JP4933221B2 - 基板ケース及び遊技機 - Google Patents
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Description
このようなスロットマシンは、前面側に開口を有する箱状の筐体と、前面側の開口を開閉するための前扉とを備えたものとなっている。そして、筐体の内部には、前述の回転リールを有するリールユニット、遊技用のメダルを遊技者に払い出すためのホッパーユニット、並びに、リールユニット及びホッパーユニット等の遊技動作を制御するための制御装置等が収納されている。
このような制御基板は、真正のROMを入賞しやすい不正なプログラムを記憶した不正ROMに交換する等の不正行為を防止するために、箱状に形成された透明な合成樹脂製の基板ケースの内部に収納されている。
制御基板を収納する基板ケースとしては、遊技機側に取り付けられるベース体と、このベース体とともに前記制御基板を収納する箱状を形成する蓋体と、これらのベース体及び蓋体の各々に設けられるとともに、ネジで互いに連結される一対の固定部とを備えたものが一般的に利用されている。
このような基板ケースによれば、不正ROMに交換する等の不正行為を行うために、基板ケースを開く、換言すると、ベース部から蓋部を分離する際に、破断部を破断すると、切断部位も切断され、この切断部位の切断により、電気配線の電気抵抗が変化するようになっているので、この電気配線の電気抵抗の変化を検知手段が検知し、その旨をランプやブザーで遊技機の管理者等に報知することができ、これにより、不正行為の防止を図ることができる(例えば、特許文献1参照)。
そこで、各請求項にそれぞれ記載された各発明は、上記した従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、不正行為の防止が充分図れるようになる基板ケース及び遊技機を提供することである。
なお、符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(請求項1)
(特徴点)
請求項1記載の発明は、次の点を特徴とする。
すなわち、請求項1に記載の発明は、遊技機(1)の遊技動作を制御するための制御回路が形成されている制御基板(70)を内部に収納するために、箱状に形成された基板ケース(23)であって、遊技機(1)側に取り付けられるベース体(71)と、このベース体(71)とともに前記制御基板(70)を収納する箱状を形成する蓋体(72)と、前記ベース体(71)及び前記蓋体(72)のそれぞれに一体的に形成されているとともに、前記ベース体(71)及び前記蓋体(72)を相互に連結すると、互いに連結される一対の連結体(80, 90)とが設けられ、前記一対の連結体(80, 90)は、互いに噛み合って結合する噛合部(81, 91)を有し、噛合部(81, 91)が一旦噛み合うと破壊されないかぎり分離が不可能とされ、且つ、前記一対の連結体(80, 90)のそれぞれには、前記噛合部(81, 91)が噛み合うと互いに電気的に導通し、電源(4)からの電力を前記制御基板(70)へ供給する電力供給路(75)の一部を形成する導電部(82, 92)が設けられ、前記噛合部(81, 91)が互いに噛み合っている前記連結体(80, 90)を破壊して分離すると、前記導電部(82, 92)の電気的導通が解除されて前記電力供給路(75)が遮断されるように形成されていることを特徴とする。
(特徴点)
請求項2記載の発明は、前述した請求項1に記載の発明において、次の特徴点を備えているものである。
すなわち、請求項2記載の発明は、前記一対の連結体(80, 90)の各々として、互いに相手側に向かって延びるとともに、先端部分が互いに噛み合うように鉤状に折り曲げられることにより形成された前記噛合部(81, 91)を有するものが採用され、前記噛合部(81, 91)の各々には、当該噛合部(81, 91)が先細りとなるように、当該連結体(80, 90)の先端側を向くとともに、当該連結体(80, 90)に対して傾斜した案内面(81A, 91A)と、相手側の噛合部(81, 91)を係止するために、当該連結体(80, 90)の基端側を向くとともに、当該連結体(80, 90)に略直交する係止面(81B, 91B)とが設けられ、前記導電部(82, 92)は、前記一対の連結体(80, 90)のそれぞれに設けられている前記噛合部(81, 91)の前記係止面(81B, 91B)に形成されている電極部(82A, 92A)を備えていることを特徴とする。
