[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JP5072318B2 - 油性ゲル化剤、ゲル組成物及びこれを含む化粧料 - Google Patents

油性ゲル化剤、ゲル組成物及びこれを含む化粧料 Download PDF

Info

Publication number
JP5072318B2
JP5072318B2 JP2006289899A JP2006289899A JP5072318B2 JP 5072318 B2 JP5072318 B2 JP 5072318B2 JP 2006289899 A JP2006289899 A JP 2006289899A JP 2006289899 A JP2006289899 A JP 2006289899A JP 5072318 B2 JP5072318 B2 JP 5072318B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicone
modified
polyether
polysaccharide compound
gel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006289899A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008105994A (ja
Inventor
麻里 隅田
克典 吉田
恭子 辻田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shiseido Co Ltd
Original Assignee
Shiseido Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shiseido Co Ltd filed Critical Shiseido Co Ltd
Priority to JP2006289899A priority Critical patent/JP5072318B2/ja
Publication of JP2008105994A publication Critical patent/JP2008105994A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5072318B2 publication Critical patent/JP5072318B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Cosmetics (AREA)

Description

本発明は油性ゲル化剤、特に油分に対して高いゲル化能を有し、使用感の良好なゲル組成物を形成することのできる油性ゲル化剤に関する。
シリコーンオイルは、のびが軽くさっぱりとした感触を有することから、メイクアップ化粧料、頭髪化粧料をはじめとするさまざまな化粧料および医薬部外品に配合されている。 一方、ゲル状化粧料は、液状ファンデーション、サンスクリーンジェル、モイスチャークリーム、ヘアジェル、制汗クリーム等に使用されるが、シリコーン油をはじめ、油分をのゲル化できる油性ゲル化剤として、ゲル化能や使用感、安定性などの点で満足できるものはほどんどない。
特許文献1には、ポリエーテル変性シリコーンが、水の存在下で、シリコーン系油分をゲル化することが開示されている。
しかしながら、ポリエーテル変性シリコーンは、水の非存在下ではシリコーン系油分の増粘効果は非常に低い。
特許文献2には、シリコーン化多糖化合物であるシリコーン化プルランが、シリコーン系油分を増粘することが開示されているが、これも増粘効果は十分ではない。
ポリエーテル変性シリコーンやシリコーン化多糖化合物の増粘効果を高めようとして高配合すれば、べたつきなど使用感に影響を与える。そして、何れも増粘効果はあるものの、流動性のないゲルを形成するには至らない。
一方、特許文献3には、シリコーン化多糖化合物と、ポリエーテル変性シリコーンと、シリコーン系油分と、疎水化粉末と、エチルアルコールと、水とを含むW/O乳化組成物が記載されている。特許文献3は、清涼感と化粧持ちに優れるW/O乳化組成物を提供することを目的とするが、特定のポリエーテル変性シリコーンとシリコーン化多糖化合物との併用が、油分のゲル化に及ぼす影響については検討されていない。
特開平5−311076号公報 特開平8−208989号公報 特開平2001−278729号公報
本発明は上記背景技術に鑑みなされたものであり、その目的は、シリコーン油をはじめとする液状油分に対して高いゲル化能を有し、使用感にも優れるゲルを形成し得る油性ゲル化剤を提供することにある。
前記課題を解決するために本発明者らが鋭意検討を行った結果、特定のポリエーテル変性シリコーンとシリコーン化多糖化合物とを併用すると、液状油分を著しくゲル化できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明にかかる油性ゲル化剤は、下記一般式(1)で示されるシリコーン化多糖化合物と、下記一般式(2)で示されるポリエーテル変性シリコーンとからなることを特徴とする。
Figure 0005072318

(一般式(1)中、Gluはプルランのグルコース残基、Xは−CONH−基、Yは−(CH −で示される基を意味し、R、Rはそれぞれメチル基、aは0意味するまた、多糖化合物の構成糖1単位当たりのシリコーン化合物の平均結合数(置換度)は0.5〜2.5である。また、多糖化合物の平均分子量は1,000〜5,000,000である。
Figure 0005072318

