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JP4933709B2 - 不飽和カルボン酸合成用触媒の製造方法 - Google Patents

不飽和カルボン酸合成用触媒の製造方法 Download PDF

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JP4933709B2 JP2001293231A JP2001293231A JP4933709B2 JP 4933709 B2 JP4933709 B2 JP 4933709B2 JP 2001293231 A JP2001293231 A JP 2001293231A JP 2001293231 A JP2001293231 A JP 2001293231A JP 4933709 B2 JP4933709 B2 JP 4933709B2
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、不飽和アルデヒドを分子状酸素を用いて気相接触酸化し、それに対応する不飽和カルボン酸を合成する際に用いられる、少なくともモリブデン及びバナジウムを含む不飽和カルボン酸合成用触媒、その製造方法、およびその触媒を用いた不飽和カルボン酸の合成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、不飽和アルデヒドを気相接触酸化して、それに対応する不飽和カルボン酸を製造する際に用いられる触媒やその製造方法については、数多くの提案がなされている。このような触媒の多くは、少なくともモリブデンおよびバナジウムを含む組成を有しており、工業的には、このような組成の成形触媒が使用される。これらは、その成形方法により押出成形触媒や担持成形触媒等に分類される。通常、押出成形触媒は、触媒成分を含む粒子を混練りし押出成形する工程を経て製造され、担持成形触媒は、触媒成分を含む粉体を担体に担持させる工程を経て製造される。
押出成形触媒に関しては、例えば、混練りの際にアルコール等の有機化合物を添加する方法(特開平5−309273号公報、特開平6−15178号公報)や、触媒を押出成形した後、凍結する方法(特開平5−309274号公報)等が提案されている。こちらはいずれも一段成形による製造方法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これら公知の方法で得られる触媒は、触媒活性、目的生成物選択性などの点で工業用触媒としてまだ不十分である。更に、触媒製造における歩留まりという点においてもまだ不十分である。よって、一般に工業的見地から、不飽和カルボン酸合成用触媒およびその製造方法の更なる改良が望まれている。
【0004】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、触媒活性、不飽和カルボン酸選択性に優れた不飽和カルボン酸合成用触媒、及びその触媒の簡便で歩留まりに優れた製造方法、そして、この触媒を用いて高収率で不飽和カルボン酸を合成する方法を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
通常、工業触媒の製造では、生産性や歩留まりの観点から、少ない製造工程数が好まれる。しかし、本発明者らは鋭意検討の結果、逆に工程数を増やすことで、触媒性能や触媒製造の歩留まりが向上することを見出した。
本発明の不飽和カルボン酸合成用触媒の製造方法は、不飽和アルデヒドを分子状酸素を用いて気相接触酸化し、それに対応する不飽和カルボン酸を合成する際に用いられる、モリブデン及びバナジウムを含む押出成形触媒の製造方法において、触媒成分を含む粒子と液体とを混合したものを成形して1次成形品を得る1次成形工程と、1次成形工程の後に、更に、ピストン成形機で1次成形品を最終形状に成形する2次成形工程とを有することを特徴とする。
また、上記1次成形品が、2次成形工程において使用されるピストン成形機のシリンダー径の0.5倍以上1倍未満の径をもつ円柱状であることが望ましい。
上記一次成形品の比重が、1.5〜3.5kg/Lであることが望ましい。
また、上記触媒成分を含む粒子が、触媒成分を含むスラリーをスプレー乾燥したものであることが望ましい。
上記触媒成分を含む粒子の平均粒子圧壊強度が、9.8×10 5〜9.8×10-2Nであることが望ましい。
上記触媒成分を含む粒子の嵩比重が、0.5〜1.8kg/Lであることが望ましい。
また、2次成形のピストン成形機で1次成形品を最終形状に成形する際に、真空脱気を行わないことが望ましい。
また、1次成形の触媒成分を含む粒子と液体とを混合したものを成形する際に、スクリュー押出機を用いて成形することが望ましい。
