JP4935207B2 - 金属板の冷間圧延方法 - Google Patents
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このような潤滑機能と冷却機能を発揮させるために、鋼板などの金属板の冷間圧延では、鉱物油、天然油脂、合成エステルなどの不水溶性油剤(圧延油)を界面活性剤で水に分散・希釈化したエマルションがクーラントとして用いられている。このエマルションは、圧延油が1〜5mass%程度の濃度で且つ平均粒径5〜15μm程度の油滴として含まれるO/W型(水中油滴型)のものであり、潤滑性能と冷却性能とを兼ね備えたクーラントとして使用することができる。
エマルション圧延油は、金属板や圧延ロールにスプレー供給されると、金属板表面やロールバイト入口において水が排除されながら油膜が形成され(このような現象をプレートアウトと呼ぶ。)、このようにして形成された油膜がロールバイトにおける潤滑性を向上させる。すなわち、ロールバイトに導入される油膜が厚いほど潤滑性は向上し、硬質の金属板であっても高圧下の圧延が可能となる。
このようなエマルション圧延油を用いる場合の潤滑性能を向上させる技術として、例えば、特許文献1には、圧延油を所定温度以上にして供給することで、プレートアウト性能を向上させる方法が示されている。
これに対して、潤滑と冷却との機能分離を行うハイブリッド潤滑システムにおいては、主として冷却機能を確保するための循環系クーラントと潤滑のためのクーラントとを別系統にすることができるので、特許文献2に示されるように、循環系のクーラントの温度を潤滑用に用いるハイブリッド液の温度よりも低くすることで、冷却効果を増大させることが可能となる。
しかし、クーラントを循環使用する方式については、いずれもエマルション圧延油を使用していることから、以下に述べるような種々の問題が生じている。
フィルターロスは、冷間圧延によって発生する摩耗粉などの固形物粉がエマルションに取り込まれ、これをフィルターによって分離除去した場合に、エマルション中の油滴もフィルターに捕捉されてしまうために生じる。スカムアウトは、摩耗粉などの固形物粉がエマルションの油滴中に抱き込まれ、圧延油の劣化物との混合物であるスカムが発生することにより生じる油分のロスである。また、ヒュームロスは、特に流動点の高い天然油脂を使用する場合には、クーラント全体の温度を50〜60℃程度まで加熱して循環使用しており、これによって生じるフュームに油分が含まれているために生じるロスである。
これらは、エマルション圧延油を使用する場合には、本質的な解決が困難な課題であり、基油の種類や粘度の選定、界面活性剤の種類や添加量の最適化などの対策がとられているものの、根本的な解決には至っていない。
これに対して冷却効果を向上させるためには、特許文献2に示されるようにエマルション圧延油の温度を低下させるのが有効であるが、圧延油の劣化成分が摩耗粉などの固形物粉と混合体を形成してスカムを生成すると配管中での詰まりを生じたりするため、エマルション圧延油は一定以上の温度に維持する必要があり、エマルション圧延油の温度を低下させて冷却性能を向上させるのにも一定の限界がある。
以上のようにエマルション圧延油を使用した循環給油方式には、従来技術では解決できない種々の問題点がある。
このようなソリューションタイプのクーラントは、潤滑成分自身が水への溶解性を示すため、エマルション圧延油のような大きな油滴を形成しない。したがって、冷間圧延において発生する摩耗粉などの固形物粉とはすぐに分離し、クーラント中から固形物粉を除去することが極めて容易となって、フィルター設備の簡易化も可能である。また、固形物粉を油分中に抱き込むこともないため、スカムの生成によるロスが極めて少なく、さらに、常温で使用することが可能であるためヒュームロスも少ない。また、洗浄性にも優れているため、圧延後に金属板上に残留する潤滑成分が極めて少なく、鋼板による持ち出しロスも低減できる。
なお、特許文献3は、調質圧延であっても圧下率20%程度の高圧下を行うためのソリューションタイプの調質圧延液が開示されているが、この調質圧延液は焼鈍後の軟質化された鋼板の1パス圧延には適用できても、タンデム圧延やレバース圧延のような多パス圧延において加工硬化が生じるような厳しい圧延条件においては十分な潤滑性を得ることができない。
