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JP4937617B2 - 車両用内燃機関の排気浄化システム - Google Patents

車両用内燃機関の排気浄化システム Download PDF

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Description

本発明は、車両用内燃機関の排気浄化システムに係り、特に、尿素SCR触媒を用いたシステムに関する。
近年、車両に搭載された内燃機関(エンジン)から排出されるNOxを浄化するNOx触媒が種々開発されており、例えば、選択還元型NOx触媒(SCR触媒)を用い、尿素水を添加することでNOxを除去することの可能な尿素選択還元型NOx触媒(尿素SCR触媒)が開発されている。
そして、このような尿素SCR触媒を搭載した車両では、尿素SCR触媒に添加する尿素水を尿素水タンクに貯留しており、当該尿素水タンクに尿素水を適宜補充するようにしている。
この場合、尿素水を補充するにあたり尿素水の残量を把握する必要があり、例えば尿素水タンク内に液位センサを設け、当該液位センサで尿素水の残量を検出することで尿素水の残量を知らせたり、尿素水の残量が所定量に達すると或いは尿素水タンクが空になると尿素水の使用量を減らすべくエンジン出力を制限してNOxの発生を抑える構成の装置が開発されている(特許文献1、2参照)。
特開2002−371831号公報 特開2005−147118号公報
ところで、現在、尿素水を補充するための尿素ステーションが複数設けられつつあり、通常は契約等により特定された尿素ステーション或いは一般の尿素ステーションにおいて尿素水を補充するようにしている。
しかしながら、尿素ステーションは各地に点在しており、運転者は尿素ステーションの場所を十分に把握しているとは限らず、尿素水の残量が低下しても土地勘のない場所等では尿素ステーションを探す手間がかかるという問題がある。
さらに、上記特許文献に開示される如く尿素水が所定量まで減少したら一律にエンジン出力を制限するようにすると、実際には尿素ステーションまで比較的近い距離にも拘わらず不必要にエンジン出力が制限されてしまうという問題がある。
このように尿素ステーションを探す手間がかかったり不必要にエンジン出力が制限されてしまうと車両の運行に支障を来たし好ましいことではない。
また、尿素水の使用量を減らすべくエンジン出力を制限してNOxの発生を抑える必要が生じた場合であっても、エンジン出力を制限すべく燃料供給量を一律に減らすだけではやはり車両の運行に支障を来たし兼ねない。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、尿素SCR触媒に添加する尿素水が減少してもNOxの排出を十分に抑制しつつ車両の運行に支障を来たさないように図った車両用内燃機関の排気浄化システムを提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1の車両用内燃機関の排気浄化システムは、車両に搭載された内燃機関の排気通路に設けられ、尿素存在のもとNOxを選択的に還元し浄化する尿素選択還元型NOx触媒と、該尿素選択還元型NOx触媒の排気上流側に位置して設けられ、該尿素選択還元型NOx触媒に尿素を供給する尿素供給手段と、尿素を貯留しておく尿素タンクと、該尿素タンク内の尿素の残量を検出する尿素残量検出手段と、前記尿素タンク内の尿素が欠乏状態であるか否かを判定する尿素欠乏状態判定手段と、尿素を補充可能な尿素ステーションの位置を検出し車両から該尿素ステーションまでの距離を検出する尿素ステーション検出手段と、前記尿素残量検出手段により検出される尿素の残量が所定量にまで低下したとき、該所定量の尿素の残量で前記尿素ステーション検出手段により検出される前記尿素ステーションまでの距離を内燃機関の現在の運転状態のまま車両が走行可能か否かを判定する走行可否判定手段と、前記尿素欠乏状態判定手段により尿素が欠乏状態にあると判定されたときには内燃機関から排出されるNOxの量を抑制しつつ内燃機関の出力を制限し、前記尿素欠乏状態判定手段により尿素が欠乏状態にないと判定されるとともに前記走行可否判定手段により車両が前記尿素ステーションまでの距離を内燃機関の現在の運転状態のまま走行可能と判定されたときには該現在の運転状態を維持する一方、尿素が欠乏状態にないと判定されるとともに走行不能と判定されたときには前記尿素選択還元型NOx触媒のNOx浄化機能を維持しつつ車両の走行距離を延長するよう内燃機関と尿素の使用量との協調制御を実施する制御手段とを備えたことを特徴とする。
