JP5051474B2 - 捕虫器 - Google Patents
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Description
(1)本発明の捕虫器は、誘引した捕獲対象の虫を吸引して捕獲する捕虫器であって、
捕獲対象虫を内部へ吸引するための吸引口(具体的には端部吸引口1h及び側部吸引口31h)を一端側に設けた筒状の本体1と、
前記吸引口の内側乃至外側近傍であって本体1の平面視内側に固定され、吸引口を通して本体1外部へ誘引光を発することで捕獲対象の虫を吸引口付近へ誘引する誘引光源21と、
本体1の内部に固定され、誘引光源21によって吸引口付近の外部吸引領域A4に誘引されてきた捕獲対象虫を本体1の他端側へ吸引する吸引手段4と、
前記本体1の他端側の先部に固定され、捕獲対象虫を捕獲する捕獲網5を具備してなる。そして、本体1の内部であって高さ方向の一部分に、他の筒内部分よりも小さい断面の狭部吸引領域A5が形成され、
吸引手段4による吸引気流が、この狭部吸引領域A5を通って捕獲網5から他端側へ排出されることを特徴とする。
この構成材間を通って、捕獲対象虫が吸引孔から吸引されると共に、誘引光源21が誘引光を外部へ露光することが好ましい。
前記吸引孔が、側囲板31の上端側の先部に設けられた端部吸引孔1hと、側囲板31の周面に沿って等間隔に設けられた複数の側部吸引孔31hとから構成され、
誘引光源21は、この側囲板31の内部に固定されることで側方を囲われるとともに、平面視及び正面視にてそれぞれ端部吸引孔1h及び側部吸引孔31hを窓として外部へ露出し、誘引光を露光するものであることが好ましい。
誘引光源21は、この上覆板32によって上方を覆われることが好ましい。
上部保護網61は、捕獲対象虫が通過しかつ捕獲対象虫よりも大きな非捕獲対象虫が遮られる大きさの網目からなることが好ましい。
・捕獲対象虫に対して誘引光を発する誘引光源21を有する発光誘引手段2
・発光誘引手段2の誘引光源21を覆う覆設手段3
・本体上方の吸引孔付近から本体1内部へかけて外部吸引領域A4を有し、外部吸引領域A4内の捕獲対象虫を本体1内部の上部吸引領域A7から狭部吸引領域A5へ、さらに本体1下方の下部吸引領域A6へと吸引する吸引手段4
・進入防止機能を有する下部保護網62
・吸引した捕獲対象虫を捕虫する捕獲網5
A2:発光手段2の誘引光が届く誘引光領域A2
A3:誘引色に塗布した誘引色領域A3
A4:吸引手段4の吸引力が届く外部吸引領域A4
A6:本体1内下部で吸引する下部吸引領域A6
A7:本体1内上部で吸引する上部吸引領域A7
端部吸引孔1hを有する本体1は、縦型筒体からなり、図1のような吊り下げフック71、吊り下げ紐72によって吊り下げ設置される。内部には発光誘引手段の少なくとも一部と吸引手段を有する。また上部には側囲板が連結固定され、下部には下部保護網及び捕獲網が取り外し可能に連結固定される。筒体は実施例1のような円筒からなるものでもよく、また四角形、五角形をはじめとする略多角形の筒外形、筒内形を有するものでも良い。また設置状態を図1のような鉛直縦方向の設置にするほか、使用状態に応じて吸引領域を斜めに向けて設置したり、略水平方向に向けて設置しても良い。
発光誘引手段2は、少なくとも捕獲対象虫に対して誘引光を発する誘引光源21を、本体又は側囲板のいずれかの内部に固定されたものとして有する。実施例では誘引光源21たる円形の蛍光管と、この蛍光管を着脱可能に保持する保持枠21aと、円形蛍光管の下方に配置された、蛍光管用の円柱状の安定器22と、安定器22を本体上部ないし側囲板下部の高さに保持固定する安定器保持アーム22aとから構成される。安定器は安定器本体及びグローランプを内部収容すると共に、電源コード9が外部へ接続される。