(一般式(2)中、xは1〜5、yは〜50、zは5〜50、mは50〜1000、nは1〜40の整数を示し、R8は水素原子示す。)
また、本発明の油性ゲル化剤において、シリコーン化多糖化合物とポリエーテル変性シリコーンとの合計量に占めるポリエーテル変性シリコーンの割合が1〜50質量%であることが好適である。
本発明にかかるゲル組成物は、前記何れかに記載の油性ゲル化剤と、液状油分とを含むことを特徴とする。
本発明のゲル組成物において、液状油分が低粘度シリコーン油及び/又は軽質イソパラフィンとを含むことが好適である。
また、本発明にかかる化粧料は、前記何れかに記載のゲル組成物を含むことを特徴とする。
本発明によれば、特定のポリエーテル変性シリコーンをシリコーン化多糖化合物と併用することにより、それぞれを単独で用いた場合に比べてシリコーン油や軽質イソパラフィンなどの液状油分を著しく増粘し、ゲル化することができる。得られたゲル組成物はべたつきがなく良好な使用感で、化粧料に好適に使用できる。
本発明において用いられるシリコーン化多糖化合物は、上記一般式(1)で示される。
一般式(1)において、多糖化合物の糖残基を表すが、このような多糖化合物としてはプルランである。なお、本発明において多糖化合物の平均分子量は多糖化合物の種類により異なるが、通常約1,000〜5,000,000が好ましい。
これらの多糖化合物はその種類に応じて水酸基、カルボキシル基等の反応性官能基の1種又は2種以上を少なくとも1つ以上含有している。Xで示される2価結合基は、この多糖化合物の有する反応性官能基と、下記一般式(3)で示されるシリコーン化合物とを反応させることにより形成されるA由来の結合基である。
Figure 0005072318
一般式(3)中、Y、R、R、R、R及びaは前記一般式(1)と同じである。また、Aは多糖化合物の反応性官能基と反応しうる官能基であり、例えば、イソシアネート基、エポキシ基、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アミノ基、イミノ基、水酸基、カルボキシル基、メルカプト基等が挙げられる。
なお、このようなシリコーン化合物と多糖化合物との反応には、従来より公知の方法、例えば特開平8−134103号公報に記載の方法を用いることができる。
は、反応性の点から、Aがイソシアネート基(O=C=N−)である前記一般式(3)の化合物と、多糖化合物の水酸基が反応して形成されるカルバモイル基(−CONH−)が好ましい。なお、この場合の多糖化合物の糖残基は、イソシアネート基と反応している水酸基の水素原子を除いた多糖化合物の残り部分を意味する。また、その他の反応の場合にも、多糖化合物の糖残基とはこれに準ずるものを意味する。
Yで示される2価の脂肪族基としては好ましくは−(CH−で示されるプロピレン基である。
本発明のシリコーン化多糖化合物においては、a=0で、R、R、及びRがメチル基であることが好ましい。
本発明において、特に好ましいシリコーン化多糖化合物は下記一般式(4)で示されるシリコーン化プルランである。
一般式(4):
Figure 0005072318
(一般式(4)中、Bは水素原子または−CONH(CHSi[OSi(CH]で示される基であり、その置換度は0.5〜2.5、cは100〜20,000の数である。)
なお、本発明において、シリコーン化多糖化合物の置換度は多糖化合物の構成糖1単位当たりのシリコーン化合物の平均結合数を意味する。例えば、上記シリコーン化プルランの置換度は、下記一般式(5)で示されるプルランの基本単位についた置換基−CONH(CHSi[OSi(CH]の平均数を指す。
一般式(5):
Figure 0005072318
本発明において用いられる前記一般式(2)のポリエーテル変性シリコーンは、ポリオキシアルキレン基としてポリオキシエチレン基(POE)、ポリオキシプロピレン基(POP)を有する直鎖ジメチルポリシロキサンである。
一般式(2)において、y好ましくは5〜50である。zは5〜50の整数である。yまたはzが小さすぎるとシリコーン化多糖化合物と併用してもゲル化能が十分に発揮されないことがある。また、yまたはzが大きすぎる場合には、べとつき感を生じることがある。
ポリオキシアルキレン基の含有量は特に限定されないが、ポリオキシアルキレン基の含有量は20〜70質量%(ただし、20質量%は含まない)であることが望ましい。
は水素原子である
好ましくは50〜1000の整数であり、n好ましくは1〜40の整数である。mやnが小さすぎると効果が十分に発揮されないことがあり、大きすぎるとべとつき感を生じることがある。
本発明のゲル化剤は、上記ポリエーテル変性シリコーンとシリコーン化多糖化合物とからなり、そのゲル化能は、ポリエーテル変性シリコーンあるいはシリコーン化多糖化合物をそれぞれ単独で用いた場合に比して著しく高い。例えば、ポリエーテル変性シリコーン単独あるいはシリコーン化多糖化合物単独では、シリコーン油に15%配合した場合でも流動性のある増粘物となるだけで、その粘度は1000mPa・s前後に過ぎないが、両者を併用すると15%配合では最高で数百万mPa・sにも達し、硬いゲルを形成することができる。このような高いゲル化能は、ポリエーテル変性シリコーンとシリコーン化多糖化合物とが油分中で構造体を形成することにより発揮されるものと考えられる。
また、ゲルの性状としては、ポリエーテル変性シリコーン比率が高くなるにつれて、柔らかなゲルから、硬いゲル、柔らかなゲルへと変化する。また、ポリエーテル変性シリコーン比率が35質量%以上、特に40質量%以上では曳糸性が現れる。これは、その比率によってポリエーテル変性シリコーンとシリコーン化多糖化合物とが形成する構造体の形態が変化することによるものと考えられる。