本発明はこのような知見に基づきなされたもので、以下を要旨とするものである。
[1]水溶性潤滑剤を主体とする潤滑剤を水で希釈し且つ前記水溶性潤滑剤を溶解することにより曇点を有する溶液をクーラントとして用いる金属板の冷間圧延方法であって、
第1のクーラント供給系統Aではクーラントaを循環式に供給するとともに、
第2のクーラント供給系統Bでは、前記第1のクーラント供給系統Aで供給されるクーラントaと同一種類の潤滑剤をクーラントaよりも高濃度に含有するクーラントbを、少なくとも一部の圧延スタンド又は圧延パスの入側において、曇点以上の温度で金属板に供給することを特徴とする金属板の冷間圧延方法。
[3]上記[1]又は[2]の冷間圧延方法において、第1のクーラント供給系統Aが供給するクーラントaの曇点が30〜80℃であることを特徴とする金属板の冷間圧延方法。
[4]上記[1]〜[3]のいずれかの冷間圧延方法において、第2のクーラント供給系統Bでは、クーラントbを下記(1)式を満足する位置で金属板に供給することを特徴とする金属板の冷間圧延方法。
L≧Vin×0.06 …(1)
但し L:通板方向でのロールバイトからクーラント供給位置までの距離(m)
Vin:圧延スタンド又は圧延パスの入側での金属板の通板速度(m/sec)
[6]上記[1]〜[5]のいずれかの冷間圧延方法において、第1のクーラント供給系統Aが供給するクーラントaが、水溶性潤滑剤を1〜10質量%含有する水溶液であり、第2のクーラント供給系統Bが供給するクーラントbが、水溶性潤滑剤をクーラントaよりも高濃度で且つ20質量%以下の範囲で含有する水溶液であることを特徴とする金属板の冷間圧延方法。
これらのうち、第1のクーラント供給系統Aから供給されるクーラントa(以下、単に「第1のクーラントa」という)は主として冷却機能を担うものであり、このため少なくとも圧延ロール表面に供給することが好ましい。但し、圧延ロール表面への供給に代えて或いは圧延ロール表面への供給とともに、ロールバイト入側のワークロールと金属板に供給し、潤滑と冷却の両方の機能を担うようにしてもよい。これに対して第2のクーラント供給系統Bから供給されるクーラントb(以下、単に「第2のクーラントb」という)は、主として潤滑効果を高めるために金属板表面に供給され、第1のクーラントaのみでは潤滑が不十分な場合に大きな効果を発揮する。
なお、特許文献2に示されるようなエマルション圧延油を前提とする場合には、基油の流動点によっては第1のクーラント供給系統のクーラント温度を実質的には低温化できない場合が多く、乳化が不安定になりやすく、スカムの生成も抑制できない。これに対して、第1のクーラント供給系統におけるクーラントとしてソリューションタイプのクーラントを適用することで、そのような問題を解決することができる。
クーラントは、その曇点未満の温度域においては潤滑剤成分が水に溶解しているため、循環使用中に摩耗粉などの固形物粉とはすぐに分離でき、クーラント中から摩耗粉を除去することが極めて容易となって、フィルターロスの低減を図ることができる。また、摩耗粉を油分中に抱き込むこともないため、スカムの生成によるロスが極めて少なくなる。したがって、スカムを流動させるために昇温する必要もなく常温で使用することによってフュームロスを低減させることができる。さらに、洗浄性に優れることから、金属板上に残留する潤滑剤成分が極めて少なく、金属板による持ち出しロスも低減できる。さらに、エマルション圧延油のような乳化安定性の管理を要することがない点でクーラントの管理が簡素化される。
一方、クーラントは曇点以上の温度域においては、潤滑剤成分の水への溶解度が低下することで白濁した外観を有するようになるが、このような温度のクーラントが金属板に供給されると、クーラント中の潤滑剤成分と水とが分離しやすい状態となって、クーラントの潤滑剤成分の金属板表面への付着性が高まり、エマルション圧延油のプレートアウトと同様の挙動により、ロールバイトでの潤滑性を確保することができる。
但し、第1のクーラントaも最低限の基本的な潤滑性能を備える必要があり、曇点を有する水溶液のクーラント(特に好ましくは、潤滑剤成分として後述するようなポリアルキレングリコールを含有するクーラント)を用いることにより、そのような基本的な潤滑性能を備えることができる。
