JP5064546B2 - 冷凍サイクル装置 - Google Patents
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Description
本発明は、圧縮機と、この圧縮機の冷媒吐出側に設けられたオイルセパレータと、このオイルセパレータから圧縮機にオイルを戻すための返油回路とを備えた冷凍サイクル装置に関するものである。
従来よりコンビニエンスストアやスーパーマーケットなどの店舗内に設置された空調機器やオープンショーケースやウォークインショーケースなどの冷凍サイクルを構成する冷凍サイクル装置は、店舗内に設置された室内ユニットと、店舗外に設置された室外ユニットとを備え、それらの間には冷媒回路が配管構成されている。そして、この冷媒回路は、室内ユニット内に設置された熱交換器と、室外ユニット内に設置された熱交換器と密閉容器から成る圧縮機とにより店舗内の冷暖房サイクルを行うと共に、オープンショーケースやウォークインショーケースなどの庫内の冷却、冷蔵を行うものであった。
そして、圧縮機から冷媒とともに吐出されたオイルを密閉容器内(圧縮機内)に戻すために、密閉容器に設けられた冷媒吐出管の下流側にタンクを設け、このタンク内にオイルセパレータを取り付けていた。このオイルセパレータにはオイル戻し管が取り付けられており、このオイル戻し管の他端が密閉容器に取り付けられて、オイルセパレータ内と密閉容器内とを連通している。そして、圧縮機から冷媒と共に吐出されたオイルは、オイルセパレータによって分離され、分離されたオイルはオイル戻し管から密閉容器内に戻されていた(特許文献1参照)。
一方、オイル戻し管から密閉容器内に戻るオイル量が多いと、オイルセパレータ内のオイルが枯渇してしまう。オイルセパレータ内のオイルが枯渇してしまうと、圧縮機からオイルセパレータ内に吐出された冷媒ガスが密閉容器内に戻ってしまい、冷凍サイクル装置の冷凍効率が著しく低下してしまう。そこで、密閉容器内にフロート(オイルレベルセンサ)を設けると共に、オイル戻し管に弁装置を設け、オイルレベルセンサが圧縮機内のオイルが所定値に低下したのを検出したら、弁装置を解放してオイルセパレータ内のオイルを密閉容器内に戻していた(特許文献2参照)。
しかしながら、圧縮機から吐出される冷媒ガスの吐出量は圧縮機の運転周波数で異なる。即ち、圧縮機が低い運転周波数で運転されているとき、又は、圧縮機が高い運転周波数で運転されているときは圧縮機からのオイル吐出量は多くなる。この場合、オイルセパレータにて分離し切れなかったオイルは冷媒と共に冷媒回路内を循環してしまう。特に、冷媒回路の配管長が長い場合、オイルは冷媒回路内の熱交換器内などに溜まり込んで圧縮機に戻りにくくなる。
このような状態で、従来のように圧縮機内のオイルレベルが所定値に低下したとき、オイルセパレータから単純にオイルを密閉容器内に戻していたのでは、運転状態によっては圧縮機から出ていくオイル量に対して戻す量が間に合わなくなり、圧縮機内のオイルが枯渇してしまう。このため、摺動部の潤滑やシール性などが低下してしまうという問題があった。
また、冷却対象が充分に冷えている状態となる冷媒回路の低圧側圧力が低い場合には圧縮機を止め、冷媒(オイル)の吐出を停止し、自然なオイル帰還を促進できる。これにより、冷媒回路を回って自然にオイルが圧縮機の吸込側に帰ってくるので、圧縮機のオイルが枯渇することなく充分確保することができる。従って、摺動部の潤滑やシール性などが低下してしまうなどといった不都合を確実に防止することができる。
本発明は、圧縮機からのオイル吐出量を抑える運転を行うことにより、圧縮機の運転状態によって圧縮機のオイルが枯渇してしまうのを防止することを最も主要な特徴とする。圧縮機のオイルが枯渇してしまうのを防止するという目的を、圧縮機のオイルレベルが所定の下限値以下に低下した場合、圧縮機の運転周波数を制限するだけの簡単な制御で実現した。
次に、図面に基づき本発明の実施の形態を詳述する。図1は本発明の実施形態に係る冷凍サイクル装置1の冷媒回路を含むシステム構成を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。図1に示す冷凍サイクル装置1は、例えばコンビニエンスストアの店舗内2に設置されている空調室内機29による室内空調と、そこに設置されている冷蔵ケース3や冷凍ケース4の庫内冷却とを実現するものである。尚、冷蔵ケース3は、前面や上面が開口しているオープンショーケースと、透明ガラス扉にて開口が開閉自在に閉塞されたウォークインショーケースとがあり、その庫内が冷蔵温度(+3℃〜+10℃)に冷却され、飲料や冷蔵食品が陳列されるものである。冷凍ケース4は、庫内が冷凍温度(−10℃〜−20℃)に冷却され、冷凍食品や冷菓などが陳列されるものである。
冷凍サイクル装置1は、店舗内2の空調を行う空調系統6と、冷蔵ケース3や冷凍ケース4の庫内冷却を行う冷蔵系統8とを備えている。この空調系統6は、店舗内2の天井などに設置された室内ユニット11と、店舗外に設置された室外ユニット12とを備えている。この室内ユニット11と室外ユニット12との間には空調用冷媒回路7が配管構成されている。この空調用冷媒回路7は、室内ユニット11内に収容された利用側熱交換器27と、室外ユニット12内に設置された熱源側熱交換器16及び圧縮ユニット13としての空調用圧縮機13A、13Bとにより冷暖房サイクルを行うものである。
