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JP4935414B2 - 冷却装置 - Google Patents

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Description

本発明は、収容庫の内部温度に基づいて電子膨張弁の開度を調節し、収容庫に配設した蒸発器に対する冷媒の供給制御を行うことにより該収容庫を所望の温度状態にする冷却装置に関するものである。
例えば、商品を冷却した状態で陳列販売するショーケースでは、収容庫の内部に蒸発器が設けられ、また収容庫の外部に圧縮機、凝縮器および電子膨張弁が設けられており、これら蒸発器、圧縮機、凝縮器および電子膨張弁に冷媒を循環供給することによって収容庫の所望の温度状態に維持する通常運転を行っている。具体的には、収容庫の内部温度が設定温度よりも低くなった場合に電子膨張弁の開度を縮小させる一方、収容庫の内部温度が設定温度よりも高くなった場合に電子膨張弁の開度を増大させて収容庫の内部が所望の温度状態となるようにしている(例えば、特許文献1参照)。かかる冷却装置では、電子膨張弁を用いているために蒸発器へ供給する冷媒流量を細かく制御することが可能で、そのために蒸発温度を高くすることができ、これにより圧縮機の運転負荷を軽減させることができ、省エネルギー化を図ることができるという利点を有している。
特開2005−180815号公報
ところで、上述したような冷却装置では、上記通常運転時に蒸発器の伝熱面に霜が付着してしまういわゆる着霜現象が生ずるため、1日に例えば4回程度付着した霜を除去する除霜処理を行っている。この除霜処理では、冷媒の循環を停止させて蒸発器の伝熱面の温度を上昇させることにより付着した霜の除去を行うのが一般的である。そして、除霜処理終了後から次の除霜処理が開始されるまでの間に上述した通常運転、すなわち収容庫の内部温度に基づいて電子膨張弁の開度を調節し、蒸発器に対する冷媒の供給制御を行っている。
ところが、例えば収容庫の外部が高温多湿の環境下にある等の場合には、次の除霜処理が開始されるまでの通常運転時に蒸発器の伝熱面全域に着霜現象が発生してしまい、収容庫の内部を良好に冷却することができず、次の除霜処理の開始直前には収容庫の内部温度が非常に高くなってしまう虞れがある。
このような着霜現象の発生を抑制するために、1日に行う除霜処理の回数を増加させることも考えられるが、それでは収容庫内の温度が頻繁に上昇してしまう点や、圧縮機の運転負荷が過大となってしまい、結果的に省エネルギー化を図ることができない点等により好ましいとはいえない。
本発明は、上記実情に鑑みて、通常運転時における蒸発器への着霜量を低減させて、収容庫の内部を良好に冷却することができる冷却装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に係る冷却装置は、通常運転時に収容庫の内部温度に基づいて電子膨張弁の開度を調節し、前記収容庫に配設した蒸発器に対する冷媒の供給制御を行うことにより該収容庫を所望の温度状態にする冷却装置において、前記通常運転時に予め設定された条件を満足する場合に、前記電子膨張弁の開度を予め決められた基準値以下に縮小させて前記蒸発器の過熱度を大きくする着霜低減制御を行う制御手段と、前記蒸発器を構成する冷媒管路の中間部における管表面温度を検出する中間部温度検出手段とを備え、前記制御手段は、前記中間部温度検出手段により検出される温度が0℃以上となる態様で前記着霜低減制御を行うことを特徴とする。
また、本発明の請求項2に係る冷却装置は、上述した請求項1において、前記収容庫の外部雰囲気の温湿度を検出する温湿度検出手段を備え、前記制御手段は、前記温湿度検出手段により検出された温湿度が予め設定された閾値を超える場合に前記着霜低減制御を行うことを特徴とする。
また、本発明の請求項に係る冷却装置は、上述した請求項1又は請求項2において、設定された吸入圧力に従って、前記蒸発器から吐出された冷媒の圧縮を行う圧縮手段を備え、前記制御手段は、前記着霜低減制御を行う場合に、前記圧縮手段における吸入圧力を低下させる吸入圧力制御を行うことを特徴とする。
本発明の冷却装置によれば、通常運転時に予め設定された条件を満足する場合に、前記電子膨張弁の開度を予め決められた基準値以下に縮小させて前記蒸発器の過熱度を大きくする着霜低減制御を行うので、冷媒の蒸発完了点を上流側に移行させ、これにより着霜する虞れのある領域を縮小させることになり通常運転時における蒸発器への着霜量を低減させて、収容庫の内部を良好に冷却することができるという効果を奏する。