覆設手段3は、誘引光源21(蛍光管)の少なくとも上方を覆って筒状の本体1の上方端部に固定される。誘引光源21を保護し、不要な外部接触による破損を防ぐものである。覆設手段3は表裏面共に誘引色領域A3として誘引色に塗布される。
実施例1ないし4の覆設手段2は、誘引光源21(蛍光管)の側周を円筒状に取り囲む側囲板31と、誘引光源21(蛍光管)上方を覆う上覆板32とからなる。側囲板31は、複数の側部吸引孔31hを高さ方向中央位置に等間隔に有する。
誘引光源21は、管部分の表面が誘引色に塗装された円形の蛍光管からなり、水平管軸として、一本が一段、或いは異径の複数本が複数段設置される。
側囲板31は、本体1の上端から先方向へ延長するようにして本体1上部へ連結固定された円筒側板からなる。側囲板31の固定高さは、誘引光源21の設置高さと同一であり、誘引光源2の側周を取り囲んで誘引光源2の外部接触による破損を保護するものとなっている。実施例では下部が連結具によって本体1上部へリベット固定され、高さ方向中央に複数個の側周吸引孔31hを有し、上端に三角形上の上覆板が水平固定されて補強される。
側部吸引孔31hは、側部囲板の円筒側面に沿って等間隔にかつ同一高さに形成された、複数の横長の長円形孔からなる。この長円形孔の高さ方向中央位置に誘引光源が設置固定される。側部吸引孔31hはこのほか、鉛直に伸びる棒状の縦桟で区切られて形成された複数の略矩形孔など、任意の形状として得ることができる。また同一高さではなく、側囲板の上部寄り、下部寄りへと互い違いに高さを変えて形成されたものとしても良い。
側部吸引孔31hにより、側囲板31の側周を囲うようにして外部吸引領域A4が形成される(図2、3)とともに、側部吸引孔31hを窓として部分露出する誘引光源21により、光誘引領域A2が形成される。このため、外部吸引領域A4と光誘引領域A2とが、正面ないし側面視にて重なった状態となる。
上覆板32は、側囲板31の上端にて上覆板固定具によって側囲板31の内側面に水平固定される。ただし実施例1の上覆板32は、吊り下げフック71を上覆板固定具としている。
吸引手段4は、安定器ボックスの下部に接して吊設固定されたモーター43と、本体の中央軸に沿って伸びるモーター43の回転軸42と、回転軸に固定された回転羽根41とによって構成される。モーター電源は上部の安定器ボックス内から供給され、安定器ボックス内へは外部接続された電源コード9から電源供給される。
捕獲網5は、捕集用の外網を構成する外網袋51と、その内側に固定されて返し内網を構成する内網筒52と、これらの上端の内外にそれぞれ設けられた着脱構造53とから構成される。
本体下部であって吸引手段たる回転羽根及び回転軸の下方には、回転羽根及び回転軸といった高速回転部品との接触を防ぐ下部保護網を備える。具体的には、本体筒内と同じ円形外形の網体を、筒状の本体下端であって保護網との境界付近に貼り付けて水平に固定する。
本発明の捕虫器は、吊り下げ機構によって吊り下げて設置される。吊り下げ機構は、吊り下げフック状のピン及び吊り下げ紐からなる。
実施例1の捕虫器は、本体上部に取り付けた誘引光源21によって虫を誘引し、誘引した虫を本体1内部の回転羽根41の回転によって吸い込んで、本体1下方から外部へ吸引空気を排出し、本体下部に取り付けた捕獲網5の外網袋51内に捕集する(図2の太矢印参照)。外網袋51及び逃避防止用としてその内側に取り付けられる円錐型の内網筒52は、着脱構造53によって本体1から取り外して、捕獲した虫の除去や洗浄を行なうことができる。