空調用圧縮機13Aはインバータ制御用の圧縮機であり、空調用圧縮機13Bは定速運転用の圧縮機である。これらの空調用圧縮機13A、13Bが並列接続され、各空調用圧縮機13A及び13Bの吐出側が逆止弁5A、5Bを介して合流され、オイルセパレータ10を介して四方弁14の一方の入口に接続される。また、四方弁14の一方の出口は熱源側熱交換器16の入口に接続されている。この熱源側熱交換器16は、多数の並列配管から成る流路抵抗の比較的小さい入口側16Aとこれらが少数の並列配管若しくは単数の配管に集約される出口側16Bとで構成されている。そして、この熱源側熱交換器16の出口側16Bの出口は、並列接続された逆止弁5Cと膨張弁17とを介して膨張弁18の入口に接続され、膨張弁18の出口は室内ユニット11に渡り、利用側熱交換器27の入口に接続されている。
利用側熱交換器27の出口は、室外ユニット12に渡り、四方弁14の他方の入口に接続される。この四方弁14の他方の出口は逆止弁5Dを介してアキュムレータ23の入口に接続され、このアキュムレータ23の出口が空調用圧縮機13A、13Bの吸込側に接続されている。尚、逆止弁5Dはアキュムレータ23側が順方向とされている。
この空調用冷媒回路7においては、膨張弁17と膨張弁18との間の冷媒管が分岐され、この分岐管が膨張弁19を介してカスケード熱交換器21に接続される。このカスケード熱交換器21は、複数の伝熱プレートを積層して、各伝熱プレート管に2種類の冷媒が流通する空調側通路21Aとケース側通路21Bとを交互に形成し、空調側通路21Aと隣接するケース側通路21Bを2種類の冷媒が流通する間に伝熱プレートを介して熱交換が行われるプレート式熱交換器が適用される。このカスケード熱交換器21によって空調用冷媒回路7の低圧側と冷蔵系統8の後術する冷却用冷媒回路9(本発明の冷媒回路に相当)の高圧側とが熱的に連結されている。
カスケード熱交換器21は、空調側通路21Aの入口が膨張弁19に接続され、空調側通路21Aの反対側に位置する出口はアキュムレータ23を介して空調用圧縮機13A、13Bの吸込側に接続されている。これにより、膨張弁19により低圧とされた冷媒は、カスケード熱交換器21に供給された後、空調用圧縮機13A、13Bに戻される。即ち、この冷凍サイクル装置1においては、冷媒循環経路として、利用側熱交換器27を経由する経路αと、カスケード熱交換器21を経由する経路βとが形成される。
室外ユニット12には室外側空調コントローラ26が設けられており、この室外側空調コントローラ26は、汎用のマイクロコンピュータで構成され、外気温や冷媒圧力に基づいて室外ユニット12側の空調系統6の機器を制御するものである。また、室内側空調コントローラ28は、汎用のマイクロコンピュータで構成され、リモートコントローラ(図示せず)を介して入力したユーザ指示に基づいて室内ユニット11側の機器を制御したり、室外側空調コントローラ26にユーザ指示に応じた情報などをデータ通信したりするものである。また、熱源側熱交換器16の送風機24は、当該熱源側熱交換器16に外気を送風する送風機であり、利用側熱交換器27の送風機15は、利用側熱交換器27に室内空気を送る送風機である。
一方、冷蔵系統8は、冷蔵ケース3や冷凍ケース4と、室外ユニット12との間に渡って設けられた前記冷却用冷媒回路9とを備えている。この冷却用冷媒回路9は、冷蔵ケース3に設けられた冷蔵用蒸発器43、冷凍ケース4に設けられた冷凍用蒸発器49、室外ユニット12内に設置された凝縮器(熱交換器)38、及び、密閉容器内にて構成された冷却用圧縮機37(本発明の圧縮機に相当)及び昇圧用圧縮機54により冷凍サイクルを行うものである。尚、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等には店舗の規模に合わせて所定台数の冷蔵用蒸発器43や冷凍用蒸発器49が設置されているが、図1では冷蔵用蒸発器43や冷凍用蒸発器49の2台のみ図示している。
冷却用圧縮機37は、冷媒循環を主たる役割とするものである。冷却用圧縮機37の出口側37B(吐出側)は、吐出側配管40(図3に図示)を介してオイルセパレータ31に接続されている。オイルセパレータ31の出口側に接続された配管31Aは四方弁39の一方の入口に接続され、この四方弁39の一方の出口が凝縮器38の入口に接続されている。この凝縮器38は多数の並列配管から成る流路抵抗の比較的小さい入口側38Aとこれらが少数の並列配管若しくは単数の配管に集約される出口側38Bとで構成されている。そして、この凝縮器38の出口側38Bの出口はレシーバータンク36の入口に接続され、このレシーバータンク36の出口が四方弁41の一方の入口に接続されている。即ち、レシーバータンク36は凝縮器38の冷媒下流側に接続されている。
また、四方弁41の一方の出口はカスケード熱交換器21のケース側通路21Bの入口に接続されている。また、カスケード熱交換器21のケース側通路21Bの出口は、四方弁39の他方の入口に接続されており、この四方弁39の他方の出口は四方弁41の他方の入口に接続されている。そして、この四方弁41の他方の出口は室外ユニット12から出て店舗内2(店内)に入り分岐する。分岐した一方の配管は、電磁弁46及び膨張弁44を介して冷蔵ケース3の冷蔵用蒸発器43の入口に接続されている。また、分岐した他方の配管は、電磁弁52及び膨張弁51を介して冷凍ケース4の冷凍用蒸発器49の入口に接続されている。
冷凍用蒸発器49の出口は、逆止弁30を介して昇圧用圧縮機54の吸込側に接続されている。この昇圧用圧縮機54は、冷凍ケース4を経た冷媒の圧力を、冷蔵ケース3を経た冷媒圧力まで昇圧させるためのものであり、冷却用圧縮機37よりも出力の小さい圧縮機である。この昇圧用圧縮機54の吐出側は、オイルセパレータ45を介して四方弁42の一方の入口に接続され、四方弁42の一方の出口は冷蔵用蒸発器43の出口側と冷却用圧縮機37の吸込側に接続された吸入側配管34(図3に図示)に接続されている。即ち、昇圧用圧縮機54と冷却用圧縮機37とは、冷媒回路上、直列に接続される。また、四方弁42の他方の入口は、昇圧用圧縮機54の入口側の管路に接続され、四方弁42の他方の出口は、逆止弁61を介してカスケード熱交換器21の、ケース側通路21Bの入口側の管路に接続されている。尚、逆止弁61はカスケード熱交換器21側が順方向とされている。尚、冷却用冷媒回路9に封入した冷媒中には冷却用圧縮機37内の潤滑とシール性とを確保するためのオイルが溶け込んでおり、各オイルセパレータ10、31、45は冷媒回路中の冷媒とオイルとを分離し、分離したオイルを各圧縮機13A、13B、37、54に戻す。