以下に添付図面を適宜参照しながら、本発明に係る冷却装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態である冷却装置の構成を概念的に示したものである。ここで例示する冷却装置は、収容庫10の内部に収納した商品を冷却した状態で陳列販売するオープンショーケース11に適用するもので、複数のオープンショーケース11にそれぞれ蒸発器12および電子膨張弁13を個別に備える一方、オープンショーケース11の外部に凝縮器14および圧縮機(圧縮手段)15をそれぞれ1つずつ備えている。尚、図1には、説明の便宜上、1つのオープンショーケース11を示している。
電子膨張弁13は、凝縮器14から吐出された液冷媒を断熱膨張して蒸発器12に供給するものである。本実施の形態では、開度指令が与えられた場合に開度指令に応じて開度を変更し、通過する冷媒の流量を調節することのできる電子膨張弁13を適用している。圧縮機15は、蒸発器12から吐出された低温低圧のガス冷媒を圧縮して高温高圧のガス冷媒として凝縮器14に与えるものである。
この冷却装置では、凝縮器14および圧縮機15に対してそれぞれのオープンショーケース11に設けた蒸発器12および電子膨張弁13を並列となる態様で冷媒供給管路16で接続することにより冷凍サイクルが構成してある。すなわち、この冷却装置では、圧縮機15から吐出された高温高圧のガス冷媒が凝縮器14において冷却されて高温高圧の液冷媒となる。この高温高圧の液冷媒は、電子膨張弁13により断熱膨張されて低温低圧の気液2相冷媒となり、収容庫10の蒸発器12に供給される。蒸発器12に供給された低温低圧の気液2相冷媒は、図示しない送風ファンによって供給された収容庫10の内部空気と熱交換し、吸熱して低温低圧のガス冷媒となることにより収容庫10の冷却を行う。蒸発器12から吐出された低温低圧のガス冷媒は、圧縮機15に吸入され、再び高温高圧のガス冷媒となって凝縮器14に供給される。
オープンショーケース11において蒸発器12に接続した冷媒供給管路16の入口部および出口部には、それぞれ冷媒温度センサ20,21が設けてある。入口部冷媒温度センサ20および出口部冷媒温度センサ21は、それぞれの冷媒供給管路16を通過する冷媒の温度を検出するものである。
また蒸発器12を構成する冷媒管路12aの中間部には、中間部温度センサ(中間部温度検出手段)22が設けてある。中間部温度センサ22は、冷媒管路12aの中間部における管表面温度を検出するものである。
収容庫10の内部には、内部温度センサ23が設けてある。内部温度センサ23は、収容庫10の内部温度を検出するものである。本実施の形態では、内部温度センサ23として、収容庫10の内部において蒸発器12を通過した後の空気、すなわち吹出空気の温度を収容庫10の内部温度として検出するものを適用している。ここで、内部温度は、吹出空気の温度ではなく、収容庫10の内部に設けられる庫内温度センサ(図示せず)により検出される温度としても構わない。
収容庫10の外部には、温湿度センサ(温湿度検出手段)24が設けてある。温湿度センサ24は、収容庫10の外部雰囲気の温湿度を検出するものである。
上記冷却装置は、その制御系としてコントローラ30を備えている。コントローラ30は、設定記憶部31、状態判断部32、弁開度制御部33および吸入圧力設定部34を備えている。
設定記憶部31は、収容庫10の目標温度、後述する着霜低減制御を実施するか否かを決定するための基準温湿度(閾値)、並びに蒸発器12の冷媒管路12aの中間部における管表面温度の基準温度を予め設定し、かつこれらを記憶するものである。本実施の形態では、収容庫10の目標温度としてその上限値および下限値がそれぞれ設定してある。また、管表面温度の基準温度は、例えば0℃としてある。
状態判断部32は、温湿度センサ24により検出された温湿度(検出温湿度)が設定記憶部31に記憶してある基準温湿度を超える場合に、収容庫10の外部雰囲気が高温多湿状態にあるものと判断するものである。
弁開度制御部33は、電子膨張弁13の開度を制御するものであり、より詳細には、内部温度センサ23の検出結果と、収容庫10の目標温度との比較結果に基づいて電子膨張弁13の開度を制御する一方、状態判断部32により収容庫10の外部雰囲気が高温多湿状態であると判断された場合には、電子膨張弁13の開度を予め決められた基準値以下に縮小させる制御を行うものである。吸入圧力設定部34は、圧縮機15の吸入圧力を設定するものである。
図2は、図1に示したコントローラが実施する膨張弁開度制御処理の内容を示すフローチャートである。以下、この図2を参照しながら、冷却装置の動作について説明する。
