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JP5072848B2 - 低血糖イベントを低減するためのdpp−iv阻害剤の使用 - Google Patents

低血糖イベントを低減するためのdpp−iv阻害剤の使用 Download PDF

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Description

本発明は、抗糖尿病性化合物での処置とりわけインスリン処置が原因の低血糖イベント、とりわけ重篤な低血糖イベントの低減方法であって、該患者ジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤(DPP−IV阻害剤)またはその薬学的に許容される塩で処置する方法に関する。
処置されている患者は、好ましくは真性糖尿病、好ましくは非インスリン依存性真性糖尿病またはグルコース代謝障害(IGM)好ましくは耐糖能障害(IGT)のような高血糖に罹患している。
真性糖尿病は、高血糖により特徴付けられる比較的一般的な障害(一般的な集団で約1%有病率であると概算される)である。真性糖尿病には3つの基本的な型、I型またはインスリン依存性真性糖尿病(IDDM)、II型または非インスリン依存性真性糖尿病(NIDDM)、およびA型インスリン抵抗性が存在する。I型またはII型糖尿病のいずれかの患者は、種々の機構を介して、外因性インスリンの作用に非感受性となり得る(“インスリン抵抗性”)。A型インスリン抵抗性は、インスリン受容体遺伝子における変異、またはグルコース代謝に必須の受容体後作用部位における欠損のいずれかが原因である。糖尿病は、一般に外因性インスリンの投与(とりわけI型糖尿病)、食事制限および運動(とりわけII型糖尿病)または両方を介して管理される。
グルコース代謝障害(IGM)は、正常範囲よりは高いが、2型真性糖尿病の診断基準に合う程には高くない血中グルコースレベルにより定義される。IGMの発生率は国毎に異なるが、通常、明白な糖尿病よりも2−3倍頻繁に起こる。最近まで、IGMの個体は前糖尿病と考えられていたが、いくつかの疫学的試験からのデータから、IGMの個体は、糖尿病に対する個体のリスクおよび心血管罹病率および死亡率のリスクに関して様々であることが議論されている。本データは、IGM、特にIGTの個体が常に糖尿病を発症するだけではなく、糖尿病であるかないかに係わらず、それでもなお心血管罹病率および死亡率のリスクが高いことを示唆する。IGMの対象の中で、約58%が耐糖能障害(IGT)を有し、残りの29%が空腹時高血糖(IFG)、および13%が両方の異常(IFG/IGT)を有する。IGTは、上昇した食後(食事後)高血糖により特徴付けられ、一方IFGは、空腹時血糖値を基にADAにより定義されている(下記表参照)。
正常グルコース抵抗性(NGT)、IGMおよび2型真性糖尿病はADA(米国糖尿病協会)により1997年に定義された。
IGTが非糖尿病ならびに糖尿病における独立した危険因子であるという事実は、それを糖尿病とは別に、心血管罹病率および死亡率ならびに癌の予防および処置のための新規適応として正当化する。さらに、正常血糖と2型真性糖尿病の間の段階、とりわけ血糖段階が大きな関心事となり、2型真性糖尿病への、そしてIGMおよびとりわけIFGおよび/またはIGTと関連するまた種々の心血管および微小血管状態および疾患ならびに癌への進行を阻止するまたは遅らせる方法への強い要求が存在する。
2型糖尿病は進行性の疾患であり、単剤療法は、幾分かの患者で最初血中グルコースを管理できるが、それは高い二次的失敗率と関連する。治療の失敗のこの高い発生率は、2型糖尿病患者における、長期高血糖関連合併症の高い割合の主要な寄与因子である。血糖管理の維持に対する単剤治療の限界は、少なくとも幾分かの患者で、そして限られた期間、単剤での長期治療中に維持できない血中グルコースにおける低下を達成するために、複数の経口薬剤の組み合わせにより打ち勝つことができる。利用可能なデータは、2型糖尿病のほとんどの患者で、経口単剤療法が失敗に終わり、複数薬剤での処置が必要となるであろうとの結論を支持する。
しかし、2型糖尿病が進行性の疾患であるため、組み合わせ治療に対する良好な初期応答の患者でさえ、長期間にわたり血中グルコースレベルを維持することが非常に困難であるため、最終的には用量の増加またはインスリンでのさらなる処置を必要とする。
組み合わせ治療は血糖管理を増強する可能性を有するが、それにはかならず限界がある。多くの結果は、低血糖のリスクが組み合わせ治療で増加し得て、そして複数の投薬の必要性はまた患者コンプライアンスも低下させ得る。加えて、複数の抗高血糖薬剤の摂取は、患者が摂取するかもしれない他の薬剤との薬物動態学的相互作用の可能性を増加させる。
経口組み合わせ治療の合理的な使用は、複数インスリン注射の非値溶性を一時的に遅らせ、一時的に低グルコースレベルまたは低グリコヘモグロビン(HbA1c)レベルの維持を促進し、そして血管合併症の予防を一時的に助け得る。
出願人は、本発明により、DPP−IV阻害剤、とりわけLAF237が、抗糖尿病性化合物での処置、とりわけインスリン処置が原因の重篤な低血糖イベントの低減のために、抗糖尿病性化合物と組み合わせて、とりわけインスリン処置と組み合わせて使用できることを、驚くべきことに発見した。さらにこのような組み合わせでの長期処置は、他の組み合わせ、例えばグリタゾンと組み合わせたインスリンと比較して、顕著に不便さが少ない。
インスリンは、糖尿病の治療的処置のために、米国食品医薬品局により承認された既知化合物である。
本明細書の文脈において、用語“インスリン”はまた全ての形態のインスリンまたは特許US6620780に記載のようなその全ての誘導体を含むことも意図する。
ヒトインスリンは、3個の1級アミノ基:A鎖およびB鎖のN末端、ならびにLysB29のε−アミノ基を有する。これらの基の1個以上が置換されているインスリン誘導体は、先行文献から既知である。故に、米国特許3,528,960(Eli Lilly)は、インスリン分子の1級アミノ(ammo)基の1個、2個または3個がカルボキシアロイル基を有するN−カルボキシアロイルインスリンに関する。具体的なNεB29置換インスリン類の開示はない。
GB特許1.492.997(Nat. Res. Dev. Corp.)によると、NεB29にカルバミル置換を有するインスリンは、血糖低下効果の改善されたプロファイルを有する。
JP公開特許出願番号1−254699(Kodama Co., Ltd.)は、脂肪酸が、Phe B1のアミノ基に、またはLys B29のε−アミノ基に、またはこれらの両方に結合しているインスリンを開示する。この誘導体化の記載されている目的は、薬理学的に許容される、安定なインスリン製剤を得ることである。
3連ヌクレオチドにより必ずしもコードされ得るものではないB30位に少なくとも5個の炭素原子を有するアミノ酸インスリン類は、JP公開特許出願57−067548(塩野義)に記載されている。本インスリン類似体は、真性糖尿病、特にウシまたはブタインスリン抗体の産生のためにインスリン抵抗性である患者の処置に有用であることが主張されている。
米国特許5,359,030(Ekwuribe, Protein Delivery, Inc.)は、直線状ポリアルキレン部分および親油性部分を含む(これらの部分は、ポリペプチドが酵素分解に対して増加したインビボ抵抗性を有するように互いに配置されている)ポリマーと共有結合的に結合したポリペプチドを含む、経口または非経腸投与用接合安定化ポリペプチド組成物を記載している。
EP511600A2には、特に、式[タンパク質][Z]n(ここで、[タンパク質]は、アミノ基の代わりに、その水素原子の1個の除去によりアミノ基から誘導可能なアミノ残基を有するタンパク質であり、[Z]は式−CO−W−COOHにより示される残基であり、ここで、Wはある種のヘテロ原子を含んでもよい2価長鎖炭化水素基であり、そしてnは、[Z]と[タンパク質]の間のアミド結合の平均数を示す)のタンパク質誘導体に関する。その発明のタンパク質誘導体が、それらが由来するタンパク質と比較して非常に長い血清半減期を有すること、およびそれらが抗原性を示さないことが記載されている。また、インスリンは、その発明に従う誘導体が製造できるタンパク質の一つであることが記載されているが、具体的インスリン誘導体はEP511600に開示されておらず、有用なインスリン誘導体を得るための好ましい[Z]または[Z]を挿入すべき位置の示唆も何もない。
本明細書において、用語インスリンを複数表現でまたは一般的な意味で使用するとき、それは天然に存在するインスリン類およびインスリン類似体の両方およびそれらの誘導体を包含することを意図する。ここで使用する“インスリン誘導体”は、CysA7とCysB7の間およびCysA20とCysB19の間のジスルフィド架橋、およびCysA6とCysA11の間の内部ジスルフィド架橋を含むヒトインスリンと類似の分子構造を有し、そしてインスリン活性を有する、ポリペプチドを意味する。
好ましくは、インスリンは、約30nmol/mlから約3000nmol/ml、または120nmol/mlから1200nmol/ml、約600nmol/mlのインスリンを含む溶液である、医薬組成物の形である。
インスリン類の例は以下の通りである;
NovoLog(登録商標)(インスリンアスパルト[rDNA起源]注射)は、急速に作用する、非経腸用血中グルコース低下剤であるヒトインスリン類似体である。NovoLogの用量は、患者の必要性に応じて、医師の助言に基づき、個別化し、決定すべきである。個々の総1日インスリン必要量は、通常0.5−1.0単位/kg/日である。食事関連皮下注射処置レジメンにおいて使用するとき、全インスリン必要量の50−70%をNovoLogにより提供してよく、残りを中間型または長時間作用型インスリンにより提供する。
APIDRATM(インスリングルリシン[rDNA起源])は、急速に作用する、非経腸用血中グルコース低下剤であるヒトインスリン類似体である。インスリングルリシンは、大腸菌の非病原性研究室株(K12)を使用した組み換えDNA技術により製造される。インスリングルリシンは、B3位のアミノ酸アスパラギンがリシンにより置換され、そしてB29位のリシンがグルタミン酸により置換されている点でヒトインスリンと異なる。化学的に、それは3−リシン−29−グルタミン酸−ヒトインスリンであり、実験式C2583846478および5823の分子量を有する。APIDRA 100単位/mL(U−100)は、以下の包装サイズで入手可能である:10mLバイアルNDC 0088-2500-33。APIDRAの用量は、患者の必要性に応じて、医師の助言に基づき、個別化し、決定すべきである。APIDRAは、より長時間作用するインスリンまたは基底のインスリン類似体を含む処置レジメンにおいて通常使用すべきである。
Humalog(インスリンリスプロ、rDNA起源)は、急速に作用する、非経腸用血中グルコース低下剤であるヒトインスリン類似体である。化学的に、それはLys(B28)、Pro(B29)ヒトインスリン類似体であり、インスリンB鎖上の28位および29位のアミノ酸が逆転したときに製造される。
LANTUS(登録商標)(インスリングラルギン[rDNA起源]注射)は、注射として使用するインスリングラルギンの滅菌溶液である。インスリングラルギンは、長時間作用型(作用時間24時間まで)、非経腸用血中グルコース低下剤である組み換えヒトインスリン類似体である。(CLINICAL PHARMACOLOGY参照)。LANTUSは、生成生物として大腸菌の非病原性研究室株(K12)を利用する、組み換えDNA技法により産生される。インスリングラルギンは、A21位のアミノ酸アスパラギンがグリシンにより置換され、そしてB鎖のC末端に2個のアルギニンが添加されている点で、ヒトインスリンと異なる。2型糖尿病の既に経口抗糖尿病剤での処置を受けているインスリン未処置患者での臨床試験で、LANTUSを平均1日1回10IUで開始し、その後、患者の必要性に応じて2から100IUの範囲の総1日用量まで調節した。
Exubera(登録商標)は、1型および2型糖尿病の処置のために指示される、吸入短時間作用型インスリン製剤であり、Pfizerにより開発された(ヒトインスリン[rDNA起源]) Inhalation Powder)。Exubera(登録商標)は、携帯型Exubera(登録商標)インヘーラーを使用して、食事前に口を通って肺に吸入する、急速に作用する、乾燥粉末ヒトインスリンである。
用語“DPP−IV阻害剤”は、DPP−IVおよび機能的に関連する酵素の酵素活性の、例えば、1−100%阻害のような阻害を示す、特に、基質分子の作用を防止する分子を示すことを意図し、グルカゴン様ペプチド−1、胃阻害性ポリペプチド、ペプチドヒスチジンメチオニン、サブスタンスP、ニューロペプチドY、および典型的に2番目のアミノ末端位置にアラニンまたはプロリン残基を含む他の分子を含むが、これらに限定されない。DPP−IV阻害剤での処置は、ペプチド基質の作用時間を延長し、ここに記載の発明に関連する生物学的活性のスペクトルに至る、その無傷の、非分解形態のレベルを増加させる。