上記構成では、冷蔵系統8の各構成部品のうち、昇圧用圧縮機54、逆止弁30、オイルセパレータ45及び四方弁42が、冷却用圧縮機37を収納する室外ユニット12とは別ユニットのブースタユニット22に収納されている。このブースタユニット22に収納された四方弁42は、それを切り換えることにより、冷蔵用蒸発器43及び冷凍用蒸発器49から出た冷媒(冷却用冷媒)を、冷蔵系統8の各圧縮機(冷却用圧縮機37或いは昇圧用圧縮機54)を経由せずに、カスケード熱交換器21の入口に導くバイパス経路を形成可能に構成されている。これによれば、冷却用圧縮機37及び昇圧用圧縮機54の一方が故障した場合、四方弁42を切り換えることにより、冷蔵用蒸発器43及び冷凍用蒸発器49から流出した冷媒は、故障していない側の圧縮機を経由してカスケード熱交換器21の入口に導くことができる。
冷凍サイクル装置1に設けた室外側冷却コントローラ32(本発明の制御手段に相当)は、汎用のマイクロコンピュータで構成され、外気温や冷媒圧力に基づいて室外ユニット12側の冷蔵系統8の機器を制御するものである。この室外側冷却コントローラ32には後述する冷却用圧縮機37のオイル量が不足した場合に警報を発する警報装置33が接続されている。また、冷蔵ケースコントローラ50は、汎用のマイクロコンピュータで構成され、冷蔵ケース3の庫内温度に基づいて冷蔵系統8の機器を制御するものである。また、冷凍ケースコントローラ55は、汎用のマイクロコンピュータで構成され、冷凍ケース4の庫内温度に基づいて冷蔵系統8の機器を制御するものである。また、送風機35は、凝縮器38に外気を送風する送風機であり、送風機20は、凝縮器38に冷蔵ケース3の庫内空気を送る送風機であり、送風機25は、冷凍用蒸発器49に冷凍ケース4の庫内空気を送る送風機である。
また、冷凍サイクル装置1は、主コントローラ56を有している。この主コントローラ56は、汎用のマイクロコンピュータで構成され、室外側空調コントローラ26、室内側空調コントローラ28、室外側冷却コントローラ32、冷蔵ケースコントローラ50及び冷凍ケースコントローラ55とデータ通信を行うものである。尚、この冷凍サイクル装置1においては、空調用冷媒回路7と冷却用冷媒回路9とでは異なる冷媒が用いられ、例えば、空調用冷媒回路7にはR410Aが用いられ、冷却用冷媒回路9にはR410Aより沸点が高いR404Aが用いられる。このように、この冷凍サイクル装置1は、各冷媒回路に最適な冷媒をそれぞれ用いることができるので、回路設計の自由度を高くすることができる。
一方、前記オイルセパレータ31には当該オイルセパレータ31内のオイルを冷却用圧縮機37に戻すための返油回路64が設けられている。該返油回路64は、返油配管62と給油弁65(本発明の弁装置に相当)にて構成されている。返油配管62の一端はオイルセパレータ31の下部に設けられた返油出口側31Bに接続され、他端は冷却用圧縮機37の返油入口側37Cに接続されている。この返油配管62によってオイルセパレータ31内と冷却用圧縮機37内は返油回路64にて連通している。そして、給油弁65は、前記室外側冷却コントローラ32にて開閉制御され、オイルセパレータ31から冷却用圧縮機37にオイルを戻すか否かを制御する。尚、返油回路64については後に詳しく説明する。
また、冷却用圧縮機37には当該冷却用圧縮機37内のオイル量を検出するためのオイルレベルセンサ66(本発明のオイルレベル検出手段に相当)、冷却用圧縮機37には吸込側(入口側37A=図3に図示)の圧力を検出する圧力センサ67(本発明の低圧側圧力検出手段に相当)が設けられており、室外側冷却コントローラ32はそれらオイルレベルセンサ66、圧力センサ67からの出力を検出する。該オイルレベルセンサ66は、2本のオイルレベルセンサ66A、66Bにて構成されており、この2本のオイルレベルセンサ66A、66Bによって冷却用圧縮機37内のオイルの上限値と、下限値とを検出できるように構成されている(図3に図示)。尚、冷却用圧縮機37には吐出側37Bの圧力を検出し、所定の高圧になったとき冷却用圧縮機37を停止する圧力センサ68が設けられている。
そして、2本のオイルレベルセンサ66A、66Bの内の、何れか一方(例えば、オイルレベルセンサ66A、或いは、66B)を長く、他方(例えば、オイルレベルセンサ66B、或いは、66A)を短く構成し、密閉容器(冷却用圧縮機37)の下部から上方向に差し込んでいる。そして、長い方のオイルレベルセンサ66A(66B)の先端で後述する高オイルレベル値、短い方のオイルレベルセンサ66B(66A)の先端で低オイルレベル値を検出することになるが、以降オイルレベルセンサ66にて高オイルレベル値、低オイルレベル値を検出すると称す。尚、オイルレベルセンサ66を冷却用圧縮機37の側面から取り付け、何れか一方の下側のオイルレベルセンサ66B(66A)にて低オイルレベル値、上側のオイルレベルセンサ66A(66B)の先端で高オイルレベル値を検出するようにしても差し支えない。
次に、冷凍サイクル装置1の動作を説明する。