また、請求項2の車両用内燃機関の排気浄化システムでは、請求項1において、さらに、前記尿素残量検出手段により検出された尿素の残量が所定量にまで低下したことを報知する尿素残量報知手段と、前記尿素ステーション検出手段により検出された前記尿素ステーションの位置を報知する尿素ステーション位置報知手段とを含むことを特徴とする。
また、請求項3の車両用内燃機関の排気浄化システムでは、請求項1または2において、前記制御手段は、前記走行可否判定手段により車両が前記尿素ステーションまでの距離を内燃機関の現在の運転状態のままでは走行不能と判定されたとき、該尿素ステーションまでの距離に対する必要尿素量を内燃機関の現在の運転状態に基づき推定し、該推定された必要尿素量と現在の尿素の残量との比に基づいて内燃機関から排出されるNOxの量を抑制する方向に内燃機関の運転状態を制限するとともに尿素の使用量をも制限する協調制御を実施することを特徴とする。
また、請求項4の車両用内燃機関の排気浄化システムでは、請求項1乃至3のいずれかにおいて、さらに、前記走行可否判定手段により車両が前記尿素ステーションまでの距離を走行不能と判定されて前記協調制御が実施されるとき、該協調制御を実施中であることを警告する警告手段を含むことを特徴とする。
請求項1の車両用内燃機関の排気浄化システムによれば、尿素選択還元型NOx触媒を有した排気浄化システムにおいて、尿素欠乏状態判定手段により尿素が欠乏状態にあると判定されたときには内燃機関から排出されるNOxの量を抑制しつつ内燃機関の出力を制限するので、尿素が欠乏した場合であっても、NOxの排出を極力抑えながら車両の最低限の運行が可能である。
そして、尿素残量検出手段により検出される尿素の残量が所定量にまで低下すると、該所定量の尿素の残量で尿素ステーション検出手段により検出される尿素ステーションまでの距離を内燃機関の現在の運転状態のまま車両が走行可能か否かを走行可否判定手段で判定し、前記尿素欠乏状態判定手段により尿素が欠乏状態にないと判定されるとともに車両が尿素ステーションまでの距離を内燃機関の現在の運転状態のまま走行可能と判定されたときには該現在の運転状態を維持するので、尿素の残量が所定量にまで低下しても内燃機関の出力を不必要に制限しないようにして車両の運行に支障を来たさないようにできる。
一方、尿素が欠乏状態にないと判定されるとともに車両が尿素ステーションまでの距離を内燃機関の現在の運転状態のまま走行不能と判定されたときには尿素選択還元型NOx触媒のNOx浄化機能を維持しつつ車両の走行距離を延長するよう内燃機関と尿素の使用量との協調制御を実施するので、尿素の使用量を抑えながらNOxの排出を十分に抑制しつつ走行距離を延ばすようにでき、やはり車両の運行に支障を来たさないようにできる。
請求項2の車両用内燃機関の排気浄化システムによれば、尿素の残量が所定量にまで低下したことを報知し、尿素ステーションの位置を報知するようにしたので、車両の運転者は尿素の残量が所定量にまで低下したことを知るとともに最寄りの尿素ステーションの位置を容易に知ることができ、運転者が尿素ステーションを探す手間を省くことができ、やはり車両の運行に支障を来たさないようにできる。
また、このように最寄りの尿素ステーションの位置を容易に知ることができることになると、尿素が減少したときには最寄りの尿素ステーションに立ち寄って即座に尿素を補充可能となり、尿素タンクの容量を必要最小限に抑えることができる。