DPP−IVは、その基質がインスリン分泌性ホルモングルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)および胃阻害性ペプチド(GIP)を含むため、グルコース代謝の制御に仕様できる。GLP−1およびGIPは、その無傷の形でのみ活性である;その2個のN末端アミノ酸の除去が、それらを不活性化する。DPP−IV合成阻害剤のインビボ投与は、GLP−1およびGIPのN末端分解を防止し、これらのホルモンのより高い血漿濃度をもたらし、インスリン分泌を増加させ、それにより糖耐性を改善する。この目的のために、化学化合物を、精製CD26/DPP−IVの酵素活性を阻害するそれらの能力について試験する。簡単に言うと、CD26/DPP−IVの活性を、インビトロで、その合成基質Gly−Pro−p−ニトロアニリド(Gly−Pro−pNA)を開裂する能力により測定する。Gly−Pro−pNAのDPP−IVによる開裂は、その産物p−ニトロアニリド(pNA)を遊離し、その出現率は酵素活性に直接比例する。本酵素活性の特異的酵素阻害剤による阻害は、pNAの産生速度を遅延させる。阻害剤と酵素の間の相互作用が強い程、pNAの産生速度は遅くなる。故に、pNAの蓄積速度の阻害程度が、直接酵素阻害の強度の指標である。pNAの蓄積は、分光光度計で測定する。各化合物の阻害定数、Kiは、一定量の酵素を、数種の異なる濃度の阻害剤および基質とインキュベートすることにより決定する。
本文脈において、“DPP−IV阻害剤”はまたDPP−IV阻害剤の活性代謝物およびプロドラッグのような、その活性代謝物およびプロドラッグも意図する。“代謝物”は、DPP−IV阻害剤が代謝されたときに産生される、DPP−IV阻害剤の活性誘導体である。“プロドラッグ”は、DPP−IV阻害剤に代謝されるか、またはDPP−IV阻害剤のものと同じ代謝物(複数もある)に代謝されるかのいずれかである化合物である。本文脈において、用語“DPP−IV阻害剤”はまた、その薬学的塩を含むことも意図する。
DPP−IV阻害剤は、当分野で既知である。以下において、代表的DPP−IV阻害剤を引用する:
DPP−IV阻害剤は、いずれも、例えばWO98/19998、DE19616486A1、WO00/34241、WO95/15309、WO01/72290、WO01/52825、WO03/002553、WO9310127、WO99/61431、WO9925719、WO9938501、WO9946272、WO9967278およびWO9967279において一般的および具体的に開示されている。
好ましいDPP−IV阻害剤は、以下の特許出願に記載されている;WO02053548、とりわけ化合物1001から1293および実施例1から124、WO02067918、とりわけ化合物1000から1278および2001から2159、WO02066627、とりわけ記載の実施例化合物、WO02/068420、とりわけ実施例IからLXIIIにおいて具体的に挙げられている全ての化合物および記載の対応する類似体、さらに好ましい化合物は、IC50を報告している表に記載の2(28)、2(88)、2(119)、2(136)であり、WO02083128、例えば請求項1から5の化合物、とりわけ実施例1から13および請求項6から10に記載の化合物、US2003096846、とりわけ具体的に記載の化合物、WO2004/037181、とりわけ実施例1から33、WO0168603、とりわけ実施例1から109の化合物、EP1258480、とりわけ実施例1から60の化合物、WO0181337、とりわけ実施例1から118、WO02083109、とりわけ実施例1Aから1D、WO030003250、とりわけ実施例1から166、最も好ましくは1から8の化合物、WO03035067、とりわけ実施例に記載の化合物、WO03/035057、とりわけ実施例に記載の化合物、US2003216450、とりわけ実施例1から450、WO99/46272、とりわけ請求項12、14、15および17の化合物、WO0197808、とりわけ請求項2の化合物、WO03002553、とりわけ実施例1から33の化合物、WO01/34594、とりわけ実施例1から4に記載の化合物、WO02051836、とりわけ実施例1から712、EP1245568、とりわけ実施例1から7、EP1258476、とりわけ実施例1から32、US2003087950、とりわけ記載の実施例化合物、WO02/076450、とりわけ実施例1から128、WO03000180、とりわけ実施例1から162、WO03000181、とりわけ実施例1から66、WO03004498、とりわけ実施例1から33、WO0302942、とりわけ実施例1から68、US6482844、とりわけ記載の実施例化合物、WO0155105、とりわけ実施例1および2に挙げられている化合物、WO0202560、とりわけ実施例1から166、WO03004496、とりわけ実施例1から103、WO03/024965、とりわけ実施例1から54、WO0303727、とりわけ実施例1から209、WO0368757、とりわけ実施例1から88、WO03074500、とりわけ実施例1から72、実施例4.1から4.23、実施例5.1から5.10、実施例6.1から6.30、実施例7.1から7.23、実施例8.1から8.10、実施例9.1から9.30、WO02038541、とりわけ実施例1から53、WO02062764、とりわけ実施例1から293、好ましくは実施例95の化合物(2−{{3−(アミノメチル)−4−ブトキシ−2−ネオペンチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリニル}オキシ}アセトアミドヒドロクロライド)、WO02308090、とりわけ実施例1−1から1−109、実施例2−1から2−9、実施例3、実施例4−1から4−19、実施例5−1から5−39、実施例6−1から6−4、実施例7−1から7−10、実施例8−1から8−8、90頁の実施例7−1から7−7、91から95頁の実施例8−1から8−59、実施例9−1から9−33、実施例10−1から10−20、US2003225102、とりわけ化合物1から115、実施例1から121の化合物、好ましくは化合物a)からz)、aa)からaz)、ba)からbz)、ca)からcz)およびda)からdk)、WO0214271、とりわけ実施例1から320、US2003096857、2001年2月16日出願の米国出願番号09/788,173(代理人番号LA50)、とりわけ記載の実施例化合物、WO99/38501、とりわけ記載の実施例化合物、W099/46272、とりわけ記載の実施例化合物およびDE19616486A1、特にval−pyr、val−チアゾリジド、イソロイシル−チアゾリジド、イソロイシル−ピロリジド、およびイソロイシル−チアゾリジドおよびイソロイシル−ピロリジドのフマル酸塩。
さらに好ましいDPP−IV阻害剤は、米国特許6124305およびUS6107317、国際特許出願、公開番号WO9819998、WO9515309およびWO9818763に開示の具体的実施例を含む;例えば1−[2−[(5−エイアノピリジン(eyanopyridin)−2−イル)アミノエチルアミノ]アセチル−2−シアノ−(S)−ピロリジンおよび(2S)−I−[(2S)−2−アニリノ(arnino)−3,3−ジメチルブタノイル]−2−ピロリジンカルボニトリル。
さらに好ましい態様において、DPP−IV阻害剤はN−ペプチジル−O−アロイルヒドロキシルアミンまたは薬学的に許容されるその塩である。アロイルは、例えば、ナフチルカルボニル;または非置換であるか、例えば、低級アルコキシ、低級アルキル、ハロゲンまたは、好ましくは、ニトロで一もしくは二置換されている、ベンゾイルである。ペプチジル部分は、好ましくは2個のα−アミノ酸、例えばグリシン、アラニン、ロイシン、フェニルアラニン、リシンまたはプロリンを含み、この中で、ヒドロキシルアミン窒素原子に直接結合しているものは、好ましくはプロリンである。
各々の場合、特に化合物請求項および作業実施例の最終産物において、最終産物、医薬製剤および請求の対象は、これらの刊行物を引用することにより本明細書に包含させる。
WO9819998は、N−(N'−置換グリシル)−2−シアノピロリジン類、特に1−[2−[5−シアノピリジン−2−イル]アミノ]−エチルアミノ]アセチル−2−シアノ−(S)−ピロリジンを開示する。
WO03/002553に記載の好ましい化合物は9から11頁に挙げられており、引用により本明細書に包含させる。
DE19616486A1は、val−pyr、val−チアゾリジド、イソロイシル−チアゾリジド、イソロイシル−ピロリジド、およびイソロイシル−チアゾリジドおよびイソロイシル−ピロリジドのフマル酸塩を開示する。
WO0034241およびUS6110949は、各々N−置換アダマンチル−アミノ−アセチル−2−シアノピロリジン類およびW(置換グリシル)−4−シアノピロリジン類を開示する。目的のDPP−IV阻害剤は、特に請求項1から4に言及のものである。
WO9515309は、DPP−IV阻害剤としてアミノ酸2−シアノピロリジンアミド類を開示し、そしてWO9529691はアルファ−アミノアルキルホスホン酸のジエステルのペプチジル誘導体、特にプロリンまたは関連構造を有するものを開示する。目的のDPP−IV阻害剤は、特に表1から8に言及のものである。
WO01/72290において、目的のDPP−IV阻害剤は、特に実施例1および請求項1、4および6に言及のものである。
WO01/52825は、特に(S)−1−{2−[5−シアノピリジン−2yl)アミノ]エチル−アミノアセチル)−2−シアノ−ピロリジンまたは(S)−1−[(3−ヒドロキシ−1−アダマンチル)アミノ]アセチル−2−シアノ−ピロリジン(LAF237)を開示する。
WO9310127は、DPP−IV阻害剤として有用なプロリンボロン酸エステル類を開示する。目的のDPP−IV阻害剤は、特に実施例1から19に言及のものである。
公開特許出願WO9925719は、Streptomyces属微生物の培養により製造するDPP−IV阻害剤であるスルホスチンを開示する。
WO9938501は、N−置換された4から8員ヘテロ環式環を開示する。目的のDPP−IV阻害剤は、特に請求項15から20に言及のものである。
WO9946272は、DPP−IV阻害剤としてリン酸化合物を開示する。目的のDPP−IV阻害剤は、特に請求項1から23に言及のものである。
他の好ましいDPP−IV阻害剤は、特許出願WO03/057200、14から27頁に開示の式I、IIまたはIIIに開示のものである。最も好ましいDPP−IV阻害剤は、28および29頁に具体的に記載の化合物である。
公開特許出願WO9967278およびWO9967279は、A−B−C(式中、Cが、DPP−IVの安定または不安定阻害剤である)の形のDPP−IVプロドラッグおよび阻害剤を開示する。
好ましくは、N−ペプチジル−O−アロイルヒドロキシルアミンは、式VII
Figure 0005072848
〔式中、
jは0、1または2であり;
Rεは天然アミノ酸の側鎖であり;そして
Rεは低級アルコキシ、低級アルキル、ハロゲンまたはニトロである。〕
の化合物、または薬学的に許容されるその塩である。
本発明の非常に好ましい態様において、N−ペプチジル−O−アロイルヒドロキシルアミンは、式VIIa
Figure 0005072848
の化合物、または薬学的に許容されるその塩である。
例えば式VIIまたはVIIaのN−ペプチジル−O−アロイルヒドロキシルアミン類、およびそれらの製剤は、H.U. Demuth et al.により、J. Enzyme Inhibition 1988, Vol. 2、129-142頁、とりわけ130-132頁に記載されている。
好ましいDPP−IV阻害剤は、Mona Patel and col. (Expert Opinion Investig Drugs. 2003 Apr;12(4):623-33)の5段落に記載され、とりわけP32/98、K−364、FE−999011、BDPX、NVP−DDP−728およその他であり、この文献は、とりわけDPP−IV阻害剤を引用により本明細書に包含させる。
他の好ましいDPP−IV阻害剤は、田辺のNo. 815541(T 6666)である。
好ましいDPP−IV阻害剤は、特許出願WO02/083128(とりわけ実施例1から13に記載の化合物)、US6,395,767(実施例1から109)およびWO03/033671(具体的に記載の全ての化合物、例えば化合物1から393、67−70頁の化合物)に開示されている。
FE−999011は、特許出願WO95/15309、14頁に、化合物番号18として記載されている。
他の好ましい阻害剤は、WO2001068603または米国特許6,395,767(実施例60の化合物)に開示の化合物BMS−477118であり、特許出願WO2004/052850の2頁の式Mにおいて記載の(1S,3S,5S)−2−[(2S)−2−アミノ−2−(3−ヒドロキシトリシクロ[3.3.1.13,7]デク−1−イル)−1−オキソエチル]−2−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボニトリル、ベンゾエート(1:1)、および、特許出願WO2004/0528503頁の式Mに記載の対応する遊離塩基、(lS,3S,5S)−2−[(2S)−2−アミノ−2−(3−ヒドロキシ−トリシクロ[3.3.1.13,7]デク−1−イル)−1−オキソエチル]−2−アザビシクロ−[3.1.0]ヘキサン−3−カルボニトリル(M')およびその一水和物(M”)としても既知である。化合物BMS−477118はサクサグリプチンとしても既知である。