本発明の不飽和カルボン酸合成用触媒は、上述した製造方法により製造されたものであることを特徴とする。
また、触媒の形状がリング状であり、その外径が15mm以下であることが望ましい。
本発明の不飽和カルボン酸の合成方法は、上記不飽和カルボン酸合成用触媒を用いて、不飽和アルデヒドを分子状酸素により気相酸化することを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の不飽和カルボン酸合成用触媒は、後述する製造方法によって製造される押出成形触媒であって、反応原料である不飽和アルデヒドを分子状酸素により気相接触酸化して、不飽和カルボン酸を合成するために用いられるものである。
上記不飽和カルボン酸合成用触媒は、触媒成分として少なくともモリブデン及びバナジウムを含む触媒である。また、モリブデン及びバナジウム以外の触媒成分としては、鉄、コバルト、クロム、アルミニウム、ストロンチウム、ゲルマニウム、ホウ素、ヒ素、セレン、銀、ケイ素、ナトリウム、テルル、リチウム、アンチモン、リン、カリウム、バリウム、マグネシウム、チタン、マンガン、銅、亜鉛、ジルコニウム、ニオブ、タングステン、タンタル、カルシウム、スズ、ビスマス、ガリウム、セリウム、ランタン、ルビジウム、セシウム、タリウム等が挙げられる。
【0007】
押出成形触媒である、本発明の不飽和カルボン酸合成用触媒は、(1)触媒成分を含む粒子を製造する工程、(2)得られた触媒成分を含む粒子等を混練りする工程、(3)得られた混練り品を押出成形する工程、(4)触媒成形体を乾燥する工程を経て製造される。以下、各工程について詳しく述べる。
本発明の(1)触媒成分を含む粒子を製造する工程において、その製造方法は、特に限定されず、種々の公知の方法が適用される。通常の方法としては、モリブデン及びバナジウムを含有する水性スラリーを乾燥し、必要に応じて更に粉砕して粒子状にする方法が用いられる。
水性スラリーに溶解する触媒成分の原料としては、上記触媒成分である元素の酸化物、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、水酸化物、アンモニウム塩、ハロゲン化物等が使用される。例えば、モリブデンを触媒成分とする原料としては、パラモリブデン酸アンモニウム、三酸化モリブデン等が挙げられる。また触媒成分の原料としては、各元素に対して1種類を用いてもよいし、2種類以上を用いてもよい。
少なくともモリブデン及びバナジウムを含む水性スラリーを製造する方法としては、特に限定されず、成分の著しい偏在を伴わない限り、従来からよく知られている沈殿法、酸化物混合法等の種々の方法が用いられる。
このようにして製造された水性スラリーを乾燥して粒子状にする方法としては、特に限定されず、例えば、スプレー乾燥機を用いて乾燥する方法、スラリードライヤーを用いて乾燥する方法、ドラムドライヤーを用いて乾燥する方法、蒸発乾固して塊状の乾燥物を粉砕する方法等が適用される。中でも、乾燥と同時に粒子が得られること、得られる粒子の形状が整った球形であることから、スプレー乾燥機を用いて乾燥する方法が望ましい。
この際、乾燥条件として、スプレー乾燥機の入口温度を100〜500℃、出口温度を100℃以上、より好ましくは105〜200℃に設定するとよい。
このようにして得られた乾燥粒子は、必要に応じて、200〜500℃で熱処理(焼成)してもよい。焼成条件は、特に限定されないが、焼成は、通常、酸素、空気または窒素流通下で行われる。また、焼成時間は目的とする触媒によって適宜設定される。
【0008】
触媒成分を含む粒子を潰さずに成形を行った場合、触媒成分を含む粒子の平均粒子直径は、大きくなると成形後の粒子間に大きな空隙、すなわち、大きな細孔が形成されて選択率が向上する傾向があり、小さくなると単位体積当たりの粒子同士の接触点が増加するので、得られる触媒成形体の機械的強度が向上する傾向がある。従って、触媒の選択率と機械的強度のバランスを考慮すると、10μm〜150μmが好ましく、20〜60μmが更に好ましい。また、この範囲の中でも、特に25〜45μmが好ましい。
また、前記触媒成分を含む粒子は、その嵩比重が0.5〜1.8kg/Lの範囲が好ましく、0.7〜1.1kg/Lの範囲が更に好ましい。また、この範囲の中でも、特に0.8〜1.0kg/Lが特に好ましい。それは、触媒成分を含む粒子の嵩比重が、0.5kg/Lより小さいと、成形に耐えうる十分な強度が得られない場合が多く、成形の際に粒子が潰れてしまう。1.8kg/Lより大きいと、活性、選択性が低下することがある。ここで、嵩比重とは、JISK6721記載の方法で測定したものである。