本発明のゲル化剤におけるポリエーテル変性シリコーンとシリコーン化多糖化合物との合計量に占めるポリエーテル変性シリコーンの割合(ポリエーテル変性シリコーン比率)は特に限定されず、0.5〜99.5質量%の広い範囲で変化させることができるが、使用性などの点で好ましくは1〜50質量%である。さらに、化粧料においては曳糸性のないゲルが好まれることが多く、この場合には1〜35質量%、さらには2〜30質量%であることが好ましい。また、粘度の高いゲルを得る場合には、ポリエーテル変性シリコーン比率が3質量%以上、さらには5質量%以上が好適である。
本発明のゲル化剤は、その相乗効果により、少量で液状油分を著しくゲル化することができるが、ポリエーテル変性シリコーンやシリコーン化多糖化合物は流動パラフィンなどの高粘度炭化水素油などに対する相溶性が低いため、ポリエーテル変性シリコーンやシリコーン化多糖化合物の相溶性が高い低粘度シリコーン油や軽質イソパラフィンを液状油分として含むことが好ましい。相溶性の点で、低粘度シリコーン油と軽質イソパラフィンの合計量が液状油分に占める割合としては、50質量%以上、さらには60質量%以上が好適である。
低粘度シリコーン油としては、粘度が100mm/s(25℃)以下の直鎖状ジメチルポリシロキサン、環状ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンが挙げられるが、なかでも、ケイ素数2〜7の直鎖状ジメチルポリシロキサン、ケイ素数3〜7の環状ジメチルポリシロキサンが好適に使用できる。
本発明のゲル化剤は、これら低粘度シリコーン油や軽質イソパラフィンに対して高いゲル化能を発揮し、使用感や安定性も良好なゲル組成物を形成することができる。
なお、本発明のゲル組成物においては、上記以外の油分も全体として液状油分(25℃で液状)となり、且つ本発明の効果に特に支障のない範囲で配合することができる。例えば、シリコーン油、炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル油、天然油脂、ロウ類など、通常化粧料や皮膚外用剤に使用されるものが挙げられる。極性の全くない直鎖炭化水素系油分などはゲル化剤に対して貧溶媒となるので、配合には注意を要する。
ゲルを調製するにあたっては、ポリエーテル変性シリコーンやシリコーン化多糖化合物を低粘度シリコーン油や軽質イソパラフィンにそれぞれ溶解してから混合すると、調製ししやすい。溶解・混合に際しては、必要に応じて加熱してもよい。
本発明のゲル化剤の液状油分中への配合量は、目的に応じて適宜決定すればよく、通常0.1〜50質量%配合可能であるが、3〜30質量%、さらには5〜20質量%が好適である。配合量が少なすぎる場合には十分な効果が発揮されず、多すぎる場合には使用感に影響を及ぼすことがある。
本発明のゲル組成物は、少量でゲル化でき、ゲル化剤に由来するべたつきがなく、化粧料に好適に使用できる。油分を固化するために、例えば、ワックス類など常温で固体ないし半固体の油分を用いるとべたつきがあるが、本発明のゲル組成物ではこのようなべたつきがない。
本発明の化粧料には、上記した必須成分に加えて、必要により適宜、保湿剤、紫外線吸収剤、香料、酸化防止剤、防腐防黴剤、体質顔料、着色顔料、アルコール、水等、通常化粧料に用いられる成分を配合することができる。
また、剤形としては油性ゲルの他に、O/WやW/O乳化組成物とすることもできる。
化粧料としては、例えば、ローション、乳液、クリーム、美容液などのスキンケア化粧料、ファンデーション、化粧下地、口紅、頬紅、アイシャドウなどのメークアップ化粧料、ボディソープ、洗顔料、メイク落としなどの皮膚洗浄料、シャンプーなどの毛髪洗浄料、リンス、ヘアトリートメント、育毛料などの毛髪化粧料、染毛料、日焼け止め化粧料などが挙げられる。
以下、具体例を挙げて本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。配合量は特に指定のない限り質量%で示す。なお、本発明で用いた試験方法は、次の通りである。
(1)外観観察、ゲル性状
室温での状態について、傾斜法により、流動性がある状態を液体、流動性のない状態をゲルと判定した。ゲルと判定されたものについては手で触ってその性状を調べた。
(2)粘度
B型回転粘度計(ビスメトロン粘度計 VS−A型(芝浦システム株式会社)、ローターNo.4、回転数0.3rpm(高粘度試料)又は6rpm(低粘度試料))で測定した。
(3)弾性率
ストレス制御型回転式レオメーター(PHYSICA MCR300(Paar Physica社)でクリープ測定を行い、弾性率を算出した。
コーン:直径5cm、角度2°
一定応力を1分間印加し、その後1分間の回復をみる。一定応力については、マックスウェルの4要素モデルにフィットするように設定する(ゲルの硬さが違うので、それぞれのゲルの硬さに合う応力を探した)。
回復したひずみ/印加によるひずみ×100=弾性率(%)とした。
試験例1 併用による相乗効果
ポリエーテル変性シリコーンのみ、シリコーン化多糖化合物のみ、あるいは両者の混合系について、シリコーン油(デカメチルシクロペンタシロキサン)中の濃度を変えて、その粘度を比較した。用いた材料は次の通り。
(i)変性シリコーンA:
一般式(2)において、m=400、n=10、x=3、y=19、z=19、R=H分子量約55,000のもの。
(ii)シリコーン化プルラン:
一般式(4)において置換度約2.0、分子量約690,000のもの。
(iii)変性シリコーンA+シリコーン化プルラン:
ポリエーテル変性シリコーン:シリコーン化プルラン=5:95(質量比)
(表1)
Figure 0005072318
表1に示すように、(i)変性シリコーンA単独、あるいは(ii)シリコーン化プルラン単独の場合には、シリコーン油中に15%配合してもその粘度は1,000mPa・sに満たず、流動性を有する液体状態であった。