まず、図2に示す膨張弁開度制御処理においてコントローラ30は、内部温度センサ23を通じてそれぞれのオープンショーケース11における収容庫10の内部温度を検出し(ステップS101)、検出した内部温度が設定記憶部31に記憶された目標温度の上限値を超えているか否かを判断する(ステップS102)。
いずれかのオープンショーケース11において収容庫10の内部温度が目標温度上限値を超えている場合(ステップS102:Yes)、コントローラ30は、該当するオープンショーケース11の電子膨張弁13を開動作して蒸発器12に対する冷媒の供給を増大させ(ステップS103)、その後に手順をリターンさせる。この結果、該当するオープンショーケース11の収容庫10が冷却され、その内部温度が目標温度上限値以下となるように推移することになる。
ステップS102においていずれのオープンショーケース11においても収容庫10の内部温度が目標温度上限値以下であった場合(ステップS102:No)、コントローラ30は、次いでいずれかのオープンショーケース11において収容庫10の内部温度が設定記憶部31に記憶された目標下限値を下回っているか否かを判断する(ステップS104)。
いずれかのオープンショーケース11において収容庫10の内部温度が目標温度下限値を下回っている場合(ステップS104:Yes)、コントローラ30は、該当するオープンショーケース11の電子膨張弁13を閉動作して蒸発器12に対する冷媒の供給を減少させ(ステップS105)、その後に手順をリターンさせる。この結果、該当するオープンショーケース11において収容庫10の内部雰囲気と蒸発器12との間の熱交換が抑制され、その内部温度が目標下限値以上となるように推移することになる。
ステップS104においていずれのオープンショーケース11においても収容庫10の内部温度が目標温度下限値以上であった場合(ステップS104:No)、つまり収容庫10の内部温度が目標温度上限値以下、かつ目標温度下限値以上(以下、「目標温度範囲」という)である場合、コントローラ30は、電子膨張弁13の状態を維持して今回の処理を終了し、手順をリターンさせる。
以下、所定のサイクルタイムで膨張弁開度制御処理を繰り返し実施して通常運転を行うことにより、全てのオープンショーケース11において収容庫10の内部温度が目標温度範囲に維持されることになる。
但し、この膨張弁開度制御処理では、例えば収容庫10の外部が高温多湿の環境下にある等の場合には、次の除霜処理が開始されるまでの間に蒸発器12の伝熱面全域に着霜現象が発生してしまう虞れがある。
そこで、本実施の形態では、次のような着霜低減制御処理を所定のタイミングで実施するようにしている。図3は、図1に示したコントローラが実施する着霜低減制御処理の内容を示すフローチャートである。以下、この図3を参照しながら冷却装置の動作についてさらに説明する。
図3に示す着霜低減制御処理においてコントローラ30は、まず温湿度センサ24を通じて収容庫10の外部雰囲気の温湿度(外部温湿度)を検出し(ステップS201)、状態判断部32を通じて検出した温湿度(検出温湿度)が設定記憶部31に記憶された基準温湿度を超えているか否かを判断する(ステップS202)。
検出温湿度が基準温湿度を超えていない場合(ステップS202:No)、コントローラ30は、後述する処理を実施することなく今回の処理を収容して手順をリターンさせる。
一方、検出温湿度が基準温湿度を超えている場合(ステップS202:Yes)、コントローラ30は、弁開度制御部33を通じて電子膨張弁13を閉動作させて開度を縮小させる(ステップS203)。これにより、出口部冷媒温度センサ21で検出される冷媒温度と、入口部冷媒温度センサ20で検出される冷媒温度との差として定義される蒸発器12の過熱度は大きくなる。その後、コントローラ30は、中間部温度センサ22を通じて蒸発器12の冷媒管路12aの中間部における管表面温度を検出し(ステップS204)、検出した管表面温度(検出温度)が0℃以上となるか否かを判断する(ステップS205)。検出した管表面温度が0℃以上とならない場合、すなわち検出した管表面温度が0℃未満の場合(ステップS205:No)、コントローラ30は、上記ステップS203の処理を実施、すなわち電子膨張弁13をさらに閉動作させて開度を縮小させる。つまり、コントローラ30は、ステップS205で管表面温度が0℃以上となるまでステップS203〜ステップS205の処理を繰り返し実施する。