請求項3の車両用内燃機関の排気浄化システムによれば、車両が尿素ステーションまでの距離を内燃機関の現在の運転状態のまま走行不能と判定されたときには、尿素ステーションまでの距離に対する必要尿素量を内燃機関の現在の運転状態に基づき推定し、該推定された必要尿素量と現在の尿素の残量との比に基づいて内燃機関から排出されるNOxの量を抑制する方向に内燃機関の運転状態を制限するとともに尿素の使用量をも制限する協調制御を実施するので、尿素の使用量を抑えながらNOxの排出を十分に抑制しつつ走行可能範囲の外の最寄りの尿素ステーションまで車両の運行に支障を来たすことなく到達することができる。
請求項4の車両用内燃機関の排気浄化システムによれば、走行可否判定手段により車両が尿素ステーションまでの距離を走行不能と判定されて協調制御が実施されるときには協調制御実施中であることを警告するようにしたので、車両の運転者は協調制御実施中であることを知ることができ、運転者が協調制御に伴う内燃機関の出力低下等の違和感を覚えないようにできる。
図1には、本発明に係る車両用内燃機関の排気浄化システムが概略的に示されている。
エンジン1は例えば4気筒ディーゼルエンジンからなり、各気筒には燃料噴射弁5が配設されている。
エンジン1の排気通路6からは吸気通路2に向けてEGR通路7が延びており、EGR通路7にはEGR量を調節するEGR弁8が設けられている。
排気通路6には、排気中のNOxを浄化可能な尿素選択還元型NOx触媒(尿素添加式のSelective Catalytic Reduction NOx触媒、以下、尿素SCR触媒という)10が介装されており、尿素SCR触媒10の排気上流側には、還元剤として例えば尿素水を排気通路6に供給する尿素噴射弁(尿素供給手段)12が設けられている。尿素噴射弁12は管路12aを介して尿素水を貯蔵する尿素タンク13に接続されている。そして、尿素タンク13には、尿素水の液位を検出する液位センサ(尿素残量検出手段)14が設けられている。
即ち、本発明に係る排気浄化システムは、尿素SCR触媒10と尿素噴射弁12と尿素タンク13とから構成されており、尿素噴射弁12から尿素水が噴射されると、排ガスの熱により尿素水が加水分解されてアンモニアが生成され、当該アンモニアが尿素SCR触媒10に供給されて尿素SCR触媒10が還元雰囲気となり、排気中のNOxが当該アンモニアと反応することによって還元除去される。
尿素SCR触媒10の排気下流側には、尿素SCR触媒10を経て排出される排気中のNOx濃度を検出するNOxセンサ16が設けられている。
ECU(電子コントロールユニット)20は、エンジン1を含めた本発明に係る車両用内燃機関の排気浄化システムの総合的な制御を行うための制御装置であり、CPU、メモリ、タイマカウンタ等から構成されている。
ECU20の入力側には、上記NOxセンサ16やアクセルペダル23のアクセル開度を検出するアクセルポジションセンサ(APS)24等の各種センサ類が接続されている。一方、ECU20の出力側には、上記燃料噴射弁5、EGR弁8、尿素噴射弁12や運転警告灯(警告手段)22、尿素警告灯26(尿素残量報知手段)等の各種デバイス類が接続されており、これら各種デバイス類は上記各種センサ類からの情報に基づき作動制御される。
特に、本発明に係る車両用内燃機関の排気浄化システムでは、グローバルポジショニングシステム(GPS)が採用されており、ECU20にはさらにGPS本体30が入出力可能に接続され、GPS本体30には人工衛星からの位置情報を入手するGPSセンサ32が接続されている。なお、GPSとしては公知のものが適用され、その機能の詳細な説明についてはここでは省略する。
GPS本体30には、広範囲に亘る地図情報が記憶され、少なくとも尿素水を補給可能な各地の尿素ステーションの位置情報が入力されており、GPS本体30は、自車両周辺の地図とともに尿素ステーションの位置及び自車両から尿素ステーションまでの計測距離を画面に表示可能に構成されている(尿素ステーション検出手段、尿素ステーション位置報知手段)。
以下、このように構成された本発明に係る車両用内燃機関の排気浄化システムの作用及び効果について説明する。
図2を参照すると、本発明に係る排気浄化システムの制御ルーチンがフローチャートで示されており、以下同フローチャートに基づき説明する。