この冷凍サイクル装置1において、空調系統6は、室外側空調コントローラ26及び室内側空調コントローラ28により、リモートコントローラ(不図示)を介して指示された設定温度と、室内ユニット11に設けられた温度センサにより検出された店舗内2の温度(室内温度)との偏差に応じて、冷房運転又は暖房運転を行い、室内温度を設定温度に空調する。また、冷蔵系統8は、室外側冷却コントローラ32、冷蔵ケースコントローラ50及び冷凍ケースコントローラ55の制御の下、冷蔵ケース3の庫内温度を予め設定された冷蔵温度にすると共に、冷凍ケース4の庫内温度を予め設定された冷凍温度にする。
次に、冷凍サイクル装置1の空調系統部の冷房運転と、空調系統部の暖房運転の説明を行う。
(1)空調系統部の冷房運転
まず、室外側空調コントローラ26は、空調系統6の冷房運転が最適であると判断した場合、冷房運転を行うべく、室内側空調コントローラ28及び主コントローラ56へ所定のデータを送信するとともに、このデータを受信した主コントローラ56は、これらのデータを室外側冷却コントローラ32、冷蔵ケースコントローラ50及び冷凍ケースコントローラ55に送信する。
図1に示すように、室外側空調コントローラ26は、四方弁14の一方の入口(オイルセパレータ10との接続口)を一方の出口(熱源側熱交換器16との接続口)に連通させ、他方の入口(利用側熱交換器27との接続口)を他方の出口(アキュムレータ23との接続口)に連通させる。また、膨張弁17を全開とし、空調用圧縮機13A、13Bを運転する。尚、室外側空調コントローラ26は、空調用圧縮機13Aについては運転周波数をインバータ制御して能力制御を行う。
空調用圧縮機13A、13Bが運転されると、図1矢印で示すように空調用圧縮機13A、13Bの吐出側から吐出された高温高圧のガス冷媒は、オイルセパレータ10から四方弁14を経て熱源側熱交換器16の入口側16Aに入る。この熱源側熱交換器16には送風機24により外気が通風されており、冷媒はここで放熱し、凝縮液化する。即ち、この場合、熱源側熱交換器16は凝縮器として機能する。この液冷媒は、熱源側熱交換器16を経て膨張弁17を通過した後、分岐される。分岐した一方は膨張弁18に至り、そこで絞られて低圧とされた後(減圧)、利用側熱交換器27に流入し、そこで蒸発する。この利用側熱交換器27には、送風機15により室内空気(店舗内2の空気)が通風され、冷媒の蒸発による吸熱作用で室内空気を冷却する。これにより、店舗内2(室内)の冷房が行われる。利用側熱交換器27を出た低温のガス冷媒は、四方弁14、逆止弁5D、アキュムレータ23を順次経て空調用圧縮機13A、13Bの吸込側に供給される循環を繰り返す。
また、膨張弁17を通過して分岐した冷媒の他方は膨張弁19に至り、そこで絞られて低圧とされた後(減圧)、カスケード熱交換器21の空調側通路21Aに流入し、そこで蒸発する。係る空調用冷媒回路7の、冷媒の蒸発による吸熱作用でカスケード熱交換器21は冷却され、低温となる。カスケード熱交換器21を出た低温のガス冷媒はアキュムレータ23を経て空調用圧縮機13A、13Bの吸込側に供給される循環を繰り返す。
室内側空調コントローラ28は、温度センサ(不図示)を介して検出した店舗内2の空気温度に基づき、室内(店舗内2)の温度を予め設定された設定温度とするように、利用側熱交換器27に通風する送風機15を制御する。この室内側空調コントローラ28の情報は室外側空調コントローラ26に送信され、室外側空調コントローラ26はこの情報に基づいて空調用圧縮機13A、13Bの運転を制御する。
室外側空調コントローラ26は、温度センサ(不図示)を介して検出した利用側熱交換器27の、出入口の冷媒温度、或いは、利用側熱交換器27の温度と、カスケード熱交換器21の出入口の冷媒温度、或いは、カスケード熱交換器21の温度に基づいて適正な過熱度となるように膨張弁18、19の弁開度を調整する。
一方、室外側冷却コントローラ32は、冷却用圧縮機37から吐出された高温高圧のガス冷媒を凝縮器38に供給すべく、冷蔵系統8(冷却用冷媒回路9)の四方弁39の一方の入口(オイルセパレータ31との接続口)を一方の出口(凝縮器38との接続口)に連通させ、他方の入口(カスケード熱交換器21との接続口)を他方の出口(四方弁41との接続口)に連通させる。尚、室外側冷却コントローラ32は、冷却用圧縮機37については運転周波数をインバータ制御して能力制御を行う。
また、室外側冷却コントローラ32は、凝縮器38を通過したガス冷媒をカスケード熱交換器21に供給すべく、四方弁41の一方の入口(四方弁39との接続口)を一方の出口(冷蔵用蒸発器43及び冷凍用蒸発器49(電磁弁46、47、52)との接続口)に連通させ、他方の入口(レシーバータンク36との接続口)を他方の出口(カスケード熱交換器21との接続口)に連通させる。そして、冷却用圧縮機37及び昇圧用圧縮機54を運転する。
これにより、冷却用圧縮機37から吐出された高温高圧のガス冷媒は、オイルセパレータ31にてオイルが分離された後、四方弁39を経て凝縮器38の入口側38Aに入る。この凝縮器38には送風機35により外気が通風されており、凝縮器38に流入した冷媒はここで放熱し、凝縮する。この凝縮器38から出た冷媒は、レシーバータンク36内に入り、そこに一旦貯留されて気/液が分離される。分離された液冷媒は、レシーバータンク36から出て四方弁41を通過した後、カスケード熱交換器21のケース側通路21Bに入る。このカスケード熱交換器21に供給された冷却用冷媒回路9の冷媒は、前述の如き空調用冷媒回路7の冷媒の蒸発によって低温となっているカスケード熱交換器21によって冷却され、更に過冷却される。尚、前述の如く凝縮器38の直後にレシーバータンク36を配置しているので、過冷却時の熱損失を無くすことができると共に、冷媒量の調整を行うことができる。