本発明では、第1のクーラントaを圧延ロール又は/及び金属板(ロールバイト入側の金属板)に供給するが、さきに述べたように、少なくとも圧延ロール表面に供給することが好ましい。
この第1のクーラントaは、曇点未満の温度で圧延ロール又は/及び金属板に供給するのが好ましい。第1のクーラントaを曇点以上の温度で供給した場合、潤滑剤成分の金属板表面への付着性が向上して潤滑性が向上するが、圧延ロール表面への付着性も高まるため冷却効果が低下する恐れがある。また、ソリューションタイプのクーラントaは、循環時における固形物粉の除去などのフィルタリング効率が、エマルション圧延油の場合に比べれば非常に良好ではあるものの、曇点以上の温度では潤滑剤成分が水と分離するため、フィルタリング効率が低下する場合がある。
また、第2のクーラントbは、主として潤滑性を向上させる機能を有するものであり、このため第1のクーラントaよりも潤滑剤を高濃度に含有する。
なお、第2のクーラントbは、第1のクーラントaと同一種類の潤滑剤を含有するので、その曇点は第1のクーラントaの曇点とほぼ同程度になる。したがって、事実上、好ましい曇点は30〜80℃となる。
第2のクーラントbは主として潤滑効果を担うものであるから、金属板に供給された場合の付着効率が高いほど望ましい。第2のクーラントbの温度が曇点よりも高ければ、水から潤滑剤成分が分離しやすくなって、金属板に供給された場合の付着性も向上する。したがって、第2のクーラントbは、必要に応じて加熱し、曇点以上の温度で金属板に供給されることが好ましい。
また、実際上の問題として、圧延速度が非常に高い場合に、第2のクーラントbの温度を高くして且つ供給量も多くする必要のある状況では、クーラントクーラーの能力等によっては循環系のクーラント温度も上昇する恐れがあり、このため、ロールバイト入側における金属板の温度が低い場合にのみ第2のクーラントbの温度を曇点以上とし、金属板の温度が高い場合には、第2のクーラントbの温度を曇点未満とすることで、循環系のクーラントaの温度上昇を抑制することも可能である。
L≧Vin×0.06 …(1)
但し L:通板方向でのロールバイトからクーラント供給位置までの距離(m)
Vin:圧延スタンド又は圧延パスの入側での金属板の通板速度(m/sec)
クーラントに含有される水溶性潤滑剤は、溶液(水溶液)が曇点を有することができるようなものであればその種類は問わないが、そのなかでも化学合成された潤滑剤(以下、合成潤滑剤という)が特に好ましい。この合成潤滑剤は、従来用いられている圧延油に較べて耐腐敗性に優れ、摩耗粉などの固形物粉と油剤劣化物の混合物であるスカムを形成しにくい点で有利となる。
ポリアルキレングリコールは、ポリグリコール、ポリエーテル、ポリアルキレンオキサイドとも呼ばれ、エチレンオキシド(EO)やプロピレンオキシド(PO)などのアルキレンオキシド(AO)を、活性水素を持つ物質に開環重合させて得られる重合物である。これは、主としてブレーキ液や難燃性作動油に使用されている合成潤滑剤であって、重合度やアルキル基などを変化させることによって、各種の粘度グレードを有する水溶性のものから非水溶性のものまで幅広い特徴を有する重合物を得ることができる物質である。
L31」、「アデカプルロニック L62」などが挙げられる。また、オキシエチレン単位からなるブロック部分の両端に、オキシプロピレン単位からなるブロック部分が結合された構造を有するブロック共重合体で、リバースブロック型共重合体を用いることもできる。市販品としては、例えば、旭電化株式会社製の商品名「アデカプルロニック
25R2」、BASF Japan社製の商品名「プルロニック 25R2」などを挙げることができる。
また、第2のクーラントbの水溶性潤滑剤の含有濃度は高いほど好ましいが、第1のクーラントaよりも高濃度で、且つ20mass%以下が望ましい。含有濃度が20mass%を超えると、第1のクーラントaの循環系統に混入した場合に、第1のクーラント濃度が徐々に上昇し、潤滑剤の原単位が悪化する。
