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JP4937766B2 - 電圧型インバータの制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電圧型インバータの制御装置に関し、詳しくは、半導体スイッチング素子のオン・オフにより所望の大きさ及び周波数の交流電圧を出力する電圧型インバータによって電動機を駆動する場合に、前記インバータの出力電圧に含まれる誤差や歪を補償するための制御装置に関するものである。
通常の電圧型インバータは、上下アームを構成するスイッチング素子を交互に導通させて所望の大きさ及び周波数の交流電圧を発生している。しかし、周知のようにスイッチング素子にはターンオフ時の動作遅れがあり、これによって上下アームが同時にオンすることによるアーム短絡を防ぐために、スイッチングパターンに短絡防止期間(デッドタイム)を設けている。
しかし、このデッドタイムに起因して、電圧型インバータの出力電圧は出力電圧指令に対して誤差を持つことになり、これによる出力電圧の歪が電動機駆動時のトルクリプルの原因となっている。
上述したデッドタイムに起因する出力電圧の歪を補償するための従来技術として、特許文献1に記載されているように、インバータの出力電圧指令及び出力電流に基づいて出力電圧歪を推定し、この推定値に基づいて出力電圧指令に加える補償信号の振幅(補償量)を調節する方法が知られている。
以下、この従来技術を、図2を参照しつつ説明する。
図2において、101は電圧指令に比例した電圧を出力する電圧型PWM(パルス幅変調)インバータであり、102はインバータ101によって駆動される電動機である。
前記インバータ101において、破線で示したブロック101aは、前述したデッドタイムによる出力電圧歪Δvが、電流検出手段110により検出された出力電流iの極性に応じて発生することをモデル化したものである。
また、103は、回転磁界座標系における電動機102の磁束軸方向のd軸電圧指令v 、これに直交するq軸電圧指令v 及び位相基準信号θ(=ωt)が入力されて固定子座標系の出力電圧指令vを出力する座標変換手段、109は出力電圧指令vと後述する補償手段105からの補償信号Δvとを加算する加算手段、106は出力電流iを回転磁界座標系のd軸電流i及びq軸電流iに変換する座標変換手段、107はd軸電圧指令v 、q軸電圧指令v 、d軸電流i及びq軸電流iに基づいて電圧歪成分(補償残留成分)を推定する歪成分推定手段、108は推定した電圧歪成分と出力電流iとに基づいて補償量を調節する補償量調節手段、108aは電圧歪成分の極性反転手段、108bは出力電流iの極性に応じて切替信号を出力する極性検出手段、108cは前記切替信号により選択された歪成分推定手段107の出力またはその反転出力を積分する積分手段、105は出力電流iの極性に応じた補償信号Δvを前記加算手段109に出力する補償手段である。
上記構成において、出力電圧歪Δvは、各軸の電圧指令v ,v からインバータ101の出力電圧までの経路において、歪成分が作用するモデルによって推定することができ、歪成分推定手段107は、d軸電圧指令v 、q軸電圧指令v 、d軸電流i及びq軸電流iを用いて外乱オブザーバの原理に従い電圧歪成分を推定する。そして、この電圧歪成分が零に近付くように、補償量調節手段108により補償手段105からの補償信号Δvを制御し、これを加算手段109にて元の出力電圧指令vに加算して出力電圧歪Δvの最小化を図っている。
すなわち、上記補償信号Δvを元の出力電圧指令vに加算して出力電圧歪Δvをフィードフォワード制御することにより、出力電圧vにΔvが含まれるのを抑制して出力電圧歪を補償している。この補償信号の振幅(補償量)は、電圧歪成分の振幅に一致する場合に最も補償効果が大きく、それより過大または過小でも補償残留成分が発生するので、この従来技術では、補償量調節手段108によって補償量の過不足を判別し、その判別結果により補償手段105を介して補償量を最適値に制御している。
特許第3536114号公報(段落[0007]〜[0012]、図1等)