このカスケード熱交換器21にて過冷却された冷媒は、四方弁39、41を順次通過した後に分岐され、一方は電磁弁46を通過して膨張弁44に至り、そこで絞られた後(減圧)、冷蔵用蒸発器43に流入し、そこで蒸発する。冷蔵用蒸発器43には送風機20により冷蔵ケース3の庫内空気がそれぞれ通風・循環されており、冷媒の蒸発による吸熱作用で庫内空気は冷却される。これにより、冷蔵ケース3の庫内冷却が行われる。そして、冷蔵用蒸発器43を出た低温のガス冷媒は、昇圧用圧縮機54のオイルセパレータ45(四方弁42)の出口側に至る。
また、カスケード熱交換器21にて過冷却されて分岐された他方の冷媒は、電磁弁52を通過して膨張弁51に至り、そこで絞られた後(減圧)、冷凍用蒸発器49に供給され、そこで蒸発する。この冷凍用蒸発器49には送風機25により冷凍ケース4の庫内空気が通風・循環されており、冷媒の蒸発による吸熱作用で庫内空気は冷却される。これにより、冷凍ケース4の庫内冷却が行われる。
冷凍用蒸発器49を出た低温のガス冷媒は、分岐され、一方は逆止弁30を経て昇圧用圧縮機54に至り、そこで圧縮されて冷蔵用蒸発器43の出口側の圧力(冷蔵系統の低圧側圧力)まで昇圧された後、昇圧用圧縮機54から吐出され、オイルセパレータ45でオイルが分離された後、四方弁42を経て冷蔵用蒸発器43からの冷媒と合流する。この合流した冷媒は冷却用圧縮機37の吸込側に吸い込まれる循環を繰り返す。
次に、図2を参照して冷凍サイクル装置1の空調系統部の暖房運転の説明を行う。
(2)空調系統部の暖房運転
まず、室外側空調コントローラ26は、空調系統6の暖房運転が最適であると判断した場合、暖房運転を行うべく、室内側空調コントローラ28及び主コントローラ56へ所定のデータを送信すると共に、このデータを受信した主コントローラ56は、これらのデータを室外側冷却コントローラ32、冷蔵ケースコントローラ50及び冷凍ケースコントローラ55へ送信する。
室外側空調コントローラ26は、冷媒の流れを冷房運転時と逆にすべく、四方弁14の一方の入口(オイルセパレータ10との接続口)を一方の出口(利用側熱交換器27との接続口)に連通させ、他方の入口(アキュムレータ23との接続口)を他方の出口(熱源側熱交換器16との接続口)に連通させる。また、膨張弁17を全閉とすると共に膨張弁18を全開とし、空調用圧縮機13A、13Bを運転する。
空調用圧縮機13A、13Bが運転されると、図2矢印で示すように空調用圧縮機13A、13Bの吐出側から吐出された高温高圧のガス冷媒は、オイルセパレータ10、四方弁14を経て利用側熱交換器27に供給される。この利用側熱交換器27には、送風機15により室内空気が通風され、冷媒はここで放熱し、室内空気を加熱する一方、凝縮化する。これにより、室内(店舗内2)の暖房が行われる。
利用側熱交換器27で液化した冷媒は、膨張弁18、膨張弁19を順に経由して低圧とされた後(減圧)、カスケード熱交換器21の空調側通路21Aに流入し、そこで蒸発して吸熱した後、アキュムレータ23を経て空調用圧縮機13A、13Bの吸込側に供給される循環を繰り返す。
室外側空調コントローラ26は、カスケード熱交換器21の出入口の冷媒温度、或いは、カスケード熱交換器21の温度に基づいて適正な過熱度となるように膨張弁18、19の弁開度を調整する。また、室内側空調コントローラ28は利用側熱交換器27の温度や、そこに吸い込まれる空気温度に基づき、室内(店舗内2)の温度を予め設定された設定温度とするように、利用側熱交換器27に通風する送風機15を制御する。
一方、室外側冷却コントローラ32は、冷蔵系統8の冷却用冷媒回路9の四方弁39の一方の入口(オイルセパレータ31との接続口)を一方の出口(四方弁41との接続口)に連通させ、他方の入口(カスケード熱交換器21との接続口)を他方の出口(凝縮器38との接続口)に連通させる。また、室外側冷却コントローラ32は、四方弁41の一方の入口(レシーバータンク36との接続口)を一方の出口(冷蔵用蒸発器43及び冷凍用蒸発器49(電磁弁46、47、52)との接続口)に連通させ、他方の入口(四方弁39との接続口)を他方の出口(カスケード熱交換器21との接続口)に連通させる。そして、冷却用圧縮機37及び昇圧用圧縮機54を運転する。
これにより、冷却用圧縮機37から吐出された高温高圧のガス冷媒は、四方弁39、41を経てカスケード熱交換器21のケース側通路21Bに供給される。即ち、冷却用圧縮機37から吐出された高温高圧のガス冷媒は、冷房運転の場合に凝縮器38を経た後にカスケード熱交換器21に供給されるのに対し、凝縮器38に行く前にカスケード熱交換器21に供給される。
このカスケード熱交換器21に供給された冷却用冷媒回路9の冷媒は、前述の如き空調用冷媒回路7の冷媒の蒸発によって低温となっているカスケード熱交換器21によって冷却され、更に過冷却される。言い換えると、空調用冷媒回路7の冷媒は、冷却用冷媒回路9の冷媒から熱を汲み上げることができる。
カスケード熱交換器21のケース側通路21Bを通過した冷媒は、四方弁39を経て凝縮器38の入口側38Aに入る。この凝縮器38には送風機35により外気が通風されており、凝縮器38に流入した冷媒はここで放熱し、凝縮する。
この凝縮器38から出た冷媒はレシーバータンク36内に入り、そこに一旦貯留されて気/液が分離される。分離された液冷媒はレシーバータンク36から出て四方弁41を通過した後に分岐され、前述同様に電磁弁46、52に向かうことになる。
上記運転により、空調用冷媒回路7の暖房運転時においても、空調用冷媒回路7を流れる低圧側の冷媒をカスケード熱交換器21に供給し、冷却用冷媒回路9を流れる高圧側の冷媒を過冷却することにより、冷蔵ケース3や冷凍ケース4の冷蔵用蒸発器43、冷凍用蒸発器49の冷却能力と冷蔵系統8の運転効率とを改善している。