また、以上のように潤滑剤の一部又は全部としてポリアルキレングリコールを用いる場合についても、クーラントに配合される潤滑剤の濃度、クーラントの曇点などは、さきに述べたとおりである。したがって、本発明で使用するクーラントの最も好ましい形態は、水溶性潤滑剤の全量をポリアルキレングリコール、好ましくは分子量500〜5000のポリアルキレングリコールとし、且つその含有濃度を、クーラントaの場合には溶液中での割合で1〜10mass%程度とし、クーラントbの場合には、第1のクーラントaよりも高濃度で且つ20mass%以下とすることである。
前記極圧添加剤としては、例えば、塩素化油脂、塩素化脂肪酸エステルなどの塩素化化合物、硫化油脂、アルキルポリサルファイドなどの合成硫黄化合物、リン化合物、有機金属塩化合物などの1種以上を使用することができる。また、水溶性防錆剤としては、脂肪族モノカルポン酸などの脂肪酸類に、塩基性物質としてアルカノールアルミなどを加えたものを用いることもできる。
本発明法の圧延の対象となる金属板の代表例は薄鋼板であるが、これに限定されるものではなく、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金などのような種々の金属板、合金板が対象となる。また、鋼板の場合には、普通鋼、高炭素鋼、ステンレス鋼など鋼種は問わない。
また、金属板の厚さにも制限はなく、金属箔などのような薄い金属板も対象とすることができる。
各圧延スタンド4a〜4eの出側には、第1のクーラント供給系統Aから圧延ロールに対してクーラントaを供給するための冷却用スプレーノズル6a〜6eが設置され、また、各圧延スタンド4a〜4eの入側には、第1のクーラント供給系統Aからロールバイトにクーラントaを供給するスプレーノズル8a〜8eが設置されている。なお、これらのスプレーノズルは必ずしも全圧延スタンドに設置される必要はない。第1のクーラント供給系統Aは、クーラントaを循環して供給する循環系である。
また、スプレーノズル5a〜5eから金属板にクーラントbを供給する位置は、圧延機の最高速度から各圧延スタンド入側の通板速度を算出し、その速度を用いて、上記(1)式を満足する位置に設定される。例えば、最終圧延スタンド4e入側の最高速度が1500mpmである場合には、スプレーノズル5eは最終圧延スタンド4eのロールバイトから上流側に1.5m以上離れた位置に設置する。
クリーンタンク12内に貯留されたクーラントは、供給ポンプによって圧延ロールの冷却用スプレーノズル6a〜6eやロールバイトに向けたスプレーノズル8a〜8eに送られることで循環使用される。この循環系(第1のクーラント供給系統A)には、クーラント温度を曇点以下に維持するためのクーラントクーラー13が設置されている。
なお、第2のクーラント供給系統Bのクーラントタンク16では、全く新たにクーラントbを調製してもよいが、第1のクーラント供給系統Aからクーラントaの一部をクーラントタンク16に供給し、これに潤滑剤(ポリアルキレングリコールなど)を追添加して、クーラントbを調製してもよい。
ポリアルキレングリコールを含有するクーラントの金属板への付着性について調べた結果を、従来のエマルション圧延油をクーラントとして用いた場合と比較して示す。
ポリアルキレングリコールを含有する水溶液からなるクーラントXには、ポリアルキレングリコールとして旭電化株式会社製の商品名「アデカプルロニック
L31」を用いた。このポリアルキレングリコールは、平均分子量1100、濃度3質量%における曇点が40℃であり、25℃における動粘度は196mm2/sである。なお、この水溶液には、ポリアルキレングリコール以外の成分は含有させていない。
通常の冷間圧延に使用されるエマルション圧延油からなるクーラントYとしては、基油が合成エステル30mass%、天然油脂65mass%、添加剤5mass%から構成され、ノニオン系界面活性剤を1.5mass%含む原液を60℃の水に希釈して、攪拌機によってエマルション粒径が8〜10μmになるように調整したものである。
以上の結果からして、第1のクーラント供給系統Aから供給されるクーラントaは潤滑剤濃度や温度は低くし、第2のクーラント供給系統Bから潤滑剤濃度が高いクーラントを供給することで、鋼板への付着性能が向上し、冷間圧延時の潤滑性が向上することになる。さらに、第2のクーラント供給系統Bのクーラントbの温度を曇点以上にすることで、より良好な潤滑性を確保できることになる。