また、その平均粒子圧壊強度が、9.8×10-5〜9.8×10-2Nの範囲が好ましく、9.8×10-4〜9.8×10-2Nの範囲が更に好ましい。また、この範囲の中でも9.8×10-4〜9.8×10-3Nが特に好ましい。平均粒子圧壊強度が、9.8×10-5Nより小さいと、成形の際に粒子が潰れてしまう。9.8×10-2Nより大きいと、活性、選択性が低下することがある。
【0009】
次に、(2)得られた触媒成分を含む粒子等を混練りする工程では、(1)の工程で得られた粒子と、液体とを混合したものを混練りし混練品とする。
この工程で用いられる液体としては、水やアルコールが好ましい。このようなアルコールとしては、エタノール、メチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等の低級アルコールが挙げられる。これらの液体は1種を用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、ここでは少なくとも一部にアルコールを使用するのがより好ましい。
液体の使用量は、粒子の種類や大きさ、液体の種類等により適宜選択されるが、通常は(1)の工程で得られた乾燥粒子または焼成粒子100質量部に対して5〜65質量部であり、15〜55質量部が好ましく、25〜45質量部が更に好ましい。また、この範囲の中でも30〜40質量部が特に好ましい。
【0010】
また(2)の工程においては、触媒成分を含む粒子と液体との混合物に、有機バインダー等の成形助剤を加えると、強度が向上するため好ましい。このような成形助剤としては、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等を挙げることができる。
この他に、上記混合物に、従来公知の添加剤を加えてもよく、このような添加剤としては、グラファイトやケイソウ土などの無機化合物、ガラス繊維、セラミックファイバーや炭素繊維などの無機ファイバー等が挙げられる。
上記のようにして得られた粒子と液体とを混合したものを混練りする装置としては、特に限定されず、双腕型の攪拌羽根を使用するバッチ式の混練り機、軸回転往復式やセルフクリーニング型等の連続式の混練り機等が使用できるが、混練り品の状態を確認しながら混練りを行うことができる点では、バッチ式が好ましい。また、混練りの終点は、通常は時間、目視または手触りによって判断される。
【0011】
(3)得られた混練り品を押出成形する工程では、(2)の工程で得られた混練り品を押出成形するが、本発明は、この工程において、触媒成分を含む粒子と液体とを混合した混練り品を成形して1次成形品を得る1次成形工程と、1次成形工程の後に、更に、ピストン成形機で1次成形品を最終形状に成形する2次成形工程との2度の成形を行うことに特徴がある。
このように成形することで、押出時の曲がり等が少なくなり、製品の歩留まりが向上する。また、均一な力で成形を行うことができ、余分な空気が混入することも少ないため、均一な成形体ができ、最終的な触媒を反応管に充填したときの粉化率は低下し選択率が向上する。また、混練り品を(スクリュー押出機等で)直接最終形状に押出成形する場合と比べて、よりスムーズに押出成形ができるため、成形中の触媒粒子に余分な負荷を与えず、触媒粒子を破壊しないソフトな成形ができ、最終的な触媒中に好ましい細孔が発現することから、触媒活性、不飽和カルボン酸の選択性に優れた触媒が得られるという利点もある。
まず、(2)の工程で得られた混練り品は、押出機やプレス機等の装置によって1次成形品に成形される(1次成形)。ここでは、混練りと1次成形を連続(ワンパス)で行えるような装置を用いることもできる。ここでは、混練りの状態を確認しながら混練りができる点と、生産性の面からバッチ式の混練り機で混練りを行い、スクリュー押出機で1次成形を行うことが望ましい。
このようにして製造された1次成形品の形状は、特に限定されないが、1次成形品の形状が、2次成形を行うピストン成形機のシリンダー径の0.5倍以上1未満の径を有する円柱状であることが好ましく、ピストン成形機のシリンダー径の0.8倍以上1未満の径を有する円柱状は更に好ましい。その径がピストン成形機のシリンダー径の0.5倍未満の場合、2次成形時に余分な空気が入り易くなること、1次成形の回数が増えること、および触媒粒子への負荷が大きくなることから好ましくない。その径がピストン成形機のシリンダー径の1倍以上の場合、ピストン成形機に1次成形品を充填することが困難になる。
また、製造された1次成形品の比重は、大きいほど最終的な触媒の強度は大きくなり、比重が小さいほど最終的な触媒の選択性は向上する。従って、最終的な触媒の強度および選択性を考慮すると、1次成形品の比重は、1.5〜3.5kg/Lの範囲、特に2.0〜2.9kg/Lの範囲であることが好ましい。また、この範囲の中でも2.2〜2.7kg/Lが特に好ましい。ここで、比重とは水分を含んだ1次成形品の重量を1次成形品の体積で除して算出した値である。