(特徴点)
請求項3記載の発明は、前述した請求項2に記載の発明において、次の特徴点を備えているものである。
すなわち、請求項3記載の発明は、前記ベース体(71)及び前記蓋体(72)の一方として、自身に設けられている連結体(80)と対向するように形成された側壁体(83)を備え、これらの側壁体(83)及び連結体(80)の間に、他方(蓋体72)に設けられている連結体(90)が挿入されるように形成されたもの(ベース体71)が採用され、前記導電部(82, 92)は、前記係止面(81B, 91B)に形成されている電極部(82A, 92A)に加えて、前記ベース体(71)及び前記蓋体(72)の他方に設けられている連結体(90)、及び、前記ベース体(71)及び前記蓋体(72)の一方に設けられている側壁体(83)のそれぞれ対応する位置に形成されている電極部(82B, 92B)を備え、電源(4)からの電力が、前記ベース体(71)及び前記蓋体(72)の一方に設けられている側壁体(83)、並びに、前記ベース体(71)及び前記蓋体(72)の他方及び一方のそれぞれに設けられている連結体(80, 90)の三つの部位を経由して、前記制御基板(70)に供給されるように形成されていることを特徴とする。
(特徴点)
請求項4記載の発明は、前述した請求項3に記載の発明において、次の特徴点を備えているものである。
すなわち、請求項4記載の発明は、前記導電部(82, 92)に、前記ベース体(71)及び前記蓋体(72)の一方に埋め込まれた状態で、前記ベース体(71)及び前記蓋体(72)の一方の表面から前記側壁体(83)の電極部(82B) まで延びる第1の電気伝導部(82C) と、前記ベース体(71)及び前記蓋体(72)の他方に埋め込まれた状態で、前記ベース体(71)及び前記蓋体(72)の他方の連結体(90)に設けられている電極部(92B, 92A)同士を導通する第2の電気伝導部(92C) と、前記ベース体(71)及び前記蓋体(72)の一方に埋め込まれた状態で、前記ベース体(71)及び前記蓋体(72)の一方の連結体(80)の電極部(82A) から前記制御基板(70)近傍の所定位置まで延びる第3の電気伝導部(82D) とが設けられていることを特徴とする。
(特徴点)
請求項5記載の発明は、前述した請求項1に記載の基板ケースを備えた遊技機であって、具体的には、次の特徴点を備えているものである。
すなわち、請求項5記載の発明は、遊技動作を制御するための制御回路が形成されている制御基板(70)と、この制御基板(70)を内部に収納するために、箱状に形成された基板ケース(23)とを備えた遊技機(1)であって、前記基板ケース(23)には、遊技機(1)側に取り付けられるベース体(71)と、このベース体(71)とともに前記制御基板(70)を収納する箱状を形成する蓋体(72)と、前記ベース体(71)及び前記蓋体(72)のそれぞれに一体的に形成されているとともに、前記ベース体(71)及び前記蓋体(72)を相互に連結すると、互いに連結される一対の連結体(80, 90)とが設けられ、
前記一対の連結体(80, 90)は、互いに噛み合って結合する噛合部(81, 91)を有し、噛合部(81, 91)が一旦噛み合うと破壊されないかぎり分離が不可能とされ、且つ、前記一対の連結体(80, 90)のそれぞれには、前記噛合部(81, 91)が噛み合うと互いに電気的に導通し、電源(4)からの電力を前記制御基板(70)へ供給する電力供給路(75)の一部を形成する導電部(82, 92)が設けられ、前記噛合部(81, 91)が互いに噛み合っている前記連結体(80, 90)を破壊して分離すると、前記導電部(82, 92)の電気的導通が解除されて前記電力供給路(75)が遮断されるように形成されていることを特徴とする。
以上のように構成されている本発明は、以下に記載されるような効果を奏する。