誘引光領域A2は保持高さ調整手段によって、図10のような側面視において、誘引光源21の中央高さが側部吸引孔31hの中心にあって誘引光源21の下縁が露出した状態(a)、誘引光源21の中央高さが側部吸引孔31hの下縁と重なって誘引光源21の上半分のみが露出した状態(b)、或いは、誘引光源21の中央高さが側部吸引孔31hの下縁よりも下方に位置して誘引光源21の下縁が隠れた状態(c)のいずれかの状態に調整される。本実施例では光源保持アーム21aの長さを三種類用意し、交換していずれかの種類のものを使用することで保持高さを調整するものとしている。これにより誘引光領域A2すなわち誘引光の拡がり具合を変えることができる。
本体1内の吸引気流は、なお安定器22の天面22Tよりも上部の上部吸引領域A7から、安定器22の周囲側部の狭部吸引領域A5から、安定器22の下部の下部吸引領域A6に流れ込む。このとき狭部吸引領域A5からの吸引気流は下部吸引領域A6世も気流通過断面が小さいため、気流の流速が高い状態から巻き込むように本体1下部へ流れ込む。
端部吸引孔、側部吸引孔の付近には、捕獲の対象虫よりも大きな捕獲対象外の虫(益虫)の進入を防ぐ上部保護網61を備える。具体的には例えば、本体筒内と同じ円形外形の網体を、測囲板の内側面及び安定器の上面に貼り付けることで、側部吸引孔の下端に沿って水平に固定する。
保持高さ調整手段は、「誘引光源21の側面視露出量の変更によって上記誘引光領域A2を調節可能」としたものである。これによって光量を電気的に調節することなく、誘引光の拡がり方(拡散範囲)だけを変えて、捕虫効率を上げることができる。さらに誘引光の影響による栽培植物の徒長を防止することができる。その他の主な構成は実施例1と同様である。
実施例5の覆設手段2は、硬質棒状の構成材を略球冠状に張り巡らせた覆設網33からなり、誘引光源21(蛍光管)の側周から上方までを覆う。覆設網33は具体的には、上方位置のもの程、径が小さくなるように水平に並べられた環状の横棒331と、湾曲しながら縦方向に延びて中心軸から平面視放射状かつ等位相間隔に並べられた縦棒332とからなり、これらが格子状に交差するとともに交差部で固着されて全体として本体1の上方全体を曲面状に覆ってなる。上方に行くに従って縮径した曲面棒からなる一体型の保護網であるため、体裁が良く取り付けが比較的容易であると共に、簡易な構造でありながら強固に保護することができる。また外部への突出部を有さないため、取り付け後の作業者等への不要な引っかかり等が発生しにくい。
誘引光領域A2は保持高さ調整手段によって、図15のような側面視において、水平環状の誘引光源21が本体1よりも上方に保持されて誘引光源21の下縁がすべて露出した状態(a)、誘引光源21の高さ方向中央が本体1の上縁と重なって誘引光源21の上半分のみが露出した状態(b)、或いは、誘引光源21の上縁が本体1の上縁とほぼ重なって誘引光源21の下縁が隠れた状態(c)のいずれかの状態に調整される。
本体1内の吸引気流は、安定器22の天面22Tよりも上部の上部吸引領域A7から、安定器22の周囲側部の狭部吸引領域A5を通って加速され、安定器22の下部の下部吸引領域A6に流れ込む。狭部吸引領域A5を本体1の高さ方向中央寄りに配置し、その上下に上部吸引領域A7および下部吸引領域A5を形成しているため、狭部吸引領域A5の上下位置(吸引気流の上流部及び下流部)で巻き込み様の乱流が発生し、本体1内部で気流のよどみが発生し難く、確実に下方へ吸引することができる。
図17に、固定高さの調整手段について、実施例4や5とは異なる別形態例を示す。すなわち光源保持アーム21aについて、下部の伸長板部の長さを実施例1よりも長いものとすると共に、この伸長板部の内側面に、伸長方向下方に折れ曲がって伸びた保持枠固定片210tを設けると共に、安定器側面に縦方向に複数個の固定孔110hを配列し、任意の固定孔110h内へへ保持枠固定片210を挿入し係止させて固定する。また安定器22の固定孔110hの形成部分の内側には固定孔110hからの水等の浸入を防ぐ保護枠110pが設けられる。その他の主な構成は実施例4または5と同様である。