ステップS10では、液位センサ14からの情報に基づき尿素タンク13内の尿素水が欠乏状態であるか否かを判別する(尿素欠乏状態判定手段)。例えば尿素水を補充した直後等には尿素タンク13内には尿素水が満たされており、このような場合には判別結果は偽(No)であり、ステップS12に進む。なお、液位センサ14によらずNOxセンサ16がNOxを検出したことをもって尿素水の欠乏状態を判定することも可能である。
ステップS12では、液位センサ14からの情報に基づき今度は尿素タンク13内の尿素水が所定量未満であるか否かを判別する。上述の如く尿素水を補充した直後等には尿素タンク13内には尿素水が満たされており、この場合には判別結果は偽(No)であり、上記ステップS10に戻る。一方、車両の走行により尿素水が尿素SCR触媒10に供給され、尿素タンク13内の尿素水が減少して所定量未満になった場合には、判別結果は真(Yes)であり、ステップS13において尿素警告灯26を点灯させて尿素量の警告を行った後、ステップS14に進む。
ステップS14では、所定量の尿素水で現在のエンジン1の運転状態のまま走行して最寄りの設定尿素ステーションまで到達可能か否かを判定する(走行可否判定手段)。ここに、設定尿素ステーションとは例えば契約等により予め尿素水の補給場所として指定された尿素ステーションである。
具体的には、上記GPSを用いて自車両の周辺に設定尿素ステーションが存在しているか否かを検索し、存在している場合には自車両から当該設定尿素ステーションまでの距離を演算し、予め求めたエンジン1の運転状態に応じた走行距離に対する尿素水の使用量比に基づき、この距離を所定量の尿素水で現在のエンジン1の運転状態のままに走行可能か否かを判定する。この場合、設定尿素ステーションまでの距離については直線距離ではなく道路に沿った距離を演算するのが好ましい。
ステップS14の判別結果が真(Yes)で、現在のエンジン1の運転状態のまま走行して設定尿素ステーションまで到達可能と判定された場合には、ステップS15に進み、そのまま通常制御を行い、現在のエンジン1の運転状態を維持する(制御手段)。
このように、本発明に係る車両用内燃機関の排気浄化システムでは、尿素タンク13内の尿素水が所定量未満になったとしても、設定尿素ステーションまで到達可能であるときには現在のエンジン1の運転状態を維持するようにしている。従って、尿素タンク13内の尿素水の残量が所定量にまで低下したとしてもエンジン1の出力を不必要に制限しないようにでき、車両の運行に支障を来たさないようにできる。
一方、ステップS14の判別結果が偽(No)で到達不能と判定された場合には、ステップS16に進む。
ステップS16では、所定量の尿素水で現在のエンジン1の運転状態のまま走行して上記設定尿素ステーション以外の最寄りの一般の尿素ステーションまで到達可能か否か、即ち走行可能範囲内に尿素ステーションが有るか否かを上記同様に判定する(走行可否判定手段)。判別結果が真(Yes)で走行可能範囲内に尿素ステーションが有る場合には、ステップS18に進み、GPS本体30に尿素ステーションの位置を表示する。
尿素警告灯26が点灯し且つ最寄りの尿素ステーションの位置がGPS本体30に表示されることになると、車両の運転者は尿素水を補給すべきことを容易に認識でき、また、一般の尿素ステーションは未知であることが多いのであるが、当該表示された尿素ステーションに向け走行することで、尿素ステーションを探す手間なく車両の運行に支障を来たすことなく速やかに尿素水を補充することが可能である。
また、このように最寄りの尿素ステーションの位置を容易に知ることができることになると、尿素が減少したときには当該最寄りの尿素ステーションに立ち寄って即座に尿素を補充可能であり、尿素タンク13の容量を必要最小限に抑えることができ、車両の軽量化を図ることができるという利点もある。
そして、ステップS15において、上記同様にそのまま通常制御を行い、現在のエンジン1の運転状態を維持する。
これにより、上記同様、エンジン1の出力を不必要に制限しないようにでき、車両の運行に支障を来たさないようにできる。
一方、ステップS16の判別結果が偽(No)で、走行可能範囲内に尿素ステーションが無い場合には、ステップS20に進む。
ステップS20では、ステップS16の判別結果を受けて運転警告灯22を点灯させて警告を行い、ステップS22に進む。