他の好ましい阻害剤は、WO03/002531(実施例9)に開示の化合物GSK23Aであり、(2S,4S)−1−((2R)−2−アミノ−3−[(4−メトキシベンジル)スルホニル]−3−メチルブタノイル)−4−フルオロピロリジン−2−カルボニトリルヒドロクロライドとしても既知である。
3−[(2S,3S)−2−アミノ−3−メチル−1−オキソペンチル]チアゾリジンとしても既知のP32/98(CAS番号:251572-86-8)は、3−[(2S,3S)−2−アミノ−3−メチル−1−オキソペンチル]チアゾリジンおよび(2E)−2−ブテンジオエート(2:1)混合物として使用でき、WO99/61431に記載され、以下の式
Figure 0005072848
はProbiodrug名のWO99/61431およびDiabetes 1998, 47, 1253-1258にも記載され、ならびに化合物P93/01も同じ会社により記載されている。
他の非常に好ましいDPP−IV阻害剤は、特許出願WO02/083128に、例えば請求項1から5に開示の化合物である。最も好ましいDPP−IV阻害剤は、実施例1から13および請求項6から10に具体的に記載の化合物である。
他の非常に好ましいDPP−IV阻害剤は、サクサグリプチン(BMS477118)のようなBristol-Myers Squibbにより開示の化合物である。
本発明の他の非常に好ましいDPP−IV阻害剤は、国際特許出願WO02/076450(とりわけ実施例1から128)およびWallace T. Ashton(Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters 14(2004) 859-863)により記載され、とりわけ化合物1および表1および2に挙げられている化合物である。好ましい化合物は、式:
Figure 0005072848
の化合物21e(表1)である。
他の好ましいDPP−IV阻害剤は、特許出願WO2004/037169(とりわけ実施例1から48に記載のもの)およびWO02/062764(とりわけ記載の実施例1から293、さらに好ましいのは、7頁に記載の化合物3−(アミノメチル)−2−イソブチル(isobuthyl)−1−オキソ−4−フェニル−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリンカルボキサミドおよび2−{[3−(アミノメチル)−2−イソブチル(isobuthyl)−4−フェニル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリル]オキシ}アセトアミド)およびまた特許出願WO2004/024184(とりわけ参考実施例1から4)に記載されている。
他の好ましいDPP−IV阻害剤は、特許出願WO03/004498に記載され、とりわけ実施例1から33であり、最も好ましくは実施例7に記載の式
Figure 0005072848
の化合物であり、またMK−0431またはシタグリプチンとしても既知である。シタグリプチンの好ましい1日投与は、25から100mgである。
各々の場合、特に化合物請求項および作業実施例の最終産物において、最終産物、医薬製剤および請求の対象は、これらの刊行物を引用することにより本明細書に包含させる。
好ましいDPP−IV阻害剤は、特許出願WO2004/037181、とりわけ実施例1から33に記載され、最も好ましくは請求項3から5に記載の化合物である。
好ましいDPP−IV阻害剤は、N−置換アダマンチル−アミノ−アセチル−2−シアノピロリジン類、N(置換グリシル)−4−シアノピロリジン類、N−(N'−置換グリシル)−2−シアノピロリジン類、N−アミノアシルチアゾリジン類、N−アミノアシルピロリジン類、L−allo−イソロイシルチアゾリジン、L−threo−イソロイシルピロリジン、およびL−allo−イソロイシルピロリジン、1−[2−[(5−シアノピリジン−2−イル)アミノ]エチルアミノ]アセチル−2−シアノ−(S)−ピロリジン、MK−431およびそれらの医薬的塩である。
最も好ましいDPP−IV阻害剤は、[S]−1−[2−(5−シアノ−2−ピリジニルアミノ)エチルアミノ]アセチル−2−ピロリジンカルボニトリル一塩酸塩、(S)−1−[(3−ヒドロキシ−1−アダマンチル)アミノ]アセチル−2−シアノ−ピロリジンおよびL−threo−イソロイシルチアゾリジン(Probiodrugの化合物コード:上記の通りP32/98)、MK−0431、3−(アミノメチル)−2−イソブチル(isobuthyl)−1−オキソ−4−フェニル−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリンカルボキサミドおよび2−{[3−(アミノメチル)−2−イソブチル(isobuthyl)−4−フェニル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリル]オキシ}アセトアミドおよび所望によりそれらの医薬的塩である。
[S]−1−[2−(5−シアノ−2−ピリジニルアミノ)エチルアミノ]アセチル−2−ピロリジンカルボニトリル一塩酸塩および(S)−1−[(3−ヒドロキシ−1−アダマンチル)アミノ]アセチル−2−シアノ−ピロリジンは、各々WO98/19998の実施例3およびWO00/34241の実施例1に開示されている。DPP−IV阻害剤P32/98(上記参照)は、Diabetes 1998, 47, 1253-1258に具体的に記載されている。[S]−1−[2−(5−シアノ−2−ピリジニルアミノ)エチルアミノ]アセチル−2−ピロリジンカルボニトリル一塩酸塩および(S)−1−[(3−ヒドロキシ−1−アダマンチル)アミノ]アセチル−2−シアノ−ピロリジンは、WO98/19998の20頁またはWO00/34241に記載の通り、製剤できる。
とりわけ好ましいのは、式:
Figure 0005072848
1−{2−[(5−シアノピリジン−2−イル)アミノ]エチルアミノ}アセチル−2−(S)−シアノ−ピロリジン(別名[S]−1−[2−(5−シアノ−2−ピリジニルアミノ)エチルアミノ]アセチル−2−ピロリジンカルボニトリル一塩酸塩)、特にその二塩酸塩および一塩酸塩形、

Figure 0005072848
のピロリジン、1−[(3−ヒドロキシ−1−アダマンチル)アミノ]アセチル−2−シアノ−、(S)(別名(S)−1−[(3−ヒドロキシ−1−アダマンチル)アミノ]アセチル−2−シアノ−ピロリジン、LAF237またはビルダグリプチン)、
およびL−threo−イソロイシルチアゾリジン(Probiodrugの化合物コード:上記の通りP32/98)、シタグリプチン、GSK23A、サクサグリプチン、3−(アミノメチル)−2−イソブチル(isobuthyl)−1−オキソ−4−フェニル−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリンカルボキサミドおよび2−{[3−(アミノメチル)−2−イソブチル(isobuthyl)−4−フェニル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリル]オキシ}アセトアミドおよび所望によりそれらの医薬的塩である。
DPP728およびLAF237は、各々WO98/19998の実施例3およびWO00/34241の実施例1に開示されている。DPP−IV阻害剤P32/98(上記参照)は、Diabetes 1998, 47, 1253-1258に具体的に記載されている。DPP728およびLAF237は、WO98/19998の20頁またはWO00/34241に、または国際特許出願EP2005/000400(出願番号)に記載の通り製剤できる。
ここに引用により包含させる上記特許文献または科学刊行物に開示の全ての物質は、本発明の実施において使用されるDPP−IV阻害剤として有用である可能性があると見なされる。
本発明にしたがい単独で使用するDPP−IV阻害剤は、担体と共に使用できる。
本文脈における担体は(天然、合成、ペプチド性、非ペプチド性)ツール、例えば具体的物質をそれが包埋されている細胞膜を通して、そして細胞膜まで輸送するタンパク質である。種々の担体(天然、合成、ペプチド性、非ペプチド性)が、種々の物質の輸送のために必要であり、各個々は1個だけの物質をまたは類似の物質のグループを認識するように設計される。
当業者に既知の全ての検出法を、例えば、担体の標識により、DPP−IVと担体の結合を検出するために使用できる。
DPP−IV阻害剤はペプチド性または、好ましくは、非ペプチド性薬剤である。
最も好ましいのは、経口で活性のDPP−IV阻害剤およびその医薬的塩である。
本発明の活性成分(DPP−IV阻害剤)または薬学的に許容されるそれらの塩は、溶媒和物、例えば水和物または結晶化に使用した他の溶媒を含む形でも使用できる。
本発明により、DPP−IV阻害剤またはその塩、とりわけLAF237が、少なくとも1種の抗糖尿病性化合物(例えば1種または2種の抗糖尿病性化合物)、とりわけインスリンと組み合わせて、該抗糖尿病性化合物での処置が原因の重篤な低血糖イベントを低減するために、とりわけインスリン処置が原因の重篤な低血糖イベントを低減するために使用できることが、驚くべきことに判明した。故に、第一の態様において、本発明は、少なくとも1種の抗糖尿病性化合物(例えば1種または2種の抗糖尿病性化合物)で処置されている患者、とりわけインスリンで処置されている患者に、治療的有効量のDPP−IV阻害剤またはその塩を投与することを含む、重篤な低血糖イベントを低減するための方法を提供する。
または、抗糖尿病剤で処置されている患者、とりわけインスリンで処置されている患者に、治療的有効量のDPP−IV阻害剤またはその塩を投与することを含む、少なくとも1種の抗糖尿病性化合物(すなわち1種または2種の抗糖尿病性化合物)での処置が原因の、とりわけインスリン処置が原因の低血糖イベントまたは重篤な低血糖イベントを低減する方法。
または、低血糖イベントまたは重篤な低血糖イベントの低減用薬剤の製造における、少なくとも1種の抗糖尿病性化合物(例えば1種または2種の抗糖尿病性化合物)、とりわけインスリンと組み合わせた、DPP−IV阻害剤またはその塩の使用。
または、少なくとも1種の抗糖尿病性化合物(例えば1種または2種の抗糖尿病性化合物)で処置されている患者、とりわけインスリン処置下の患者における、低血糖イベントまたは重篤な低血糖イベントの低減用薬剤の製造のための、DPP−IV阻害剤またはその塩の使用。
低血糖イベントまたは重篤な低血糖イベントがインスリン処置が原因である、すなわちインスリン処置の結果として起こる、上記の使用。
低血糖イベントまたは重篤な低血糖イベントが、抗糖尿病性化合物、例えばメトホルミン、ナテグリニド、グリタゾン類(好ましくはピオグリタゾンまたはロシグリタゾン)、スルホニルウレア類、GLP−1またはGLP−1類似体(好ましくはエキセンジン−4)、カンナビノイド受容体−1(CB1)アンタゴニスト(好ましくはリモナバン)およびインスリンから選択される、1種、2種または3種での処置が原因、すなわち、処置の結果である、上記の使用。患者が2種の抗糖尿病性化合物で処置されているとき、その組み合わせは;メトホルミン+スルホニルウレア類、メトホルミン+グリタゾン、メトホルミン+GLP−1類似体、メトホルミン+CB1アンタゴニスト、グリタゾン+スルホニルウレア、メトホルミン+インスリン、グリタゾン+インスリン、GLP−1類似体+スルホニルウレア、スルホニルウレア+インスリン、またはGLP−1類似体+インスリンであり得る。
用語“低血糖イベント”または“低血糖エピソード”は、当業者に既知である。低血糖は、SMBG<3.1mmol/L 血漿グルコース当量により確認される、低血中グルコースの指標である症状として定義された。重篤な低血糖は、他者(another party)からの何らかの助けを必要とする何らかのエピソードとして定義された(該イベントの重症度がグルコース測定により除外されない限り、低血漿グルコース値<3.1mmol/L)。故に、本発明によって、用語“重篤な低血糖”は、好ましくは低血漿グルコース値<3.8mmol/L、好ましくは<3.1mmol/Lのエピソードとして定義される。
好ましくは、DPP−IV阻害剤は、式(I)
Figure 0005072848
の(S)−1−[(3−ヒドロキシ−1−アダマンチル)アミノ]アセチル−2−シアノ−ピロリジン(LAF237またはビルダグリプチン)または薬学的に許容されるその塩である。
本文脈において、用語“(S)−1−[(3−ヒドロキシ−1−アダマンチル)アミノ]アセチル−2−シアノ−ピロリジン”または“LAF237”または“ビルダグリプチン”はまた、それらの全ての塩または結晶形を含むことも意図する。