【0012】
次に、1次成形によって得られた1次成形品は、ピストン成形機により最終形状に成形される(2次成形)。
2次成形のピストン成形機による1次成形品を成形する際は、触媒の細孔容積を減じないよう真空脱気を行わないのが好ましい。
また、押出成形による成形体の形状としては、特に限定されず、リング状、円柱状、星型状などの任意の形状に成形することができる。ここで、2次成形後の触媒の形状は、特に制限されないが、本発明はソフトな成形ができるため、通常の方法では触媒粒子への負荷が比較的大きいリング状、特に外径15mm以下のリング状に好適である。また、外径3mm以上のリング状に好適である。なお、リング状とは別名「中空円筒状」と呼ばれるものである。
外径が10mmより大きいと、最終的な触媒の活性、選択性が低下する場合がある。
【0013】
次に、(4)触媒成形体を乾燥する工程では、(3)の工程で得られた触媒成形体を乾燥し、必要に応じて、触媒成形体を焼成して触媒(製品)を得る。
乾燥方法としては、特に限定されず、一般的に知られている熱風乾燥、湿度乾燥、遠赤外線乾燥またはマイクロ波乾燥などの方法が任意に用いられる。乾燥条件は、目的とする含水率とすることができれば適宜選択される。
そして、乾燥成形品は通常焼成されるが、(1)の工程で粒子を焼成しており、かつ有機バインダー等を使用していない場合は、焼成を省略することも可能である。従って、必要に応じて、乾燥成形品を焼成する。例えば、有機バインダー等を使用する場合は、工程の簡便さから(1)の工程での焼成を行わず、(4)の工程で焼成するほうが好ましい。焼成条件については、特に限定はなく、公知の焼成条件を適用することができる。通常は200〜600℃の温度範囲で行われる。
【0014】
このような不飽和カルボン酸合成用触媒の製造方法にあっては、(2)の工程で得られた混練り品を1次成形した後、更に、ピストン成形機により2次成形を行うことにより、シリンダー内に余分な空間が少なくなるため、余分な空気の混入を少なくすることができる。
余分な空気の混入が少ないと、押出時の曲がり等が少なくなるため、製品の歩留まりが向上し工業的に有益である。また、余分な空気の混入が少ないこと、及びピストンにより均一な力で成形ができることから均一な成形体ができる。そして、最終的な触媒として、均一な成形体を後述の不飽和カルボン酸を合成する際に用いられる反応管に充填すると、極端に強度の小さい成形体がないため粉化率を低下させることができる。
ここで、粉化率は以下のように定義される。成形触媒1000gを水平方向に対して垂直に設置した内径2.75cm、長さ6mのステンレス製円筒容器上部より落下させて容器内に充填した後、容器底部より成形触媒を回収する。回収された成形触媒のうち、目開き1.19mmのふるいを通過しないものがXgであったとすると、
粉化率(%)={(100−X)/100}×100
そして、粉化率が低下すると、圧損が小さくなるため選択率の高い触媒を得られる。また、混練り品を直接押出し成形する場合と比べて、よりスムーズに押出成形ができるため、成形中の触媒粒子に余分な負荷を与えず触媒粒子を破壊しないソフトな成形ができ、最終的な触媒中に好ましい細孔が発現することから、触媒活性、不飽和カルボン酸の選択性に優れた触媒が得られるという利点もある。
【0015】
また、上記工程(1)において、触媒成分を含む粒子が、触媒成分を含むスラリーをスプレー乾燥したものであれば、乾燥と同時に粒子が得られるので、触媒成分を含む粒子の製造が容易であり、また、得られる粒子の形状が整った球状をしているので、粒子間の細孔を制御しやすいという利点がある。
また、触媒成分を含む粒子の平均粒子直径が10μm〜150μmであれば、選択率および機械的強度のバランスに優れている。
また、触媒成分を含む粒子の平均粒子圧壊強度が、9.8×10 5〜9.8×10-2Nであれば、成形する際の取り扱い性と、触媒性能の面において利点がある。
また、触媒成分を含む粒子の嵩比重が、0.5〜1.8kg/Lであれば、成形する際の取り扱い性と、触媒の性能の面において利点がある。
また、触媒成分を含む粒子と液体とを混合したものを成形する際に、スクリュー押出機を用いて成形すれば、1次成形を連続して行うことができるので生産性面で有利になる。
また、1次成形品が、2次成形工程において使用されるピストン成形機のシリンダー径の0.5倍以上1倍未満の径をもつ円柱状であれば、ピストン成形機のシリンダー内に余分な空間が少なくなるため、2次成形時に余分な空気の混入を防ぐことができる。
また、シリンダー内の体積を有効に使えるため、同量の成形品を製造する場合に、1次成形、2次成形の回数を減らすことができ、生産性が向上するという利点もある。1次成形、2次成形の回数を減らすことは、触媒粒子への機械的な負荷を減らすことになるため、細孔の制御の点で有利になる。
