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JP4931710B2 - ウエハにおける良品チップ分類方法、それを用いたチップ品質判定方法、ならびにチップ分類プログラム、チップ品質判定プログラム、マーキング機構及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

ウエハにおける良品チップ分類方法、それを用いたチップ品質判定方法、ならびにチップ分類プログラム、チップ品質判定プログラム、マーキング機構及び半導体装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、半導体装置(チップとも称す)の製造工程においてウエハ上でチップの品質を判定するため用いるチップ分類方法、それを用いたチップ品質判定方法、ならびにチップ分類プログラム、チップ品質判定プログラム、マーキング機構及び半導体装置の製造方法に関するものである。
半導体装置は様々な工程を経て製品となる。その様々な工程で処理される際の様々な異常が歩留り低下や品質低下を招く要因となっている。半導体装置の製造工程において、各工程でのパターン形成後、ウエハ状態でチップごとに電気的特性試験(ウエハテスト)を行なって良不良を判定し、不良品(不良チップ)に印を付けるインク打ち工程がある。当然、不良チップとして印を付けられるチップはウエハテスト結果に依存する。しかし、不良チップがウエハの一部に集中している集中不良分布が存在すると、例えテストで良品と判断されたチップでもその集中不良分布に隣接するチップや近傍のチップは充分な品質を保証できないことが経験上解っている。
そこで従来、集中不良分布が存在しているウエハは破棄していた。これにより製品の品質は保証される。しかし、ウエハの破棄による損失は免れない。また、この損失は近年のウエハ大口径化にともなって大きくなる傾向にある。
不良チップの分布状況によっては充分な品質を保証できるチップが同一ウエハ上に存在することもある。異常には様々な形態があり、例えば写真製版工程のステッパによるショット内露光不足のように異常の影響がチップの区切れに依存するものもあるが、大半はエッチング工程での異常放電に起因するようなチップの区切れに依存しないものである。また、チップの区切れに依存しない異常の大半が集中不良分布の中心から離れるほど異常の影響が少なくなる傾向がある。
このようなウエハを救済するためにウエハテスト結果を目視により確認し、集中不良分布に隣接する良品チップや近傍の良品チップを不良チップとみなし、不良チップを認識するための印を付けている。以下、集中不良分布に隣接する良品チップや近傍の良品チップ等のように品質の保証が困難な良品チップを不良チップとみなして不良チップを認識するために印を付ける作業を追加インク打ちと称す。
追加インク打ちの方法には、ウエハに直接インク打ちする方法と、ウエハテスト結果を加工する方法がある。テスト用プローバーのインカー機能を用いる場合は前者の方法を用い、テスト用プローバーのインカー機能を用いないでインク打ち専用のプローバー(以後、マーキングプローバーと称す)を用いてインク打ちする場合は後者の方法を用いることが一般的である。
ウエハに直接インク打ちする方法では、ウエハテスト結果又はインク打ちされたウエハそのものを見ながら品質に問題のありそうなチップに対して追加インク打ち作業が行なわれる。
ウエハテスト結果を加工する方法では、専用のソフトウエア(プログラム)で画面上に展開されたウエハテストデータを見て、問題のありそうなチップに対して追加インク打ち作業が行なわれる。
また、近年、不良チップを認識するための印を付けず、ウエハテスト結果の電子情報を元に次工程の処理を行なうインクレスの手法が用いられることがある。インクレスの場合は、ウエハテスト結果の電子情報において、品質の保証が困難な良品チップの電子情報を不良チップを示す情報に変更する作業も追加インク打ちと称す。
このような作業によりチップの品質は保証される。しかし、追加インク打ちを行なうために行なう問題のありそうなチップの選定は経験を元にした感覚的な判断によって行なわれるので個人差が生じるという問題があった。さらに、問題のありそうなチップの選定には多大な人的工数が必要であり、この人的工数はウエハ大口径化にともない増大する傾向にある。
このような不具合を解消すべく、本願発明者は、ウエハ内の不良分布を解析し、品質に問題のある可能性があるチップを予測するアルゴリズムを開発した(特許文献1参照)。このアルゴリズムにより、追加インク打ち作業は大幅な改善が行なわれた。
特許第3888938号公報
しかし、不良チップの分布形態は実に多様で、特許文献1に開示されたアルゴリズムだけでは追加インク打ち対象となるべき全てのチップを予測しきれない場合もある。図38及び図39を参照してその一例を説明する。
図38はウエハテスト工程の最終的なウエハテスト結果の一例を示し、図39は従来の追加インク打ち対象チップの選択方法により集中不良分布から一定の範囲で追加インク打ち対象チップを選択した一例を示す。
ウエハ201上で複数のチップがX軸方向及びY軸方向にマトリクス状に配置されている。
図38に示すように、ウエハテストで良品チップと判定されたチップは良品チップ203,205,207のように無印、不良チップと判定されたチップは不良チップ209のように×印で示されている。
特許文献1に開示された集中不良分布の判定を用いると、図38に示した不良チップ209を含む複数の不良チップは1つの集中不良分布であると判断できる。そして、図39に示すように、集中不良分布に属する不良チップに隣接する良品チップ205等の良品チップ、すなわち不良チップから1チップ範囲内にある良品チップは追加インク打ち対象チップ(太枠参照)と判定される。
図39において、集中不良分布に囲まれているが集中不良分布に属する不良チップから2チップ分だけ離れている良品チップ207は追加インク打ちの対象となっていない。しかし、経験上、良品チップ207のように不良チップに囲まれた閉塞エリアのチップは品質に問題がある可能性が高い。
不良チップに囲まれた良品チップ207をオペレータの介在なしに自動的に追加インク打ち対象とするには集中不良分布に属する不良チップから2チップ範囲内にあるチップを不良チップと判定すればよい。
しかし、そうすると集中不良分布に属する不良チップから2チップ分だけ離れた位置にある良品チップ203も不良チップと判定される。良品チップ203は不良チップに囲まれていない位置にあるので経験上品質に問題のある可能性が低いにも関わらず追加インク打ち対象となってしまう。
このような不具合は、良品チップを品質低下の危惧の程度に応じて分類することができれば解消する。
このような不具合は、近傍のチップを品質低下の危惧の程度に応じて分類することができれば解消する。
本発明の目的は、X軸方向及びY軸方向に複数のチップがマトリクス状に配置されたウエハに対して、品質を保証しつつチップの品質をより精度よく判定するために、ウエハテスト結果における良品チップを品質低下の危惧の程度に応じて分類することができる良品チップ分類方法、ならびにそれを用いたチップ品質判定方法、チップ品質判定プログラム及びマーキング機構を提供することである。
本発明にかかるウエハにおける良品チップ分類方法は、ウエハ上でX軸方向及びY軸方向にマトリクス状に配置されたチップの良品と不良品を判定したウエハテスト結果に基づいて、X軸方向及びY軸方向での4方向又はそれに斜め45度方向を加えた8方向での不良チップの連続性の確認を行ない、連続する不良チップは同じグループに属するように不良チップを不良グループに分別する不良チップ分別ステップと、少なくとも良品チップを判定対象チップとし、各不良グループに対して、判定対象チップを、X軸方向及びY軸方向での4方向又はそれに斜め45度方向を加えた8方向について対象の不良グループに属する不良チップが存在する方向の数に基づいて複数のチップ指標に分類する分類ステップと、を含む。
これにより、良品チップを、不良グループに属する不良チップに囲まれている度合い、すなわち品質低下の危惧の程度に応じて分類することができる。
本願特許請求の範囲及び本明細書において、X軸方向及びY軸方向での4方向とは、X軸方向のプラス側及びマイナス側ならびにY軸方向のプラス側及びマイナス側の4方向を意味する。
また、上記分類ステップにおいて、不良チップに対しても、チップ指標に分類してもよい。
また、上記分類ステップにおいて、判定対象チップを上記4方向について複数のチップ指標に分類する場合、判定対象チップは、上記4方向のいずれにも不良チップが存在しないもの(例えばチップ指標「0」)、1方向のみに不良チップが存在するもの(例えばチップ指標「1」)、2方向に不良チップが存在するもの(例えばチップ指標「2」)、3方向に不良チップが存在するもの(例えばチップ指標「3」)、4方向に不良チップが存在するもの(例えばチップ指標「4」)の5種類のチップ指標に分類される。同様に、上記分類ステップにおいて、判定対象チップを上記8方向について複数のチップ指標に分類する場合、判定対象チップは9種類のチップ指標に分類される。
下記で説明する「発明を実施するための最良の形態」では、不良チップが存在する方向の数をチップ指標として用いるが、チップ指標はこれに限定されるものではなく、不良チップが存在する方向の数を記号や数字に置き換えてもよい。例えば、上記4方向のいずれにも不良チップが存在しないものをチップ指標「a」、1方向のみに不良チップが存在するものをチップ指標「b」、2方向に不良チップが存在するものをチップ指標「c」、3方向に不良チップが存在するものをチップ指標「d」、4方向に不良チップが存在するものをチップ指標「e」として5種類のチップ指標に分類するなど、用いるチップ指標は任意である。
上記分類ステップにおいて、複数のチップ指標に分類するために用いる、対象の不良グループに属する不良チップが存在する方向の数は様々な方法で求めることができる。
例を2つ挙げるとすると、まず第1の方法として、判定対象チップに対してX軸方向及びY軸方向での4方向について1チップずつ座標をずらし、不良グループに属する不良チップの有無を確認する方法を挙げることができる。
X軸方向及びY軸方向での4方向に斜め45度方向を加えた8方向についても、8方向について1チップずつ座標をずらし不良グループに属する不良チップの有無を確認すればよい。
2つ目の方法として、後に述べる不良グループ近傍領域を利用する方法を挙げることができる。
不良グループ近傍領域を矩形に設定しマトリクス状に配列したチップに対して各行をまず左から右へ1チップずつ移動し、不良グループに属する不良チップの有無を確認していく。このとき各チップに指数を設け、各行共に不良グループに属する不良チップを見つけるに至るまでに確認したチップの指数を0とする。そして、不良グループに属する不良チップを見つけた後のチップに関しては指数を1とする。
次に各行を右から左へ1チップずつ移動し、不良グループに属する不良チップの有無を確認する。各行共に不良グループに属する不良チップが見つかるまで移動する。そして、不良グループに属する不良チップを見つけた後のその行のチップは前述の指数に1を足す。
次に各列を上から下へ1チップずつ移動し、不良グループに属する不良チップの有無を確認する。各列共に不良グループに属する不良チップが見つかるまで移動する。そして、不良グループに属する不良チップを見つけた後のその列のチップは前述の指数に1を足す。
次に各列を下から上へ1チップずつ移動し、不良グループに属する不良チップの有無を確認する。各列共に不良グループに属する不良チップが見つかるまで移動する。そして、不良グループに属する不良チップを見つけた後のその列のチップは前述の指数に1を足す。
X軸方向及びY軸方向での4方向に斜め45度方向を加えた8方向についても、座標上を45度の斜めに移動して指数を加算すればよい。
ところで、少数の不良チップ群からなる不良グループの近傍の良品チップについては、経験上品質に問題はなく、追加インク打ち対象とする必要性は低い。
そこで、本発明の良品チップ分類方法において、各不良グループについて、その不良グループに属する不良チップ数と予め設定された不良チップ数しきい値を比較し、不良チップ数が不良チップ数しきい値以上のときにその不良グループを集中不良分布と判定する集中不良分布判定ステップを含み、上記分類ステップは、上記集中不良分布判定ステップで集中不良分布と判定された不良グループのみに対して判定対象チップをチップ指標に分類するようにしてもよい。
さらに、上記集中不良分布判定ステップは、不良グループに属する不良チップの少なくとも1つがウエハ周辺チップから所定範囲内に位置している不良グループに対し、不良グループに属する不良チップの全部がウエハ周辺チップから所定範囲内に位置していない不良グループに対して用いる不良チップ数しきい値よりも小さい不良チップ数しきい値を用いるようにしてもよい。ここでウエハ周辺チップとは、チップ配列の最外周に配置されたチップをいう。
また、不良グループから離れている良品チップについては、経験上品質に問題はなく、追加インク打ち対象とする必要性は低い。
そこで、不良グループに属する全ての不良チップ及び近傍の良品チップを含む不良グループ近傍領域を設定する不良グループ近傍領域設定ステップを含み、上記分類ステップは、上記不良グループ近傍領域設定ステップで設定された不良グループ近傍領域内の良品チップを判定対象チップとしてチップ指標に分類するようにしてもよい。