抗糖尿病性化合物は、好ましくはインスリンシグナル伝達経路モジュレーター、例えば、タンパク質チロシンホスファターゼ(PTPase)の阻害剤、グルタミン−フルクトース−6−ホスフェートアミドトランスフェラーゼ(GFAT)の非小分子模倣性化合物および阻害剤、調節されていない肝グルコース産生に影響する化合物、例えば、グルコース−6−ホスファターゼ(G6Pase)の阻害剤、フルクトース−1,6−ビスホスファターゼ(F−1,6−BPase)の阻害剤、グリコーゲンホスホリラーゼ(GP)の阻害剤、グルカゴン受容体アンタゴニストおよびホスホエノールピルベートカルボキシキナーゼ(PEPCK)の阻害剤、ビルビン酸脱水素酵素キナーゼ(PDHK)阻害剤、インスリン増感剤、インスリン分泌促進剤、α−グルコシダーゼ阻害剤、胃排出阻害剤、インスリン、およびα−アドレナリンアンタゴニスト、またはCB1カンナビノイド受容体アンタゴニストから選択される。
ここで使用する用語“インスリン増感剤”は、インスリンに対する組織感受性を増加させる、何らかのおよび全ての薬理学的活性化合物を意味する。インスリン増感剤は、例えば、GSK−3の阻害剤、レチノイドX受容体(RXR)アゴニスト、Beta−3 ARのアゴニスト、UCP類のアゴニスト、抗糖尿病性チアゾリジンジオン類(グリタゾン類)、非グリタゾンタイプのPPARγアゴニスト、2重PPARγ/PPARαアゴニスト、抗糖尿病性バナジウム含有化合物およびビグアナイド類、例えば、メトホルミンを含む。
インスリン増感剤は、好ましくは抗糖尿病性チアゾリジンジオン類、抗糖尿病性バナジウム含有化合物およびメトホルミンから成る群から選択される。
一つの好ましい態様において、本インスリン増感剤はメトホルミンである。
メトホルミンは、NIDDMの患者において血中グルコースを低下させるために広く処方されており、500、750、850および1000mg量で市販されている。しかしながら、それは短時間作用型薬剤であるため、メトホルミンは1日2回または1日3回投与を必要とする(食事と共に500−850mg錠2−3/日または1000mg bid)。米国特許3,174,901に開示されているビグアナイド抗高血糖剤メトホルミンは、現在、米国でその塩酸塩(Glucophage@)(Bristol-Myers Squibb Company)から市販されている。メトホルミン(ジメチルジグアニド)およびその塩酸塩の製造は、最先端であり、Emil A. Werner and James Bell, J. Chem. Soc. 121, 1922, 1790-1794により最初に開示された。メトホルミンは、例えば、商品名GLUCOPHAGETMの下に市販されている形で、投与できる。
メトホルミン(Mefformin)は、宿主の末梢組織におけるインスリン感受性を増加させる。メトホルミン(Mefformin)はまた腸からのグルコース吸収の阻害、肝臓糖新生の抑制、および脂肪酸酸化の阻害にも関する。メトホルミン(Mefformin)の適当な投与レジメンは、500mg単位用量1日2〜3回を含み、さらに1日5回に増加でき、または850mg1日1回もしくは2回を含む。[Martindale, The Complete Drug Reference]。
抗高血糖剤を用いるある種の制御されたまたは持続性放出の製剤、例えば塩酸メトホルミンは、投与形態からの薬剤の放出を制御するための膨張剤(expanding agent)またはゲル化剤の使用に限定されている。この研究は、WO96/08243の教示および、Bristol-Myers Squibbから商業的に入手可能なメトホルミン制御放出製品であるGLUCOPHAGE XRの添付文書により例示される。GLUCOPHAGE(塩酸メトホルミン錠剤)は、食事と共に分割量を摂取すべきであるが、GLUCOPHAGE XR(塩酸メトホルミン持続放出錠剤)は、一般に夕食時1日1回摂取すべきである。メトホルミンは、好ましくはメトホルミンHClの形である。
ここで使用する用語“メトホルミン”は、メトホルミンまたは塩酸塩、メトホルミン(2:1)フマル酸塩、および1999年3月4日出願の米国出願番号09/262,526に開示のようなメトホルミン(2:1)コハク酸塩、臭化水素酸塩、p−クロロフェノキシ酢酸塩またはエンボン酸塩、および米国特許3,174,901に開示のものを含む一塩基性および二塩基性カルボン酸のメトホルミン塩のような薬学的に許容されるその塩を意味し、これら塩の全ては集合的にメトホルミンと呼ぶ。ここで使用するメトホルミンがメトホルミン塩酸塩、すなわち、GLUCOPHAGE-DまたはGLUCOPHAGE XR(Bristol-Myers Squibb Companyの商標)として市販されているものであることが好ましい。
本文脈において、“DPP−IV阻害剤”、“メトホルミン”、“グリタゾン”、または“ピオグリタゾン”、“ロシグリタゾン”のような何らかの具体的グリタゾンはまた、全ての薬学的に許容されるそれらの塩、それらの結晶形態、水和物、溶媒和物、ジアステレオマーまたはエナンチオマーを含むことも意図する。
抗糖尿病性チアゾリジンジオン(グリタゾン)は、例えば、(S)−((3,4−ジヒドロ−2−(フェニル−メチル)−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)メチル−チアゾリジン−2,4−ジオン(エングリタゾン)、5−{[4−(3−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)−1−オキソプロピル)−フェニル]−メチル}−チアゾリジン−2,4−ジオン(ダルグリタゾン)、5−{[4−(1−メチル−シクロヘキシル)メトキシ)−フェニル]メチル}−チアゾリジン−2,4−ジオン(シグリタゾン)、5−{[4−(2−(1−インドリル)エトキシ)フェニル]メチル}−チアゾリジン−2,4−ジオン(DRF2189)、5−{4−[2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)−エトキシ)]ベンジル}−チアゾリジン−2,4−ジオン(BM−13.1246)、5−(2−ナフチルスルホニル)−チアゾリジン−2,4−ジオン(AY−31637)、ビス{4−[(2,4−ジオキソ−5−チアゾリジニル)メチル]フェニル}メタン(YM268)、5−{4−[2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)−2−ヒドロキシエトキシ]ベンジル}−チアゾリジン−2,4−ジオン(AD−5075)、5−[4−(1−フェニル−1−シクロプロパンカルボニルアミノ)−ベンジル]−チアゾリジン−2,4−ジオン(DN−108)5−{[4−(2−(2,3−ジヒドロインドル−1−イル)エトキシ)フェニルメチル}−チアゾリジン−2,4−ジオン、5−[3−(4−クロロ−フェニル])−2−プロピニル]−5−フェニルスルホニル)チアゾリジン−2,4−ジオン、5−[3−(4−クロロフェニル])−2−プロピニル]−5−(4−フルオロフェニル−スルホニル)チアゾリジン−2,4−ジオン、5−{[4−(2−(メチル−2−ピリジニル−アミノ)−エトキシ)フェニル]メチル}−チアゾリジン−2,4−ジオン(ロシグリタゾン)、5−{[4−(2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ)フェニル]−メチル}チアゾリジン−2,4−ジオン(ピオグリタゾン)、5−{[4−((3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラン−2−イル)メトキシ)−フェニル]−メチル}−チアゾリジン−2,4−ジオン(トログリタゾン)、5−[6−(2−フルオロ−ベンジルオキシ)ナフタレン−2−イルメチル]−チアゾリジン−2,4−ジオン(MCC555)、5−{[2−(2−ナフチル)−ベンズオキサゾール−5−イル]−メチル}チアゾリジン−2,4−ジオン(T−174)および5−(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イルメチル)−2−メトキシ−N−(4−トリフルオロメチル−ベンジル)ベンズアミド(KRP297)である。
“ピオグリタゾン”、“ロシグリタゾン”のような具体的グリタゾンはまた、薬学的に許容されるそれらの塩、それらの結晶形態、水和物、溶媒和物、ジアステレオマーまたはエナンチオマーを含むことも意図する。
PPAR抗糖尿病剤、とりわけグリタゾンの成人糖尿病患者(体重:50kg)への投与に関して、例えば、1日当たりの用量は、0.01から1000mg、好ましくは0.1から500mgである。この用量は、1日1回から数回投与できる。とりわけ、塩酸ピオグリタゾンをインスリン増感剤として用いるとき、1日あたりの塩酸ピオグリタゾンの用量は、通常7.5から60mg、好ましくは15から45mgである。トログリタゾンをインスリン増感剤として用いるとき、1日あたりのトログリタゾンの用量は、通常100から1000mg、好ましくは200から600mgである。ロシグリタゾン(またはそのマレイン酸塩)をインスリン増感剤として使用するとき、1日あたりのロシグリタゾンの量は、通常1から12mg、好ましくは2から12mgである。
グリタゾンは、好ましくはピオグリタゾン、塩酸ピオグリタゾン、トログリタゾンまたはロシグリタゾン(またはそのマレイン酸塩)、とりわけ好ましくは塩酸ピオグリタゾンである。
ACTOS(登録商標)(ピオグリタゾン)の用量は、単剤療法で、またはスルホニルウレア、メトホルミンもしくはインスリンと組み合わせて1日1回45mgを越えてはならない。メトホルミンと組み合わせたACTOSは、1日1回15mgまたは30mgから開始する。その時点のメトホルミン用量は、ACTOS治療を開始しても続け得る。メトホルミンの用量が、ACTOSとの組み合わせ治療中の低血糖のために調節を必要とする可能性は低い。ACTOSは15mg、30mg、および45mg 錠剤として入手可能である。
AVANDIA(登録商標)(ロシグリタゾン)は、1日1回用量として、または分割し、朝および晩に投与する4mg出発用量で投与できる。FPGの低下により決定して、処置8から12週後に応答が不適当である患者について、用量単剤療法でまたはメトホルミンと組み合わせて、1日8mgに増加させる。AVANDIAの用量は、1回用量または1日2回の分割用量で、1日8mgを越えてはならない。AVANDIAは2mg、4mg、および8mg 錠剤で入手可能である。
メトホルミンおよびチアゾリジンジオン誘導体を含む、市販の組み合わせも本発明によって使用できる。特に、例えば、商品名AVANDAMET(登録商標)の下に市販されているような、ロシグリタゾンをメトホルミンと組み合わせて投与することが可能である。AVANDAMETでの抗糖尿病治療は、効果および耐容性に基づき個別化すべきであるが、8mg/2,000mgの最大推奨1日用量を越えてはならない。AVANDAMET(登録商標)は種々の種類の錠剤を提供する。各錠剤は、ロシグリタゾンをマレイン酸塩としておよび塩酸メトホルミンを以下の通り含む:1mg/500mg、2mg/500mg、4mg/500mg、2mg/1,000mg、4mg/1,000mg。
非グリタゾンタイプのPPARγアゴニストは、とりわけN−(2−ベンゾイルフェニル)−L−チロシン類似体、例えばGI−262570、およびJTT501である。
インスリン分泌促進剤は、膵臓β細胞からのインスリン分泌を促進する特性を有する薬理学的活性化合物である。インスリン分泌促進剤の例は、グルカゴン受容体アンタゴニスト(上記参照)、スルホニルウレア誘導体、インクレチンホルモン、とりわけグルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)またはGLP−1アゴニスト、β細胞イミダゾリン受容体アンタゴニスト、および短時間作用型インスリン分泌促進物剤、例えば抗糖尿病性フェニル酢酸誘導体、抗糖尿病性D−フェニルアラニン誘導体およびT. Page et al in Br. J. Pharmacol. 1997, 122, 1464-1468に記載のBTS 67582を含む。
スルホニルウレア誘導体は、例えば、グリソキセピド、グリブリド、グリベンクラミド、アセトヘキサミド、クロロプロパミド、グリボルヌリド、トルブタミド、トラザミド、グリピジド、カルブタミド、グリキドン、グリヘキサミド(glyhexamide)、フェンブタミド(phenbutamide)またはトルシクラミド(tolcyclamide);および好ましくはグリメピリドまたはグリクラジドである。トルブタミド、グリベンクラミド、グリクラジド、グリボルヌリド、グリキドン、グリソキセピドおよびグリメピリドは、例えば各々商品名RASTINON HOECHSTTM、AZUGLUCONTM、DIAMICRONTM、GLUBORIDTM、GLURENORMTM、PRO-DIABANTMおよびAMARYLTMの下に市販の形で投与できる。