【0016】
本発明の不飽和カルボン酸合成用触媒は、上述の製造方法により製造されたものであるので、触媒活性および選択性に優れている。
また、触媒の形状がリング状であり、その外径が10mm以下であれば、触媒活性、選択性が向上するという利点がある。
【0017】
本発明の不飽和カルボン酸の合成方法では、ステンレス製などの反応管に本発明の触媒を充填し、触媒層を形成する。そして、触媒の存在下に、反応原料である不飽和アルデヒドと分子状酸素を含む原料ガスとを気相接触酸化して、それに対応する不飽和カルボン酸の合成を促す。
反応原料である不飽和アルデヒドは、1種類を用いても、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。また、原料ガス中の不飽和アルデヒドの濃度は広い範囲で変えることができるが、1〜20容量%が適当であり、特に3〜10容量%が好ましい。原料の不飽和アルデヒドは、水、低級飽和アルデヒド等の不純物を少量含んでいても良く、これらの不純物は反応に実質的な影響を与えない。
分子状酸素源としては、空気を用いることが経済的であるが、必要ならば純酸素で富化した空気も用いうる。原料ガス中の酸素濃度は、不飽和アルデヒドに対するモル比で規定され、この値は0.3〜4、特に0.4〜2.5が好ましい。原料ガスは反応原料と分子状酸素以外に水を含んでいることが好ましく、また不活性ガスで希釈して用いることが好ましい。反応圧力は常圧から数100kPaまでが好ましい。反応温度は200〜430℃の範囲で選ぶことができるが、特に220〜400℃の範囲が好ましい。
また、反応管内において、触媒はシリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、シリコンカーバイト、チタニア、マグネシア、セラミックボールやステンレス鋼等の不活性担体で希釈されていてもよい。
【0018】
不飽和カルボン酸合成用触媒による不飽和カルボン酸の製造例として、アクロレインの酸化によるアクリル酸の製造や、メタクロレインの酸化によるメタクリル酸の製造等が挙げられる。
アクロレインの酸化によるアクリル酸の製造に適する触媒としては、一般式
Moa bcd ef
(ここで式中Mo、V及びOはそれぞれモリブデン、バナジウム及び酸素を示し、Aは鉄、コバルト、クロム、アルミニウム及びストロンチウムからなる群より選ばれた少なくとも一種の元素を示し、Xはゲルマニウム、ホウ素、ヒ素、セレン、銀、ケイ素、ナトリウム、テルル、リチウム、アンチモン、リン、カリウム、及びバリウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を示し、Yは、マグネシウム、チタン、マンガン、銅、亜鉛、ジルコニウム、ニオブ、タングステン、タンタル、カルシウム、スズ及びビスマスからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を示す。また、a、b、c、d、eは各元素の原子比率を表し、a=12のときb=0.01〜6、c=0〜5、d=0〜10、e=0〜5であり、fは前記各成分の原子価を満足するのに必要な酸素原子数である。)で表される組成を有するものが挙げられる。
【0019】
また、メタクロレインの酸化によるメタクリル酸の製造に適する触媒としては、一般式
g MohiCujklm n
(ここで式中P、Mo、V、Cu及びOはそれぞれリン、モリブデン、バナジウム、銅及び酸素を示し、Xはアンチモン、ビスマス、ヒ素、ゲルマニウム、ジルコニウム、テルル、セレン、ケイ素、タングステン、ホウ素及び銀からなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を示し、Yは鉄、亜鉛、クロム、マグネシウム、タンタル、マンガン、コバルト、バリウム、ガリウム、セリウム及びランタンからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を示し、Zはカリウム、ルビジウム、セシウム及びタリウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を示し、で表される組成g、h、i、j、k、l、mは各元素の原子比率を表し、h=12のときg=0.5〜3、i=0.01〜3、j=0〜2、k=0〜3、l=0〜3、m=0.01〜3であり、nは前記各成分の原子価を満足するのに必要な酸素原子数である。)を有するものが挙げられる。
【0020】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。
なお、実施例および比較例中の「部」は質量部であり、混練りにはバッチ式の双腕型の攪拌羽根を備えた混練り機を使用した。また、原料ガスおよび反応ガスの分析はガスクロマトグラフィーによって行った。