検出した管表面温度が0℃以上となる場合(ステップS205:Yes)、コントローラ30は、その時点における電子膨張弁13の開度を維持して(ステップS206)、今回の処理を終了して手順をリターンさせる。この結果、蒸発器12の冷媒管路12aにおける冷媒の蒸発完了点は、中間部温度センサ22の設置位置よりも上流側となり、該中間部温度センサ22の設置位置より下流側の冷媒管路12aは、表面温度が0℃以上となって霜が付着する虞れがない。つまり、着霜する虞れのある領域を縮小させることができる。
また、上記冷却装置では、上述した着霜低減制御処理を実施する際に、これと並行して以下の処理を実施することが好ましい。すなわち、コントローラ30が上記ステップS203〜ステップS205の処理を実施する際に、該コントローラ30は、吸入圧力設定部34を通じて圧縮機15の吸入圧力を低下させる吸入圧力制御を実施する。これにより、蒸発器12における冷媒の蒸発温度を低下させることができる。
以上説明したように本発明の実施の形態における冷却装置によれば、電子膨張弁13の開度を縮小させて蒸発器12の過熱度を大きくし、着霜する虞れのある領域を縮小させるので、通常運転時における蒸発器12への着霜量を低減させて、収容庫10の内部を良好に冷却することができる。特に、除霜処理を必要回数以上実施することがないので、省エネルギー化を図ることもできる。
また、上記冷却装置によれば、必要に応じて吸入圧力制御を実施することにより蒸発器12における冷媒の蒸発温度を低下させるので、上述したように冷媒の蒸発完了点を中間部温度センサ22の設置位置よりも上流側にしても収容庫10の内部の冷却能力に優れたものとなる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。例えば、上述した実施の形態では、温湿度センサ24により検出される温湿度が基準温湿度を超える場合に収容庫10の外部雰囲気が高温多湿状態にあるものとして着霜低減させるための制御を実施したが、本発明では、収容庫の外部雰囲気の状態を基準にするのではなく、通常運転中に予め決められた条件を満足する場合に着霜低減制御を実施しても構わない。
また、上述した実施の形態では、中間部温度センサ22の検出する管表面温度が0℃以上となる態様で電子膨張弁13の開度を縮小させたが、本発明では、予め実験的に求めた基準値以下となる態様で電子膨張弁の開度を縮小させても構わない。
以上のように、本発明に係る冷却装置は、オープンショーケースの収容庫の冷却に有用である。
本発明の実施の形態である冷却装置の構成を概念的に示した概念図である。 図1に示したコントローラが実施する膨張弁開度制御処理の内容を示すフローチャートである。 図1に示したコントローラが実施する着霜低減制御処理の内容を示すフローチャートである。
符号の説明
10 収容庫
11 オープンショーケース
12 蒸発器
13 電子膨張弁
14 凝縮器
15 圧縮機
16 冷媒供給管路
20 入口部冷媒温度センサ
21 出口部冷媒温度センサ
22 中間部温度センサ
23 内部温度センサ
24 温湿度センサ
30 コントローラ
31 設定記憶部
32 状態判断部
33 弁開度制御部
34 吸入圧力設定部

Claims (3)

  1. 通常運転時に収容庫の内部温度に基づいて電子膨張弁の開度を調節し、前記収容庫に配設した蒸発器に対する冷媒の供給制御を行うことにより該収容庫を所望の温度状態にする冷却装置において、
    前記通常運転時に予め設定された条件を満足する場合に、前記電子膨張弁の開度を予め決められた基準値以下に縮小させて前記蒸発器の過熱度を大きくする着霜低減制御を行う制御手段と、
    前記蒸発器を構成する冷媒管路の中間部における管表面温度を検出する中間部温度検出手段と
    を備え、前記制御手段は、前記中間部温度検出手段により検出される温度が0℃以上となる態様で前記着霜低減制御を行うことを特徴とする冷却装置。
  2. 前記収容庫の外部雰囲気の温湿度を検出する温湿度検出手段を備え、
    前記制御手段は、前記温湿度検出手段により検出された温湿度が予め設定された閾値を超える場合に前記着霜低減制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
  3. 設定された吸入圧力に従って、前記蒸発器から吐出された冷媒の圧縮を行う圧縮手段を備え、
    前記制御手段は、前記着霜低減制御を行う場合に、前記圧縮手段における吸入圧力を低下させる吸入圧力制御を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の冷却装置。
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