すなわち、請求項1又は5記載の発明によれば、ベース体及び蓋体を相互に連結すると、互いに連結される一対の連結体を設け、且つ、これら一対の連結体を連結すると、互いに噛み合う噛合部を当該一対の連結体に設け、これらの噛合部が一旦噛み合うと、連結体を破壊しない限り分離できないようにし、更に、これらの噛合部が噛み合うと互いに電気的に導通し、電源からの電力を制御基板へ供給する電力供給路の一部を形成する導電部とを設け、噛合部の噛み合いを解除するめに連結体を破壊すると、導電部の電気的導通が解除されて電力供給路が遮断されるようにしたので、不正ROMに交換する等の不正行為を行うために、ベース体及び蓋体の一方から他方を分離して基板ケースを開くと、連結体が破壊されて電力供給路が遮断される。従って、たとえ不正ROMに交換する作業が成功したとしても、基板ケースを開いた時点で、遊技機の動作を制御する制御基板への電源供給が停止し、その後の遊技が行えなくなるので、不正行為による不正な入賞が未然に防止され、これにより、不正行為の防止を充分図ることができる。
(請求項2の効果)
請求項2記載の発明によれば、上記した請求項1記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
そして、一対の連結体の先端部分を互いに噛み合うように鉤状に折れ曲げて、これにより噛合部を形成し、且つ、噛合部の各々に、当該噛合部が先細りとなるように、当該連結体の先端側を向くとともに、当該連結体に対して傾斜した案内面と、相手側の噛合部を係止するために、当該連結体の基端側を向くとともに、当該連結体に略直交する係止面とを設けたので、噛合部の案内面同士を当接させた状態で、一対の連結体の一方を他方に向かって押圧すると、一対の連結体は、案内面に案内されて先端側が撓み、互いの先端部分が離れる方向に一旦移動した後、互いの係止面同士が接触し合う位置まで前進すると、連結体自身の弾性力により、互いの先端部分が近づく方向に移動して、鉤状の噛合部が自動的に噛み合うようになる。
また、一対の連結体のそれぞれに設けられている噛合部の係止面に、導電部の電極部を形成したので、連結体同士の連結により、一対の連結体のそれぞれに設けられている導電部同士が確実に導通するようになるので、基板ケースの閉鎖作業に伴って、制御基板への電力供給が自動的に行えるようになる。
(請求項3の効果)
請求項3記載の発明によれば、上記した請求項1又は2記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
すなわち、請求項3記載の発明によれば、ベース体及び蓋体の一方に、自身に設けられている連結体と対向する側壁体を設け、これら側壁体及び連結体の間に、他方に設けられている連結体が挿入されるようにしたので、基板ケースを閉じて連結体を連結させた後、基板ケースを開けるために、ベース体及び蓋体の一方から他方を引き離す外力を加えると、側壁体及び連結体の間に挿入された連結体の根本部分に前述の外力が集中するようになり、噛合部の結合を解除する際に、当該連結体が確実に破壊され、これにより、電力供給路が確実に遮断され、不正行為の防止効果をより一層高めることができる。
(請求項4の効果)
請求項4記載の発明によれば、上記した請求項3記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
このため、基板ケースを開放すると、第1から第3までの電気伝導部が分断されて、制御基板への電力供給が停止するうえ、遊技場で利用可能な簡易な配線部材では、電気伝導部の再接続が不可能となるので、基板ケースを開けて、不正ROMに交換しても、遊技が実行されることがなく、従って、不正行為による被害の発生も未然に防止することができる。
(図面の説明)
図1〜図6は、本発明の一実施形態を示すものである。図1は、本実施形態に係る遊技機であるスロットマシンの全体を示す正面図、図2は、本実施形態に係るスロットマシンを示す分解斜視図、図3は、本実施形態に係る基板ケースの閉鎖状態を示す斜視図、図4は、本実施形態に係る基板ケースの開放状態を示す分解斜視図、図5は、本実施形態の要部を示す拡大断面図、図6は、本実施形態の要部を示す図5とは異なる状態の拡大断面図である。
このうち、前扉3は、開口部11の上半分を開閉可能に塞ぐ上扉としての上部前扉30と、開口部11の下半分を開閉可能に塞ぐ下扉としての下部前扉40との二つに分割され、上部前扉30を閉じた状態にしたまま、下部前扉40のみを開閉操作することができるようになっている。
本体キャビネット10は、スロットマシン1の遊技を行うのに必要な各種の機器及び装置を収納するものである。具体的に説明すると、本体キャビネット10は、図2の如く、底部に配置された底板12、両側に配置された一対の側板13、頂部に配置された天板14及び背側に配置された背板15を有する筺体である。本体キャビネット10の高さ方向における略中央部分には、一対の側板13の間に水平に架け渡された中板16が設けられている。
