JP5059587B2 - 吸収性物品 - Google Patents
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Description
また、伸長可能とする技術とは別に、理用ナプキン等の吸収性物品の吸収体として使用できる、薄型で吸収容量の大きい吸収性シートが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、吸収体を、長手方向に直列した複数の独立セグメントから構成した衛生ナプキンも知られている(特許文献3参照)。
また、特許文献2記載の吸収性シートは、同じ薄さであれば、飛散状態で供給した粉砕パルプを吸引堆積させてなる吸収体に比して剛性が高くなる傾向にあるため、着用時に大きく変形する吸収性物品に使用した場合には、該物品の幅方向中央部に位置する部分が長手方向に座屈し、それにより生じる折り目や皺、ヨレ等が、着用者に、硬いものが当たるような違和感や、ごわごわする感触を与える等の不都合がある。
特許文献3記載の衛生ナプキンは、身体形状に対するフィット性が充分ではない。
本実施形態の生理用ナプキン1(以下、単にナプキン1ともいう)は、図1及び図2に示すように、液透過性の表面シート2、液不透過性(難透過性も含む概念)の裏面シート3、及びこれら両シート2,3間に介在された吸収体4を具備する。ナプキン1は、縦長の形状を有している。ナプキン1の長手方向は、ナプキン1を着用したときの着用者の前後方向と一致する方向である。吸収体4の長手方向は、ナプキン1の長手方向と一致する方向である。
尚、表面シート2及び裏面シート3は、吸収体4の上下面を被覆しており、吸収体4の周縁から延出した部分が、ナプキン1の周縁部11において互いに接合されている。
より具体的に説明すると、吸収体4の長手方向の両側部S,Sそれぞれにおける、複数本の切れ込み41は、吸収体4の長手方向に、所定の間隔を設けて間欠的に形成されている。また、各切れ込みは、概ね吸収体4の幅方向に延びて形成されている。本実施形態における切れ込みは、スリット状をなし、吸収体4の幅方向と略平行に形成されている。
吸収体4は、切れ込み(分断部)41がない場合、長手方向の伸長性を有しないものであるが、切れ込み(分断部)41を有し、それらが開くことによって、吸収体4の両側部S,Sが、それぞれ長手方向(図3及び図4の上下方向)に伸長可能である。
吸収体4の長手方向において隣り合う切れ込み41,41同士間の間隔L1(図3参照)は、1〜5cmであることが好ましく、より好ましくは2〜4cmであり、更に好ましくは2〜3cmである。
また、吸収体4の長手方向片側の切れ込み41の本数(図3には3本図示)は、2〜50本が好ましく、3〜30本がより好ましい。より具体的な例を示せば、吸収体4の全長L(図3参照)が、8〜20cmの場合、吸収体4の片側の切れ込み41の本数は2〜20本、特に3〜15本程度が好ましい。
ナプキン1においては、吸収体4の長手方向の両側部S,Sそれぞれに、それぞれ長手方向に間隔を開けて複数の粘着部51,51・・が間欠的に形成されており、個々の粘着部51は、横長の形状を有し、前後の切れ込み41,41間の略中央部に位置している。
更に、長手方向前後端の粘着部51a,51bそれぞれと吸収体4の前後端4a、4bとの間の領域にも粘着部51が形成されている。これにより、ナプキン1の着用中に、ナプキン1とショーツ等の衣類との間のズレがより一層生じにくい。
吸収体4が、このような粘着部52を有していると、表面シート2及び/又は裏面シート3と吸収体4の幅方向中央で固定されるため、吸収性物品の構造が安定するため、持ちやすく装着性が良好となる。また、使用中も構造が安定するため、ヨレや崩れが起こりにくくなる。
尚、吸収体4(ナプキン1)の長手方向における粘着部52の長さは、吸収体4の長手方向の全長Lの50〜95%であることが好ましく、より好ましくは60〜90%である。
表面シート2と吸収体4との間及び吸収体4と裏面シート3との間を、このような態様で接合することにより、吸収性物品の装着性や使用時の形状を安定化させる効果を有する。