ここで、上記集中不良分布判定ステップを含む場合には、不良グループ近傍領域設定ステップは集中不良分布判定ステップの前に行なってもよいし、後に行なってもよい。ただし、上記集中不良分布判定ステップを含む場合には判定ステップにおいて集中不良分布と判定された不良グループのみに対して判定対象チップをチップ指標に分類するので、無駄な不良グループ近傍領域の設定処理を省くために、集中不良分布判定ステップを行なった後、不良グループ近傍領域設定ステップを行なうことが好ましい。
また、本発明の良品チップ分類方法において、上記不良グループ近傍領域設定ステップは、不良グループに属する全ての不良チップを少なくとも含む矩形領域を上記不良グループ近傍領域とする例を挙げることができる。例えば、不良グループに属する全ての不良チップを含みかつ最小の矩形領域や、その矩形領域の外周に1チップ分や2チップ分以上加えた矩形領域を不良グループ近傍領域とする例を挙げることができる。ただし、不良グループ近傍領域はこれらに限定されるものではない。例えば、不良グループの輪郭に2チップ分以上加えた領域であってもよい。
なお、不良グループに属する全ての不良チップを含みかつ最小の矩形領域を不良グループ近傍領域として設定する場合、1個の不良チップからなる不良グループや、不良グループ自体が矩形領域の不良グループに対しては、不良グループの領域と不良グループ近傍領域が同一の領域になる。この場合、不良グループ近傍領域には良品チップ、すなわち判定対象チップが含まれないので、このような不良グループ近傍領域に対しては分類ステップにおいて判定対象チップに対するチップ指標の分別は行なわれない。
例えば、不良グループに属する全ての不良チップを含みかつ最小の矩形の領域の外周に1チップ分加えた矩形領域を不良グループ近傍領域とするようにすれば、不良グループに属する不良チップに隣接する良品チップ、及び、X軸方向及びY軸方向での上記4方向のうち2方向以上に集中不良分布に属する不良チップが存在する良品チップを判定対象チップとすることができる。
また、本発明の良品チップ分類方法において、上記分類ステップで上記4方向とも対象の不良グループに属する不良チップが存在すると分類された判定対象チップである4方向不良チップに対して上記4方向について対象の不良グループに属する不良チップとの間に他の判定対象チップの存在及び他の4方向不良チップの存在を判定し、その集中不良分布に属する不良チップとの間に他の判定対象チップが存在しない又は他の4方向不良チップのみが存在すると上記4方向の全部について判定された4方向不良チップを別のチップ指標に分類する第2分類ステップをさらに含むようにしてもよい。ここで、対象の不良グループとは、チップ指標が付される際に対象となった不良グループを意味する。また、4方向不良チップの意味を確認すると、4方向不良チップとは、分類ステップで上記4方向とも対象の不良グループに属する不良チップが存在すると分類された判定対象チップである。
また、本発明の良品チップ分類方法において、判定対象チップをX軸方向及びY軸方向の4方向での連続性に基づいて4方向良品グループに分別する4方向判定対象チップ分別ステップと、上記分類ステップで上記4方向とも集中不良分布に属する不良チップが存在すると分類された判定対象チップである4方向不良チップのみを含む4方向良品グループに属する判定対象チップを別のチップ指標に分類する第3分類ステップと、をさらに含むようにしてもよい。
ここで、4方向判定対象チップ分別ステップは上記分類ステップの前であってもよいし後であってもよい。また、上記第2分類ステップを含む場合には、上記第2分類ステップは、4方向判定対象チップ分別ステップの前であってもよいし、4方向判定対象チップ分別ステップと第3分類ステップの間であってもよいし、第3分類ステップの後であってもよい。また、上記集中不良分布判定ステップもしくは上記不良グループ近傍領域設定ステップ又はその両方を含み、4方向判定対象チップ分別ステップを上記分類ステップの前に行なう場合には、4方向判定対象チップ分別ステップ、集中不良分布判定ステップ、不良グループ近傍領域設定ステップを行なう順序は任意である。
また、本発明の良品チップ分類方法において、判定対象チップをX軸方向及びY軸方向での4方向に斜め45度方向を加えた8方向での連続性に基づいて8方向良品グループに分別する8方向判定対象チップ分別ステップと、上記分類ステップで上記4方向とも集中不良分布に属する不良チップが存在すると分類された判定対象チップである4方向不良チップのみを含む8方向良品グループに属する判定対象チップを別のチップ指標に分類する第4分類ステップと、をさらに含むようにしてもよい。
ここで、8方向判定対象チップ分別ステップは上記分類ステップの前であってもよいし後であってもよい。また、上記第2分類ステップ、もしくは上記4方向判定対象チップ分別ステップ及び上記第3分類ステップ、又はそれらの全ステップを含む場合には、各ステップの処理で矛盾が生じない範囲で、各ステップの順序は任意である。例えば、上記第2分類ステップを含む場合、上記第2分類ステップは、8方向判定対象チップ分別ステップの前であってもよいし、8方向判定対象チップ分別ステップと第4分類ステップの間であってもよいし、第4分類ステップの後であってもよい。また、上記集中不良分布判定ステップもしくは上記不良グループ近傍領域設定ステップ又はその両方を含み、8方向判定対象チップ分別ステップを上記分類ステップの前に行なう場合には、8方向判定対象チップ分別ステップ、集中不良分布判定ステップ、不良グループ近傍領域設定ステップを行なう順序は任意である。
また、本発明の良品チップ分類方法において、上記不良チップ分別ステップは、各不良チップについて所定範囲内にある他の不良チップの存在の確認を行ない、連続する不良チップのみならず所定範囲内に位置する不良チップも同じグループに属するように不良チップを不良グループに分別するようにしてもよい。なお、所定範囲はウエハサイズやチップサイズに依存する。ここで他の不良チップの存在の確認を行なう上記所定範囲を大きくしすぎると、同一不良グループに分別すべきでない不良チップまで同一不良グループに属することになってしまうので、上記所定範囲は不良チップの周囲2チップ分の矩形領域又は周囲3チップ分の矩形領域であることが好ましい。ただし、上記所定範囲は不良チップの周囲4チップ分以上の範囲であってもよい。
また、本発明の良品チップ分類方法において、不良グループから所定範囲内に位置する不良チップもしくは他の不良グループ又はその両方を併合して不良グループと判定する不良グループ併合ステップを含むようにしてもよい。ここで他の不良グループ及び不良チップの存在の確認を行なう上記所定範囲を大きくしすぎると、1つの不良グループと判定すべきでない不良チップまで同一の不良グループに属することになってしまうので、上記所定範囲は集中不良分布の周囲2チップ分の矩形領域又は周囲3チップ分の矩形領域であることが好ましい。ただし、上記所定範囲は集中不良分布の周囲4チップ分以上の範囲であってもよい。
さらに、上記併合する作業を繰り返し処理するようにしてもよい。
ところで、上記不良グループ併合ステップで小規模の不良グループについて併合すると、上記分類ステップにおいて、併合後の不良グループの近傍に位置する、経験上品質に問題のない良品チップが、後述する判定ステップで追加不良チップと判定されるチップ指標に分類されてしまう可能性がある。
そこで、上記不良グループ併合ステップは、予め設定された第1不良チップ数併合しきい値以上の個数の不良チップからなる不良グループのみに対し、予め設定された第2不良チップ数併合しきい値以上の個数の不良チップからなる他の不良グループのみを併合するようにしてもよい。例えば、第1不良チップ数併合しきい値は5チップ、第2不良チップ数併合しきい値は5チップとする例を挙げることができる。このように不良チップ数併合しきい値を設けることは、上記集中不良分布判定ステップを含み、上記分類ステップにおいて集中不良分布判定ステップで集中不良分布と判定された不良グループのみに対して判定対象チップをチップ指標に分類する場合に特に有効である。
また、本発明の良品チップ分類方法において、上記ウエハテスト結果は、1つ以上のウエハテスト不良項目郡である例を挙げることができる。
一般に、同一製造工程の同一異常の場合、ほとんど同じテスト項目で不良と判定される傾向がある。よって、本発明のチップ品質判定方法においてウエハテストのテスト項目ごとに判定を行なった方が判定精度を向上させることができる場合がある。しかし、テスト項目ごとの処理は時間がかかりすぎ、また、複数のテスト項目がある場合、ウエハテストにかかる時間を短縮するために通常はあるテスト項目で不良と判定された時点で以後のテスト項目についてはテストされない。そこで、テスト項目をグループ化し、テスト項目グループごとのウエハテスト結果を本発明のチップ品質判定方法に用いるようにしてもよい。テスト項目のグループ化については項目の重複があってもよい。むしろ項目を重複させることにより不良と判定された時点で以後の項目についてはテストされないことによる不具合を緩和できる。
本発明にかかるチップ品質判定方法は、本発明の良品チップ分類方法の全ステップと、その全ステップの後に、チップ指標が付される際に対象となった不良グループに属する不良チップがチップ指標ごとに予め定められた判定用範囲内に存在する判定対象チップを追加不良チップと判定する判定ステップを含む。ここで、判定用範囲は判定対象チップの周囲1チップ分以上の矩形範囲や、X軸方向及びY軸方向での4方向での周囲1チップ分以上の範囲などを挙げることができる。
本発明にかかるチップ品質判定方法の他の局面は、本発明の良品チップ分類方法の全ステップと、その全ステップの後に、予め定められた判定用チップ指標と同じチップ指標をもつ判定対象チップを追加不良チップと判定する判定ステップを含む。
本発明にかかるチップ品質判定方法のさらに他の局面は、本発明の良品チップ分類方法の全ステップと、判定対象チップごとに、その判定対象チップから所定範囲内かつチップ指標が付される際に対象となった不良グループに属する不良チップの個数を算出し、その個数を近傍不良チップ指数とする近傍不良チップ指数算出ステップと、上記全ステップ及び上記近傍不良チップ指数算出ステップの後に、チップ指標ごとに予め設定された近傍不良チップ指数しきい値以上の近傍不良チップ指数をもつ判定対象チップを追加不良チップと判定する判定ステップを含む。
ここで、近傍不良チップ指数算出ステップは、上記第2分類ステップ、上記4方向判定対象チップ分別ステップ及び上記第3分類ステップの組、上記8方向判定対象チップ分別ステップ及び上記第4分類ステップの組、もしくはそれらの組合せ、又はそれらの全ステップを含む場合であっても、集中不良分布近傍領域設定ステップと判定ステップの間であればいずれのタイミングで行なってもよい。
本発明にかかるチップ品質判定方法のさらに他の局面は、本発明の良品チップ分類方法の全ステップと、判定対象チップごとに、チップ指標が付される際に対象となった不良グループに属する不良チップまでの最短距離を算出し、その最短距離を不良チップまでの距離指数とする不良チップまでの距離指数算出ステップと、上記全ステップ及び上記不良チップまでの距離指数算出ステップの後に、チップ指標ごとに予め設定された不良チップまでの距離指数しきい値以下の不良チップまでの距離指数をもつ判定対象チップを追加不良チップと判定する判定ステップを含む。
ここで、距離指数算出ステップは、上記第2分類ステップ、上記4方向判定対象チップ分別ステップ及び上記第3分類ステップの組、上記8方向判定対象チップ分別ステップ及び上記第4分類ステップの組、もしくはそれらの組合せ、又はそれらの全ステップを含む場合であっても、集中不良分布近傍領域設定ステップと判定ステップの間であればいずれのタイミングで行なってもよい。
本発明のチップ品質判定方法において、上記判定ステップは、不良グループに属する不良チップに隣接する良品チップをチップ指標にかかわらず追加不良チップと判定するようにしてもよい。ここで、あるチップに隣接するチップとは、あるチップの周囲8方向で隣接するチップを意味する。また、不良グループ近傍領域が設定されている場合には、不良グループに属する不良チップに隣接する良品チップには不良グループ近傍領域外の良品チップも含まれる。
また、上記判定ステップは、追加不良チップと判定した判定対象チップから所定範囲内にある良品チップも追加不良チップと判定するようにしてもよい。
また、上記判定ステップの後に、不良グループに属する全ての不良チップ及び近傍の良品チップを含む不良グループ近傍領域内にある、対象の不良グループに属する不良チップ数と追加不良チップ数の差又は比率に基づいて上記判定ステップの判定の妥当性を確認する判定妥当性確認ステップを含むようにしてもよい。
さらに、上記判定妥当性確認ステップは、不良グループに属する不良チップの個数に応じて判定基準を異ならせるようにしてもよい。
また、本発明のチップ品質判定方法において、上記分類ステップの後に、同一の不良グループに対して同一のチップ指標をもつ判定対象チップをX軸方向及びY軸方向での4方向又はそれに斜め45度方向を加えた8方向での連続性に基づいてチップ指標グループに分別するチップ指標グループ分別ステップと、上記判定ステップの後に、チップ指標グループごとに、そのチップ指標グループに属する全ての追加不良チップを含みかつ最小の矩形の領域の外周に1チップ分以上加えた矩形領域内にある不良チップ数と追加不良チップ数の差又は比率に基づいて上記判定ステップの判定の妥当性を確認する判定妥当性確認ステップを含むようにしてもよい。ここで、チップ指標グループ分別ステップは、分類ステップと判定妥当性確認ステップの間であればいずれのタイミングで行なってもよい。
さらに、上記判定妥当性確認ステップは、チップ指標に応じて判定基準を異ならせるようにしてもよい。