このような本体キャビネット10の内部は、中板16により上下に仕切られており、中板16の上方の空間には、スロットマシン1独自の遊技を行うための主要部である交換ユニット2が収納されるようになっている。一方、中板16の下方の空間には、電源装置4及びホッパーユニット5が収納されている。
ホッパーユニット5は、スロットマシン1の遊技における遊技媒体であるメダルを内部に多数収納可能となった容器を備え、遊技者が入賞した場合に、その容器から入賞役に応じた数量のメダルを遊技者に払い出すものである。このホッパーユニット5の前面には、押圧操作されると、押圧操作されている間だけメダルの払い出し動作をホッパーユニット5に行わせる手動払出スイッチ5Aが設けられている。
(交換ユニット2)
交換ユニット2は、種々の部品を設置あるいは固定するための支持体としての枠体21と、この枠体21の内部に固定されたリールユニット22と、本発明に基づく基板ケース23とを含んで構成されたものとなっている。
基板ケース23は、略直方体状に形成された透明な合成樹脂製のケースである。この基板ケース23については、後で詳しく説明する。
そして、基板ケース23の内部には、各種の電子部品が実装された主基板70(図4参照)が収納されている。この主基板70は、スロットマシン1の遊技動作を制御するための制御回路が形成されている制御基板であり、マイクロコンピュータを構成するLSIチップ79(図4参照)を備えて構成されている。この主基板70のマイクロコンピュータは、各種のソフトウエアがインストールされ、様々な制御処理を行う制御処理手段を備えたものとなっている。
そして、固定金具6は、所定の操作が行われることにより、交換ユニット2への係止が解除されるようになっている。交換ユニット2は、固定金具6による係止が解除されると、本体キャビネット10から取り外して分離することが可能となっている。
また、交換ユニット2の枠体21には、上部前扉30を回動自在に支持する回動支持部25が設けられている。これにより、交換ユニット2は、上部前扉30が装着された状態で、本体キャビネット10に対して着脱することが可能となっている。
下部前扉40は、図2に示すように、本体キャビネット10の図2中左方に配置された側板13に設けられた回動支持部17により、一端縁側が回動自在に支持され、且つ、他端縁側が図示しない施錠機構によりロック可能となった扉体である。ここで、回動支持部17は、前扉3の一部である下部前扉40の左右の側縁のうち、前面左側(図2中右側)の側縁を回動自在に片持ち支持するヒンジとなっている。
また、下部前扉40は、その奥行き寸法、換言すると、厚さが上部前扉30よりも大きくされ、これにより、前面が上部前扉30の前面よりも前方に迫り出している。このため、下部前扉40の上面は、上部前扉30の前面から水平に突出した略水平面となっている。この下部前扉40の上面近傍の部分が、スロットマシン1の遊技操作を行うための操作部50となっている。
操作部50の下方には、文字及び図の少なくとも一方からなる標章、例えば、スロットマシン1の機種名を鮮明に表示するための下パネル60が設けられている。この下パネル60の裏側には、下パネル60を後方から照らす図示しないバックライト装置が設けられている。さらに、下パネル60の下方には、スロットマシン1の遊技において遊技者に払い出されたメダルを溜めておくためのメダル皿42が設けられている。
(上部前扉30)
上部前扉30は、図2に示すように、前述した枠体21に設けられた回動支持部25により、一端縁側が回動自在に支持され、且つ、他端縁側が図示しない施錠機構によりロック可能となった扉体である。ここで、回動支持部25は、前扉3の一部である上部前扉30が有する左右の側縁のうち、前面左側(図2中左側)の側縁を回動自在に片持ち支持するヒンジとなっている。
この図柄表示窓32の上方には、図1の如く、当該図柄表示窓32の上方を被さるように逆U字形に延びる装飾照明部33が設けられる一方、図柄表示窓32の下方には、種々の表示を行うための表示装置34が設けられている。
このうち、装飾照明部33は、白熱ランプや発光ダイオード等の各種の光源を含んで構成され、入賞の告知や演出等のために光源を点灯あるいは点滅されるものとなっている。
なお、本実施形態では、表示装置34として、7セグメントの発光ダイオードを備え、数字の表示が可能となった表示装置が採用されているが、表示面積が充分確保できる場合には、数字や文字だけでなく、画像の表示までもが可能となった液晶パネルやCRTを利用した表示装置も採用できる。