また、吸収体4の長手方向の両側部12,12の少なくとも一部を、表面シート2に接合することにより、切れ込みと切れ込みの間にある吸収体が使用時に折れ畳まれることによる違和感を防止しやすくできると共に、表面シート2と吸収体4との間を、切れ込み41を跨ぐ接合部が生じないように接合することにより、吸収体41の切れ込み41が開きにくくなることを防止でき、吸収体4の両側部に一層良好な伸長性が得られる。
表面シート2と吸収体4との間及び/又は吸収体4と裏面シート3との間が、このような態様で接合されていると、吸収体4の切れ込み4が開きにくくなることを一層防止でき、吸収体4の両側部に一層良好な伸長性が得られる。
ナプキン1を装着する際には、ショーツ6に、粘着部51,52を介してナプキン1を固定した後、ショーツを引き上げるが、ショーツを引き上げる際には、先ず、ナプキン1に対して、ナプキン1の幅方向の断面形状を上方に向かって凸に変形させる力が主として加わり、次いで、ナプキン1の長手方向の断面形状を上方に向かって凹に変形させる力が加わる。
本実施形態のナプキン1においては、吸収体4の長手方向の両側部S,Sが、吸収体4の切れ込み41が開くことによって柔軟に伸長すると共に、粘着部51が切れ込み41が開くことを阻害しにくい態様で形成されているため、ナプキン1に対して、その長手方向の断面形状を上方に向かって凹に変形させるような力が加わったときに、吸収体4の長手方向の両側部S,Sがスムーズに伸長して、吸収体4は、その長手方向の断面が肌当接面側に凹に緩やかに湾曲した形状となり幅方向の断面も肌当接面側に凸に緩やかに湾曲した形状となる。
そのため、吸収体の座屈、特にナプキン(吸収性物品)の幅方向中央部に位置する部分が長手方向に座屈することが防止され、吸収体の座屈により生じる折り目や皺、ヨレ等による違和感や不快感を防止することができる。また、伸長した吸収体4の両側部S,Sは、外力を受けて収縮することもできるため、着用者の動きに対する追従性にも優れており、着用者の身体形状にフィットした状態が安定に維持される。
当業者公知の一般的な材料は、50g程度の低荷重での伸長性を有しないため、以下の方法で伸長率を測定する方法が簡便に利用可能である。
(試験片の準備)測定したい方向を長手方向とし、これと直交する方向を幅方向とし、長手方向12cm×幅1cmとなるようにカットして試験片とする。例えば吸収体長手方向と同方向について測定する場合は長手方向12cm×幅方向1cmとなり、同幅方向について測定する場合は長手方向1cm×幅方向12cmとなる。
(低荷重伸長率の測定)
測定機;オリエンテック(株)製テンシロン引っ張り試験機 RTM100を使用した。
測定条件;チャック間距離10cm
引っ張り速度;100mm/分
引っ張り方向で測定を行い、荷重50gまで引っ張ったところで装置を停止する。
チャートまたはチャック間距離実測で、試験片の長さ変化を読み取り、以下の様に伸長率を計算する。
伸長率(%)=長さ変化量(mm)/元の試験片長さ(mm)×100
測定は前記伸長率測定に引き続き、試験片の回復過程を測定することが最も簡便である。
前記伸長率計測後、直ちに元のチャック間距離までテンシロンを復元する。この時の測定速度100mm/分。
チャートより、引っ張り荷重が0gとなる点を読み取る。完全に伸縮する材料の場合、0gとなるのは0mm伸長の点となり、不完全な伸縮性の材料では手前側(数mm〜数cmの伸びを残した位置)で0gとなる。この0g位置の伸長率を永久歪みとする。即ち、
永久歪み(%)=0g復元時の伸び(mm)/元の試験片長さ(mm)×100
表面シート2及び/又は裏面シート3として伸長性又は伸縮性のシートを用いる場合、ナプキン1の周縁部11における両者の接合は、伸長性や伸縮性を阻害しない観点からホットメルト型接着剤等の接着剤を介して行うことが好ましい。
比較的剛性の高い吸収体としては、その剛性が30〜300cN、特に50〜200cNのものを挙げることができる。
ここでいう剛性は、JIS L1096(一般織物試験方法)に規定された剛軟性測定法に準拠して測定する。