実施例及び比較例中の原料不飽和アルデヒドの反応率(以下、反応率という)、生成する不飽和カルボン酸の選択率は次式により算出した。
反応率(%)=A/B×100
不飽和カルボン酸の選択率(%)=C/A×100
ここで、Aは反応した原料不飽和アルデヒドのモル数、Bは供給した原料不飽和アルデヒドのモル数、Cは、生成した不飽和カルボン酸のモル数である。
また、触媒成分を含む粒子の嵩比重および1次成形品の比重は、以下のようにして測定した。
嵩比重:JISK6721記載の方法で測定した。
比重:水分を含んだ1次成形品の重量を1次成形品の体積で除して算出した。
粒子圧壊強度:微小圧縮試験機(島津製作所社製、MCTM−200)で測定した。平均粒子圧壊強度は30個の粒子を測定した平均値である。
【0021】
(実施例1)
パラモリブデン酸アンモニウム100部、メタバナジン酸アンモニウム3.9部及び硝酸カリウム4.8部を純水400部に溶解した。これを攪拌しながらこれに85%リン酸8.2部を純水10部に溶解した溶液を加え、更に硝酸銅1.1部を純水10部に溶解した溶液を加え混合液とした。次に硝酸ビスマス6.9部に60%硝酸7.0部及び純水40部を加え、得られた硝酸ビスマスの均一溶液を前記混合液に加えて、これを95℃に昇温した。これに60%ヒ酸3.3部を純水10部に溶解した溶液を加え、続いて、三酸化アンチモン2.8部を加えた後、15分間攪拌しスラリーとした。そして、得られた触媒成分を含む水性スラリーをスプレー乾燥機を用いて乾燥し、平均粒径38μmの触媒成分を含む乾燥球状粒子とした。
ここで、この乾燥球状粒子の平均粒子圧壊強度は3.9×10-3N、嵩比重は0.87kg/Lであった。
このようにして得られた乾燥球状粒子500部に対してメチルセルロース15部を加え、乾式混合した。ここに純水170部を混合し、混練り機で粘土状物質になるまで混合した後、不定形の混練り品をスクリュー式押出し成形機を用いて押し出し成形し、直径45mm、長さ280mmの円柱状とした。ここで、この1次成形品の比重は2.30kg/Lであった。次いで、この1次成形品を直径50mm、長さ300mmのシリンダーを有するピストン式押出し成形機を用いて押し出し成形し、外径6mm、内径2mm、長さ5mmのリング状の触媒成形体を得た。なお、成形の際には真空脱気を行わなかった。
得られた触媒成形体を130℃で6時間乾燥し、次いで空気流通下に380℃で5時間熱処理して最終焼成品を得た。
得られた触媒成形体の酸素以外の元素の組成(以下同じ)は、P1.5Mo120.7Cu0.1Sb0.4Bi0.3As0.31であった。
この触媒成形体をステンレス製反応管に充填し、メタクロレイン5%、酸素10%、水蒸気30%及び窒素55(容量%)の原料ガスを接触時間3.6秒にて触媒層を通過させ、290℃で反応させた。その結果、メタクロレインの反応率91.3%、メタクリル酸の選択率88.3%であった。
【0022】
(実施例2)
実施例1において、水性スラリーの乾燥にスプレー乾燥機を用いずに、水性スラリーを加熱攪拌しながら蒸発乾固した後、得られた固形物を130℃で6時間乾燥後、粉砕して触媒成分を含む乾燥粒子を得た点以外は、実施例1と同様に触媒成形体を製造し、反応を行った。ここでの1次成形品の比重は2.39kg/Lであった。実施例1と同様に触媒成形体を製造し、反応を行った。最終焼成品を用いた反応結果は、メタクロレインの反応率91.0%、メタクリル酸の選択率88.1%であった。
(比較例1)
実施例1において、不定形の混練り品をスクリュー式押出し成形機を用いて押し出し成形し、外径6mm、内径2mm、長さ5mmのリング状の触媒成形体を得た点以外は、実施例2と同様に触媒成形体を製造し、反応を行った。その反応結果は、メタクロレインの反応率89.8%、メタクリル酸の選択率87.7%であったが、押し出し成形の際、押出し品が曲がって出てしまうことがあり、所望の形状を有する成形品の歩留まりが低下した。
【0023】
(実施例3)
三酸化モリブデン100部、五酸化バナジウム4.2部、85%リン酸6.7部を純水800部に溶解し、溶液した。これを還流下で3時間加熱攪拌した後、これに酸化銅0.5部、酸化第一鉄0.9部及びほう酸0.8部を加え、再び還流下で2時間加熱攪拌した。これを50℃まで冷却し、これに二酸化ゲルマニウム1.8部を20%水酸化セシウム43.4部に溶解したものを加え、15分間攪拌した。続いて、硝酸アンモニウム10部を純水30部に溶解したものを加え、15分間攪拌し水性スラリーを得た。
得られた触媒成分を含む水性スラリーをスプレー乾燥機を用いて平均粒径35μmの触媒成分を含む乾燥球状粒子とした。
ここで、この乾燥球状粒子の平均粒子圧壊強度は4.9×10-3N、嵩比重は0.97kg/Lであった。