基板ケース23は、図3及び図4に示すように、スロットマシン1側に取り付けられるベース体71と、このベース体71とともに主基板70を収納する箱状を形成する蓋体72とを備えたものとなっている。
すなわち、ベース体71は、主基板70が取り付けられるように、主基板70のサイズに応じたほぼ長方形の平板状に形成された底部71A と、この底部71A の周縁部分に立設された側壁部71B とを備えたものとなっている。
このようなベース体71の図3中左右両側の側縁には、それぞれ外側へ張り出す取付耳部73が形成されている。取付耳部73には、図示しないボルトが挿通される挿通孔73A が形成されている。ベース体71は、取付耳部73の挿通孔73A に挿通された図示しないボルトを、交換ユニット2の枠体21に螺合させることにより、スロットマシン1側に取り付けられるものとなっている。
蓋体72は、ベース体71に対応したサイズ及び平面形状を有する天井部72A と、この天井部72A の周縁部分からベース体71の側壁部71B へ向かって突出する側壁部72B とを備えたものとなっている。
このような蓋体72の図3中上下の側縁近傍には、主基板70への電気的接続を行うための図示しないコネクタを挿通させるために、複数のコネクタ挿通孔74が形成されている。
天井部72A の四隅部分には、ベース体71の蓋体72に形成されたボス71C に対応して、図示しないタッピングネジが挿通される挿通孔72C が形成されている。蓋体72は、挿通孔72C に挿通された図示しないタッピングネジを、ベース体71の蓋体72に形成されたボス71C に螺合させることにより、ベース体71に取り付けられるものとなっている。
一対の連結体80, 90は、図5及び図6に示すように、互いに噛み合って結合する噛合部81, 91を有し、噛合部81, 91が一旦噛み合うと破壊されないかぎり分離が不可能なものとされている。そして、一対の連結体80, 90のそれぞれには、噛合部81, 91が噛み合うと互いに電気的に導通し、電源装置4からの電力を主基板70へ供給する電力供給路75の一部を形成する導電部82, 92が設けられている。
すなわち、交換ユニット2の枠体21には、電源装置4からの電力を主基板70へ供給する電力供給路75の一部を形成するとともに、基板ケース23のベース体71にまで達する電力供給線75A が内部に配線されている。
一方、枠体21には、その裏側の面を部分的に凹ました凹部77が設けられている。この凹部77は、ベース体71の平板電極部76に対応した位置に形成されている。この凹部77には、適度な弾性力を有するバネとして形成されたバネ状電極部78が設けられている。
これにより、ベース体71を枠体21に取り付けると、枠体21側の平板電極部76とベース体71側のバネ状電極部78とが接触しあい、電源装置4からの電力がベース体71のバネ状電極部78まで導かれるようになっている。
これらの噛合部81, 91の各々には、当該噛合部81, 91が先細りとなるように、当該連結体80, 90の先端側を向くとともに、当該連結体80, 90に対して傾斜した案内面81A, 91Aと、相手側の噛合部81, 91を係止するために、当該連結体80, 90の基端側を向くとともに、当該連結体80, 90の長手方向に略直交する係止面81B, 91Bとが設けられている。
なお、連結体90の根本部分には、基板ケース23の開放の際に、連結体90の根本部分が容易に破壊されるように、断面積が部分的に狭くされた頸部93が形成されている。
そして、電源装置4からの電力を主基板70へ供給する電力供給路75の一部を形成する導電部82, 92は、一対の連結体80, 90のそれぞれに設けられている噛合部81, 91の係止面81B, 91Bに形成されている電極部82A, 92Aと、ベース体71及び蓋体72の他方である蓋体72に設けられている連結体90及び側壁体83のそれぞれ対応する位置に形成されている電極部82B, 92Bとを備えている。
連結体90側の電極部92A は、係止面81B 側を向いた一面を露出させた状態で係止面91B に埋設された平板状のもの(以下、「平板電極部92A 」という)となっている。
側壁体83側の電極部82B は、適度な弾性力を有するバネとして形成されたもの(以下、「バネ状電極部82B 」という)である。