上記従来技術において、外乱オブザーバとしての歪成分推定手段107により推定した電圧歪成分には、電動機102の逆起電力(速度起電力)も含まれるため、推定した歪成分をそのまま用いて出力電圧指令を補償することができない。このため、補償量調節手段108及び補償手段105を用いて補償量を調整する必要がある。
これらの補償量調節手段108及び補償手段105では、電圧歪成分の波形に基づいて、積分やその積分値の差演算等を行って過補償または不足補償を判別し、その判別結果に応じて補償量を決定するという複雑な処理を行っており、これらが回路構成の複雑化や演算負荷の増大を招いていた。
更に、上記従来技術をV/f一定制御等のオープンループ制御に適用する場合には、電動機の磁束軸方向成分であるd軸成分の電圧も補償される結果、オープンループ制御において低速における電動機の励磁電流が確保されずに安定性が悪化するという問題もあった。
そこで、本発明の解決課題は、複雑な回路構成や演算処理を要することなくインバータの出力電圧歪を最小化することができ、V/f一定制御等のオープンループ制御においても電動機を安定して駆動可能な電圧型インバータの制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に係る電圧型インバータの制御装置は、半導体スイッチング素子のオン・オフにより所望の大きさ及び周波数の交流電圧を出力して電動機を駆動する電圧型インバータの制御装置であって、インバータの出力電圧指令及び出力電流を用いてインバータの出力電圧歪成分を逐次推定する電圧歪成分推定手段と、インバータの出力電圧を前記出力電圧歪成分により補償する補償手段と、を備えた電圧型インバータの制御装置において、
前記電圧歪成分推定手段は、
インバータの交流電流検出値を座標変換して得た前記電動機の磁束軸と直交するq軸電流検出値からq軸出力電圧を推定し、このq軸出力電圧とq軸出力電圧指令とを用いてインバータのデッドタイムに起因したq軸出力電圧誤差、前記電動機の逆起電力成分、及び前記電動機の磁束軸と直交するd軸干渉成分を含むq軸外乱電圧を推定する第1の推定手段と、
前記q軸電流検出値からq軸出力電圧を推定し、このq軸出力電圧とq軸出力電圧指令とを用いて前記逆起電力成分を推定する第2の推定手段と、
前記インバータの交流電流検出値を座標変換して得た前記電動機の磁束軸方向のd軸電流検出値及びインバータの角周波数指令を用いて前記d軸干渉成分を推定する第3の推定手段と、を有し、
前記補償手段は、
第1の推定手段により推定した前記q軸外乱電圧と第2の推定手段により推定した前記逆起電力成分と第3の推定手段により推定した前記d軸干渉成分とから生成した補償電圧を用いて前記出力電圧指令を補正するものである。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載した電圧型インバータの制御装置において、前記電動機の磁束軸方向のd軸電流指令値を入力として、前記インバータの交流電流検出値を座標変換して得たd軸電流検出値をフィードバックしてd軸電流を制御する電流制御手段を備えたものである。
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載した電圧型インバータの制御装置において、前記電動機の回転速度をV/f一定制御により制御するものである。
請求項4に係る発明は、請求項1〜3の何れか1項に記載した電圧型インバータの制御装置において、前記第1の推定手段及び/または第2の推定手段を、外乱推定オブザーバにより構成したものである。
本発明においては、インバータのq軸電圧指令及びq軸電流を用いて、インバータのデッドタイムに起因したq軸電圧誤差、電動機の逆起電力成分、及びd軸干渉成分を含む外乱電圧を推定し、この外乱電圧を補償電圧としてインバータの出力電圧指令を補正する。また、同時にd軸電流をフィードバックしてd軸電圧指令を制御することにより、低速領域における電動機の励磁電流を制御する。
従って、従来技術のように補償量の過不足の判別や補償量の調整といった複雑な処理を要することなく、インバータの出力電圧歪を簡単に補償することができ、電動機のトルクリプルの発生を防止すると共に、交流電源の高調波を低減し、制御精度を高めることができる。また、V/f一定制御等のオープンループ制御においても電動機の励磁電流が確保されるので、低速時にも電動機を安定して駆動することが可能になる。