このようにして得られた乾燥球状粒子500部に対してメチルセルロース15部を加え、乾式混合した。ここにエタノール175部を混合し、混練り機で粘土状物質になるまで混合した後、不定形の混練り品をスクリュー式押出し成形機を用いて押し出し成形し、直径45mm、長さ280mmの円柱状とした。ここで、この1次成形品の比重は2.25kg/Lであった。次いで、この1次成形品を直径50mm、長さ300mmのシリンダーを有するピストン式押出し成形機を用いて押し出し成形し、外径6mm、内径2mm、長さ5mmのリング状の触媒成形体を得た。なお、成形の際には真空脱気を行わなかった。
得られた触媒成形体を130℃で6時間乾燥し、次いで空気流通下に380℃で5時間熱処理して最終焼成品を得た。
得られた触媒成形体の酸素以外の元素の組成(以下同じ)は、P1Mo120.8Ge0.30.2Cu0.1Fe0.2Cs1であった。
この触媒成形体をステンレス製反応管に充填し、メタクロレイン5%、酸素10%、水蒸気30%及び窒素55(容量%)の原料ガスを接触時間3.6秒にて触媒層を通過させ、275℃で反応させた。その結果、メタクロレインの反応率93.4%、メタクリル酸の選択率87.6%であった。
【0024】
(比較例2)
実施例3おいて、不定形の混練り品を直接ピストン式押出し成形機に充填して押し出し成形し、外径6mm、内径2mm、長さ5mmのリング状の触媒成形体を得た点以外は、実施例3と同様に触媒成形体を製造し反応を行った。最終焼成品を用いた反応結果は、メタクロレインの反応率92.3%、メタクリル酸の選択率87.2%であったが、押出しの際に空気が混入してしまい、所望の形状にならない成形品の割合が多くなり、歩留まりが低下した。
(比較例3)
比較例2おいて、ピストン成形機での押し出し成形の際に真空脱気を行い、外径6mm、内径2mm、長さ5mmのリング状の触媒成形体を得た点以外は、比較例2と同様に触媒成形体を製造し、反応を行った。その反応結果は、メタクロレインの反応率92.0%、メタクリル酸の選択率87.1%であった。
【0025】
(実施例4)
パラモリブデン酸アンモニウム100部、パラタングステン酸アンモニウム6.2部及びメタバナジン酸アンモニウム17.2部を純水1000部に溶解した。これに硝酸第二鉄9.5部を純水200部に溶解した溶液を加え、さらに硝酸コバルト6.9部を純水200部に溶解した溶液、硝酸マンガン1.4部を純水200部に溶解した溶液を順次加えた。続いて、一般式Na2O・2.2SiO2・2.2H2Oで表される水ガラス3.9部を純水30部に溶解した溶液を加え、さらに20%シリカゾル49.6部を加えてスラリーを得た。
得られた触媒成分を含むスラリーをスプレー乾燥機を用いて平均粒径40μmの触媒成分を含む乾燥球状粒子とした。
ここで、この乾燥球状粒子の平均粒子圧壊強度は1.1×10-2N、嵩比重は0.95kg/Lであった。
このようにして得られた触媒焼成物500部に対して、メチルセルロース15部を加え、乾式混合した。ここに純水180部を混合し、混練り機で粘土状物質になるまで混合し混練り品を得た後、不定形の混練り品をスクリュー式押出し成形機を用いて押し出し成形し、直径45mm、長さ280mmの円柱状とした。ここで、この1次成形品の比重は2.21kg/Lであった。次いで、この1次成形品を直径50mm、長さ300mmのシリンダーを有するピストン式押出し成形機を用いて押し出し成形し、外径6mm、内径2mm、長さ5mmのリング状の触媒成形体を得た。なお、成形の際には真空脱気を行わなかった。
得られた触媒成形体を130℃で6時間乾燥し、次いで空気流通下に380℃で5時間熱処理して最終焼成品を得た。
得られた触媒成形体の酸素以外の元素の組成(以下同じ)は、Mo123.1Fe0.5Si4.3Na0.7Co0.5Mn0.10.5であった。
この触媒成形体をステンレス製反応管に充填し、アクロレイン5%、酸素10%、水蒸気30%及び窒素55(容量%)の原料ガスを接触時間3.6秒にて触媒層を通過させ、270℃で反応させた。その結果、アクロレインの反応率99.8%、アクリル酸の選択率95.6%であった。
【0026】
(比較例4)
実施例4おいて、不定形の混練り品を直接ピストン式押出し成形機に充填して押し出し成形し、外径6mm、内径2mm、長さ5mmのリング状の触媒成形体を得た点以外は、実施例3と同様に触媒成形体を製造し、反応を行った。最終焼成品を用いた反応結果は、アクロレインの反応率98.6%、アクリル酸の選択率95.1%であったが、押し出しの際に空気が入ってしまい、所望の形状にならない成形品の割合が多くなり、歩留まりが低下した。
【0027】