本発明の良品チップ分類プログラムは、本発明の良品チップ分類方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのものである。これにより、自動で、良品チップを品質低下の危惧の程度に応じて分類することができる。
本発明のチップ品質判定プログラムは、本発明のチップ品質判定方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのものである。これにより、コンピュータを用いて本発明のチップ品質判定方法を実施することができ、従来、問題のありそうなチップの選定に割いていた多大な人的工数をなくすことができ、さらに作業者の経験に頼っていた判断基準を改善できる。
本発明のマーキング機構は、ウエハの目的の位置に印を付けるためのマーキング部と、上記マーキング部の動作を制御するための制御部を備え、上記制御部は本発明のチップ品質判定プログラムを備えており、本発明のチップ品質判定プログラムが不良チップ又は追加不良チップと判定したチップに対応するウエハ位置に印を付けるように上記マーキング部を動作させるものである。
これにより、判定用チップ指標やしきい値等の判定条件を予め入力しておけば、一部に不良チップがあるウエハにおいて品質を保証しつつチップの品質を判定し、不良チップと判定されたチップに対して自動で印を付けることができる。
本発明の半導体装置の製造方法は、ウエハ上でX軸方向及びY軸方向にマトリクス状に配置されたチップの良品と不良品を判定するウエハテスト工程と、本発明のチップ品質判定方法を用いて追加不良チップを検出するチップ品質判定工程と、上記ウエハからチップを切り出すチップ切出し工程と、を含む。
ここで、チップ切出し工程は、ウエハテスト工程の前に行なってもよいし、ウエハテスト工程とチップ品質判定工程の間で行なってもよいし、チップ品質判定工程の後で行なってもよい。切出し工程をウエハテスト工程の前に行なう場合は、切出し工程後、チップをダイシング用粘着シートに貼り付けた状態でウエハテストを行なう例を挙げることができる。また、「ウエハからチップを切り出す」とは、ウエハ上に配列された複数のチップを個々のチップに分割することを意味する。
また、不良チップ又は追加不良チップと判定されたチップに対応するウエハ位置に印を付けるマーキング工程を含んでもよい。
本発明の半導体装置の製造方法において、上記チップ品質判定工程で良品チップと認識されたチップのみをパッケージングするパッケージング工程を含む例を挙げることができる。
ここで「チップをパッケージングする」とは、ウエハから切り出されたチップの電極をワイヤーボンディング技術等によってリード端子等の他の電極に電気的に接続した後、モールド樹脂等の封止樹脂によってチップを封止することを意味する。
なお、本発明の半導体装置の製造方法はパッケージング工程を含むものに限定されるものではなく、ウエハから切り出したチップをそのまま出荷したり、製造ラインに乗せたりする場合には上記パッケージング工程は実施されない。例えば、ウエハレベルCSP(Chip Scale Package)は、ウエハから切り出される前にチップが封止されるので、ウエハから切り出した後にパッケージングされることなく使用される。また、封止されていないベアチップの状態で出荷したり製造ラインに乗せたりすることもある。
本発明にかかるウエハにおける良品チップ分類方法では、ウエハ上でX軸方向及びY軸方向にマトリクス状に配置されたチップの良品と不良品を判定したウエハテスト結果に基づいて、X軸方向及びY軸方向での4方向又はそれに斜め45度方向を加えた8方向での不良チップの連続性の確認を行ない、連続する不良チップは同じグループに属するように不良チップを不良グループに分別する不良チップ分別ステップと、少なくとも良品チップを判定対象チップとし、各不良グループに対して、判定対象チップを、X軸方向及びY軸方向での4方向又はそれに斜め45度方向を加えた8方向について対象の不良グループに属する不良チップが存在する方向の数に基づいて複数のチップ指標に分類する分類ステップと、を含むようにしたので、ウエハテスト結果における良品チップを品質低下の危惧の程度に応じて分類することができる。
本発明の良品チップ分類方法において、各不良グループについて、その不良グループに属する不良チップ数と予め設定された不良チップ数しきい値を比較し、不良チップ数が不良チップ数しきい値以上のときにその不良グループを集中不良分布と判定する集中不良分布判定ステップを含み、上記分類ステップは、上記集中不良分布判定ステップで集中不良分布と判定された不良グループのみに対して判定対象チップをチップ指標に分類するようにすれば、少数の不良チップ群からなる不良グループに対するチップ指標の算出を行なわなくてすむので、データ処理時間を短縮できる。
さらに、上記集中不良分布判定ステップは、不良グループに属する不良チップの少なくとも1つがウエハ周辺チップから所定範囲内に位置している不良グループに対し、不良グループに属する不良チップの全部がウエハ周辺チップから所定範囲内に位置していない不良グループに対して用いる不良チップ数しきい値よりも小さい不良チップ数しきい値を用いるようにすれば、不良チップ個数の少ない不良グループであっても、品質低下の危惧レベルの高いウエハ周辺チップ近傍のチップを含むものであれば集中不良分布として処理することができる。
また、本発明の良品チップ分類方法において、不良グループに属する全ての不良チップ及び近傍の良品チップを含む不良グループ近傍領域を設定する不良グループ近傍領域設定ステップを含み、上記分類ステップは、上記不良グループ近傍領域設定ステップで設定された不良グループ近傍領域内の良品チップを判定対象チップとしてチップ指標に分類するようにすれば、不良グループ近傍領域外の良品チップに対するチップ指標の算出を行なわなくてすむので、データ処理時間を短縮できる。
また、分類ステップで上記4方向とも対象の不良グループに属する不良チップが存在すると分類された判定対象チップである4方向不良チップに対して上記4方向について対象の不良グループに属する不良チップとの間に他の判定対象チップの存在及び他の4方向不良チップの存在を判定し、その集中不良分布に属する不良チップとの間に他の判定対象チップが存在しない又は他の4方向不良チップのみが存在すると上記4方向の全部について判定された4方向不良チップを別のチップ指標に分類する第2分類ステップをさらに含むようにすれば、そのような4方向不良チップはウエハテストで良品と判定されても異常の影響を受けている可能性が高いので、4方向不良チップを追加インク打ちの対象とするチップ指標に分類することができる。
また、判定対象チップをX軸方向及びY軸方向の4方向での連続性に基づいて4方向良品グループに分別する4方向判定対象チップ分別ステップと、分類ステップで上記4方向とも集中不良分布に属する不良チップが存在すると分類された判定対象チップである4方向不良チップのみを含む4方向良品グループに属する判定対象チップを別のチップ指標に分類する第3分類ステップと、をさらに含むようにすれば、不良チップに取り囲まれている度合いの高い判定対象チップを検出でき、その判定対象チップを追加インク打ちの対象とするチップ指標に分類することができる。
また、判定対象チップをX軸方向及びY軸方向での4方向に斜め45度方向を加えた8方向での連続性に基づいて8方向良品グループに分別する8方向判定対象チップ分別ステップと、分類ステップで上記4方向とも集中不良分布に属する不良チップが存在すると分類された判定対象チップである4方向不良チップのみを含む8方向良品グループに属する判定対象チップを別のチップ指標に分類する第4分類ステップと、をさらに含むようにすれば、不良チップに取り囲まれている判定対象チップを検出でき、その判定対象チップを追加インク打ちの対象とするチップ指標に分類することができる。
また、不良チップ分別ステップは、各不良チップについて所定範囲内にある他の不良チップの存在の確認を行ない、連続する不良チップのみならず所定範囲内に位置する不良チップも同じグループに属するように不良チップを不良グループに分別するようにすれば、互いに隣接はしていないが近傍に存在する複数の不良チップを同じ不良グループに分別することができ、経験上追加インク打ち対象となる良品チップを集中不良分布近傍領域内の判定対象チップとして処理することができる。
また、集中不良分布判定ステップは、集中不良分布と判定した不良グループから所定範囲内に位置する不良チップもしくは他の不良グループ又はその両方を併合して不良グループと判定する不良グループ併合ステップを含み、また、併合する作業を繰り返し処理するようにすれば、経験上追加インク打ち対象となる良品チップも集中不良分布近傍領域内の判定対象チップとして処理することができる。
さらに、不良グループ併合ステップは、予め設定された第1不良チップ数併合しきい値以上の個数の不良チップからなる不良グループのみに対し、予め設定された第2不良チップ数併合しきい値以上の個数の不良チップからなる他の不良グループのみを併合するようにすれば、小規模の不良グループ同士を併合するのを防止でき、経験上品質に問題のない良品チップが、後述する判定ステップで追加不良チップと判定されるチップ指標に分類されてしまうのを防止できる。このように不良チップ数併合しきい値を設けることは、上記集中不良分布判定ステップを含み、分類ステップにおいて集中不良分布判定ステップで集中不良分布と判定された不良グループのみに対して判定対象チップをチップ指標に分類する場合に特に有効である。
本発明のチップ品質判定方法では、本発明の良品チップ分類方法の全ステップと、その全ステップの後に、チップ指標が付される際に対象となった不良グループに属する不良チップがチップ指標ごとに予め定められた判定用範囲内に存在する判定対象チップを追加不良チップと判定する判定ステップを含むようにしたので、本発明の良品チップ分類方法によって品質低下の危惧の程度ごとに分類されたチップ指標に基づき、品質を保証しつつチップの品質をより精度よく判定できる。このチップ品質判定方法は、不良チップの集中不良分布があるウエハに対して特に有効である。
本発明のチップ品質判定方法の他の局面では、本発明の良品チップ分類方法の全ステップと、その全ステップの後に、予め定められた判定用チップ指標と同じチップ指標をもつ判定対象チップを追加不良チップと判定する判定ステップを含むようにしたので、この局面によっても、本発明の良品チップ分類方法によって品質低下の危惧の程度ごとに分類されたチップ指標に基づき、品質を保証しつつチップの品質をより精度よく判定できる。このチップ品質判定方法は、不良チップの集中不良分布があるウエハに対して特に有効である。
本発明のチップ品質判定方法のさらに他の局面は、本発明の良品チップ分類方法の全ステップと、判定対象チップごとに、その判定対象チップから所定範囲内かつチップ指標が付される際に対象となった不良グループに属する不良チップの個数を算出し、その個数を近傍不良チップ指数とする近傍不良チップ指数算出ステップと、全ステップ及び近傍不良チップ指数算出ステップの後に、チップ指標ごとに予め設定された近傍不良チップ指数しきい値以上の近傍不良チップ指数をもつ判定対象チップを追加不良チップと判定する判定ステップを含むようにしたので、この局面によっても、本発明の良品チップ分類方法によって品質低下の危惧の程度ごとに分類されたチップ指標に基づき、品質を保証しつつチップの品質をより精度よく判定できる。このチップ品質判定方法は、不良チップの集中不良分布があるウエハに対して特に有効である。
本発明のチップ品質判定方法のさらに他の局面は、本発明の良品チップ分類方法の全ステップと、判定対象チップごとに、チップ指標が付される際に対象となった不良グループに属する不良チップまでの最短距離を算出し、その最短距離を不良チップまでの距離指数とする不良チップまでの距離指数算出ステップと、全ステップ及び不良チップまでの距離指数算出ステップの後に、チップ指標ごとに予め設定された不良チップまでの距離指数しきい値以下の不良チップまでの距離指数をもつ判定対象チップを追加不良チップと判定する判定ステップを含むようにしたので、この局面によっても、本発明の良品チップ分類方法によって品質低下の危惧の程度ごとに分類されたチップ指標に基づき、品質を保証しつつチップの品質をより精度よく判定できる。このチップ品質判定方法は、不良チップの集中不良分布があるウエハに対して特に有効である。
本発明のチップ品質判定方法において、判定ステップは、不良グループに属する不良チップに隣接する良品チップをチップ指標にかかわらず追加不良チップと判定するようにすれば、品質低下の危惧の程度が高い良品チップを追加インク打ちの対象とすることができ、より適切な追加インク打ち対象チップの判定が可能になる。
また、判定ステップは、追加不良チップと判定した判定対象チップから所定範囲内にある良品チップも追加不良チップと判定するようにすれば、品質低下の危惧の程度が高い良品チップを追加インク打ちの対象とすることができ、より適切な追加インク打ち対象チップの判定が可能になる。
また、判定ステップの後に、不良グループに属する全ての不良チップ及び近傍の良品チップを含む不良グループ近傍領域内にある、対象の不良グループに属する不良チップ数と追加不良チップ数の差又は比率に基づいて判定ステップの判定の妥当性を確認する判定妥当性確認ステップを含むようにすれば、判定ステップで必要以上に追加不良チップを設定しまった場合にそれらの追加不良チップの全部が追加インク打ち対象チップになってしまうという不具合を防止できる。