GLP−1は、例えば、W.E. Schmidt et al. in Diabetologia 28, 1985, 704-707およびUS5,705,483に記載されたインスリン分泌性タンパク質である。ここで使用する用語“GLP−1アゴニスト”は、特にUS5,120,712、US5,118666、US5,512,549、WO91/11457およびC. Orskov et al in J. Biol. Chem. 264(1989)12826に開示されたGLP−1(7−36)NHの変異体および類似体を意味する。用語“GLP−1アゴニスト”は、とりわけ化合物様GLP−1(7−37)(その化合物において、Arg36のカルボキシ末端アミド官能性は、GLP−1(7−36)NH分子の37位のGlyと置換されている)および、GLN−GLP−1(7−37)、D−GLN−GLP−1(7−37)、アセチルLYS−GLP−1(7−37)、LYS18−GLP−1(7−37)および、特に、GLP−1(7−37)OH、VAL−GLP−1(7−37)、GLY−GLP−1(7−37)、THR−GLP−1(7−37)、MET−GLP−1(7−37)および4−イミダゾプロピオニル−GLP−1を含む。Greig et al in Diabetologia 1999, 42, 45-50に記載のGLPアゴニスト類似体エキセンジン−4が特に好ましい。BYETTA(エキセンジン−4)は、インクレチン摸倣剤と呼ばれる2型糖尿病の処置のための新規クラスの薬剤の最初であり、ヒトインクレチンホルモングルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)と同じ効果の多くを示し、米国特許5,424,286に請求されている。BYETTAは、朝食および夕食前に投与する、固定用量、皮下注射として自己投与する。BYETTAは、5マイクログラム/用量および10マイクログラム/用量予備充填ペン型注入器の両方で利用可能である。
CB1カンナビノイド受容体のアンタゴニストは、該受容体に結合し、該受容体それ自体を活性化するいかなる能力も欠く、化合物である。アンタゴニストは、それにより、アナンダミドのようなアゴニストが、アゴニストが存在するとき、受容体を機能的に活性化または占拠するのを阻止または減少できる。ある態様において、本アンタゴニストは、約1μMから約1nMのIC50を有する。他の態様において、本アンタゴニストは、約0.1μMから0.01μM、1.0μMから0.1μM、または0.01μMから1nMのIC50を有する。ある態様において、本アンタゴニストは、アゴニストと受容体への結合について競合し、受容体上の結合部位を共有する。
適当なカンナビノイドCB1受容体アンタゴニストの最初の群は、ピラゾール誘導体である。特許出願EP−A−576357およびEP−A−658546は、カンナビノイド受容体に親和性を有するピラゾール誘導体の例を開示する。より具体的、特許出願EP−A−656354は、中枢カンナビノイド受容体に非常に良好な親和性を有する、ピラゾール誘導体の例を開示し、N−ピペリジノ−5−(4−クロロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチルピラゾール−3−カルボキサミド、またはSR141716、および薬学的に許容されるそれらの塩を有する。CB1受容体アンタゴニストのさらなる例は、米国特許5,596,106に開示され、それは哺乳動物におけるカンナビノイド受容体を遮断または阻害するアリールベンゾ[b]チオフェンおよびベンゾ[b]フラン化合物を開示する。好ましくは、このようなカンナビノイドアンタゴニストはCB1受容体に選択的であり、CB2受容体に対するよりも1/4またはそれより少ないCB1受容体に対するIC50、CB2受容体に対するIC50の1/10またはそれ以下、さらにより好ましくは、CB2受容体に対する1/100であるCB1受容体に対するIC50を有する。上記の引用文献の各々は、その全体を引用により本明細書に包含させる。
本発明の内容において有用なCBアンタゴニスト化合物の他の例は以下を含む(それらに限定されない):
1)Sanofiにより選択的CB受容体アンタゴニストとして開示のジアリールピラゾール同属体、例えば代表例として化合物SR−141716A、SR−147778、SR−140098およびリモナバンおよび例えばEP0969835またはEP1150961に記載の関連化合物(Central mediation of the cannabinoid cue: activity of a selective CB1 antagonist, SR 141716A Perio A, Rinaldi-Carmona M, Maruani J Behavioural Pharmacology 1996, 7:1 (65-71));Sanofi-Winthropにより開示のWIN−54461(Cannabinoid receptor ligands: Clinical and neuropharmacological considerations relevant to future drug discovery and development. Pertwee R G, Expert Opinion on Investigational Drugs 1996, 5:10 (1245-1253))。N−ピペリジノ−5−(4−クロロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチルピラゾール−3−カルボキサミド(SR 141616-CAS number:168273-06-1)、その薬学的に許容される塩およびそれらの溶媒和物が、欲望障害の処置に有用な薬剤の製造のために記載されている。SR 141616(pINN:リモナバン)は式:
Figure 0005072848
により示される。
リモナバンは、EP−B−656354またはM. Rinaldi-Carmona et al. (FEBS Lett., 1994, 350, 240-244)の文献に具体的に記載されている。EP1446384A1は、リモナバンの新規多形を記載し、リモナバンを含む製剤はWO2003082256に記載され、食欲(apetite)障害におけるリモナバンの使用はWO99/00119に記載されている。
2)CB受容体アンタゴニストとして記載されているアミノアルキルインドール類、例えば代表例として、化合物ヨードプラバドリン(AM−630)、
3)Eli Lillyにより選択的CB受容体アンタゴニストとして記載のアリール−アロイル置換ベンゾフラン類、例えばLY−320135(Cannabinoid receptor ligands: Clinical and neuropharmacological considerations relevant to future drug discovery and development. Pertwee R G, Expert Opinion on Investigational Drugs 1996, 5:10 (1245-1253))、
4)Merck & Coにより記載の化合物、例えばAM251およびAM281(Conference:31st Annual Meeting of the Society for Neuroscience, San Diego, USA, 10-15.11.2001)、および例えばU.S.2003−114495またはWO03/007887に開示の置換イミダゾリル誘導体、
5)Aventis Pharmaにより、例えばWO02/28346またはEP1328269に記載のアゼチジン誘導体、
6)Pfizer Inc. からのCP−55940(Comparison of the pharmacology and signal transduction of the human cannabinoid CB1 and CB2 receptors, Felder C C, Joyce K E, Briley E M, Mansouri J, Mackie K, Blond O, Lai Y, Ma A L, Mitchell R L, Molecular Pharmacology 1995, 48:3 (443))、
6')特許出願EP1622876、EP1622902、EP1622903、EP162290、EP1622909、EP1638570、EP1594872、EP1592691、EP1558615、EP1556373、EP1572662に記載のPfizer化合物、とりわけそれらの中に記載の具体的実施例化合物、とりわけCP−945598、
7)例えばWO03/051851に記載のAstra Zenecaのジアリール−ピラジン−アミド誘導体、
8)Med. Coll. Wisconsin(Univ. Aberdeen)のACPAおよびACEA(“Effects of AM 251 & AM 281, cannabinoid CB1 antagonists, on palatable food intake in lewis rats” J. Pharmacol. Exp. Ther. 289, No 3, 1427-33, 1999)、
9)例えばWO01/29007にUniversity of Conneticutにより記載のピラゾール誘導体、
10)エルサレムのYissum R&D Co Hebrew Univ. のHU−210(International Association for the Study of Pain--Ninth World Congress(Part II)Vienna, Austria, Dickenson A H, Carpenter K, Suzuki R, IDDB MEETING REPORT 1999, August 22-27)およびHU−243(Cannabinoid receptor agonists and antagonists, Barth F, Current Opinion in Therapeutic Patents 1998, 8:3 (301-313))、
11)Organix Inc. のO−823(Drug development pipeline: O- 585, O-823, O-689, O- 1072, nonamines, Orgaix, Altropane Organix Inc, Company Communication 1999, August 10; IDDb database)およびConsiglio Nazionale delle RicercheのO−2093(“A structure/activity relationship study on arvanil, endocannabinoid and vanilloid hybrid.”, Marzo DV, Griffin G, Petrocellis L, Brandi I, Bisogno T, Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics 2002, 300:3 (984-991))、
12)カンナビノイド受容体リガンドとして記載された3−アルキル−5,5'−ジフェニルイミダゾリジンジオン類、
13)Bayer AGにより現在開発中のCBアンタゴニスト化合物(IDDb database:company communication 2002, Feb. 28)。
14)CB1受容体アンタゴニストは、引用によりその全体を本明細書に包含させる米国特許6,028,084の式(I)のピラゾール誘導体、
15)米国特許6,017,919は、本発明に従い使用するための適当なカンナビノイド受容体アンタゴニストの他の群を開示する。これらのアンタゴニストは、以下の一般式を有する:
Figure 0005072848
〔式中、置換基は、その全体を引用により本明細書に包含させる米国特許6,017,919に定義の通りである。〕。
16)CB1カンナビノイドアンタゴニストは、米国特許5,747,524および2001年12月20日に公開の米国特許出願2001/0053788A1に教示のCB1−アンタゴニスト活性を有する4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール誘導体である、
17)CB1受容体アンタゴニストは、米国特許出願2001/0053788A1に教示の、特にその中に式(I)として記載のCB1−アンタゴニスト活性を有する4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール誘導体。米国特許出願2001/0053788A1は2001年12月20日に公開され、その全体を引用により本明細書に包含させる。
18)WO2005049615に記載のCB1受容体アンタゴニスト、とりわけ実施例1から8の化合物、
19)WO2005047285に記載のCB1受容体アンタゴニスト、とりわけ実施例1から99の化合物。
20)Solvay社(WO0170700A1)により開発されたCB1受容体アンタゴニスト(4R)−3−(4−クロロフェニル)−4,5−ジヒドロ−N−メチル−4−フェニル−N'−[[4−(トリフルオロメチル)フェニル]スルホニル]−1H−ピラゾール−1−カルボキシミドアミド(SLV 326-34th Neuroscience, Abs 1009.4, Oct 2004)
Figure 0005072848
Solvay CB1受容体アンタゴニストは、特許出願WO2005040130A1、WO2005028456A1、WO2005020988A1、WO2004026301A1、WO2003078413A1、WO2003027076A2、WO2003026648A1、WO2003026647A1、WO2002076949A1、WO0170700A1の実施例に記載されている。
