ε型銅フタロシアニン顔料(C.I. Pigment Blue 15:6) 12.00部
(BASF製「ヘリオゲンブルーL−6700F」)
分散剤(日本ルーブリゾール社製「ソルスパース20000」) 2.40部
合成例1で得られた光硬化性透明樹脂溶液A 28.10部
シクロヘキサノン 57.50部
ついで、下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して、青色レジスト材として調整した着色組成物を得た。着色組成物の組成(着色組成物全量を100とした重量比)を表1に示す。
銅フタロシアニン分散体 45.05部
合成例1で得られた光硬化性透明樹脂溶液A 18.05部
カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート 4.80部
光重合開始剤 2.50部
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガキュアー907」)
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) 0.20部
レベリング剤 0.01部
(ビックケミー・ジャパン社製「BYK−323」)
シクロヘキサノン 29.40部
[実施例2〜9および比較例1〜7]
顔料、分散剤、光硬化性透明樹脂溶液、溶剤の組成を表2に示す割合(顔料分散体全量を100とした重量比)に変更し、実施例1と同様にして、各色顔料分散体を得た。
続いて、顔料分散体、光硬化性透明樹脂溶液、重合性モノマー、光重合開始剤、増感剤、有機溶剤、レベリング剤の組成を表3に示す割合(着色組成物全量を100とした重量比)に変更した以外は、実施例1と同様にして各色レジスト材として調整した着色組成物を得た。
PB15:6:ε型銅フタロシアニン顔料(C.I. Pigment Blue 15:6)
(BASF製「ヘリオゲンブルーL−6700F」)
PR254:ジケトピロロピロール系顔料(C.I. Pigment Red 254)
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガフォーレッドB−CF」)PR177:アントラキノン系顔料(C.I. Pigment Red 177)
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「クロモフタールレッドA2B」)PY199:アントラキノン系顔料(C.I. Pigment Yellow 199)
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「クロモフタールエローGT-AD」)
PG36:ハロゲン化銅フタロシアニン系顔料(C.I. Pigment Green 36)
(東洋インキ製造社製「リオノールグリーン6YK」)
PY150:モノアゾ系顔料(C.I. Pigment Yellow 150)
(ランクセス社製「ファンチョンファーストエローY−5688」)
分散剤:日本ルーブリゾール社製「ソルスパース20000」
樹脂A:合成例1で得られた光硬化性透明樹脂溶液A
樹脂B:合成例2で得られた光硬化性透明樹脂溶液B
樹脂C:合成例3で得られた光硬化性透明樹脂溶液C

モノマーA:カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート
(ダイセルサイテック社製「Ebecryl 2047」、溶解度パラメータ:10.6、二重結合当量:201)
モノマーB:エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート
(東亞合成社製「アロニックスM−350」、溶解度パラメータ:10.1、二重結合当量:143)
モノマーC:トリメチロールプロパントリアクリレート
(新中村化学社製「NKエステルA−TMPT」、溶解度パラメータ:10.5、二重結合当量:99)
樹脂A:合成例1で得られた光硬化性透明樹脂溶液A
樹脂B:合成例2で得られた光硬化性透明樹脂溶液B
樹脂C:合成例3で得られた光硬化性透明樹脂溶液C
光重合開始剤:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガキュアー907」
増感剤:保土ヶ谷化学株式会社製「EAB−F」
レベリング剤:ビックケミー・ジャパン社製「BYK−323」
実施例1〜9および比較例1〜7で得られた各色レジスト材を100mm×100mm、0.7mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて塗布し、厚さ2.0μmの塗膜を形成した。次に、70℃20分間のプリベークを行った後、100mJ/cm2の紫外線露光を行った。得られた光硬化膜の分光透過率を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用いて測定したのち、0.25%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬した。2分間浸漬した後、再度、顕微分光光度計を用いて分光透過率を測定し、色差ΔEabを算出した。また、0.25%水酸化ナトリウム水溶液に2分間浸漬後、光学顕微鏡を用いて現像シミの観察を行い、4段階(◎:現像シミの観察は見られなかった、○:僅かだが薄く現像シミが見られた、△:薄く全体に現像シミが見られた、×:濃く全体に現像シミが見られた)で評価した。結果を表4に示す。
実施例1〜6で得られた着色組成物を用いて形成された硬化塗膜は、比較例1〜7で得られた着色組成物を用いて形成された硬化塗膜に比べて水酸化ナトリウム水溶液の浸漬前後での色差ΔEabが小さく、現像シミの発生が見られない良好な結果であった。
さらに、実施例7〜9で得られた着色組成物を用いて作製された硬化塗膜は、好ましい範囲に近い配合量では、色差ΔEabが最も好ましい実施例9に比べ大きく、現像シミの発生も実施例9に比べ若干観察された結果となっている。

Claims (4)

  1. エチレン性不飽和二重結合を有する重合性モノマー、エチレン性不飽和二重結合を有する透明樹脂、色素および有機溶剤を含有する着色組成物であって、前記重合性モノマーの二重結合当量MDCに対する、前記重合性モノマーの溶解度パラメータMSPの比MSP/MDCが0.10以下であり、かつ前記透明樹脂の二重結合当量PDCに対する、前記透明樹脂の溶解度パラメータPSPの比PSP/PDCが0.012以上であり、かつ前記重合性モノマーの重量が、前記透明樹脂の重量の30〜332%であり、
    重合性モノマーが、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、またはエチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレートの少なくとも1種を含有することを特徴とする着色組成物。
  2. 重合性モノマーの二重結合当量MDCが120〜350であることを特徴とする請求項1記載の着色組成物。
  3. 透明樹脂の二重結合当量PDCが200〜800であることを特徴とする請求項1または2記載の着色組成物。
  4. 基板上に、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の着色組成物を用いて形成されたフィルタセグメントを具備するカラーフィルタ。
JP2007189736A 2007-07-20 2007-07-20 着色組成物およびそれを用いたカラーフィルタ Active JP5075510B2 (ja)

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