ステップS22では、現在のエンジン1の運転状態のままでは尿素ステーションまで到達できないことから、NOxの排出を抑えつつ最寄りの尿素ステーションに到達できるよう、或いは極力走行距離を延長できるようエンジン1と尿素水使用量との協調制御を実施する(制御手段)。
例えば現在のエンジン1の運転状態のままでは到達できないものの走行可能範囲の外に尿素ステーションが存在していることが判っている場合には、現在のエンジン1の運転状態に基づいて当該走行可能範囲の外の尿素ステーションまでの走行距離に対する必要尿素量を推定し、当該推定された必要尿素量と現在の尿素水の残量との比に基づいて当該尿素ステーションまでの距離をNOxの浄化を維持しつつ走行可能なエンジン1の運転状態を求め、当該運転状態となるようにエンジン1を制御する。つまり、尿素水使用量を抑制するためのエンジン1の制御を実施する。
具体的には、APS24からのアクセル開度情報に対して制限を加えて燃料噴射弁5からの燃料噴射量を減少させてエンジン出力を尿素水の残量に応じて制限し、さらに、燃料噴射弁5の燃料噴射時期を例えば遅角させて燃焼を緩慢にするとともにEGR弁8の開度を大きくしてEGR量を増量することでNOxの排出を極力抑えつつエンジン出力をも制限する。
これにより、エンジン1の運転状態での走行可能範囲内に尿素ステーションが無い場合であっても、走行可能範囲の外の最寄りの尿素ステーションにまでNOxの排出を抑えつつ車両の運行に支障を来たすことなく到達可能である。
また、尿素ステーションが周辺に全く存在しておらず遠方にしかないような場合には、所定量の尿素水でNOxの排出を抑えつつ極力遠方まで走行可能なエンジン1の運転状態を求め、当該運転状態となるように上記同様にエンジン1を制御する。
これにより、尿素ステーションが周辺に見当たらない僻地であっても、NOxの排出を抑えつつ走行距離を極力延長することが可能である。
なお、上記ステップS20において運転警告灯22を点灯させているので、車両の運転者は協調制御実施中であることを知ることができ、運転者が協調制御に伴うエンジン出力低下等の違和感を覚えることはない。
一方、上記ステップS10の判別結果が真(Yes)となり、尿素タンク13内の尿素水が欠乏状態と判定された場合には、もはや尿素SCR触媒10を機能させることができない。従って、この場合には、ステップS10の判別結果を受けてステップS24において、運転警告灯22を上記ステップS20とは例えば色や点灯方法を変えて点灯させて最寄りの尿素ステーションに急行させるべく警告を行い、ステップS26に進む。
ステップS26では、尿素SCR触媒10を用いることなくNOxの排出を極力抑えながら車両の最低限の運行が可能なようにエンジン1の制御を実施する(制御手段)
具体的には、APS24からのアクセル開度情報に対して大きく制限を加えて燃料噴射弁5からの燃料噴射量を極力減少させ、さらに、燃料噴射弁5の燃料噴射時期を例えば大きく遅角させて燃焼を極力緩慢にするとともにEGR弁8の開度を大きくしてEGR量を極力増量することでNOxの排出を大幅に抑えつつエンジン出力を大きく制限する。
これにより、尿素水が欠乏した場合であっても、NOxの排出を極力抑えながら車両の最低限の運行が可能である。
以上で本発明に係る車両用内燃機関の排気浄化システムの一実施形態の説明を終えるが、本発明の実施形態は上記に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、ステップS22におけるエンジン1と尿素水使用量との協調制御においてエンジン1の出力、燃料噴射時期及びEGR量を調節するようにしたが、吸排気系にターボチャージャを備える場合には、併せて排気タービンの作動を制御するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、設定尿素ステーションと一般の尿素ステーションとを区別して説明したが、必ずしも区別する必要はない。
また、上記実施形態では、運転警告灯22を点灯させるようにして協調制御実施中であることを運転者に視覚的に知らせるようにしたが、音声で警告を行ってもよい。