さらに、判定妥当性確認ステップは、不良グループに属する不良チップの個数に応じて判定基準を異ならせるようにすれば、集中不良分布の規模に応じて判定妥当性確認ステップを行なうことができ、判定ステップの判定の妥当性を適切に確認することができる。
また、本発明のチップ品質判定方法において、分類ステップの後に、同一の不良グループに対して同一のチップ指標をもつ判定対象チップをX軸方向及びY軸方向での4方向又はそれに斜め45度方向を加えた8方向での連続性に基づいてチップ指標グループに分別するチップ指標グループ分別ステップと、判定ステップの後に、チップ指標グループごとに、チップ指標グループに属する全ての追加不良チップを含みかつ最小の矩形の領域の外周に1チップ分以上加えた矩形領域内にある不良チップ数と追加不良チップ数の差又は比率に基づいて判定ステップの判定の妥当性を確認する判定妥当性確認ステップを含むようにすれば、より精度の高い判定妥当性の確認を行なうことができる。
さらに、判定妥当性確認ステップはチップ指標に応じて判定基準を異ならせるようにすれば、判定妥当性の確認をより精度よく行なうことができる。
本発明のチップ分類プログラムでは、本発明の良品チップ分類方法の各ステップをコンピュータに実行させるようにしたので、自動で、集中不良分布近傍のチップを品質低下の危惧の程度に応じて分類することができる。
本発明のチップ品質判定プログラムでは、本発明のチップ品質判定方法の各ステップをコンピュータに実行させるようにしたので、コンピュータを用いて本発明のチップ品質判定方法を実施することができ、従来、問題のありそうなチップの選定に割いていた多大な人的工数をなくすことができ、さらに作業者の経験に頼っていた判断基準を改善できる。
本発明のマーキング機構では、ウエハの目的の位置に印を付けるためのマーキング部と、マーキング部の動作を制御するための制御部を備え、制御部は本発明のチップ品質判定プログラムを備えており、本発明のチップ品質判定プログラムが不良チップ又は追加不良チップと判定したチップに対応するウエハ位置に印を付けるようにマーキング部を動作させるようにしたので、判定用チップ指標やしきい値等の判定条件を予め入力しておけば、一部に不良チップがあるウエハにおいて品質を保証しつつチップの品質を判定し、不良チップと判定されたチップに対して自動で印を付けることができる。
本発明の半導体装置の製造方法では、ウエハ上でX軸方向及びY軸方向にマトリクス状に配置されたチップの良品と不良品を判定するウエハテスト工程と、本発明のチップ品質判定方法を用いて追加不良チップを検出するチップ品質判定工程と、上記ウエハからチップを切り出すチップ切出し工程と、を含むようにしたので、品質を保証しつつチップの品質をより精度よく判定できる。
さらに、上記チップ品質判定工程で良品チップと認識されたチップのみをパッケージングするパッケージング工程を含むようにすれば、品質に問題のある不良チップ、及び品質低下の危惧の程度が高い追加不良チップを排除してチップをパッケージングすることができ、パッケージングされた半導体装置の信頼性の向上を図ることができる。
本発明のチップ品質判定方法の一実施例は、ウエハテスト結果に基づいて不良チップ近傍の連続性検証による集中不良分布検出後、集中不良分布近傍の良品チップを複数のチップ指標に分類するステップを有する。
図1はウエハテスト工程の最終的なウエハテスト結果の一例である。
ウエハ101上で複数のチップがX軸方向及びY軸方向にマトリクス状に配置されている。ウエハテストで良品チップと判定されたチップは良品チップ107のように無印、不良チップと判定されたチップは不良チップ103,105のように×印で示されている。
図2はチップ品質判定方法の一実施例を説明するためのフローチャートである。図3から図5はこの実施例で設定される集中不良分布近傍領域を拡大して示す図である。図1から図5を参照してこの実施例を説明する。
ステップS1:ウエハ101上でX軸方向及びY軸方向にマトリクス状に配置されたチップの良品と不良品を判定する(ウエハテストステップ)。
ステップS2:ウエハテストステップS1でのウエハテスト結果に基づいて、X軸方向及びY軸方向での4方向に斜め45度方向を加えた8方向での不良チップの連続性の確認を行ない、連続する不良チップは同じグループに属するように不良チップを不良グループに分別する(不良チップ分別ステップ)。図1に示したウエハテスト結果では9つの不良グループに分別される。
なお、図1に示したウエハテスト結果において、X軸方向及びY軸方向での4方向での不良チップの連続性に基づいて不良チップを不良グループに分別した場合、不良チップは10個の不良グループに分類される。
ステップS3:各不良グループについて、その不良グループに属する不良チップ数と予め設定された不良チップ数しきい値を比較し、不良チップ数が不良チップ数しきい値以上のときにその不良グループを集中不良分布と判定する(集中不良分布判定ステップ)。ここで、不良チップ数しきい値を例えば「10」とすると、図1に示したウエハテスト結果では不良チップ103を含む不良グループのみが集中不良分布Aと判定される。集中不良分布判定ステップS3は、周囲のチップ品質に影響を及ぼさない小規模な不良グループを処理の対象から外すために行なうものである。
ステップS4:集中不良分布Aに属する全ての不良チップ及び近傍の良品チップを含む所定範囲の集中不良分布近傍領域を設定する(集中不良分布近傍領域設定ステップ)。この実施例では、集中不良分布Aに属する全ての不良チップを含みかつ最小の矩形の領域の外周に1チップ分加えた矩形領域を集中不良分布近傍領域Bとした(図3参照)。この実施例では集中不良分布近傍領域Bにおいて集中不良分布Aに属していない不良チップ105は良品チップとして処理を行なう。ただし、不良チップ105について以下に説明する処理を行なわなくてもよい。
ステップS5:集中不良分布近傍領域B内にある良品チップを判定対象チップとし、判定対象チップごとにX軸方向及びY軸方向での4方向について集中不良分布Aに属する不良チップが存在する方向の数を算出し、その方向数によって判定対象チップをチップ指標「0」、「1」、「2」、「3」、「4」に分類する(分類ステップ)。ここで、判定対象チップ(良品チップ)のみについてチップ指標を求めてもよいし、集中不良分布Aに属する不良チップについても同様にチップ指標を求めてもよい。図4に得られたチップ指標を示す。例えば、集中不良分布Aに属する不良チップに囲まれている判定対象チップ、すなわち集中不良分布Aに属する上記4方向に不良チップが存在している判定対象チップはチップ指標「4」となる。分類ステップS5によれば、集中不良分布近傍領域B内の判定対象チップはチップ指標「0」〜「4」のいずれかに必ず属することとなる。
経験上、不良チップに取り囲まれている良品チップほど品質が低下することがわっている。分類ステップS5で求めたチップ指標は、チップ指標「0」よりチップ指標「1」、チップ指標「1」よりチップ指標「2」と、チップ指標の番号が大きくなるほど不良チップに取り囲まれている度合いの高い判定対象チップとなる。
ステップS6:チップ指標ごとに予め定められた判定用範囲内に集中不良分布に属する不良チップが存在する判定対象チップを追加不良チップと判定する(判定ステップ)。一例として、この実施例では、判定用範囲を、チップ指標「0」、「1」、「2」については「周囲1チップ分の矩形領域」、チップ指標「3」については「周囲2チップ分の矩形領域」、チップ指標「4」については「周囲3チップ分の矩形領域」とした。図5に追加不良チップをシボで表示した結果を示す。追加不良チップは追加インク打ち対象チップとして処理される。この実施例によれば、集中不良分布Aに属する不良チップに隣接していないが不良チップに取り囲まれている良品チップ107を追加不良チップとして検出することができる。
このように、集中不良分布Aに属する不良チップから所定範囲内にある良品チップについて追加不良チップと判定する際、上記チップ指標を用いることにより適切な追加インク対象チップ判定が可能となる。
図6はチップ品質判定方法の他の実施例を説明するためのフローチャートである。図7及び図8はこの実施例で設定される集中不良分布近傍領域を拡大して示す図である。図6から図8を参照してこの実施例を説明する。ステップS1〜ステップS5は、上記ステップS1〜ステップS5と同じであるので説明は省略する。
ステップS5−1:分類ステップS5で分類した判定対象チップのうち、チップ指標「4」に属する判定対象チップ(4方向不良チップと言う、図4参照)に対してX軸方向及びY軸方向での4方向について集中不良分布Aに属する不良チップとの間に他の判定対象チップの存在及び他の4方向不良チップの存在を判定する。上記4方向の全部について、集中不良分布Aに属する不良チップとの間に他の判定対象チップが存在しない又は他の4方向不良チップのみが存在すると判定された4方向不良チップを別のチップ指標、例えばチップ指標「5」に分類する(第2分類ステップ)。図7に分類ステップS5及び第2分類ステップS5−1で分類した結果を示す。第2分類ステップS5−1でチップ指標「5」と分類された判定対象チップはチップ指標「4」よりも不良チップに取り囲まれている度合いが高いと判定できる。
ステップS6−1:チップ指標ごとに予め定められた判定用範囲内に集中不良分布に属
する不良チップが存在する判定対象チップを追加不良チップと判定する(判定ステップ)。一例として、この実施例では、判定用範囲を、チップ指標「0」、「1」、「2」については「周囲1チップ分の矩形領域」、チップ指標「3」については「周囲2チップ分の矩形領域」、チップ指標「4」については「周囲3チップ分の矩形領域」、チップ指標「5」については「周囲4チップ分の矩形領域」、とした。図8に追加不良チップをシボで表示した結果を示す。追加不良チップは追加インク打ち対象チップとして処理される。
この実施例によれば、4方向不良チップはウエハテストで良品と判定されても異常の影響を受けている可能性が高いので、4方向不良チップを追加インク打ちの対象とすることができ、より適切な追加インク打ち対象チップ判定が可能になる。
図9はチップ品質判定方法のさらに他の実施例を説明するためのフローチャートである。図10から図12はこの実施例で設定される集中不良分布近傍領域を拡大して示す図である。図9から図12を参照してこの実施例を説明する。ステップS1〜ステップS5−1は、上記ステップS1〜ステップS5−1と同じであるので説明は省略する。
ステップS5−2:第2分類ステップS5−1の後、集中不良分布近傍領域B内の判定対象チップをX軸方向及びY軸方向の4方向での連続性に基づいて4方向良品グループに分別する(4方向判定対象チップ分別ステップ)。図10に4方向判定対象チップ分別ステップS5−2で判定対象チップを分別した結果を示す。ここでは集中不良分布近傍領域B内の判定対象チップは4方向良品グループ「a」、「b」、「c」、「d」の4つのグループに分別される。
ステップS5−3:予め設定された4方向良品グループ判定用チップ指標と同じチップ指標をもつ判定対象チップを含んでいない4方向良品グループに属する判定対象チップを別のチップ指標、例えばチップ指標「6」に分類する(第3分類ステップ)。この実施例では4方向良品グループ判定用チップ指標を「3」とし、判定用チップ指標を含んでいる4方向良品グループのチップ指標には変更を加えないようにした。4方向良品グループ「a」はチップ指標「3」に属する判定対象チップを含んでいるので、チップ指標はそのままである。4方向良品グループ「b」、「c」、「d」はチップ指標「3」に属する判定対象チップを含んでいないので、チップ指標「6」に分類される。図11に分類ステップS5、第2分類ステップS5−1及び第3分類ステップS5−3で分類した結果を示す。チップ指標「6」に属する判定対象チップは不良チップに取り囲まれている度合いがチップ指標「5」よりもさらに高い判定対象チップであると判定できる。
ステップS6−2:チップ指標ごとに予め定められた判定用範囲内に集中不良分布に属する不良チップが存在する判定対象チップを追加不良チップと判定する(判定ステップ)。一例として、この実施例では、判定用範囲を、チップ指標「0」、「1」、「2」については「周囲1チップ分の矩形領域」、チップ指標「3」については「周囲2チップ分の矩形領域」、チップ指標「4」については「周囲3チップ分の矩形領域」、チップ指標「5」(この実施例では存在しない)については「周囲4チップ分の矩形領域」、チップ指標「6」については「周囲5チップ分の矩形領域」とした。図12に追加不良チップをシボで表示した結果を示す。追加不良チップは追加インク打ち対象チップとして処理される。
この実施例によれば、不良チップに取り囲まれている度合いの高い判定対象チップを検出でき、それらの判定対象チップを別のチップ指標に分類して、より適切な追加インク打ち対象チップ判定が可能になる。
図13はチップ品質判定方法のさらに他の実施例を説明するためのフローチャートである。図14から図16はこの実施例で設定される集中不良分布近傍領域を拡大して示す図である。図13から図16を参照してこの実施例を説明する。ステップS1〜ステップS5−3は、上記ステップS1〜ステップS5−3と同じであるので説明は省略する。
ステップS5−4:第3分類ステップS5−3の後、集中不良分布近傍領域B内の判定対象チップをX軸方向及びY軸方向での4方向に斜め45度方向を加えた8方向での連続性に基づいて8方向良品グループに分別する(8方向判定対象チップ分別ステップ)。図14に8方向判定対象チップ分別ステップS5−3で判定対象チップを分別した結果を示す。ここでは集中不良分布近傍領域B内の判定対象チップは8方向良品グループ「a」、「b」、「c」の3つのグループに分別される。