これに対して、(iii)の混合系では単独系(i)〜(ii)に比べて著しく粘度が向上し、5%の配合でも4,000mPa・sを超え、10%配合では80,000mPa・s以上にもなり、著しいゲル化能を示した。
このように、ポリエーテル変性シリコーンとシリコーン化多糖化合物との併用により、それぞれを単独に用いた場合に比べて粘度は著しく向上した。
試験例2 混合比率の影響
ポリエーテル変性シリコーンとシリコーン化多糖化合物との混合比率を変えてさらに検討を行った。結果を表2に示す。
(表2)
Figure 0005072318
表2に示すように、広い混合比率範囲で粘度が相乗的に向上し、ゲルを形成した。
また、弾性率からもわかるように、ゲル化剤中に占めるポリエーテル変性シリコーンの割合が大きくなるに従って、組成物の性状は、液体、やわらかなゲル、硬いゲル、やわらかいゲル、液体という順序で変化した。また、ゲル化剤中に占める変性シリコーンの割合が35質量%以上、特に40質量%の場合になると、ゲルに曳糸性が現れ、やわらかくて伸びのあるゲルとなった。
よって、ポリエーテル変性シリコーン比率によってゲルの性状を調整することが可能である。曳糸性のないゲルを得るには、ゲル化剤中に占めるポリエーテル変性シリコーンの比率が1〜35質量%、さらには、2〜30質量%が好適である。また、ポリエーテル変性シリコーン比率が7質量%以上、さらには10質量%以上では硬くて粘度も非常に高いゲルを得ることができる。
なお、ポリエーテル変性シリコーンとシリコーン化多糖化合物との構造体については、次のように推察される。
すなわち、図1(a)のように、シリコーン化多糖化合物は親水部である多糖鎖を主鎖とし、これに疎水部であるシリコーン鎖がぶら下がっており、シリコーン油中では、多糖鎖が内側に丸まってシリコーン鎖が外側になるように配向していると考えられる。
一方、図1(b)のように、ポリエーテル変性シリコーン分子は疎水部であるシリコーン鎖を主鎖とし、これに親水部であるポリエーテル鎖がペンダント状にぶら下がっているが、シリコーン油中では、親水部を内側にして逆ミセル様になっていると考えられる。
そして、両者が共存すると、ポリエーテル変性シリコーン比率が大きくなるにつれて、図1(c)のようにシリコーン化多糖化合物の周囲にポリエーテル変性シリコーンが水素結合によりネットワーク構造を形成していき、図1(d)のようにネットワーク構造が完成するに伴い硬いゲルとなる。そして、さらにポリエーテル変性シリコーン比率が大きくなると、ポリエーテル変性シリコーン分子がシリコーン化多糖化合物に比べて過剰に存在するようになり、図1(e)のようにネットワーク構造が崩れて、ポリエーテル変性シリコーン鎖状分子同士の絡み合い中にシリコーン化多糖化合物分子がところどころつなぎのように結合した構造となり、曳糸性が現れるのではないか、と考えられる。
試験例3 ポリエーテル変性シリコーンの構造
さらに、構造の異なるポリエーテル変性シリコーンを用いて検討を行った。用いたポリエーテル変性シリコーンは、次の通り。
(1)変性シリコーンa:
POE・POP基と、セチル基とで変性された直鎖ジメチルポリシロキサン(ABIL EM 90、独Goldschmit社製、分子量約13,000)。
(2)変性シリコーンb:
POE基のみで変性された分岐鎖ジメチルポリシロキサン(KF−6028、信越化学工業社製、分子量約6,500、POE変性率約19質量%)。
(3)変性シリコーンc:
POE鎖架橋ジメチルポリシロキサン(KSG−210、信越化学工業(株)製、分子量10,000以上)
(表3)
Figure 0005072318
表3からわかるように、変性シリコーンa〜cの何れも、シリコーン化多糖化合物との併用でシリコーン油を相乗的にゲル化させる効果は認められなかった。
よって、本発明の効果は、一般式(2)で示される特定のポリエーテル変性シリコーンとシリコーン化多糖化合物との間でのみ特異的に発揮されるものである。
なお、デカメチルシクロペンタシロキサンの代わりに軽質イソパラフィンを用いた場合も同様の結果であった。また、表4に示すように、本発明のゲル化剤は、各種シリコーン油やエステル油を含む油分でもゲルが得られ、シリコーン油で特に効果が高かった。
(表4)
Figure 0005072318
処方例1 サンスクリーンジェル
(表5)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1−1 1−2 1−3
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
(1)デカメチルシクロペンタシロキサン 残余 残余 残余
(2)ジメチルポリシロキサン(6CS) 2 2 2
(3)メチルフェニルポリシロキサン(20CS) 5 5 5
(4)ポリエーテル変性シリコーン30%溶液* 5 25 −
(5)シリコーン化プルラン30%溶液* 20 − 25
(6)パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 5 5 5
(7)香料 適量 適量 適量
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
外観 ゲル 液状 液状
使用感 ◎ △ △
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
*デカメチルシクロペンタシロキサン溶液
(1)〜(5)を混合し、これに(6)〜(7)を混合して、サンスクリーンジェルを得た。ポリエーテル変性シリコーンのみ(試料1−2)、シリコーン化多糖化合物のみ(試料1−3)の場合は増粘はしたもののゲルにはならなかったが、両者を併用した場合(試料1−1)ではゲル状となり、また、官能評価による使用感も試料1−2〜1−3に比べて良好であった。
本発明の油性ゲル化剤のポリエーテル変性シリコーンとシリコーン化多糖化合物とが形成し得る構造体の一例を示す図である。