更に、暖房運転時には、空調用冷媒回路7の冷媒が、カスケード熱交換器21にて冷却用冷媒回路9の冷媒から熱を汲み上げるので、空調系統6の暖房能力を改善することができ、総じて室内空調と冷蔵ケース3及び冷凍ケース4の庫内冷却とを行う冷凍サイクル装置1全体の効率改善を図り、省エネルギー化を図っている。
ここで、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどには前述した如き店舗の規模に合わせて所定台数の冷蔵用蒸発器43や冷凍用蒸発器49が設置されている。多数の冷蔵、冷凍ケース4・・・が所定の温度に冷却、冷凍されて各蒸発器43、49・・・が冷却、冷凍運転を停止した場合、冷却用圧縮機37は冷媒を吸入できなくなり、冷却用圧縮機37の低圧側(入口側37A)は低圧となる。逆に、全ての蒸発器43、49・・・が冷却、冷凍運転している場合、冷却用冷媒回路9には冷媒が流れるので冷却用圧縮機37は冷媒を吸入でき、入口側37Aの圧力は、低圧時よりも高い圧力(通常の圧力)となる。
室外側冷却コントローラ32は、各膨張弁44、51・・・の何れかが開放されているときは、冷却用圧縮機37の吸込側(入口側)の圧力(冷却用冷媒回路9の低圧圧力)に基づいて冷却用圧縮機37の運転周波数を制御する。この場合、冷蔵ケース3及び冷凍ケース4の庫内が充分冷えた状態では、室外側冷却コントローラ32は、冷却用圧縮機37の運転周波数を低速回転して庫内冷却を殆どせず、冷蔵ケース3及び冷凍ケース4の庫内が冷えていない状態では室外側冷却コントローラ32は、冷却用圧縮機37の運転周波数を高速回転して庫内を急速に冷却する制御を行う。即ち、室外側冷却コントローラ32は、冷却用圧縮機37の入口側37Aの圧力によって、例えば低速(25Hz)〜高速(80Hz)の範囲で冷却用圧縮機37の運転周波数を制御し運転する。
この場合、圧力センサ67が冷却用圧縮機37の入口側37Aの圧力を検出し、入口側37Aの圧力が予め設定された所定のしきい値以下の場合(各膨張弁44、51・・・全てが全閉)、室外側冷却コントローラ32は、冷却用圧縮機37の運転停止(ブースタユニット22も停止)、若しくは、運転周波数を低い周波数で運転する。また、圧力センサ67が冷却用圧縮機37の入口側37Aの圧力を検出し、入口側37Aの圧力が予め設定されたしきい値以上の場合(各膨張弁44、51・・・全てが全開)、室外側冷却コントローラ32は、冷却用圧縮機37の運転周波数を高い周波数で運転する。また、室外側冷却コントローラ32は、圧力センサ67が冷却用圧縮機37の入口側37Aの圧力を検出し、入口側37Aの圧力が予め設定された、所定の高い圧力と低い圧力との間の場合、その圧力に基づいて冷却用圧縮機37の運転周波数を低速(25Hz)〜高速(80Hz)の間に制御する運転を行う。
ここで前記返油回路64と冷却用圧縮機37の運転周波数制御を図4のフローチャートを参照して説明を行う。係る冷却用圧縮機37の運転周波数が低い状態(例えば、25Hz〜35Hz)で継続、又は、運転周波数が高い状態(例えば70Hz〜80Hz)で継続している場合、冷却用圧縮機37内のオイル量が減少してしまうことがある。そこで、本発明では冷却用圧縮機37内のオイル量のレベルを3段階に区分けし、冷却用圧縮機37の運転に充分なオイル量がある範囲を上オイルレベル範囲Hiと、冷却用圧縮機37に支障を来す恐れがある量の範囲を下オイルレベル範囲Lo、上オイルレベル範囲Hiと下オイルレベル範囲Loとの間の範囲を中オイルレベル範囲Mとしている。
また、両オイルレベルセンサ66B、66Aにて、オイルを検出できない場合は下オイルレベル範囲Lo、オイルを検出できた場合は高オイルレベル値、何れか短い方のオイルレベルセンサ66A(66B)がオイルを検出し、長い方のオイルレベルセンサ66A(66B)がオイルを検出できない場合は中オイルレベル範囲Mとなる。また、これら上オイルレベル範囲Hi、下オイルレベル範囲Lo、中オイルレベル範囲Mは冷却用圧縮機37の運転状況により分割割合が設定されている。また、冷却用圧縮機37の入口側37Aは、予め圧力が高い高圧ゾーンと、圧力が低い低圧ゾーンと、その中間の圧力の中間ゾーンとに区分けされている。
そして、オイルレベルセンサ66(図中オイルレベルSW)でのオイルレベルの検出は、上オイルレベル範囲Hiと中オイルレベル範囲Mとの間を高オイルレベル値(本発明の上限値に相当)、中オイルレベル範囲Mと下オイルレベル範囲Loとの間を低オイルレベル値(本発明の下限値に相当)としている。係る室外側冷却コントローラ32は、オイルレベルセンサ66が検出したオイルレベルが高オイルレベル値より低い場合(上オイルレベル範囲Hiより低い場合)には、給油弁65を開放して、返油回路33からオイルを冷却用圧縮機37内に返油すると共に、低オイルレベル値より低い場合(下オイルレベル範囲Loの場合)には冷却用圧縮機37の運転周波数を低い周波数に制御するようにしている。尚、冷却用圧縮機37内のオイルレベルは、オイルレベルSWがONすることによりオイルレベルセンサ66にてオイル量が検出される。
即ち、ステップS1で室外側冷却コントローラ32は、オイルレベルセンサ66にて検出したオイルレベルが、冷却用圧縮機37内の高オイルレベル値以下(中オイルレベル範囲M)の場合ステップS2に進み、給油弁65を開放(図中ON)して給油ランプを点灯する。これによって、オイルセパレータ31内に貯留されたオイルは返油回路64から冷却用圧縮機37内に返油される。尚、給油弁65は、ステップS2を通過したとき以外は開放されずに閉じている。
ステップS3で室外側冷却コントローラ32は、オイルレベルセンサ66にて検出した冷却用圧縮機37内のオイルレベルが低オイルレベル値以上で高オイルレベル値以下(この場合は中オイルレベル範囲M)の場合、冷却用圧縮機37内のオイルレベルが高オイルレベル値以上(上オイルレベル範囲Hi)或いは低オイルレベル値以下(下オイルレベル範囲Lo)になるのを待つ。そして、室外側冷却コントローラ32は、オイルレベルセンサ66にて冷却用圧縮機37内のオイルレベルが低オイルレベル値以下(下オイルレベル範囲Lo)になったのを検出するとステップS4に進む。