ステップS5−5:予め設定された8方向良品グループ判定用チップ指標と同じチップ指標をもつ判定対象チップを含んでいない8方向良品グループに属する判定対象チップを別のチップ指標、例えばチップ指標「7」に分類する(第4分類ステップ)。この実施例では8方向良品グループ判定用チップ指標を「3」とし、これらの判定用チップ指標のうち少なくとも1つを含んでいる8方向良品グループのチップ指標には変更を加えないようにした。8方向良品グループ「a」はチップ指標「3」に属する判定対象チップを含んでいるので、チップ指標はそのままである。8方向良品グループ「b」、「c」はチップ指標「3」に属する判定対象チップを含んでいないので、チップ指標「7」に分類される。図15に分類ステップS5、第2分類ステップS5−1、第3分類ステップS5−3及び第4分類ステップS5−5で分類した結果を示す。チップ指標「7」に属する判定対象チップは不良チップに取り囲まれている判定対象チップであると判定できる。
ステップS6−3:チップ指標ごとに予め定められた判定用範囲内に集中不良分布に属する不良チップが存在する判定対象チップを追加不良チップと判定する(判定ステップ)。一例として、この実施例では、判定用範囲を、チップ指標「0」、「1」、「2」については「周囲1チップ分の矩形領域」、チップ指標「3」については「周囲2チップ分の矩形領域」、チップ指標「4」については「周囲3チップ分の矩形領域」、チップ指標「5」(この実施例では存在しない)については「周囲4チップ分の矩形領域」、チップ指標「6」については「周囲5チップ分の矩形領域」、チップ指標「7」については「周囲6チップ分の矩形領域」とした。図16に追加不良チップをシボで表示した結果を示す。追加不良チップは追加インク打ち対象チップとして処理される。
この実施例によれば、不良チップに取り囲まれている判定対象チップを検出でき、その判定対象チップを別のチップ指標に分類して、より適切な追加インク打ち対象チップ判定が可能になる。
なお、4方向判定対象チップ分別ステップS5−2と8方向判定対象チップ分別ステップS5−4は、判定対象チップのグループ分けにおいて斜め方向の連続性を除外するか含めるかの違いだけで、実際のデータ処理では極めて似た処理で行なうことができる。よって、各良品チップのグループ分けにおいてはグループIDを2種類持たせておけば同時に処理を行なうことができ、データ処理時間を短縮することができる。
本発明のチップ品質判定方法において、最初にチップ指標を算出する分類ステップは元となる分類なので必要である。また、第2分類ステップ、4方向判定対象チップ分別ステップ及び第3分類ステップの組、8方向判定対象チップ分別ステップ及び第4分類ステップの組を採用する場合、それらの組合せ及び処理順序は任意である。なお、分類ステップでチップ指標「4」に分類される判定対象チップがないときはそれ以降の第2、第3、第4の分類ステップを試みても結果は同じである。
また、第2、第3、第4の分類ステップにおいて、理論上最大番号となるチップ指標に属する判定対象チップがないときは、以降の分類ステップを試みても結果は同じである。
したがって、さらに次元の高い分類ステップを用いる前に理論上最大番号となるチップ指標に属する判定対象チップの有無を確認すれば情報処理に要する時間を短縮することができる。
また、第2、第3、第4の分類ステップは、分類ステップでチップ指標「4」と判定された判定対象チップの更なる分析である。今回はこの分析により更なるチップ指標を定義したが、第2、第3、第4の分類ステップの分析結果をチップ指標の定義ではなくチップ指標「4」に属する各判定対象チップの要素としてもよい。例えば、チップ指標の分類は「0」から「4」の5種類とし、チップ指標「4」の分類としてレベル「1」から「3」を設けるなどである。
上記実施例の判定ステップでは、チップ指標ごとに判定用範囲を設けて、集中不良分布に属する不良チップから判定用範囲内にあるチップを追加不良チップと判定する方法を述べたが、判定ステップの実施形態は他にもいろいろある。
例えば、判定対象ステップの他の例は、本発明の良品チップ分類方法により集中不良分布近傍領域内の判定対象チップをチップ指標に分類した後、予め定められた判定用チップ指標と同じチップ指標をもつ判定対象チップを追加不良チップと判定するものである。例えば、判定用チップ指標を「3」以上、すなわち判定用チップ指標「3」,「4」,「5」,「6」,「7」とし、判定用チップ指標と同じチップ指標に属する判定対象チップを追加不良チップと判定する。ここで、チップ指標が「2」以下であっても、集中不良分布に属する不良チップに隣接する良品チップについては追加不良チップと判定することが好ましい。
また、他の判定ステップとしては集中不良分布近傍領域内の判定対象チップに対して集中不良分布が及ぼす影響を指数化するとともにチップ指標ごとに指数のしきい値を設定しておき、指数としきい値を比較して追加不良チップを判定する方法である。
図17はチップ品質判定方法のさらに他の実施例を説明するためのフローチャートである。図18及び図19はこの実施例で設定される集中不良分布近傍領域を拡大して示す図である。図17から図19を参照してこの実施例を説明する。ステップS1〜ステップS5−5は、上記ステップS1〜ステップS5−5と同じであるので説明は省略する。
ステップS5−6:第4分類ステップS5−5の後、判定対象チップごとに、その判定対象チップから所定範囲内かつ集中不良分布近傍領域B内にある不良チップの個数を算出し、その個数を近傍不良チップ指数とする(近傍不良チップ指数算出ステップ)。この実施例では、近傍不良チップ指数算出ステップS5−6での所定範囲を判定対象チップの周囲2チップ分の矩形とした。図18に近傍不良チップ指数算出ステップS5−6で算出した近傍不良チップ指数の結果を示す。なお、集中不良分布近傍領域設定ステップS5−6は、集中不良分布近傍領域設定ステップS4と下記判定ステップS6−4の間であれば、どのタイミングで行なってもよい。
ステップS6−4:チップ指標ごとに予め設定された近傍不良チップ指数しきい値以上の近傍不良チップ指数をもつ判定対象チップを追加不良チップと判定する(判定ステップ)。一例として、この実施例では、近傍不良チップ指数しきい値を、チップ指標「6」、「7」については「0」、チップ指標「5」については「5」、チップ指標「4」については「6」、チップ指標「3」については「10」、チップ指標「2」については「12」、チップ指標「0」、「1」については判定対象外とした。図15に示した集中不良分布近傍領域Bにおけるチップ指標及び上記近傍不良チップ指数しきい値を用いて追加不良チップを判定した。図19に追加不良チップをシボで表示した結果を示す。追加不良チップは追加インク打ち対象チップとして処理される。ここで、判定ステップS6−4は、集中不良分布Aに属する不良チップに隣接する良品チップについては追加不良チップと判定するようにしてもよい。
図20はチップ品質判定方法のさらに他の実施例を説明するためのフローチャートである。図21及び図22はこの実施例で設定される集中不良分布近傍領域を拡大して示す図である。図20から図22を参照してこの実施例を説明する。ステップS1〜ステップS5−5は、上記ステップS1〜ステップS5−5と同じであるので説明は省略する。
ステップS5−7:第4分類ステップS5−5の後、判定対象チップごとに、X軸方向及びY軸方向での4方向における集中不良分布近傍領域内の不良チップまでの最短距離を算出し、その最短距離を不良チップまでの距離指数とする(不良チップまでの距離指数算出ステップ)。図21に不良チップまでの距離指数算出ステップS5−7で算出した不良チップまでの距離指数の結果を示す。なお、不良チップまでの距離指数算出ステップS5−7は、集中不良分布近傍領域設定ステップS4と下記判定ステップS6−5の間であれば、どのタイミングで行なってもよい。
ステップS6−5:チップ指標ごとに予め設定された不良チップまでの距離指数しきい値以下の不良チップまでの距離指数をもつ判定対象チップを追加不良チップと判定する(判定ステップ)。一例として、この実施例では、不良チップまでの距離指数しきい値を、チップ指標「7」については「3」、チップ指標「4」、「5」、「6」については「2」、チップ指標「0」、「1」、「2」、「3」については判定対象外とした。図15に示した集中不良分布近傍領域Bにおけるチップ指標及び上記不良チップまでの距離指数しきい値を用いて追加不良チップを判定した。図22に追加不良チップをシボで表示した結果を示す。追加不良チップは追加インク打ち対象チップとして処理される。ここで、判定ステップS6−5は、集中不良分布Aに属する不良チップに隣接する良品チップについては追加不良チップと判定するようにしてもよい。
不良チップまでの距離指数算出ステップS5−7では、図21をみて分かるように、集中不良分布Aの角に位置する判定対象チップの指数が隣の判定対象チップの指数と大きく異なることがある。しかし、チップ指標「4」以上の次元では有効な判断材料として用いることができる。また、不良チップまでの距離指数は分類ステップS5の際に同時に算出することも可能なのでデータ処理の時間短縮としては有効な手法である。
ここでは、X軸方向及びY軸方向での4方向での不良チップまでの最短距離を算出して指数としたが、X軸方向及びY軸方向にとらわれない不良チップまでの最短距離は、各判定対象チップをぐるりと1周2周と集中不良分布に属する不良チップの有無を確認するだけで簡単に求めることができるのでこれを不良チップまでの指数と用いてもよい。より詳細には、各周の確認はまずX軸方向及びY軸方向の4方向を確認し、次に斜め45度方向の確認というように、各チップ中心間の距離が徐々に離れていくように確認することが好ましい。
上記の実施例では、説明を理解し易くするために、集中不良分布Aに属する全ての不良チップを含みかつ最小の矩形の領域の外周に1チップ分加えた矩形領域を集中不良分布近傍領域Bとして切り出した。しかし、集中不良分布近傍領域は集中不良分布に属する全ての不良チップを含む領域であれば特に大きさや形状にこだわらない。
例えば、集中不良分布に属する全ての不良チップを含みかつ最小の矩形領域を集中不良分布近傍領域とした場合、当然であるが集中不良分布近傍領域外で不良チップに隣接する良品チップの判定ができなくなる。しかし、集中不良分布近傍領域外であっても集中不良分布に属する不良チップから所定範囲内にある良品チップを追加不良チップと判定する判定ステップを用いるのであれば、不良チップに隣接する良品チップは追加インク打ち対象となる。集中不良分布に属する全ての不良チップを含みかつ最小の矩形領域を集中不良分布近傍領域とする場合は、上記実施例での集中不良分布近傍領域Bに比べて判定対象チップ数が少なくなるので、データ処理時間を短縮することができる。
また、自動的に追加不良チップを判定した場合、追加インク打ち対象チップとなる追加不良チップが予想以上に多くなってしまうことがある。
このような不具合を解消するためには、判定ステップの後に、判定ステップの判定結果の妥当性を確認する判定妥当性確認ステップを行なうことが好ましい。
判定妥当性確認ステップの例として、集中不良分布近傍領域内にある集中不良分布に属する不良チップ数と追加不良チップ数の差又は比率に基づいて判定ステップの判定の妥当性を確認する方法を挙げることができる。これにより、判定ステップで必要以上に追加不良チップを設定しまった場合にそれらの追加不良チップの全部が追加インク打ち対象チップになってしまうという不具合を防止できる。ここで、集中不良分布に属する不良チップの個数に応じて判定基準を異ならせるようにすれば、集中不良分布の規模に応じて判定妥当性確認ステップを行なうことができ、判定ステップの判定の妥当性を適切に確認することができる。
例えば、図2を参照して説明した上記ステップS1〜ステップS6により算出した追加不良チップは図5のシボで示したチップ指標「3」及び「4」の判定対象チップである。図5において、集中不良分布近傍領域B内にある集中不良分布Aに属する不良チップ数は「103」、追加不良チップ数は「86」である。
上記判定妥当性確認ステップでは、例えば、集中不良分布近傍領域内にある集中不良分布に属する不良チップ数と追加不良チップ数の差がしきい値「10」以上のときは妥当であると判断する。集中不良分布近傍領域Bでは不良チップ数と追加不良チップ数の差は「17」なので、集中不良分布近傍領域Bに対する判定ステップS6の判定は妥当と判断できる。
また、判定妥当性確認ステップにおいて、集中不良分布近傍領域内にある不良チップ数と追加不良チップ数の比率に基づいて判定ステップの妥当性を確認してもよい。例えば、(追加不良チップ)/(集中不良分布に属する不良チップ)<1であれば妥当であると判断する。集中不良分布近傍領域Bでは、(追加不良チップ)/(集中不良分布Aに属する不良チップ)=86/103<1なので、集中不良分布近傍領域Bに対する判定ステップS6の判定は妥当と判断できる。
なお、判定妥当性確認ステップによって不適当と判断されれば、別のアルゴリズムで追加不良チップを求めればいい。
また、他の判定妥当性確認ステップの例として、集中不良分布近傍領域内で同一のチップ指標をもつ追加不良チップをX軸方向及びY軸方向での4方向又はそれに斜め45度方向を加えた8方向での連続性に基づいてチップ指標グループに分別し、チップ指標グループに属する全ての追加不良チップを含みかつ最小の矩形の領域の外周に1チップ分以上加えた矩形領域内にある不良チップ数と追加不良チップ数の差又は比率に基づいて判定ステップの判定の妥当性を確認する方法を挙げることができる。これにより、より精度の高い判定妥当性の確認を行なうことができる。ここで、チップ指標グループに属する追加不良チップのチップ指標に応じて判定基準を異ならせるようにすれば、判定妥当性の確認をより精度よく行なうことができる。