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)で示されるシリコーン化多糖化合物と、下記一般式(2)で示されるポリエーテル変性シリコーンとからなる油性ゲル化剤。
    Figure 0005072318

    (一般式(1)中、Gluはプルランのグルコース残基、Xは−CONH−基、Yは−(CH −で示される基を意味し、R、Rはそれぞれメチル基、aは0意味するまた、多糖化合物の構成糖1単位当たりのシリコーン化合物の平均結合数(置換度)は0.5〜2.5である。また、多糖化合物の平均分子量は1,000〜5,000,000である。
    Figure 0005072318

    (一般式(2)中、xは1〜5、yは〜50、zは5〜50、mは50〜1000、nは1〜40の整数を示し、R8は水素原子示す。)
  2. 請求項記載の油性ゲル化剤において、シリコーン化多糖化合物とポリエーテル変性シリコーンとの合計量に占めるポリエーテル変性シリコーンの割合が1〜50質量%であることを特徴とする油性ゲル化剤。
  3. 請求項1又は2記載の油性ゲル化剤と、液状油分とを含むことを特徴とするゲル組成物。
  4. 請求項記載のゲル組成物において、液状油分が低粘度シリコーン油及び/又は軽質イソパラフィンとを含むことを特徴とするゲル組成物。
  5. 請求項3又は4記載のゲル組成物を含むことを特徴とする化粧料。
JP2006289899A 2006-10-25 2006-10-25 油性ゲル化剤、ゲル組成物及びこれを含む化粧料 Active JP5072318B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006289899A JP5072318B2 (ja) 2006-10-25 2006-10-25 油性ゲル化剤、ゲル組成物及びこれを含む化粧料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006289899A JP5072318B2 (ja) 2006-10-25 2006-10-25 油性ゲル化剤、ゲル組成物及びこれを含む化粧料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008105994A JP2008105994A (ja) 2008-05-08
JP5072318B2 true JP5072318B2 (ja) 2012-11-14