実施例1〜4で得た最終焼成品は、反応率および選択性が高く、且つその製造方法は、歩留まりに優れていた。一方、比較例1〜4で得た最終焼成品は反応率や選択性が低い。また、比較例1、2及び4については、所望の形状にならない成形品の割合が多くなり、歩留まりが低下した。そのため、工業的には適さないと判明した。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の不飽和カルボン酸合成用触媒の製造方法は、触媒成分を含む粒子と液体とを混合したものを成形して1次成形品を得る1次成形工程と、1次成形工程の後に、更に、ピストン成形機で1次成形品を最終形状に成形する2次成形工程とを有する製造方法であるので、製品の歩留まりが向上し、触媒活性および選択性に優れた触媒が得られる。
また、1次成形品が、2次成形工程において使用されるピストン成形機のシリンダー径の0.5倍以上1倍未満の径をもつ円柱状であれば、2次成形の際に、余分な空気の混入が少なくなる点、1次成形の回数が少なくなる点、及び触媒粒子への負荷が小さくなる点で有利である。
また、1次成形品の比重が、1.5〜3.5kg/Lであれば、最終的に製造される触媒が、その機械的強度と高い選択性とをバランス良く有する。
また、触媒成分を含む粒子が、触媒成分を含むスラリーをスプレー乾燥したものであれば、粒子を潰さずに成形した場合に、粒子間の細孔を制御しやすいという効果がある。
また、触媒成分を含む粒子の平均粒子圧壊強度が、9.8×10 5〜9.8×10-2Nであれば、成形する際の取り扱い性と触媒性能の面において利点がある。
また、触媒成分を含む粒子の嵩比重が、0.5〜1.8kg/Lであれば、成形する際の取り扱い性と触媒性能の面において利点がある。
2次成形のピストン成形機で1次成形品を最終形状に成形する際に、真空脱気を行わないと、触媒の細孔容積を減じることなく選択性が向上する。
1次成形の触媒成分を含む粒子と液体とを混合したものを成形する際に、スクリュー押出機を用いて成形すれば、生産性の面で有利になる。
本発明の不飽和カルボン酸合成用触媒は、本発明の不飽和カルボン酸合成用触媒の製造方法により製造されたものであるので、触媒活性および選択性に優れている。
また、触媒の形状がリング状であり、その外径が10mm以下であれば、活性、選択性が向上するという利点がある。
本発明の不飽和カルボン酸の合成方法によれば、本発明の不飽和カルボン酸合成用触媒を用いて、不飽和アルデヒドを分子状酸素により気相酸化するので、目的の生成物を高収率で得ることができる。

Claims (8)

  1. 不飽和アルデヒドを分子状酸素を用いて気相接触酸化し、それに対応する不飽和カルボン酸を合成する際に用いられる、モリブデン及びバナジウムを含む押出成形触媒の製造方法において、
    触媒成分を含む粒子と液体とを混合したものを成形して1次成形品を得る1次成形工程と、1次成形工程の後に、更に、ピストン成形機で1次成形品を最終形状に成形する2次成形工程とを有することを特徴とする不飽和カルボン酸合成用触媒の製造方法。
  2. 前記1次成形品が、2次成形工程において使用されるピストン成形機のシリンダー径の0.5倍以上1倍未満の径をもつ円柱状であることを特徴とする請求項1記載の不飽和カルボン酸合成用触媒の製造方法。
  3. 前記1次成形品の比重が、1.5〜3.5kg/Lであることを特徴とする請求項1または2に記載の不飽和カルボン酸合成用触媒の製造方法。
  4. 前記触媒成分を含む粒子が、触媒成分を含むスラリーをスプレー乾燥したものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の不飽和カルボン酸合成用触媒の製造方法。
  5. 前記触媒成分を含む粒子の平均粒子圧壊強度が、9.8×10‐5〜9.8×10-2Nであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の不飽和カルボン酸合成用触媒の製造方法。
  6. 前記触媒成分を含む粒子の嵩比重が、0.5〜1.8kg/Lであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の不飽和カルボン酸合成用触媒の製造方法。
  7. 2次成形のピストン成形機で1次成形品を最終形状に成形する際に、真空脱気を行わないことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のカルボン酸合成用触媒の製造方法。
  8. 1次成形の触媒成分を含む粒子と液体とを混合したものを成形する際に、スクリュー押出機を用いて成形することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の不飽和カルボン酸合成用触媒の製造方法。
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