この判定妥当性確認ステップは、チップ指標別に追加不良チップを連続性によりグループ化し、グループ指定で追加インク打ち対象とする場合に有効な手法である。
図23はチップ品質判定方法のさらに他の実施例を説明するためのフローチャートである。図24及び図25はこの実施例で設定される集中不良分布近傍領域を拡大して示す図である。図23から図25を参照してこの実施例を説明する。ステップS1〜ステップS6は、図2を参照して説明した上記ステップS1〜ステップS6と同じであるので説明は省略する。
ステップS7:集中不良分布近傍領域B内で同一のチップ指標をもつ判定対象チップをX軸方向及びY軸方向での4方向又はそれに斜め45度方向を加えた8方向での連続性に基づいてチップ指標グループに分別する(チップ指標グループ分別ステップ)。集中不良分布近傍領域設定ステップステップS4で算出したチップ指標(図4参照)において、チップ指標「3」に注目すると、集中不良分布近傍領域B内でチップ指標「3」をもつ追加不良チップを3つのチップ指標グループ「a」、「b」、「c」に分別できる。図24に、チップ指標グループに分別した結果を示す。
ステップS8:チップ指標グループ「a」、「b」、「c」のそれぞれについて、チップ指標グループに属する全ての追加不良チップを含みかつ最小の矩形の領域の外周に1チップ分以上、ここでは2チップ分加えた判定妥当性確認用の矩形領域内にある集中不良分布Aに属する不良チップ数と追加不良チップ数の差又は比率に基づいて判定ステップの判定の妥当性を確認する(判定妥当性確認ステップ)。
図25に、チップ指標グループ「a」に対して判定ステップの判定妥当性を確認するための矩形領域Cを示す。
チップ指標グループ「a」に対する判定妥当性確認用の矩形領域Cにおいて、集中不良分布Aに属する不良チップ数は「42」、追加不良チップ数は「36」である。ステップS8では、例えば、集中不良分布に属する不良チップ数と追加不良チップ数の差がしきい値「5」以上のチップ指標グループは妥当であると判断する。チップ指標グループ「a」に対する判定妥当性確認用の矩形領域Cでは集中不良分布Aに属する不良チップ数と追加不良チップ数の差は「6」なので、チップ指標グループ「a」に対する判定ステップの判定は妥当と判断できる。
同様に、チップ指標グループ「b」に対する判定妥当性確認用の矩形領域では集中不良分布Aに属する不良チップ数が「13」、追加不良チップ数が「1」であり、その差は「12」なので、チップ指標グループ「b」に対する判定ステップの判定は妥当と判断できる。
また、チップ指標グループ「c」に対する判定妥当性確認用の矩形領域では集中不良分布Aに属する不良チップ数が「30」、追加不良チップ数が「16」であり、その差は「14」なので、チップ指標グループ「c」に対する判定ステップの判定は妥当と判断できる。
また、判定妥当性確認ステップS8において、判定妥当性確認用の矩形領域内にある不良チップ数と追加不良チップ数の比率に基づいて判定ステップの妥当性を確認してもよい。例えば、(追加不良チップ)/(集中不良分布に属する不良チップ)<1であれば妥当であると判断する。判定妥当性確認用の矩形領域Cでは、(追加不良チップ)/(集中不良分布Aに属する不良チップ)=36/42<1なので、チップ指標グループ「a」に対する判定ステップの判定は妥当と判断できる。
同様に、チップ指標グループ「b」に対する判定妥当性確認用の矩形領域では集中不良分布Aに属する不良チップ数が「13」、追加不良チップ数が「1」であり、(追加不良チップ)/(集中不良分布Aに属する不良チップ)=1/13<1なので、チップ指標グループ「b」に対する判定ステップの判定は妥当と判断できる。
また、チップ指標グループ「c」に対する判定妥当性確認用の矩形領域では集中不良分布Aに属する不良チップ数が「30」、追加不良チップ数が「16」であり、(追加不良チップ)/(集中不良分布Aに属する不良チップ)=16/30<1なので、チップ指標グループ「c」に対する判定ステップの判定は妥当と判断できる。
チップ指標「0」、「1」、「2」、「4」についても同様の処理を行なう。ここで、チップ指標に応じて妥当性の判断基準を変えてもよい。なお、あるチップ指標グループにおいて追加不良チップが存在しない場合は、そのチップ指標グループに対しては判定妥当性確認用の矩形領域を形成できないので、妥当、不適当の判定は行なわない。
このようにチップ指標グループごとに判定の妥当性確認を行なうことはより精度の高い妥当性確認へとつながる。
判定妥当性確認ステップS8で判定ステップの判定が不適当と判断されたチップ指標グループが存在する場合は、例えば別のアルゴリズムで追加不良チップを求める処理に戻る。
また、判定妥当性確認ステップS8で、すべてのチップ指標グループの判定妥当性を判断が終了する前に、いずれかのチップ指標グループで判定ステップの判定が不当であると判断した場合には、残りのチップ指標グループの判定妥当性確認処理を行なわなくてもよい。
また、この実施例では、判定妥当性確認用の矩形領域内にある不良チップ数と追加不良チップ数の差に基づいて判定妥当性確認ステップS8を行なったが、不良チップ数と追加不良チップ数の比率に基づいて判定妥当性確認ステップS8を行なってもよい。
また、この実施例では、チップ指標グループ分別ステップS7及び判定妥当性確認ステップS8は、判定ステップS6での判定の妥当性の確認をしているが、上記判定ステップS6−1〜S6−5のいずれにも適用できることは言うまでもない。
ところで、本発明のアルゴリズムは処理すべき集中不良分布を明確にすることから始まる。経験上、ウエハ周辺とそれ以外の領域では品質低下の危惧の程度が異なるため、ウエハ周辺とそれ以外の領域で処理対象とする集中不良分布の判定の基準を異ならせることが好ましい。
図26はウエハテスト工程の最終的なウエハテスト結果の他の例である。
ウエハテストで良品チップと判定されたチップは無印、不良チップと判定されたチップは×印で示されている。また、チップ配列で最外周に位置しているチップをウエハ周辺チップMとする。ウエハ周辺チップMは強制マークチップである。なお、ウエハ周辺チップは必ずしも強制マークチップとされるものではなく、ウエハ周辺チップを判定対象チップとすることもできる。
不良チップ分別ステップにより、ウエハテスト結果に基づいて各不良チップについて隣接する不良チップの存在の確認を行ない、隣接する不良チップは同じグループに属するように不良チップを不良グループに分別する。図26に示したウエハテスト結果では9つの不良グループに分別される。
次に、集中不良分布判定ステップにより、各不良グループについてその不良グループに属する不良チップ数と予め設定された不良チップ数しきい値を比較し、不良チップ数が不良チップ数しきい値以上のときにその不良グループを集中不良分布と判定する。
ここで、8個の不良チップからなる不良グループ「G1」はウエハ中央部に分布している。したがって、8チップ程度の規模であれば特に集中不良分布として処理する必要はない。
これに対し、8個の不良チップからなる不良グループ「G2」は不良グループ「G2」に属する不良チップのうち2個がウエハ周辺チップMに隣接している。不良グループ「G2」はウエハ周辺に位置しているので、8チップ程度の規模であってもウエハ周辺での影響を考えると集中不良分布として処理する必要があると言える。特に、ウエハテストで不良チップと判定されたテスト項目が最初のロジックテストの場合、経験上、ウエハ周辺部における不良チップでは異物等によるパターン欠陥であることが多く、その不良チップの近傍のチップの品質は低下することが分かっている。したがって、集中不良分布判定ステップにおいて集中不良分布と判定する際の不良チップ数しきい値は判定対象の不良グループの位置、例えばウエハ周辺部とウエハ中央部によって異ならせることが好ましい。さらに、ウエハ周辺部については、不良グループに属する不良チップのうち少なくとも1つがウエハ周辺チップMに隣接している不良グループと、いずれの不良チップもウエハ周辺チップMには隣接していない不良グループで不良チップ数しきい値を異ならせることが好ましい。
例えば、ウエハ周辺チップMに隣接している不良グループについては不良チップ数しきい値を「8」とする。また、ウエハ周辺チップMには隣接していないが、少なくとも1つの不良チップがウエハ周辺チップMから所定範囲内、例えば3チップ分の矩形領域内に位置しているウエハ周辺部の不良グループについては不良チップ数しきい値を「10」とする。また、不良グループに属する全ての不良チップがウエハ周辺チップMから所定範囲内、例えば3チップ分の矩形領域内には位置していないウエハ中央部の不良グループについては不良チップ数しきい値を「20」とする。ただし、これらの不良チップ数しきい値及びウエハ周辺チップMから所定範囲は一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ウエハにおける不良グループの位置に対する不良チップ数しきい値は2種類であってもよいし、4種類以上であってもよい。
上記判定基準を用いた集中不良分布判定ステップによれば、図26に示したウエハテスト結果において、不良グループ「G2」,「G3」は集中不良分布と判定され、不良グループ「G1」,「G4」,「G5」は集中不良分布とは判定されない。
なお、ウエハ周辺隣接チップ及びウエハ周辺チップはチップレイアウトで決定するので、各チップにウエハ周辺隣接チップなのかウエハ周辺チップなのかそれ以外のチップなのかを予め属性情報としてもたすことができる。よって、不良グループに属する不良チップの属性を調べれば、その不良グループがウエハ周辺に対してどのような位置関係であるかは簡単に判断できる。
また、ウエハ周辺隣接チップ又はウエハ周辺チップであるかの判断は、チップレイアウトで予め識別しておかなくても、例えば特許文献1に開示されたアルゴリズム1Aにより簡単に求めることができる。
ところで、異物によるパターン欠陥による不良チップの分布は実に多様で決して情報処理を行なう者にとって都合のいい分布ばかりではない。例えば図26の不良グループ「G3」,「G4」,「G5」の不良グループ郡は情報処理を行なう者にとって実に都合の悪い例である。
図27から図29は、図26における不良グループ「G3」,「G4」,「G5」の近傍領域を拡大して示す図である。
図27から図29において、ウエハテストで良品チップと判定されたチップは無印、不良チップと判定されたチップは×印、強制マークチップであるウエハ周辺チップはMで示されている。
図27に示した領域において、上述のように不良チップ分別ステップによって不良グループに分別すると、3つの不良グループ「G3」,「G4」,「G5」に分別される。図28に不良グループに分別した結果を示す。
集中不良分布判定ステップにより、不良グループ「G3」,「G4」,「G5」について判定すると、上述のように、不良グループ「G3」のみが集中不良分布と判定される。
集中不良分布である不良グループ「G3」に対し、図2を参照して説明した集中不良分布近傍領域設定ステップS4、分類ステップステップS5及び判定ステップS6と同様にして追加不良チップを求める。図29に集中不良分布近傍領域を太枠で示し、チップ指標を数字で示し、追加不良チップをシボで示す。
図29に示した判定結果では、概ね良好と思える判定が行なわれているように思うが、経験上追加インク打ち対象となる良品チップ109,111は対象外となってしまっている。良品チップ109については、判定ステップS6でチップ指標「2」について判定用範囲を周囲2チップ分の矩形領域とすれば、追加不良チップとして判定できる。しかし、良品チップ111は、不良グループ「G3」に対する集中不良分布近傍領域の外に位置しているので、追加不良チップとは判定できない。
このような不具合を解消する方法として、不良チップ分別ステップは、各不良チップについて所定範囲内にある他の不良チップの存在の確認を行ない、隣接する不良チップのみならず所定範囲内に位置する不良チップも同じグループに属するように不良チップを不良グループに分別する方法を挙げることができる。
図26に示したウエハテスト結果において、例えば周囲2チップ分の矩形領域内に位置する不良チップを同じグループに属すると判定する不良チップ分別ステップを用いれば、上記不良チップ分別ステップでは3つの不良グループ「G3」,「G4」,「G5」に分別された不良チップは1つの不良グループに分別される。この不良グループに対して、図2を参照して説明した集中不良分布判定ステップS3、集中不良分布近傍領域設定ステップS4、分類ステップステップS5及び判定ステップS6と同様にして追加不良チップを求めると、経験上追加インク打ち対象となる良品チップ111を追加不良チップと判定することができる。
また、上記不具合を解消する他の方法として、集中不良分布判定ステップは、集中不良分布と判定した不良グループから所定範囲内に位置する不良チップもしくは他の不良グループ又はその両方も併合して集中不良分布と判定する方法を挙げることができる。
図26に示したウエハテスト結果において、例えば集中不良分布と判定した不良グループ「G3」から周囲2チップ分の矩形領域内に位置する不良グループ「G4」も併合して集中不良分布と判定することができる。この集中不良分布に対して、図2を参照して説明した集中不良分布近傍領域設定ステップS4、分類ステップステップS5及び判定ステップS6と同様にして追加不良チップを求めると、経験上追加インク打ち対象となる良品チップ111を追加不良チップと判定することができる。