具体的には当該剛軟性測定法に適合した(株)大栄科学精器製作所製:ハンドロメーター試験機を使用する。スロット間を30mmに調整した試料台上に、試験片を、該試験片の測定部位がスロット間の中心に位置するように且つ吸収体の長手方向に沿う該試験片の長さがスロットに直交する方向と一致するようにして、水平に配置する。試験片は試料台に固定しない。試料台の表面から8mm下方の位置(最下位置)まで下降するように調整したブレードを、試験片の上方から一定速度:200mm/minで下降させる。そして、該試験片を長さ方向前後に押圧したときの指示計(荷重計)が示す最高値(cN)を読み取る。測定は5回行い、その平均値を算出して剛性値とした。
例えば、上述したナプキン1においては、粘着部51と粘着部52とが離間していたが、図6(a)に示すように、粘着部51と粘着部52とを連続的に形成しても良い。
また、粘着部51,52は、図6(b)〜図6(d)に示すような態様で形成されていても良い。
図6(b)に示す例においては、吸収体4の長手方向の両側部に形成された粘着部が、幅方向に分割された2つの小粘着部51a,51aからなる。図6(c)に示す例においては、吸収体4の長手方向の両側部に形成された粘着部51,51が、吸収体4の幅方向中央部Mに位置する部分53を介して連続している。図6(d)に示す例においては、吸収体4の長手方向の両側部に粘着部51,51が形成されているが、吸収体4の幅方向中央部Mと重なる部分には、粘着部52や粘着部53等は形成されていない。
また、吸収体4の切れ込みは、自然状態において、直線状のものに限られず、図7(b)に示す切れ込み41のように、平面視して細幅三角形状のもの等であっても良い。
また、吸収体4は、吸収体4の長手方向の両側部に位置する部分にそれぞれ複数本の切り込みを有する2枚のシート状吸収体を積層してなるものであっても良い。この場合は、裏面シート3に近い側のシート状吸収体の切り込みを基準(分断部)として、粘着部51及び/又は粘着部52が、上記ナプキン1と同様の態様で形成されていることが好ましい。
また、上述した一の実施形態における説明省略部分及び一の実施形態のみが有する要件は、それぞれ他の実施形態に適宜適用することができ、また、各実施形態における要件は、適宜、実施形態間で相互に置換可能である。
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
41 切れ込み(分断部)
51,52 粘着部
6 ショーツ(下着,衣類)
Claims (3)
- 液透過性の表面シート、裏面シート及びこれら両シート間に介在された吸収体を具備し、長手方向の両側部それぞれが該長手方向に伸長性を有する吸収性物品であって、
前記吸収体の長手方向の両側部が、それぞれ複数の分断部を有することによって該長手方向に伸長可能になされており、
前記裏面シートの衣類対向面における、前記吸収体の前記両側部と重なる部分に、ズレ止め用の粘着部が、前記分断部を跨がない態様で形成されており、
前記裏面シートの衣類対向面における、前記吸収体の幅方向中央部と重なる部分に、該吸収体の長手方向に沿って連続的に粘着部が形成されており、
前記表面シート及び前記裏面シートは、吸収性物品の長手方向に伸縮性を有し、荷重50gの低荷重伸長率が20〜40%であり、吸収性物品の周縁部において、両シート間がホットメルト型の接着剤で接合されており、
前記吸収体の長手方向において隣り合う前記分断部同士間の間隔(L1)は2〜4cmであり、該吸収体の長手方向片側の分断部の本数は3〜30本であり、
前記分断部の深さ(L3)は、該分断部が設けられた部位における前記吸収体の幅(W)の30〜40%であり、
前記分断部を跨がない態様で塗工された個々の粘着部は、その前後に位置する分断部との間の離間距離(L4)が、前記分断部同士間の間隔(L1)の10〜40%であり、且つ該吸収体の幅方向に長い形状を有しており、
前記吸収体は、繊維材料と該繊維材料に結合した吸水性ポリマーを含んでいる、吸収性物品。 - 前記吸収体の前記両側部の少なくとも一部が前記表面シート又は前記裏面シートに固定されている、請求項1記載の吸収性物品。
- 前記表面シートと吸収体との間及び前記裏面シートと吸収体との間は、前記吸収体の前記両側部の同じ分断部間で固定されている請求項2記載の吸収性物品。
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