更に、インバータのq軸電圧指令及びq軸電流を用いて電動機の逆起電力成分を推定し、高速領域において外乱電圧に含まれる逆起電力成分を補償することにより、中高速領域においても電動機を安定して駆動することができる。
以下、図に沿って本発明の実施形態を説明する。
図1は本実施形態の構成を示すブロック図である。図1において、1は所望の大きさ及び周波数の交流電圧を出力する電圧型PWMインバータ、2はインバータ1の各相(U,V,W相)の出力端子に接続された誘導電動機、3は誘導電動機2に対する一次角周波数指令(インバータ1に対する周波数指令)ω を設定する周波数設定器、4は一次角周波数指令ω を積分して位相基準信号θ を出力する積分手段、5は回転磁界座標系のd軸電圧指令v1d 及びq軸電圧指令v1q を位相基準信号θ に基づいて固定子座標系の各相電圧指令v ,v ,v に変換する座標変換手段である。
また、6はインバータ1の出力電流i,i,iを検出する電流検出手段、7は固定子座標系の出力電流i,i,iを位相基準信号θ に基づいて回転磁界座標系のd軸電流i1d及びq軸電流i1qに変換する座標変換手段、8は一次角周波数指令ω からq軸電圧指令v1q を出力するV/f変換手段、9はq軸電圧指令v1q 及びq軸電流i1qから外乱電圧vdisを推定して出力する第1の推定手段としての高速外乱推定オブザーバ、10はq軸電圧指令v1q 及びq軸電流i1qから逆起電力成分vemfを推定して出力する第2の推定手段としての低速外乱推定オブザーバ、11はd軸電流i1d、一次角周波数指令ω 及び漏れインダクタンスLσを用いてd軸干渉成分vcmpを演算する第3の推定手段としてのd軸干渉成分演算手段、12はd軸電流指令i1d 及びd軸電流i1dを入力としてd軸電圧指令v1d を出力する電流制御手段、13は前記逆起電力成分vemfからd軸干渉成分vcmpを減算する減算手段、14は前記外乱電圧vdisから減算手段13の出力を減算した値を補償電圧vとして出力する減算手段、15は元のq軸電圧指令v1q と前記補償電圧vとを加算して補正後のq軸電圧指令v1q を出力する加算手段である。
上記構成において、高速外乱推定オブザーバ9、低速外乱推定オブザーバ10及びd軸干渉成分演算手段11は、請求項における電圧歪成分推定手段を構成し、減算手段13,14及び加算手段15は補償手段を構成している。
次に、この実施形態の動作について説明する。
図1に示す実施形態における制御方法は、周知のV/f一定制御と呼ばれる誘導電動機の制御方法であり、誘導電動機2の一次角周波数ωと一次電圧vとの比率を一定に保って誘導電動機2の回転速度を広範囲にわたり効率良く制御する方法である。
まず、周波数設定手段3により設定された一次角周波数指令ω は、V/f変換手段8に入力され、一次角周波数指令ω に対応する一次電圧指令(出力電圧指令)が出力される。ここで、電圧指令のd軸成分は誘導電動機2が発生するトルクには直接影響しないため、V/f変換手段8からは、一次角周波数指令ω に対応するq軸電圧指令v1q が一次電圧指令として出力される。以下、必要に応じてq軸電圧指令v1q を一次電圧指令v1q 、q軸電圧v1qを一次電圧v1q、q軸電流iを一次電流iともいうものとする。
インバータ1の出力電圧歪の補償については後述することとして、一次電圧指令v1q は座標変換手段5に入力され、積分手段4からの位相基準信号θ を用いた座標変換により正弦波の出力電圧指令v ,v ,v が生成される。これらの電圧指令v ,v ,v をインバータ1の内部で搬送波信号と比較して得たPWM信号に従い、インバータ1の半導体スイッチング素子をオン・オフ動作させることにより、インバータ1の出力電圧v,v,vが制御されて誘導電動機2に供給されることになる。
一方、インバータ1のデッドタイムに起因する出力電圧歪は、回転磁界座標系において高速外乱推定オブザーバ9により推定した外乱電圧vdisにより補償される。
ここで、数式1により与えられる回転磁界座標系で表現された誘導電動機の電圧方程式より、誘導電動機2の一次電流i1qと一次電圧v1qとの関係を求めると、数式2となる。