また、上記実施形態では、排気後処理装置として尿素SCR触媒10のみ備えた場合を説明したが、これに限られず、本発明は尿素SCR触媒10の前後に酸化触媒等の他の触媒やディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)を配設したシステムにおいても良好に適用可能であることは勿論である。
本発明に係る車両用内燃機関の排気浄化システムを示す概略構成図である。 本発明に係る排気浄化システムの制御ルーチンを示すフローチャートである。
符号の説明
1 エンジン(ディーゼルエンジン)
5 燃料噴射弁
6 排気通路
7 EGR通路
8 EGR弁
10 尿素選択還元型NOx触媒(尿素SCR触媒)
12 尿素噴射弁(尿素供給手段)
13 尿素タンク
14 液位センサ(尿素残量検出手段)
20 ECU(電子コントロールユニット)
22 運転警告灯(警告手段)
24 アクセルポジションセンサ(APS)
26 尿素警告灯(尿素残量報知手段)
30 GPS本体(尿素ステーション検出手段、尿素ステーション位置報知手段)
32 GPSセンサ

Claims (4)

  1. 車両に搭載された内燃機関の排気通路に設けられ、尿素存在のもとNOxを選択的に還元し浄化する尿素選択還元型NOx触媒と、
    該尿素選択還元型NOx触媒の排気上流側に位置して設けられ、該尿素選択還元型NOx触媒に尿素を供給する尿素供給手段と、
    尿素を貯留しておく尿素タンクと、
    該尿素タンク内の尿素の残量を検出する尿素残量検出手段と、
    前記尿素タンク内の尿素が欠乏状態であるか否かを判定する尿素欠乏状態判定手段と、
    尿素を補充可能な尿素ステーションの位置を検出し車両から該尿素ステーションまでの距離を検出する尿素ステーション検出手段と、
    前記尿素残量検出手段により検出される尿素の残量が所定量にまで低下したとき、該所定量の尿素の残量で前記尿素ステーション検出手段により検出される前記尿素ステーションまでの距離を内燃機関の現在の運転状態のまま車両が走行可能か否かを判定する走行可否判定手段と、
    前記尿素欠乏状態判定手段により尿素が欠乏状態にあると判定されたときには内燃機関から排出されるNOxの量を抑制しつつ内燃機関の出力を制限し、前記尿素欠乏状態判定手段により尿素が欠乏状態にないと判定されるとともに前記走行可否判定手段により車両が前記尿素ステーションまでの距離を内燃機関の現在の運転状態のまま走行可能と判定されたときには該現在の運転状態を維持する一方、尿素が欠乏状態にないと判定されるとともに走行不能と判定されたときには前記尿素選択還元型NOx触媒のNOx浄化機能を維持しつつ車両の走行距離を延長するよう内燃機関と尿素の使用量との協調制御を実施する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする車両用内燃機関の排気浄化システム。
  2. さらに、前記尿素残量検出手段により検出された尿素の残量が所定量にまで低下したことを報知する尿素残量報知手段と、前記尿素ステーション検出手段により検出された前記尿素ステーションの位置を報知する尿素ステーション位置報知手段とを含むことを特徴とする、請求項1記載の車両用内燃機関の排気浄化システム。
  3. 前記制御手段は、前記走行可否判定手段により車両が前記尿素ステーションまでの距離を内燃機関の現在の運転状態のままでは走行不能と判定されたとき、該尿素ステーションまでの距離に対する必要尿素量を内燃機関の現在の運転状態に基づき推定し、該推定された必要尿素量と現在の尿素の残量との比に基づいて内燃機関から排出されるNOxの量を抑制する方向に内燃機関の運転状態を制限するとともに尿素の使用量をも制限する協調制御を実施することを特徴とする、請求項1または2記載の車両用内燃機関の排気浄化システム。
  4. さらに、前記走行可否判定手段により車両が前記尿素ステーションまでの距離を走行不能と判定されて前記協調制御が実施されるとき、該協調制御を実施中であることを警告する警告手段を含むことを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか記載の車両用内燃機関の排気浄化システム。
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