側壁体83側の電極部82B に対応する連結体90の電極部92B は、側壁体83側を向いた一面を露出させた状態で連結体90の側面に埋設された平板状のもの(以下、「平板電極部92B 」という)となっている。
ここで、ベース体71側の電極部84は、主基板70側を向いた一面を露出させた状態でベース体71に埋設された平板状のもの(以下、「平板電極部84」という)となっている。
主基板70側の電極部85は、適度な弾性力を有するバネとして形成されたもの(以下、「バネ状電極部85」という)である。
そして、主基板70の所定位置には、取付ビス70A を挿通させる図示しない挿通孔が形成され、ベース体71には、取付ビス70A と螺合するボス71D が、主基板70側の図示しない挿通孔に対応して設けられている。ベース体71側の平板電極部84及び主基板70側のバネ状電極部85は、取付ビス70A で主基板70をベース体71に取り付けると、互いに接触して電気的に導通するように形成されている。これらの電極部84, 85を通じて、主基板70に設けられているLSIチップ79等に電力が供給されるようになっている。
電力供給線82C は、ベース体71に埋め込まれた状態でベース体71の裏側の表面に設けられたバネ状電極部78から側壁体83の電極部であるバネ状電極部82B まで延びる第1の電気伝導部である。換言すると、電力供給線82C は、ベース体71の裏側のバネ状電極部78から側壁体83のバネ状電極部82B まで電力を導くものとなっている。
電力供給線92C は、蓋体72に埋め込まれた状態で、蓋体72の連結体90に設けられている平板電極部92A, 92B同士を導通する第2の電気伝導部である。換言すると、電力供給線92C は、連結体90の側壁体83を向いた面に設けられている平板電極部92B から係止面91B に設けられている平板電極部92A まで電力を導くものとなっている。
さらに、蓋体72に設けられている連結体90は、バネ状電極部82A の弾性力により常に係止面81B がベース体71に向かって押圧されようになっている。これにより、連結体90は、蓋体72から切り離されると、連結体80と側壁体83とが形成する谷の谷底部分86へ向かって移動するようになっている。
凹部94は、閉鎖された基板ケース23を開放するために、連結体90の根本部分が破壊されて、連結体90が蓋体72から切り離された際に、ベース体71の側壁体83に設けられたバネ状電極部82B の先端が、その内部に入り込み、バネ状電極部82B によって連結体90を係止させるための部位である。
これにより、蓋体72から切り離された連結体90は、凹部94がバネ状電極部82B に係止され、ベース体71側の連結体80と側壁体83との間から抜け出せないようになっている。
そして、連結体80, 90が互いに連結されると、ベース体71に設けられているバネ状電極部82B 及びバネ状電極部82A が、それぞれ蓋体72に設けられている平板電極部92B 及び平板電極部92A に接触し、電力供給線82C 、電力供給線92C 及び電力供給線82D の三本の電気伝導体が互いに導通するようになっている。
これにより、主基板70には、ベース体71に設けられている側壁体83、蓋体72に設けられている連結体90、及び、ベース体71に設けられている連結体80の三つの部位を経由して、電源装置4からの電力が供給されるようになっている。
そして、連結体90が蓋体72から切り離されると、バネ状電極部82A の弾性力により連結体90が谷底部分86へ向かって移動し、ベース体71側のバネ状電極部82B 及びバネ状電極部82A のそれぞれと接触していた連結体90の平板電極部92B 及び平板電極部92A が離れ、その接触が解除されるようになっている。
これにより、電力供給線82C 、電力供給線92C 及び電力供給線82D の三本の電気伝導体が非導通状態となり、主基板70への電力供給が断たれるようになっている。
これにより、連結体80と側壁体83との間の空間が連結体90によって占有されるので、可塑性のある導電部材、例えば、アルミ箔を小さく丸めたもの等を連結体80と側壁体83との間に挿入し、バネ状電極部82B とバネ状電極部82A とを導通させるようとしても、このような導電部材の挿入が連結体90によって阻止され、一旦閉鎖した基板ケース23を開放した後には、バネ状電極部82B とバネ状電極部82A との導通が行えないようになっている。