本発明の方法の実施において必要な毎日のリモナバンの用量は、例えば投与の形態および処置すべき状態の重症度に依存して変化する。指示される1日用量は、経口使用のためには約1から約100mg、例えば5から50mgまたは5から20mgの活性剤であり、簡便には1回量または分割用量で投与する。
好ましくは本発明による処置されている患者は高血糖に罹患している。
最も好ましくは、本患者は、真性糖尿病、I型またはインスリン依存性真性糖尿病(IDDM)、II型または非インスリン依存性真性糖尿病(NIDDM)、A型インスリン抵抗性、グルコース代謝障害(IGM)、空腹時高血糖(IFG)または耐糖能障害(IGT)から選択される疾患に罹患している。好ましい態様において、本患者はII型糖尿病またはIGTに罹患している。
最も好ましい態様において、DPP−IV阻害剤またはその塩を、疾患、すなわち糖尿病がインスリン単独または1種、2種もしくは3種の抗糖尿病性化合物での処置により適切に管理されなかった患者における標準糖尿病処置に加える。適切な疾患管理を評価するための基準は、当業者に既知であり、文献に、例えば、毎年米国糖尿病協会によりレビューDiabetes Care(Standards of Medical Care in Diabetes 2006 - 29: S4-42S)に記載されている。
本発明の方法または使用は、II型糖尿病またはIGT、特に心血管および微小血管状態に関連する状態の予防もしくは進行遅延に特に有用である。
本発明は、さらに、少なくとも1種の抗糖尿病性化合物(例えば1種または2種の抗糖尿病性化合物)で処置されている患者またはインスリン処置患者、特に少なくとも1種の抗糖尿病性化合物(例えば1種または2種の抗糖尿病性化合物)またはインスリン単独の処置で適切に管理されない患者(例えばII型糖尿病患者)、すなわち糖尿病またはグルコースレベルが少なくとも1種の抗糖尿病性化合物またはインスリン単独では適切に管理されない患者における、低血糖イベントまたは重篤な低血糖イベントの低減用薬剤の製造のためのDPP−IV阻害剤またはその塩の使用に関する。
好ましくは、本発明は、1種以上の抗糖尿病性化合物またはインスリン単独により適切に管理されない、すなわち糖尿病またはグルコースレベルが少なくとも1種の抗糖尿病性化合物(1種、2種もしくは3種の抗糖尿病性化合物)またはインスリン単独により適切に管理されない患者(例えばII型糖尿病患者)における、低血糖イベントまたは重篤な低血糖イベントの低減用薬剤の製造のための、少なくとも1種の抗糖尿病性化合物(1種、2種もしくは3種の抗糖尿病性化合物)またはインスリンと組み合わせた、DPP−IV阻害剤またはその塩の使用に関する。
25から150mg、好ましくは50mgまたは100mgのビルダグリプチン、またはその塩を、好ましくは毎日投与する(1日用量)、ここに記載の方法または使用。
さらに、ここで使用する“1日用量”は、24時間の期間内に投与される用量を意味する。
用語“予防”は、ここに記載の状態の発症を防止するための、健康患者への本組み合わせの投与を意味する。さらに、用語“予防”は、処置すべき状態の前段階にある患者へのこのような組み合わせの予防的投与を意味する。
ここで使用する用語“進行の遅延”は、組み合わせた製剤または医薬組成物のような本組み合わせの、処置すべき状態の前段階にある患者への投与を意味し、ここで、その患者において、対応する状態の前形態が診断されている。
用語“処置”は、疾患、状態、または障害と戦うことを目的とした患者の管理およびケアと理解される。
ここで使用する用語“患者”は、高血糖または糖尿病またはIGMに罹患している動物を意味する。好ましい動物は、イヌ、ネコ、ウマ、ウシおよびヒトのような哺乳動物である。患者がヒトであるのが好ましい。
この分野で、好ましい患者母集団年齢は、45歳以降、最も好ましくは60歳以降である。
関連分野の当業者は、本発明の有利な効果を確認するための関連試験モデルおよびプロトコールを選択することが十分に可能である。
患者および医療提供者により実施される血糖状態のモニタリングは、Diabetes Care “Tests of Glycemia in Diabetes - American Diabetes Association” 2003 26: S106-108に報告されるように当分野で既知であり、以下に記載する。この刊行物は、その全体を引用により本明細書に包含させる。
米国糖尿病協会の技術レビューは、さらなる情報のために調べるべきである(例えばGoldstein DE, Little RR, Lorenz RA, Malone JI, Nathan D, Peterson CM: Tests of glycemia in diabetes (Technical Review). Diabetes Care 18:896-909, 1995)。
ほんの数年ほど前に、患者による血中グルコースの自己モニタリング(SMBG)は、糖尿病の管理に革命をもたらしている。SMBGを使用して、糖尿病の患者は、特異的血糖目標を達成し、維持するために努力する。
SMBGの対象は、2つの米国糖尿病協会コンセンサス会議により広く取り組まれ、対象の包括的なレビューを提供する(American Diabetes Association: Self-monitoring of blood glucose (Consensus Statement). Diabetes Care 17:81-86, 1994 − および − American Diabetes Association: Self-monitoring of blood glucose (Consensus Statement). Diabetes Care 10:93-99, 1987)。SMBGは、ほとんどの患者において、尿グルコース試験に取って変わっている。家庭での患者による尿グルコース試験は、1回の排尿に基づく、または、あまり頻繁ではないが、4−24時間にわたり回収した、より定量的な“ブロック”による、半定量的測定から成る。原理は、尿中グルコース値が、尿回収期間中の平均血中グルコースを反映することである。
血中および尿グルコース試験および尿ケトン試験は、糖尿病の日々の管理のための有用な情報を提供する。
しかしながら、これらは、患者および医療チームに、長時間にわたり定量的で信頼できる糖血症の尺度を提供しない。糖化タンパク質、主にヘモグロビンおよび血清タンパク質が糖血症の評価のための新しい範囲を加えている。1回の測定で、これらの試験の各々は、数週間および数ヶ月の間の平均糖血症を提供し、それにより、日々の試験を補う。
糖化ヘモグロビン(GHb)試験:
グリコヘモグロビン、糖化ヘモグロビン、HbA1c、またはHbAとも呼ばれるGHbは、ヘモグロビンおよびグルコースからゆっくり、そして非酵素的に形成される一連の安定な小さいヘモグロビン成分を記載するために使用される用語である。GHbの形成速度は、環境グルコース濃度に直接比例する。赤血球がグルコースを自由に透過させるため、血中サンプルのGHbのレベルは、平均赤血球寿命である直前120日間の血糖歴を提供する。GHbは、直前2−3ヶ月の血糖管理を最も正確に反映する。
GHbアッセイ法の多くの異なるタイプが普通の臨床検査室で利用可能であり、例えばHbA1cはBio-Rad Diamatアナライザー上のイオン交換法を使用した高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定できる。ヘモグロビン変異体またはヘモグロビン分解ピークが観察されたならば、バックアップの親和性方法を使用する。
方法は、測定する糖化成分、干渉、および非糖尿病範囲に関連して相当異なる。糖化ヘモグロビンは、しばしばヘモグロビンA1cとして報告される。HbA1cは、血糖管理の好ましい標準になっている。この試験に関連して、用語“A1C試験”を使用する。
A1C試験は、真っ先に最初の評価時の血糖管理を記録するために、その後、係属的なケアの一部として、糖尿病の全患者で日常的に行うべきである。A1C試験が、直前の2−3ヶ月の平均糖血症を反映するため、患者の代謝管理が目標範囲に到達し、維持されているかどうかを決定するために、約3ヶ月毎の測定を行うべきである。
A1C試験は、心血管疾患の発症のリスクを予測するためにコレステロール測定を使用するのに類似して、糖尿病における多くの慢性合併症の発症のリスクを予測することが示されている。
糖化血清タンパク質(GSP)
ヒト血清アルブミンのターンオーバーがヘモグロビン(120日間の赤血球寿命)よりもはるかに短い(14−20日間の半減期)ため、血清タンパク質(ほとんどアルブミン)の糖化の程度は、ヘモグロビンの糖化の程度よりも短い期間にわたる糖血症の指数を提供する。総GSPおよび糖化血清アルブミン(GSA)の測定は、互いに、そして糖化ヘモグロビン(A1C試験)とよく相関する。A1C試験が測定できない、または有用ではないかもしれない状況において(例えば、溶血性貧血)、GSPアッセイは、処置レジメンの評価における価値があり得る。総GSPまたは総GSAのいずれかを定量するいくつかの方法が記載されている。最も広く使用されているものの一つは、フルクトサミンアッセイである。GSPの値は、急性全身性疾患または肝臓疾患に伴い起こり得る血清タンパク質の合成またはクリアランスの変化に伴い変化する。加えて、フルクトサミンアッセイを血清タンパク質または血清アルブミン濃度に対して補正すべきであるか否かについて、まだ議論が続いている。
GSPの1回の測定は、直前の1−2週間にわたる血糖状態の指標であり、1回のA1C試験は、かなり長い期間、2−3ヶ月にわたる血糖状態の指標を提供する。
GSPの測定は、具体的アッセイ法と無関係に、短時間の血糖管理しか示さないため、A1C試験と同等であると見なすべきではない。故に、GSPアッセイは、1年に3〜4回のA1C試験と同様の情報を得るために、毎月を基準に行うべきである。A1C試験とは異なり、GSPは、糖尿病の慢性合併症の発症または進行の危険との関連はまだ示されていない。
グルコースレベル経過チェック(例えばGSPアッセイ、A1C、インスリン)は、医師によく知られており、文献に、例えば米国糖尿病協会により報告されている。
本発明はまた、糖尿病、例えば2型糖尿病の処置のための処置レジメンであって、
1. インスリンにより処置されており、かつインスリン単独では適切に管理されていない患者を選択し、
2. 25から150mg、好ましくは50mgまたは100mgの(S)−1−[(3−ヒドロキシ−1−アダマンチル)アミノ]アセチル−2−シアノ−ピロリジン、またはその塩を、該患者にインスリンと組み合わせて毎日投与する
処置レジメンにも関する。
本発明はまた、糖尿病、例えば2型糖尿病の処置のための処置レジメンであって、
1. 少なくとも1種の抗糖尿病性化合物(例えば1種、2種または3種)により処置されており、かつインスリン単独では適切に管理されていない患者を選択し、
2. 25から150mg、好ましくは50mgまたは100mgの(S)−1−[(3−ヒドロキシ−1−アダマンチル)アミノ]アセチル−2−シアノ−ピロリジン、またはその塩を、該患者にインスリンと組み合わせて毎日投与する
処置レジメンにも関する。
上記の処置レジメンにおいて、用語“毎日”は、インスリンおよび(S)−1−[(3−ヒドロキシ−1−アダマンチル)アミノ]アセチル−2−シアノ−ピロリジン(ビルダグリプチン)に、または、例えば患者が体内にインスリンの1日量を送達するインスリンポンプまたは関連デバイスを含むとき、(S)−1−[(3−ヒドロキシ−1−アダマンチル)アミノ]アセチル−2−シアノ−ピロリジン(ビルダグリプチン)にのみ適用される。
本発明はまた糖尿病、例えば2型糖尿病の処置のための処置レジメンであって、
1)インスリンにより処置され、かつ低血糖エピソード、好ましくは重篤な低血糖イベントを示す患者を選択し、
2)25から150mg、好ましくは50mgまたは100mgの(S)−1−[(3−ヒドロキシ−1−アダマンチル)アミノ]アセチル−2−シアノ−ピロリジンを、該患者にインスリンと組み合わせて毎日投与する
処置レジメンにも関する。
本発明はまた糖尿病、例えば2型糖尿病の処置のための処置レジメンであって、
1)少なくとも1種の抗糖尿病性化合物(例えば1種、2種または3種)により処置され、かつ低血糖エピソード、好ましくは重篤な低血糖イベントを示す患者を選択し、
2)25から150mg、好ましくは50mgまたは100mgの(S)−1−[(3−ヒドロキシ−1−アダマンチル)アミノ]アセチル−2−シアノ−ピロリジンを、該患者にインスリンと組み合わせて毎日投与する
処置レジメンにも関する。
本発明はまた糖尿病、例えば2型糖尿病の処置のための処置レジメンであって、
1)インスリンにより処置され、かつ低血糖エピソード、好ましくは重篤な低血糖イベントを示す患者を選択し、
2)DPP−4阻害剤またはその塩を、該患者にインスリンと組み合わせて毎日投与する
処置レジメンにも関する。
本発明はまた糖尿病、例えば2型糖尿病の処置のための処置レジメンであって、
i)少なくとも1種の抗糖尿病性化合物(例えば1種、2種または3種)により処置され、かつ低血糖エピソード、好ましくは重篤な低血糖イベントを示す患者を選択し、
ii)DPP−4阻害剤またはその塩を、該患者に少なくとも1種の抗糖尿病性薬剤i)と組み合わせて毎日投与する
処置レジメンにも関する。