Figure 0004937766
Figure 0004937766
これらの数式において、
φ2d,φ2q:d軸電動機磁束及びq軸電動機磁束,
1d,i1d:誘導電動機の一次側のd軸電圧及びd軸電流,
1q,i1q:誘導電動機の一次側のq軸電圧及びq軸電流,
ω:一次角周波数,
ω:回転角周波数(電気角速度),
:一次抵抗値,
:二次抵抗値,
σ:漏れインダクタンス,
:励磁インダクタンス,
p:微分演算子
である。
数式2において、右辺第2項はd軸による干渉成分、第4項は逆起電力成分となる。なお、右辺第3項は、低速において影響がないためゼロと考える。
インバータ1のデッドタイムによる誤差電圧及び上記d軸干渉成分や逆起電力成分の和を外乱電圧vdisと定義すると、数式2から数式3を得ることができる。
Figure 0004937766
ここで、従来技術と同様に構成された外乱オブザーバにより、外乱電圧vdisを推定することを考える。すなわち、数式3に示した一次電流i1qと一次電圧v1qとの関係に基づき、誘導電動機2に印加されているインバータ1の出力電圧(=(R+R+pLσ)i1q)を一次電流i1qから推定する。
そして、高速外乱推定オブザーバ9においては、次の数式4に示す如く、推定した出力電圧(=(R+R+pLσ)i1q)と一次電圧指令v1q との差分をとり、時定数Tのローパスフィルタを通してゲインKを乗じ、外乱電圧推定値^vdisとして出力する。なお、数式4において、記号「^」を付した値は何れも推定値である。
Figure 0004937766
ここで、デッドタイムによる外乱成分は、一次出力周波数をf(=ω/2π)とした場合、その6倍の周波数の交流リプル成分がq軸上に現れる。従って、数式4における時定数Tは、出力周波数の6倍より十分速い時間で外乱電圧を推定するとし、例えば数式5に示す範囲に設定する。
Figure 0004937766
また、前述したように、外乱電圧推定値^vdisには、デッドタイムによる誤差電圧の他に誘導電動機2の逆起電力成分やd軸による干渉成分が含まれることになり、中高速領域において逆起電力成分も補償されてしまい、V/f制御などのオープンループ制御時に電圧が過大となり安定性に問題がある。
よって、低速外乱推定オブザーバ10により、数式2における右辺第4項の逆起電力成分vemfを演算すると共に、d軸干渉成分演算手段11により右辺第2項のd軸干渉成分vcmp(=ωσ1d)を演算し、これらを減算手段13,14に図示の符号で入力することにより高速外乱推定オブザーバ9の出力である外乱電圧推定値^vdisを補償して補償電圧vを生成する。
上記低速外乱推定オブザーバ10は、数式4と同様の構造を持ち、時定数をTとした数式6に示す推定逆起電力^vemfを出力する外乱推定オブザーバを構成する。
Figure 0004937766
ここで、逆起電力vemfは数式2より回転角周波数ωに依存し、その変化は、デッドタイムによる外乱成分に対して非常に遅い。従って、数式6における時定数Tは、デッドタイムによる外乱成分を無視できる程度に遅くすれば逆起電力vemfの推定が可能であり、例えば数式7に示す範囲に設定する。
Figure 0004937766
低速外乱推定オブザーバ10から出力される推定逆起電力^vemfには、数式2の右辺第2項のd軸干渉成分vcmpも含まれるが、vcmpまで推定して外乱成分として補償すると中高速領域で安定性が劣化するため、これを数式8に示すように一次角周波数ω、d軸電流i1d及び漏れインダクタンスLσを用いて算出して前向きに補償する。
Figure 0004937766
上記のように計算されたd軸干渉成分vcmpは、減算手段13により推定逆起電力^vemfから減算することにより補償される。減算手段13の出力は次段の減算手段14に入力されて外乱電圧推定値^vdisを補償し、その結果を補償電圧vとして出力する。
補償電圧vは加算手段15において一次電圧指令v1q に加えられるので、結果的には、外乱電圧から逆起電力相当量を除いたデッドタイムによる誤差電圧のみを電圧歪成分として推定し、一次電圧指令v1q を補償するシステムを構成することができる。これにより、インバータ1の出力電圧歪を常に最小化することができる。