Family

ID=39439649

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006289899A Active JP5072318B2 (ja) 2006-10-25 2006-10-25 油性ゲル化剤、ゲル組成物及びこれを含む化粧料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5072318B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6036530B2 (ja) * 2013-05-09 2016-11-30 信越化学工業株式会社 油性増粘剤、増粘油性組成物及び化粧料
JP6024587B2 (ja) 2013-05-13 2016-11-16 信越化学工業株式会社 油性化粧料
JP2017001983A (ja) * 2015-06-10 2017-01-05 信越化学工業株式会社 化粧料

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3333782B2 (ja) * 1992-05-01 2002-10-15 東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社 ゲル状シリコーン組成物
JP3639315B2 (ja) * 1993-09-30 2005-04-20 株式会社資生堂 ゲル状化粧料
JPH07215817A (ja) * 1994-02-04 1995-08-15 Shiseido Co Ltd ゲル状化粧料
JP3407770B2 (ja) * 1995-02-09 2003-05-19 株式会社資生堂 ゲル状化粧料
JPH11106310A (ja) * 1997-09-30 1999-04-20 Shiseido Co Ltd W/o乳化組成物
JP3742984B2 (ja) * 2000-03-28 2006-02-08 株式会社資生堂 油中水型乳化組成物
JP4568635B2 (ja) * 2005-04-14 2010-10-27 株式会社資生堂 整髪化粧料

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008105994A (ja) 2008-05-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2995295B1 (en) Oil-based thickening agent, oil-based thickening composition, and cosmetic preparation
JP4825849B2 (ja) ゲル状組成物
JP5927328B2 (ja) 油性化粧料
EP2922524A1 (en) Cosmetic composition comprising bi-modal emulsion
BRPI0707029A2 (pt) cuidados pessoais e composições dermatológicas
JPH05311076A (ja) ゲル状シリコーン組成物
JPH09504009A (ja) 化粧メーキャップ組成物
BR112016025241B1 (pt) composição reticulada, composição cosmética, e, método de formar uma composição reticulada
KR20180121923A (ko) 실록산 조성물
US20160331673A1 (en) Cosmetic composition comprising elastomers
CA2301817A1 (fr) Composition de maquillage ou de soin hypoallergenique contenant un organopolysiloxane reticule a groupement oxyalkylene, ses utilisations
WO2006115793A1 (en) Silicone elastomer exfoliting compositions
US20180064630A1 (en) Pituitous silicone fluid composition
JP5072318B2 (ja) 油性ゲル化剤、ゲル組成物及びこれを含む化粧料
JPH10503780A (ja) 抗アクネ化粧品組成物
JP2001220311A (ja) 高内水相油中水型乳化化粧料
JP3556755B2 (ja) メイクアップ除去料
JP4568635B2 (ja) 整髪化粧料
JP2020172481A (ja) 水中油型クレンジング化粧料
JP2023524565A (ja) 化粧品およびメイクアップ方法
JPH11116437A (ja) メイクアップ除去組成物
JP2005232107A (ja) 外用剤組成物
EP3359122B1 (en) Use of alkyl glycoside modified polysiloxanes in pure oil-based personal care products
JP2002255787A (ja) 皮膚洗浄料
WO2022255486A1 (ja) 水中油型乳化組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091013

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110721

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110830

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111031

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120731

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120821

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5072318

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150831

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250