本発明はまた糖尿病、例えば2型糖尿病の処置のための処置レジメンであって、
i)少なくとも1種の抗糖尿病性化合物により処置され、かつ低血糖エピソード、好ましくは重篤な低血糖イベントを示す患者を選択し、
ii)DPP−4阻害剤またはその塩を、該患者に該少なくとも1種の抗糖尿病性薬剤i)と組み合わせて毎日投与し、
iii)該少なくとも1種の抗糖尿病性化合物i)の用量または1日量を、望むグルコースレベルが達成されるまで、徐々に減らす、
処置レジメンにも関する。
本発明はまた糖尿病、例えば2型糖尿病の処置のための処置レジメンであって、
1)インスリンにより処置され、かつ低血糖エピソード、好ましくは重篤な低血糖イベントを示す患者を選択し、
2)25から150mg、好ましくは50mgまたは100mgの(S)−1−[(3−ヒドロキシ−1−アダマンチル)アミノ]アセチル−2−シアノ−ピロリジンまたはその塩を、該患者にインスリンと組み合わせて毎日投与し、
3)インスリンの用量または1日量を、例えば血中HbA1cレベルの分析を介して、望むグルコースレベル、すなわち血中グルコースレベルが達成されるまで、徐々に減らす、
処置レジメンにも関する。
本発明はまた糖尿病、例えば2型糖尿病の処置のための処置レジメンであって、
i)少なくとも1種の抗糖尿病性化合物により処置され、かつ低血糖エピソード、好ましくは重篤な低血糖イベントを示す患者を選択し、
ii)25から150mg、好ましくは50mgまたは100mgの(S)−1−[(3−ヒドロキシ−1−アダマンチル)アミノ]アセチル−2−シアノ−ピロリジンまたはその塩を、該患者に該少なくとも1種の抗糖尿病性化合物i)と組み合わせて毎日投与し、
iii)少なくとも1種の抗糖尿病性化合物i)の用量または1日量を、例えば血中HbA1cレベルの分析を介して、望むグルコースレベル、すなわち血中グルコースレベルが達成されるまで、徐々に減らす、
処置レジメンにも関する。
インスリンは、その送達形に依存して、例えば1日に一定の回数で、1日2回、1日1回、2または3日毎に定期的に投与できる。
本発明の“少なくとも1種の抗糖尿病性化合物”は、例えば日々の中で、1日2回、1日1回、2または3日毎に定期的に投与できる。
本発明はまた糖尿病、例えば2型糖尿病の処置のための処置レジメンであって、
1)インスリンにより処置され、かつ低血糖エピソード、好ましくは重篤な低血糖イベントを示す患者を選択し、
2)25から150mg、好ましくは50mgまたは100mgの(S)−1−[(3−ヒドロキシ−1−アダマンチル)アミノ]アセチル−2−シアノ−ピロリジンまたはその塩を、インスリンの用量を減らすために、組み合わせて該患者に毎日投与する
処置レジメンにも関する。
本発明はまた糖尿病、例えば2型糖尿病の処置のための処置レジメンであって、
i)少なくとも1種の抗糖尿病性化合物により処置され、かつ低血糖イベント好ましくは重篤な低血糖イベントを示す患者を選択し、
ii)DPP−4阻害剤またはその塩を、該少なくとも1種の抗糖尿病性化合物i)の用量を減らすために、組み合わせて該患者に毎日投与する
処置レジメンにも関する。
本発明はまた糖尿病、例えば2型糖尿病の処置のための処置レジメンであって、
i)少なくとも1種の抗糖尿病性化合物(例えば1種、2種または3種)により処置され、かつ低血糖エピソード、好ましくは重篤な低血糖イベントを示す患者を選択し、
ii)25から150mg、好ましくは50mgまたは100mgの(S)−1−[(3−ヒドロキシ−1−アダマンチル)アミノ]アセチル−2−シアノ−ピロリジンまたはその塩を、i)の少なくとも1種の抗糖尿病性化合物の用量を減らすために、組み合わせて該患者に毎日投与する
処置レジメンにも関する。
(S)−1−[(3−ヒドロキシ−1−アダマンチル)アミノ]アセチル−2−シアノ−ピロリジンが任意の他のDPP−4阻害剤、とりわけここに記載のものに置き換わっており、用量が選択した特異的DPP−4阻害剤に適合されている、ここに記載の処置レジメン。
25mgから200mgのDPP−4阻害剤またはその塩を該処置患者に毎日投与する、ここに記載の処置レジメン、方法または使用。シタグリプチンの好ましい1日投与は25から100mgである。
DPP−4阻害剤を、メトホルミン、グリタゾン(例えばピオグリタゾンまたはロシグリタゾン)またはスルホニルウレアのようなさらなる抗糖尿病性化合物と組み合わせて投与できる、ここに記載の処置レジメン、方法または使用。
処置患者がインスリン依存性真性糖尿病(IDDM)、非インスリン依存性真性糖尿病(NIDDM)またはA型インスリン抵抗性に罹患している、ここに記載の処置レジメン、方法または使用。
DPP−4阻害剤を、インスリンおよび/またはさらなる抗糖尿病性化合物と、例えばメトホルミン、ナテグリニド、グリタゾン類(好ましくはピオグリタゾンまたはロシグリタゾン)、スルホニルウレア類、GLP−1またはGLP−1類似体(好ましくはエキセンジン−4)、カンナビノイド受容体−1(CB1)アンタゴニスト(好ましくはリモナバン)およびインスリンから選択される1種、2種もしくは3種の抗糖尿病性化合物と組み合わせて投与できる、ここに記載の処置レジメン、方法または使用。患者が2種の抗糖尿病性化合物で処置されているとき、本組み合わせは;メトホルミン+スルホニルウレア類、メトホルミン+グリタゾン、メトホルミン+GLP−1類似体、メトホルミン+CB1アンタゴニスト、グリタゾン+スルホニルウレア、メトホルミン+インスリン、グリタゾン+インスリン、GLP−1類似体+スルホニルウレア、スルホニルウレア+インスリンであり得る。
好ましくは、上記の方法または使用における処置患者は、高血糖およびインスリン投与後の低血糖イベント、例えば重篤な低血糖イベントに罹患している。最も好ましくは、高血糖に罹患している本患者は、真性糖尿病、I型またはインスリン依存性真性糖尿病(IDDM)、II型または非インスリン依存性真性糖尿病(NIDDM)、A型インスリン抵抗性、IGM、IFGまたはIGTから選択される疾患に罹患している。好ましい態様において、本患者はII型糖尿病またはIGTに罹患している。他の好ましい態様において、本処置患者は、疾患、例えば高血糖またはグルコースレベルがインスリン単独で適切に管理されなかった患者である。他の好ましい態様において、本処置患者は、疾患、例えば高血糖またはグルコースレベルが少なくとも1種の抗糖尿病性化合物で適切に管理されなかった患者である。
本発明に従う用語“少なくとも1種の抗糖尿病性化合物”は、DPP−4阻害剤を包含しない。
コード番号、一般名または商品名により同定した活性剤の構造は、標準概論“The Merck Index”の現行版またはデータベース、例えばPatents International(例えばIMS World Publications)からとり得る。それらの対応する内容を、引用により本明細書に包含させる。当業者は、活性剤の同定が十分に可能であり、これらの言及に基づいて、同様に、製造し、標準インビトロおよびインビボ両方における標準試験モデルで医薬適応症および特性を試験することが可能である。
ここに記載の医薬製剤は、恒温動物への経腸、例えば経口、およびまた直腸、または非経腸投与用であり、本製剤は、薬理学的活性化合物を、単独でまたは慣用的な医薬補助物質と共に含む。例えば、本医薬製剤は、約0.1%から90%、好ましくは約1%から約80%の活性化合物を含む。経腸または非経腸、およびまた眼投与用の医薬製剤は、例えば、単位用量形態、例えば被覆錠、錠剤、カプセル剤または坐薬およびまたアンプルである。これらは、それ自体既知の方法で、例えば慣用の混合、造粒、コーティング、溶解または凍結乾燥方法を使用して、製造する。故に、経口使用のための医薬製剤は、活性化合物と固体賦形剤を合わせ、必要であれば得られた混合物を造粒し、そして、望むならばまたは必要であるならば、該混合物または顆粒を、適当な補助物質の添加後に、錠剤または被覆錠コアに加工することにより得ることができる。
活性化合物の用量は、投与形態、恒温動物種、年齢および/または個々の状態のような種々の因子に依存し得る。
市販されている本発明の医薬組み合わせのこれらの活性成分の好ましい投与量は、とりわけ治療的に有効な市販されている投与量である。
活性化合物の投与量は、投与、投与形態、恒温動物種、年齢および/または個々の状態のような種々の因子に依存し得る。
対応する活性成分または薬学的に許容されるその塩はまた水和物の形で、または結晶化に使用した他の溶媒を含んで使用できる。
正確な投与量は、もちろん、用いる化合物、投与形態および望む処置に依存する。本化合物は任意の慣用の経路で、非経口でまたは好ましくは経口的に投与できる。
一般に、DPP−IV阻害剤、とりわけLAF237を約0.01から50mg/kgの1日投与量で投与したときに満足行く結果が得られ、より好ましい用量は0.1から50mg/kgの範囲である。
インスリンまたは少なくとも1種の抗糖尿病性化合物での処置は文献に十分に記載されている。
大型哺乳動物について、指示される総1日投与量は約0.01から100mg/kgの本化合物の範囲であり、簡便には1日2から4回の分割量で、例えば約0.1から約50mgの本化合物を持続形態で含む単位投与形態で投与する。
好ましくは、DPP−IV阻害剤、とりわけLAF237について、指示される総1日投与量は1から500mg、好ましくは10から200mgの活性成分の範囲である。
他の好ましいDPP−IV阻害剤、とりわけLAF237の経口投与量は、1から100mg、好ましくは10から100mg、例えば10mg、最も好ましくは25から100mg、例えば25mgまたは30または40または50、61、70、90、100、150mgである。LAF237の非常に好ましい1日経口投与量は50から100mgである。
経口投与のための適当な単位用量は、例えば約25から約200、または約25から約100mg、好ましくは25、50または100mgのような、DPP−IV阻害剤、とりわけLAF237を含む。非経腸投与用の適当な当量は、例えば約1から約100mg、例えば10から50mgの本化合物である。
DPP−IV阻害剤はまた毎日または2日毎、または1週間に2回のみ投与し得る。
本化合物は、これらの有用物の使用について既知の標準と同様の方法で投与できる。特定の化合物の適当な1日投与量は、その相対的な活性能のような多くの因子に依存する。関連分野の当業者は、治療的有効投与量を決定することが十分に可能である。
本発明の化合物は、遊離塩基でまたは薬学的に許容される酸付加塩もしくは4級アンモニウム塩として投与できる。このような塩は慣用の方法で製造でき、遊離形と同程度の活性を示す。これらの化合物が、例えば、少なくとも1種の塩基性中心を有するとき、これらは、酸付加塩を形成できる。対応する酸付加塩はまた、さらに存在する塩基性中心を有して形成できる。酸基(例えばCOOH)を有する化合物はまた、塩基と塩を形成できる。例えば、組み合わせるべき化合物はナトリウム塩、マレイン酸塩または二塩酸塩として存在できる。活性成分または薬学的に許容されるその塩はまた水和物の形で、または結晶化に使用した他の溶媒を含んで使用できる。
遊離または薬学的に許容される塩形のDPP−IV阻害剤と、インスリンまたは少なくとも1種の抗糖尿病性化合物(例えば1種、2種または3種)および所望により少なくとも1種の、すなわち、1種以上、例えば2種の、薬学的に許容される担体を含む、同時の、別々のまたは連続的使用のための組み合わせ製剤は、これらの成分、遊離または薬学的に許容される塩形のDPP−IV阻害剤およびインスリンまたは少なくとも1種の抗糖尿病性化合物を別々に投与でき、または成分の用量が区別される異なる製剤の使用により、すなわち、異なる時点で、または同時に投与できる点で、とりわけ“複数パーツのキット”である。次いで、複数パーツのキットのパーツを、例えば、同時にまたは時間的にずれて、すなわち、異なる時点で、そして複数パーツのキットの何らかのパーツと等しいまたは異なる時間間隔で投与できる。好ましくは、この時間間隔は、パーツの組み合わせ使用の処置疾患または状態に対する効果が、これらの成分いずれか単独の使用によりえら得られる効果よりも大きいように選択する。
本発明の組み合わせの成分各々の治療的有効量を、同時に、連続してそして任意の順番で投与でき、これらの成分を別々にまたは固定された組み合わせで投与できる。
本発明の医薬組成物はそれ自体既知の方法で製造でき、治療的有効量の薬理学的に活性化合物を、単独でまたは1種以上の薬学的に許容される、とりわけ経腸または非経腸投与に適当な担体と組み合わせて含む、ヒトを含む哺乳動物(温血動物)への経腸、例えば経口または直腸および非経腸投与に適する組成物である。
本発明をさらに説明するために(しかし、限定する意図はない)、以下の臨床試験を提供する。
本発明は好ましい態様を参照して上記に記載しているが、当業者には認識される通り、多くの付加、削除および修飾が可能であり、全て添付の特許請求の範囲内である。
本明細書に引用の全ての特許および文献は、ここに、その全体を参照により包含させる。矛盾がある場合、定義および解釈を含む本記載が優先される。
実施例1:
臨床試験
インスリンを、低血糖イベントを誘発する代表的抗糖尿病性化合物として使用する。DPP−4阻害剤の請求した予期されない利点を示すために、同等な試験を他の抗糖尿病性化合物(例えば1種、2種または3種)で、行い得る。
プロトコール概要
治験表題:
インスリンで処置されている2型糖尿病患者の追加治療としてのLAF237 50mg bidとプラセボの24週間処置を比較するための、多施設、二重盲検、無作為、並行群試験。
治験目的:
本治験は、インスリンで処置されている2型糖尿病患者におけるLAF237 50mg bidでの追加治療の効果と安全性を証明するために設計する。本治験は、2型糖尿病の処置におけるインスリンとの組み合わせ治療としてのLAF237の世界的な規制当局の承認を支持する。
目的:
主要目的:インスリンで処置されている2型糖尿病患者におけるLAF237での追加治療の効果を、24週間の処置後のLAF237 50mg bidでのHbA1c低下が、プラセボよりも優れているとの仮説を試験することにより、証明するため。
二次:重要変数1 − インスリンで処置されている2型糖尿病患者におけるLAF237での追加治療の効果を、24週間の処置後のLAF237 50mg bidでの空腹時血漿グルコース(FPG)低下が、プラセボよりも優れているとの仮説を試験することにより、証明するため。
2 − インスリンで処置されている2型糖尿病患者におけるLAF237の安全性を、24週間の処置後に、LAF237 50mg bidでの追加治療がプラセボと同等の有害事象プロファイルを有することを示すことにより、証明するため。
3 − インスリンで処置されている2型糖尿病患者におけるLAF237での追加治療の効果を、24週間の処置後の、1日インスリン投与量の平均減少量および1日インスリン注射回数の平均減少量が、LAF237 50mg bidとの組み合わせが、プラセボと比較して大きいことを示すことにより、証明するため。
4 − インスリンで処置されている2型糖尿病患者におけるLAF237での追加治療の効果を、24週間の処置後の、LAF237 50mg bidでの応答者割合が、プラセボと比較して大きいことを示すことにより、証明するため。
5 − ベースラインHbA1cサブグループにわたる4インスリンで処置されている2型糖尿病患者におけるLAF237での追加治療の効果を、24週間の処置後に、LAF237の治療効果(50mg bid 対プラセボでのHbA1c低下)が、高いベースラインHbA1c(>9%)よりも、低いベースラインHbA1c(<9%)で大きいか否かを評価することにより証明するため。
調査変数
1 − インスリンで処置されている2型糖尿病患者における追加治療におけるLAF237の作用機序を、LAF237 50mg bidが、プラセボに対して24週間の処置後のベータ細胞機能(空腹時プロインスリン濃度、空腹時プロインスリン/インスリン比率およびHOMA Bによりインデックス付け)および低下したインスリン抵抗性(空腹時インスリン濃度およびHOMA IRによりインデックス付け)を改善するとの仮説を試験することにより調査するため。
2 − インスリンで処置されている2型糖尿病患者におけるLAF237での追加治療の付属的臨床的有益性を、LAF237 50mg bidが、24週間の処置後にプラセボに対して、空腹時血漿脂質プロファイルに有益な効果を有し、体重無関係(body weight-neutral)であるとの仮説を試験することにより、調査するため。
3 − インスリンで処置されている2型糖尿病患者におけるLAF237での追加治療の付属的臨床的有益性を、LAF237 50mg bidが、24週間の処置後にプラセボに対して、クオリティ・オブ・ライフ、患者満足、および作業生産性に対して好ましい影響を有することを証明することにより調査するため。
集団:
インスリンでは管理が不適切な2型糖尿病の患者は、インスリンレジメンの増量または経口抗糖尿病性剤の追加により利益を受け得る。本治験において、来院1の前、最短で4週間の1日あたり30単位のインスリンを、本治験への参加に適格であるとする。
母集団は、18から80歳の、HbA1c7.5−11%の男性および女性患者(繁殖力がないかまたは医学的に承認された避妊法を使用している妊娠の可能性のある)から成る。
これは米国および欧州の約80の施設で行う外来患者多施設治験である。約384名の患者を192名の患者に無作為化するために篩い分ける。
包含/除外基準:
包含基準:前に少なくとも3ヶ月インスリンで処置されている、18−80歳の年齢、22−45kg/mの肥満度指数、HbA1c 7.5−11%(両端を含む)、FPG _ 270mg/dL(15mmol/L)、および前の食酢と運動の維持に同意した、2型糖尿病の男性または女性(繁殖力がないかまたは医学的に承認された避妊法を使用している妊娠の可能性のある)患者。
除外基準:妊婦または授乳婦;膵臓傷害の結果であるまたは糖尿病の二次形態である糖尿病である1型糖尿病の病歴、過去6ヶ月以内の急性代謝性糖尿病合併症;顕著な糖尿病合併症の徴候;過去4週間以内の血中グルコース管理に影響し得る急性感染症;トルサード・ド・ポアンツ、心室頻拍、心室細動;過去3ヶ月の経皮的冠動脈形成術;過去6ヶ月以内の心筋梗塞、冠動脈バイパス手術、または不安定型狭心症;鬱血性心不全 NYHA クラスIIIまたはIV;2度AVブロック(Mobitz 1および2)、3度AVブロック、延長したQTc;過去5年間以内の白血病およびリンパ腫を含む悪性腫;肝臓疾患;先端巨大症または成長ホルモンでの処置;最近3ヶ月以内の何らかの経口抗糖尿病性薬剤での処置;インスリンポンプでの処置;過去8週間以内の慢性経口または腸管外コルチコステロイド処置;クラスIa、Ib、Ic、またはIII抗不整脈薬での処置;顕著な検査値異常。

治験薬および対照治療:
インスリンでの処置に加えて、患者を、LAF237 50mg bidまたはプラセボでの二重盲検処置に1:1の比率で振り分ける。
試験設計:
これは、多施設、無作為、二重盲検、プラセボ対照試験である。少なくとも3ヶ月間インスリンで処置されている2型糖尿病患者(HbA1c 7.5−11%)が、本治験参加に適格である。適格患者を、継続しているインスリン治療に加えて、LAF237 50mg bidまたはプラセボに等しく無作為化する。インスリン用量を臨床的に指示される通り下方に調節できるが、上方調節は、ベースラインインスリン用量の25%を越えてはならない。
各患者は、1回目のスクリーニング来院(4週目)に参加し、そこで包含/除外基準を評価する。適格患者を来院2(ベースライン、1日目)で無作為化し、インスリンに追加したLAF237またはプラセボでの処置の24週間の間に5回のさらなる来院を完結する。
効果評価:
一次効果評価:HbA1c;二次効果評価:空腹時血漿グルコース、空腹時脂質(トリグリセリド、総コレステロール、計算したLDL、HDL、計算した非HDL、計算したVLDL)、体重、ベータ細胞機能(空腹時プロインスリン、空腹時プロインスリン/インスリン比率、HOMA B)、インスリン抵抗性(空腹時インスリン、HOMA IR)、平均1日インスリン用量、平均1日インスリン注射回数、および応答者比率。
インスリンで少なくとも3ヶ月処置されている2型糖尿病患者、および少なくとも。
の評価:
有害事象、バイタルサイン、身体測定、検査値評価(血液学、生化学および尿検査)、および心電図のモニタリングを含む安全性評価。他の評価は、クオリティ・オブ・ライフ問診を含む。

データ解析:
LAF237 50mg bidのプラセボを越える優位性を試験するための仮説は、インスリンと組み合わせたLAF237およびプラセボの両方を、HbA1cを低下させるための効果はH:δLAF50mg bid=δプラセボ対Ha:δLAF50mg bidがδプラセボ(ここで、δは、下付文字により示される処置群におけるベースラインからの平均変化である)と異なることである。共分散分析(ANCOVA)モデルを処置、ベースラインHbA1cおよび領域を含む観点で適合させる。処置比較のための各処置群についてのベースラインからの最小二乗平均(“調節した平均”)変化、2処置群間(LAF237 50mg bid − プラセボ)の最小二乗平均変化、および差異の両側95%信頼区間を、p値と共に一次回折モデルから得て、示す。二次効果変数を同様のモデルを使用して評価する。
患者に、低血糖が疑われるときは、いつでも、および少なくとも1週間に3回朝食前に自己血中グルコース測定(SMBG)を行うように指示した。低血糖は、SMBG<3.1mmol/L 血漿グルコース当量により確認される低血中グルコースを示す症状として定義された。重篤な低血糖は、他者からの何らかの助けを必要とする何らかのエピソードとして定義された(該イベントの重症度がグルコース測定により除外されない限り、低血漿グルコース値<3.1mmol/L)。
故に、本発明によって、用語“重篤な低血糖”は、好ましくは低血漿グルコース値<3.8mmol/L、好ましくは<3.1mmol/Lのエピソードとして定義される。
全臨床検査評価は、中央研究室で行った。HbA1cは、ナショナル・グリコヘモグロビン・スタンダーダイゼーション・プログラム(NGSP)レベル1認定研究室(Bioanalytical Research Corporation [BARC]-EU, Ghent, BelgiumまたはCovance-US, Indianapolis, IN)で、またはNGSPネットワーク研究所(Diabetes Diagnostic Laboratory, Columbia, MO)でDCCT標準に関連したHPLC法で定量した。全ての他の臨床検査評価は、BARC−US(Lake Success, NY)またはBARC−EUで行った。アッセイは、医薬品安全性試験実施基準に従う標準化され、確認された方法に従い、行った。
結果:
データは、LAF237が、インスリンに加えたとき、少ない重篤な低血糖エピソードと関連する。インスリンのみで処置されている患者は、より多い数の低血糖エピソード、とりわけ重篤な低血糖エピソード(1)を示す。インスリンおよびLAF237で処置した患者は、何ら重篤な低血糖エピソード(1)を示さなかった。
(1)グレード2低血糖イベント:血中グルコース<3.1および低血糖を示す症状。
ビルダグリプチン(LAF237)は、インスリン誘発低血糖に対する保護効果を有するように見える。
表1は、インスリンに加えてビルダグリプチン50mg bidまたはプラセボに無作為化した患者における、1回以上のエピソードを経験した患者の数(パネルA)、エピソードの総数(パネルB)および重篤な低血糖エピソードの数(パネルC)を示す。ビルダグリプチン群において、33名の患者が合計113回のイベントを報告し、この何れも重篤、すなわち、他者の助けを必要とするものではなかった。プラセボ群において、45名の患者が合計185回のイベントを報告し、そのうち6回が重篤であった。低血糖イベント数および重篤なイベント数の両方とも、ビルダグリプチン群で統計学的に有意に低かった(2ポワソン率(two Poisson rates)のカイ二乗検定に基づいて、各々P<0.001およびP=0.032)。
Figure 0005072848
表1:ビルダグリプチン50mg bid(n=144)またはプラセボ(n=152)での24週間処置中の、何らかの低血糖エピソードを報告した患者数(パネルA)、報告された低血糖エピソードの総数(パネルB)および重篤な低血糖エピソードの数(パネルC)。P<0.05)、***P<0.001対プラセボ。
加えて、インスリンの投与量は、LAF237により処置される患者で減らすことができる。

Claims (10)

  1. 高血糖、真性糖尿病、インスリン依存性真性糖尿病、非インスリン依存性真性糖尿病、A型インスリン抵抗性、グルコース代謝障害、空腹時高血糖または耐糖能障害に罹患しており、インスリンで処置されている患者における、低血糖イベントまたは重篤な低血糖イベントを低減するための医薬の製造を目的とする、DPP−IV阻害剤であるビルダグリプチンまたはその塩の使用
  2. ビルダグリプチンおよびインスリンを、同時に、連続して、または任意の順番で別個に投与する、請求項1に記載の使用
  3. ビルダグリプチンを1日当たり25から150mg投与する、請求項1に記載の使用
  4. 患者が1種、2種もしくは3種のさらなる抗糖尿病性化合物で処置されている、請求項1に記載の使用
  5. さらなる抗糖尿病性化合物がメトホルミン、ナテグリニド、グリタゾン類、スルホニルウレア類、GLP−1またはGLP−1類似体、およびカンナビノイド受容体−1アンタゴニストから選択される、請求項に記載の使用。
  6. 患者がメトホルミンおよびスルホニルウレア類、メトホルミンおよびグリタゾン、メトホルミンおよびGLP−1類似体、メトホルミンおよびCB1アンタゴニスト、グリタゾンおよびスルホニルウレア、ならびにGLP−1類似体およびスルホニルウレアから選択される2種のさらなる抗糖尿病性化合物処置されている、請求項に記載の使用。
  7. 低血糖イベントまたは重篤な低血糖イベントが、インスリン処置または少なくとも1種のさらなる抗糖尿病性化合物での処置に起因する、請求項1に記載の使用。
  8. 25から200mgのビルダグリプチンまたはその塩を毎日投与する、請求項1に記載の使用。
  9. グリタゾンが、ピオグリタゾンまたはロシグリタゾンである、請求項5に記載の使用
  10. GLP−1類似体がエキセンジン−4である、請求項5に記載の使用
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