次に、電流制御手段12について説明する。
電流制御手段12は、d軸電流指令i1d とd軸電流i1dとの偏差に対して、ゲインを乗じた出力をd軸電圧指令v1d とし、d軸電流i1dを速やかにd軸電流指令i1d に追従させるものである。なお、前述したq軸におけるV/f一定制御とは独立して電動機2の低速領域における励磁電流を確保させるためには、d軸電流指令i1d を一定値(定格電流の30%程度の電流)とすればよい。
以上の結果として、誘導電動機2のトルクリプルの発生を防止すると共に、交流電源の高調波を低減して制御精度を高めることもできる。更に、d軸電流i1dをフィードバック制御することにより、低速領域でも安定して電動機2を駆動することが可能になる。
なお、本実施形態ではインバータ1により誘導電動機2を駆動する場合を対象としたが、本発明は、同期電動機等の他の電動機の駆動システムにも適用可能である。また、本実施形態ではインバータ1の制御方法としてV/f一定制御を示したが、ベクトル制御等の他の制御方法にも適用可能である。
本発明の実施形態を示すブロック図である。 特許文献1に記載された従来技術を示すブロック図である。
符号の説明
1:電圧型PWMインバータ
2:誘導電動機
3:周波数設定手段
4:積分手段
5,7:座標変換手段
6:電流検出手段
8:V/f変換手段
9:高速外乱推定オブザーバ(第1の推定手段)
10:低速外乱推定オブザーバ(第2の推定手段)
11:d軸干渉成分演算手段(第3の推定手段)
12:電流制御手段
13,14:減算手段
15:加算手段

Claims (4)

  1. 半導体スイッチング素子のオン・オフにより所望の大きさ及び周波数の交流電圧を出力して電動機を駆動する電圧型インバータの制御装置であって、インバータの出力電圧指令及び出力電流を用いてインバータの出力電圧歪成分を逐次推定する電圧歪成分推定手段と、インバータの出力電圧を前記出力電圧歪成分により補償する補償手段と、を備えた電圧型インバータの制御装置において、
    前記電圧歪成分推定手段は、
    インバータの交流電流検出値を座標変換して得た前記電動機の磁束軸と直交するq軸電流検出値からq軸出力電圧を推定し、このq軸出力電圧とq軸出力電圧指令とを用いてインバータのデッドタイムに起因したq軸出力電圧誤差、前記電動機の逆起電力成分、及び前記電動機の磁束軸と直交するd軸干渉成分を含むq軸外乱電圧を推定する第1の推定手段と、
    前記q軸電流検出値からq軸出力電圧を推定し、このq軸出力電圧とq軸出力電圧指令とを用いて前記逆起電力成分を推定する第2の推定手段と、
    前記インバータの交流電流検出値を座標変換して得た前記電動機の磁束軸方向のd軸電流検出値及びインバータの角周波数指令を用いて前記d軸干渉成分を推定する第3の推定手段と、を有し、
    前記補償手段は、
    第1の推定手段により推定した前記q軸外乱電圧と第2の推定手段により推定した前記逆起電力成分と第3の推定手段により推定した前記d軸干渉成分とから生成した補償電圧を用いて前記出力電圧指令を補正することを特徴とする電圧型インバータの制御装置。
  2. 請求項1に記載した電圧型インバータの制御装置において、
    前記電動機の磁束軸方向のd軸電流指令値を入力として、前記インバータの交流電流検出値を座標変換して得たd軸電流検出値をフィードバックしてd軸電流を制御する電流制御手段を備えたことを特徴とする電圧型インバータの制御装置。
  3. 請求項1または2に記載した電圧型インバータの制御装置において、
    前記電動機の回転速度をV/f一定制御により制御することを特徴とする電圧型インバータの制御装置。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載した電圧型インバータの制御装置において、
    前記第1の推定手段及び/または第2の推定手段を、外乱推定オブザーバにより構成したことを特徴とする電圧型インバータの制御装置。
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