すなわち、ベース体71及び蓋体72を相互に連結すると、互いに連結される一対の連結体80, 90をベース体71及び蓋体72のそれぞれに設け、且つ、ベース体71及び蓋体72を相互に連結すると、互いに噛み合う噛合部81, 91を一対の連結体80, 90にそれぞれ設け、これらの噛合部81, 91が一旦噛み合うと、連結体90の根本部分を破壊しない限り連結体80, 90の分離が行えないようにし、更に、噛合部81, 91の噛み合いにより互いに電気的に導通して、電源装置4からの電力を主基板70へ供給する電力供給路75の一部を形成する導電部82, 92を設ける一方、基板ケース23を開けるために、連結体90の根本部分を破壊して、連結体90を蓋体72から分離すると、導電部82, 92の電気的導通が解除されて電力供給路75が途中で遮断されるようにしたので、不正ROMに交換する等の不正行為を行うために、ベース体71及び蓋体72を分離して基板ケース23を開くと、連結体90の根本部分が破壊されて電力供給路75が遮断される。
ここで、連結体80, 90、噛合部81, 91及び導電部82, 92は、基板ケース23の内部となるベース体71及び蓋体72の側壁部71B, 72Bの内側に設けたので、ベース体71及び蓋体72を連結する、換言すると、基板ケース23を閉じると、これらの連結体80, 90、噛合部81, 91及び導電部82, 92に対して外部から操作することが困難となり、この点からも、不正行為の防止を充分図ることができる。
そして、一対の連結体80, 90の先端部分を互いに噛み合うように鉤状に折れ曲げて、これにより噛合部81, 91を形成し、且つ、噛合部81, 91の各々に、当該噛合部81, 91が先細りとなるように、当該連結体80, 90の先端側を向くとともに、当該連結体80, 90に対して傾斜した案内面81A, 91Aと、相手側の噛合部81, 91を係止するために、当該連結体80, 90の基端側を向くとともに、当該連結体80, 90に略直交する係止面81B, 91Bとを設けたので、噛合部81, 91の案内面81A, 91A同士を当接させた状態で、一対の連結体の一方を他方に向かって押圧すると、一対の連結体80, 90は、案内面81A, 91Aに案内されて先端側が撓み、互いの先端部分が離れる方向に一旦移動した後、互いの係止面81B, 91B同士が接触し合う位置まで前進すると、連結体80, 90自身の弾性力により、互いの先端部分が近づく方向に移動して、鉤状の噛合部81, 91が自動的に噛み合うようになる。
また、連結体80, 90同士が一旦連結されると、連結体80, 90自身の弾性力により、鉤状の噛合部81, 91の噛み合いが維持されるので、外部からの操作が困難となる部位に設けられている連結体80, 90の噛合部81, 91は、連結体90の根本部分が破壊されないかぎり、その連結の解除が行えず、この点からも、不正行為の防止を充分図ることができる。
このため、基板ケース23を開放すると、電力供給線82C,92C,82D が分断されて、主基板70への電力供給が停止するうえ、遊技場で利用可能な簡易な配線部材では、電力供給線82C,92C,82D の再接続が不可能となるので、基板ケース23を開けて、不正ROMに交換しても、不正ROMを利用した遊技の実行を確実に阻止することができ、従って、不正行為による被害の発生も未然に防止することができる。
すなわち、前記実施形態では、側壁体83をベース体71側に設けたが、反対に、側壁体83を蓋体72側に設け、蓋体72側に設けた側壁体83及び連結体90の間に、ベース体71側の連結体80を挿入するようにしてもよい。この場合、ベース体71側に設けた連結体80の根本部分に、断面積が部分的に狭くされた頸部93を設け、基板ケース23の開放の際に、連結体80の根本部分が容易に破壊されるようにするのが好ましい。
また、前記実施形態では、ベース体71側に設けた電極部82A, 82Bを、適度な弾性力を有するバネ状電極部としたが、反対に、蓋体72側に設けた電極部92A, 92Bを、適度な弾性力を有するバネ状電極部にしてもよく、あるいは、ベース体71側に設けた電極部82A, 82B、及び、蓋体72側に設けた電極部92A, 92Bの両方をバネ状電極部にしてもよい。
4 電源としての電源装置
23 基板ケース
70 制御基板としての主基板
71 ベース体
72 蓋体
75 電力供給路
80, 90 連結体
81, 91 噛合部
81A, 91A 案内面
81B, 91B 係止面
82, 92 導電部
82C 第1の電気伝導部としての電力供給線