図1に示す5スタンドのタンデム式圧延機を用いて、板厚1.8mm、板幅900mmの硬質ブリキ原板を、仕上板厚0.183mmまで圧延した際の状況について示す。
本発明例では、[実施例1]で示したクーラントXを使用した。第1のクーラント供給系統Aから供給するクーラントaは、ポリアルキレングリコール濃度3質量%、曇点40℃、温度20℃とし、第2のクーラント供給系統Bから供給するクーラントbは、ポリアルキレングリコール濃度10質量%、曇点40℃、温度60℃とした。第2のクーラント供給系統Bからのクーラントbの供給は後段2スタンドのみとし、第4圧延スタンド入側では50L/min、最終圧延スタンド入側では100L/minの流量にて供給した。なお、第1のクーラント供給系統Aからのクーラントaの総流量は24000L/minとした。
一方、本発明例では、第2のクーラント供給系統Bからのクーラントbの供給により、鋼板への潤滑剤成分の付着量が増加するため、特に高速域での摩擦係数が上昇することなく安定な値を示している。
以上のように、ソリューションタイプの潤滑剤であっても、本発明のように第1及び第2のクーラント供給系統A,Bから機能が異なるクーラントa,bをそれぞれ供給することにより、優れた潤滑性と冷却性能の両立が可能となる。
2 ペイオフリール
3 テンションリール
4a,4b,4c,4d,4e 圧延スタンド
5a,5b,5c,5d,5e スプレーノズル
6a,6b,6c,6d,6e 冷却用スプレーノズル
7a,7b,7c,7d,7e クーラント加熱装置
8a,8b,8c,8d,8e スプレーノズル
9,11 フィルタリング設備
10 ダーティタンク
12 クリーンタンク
13 クーラントクーラー
A 第1のクーラント供給系統
B 第2のクーラント供給系統
Claims (6)
- 水溶性潤滑剤を主体とする潤滑剤を水で希釈し且つ前記水溶性潤滑剤を溶解することにより曇点を有する溶液をクーラントとして用いる金属板の冷間圧延方法であって、
第1のクーラント供給系統Aではクーラントaを循環式に供給するとともに、
第2のクーラント供給系統Bでは、前記第1のクーラント供給系統Aで供給されるクーラントaと同一種類の潤滑剤をクーラントaよりも高濃度に含有するクーラントbを、少なくとも一部の圧延スタンド又は圧延パスの入側において、曇点以上の温度で金属板に供給することを特徴とする金属板の冷間圧延方法。 - 第1のクーラント供給系統Aでは、クーラントaを曇点未満の温度で圧延ロール又は/及び金属板に供給することを特徴とする請求項1に記載の金属板の冷間圧延方法。
- 第1のクーラント供給系統Aが供給するクーラントaの曇点が30〜80℃であることを特徴とする請求項1又は2に記載の金属板の冷間圧延方法。
- 第2のクーラント供給系統Bでは、クーラントbを下記(1)式を満足する位置で金属板に供給することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の金属板の冷間圧延方法。
L≧Vin×0.06 …(1)
但し L:通板方向でのロールバイトからクーラント供給位置までの距離(m)
Vin:圧延スタンド又は圧延パスの入側での金属板の通板速度(m/sec) - 第1のクーラント供給系統Aが供給するクーラントa及び第2のクーラント供給系統Bが供給するクーラントbに含まれる水溶性潤滑剤の少なくとも一部が平均分子量500〜5000のポリアルキレングリコールであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の金属板の冷間圧延方法。
- 第1のクーラント供給系統Aが供給するクーラントaが、水溶性潤滑剤を1〜10質量%含有する水溶液であり、第2のクーラント供給系統Bが供給するクーラントbが、水溶性潤滑剤をクーラントaよりも高濃度で且つ20質量%以下の範囲で含有する水溶液であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の金属板の冷間圧延方法。
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