1h 端部吸引孔
2 発光誘引手段
21 誘引光源
21a 光源保持アーム
210b 保持枠固定ビス
210h 保持枠固定孔
210t 保持枠固定片
210p 孔部保護枠
22 安定器
22a 安定器保持アーム
22p 安定器固定具
22t 安定器上板
3 覆設手段
31 側囲板
31h 側周吸引孔
31p 側囲板固定具
32 上覆板
32p 上覆板固定具
33 覆設網
4 吸引手段
41 回転羽根
42 回転軸
43 モーター
5 捕獲網
51 外網袋
52 内網筒
53 着脱構造
61 上部保護網
62 下部保護網
71 吊り下げフック
72 吊り下げ紐
81 架台係止部
82 架台
9 電源コード
A0 誘引光領域
A1 非誘引色領域
A3 誘引色領域
A4 吸引領域
A5 狭部吸引領域
A6 下部吸引領域
A7 上部吸引領域
Claims (5)
- 誘引した捕獲対象の虫を吸引して捕獲する捕虫器であって、捕獲対象虫を内部へ吸引するための吸引口を一端側に設けた筒状の本体と、前記吸引口の近傍に固定され、吸引口を通して本体外部へ誘引光を発することで捕獲対象の虫を吸引口付近へ誘引する誘引光源と、誘引光源によって吸引口付近の外部吸引領域に誘引されてきた捕獲対象虫を本体の他端側へ吸引する吸引手段と、前記本体の他端側の先部に固定され、捕獲対象虫を捕獲する捕獲網を具備してなるものであって、本体の内部のうち高さ方向の一部分に、筒内断面形状よりも小さい断面の狭部吸引領域が形成され、吸引手段による吸引気流が、この狭部吸引領域を通って捕獲網から他端側へ排出し、
本体の内部には、誘引光源を発光させるための安定器が配置され、この安定器は本体の内筒形状よりも小径かつ筒長よりも短い長さの柱状体からなり、安定器が安定器固定枠によって本体と略同軸上に保持されることで、安定器の周囲側部に前記狭部吸引領域が形成され、
本体の上方端部には、誘引光源の少なくとも上方を覆う構成材からなる覆設手段を具備し、この構成材間を通って、捕獲対象虫が吸引孔から吸引されると共に、誘引光源が外部へ誘引光を露光し、
前記覆設手段の構成材は、少なくとも、誘引光源の側周を取り囲む側囲板と誘引光源上方を覆う上覆板からなるか、または、覆設網からなり、
前記誘引光源は黄色の誘引光を発し、前記側囲板の内部、または、前記覆設網の内部に設けられており、
本体の筒外面は白色又は黒色に塗布され、筒内部は黄色に塗布されていることを特徴とする捕虫器。 - 覆設手段は、少なくとも、本体を上端側へ延長する円筒板の構成材からなる側囲板を有してなり、前記吸引孔が、側囲板の上端側の先部に設けられた端部吸引孔と、側囲板の周面に沿って等間隔に設けられた複数の側部吸引孔とから構成され、誘引光源は、この側囲板の内部に固定されることで側方を囲われるとともに、平面視及び正面視にてそれぞれ端部吸引孔及び側部吸引孔を窓として外部へ露出し、誘引光を露光するものである請求項1記載の捕虫器。
- 覆設手段は、誘引光源の上方に、筒状の内側面内を横断して固定された上覆板を有してなり、誘引光源は、この上覆板によって上方を覆われる請求項1又は2記載の捕虫器。
- 本体の上端側であって誘引光源の下方に、筒状の本体の内部を塞ぐように固定された上部保護網を具備してなり、
上部保護網は、捕獲対象虫が通過しかつ捕獲対象虫よりも大きな非捕獲対象虫が遮られる大きさの網目からなる請求項1ないし3のいずれかに記載の捕虫器。 - 誘引光源の保持高さを、少なくとも、側面視にて誘引光源の下縁の一部が露出した位置ないし下縁の全てが隠れた位置の間で調整することのできる保持高さ調整手段を具備する請求項1ないし4のいずれかに記載の捕虫器。
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