82A 電極部としてのバネ状電極部
82B 電極部としてのバネ状電極部
82D 第3の電気伝導部としての電力供給線
83 側壁体
92A 電極部としての平板電極部
92B 電極部としての平板電極部
92C 第2の電気伝導部としての電力供給線
Claims (5)
- 遊技機の遊技動作を制御するための制御回路が形成されている制御基板を内部に収納するために、箱状に形成された基板ケースであって、
遊技機側に取り付けられるベース体と、
このベース体とともに前記制御基板を収納する箱状を形成する蓋体と、
前記ベース体及び前記蓋体のそれぞれに一体的に形成されているとともに、前記ベース体及び前記蓋体を相互に連結すると、互いに連結される一対の連結体とが設けられ、
前記一対の連結体のそれぞれは、互いに噛み合って結合する噛合部を有し、噛合部が一旦噛み合うと破壊されないかぎり分離が不可能とされ、
且つ、前記一対の連結体のそれぞれには、前記噛合部が噛み合うと互いに電気的に導通し、電源からの電力を前記制御基板へ供給する電力供給路の一部を形成する導電部が設けられ、
前記噛合部が噛み合った前記連結体を破壊して分離すると、前記導電部の電気的導通が解除されて前記電力供給路が遮断されるように形成されていることを特徴とする基板ケース。 - 前記一対の連結体の各々は、互いに相手側に向かって延びるとともに、先端部分が互いに噛み合うように鉤状に折り曲げられることにより形成された前記噛合部を有し、
前記噛合部の各々には、当該噛合部が先細りとなるように、当該連結体の先端側を向くとともに、当該連結体に対して傾斜した案内面と、相手側の噛合部を係止するために、当該連結体の基端側を向くとともに、当該連結体に略直交する係止面とが設けられ、
前記導電部は、前記一対の連結体のそれぞれに設けられている前記噛合部の前記係止面に形成されている電極部を備えていることを特徴とする請求項1記載の基板ケース。 - 前記ベース体及び前記蓋体の一方は、自身に設けられている連結体と対向するように形成された側壁体を備え、これら側壁体及び連結体の間に、他方に設けられている連結体が挿入されるように形成されたものであり、
前記導電部は、前記係止面に形成されている電極部に加えて、前記ベース体及び前記蓋体の他方に設けられている連結体、及び、前記ベース体及び前記蓋体の一方に設けられている側壁体のそれぞれ対応する位置に形成されている電極部を備え、
電源からの電力が、前記ベース体及び前記蓋体の一方に設けられている側壁体、並びに、前記ベース体及び前記蓋体の他方及び一方のそれぞれに設けられている連結体の三つの部位を経由して、前記制御基板に供給されるように形成されていることを特徴とする請求項2記載の基板ケース。 - 前記導電部は、前記ベース体及び前記蓋体の一方に埋め込まれた状態で、前記ベース体及び前記蓋体の一方の表面から前記側壁体の電極部まで延びる第1の電気伝導部と、
前記ベース体及び前記蓋体の他方に埋め込まれた状態で、前記ベース体及び前記蓋体の他方の連結体に設けられている電極部同士を導通する第2の電気伝導部と、
前記ベース体及び前記蓋体の一方に埋め込まれた状態で、前記ベース体及び前記蓋体の一方の連結体の電極部から前記制御基板近傍の所定位置まで延びる第3の電気伝導部とを備えていることを特徴とする請求項3記載の基板ケース。 - 遊技動作を制御するための制御回路が形成されている制御基板と、この制御基板を内部に収納するために、箱状に形成された基板ケースとを備えた遊技機であって、
前記基板ケースには、遊技機側に取り付けられるベース体と、
このベース体とともに前記制御基板を収納する箱状を形成する蓋体と、
前記ベース体及び前記蓋体のそれぞれに一体的に形成されているとともに、前記ベース体及び前記蓋体を相互に連結すると、互いに連結される一対の連結体とが設けられ、
前記一対の連結体のそれぞれは、互いに噛み合って結合する噛合部を有し、噛合部が一旦噛み合うと破壊されないかぎり分離が不可能とされ、
且つ、前記一対の連結体のそれぞれには、前記噛合部が噛み合うと互いに電気的に導通し、電源からの電力を前記制御基板へ供給する電力供給路の一部を形成する導電部が設けられ、
前記噛合部が互いに噛み合っている前記連結体を破壊して分離すると、前記導電部の電気的導通が解除されて前記電力供給路が遮断されるように形成されていることを特徴とする遊技機。
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