また、集中不良分布判定ステップにおいて、上記併合する作業を繰り返し処理するようにすれば、不良グループ「G3」,「G4」からなる集中不良分布に不良グループ「G5」を併合することができる。
なお、これらの不具合解消方法は、図2を参照して説明したアルゴリズム以外の上記アルゴリズムにも適用できる。
次に、コンピュータを用いたシステム化について説明する。
図30は、品質判定システムの一例を示す概略構成図である。この品質判定システムは、テスト時プローバーに備えられたインカー機能を用いないで、マーキングプローバーを用いてインク打ちを行なうものである。
プローバー16にウエハが配置され、ウエハ上の検査対象チップの電極にプローブ針を接触させた状態でテスター15から電力供給及び試験信号供給が行なわれてウエハテストが実施される。ウエハテスト結果はプローバー16から情報管理用ワークステーション17に送られる。ウエハテスト結果をマーキングプローバー19へ直接送る構成であってもよいが、通常、テスター15、プローバー16及びマーキングプローバー19は複数台備えられているので、ウエハテスト結果を情報管理用ワークステーション17に一旦集める方が合理的である。
作業者は、情報管理用ワークステーション17でウエハテスト結果を確認し、手作業で追加インク打ち判定及びマーキングデータの作成を行なう。この作業はX端末18を用いて行なわれることもある。マーキング対象を確定させた後、マーキングプローバー19にロットをかける。マーキングプローバー19は情報管理用ワークステーション17からマーキングデータを読み込み、ウエハテスト結果に基づく不良チップ及び追加インク打ち判定で設定された不良チップに対してインク打ちを行なう。
図31は、本発明のマーキング機構を含む品質判定システムの一例を示す概略構成図である。
情報管理用ワークステーション17にパーソナルコンピュータ20が接続されている。パーソナルコンピュータ20には、本発明のチップ品質判定方法をコンピュータに実行させるための品質判定プログラムを組み込んだアプリケーションソフトがインストールされている。その他の構成は図30に示した品質判定システムと同様である。図30に示した品質判定システムと同様に、ウエハテスト結果はプローバー16から情報管理用ワークステーション17に送られる。
ウエハテスト結果には、各チップの座標情報、合否情報、不良カテゴリー情報等が含まれ、情報管理用ワークステーション17ではウエハテスト結果に関連付けてショットレイアウト情報、ショット範囲内レイアウト位置情報、不良チップ多発範囲情報等が保持されている。マーキングプローバー19は本発明のマーキング機構のマーキング部を構成し、情報管理用ワークステーション17、マーキングプローバー19の動作を制御する制御部、及びパーソナルコンピュータ20は本発明のマーキング機構の制御部を構成する。
図32に本発明の品質判定プログラムを組み込んだアプリケーションソフトの一例のフローチャートを示す。このアプリケーションソフトは、上記で説明したアルゴリズムによる追加インク打ちチップ判定に関する自動判定結果をパーソナルコンピュータ20の画面上に表示し、さらに作業者による追加インク打ち対象チップの変更ができるものである。
まず、プログラムはウエハテスト結果の読み込みを行なう(ステップS11)。ウエハテスト結果より処理対象データに必要な基礎情報の読み込みを行なう(ステップS12)。基礎情報とは、チップレイアウトやチップサイズ、品質判定の方法や判定に用いられる閾値、妥当性確認の方法や合否基準などの情報である。
ウエハ上の集中不良分布の検出を行なう(ステップS13)。
図33は、集中不良分布検出ステップS13について説明するためのフローチャートである。
まず、ウエハ上の不良チップを不良グループに分別するために分別方法が選択される(ステップS31)。選択すべき分別方法は先に述べた基礎情報の一部としてもよいしオペレータが選択してもよい。
例えば、不良グループ分別方法1では、図2を参照して説明した不良チップ分別ステップS2を用いて不良チップを不良グループに分別する(ステップS32)。
グループ分別方法2では、各不良チップについて所定範囲内にある他の不良チップの存在の確認を行ない、隣接する不良チップのみならず所定範囲内に位置する不良チップも同じグループに属するように不良チップを不良グループに分別する上記不良チップ分別ステップを用いて不良チップを不良グループに分別する(ステップS33)。
次に、状況に応じて最適な判定を行なうために、ステップS32又はS33で分別した各不良グループがチップ配列の最外周に位置するウエハ周辺チップとどのような関係にあるかの情報を持たせて不良グループを分類する(ステップS34)。
ウエハ周辺近傍のチップは異物によるパターン欠陥が多い。つまり、ウエハ周辺近傍とウエハ中央部では状況が異なるのである。このような理由により、この実施例では不良グループをウエハ周辺隣接とウエハ周辺近傍とそれ以外(ウエハ中央部)に分類する。
不良グループの分類方法としては不良グループに属するチップの属性を調べればよい。チップの属性はチップレイアウトで決まるので先に述べた基礎情報の一部としてもよいし、不良グループ分別後、各不良グループにおいてウエハ周辺チップとの関係を座標情報より求めてもよい。また、不良グループの分類をウエハ周辺隣接とそれ以外に分類するのであれば、不良グループ分別時の情報で判断できる。
次に集中不良分布の判定を行なう(ステップS35)。これは品質に影響を及ぼさない小規模な不良グループを処理の対象から外すために行なうものである。先に求めた不良グループ分類ごとに対象となる基準を先に述べた基礎情報の一部として設定しておけば、不良グループ分類ごとに異なる規模の不良グループを判定対象の集中不良分布として判定できる。
次に不良グループの併合を行なうかどうかを判断する(ステップS36)。不良グループの併合を行なう場合(Yes)、ステップS37に進んで不良グループの併合を行なう。これは、ウエハ周辺近辺の不良は異物によるパターン欠陥が多い。このような不良の場合、小規模な不良グループが近い位置関係で複数分布する傾向がある。これらの小規模な不良グループは経験上1つのグループとした方が理想的な判定が行なえるからである。
併合処理としては、全不良グループ、もしくは、集中不良分布と判定されたグループにおいて所定の範囲にその不良グループに属さない不良チップがあるかを確認してあれば同一グループとみなす処理の例を挙げることができる。なお、集中不良分布と判定された不良グループを対象に併合処理をする場合は、併合後広がった領域に対しても所定の範囲にその不良グループに属さない不良チップがあるかを確認してあれば、更に併合する処理を行なうか、最初の処理をくり返して最終的な不良グループ分別を行なう。
また、併合処理においては、併合対象の不良グループの規模やその不良グループに属する不良チップの不良となったテスト項目に基づいて併合を行なうか否かを判断してもよい。なお、併合処理を行なうかどうかや、併合処理を行なうときの所定の範囲や併合対象とする不良グループの規模等は定数でもよいし、先に述べた基礎情報の一部としてもよい。
これらの処理により、集中不良分布の検出情報を不良グループリストとし、以後の処理で用いる。各不良グループが併合処理により領域を広げた不良グループなのか、併合対象がなく変化のなかった不良グループなのかも不良グループリスト情報として以後の処理で用いられる。
ステップS36で不良グループを併合しない選択をしたとき(No)、又はステップS37で不良グループの併合を行なうことにより、集中不良分布の検出処理は終わる。
図32に戻って説明を続ける。ステップS13で検出された集中不良分布に対し、集中不良分布ごとに集中不良分布近傍領域を設定し、集中不良分布近傍領域内の判定対象チップについてチップ指標分類を行なう(ステップS14)。
次に集中不良分布近傍領域の設定及びチップ指標分類の説明を行なう。
図34は、チップ指標分類ステップS14を説明するためのフローチャートである。
不良グループリストに従い、対象の集中不良分布を選定し、集中不良分布近傍領域の設定を行なう(ステップS41)。集中不良分布近傍領域は、図2を参照して説明した集中不良分布近傍領域設定ステップS4により、集中不良分布に属する全ての不良チップ及び近傍の良品チップを含む所定範囲に設定される。
設定された集中不良分布近傍領域において良品チップを判定対象チップし、判定対象チップをチップ指標に分類する(基本分類という。ステップS42)。ここで基本分類とは、図2を参照して説明した分類ステップS5であり、集中不良分布近傍領域内の判定対象チップは理論上5種類のチップ指標「0」〜「4」に分類される。
次に拡張分類を行なう(ステップS43)。これはチップ指標「4」を更に細かく分類するものである。拡張分類で行なう処理は、図6を参照して説明した第2分類ステップS5−1、図9を参照して説明した4方向判定対象チップ分別ステップS5−2及び第3分類ステップS5−3、図13を参照して説明した8方向判定対象チップ分別ステップS5−4及び第4分類ステップS5−5である。第4分類ステップS5−5まで処理を行なうと、チップ指標「4」は4種類に分類される。この実施例では、この情報をチップ指標「4」の細分化情報として処理し、集中不良分布近傍領域内をチップ指標「0」から「7」に分類する。これらの分類処理はデータ処理において集中不良分布近傍領域内の判定対象チップのチップ指標情報を用いて行なうので、当然チップ指標によるチップ選定は可能となる。
なお、集中不良分布近傍領域内に位置する、集中不良分布に属さない不良チップは、基本分類ステップS42及び拡張分類ステップS43において良品チップと仮定して処理を行なう。
次に各集中不良分布近傍領域について、チップ指標ごとに座標上の連続性を用いてグループ分別し、チップ指標グループを設定する(ステップS44)。この処理は、図23を参照して説明したチップ指標グループ分別ステップS7と同じである。グループ分別に用いる連続性であるが、斜め方向の連続性を考慮するかしないかは状況により選択すればよい。例えば、不良チップに閉塞される状況となるチップ指標「4」以上に分類されたチップ指標に属する判定対象チップでは全てのチップを追加インク打ち対象とすることが多いので斜め方向を考慮せずにグループ化した方が後述する判定の妥当性確認の精度があがることがある。
以上で集中不良分布近傍領域の設定及びチップ指標分類の処理は終わる。
チップ指標分類の処理により、チップ指標別グループリストが作成され、以後の処理に活用される。
チップ指標分類の説明において使われた所定の範囲等は、定数でもよいし、先に述べた基礎情報の一部としてもよい。
なお、この実施例において、集中不良分布に属する不良チップは、基本分類及び拡張分類による分類の対象外とした。集中不良分布に属する不良チップを分類の対象としても期待する結果を得られるが、以後のデータ処理が複雑になるだけで余り利点はない。
図32に戻って説明を続ける。ステップS14で設定した集中不良分布近傍領域に対し、チップ品質判定、チップ品質判定の妥当性確認及び妥当性判定を行なう(ステップS15)。
この実施例では、チップ品質判定、チップ品質判定の妥当性確認及び妥当性判定を集中不良分布近傍領域ごとに、かつチップ指標グループごとに行なうが、これは限定されたものではなく、集中不良分布近傍領域ごとに行なってもよい。
図35は、チップ品質判定、チップ品質判定の妥当性確認及び妥当性判定ステップS15を説明するためのフローチャートである。
チップ指標別グループリストの情報をもとに、判定を行なう集中不良分布近傍領域及びチップ指標を選択し(ステップS51)、そのチップ指標をもつチップ指標グループを1つ選択する(ステップS52)。
次にチップ品質判定方法の選択ステップで、チップ指標情報などによりチップ品質判定のパターンを選択する(ステップS53)。チップ品質判定のパターンは様々なチップ品質判定法を組み合わせたもので多様な形態がある。
チップ品質判定法1は、予め定められた判定用チップ指標と同じチップ指標をもつ判定対象チップを追加不良チップと判定する方法である。これはチップ指標「6」、「7」に分類された判定対象チップに特に有効である。ここで、チップ指標ごとにチップ指標グループの規模にしきい値を設け、追加不良チップとするか否かを判定してもよい。
チップ品質判定法2は、チップ指標ごとに予め定められた判定用範囲内に集中不良分布に属する不良チップが存在する判定対象チップを追加不良チップと判定する方法である。
チップ品質判定法3は、判定対象チップごとに集中不良分布近傍領域内の不良チップまでの最短距離を算出し、その最短距離を不良チップまでの距離指数し、チップ指標ごとに予め設定された不良チップまでの距離指数しきい値以下の不良チップまでの距離指数をもつ判定対象チップを追加不良チップと判定する。原理としてはチップ品質判定法2と似ているが、集中不良分布との距離をもとに求めた距離指数に、チップ指数ごとに設けた係数をかけて一律のしきい値と比較して判定することも可能なので、品質判定法2よりもデータ処理は簡潔になるとともに処理速度も速くなる。
チップ品質判定法4は、判定対象チップごとに、その判定対象チップから所定範囲内かつ集中不良分布近傍領域内にある不良チップの個数を近傍不良チップ指数とし、チップ指標ごとに予め設定された近傍不良チップ指数しきい値以上の近傍不良チップ指数をもつ判定対象チップを追加不良チップと判定する。チップ品質判定法4においても、チップ指数ごとに設けた係数を近傍不良チップ指数にかけて一律のしきい値と比較して判定することも可能である。