このとき、室外側冷却コントローラ32は、冷却用圧縮機37が50Hzよりも高い運転周波数で運転されている場合、ステップS5に進み冷却用圧縮機37の運転周波数を50Hzで運転する。即ち、室外側冷却コントローラ32は、オイルレベルセンサ66の出力に基づき、冷却用圧縮機37のオイルレベルが所定の低オイルレベル値以下(下オイルレベル範囲Lo)になった場合、給油弁65を開放して冷却用圧縮機37の運転周波数を低い周波数(50Hz)に固定運転する。そして、室外側冷却コントローラ32はステップS6で、運転周波数を50Hzで運転している最中、冷却用圧縮機37内のオイルが中オイルレベル範囲Mまで増えた場合、ステップS7に進み、そこで、冷却用圧縮機37の運転を1分間行った後ステップS8に進み、冷蔵ケース3や冷凍ケース4などからの要求に応じた冷却用圧縮機37の通常運転を行いステップS1に戻る。
前記ステップS4で室外側冷却コントローラ32は、冷却用圧縮機37が50Hzよりも低い運転周波数の場合ステップS9に進む。そこで、室外側冷却コントローラ32は、圧力センサ67が検出した冷却用圧縮機37の入口側37Aの圧力が、所定のしきい値以下の場合(冷却用圧縮機37の入口側37Aが予め設定された所定の低圧ゾーンの場合)、ステップS10に進む。そこで、室外側冷却コントローラ32は、冷却用圧縮機37の運転を3分間停止した後、ステップS5に進み、冷却用圧縮機37の回転周波数を50Hzに制御する。この場合、室外側冷却コントローラ32は、冷却用圧縮機37のオイルレベルが、低オイルレベル値より高い所定の高オイルレベル値以下に低下した場合(中オイルレベル範囲Mの場合)、給油弁65を開放し、その状態でオイルレベルが低オイルレベル値以下に低下した場合(オイルレベルが下オイルレベル範囲Loになった場合)冷却用圧縮機37の運転周波数を低い周波数(50Hz)に制御する。
具体的には、室外側冷却コントローラ32は各冷蔵ケース3、冷凍ケース4・・・が充分冷えて冷却用圧縮機37の入口側37Aの圧力が所定のしきい値以下、オイルレベルが下オイルレベル範囲Loのときは、冷却用圧縮機37を約3分間停止する。この場合、冷却用圧縮機37を約3分間停止することにより、冷却用圧縮機37の入口側37Aの圧力が自然に所定のしきい値に戻ったら、ステップS5に進んで冷却用圧縮機37の運転周波数を50Hzに制御(本発明の冷却用圧縮機37の運転周波数を予め定められた規定値に固定に相当)して、ステップS6〜ステップS8、ステップS1〜ステップS5を繰り返す。
また、前記ステップS6で室外側冷却コントローラ32は、50Hzの運転周波数で冷却用圧縮機37を運転中、オイルレベルセンサ66が検出した冷却用圧縮機37内のオイルレベルが所定の低オイルレベル値以下に低下した場合(オイルレベルが下オイルレベル範囲Loの場合)、ステップS11に進む。そこで、室外側冷却コントローラ32は、ステップS6、ステップS11を繰り返し、冷却用圧縮機37の運転(50Hzの周波数運転)が10分間以上経過しても、冷却用圧縮機37内のオイルレベルが所定の低オイルレベル値以下の場合、ステップS12に進み警報装置33(予備警報)を動作させる。
即ち、室外側冷却コントローラ32は、ステップS11で冷却用圧縮機37内が下オイルレベル範囲Loの状態で、50Hzの周波数運転が10分間以上継続した場合、ステップS12に進んで、警報装置33にて予備警報を発報する。尚、予備警報としては、例えば、室外側冷却コントローラ32の基盤に設けたLEDを点滅させる、或いは、通信にて管理者に通報するなどの発報を行う。
ステップS13で室外側冷却コントローラ32は、50Hzの周波数で冷却用圧縮機37を運転中、オイルレベルが上昇せず、オイルレベルセンサ66が検出した冷却用圧縮機37内のオイルレベルが低オイルレベル値以下の場合、ステップS14に進む。そこで、室外側冷却コントローラ32は、ステップS13、ステップS14を繰り返し、冷却用圧縮機37の運転(50Hzの周波数運転)を更に20分間以上継続しても、冷却用圧縮機37内のオイルレベルが所定の低オイルレベル値以下の場合、ステップS15に進む。そこで、室外側冷却コントローラ32は、冷却用圧縮機37の運転を停止した後、ステップS16で警報装置から主警報を発報(図中本警報発報)を行い、ステップS13に戻る。
具体的に、オイルレベルセンサ66が検出した冷却用圧縮機37内のオイルレベルが下オイルレベル範囲Lo、冷却用圧縮機37が50Hzの運転周波数で20分以上継続運転されたとき、室外側冷却コントローラ32は圧力センサ67の出力に基づき、低圧側圧力が所定のしきい値以下の場合、冷却用圧縮機37の運転を停止させ、冷却用圧縮機37内のオイル枯渇を防止する。そして、室外側冷却コントローラ32は、冷却用圧縮機37の運転を停止した後、ステップS16で主警報を発報する。主警報としては、店舗内2に発報(ブザーを鳴らすなどの発報)、管理者やサービス会社に通報(冷却用圧縮機37内のオイルレベルが下オイルレベル範囲Loで50Hzの運転周波数で冷却用圧縮機37を20分以上継続運転したなどの通報)を行う。これにより、冷却用圧縮機37内のオイルが枯渇し、摺動部の潤滑やシール性などが低下してしまうなどといった不都合を防止している。
また、ステップS13で、室外側冷却コントローラ32はステップS13、ステップS14を繰り返し中に冷却用圧縮機37のオイル量が増えた場合、ステップS7に進み、前述同様冷却用圧縮機37を1分間運転した後ステップS8に進み、冷蔵ケース3や冷凍ケース4などからの要求に応じた冷却用圧縮機37の通常運転を行いステップS1に戻り、以降を繰り返す。また、ステップS1、ステップS3、ステップS6、ステップS13にて冷却用圧縮機37を運転中、オイルレベルセンサ66にて冷却用圧縮機37内のオイルレベルが変動して上オイルレベル範囲Hiになったのを検出した場合、ステップS8に進み、以降を繰り返す。
このように、室外側冷却コントローラ32は、オイルレベルセンサ66の出力に基づき、冷却用圧縮機37内のオイルレベルが所定の高オイルレベル値以下(中オイルレベル範囲M及び下オイルレベル範囲Loを含む)である場合、給油弁65を開放し、低オイルレベル値以下になったら冷却用圧縮機37の運転周波数を所定の回転数に制限する。これにより、オイルセパレータ31から返油回路64を介して冷却用圧縮機37へのオイル戻しに加えて、冷却用圧縮機37の運転周波数も制限するので、冷却用圧縮機37からのオイル吐出量を削減して、当該冷却用圧縮機37内のオイル枯渇を効果的に防止することができる。従って、冷却用圧縮機37の運転状態によって冷却用圧縮機37のオイルが枯渇して、摺動部の潤滑やシール性などが低下してしまうなどといった不都合を確実に防止することができる。
また、室外側冷却コントローラ32は、冷却用圧縮機37のオイルレベルが低オイルレベル値より高い、所定の高オイルレベル値以下の場合(中オイルレベル範囲Mの場合)、給油弁65を開放し、その状態でオイルレベルが低オイルレベル値以下に低下した場合(下オイルレベル範囲Loの場合)、冷却用圧縮機37の運転周波数を制限するので、オイル戻しを開始した後、それでもオイルレベルが低下する状況下で冷却用圧縮機37の運転周波数を制限するので、冷却用圧縮機37の運転周波数が上がらないことによる冷却効果に与える悪影響も最小限に抑制することが可能となる。
また、室外側冷却コントローラ32は、オイルレベルセンサ66が検出したオイルレベルが低オイルレベル値以下に低下したとき(下オイルレベル範囲Loのとき)に、圧力センサ67の出力に基づき、低圧側圧力が所定のしきい値以下の場合、冷却用圧縮機37の運転を停止させるので、例えば冷却対象が充分に冷えている状態となる冷媒回路の低圧側圧力が低い場合には冷却用圧縮機37を停止して冷媒(オイル)の吐出を停止する。これにより、自然なオイル帰還を促進できるので、冷媒回路(冷却用冷媒回路9)を回って自然にオイルが冷却用圧縮機37の吸込側に帰ってくる。従って、冷却用圧縮機37内のオイルが枯渇してしまうのも解消されるので、充分なオイルを確保することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、コンビニエンスストア等の店舗に適用される冷凍サイクル装置1に本発明を適用する場合について述べたが、空調と、冷蔵ケース3や冷凍ケース4以外の冷蔵ケースの冷却とを行う冷凍サイクル装置に広く適用することができる。更に、上記実施形態で示した配管構成などは、それに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
また、請求項1では、室外側冷却コントローラ32、オイルレベルセンサ66の出力に基づき、冷却用圧縮機37内のオイルレベルが所定の下限値以下(下オイルレベル範囲Lo)である場合、給油弁65を開放すると共に、冷却用圧縮機37の運転周波数を制限すると記載したが、冷却用圧縮機37内のオイルレベルが所定の上限値以下(中オイルレベル範囲M及び下オイルレベル範囲Lo)で冷却用圧縮機37の運転周波数を制御するようにしても差し支えない。これにより、実施例の効果に加えて、冷却用圧縮機37の細かい運転制御ができ、冷却用圧縮機37内のオイル量を更に安定確保することが可能となる。また、冷却用圧縮機37内のオイル量が高オイルレベル値以下(中オイルレベル範囲M及び下オイルレベル範囲Loを含む)であれば、どこの位置で冷却用圧縮機37の運転周波数を制御しても差し支えないのは言うまでもない。
また、本実施形態では、冷凍サイクル装置1をコンビニエンスストアに配置する構成について説明したが、例えば学校やスーパーマーケットなどであっても、冷蔵ケース3を有する空間の空調及び、当該冷蔵ケース3の冷却を行う場合には、当該冷凍サイクル装置1を適用することができる。
1 冷凍サイクル装置
6 空調系統
7 空調用冷媒回路
8 冷蔵系統
9 冷却用冷媒回路
11 室内ユニット
12 室外ユニット
13 圧縮ユニット
21 カスケード熱交換器
31 オイルセパレータ
32 室外側冷却コントローラ
33 警報装置
37 冷却用圧縮機
56 主コントローラ
64 返油回路
65 給油弁
66 オイルレベルセンサ
67 圧力センサ
Claims (1)
- 圧縮機と、該圧縮機の冷媒吐出側に設けられたオイルセパレータと、該オイルセパレータから前記圧縮機にオイルを戻すための返油回路とを備えた冷凍サイクル装置において、
前記圧縮機のオイルレベルを検出するオイルレベル検出手段と、前記返油回路に設けられ、前記オイルセパレータから前記圧縮機にオイルを戻すか否かを制御する弁装置と、前記圧縮機の運転周波数と前記弁装置の開閉を制御する制御手段とを備え、該制御手段は、前記オイルレベル検出手段の出力に基づき、前記圧縮機のオイルレベルが所定の上限値以下である場合、前記弁装置を開放すると共に、前記圧縮機の運転周波数の制限し、前記オイルレベルが下限値以下に低下したときに、低圧側圧力検出手段の出力に基づき、前記低圧側圧力が所定のしきい値以下の場合、前記圧縮機を停止させると共に、所定期間停止した後、圧縮機運転周波数を制限することを特徴とする冷凍サイクル装置。
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