なお、チップ品質判定法3、チップ品質判定法4に用いる指数は、チップ指数ごと又はチップ指数グループごとに求めるよりも、集中不良分布近傍領域内の判定対象チップに対して一度に求めたほうが効率がよいので、判定領域の選択ステップS51以前に求めておいた方が効率はよくなる。
チップ品質判定方法の選択ステップS53では、チップ品質判定法1〜4のいずれか又はそれらのうちの複数の組合せからなる最大で15通りのパターンを用意できる。例えばパターン1は品質判定法1だけであるが、パターン2は品質判定法3と品質判定法4により構成されている。また、複数の品質判定法を用いたパターン場合、それぞれの結果のANDをとるのかORをとるのかなどの総合判定が行なわれる。
ステップS53で選択された品質判定法を用いたチップ品質判定の判定結果は、チップ品質判定の妥当性確認ステップにてその判定の妥当性が検証される(ステップS54)。
判定妥当性確認方法としては、追加不良チップと判定されたチップ数と、追加不良チップと判定された全てのチップを含む最小の矩形領域より予め定められた分だけ広い矩形領域に含まれる集中不良分布に属する不良チップ数の差又は比率を予め定められたしきい値と比較してチップ品質判定結果の妥当性を確認する方法を挙げることができる。
妥当性判定ステップS55で、妥当性確認ステップS54で不適当と判定されていると判断したときは、チップ品質判定方法の選択ステップS53に戻り(NG)、チップ品質判定方法の他のパターンで再判定が行なわれる。
妥当性判定ステップS55で、妥当性確認ステップS54で妥当と判定されていると判断したときは、次チップ指標グループ確認ステップS56に進む(OK)。
また、妥当性確認ステップS54で不適当と判定されていると判断したときであってもチップ品質判定方法の他のパターンが設定されていないときは次チップ指標グループ確認ステップS56に進む(次設定なし)。
最終的なチップ品質判定結果が妥当性確認ステップS54で不適当と判断されたときの判定結果を有効にするか無効にするかは、先に述べた基礎情報の一部に設定しておいてもいいし、全て有効もしくは全て無効としてその旨を後述する画面表示ステップS19(図32参照)の際に表示してオペレータの介在に頼ってもよい。
次チップ指標グループ確認ステップS56で、同じ集中不良分布近傍領域内で同じチップ指標をもつ未判定のチップ指標グループがあると判断したとき(あり)、ステップS52に戻り、その未判定のチップ指標グループについてステップS52〜S55の処理を行なう。
次チップ指標グループ確認ステップS56で、同じ集中不良分布近傍領域で同じチップ指標をもつ未判定のチップ指標グループがないと判断したとき(なし)、次チップ指標確認ステップS57に進む。
次チップ指標確認ステップS57で、同じ集中不良分布近傍領域で未判定のチップ指標があると判断したとき(あり)、ステップS51に戻り、その未判定のチップ指標についてステップS51〜S56の処理を行なう。
次チップ指標確認ステップS57で、同じ集中不良分布近傍領域で未判定のチップ指標がないと判断したとき(なし)、妥当性確認ステップS58に進む。
妥当性確認ステップS58では、集中不良分布近傍領域内の全てのチップ指標グループに対してチップ品質判定の妥当性確認を行なう。
妥当性判定ステップS59により、妥当性確認ステップS58で不適当と判定されていると判断したとき(NG)、判定領域の選択ステップS51に戻り、チップ品質判定法の他のパターンで再判定が行なわれる。
妥当性判定ステップS59により、妥当性確認ステップS58で妥当と判定されていると判断したとき(OK)、その集中不良分布の処理を終了し、次集中不良分布近傍領域確認ステップS60に進む。
また、妥当性確認ステップS58で不適当と判定されていると判断したときであってもチップ品質判定方法の他のパターンが設定されていないときは次集中不良分布近傍領域確認ステップS60に進む(次設定なし)。
ここでも、最終的なチップ品質判定結果が妥当性確認ステップS54で不適当と判断されたときの判定結果を有効にするか無効にするかは、先に述べた基礎情報の一部に設定しておいてもいいし、全て有効もしくは全て無効としてその旨を後述する画面表示ステップS19(図32参照)の際に表示してオペレータの介在に頼ってもよい。
次集中不良分布近傍領域確認ステップS60で、未判定の集中不良分布近傍領域があると判断したとき(あり)、ステップS51に戻り、その未判定の集中不良分布近傍領域についてステップS51〜S58の処理を行なう。
次集中不良分布近傍領域確認ステップS60で、未判定の集中不良分布近傍領域がないと判断したとき(なし)、ウエハ全体でのチップ品質判定の妥当性確認ステップS16(図32参照)に進む。
図32に戻って説明を続ける。妥当性確認ステップS16では、ウエハ全体でのチップ品質判定の妥当性確認を行なう。
妥当性判定ステップS17により、妥当性確認ステップS16で不適当と判定されていると判断したとき(NG)、ステップS14に戻り、集中不良分布ごとに集中不良分布近傍領域を設定し、集中不良分布近傍領域の分類を他の設定で行なう。ここで、ステップS13に戻って集中不良分布の検出を他の設定で行なってもよい。
妥当性判定ステップS17により、妥当性確認ステップS16で妥当と判定されていると判断したとき(OK)、そのウエハの処理を終了し、次ウエハ確認ステップS18に進む。
また、妥当性確認ステップS16で不適当と判定されていると判断したときであっても、ステップS14又はステップS13で他の設定がされていないときは次ウエハ確認ステップS18に進む(次設定なし)。
次ウエハ確認ステップS18で、未判定のウエハがあると判断したとき(あり)、ステップS13に戻り、その未判定のウエハについてステップS13〜S17の処理を行なう。
次ウエハ確認ステップS18で、未判定のウエハがないと判断したとき(なし)、結果を画面に表示し、オペレータの確認を待つ(画面表示ステップS19)。
オペレータによる確認ステップS20では、オペレータによる追加インク打ち対象チップの設定を行なうこともできる(ステップS21)。また、オペレータにより、しきい値などの基礎情報修正を行ない(ステップS22)、ステップS13に戻って再判定もできる。ここで、再判定を行なうウエハをオペレータにより指定してもよいし、全ウエハについて再判定を行なうようにしてもよい。
オペレータによる確認が終わると、チップ品質判定結果をもとにウエハテスト結果に追加不良チップを加える修正を自動で行なう(ステップS23)。ウエハテスト結果の修正により、特定された追加不良チップを含むウエハ全体のマーキングデータ、又は特定された追加不良チップのみのマーキングデータからなる修正ウエハテスト結果が作成される。作成されたマーキングデータはマーキング機構を備えたテスター又はマーキングプローバーに送られ、インク打ちが実施される。
以上説明したように、本発明のチップ品質判定方法によれば、一部に不良チップがあるウエハにおいて品質を保証しつつチップの品質を判定することができる。さらに、本発明のチップ品質判定プログラムによれば、本発明のチップ品質判定方法の各ステップをコンピュータに実行させることができるので、従来、問題のありそうなチップの選定に割いていた多大な人的工数をなくすことができ、さらに作業者の経験に頼っていた判断基準を改善できる。さらに、工数的な問題で追加インク打ちを行なっていなかった工場においても本発明のマーキング機構を用いた追加インク打ちシステムを用いることにより、ウエハ破棄による損失を抑えることができる。
また、システムの構成としては、図31に示したように、データのやり取りが可能になるように本発明のプログラムをインストールしたパソコンとテスターを接続してもいいし、テスター自身に本発明の良品チップ分類方法やチップ品質判定方法などによる再測定チップの選択機能を組み込んでもよい。
ところで、上記実施例では、図4に示したように、集中不良分布近傍領域設定ステップで、集中不良分布Aに属する全ての不良チップを含みかつ最小の矩形領域の外周に1チップ分以上加えた矩形領域を集中不良分布近傍領域Bとして設定している。
しかし、本発明を構成する集中不良分布近傍領域設定ステップにより設定される集中不良分布近傍領域はこれに限定されるものではない。
例えば、集中不良分布近傍領域設定ステップにより設定される集中不良分布近傍領域は、集中不良分布に属する全ての不良チップを含みかつ最小の矩形領域であってもよいし、その矩形領域の外周に2チップ分以上加えた矩形領域であってもよいし、集中不良分布の外周に2チップ分以上加えた領域であってもよい。
図36に、図4と同じ集中不良分布Aに対する集中不良分布近傍領域の他の例を示す。
この集中不良分布近傍領域Dは、図4と同じ集中不良分布Aに対して、集中不良分布Aの外周に2チップ分加えた領域である。このような集中不良分布近傍領域Dであっても、分類ステップ、第2、第3、第4の分類ステップ、判定ステップ、妥当性確認ステップは上記実施例と同様に行なえることは容易に推測できる。
また、上記実施例では、図4に示したように、集中不良分布近傍領域B内にある良品チップを判定対象チップとし、判定対象チップごとにX軸方向及びY軸方向での4方向について集中不良分布Aに属する不良チップが存在する方向の数を算出し、その方向数によって判定対象チップをチップ指標「0」、「1」、「2」、「3」、「4」に分類する分類ステップを採用している。
しかし、本発明を構成する分類ステップはこれに限定されるものではなく、集中不良分布近傍領域内にある良品チップを判定対象チップとし、判定対象チップごとにX軸方向及びY軸方向での4方向に斜め45度方向を加えた8方向ついて集中不良分布に属する不良チップが存在する方向の数を算出し、その方向数によって判定対象チップをチップ指標に分類するものであってもよい。
図37に、図4と同じ集中不良分布A及び集中不良分布近傍領域Bで8方向ついて集中不良分布に属する不良チップが存在する方向の数を算出した結果を示す。
この分類ステップによれば、集中不良分布近傍領域B内の判定対象チップはチップ指標「1」〜「8」のいずれかに必ず属することとなる。図4に示した場合に比べてチップ指標の種類が増えるが、第2、第3、第4の分類ステップ、判定ステップ、妥当性確認ステップは上記実施例と同様に行なえることは容易に推測できる。
次に、本発明の半導体装置の製造方法の一実施例を説明する。
まず、複数のチップがX軸方向及びY軸方向にマトリクス状に配置されたウエハに対してチップの良品と不良品を判定する(ウエハテスト工程)。
そのウエハテスト結果を用い、本発明のチップ品質判定方法により、追加不良チップを検出する(チップ品質判定工程)。
不良チップ又は追加不良チップと判断されたチップに対応するウエハ位置に印を付ける(マーキング工程)。なお、ウエハテスト結果及びチップ品質判定結果の電子情報を元に次工程の処理を行なうインクレスの手法の場合には、ウエハ位置に印を付ける工程は省略される。
ウエハからチップを切り出す(チップ切出し工程)。
切り出したチップのうち、良品チップのみをパッケージング(パッケージング工程)する。ここで、ウエハテスト工程で不良チップと判定されたチップ、及び上記チップ品質判定工程で追加不良チップと判定されたチップについてはパッケージングしない。これにより、パッケージングされた半導体装置の信頼性の向上を図ることができる。
以上、本発明のウエハにおける良品チップ分類方法、それを用いたチップ品質判定方法、ならびにチップ分類プログラム、チップ品質判定プログラム、マーキング機構及び半導体装置の製造方法の実施例を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内で種々の変更が可能である。
ウエハテスト工程の最終的なウエハテスト結果の一例を示す図である。 チップ品質判定方法の一実施例を説明するためのフローチャートである。 同実施例で設定した集中不良分布近傍領域を拡大して示す図である。 同実施例により算出した判定対象チップのチップ指標を示す図である。 同実施例により算出した追加不良チップを示す図である。 チップ品質判定方法の他の実施例を説明するためのフローチャートである。 同実施例により算出した判定対象チップのチップ指標を示す図である。 同実施例により算出した追加不良チップを示す図である。 チップ品質判定方法のさらに他の実施例を説明するためのフローチャートである。 同実施例により算出した4方向良品グループを示す図である。 同実施例により算出した判定対象チップのチップ指標を示す図である。 同実施例により算出した追加不良チップを示す図である。 チップ品質判定方法のさらに他の実施例を説明するためのフローチャートである。 同実施例により算出した8方向良品グループを示す図である。 同実施例により算出した判定対象チップのチップ指標を示す図である。 同実施例により算出した追加不良チップを示す図である。 チップ品質判定方法のさらに他の実施例を説明するためのフローチャートである。 同実施例により算出した近傍不良チップ指数を示す図である。 同実施例により算出した追加不良チップを示す図である。 チップ品質判定方法のさらに他の実施例を説明するためのフローチャートである。 同実施例により算出した不良チップまでの距離指数を示す図である。 同実施例により算出した追加不良チップを示す図である。 チップ品質判定方法のさらに他の実施例を説明するためのフローチャートである。 同実施例により算出した、チップ指標「3」のチップ指標グループを示す図である。 同実施例により算出した、チップ指標グループ「a」に対して判定ステップの判定妥当性を確認するための矩形領域Cを示す図である。 ウエハテスト工程の最終的なウエハテスト結果の一例を示す図である。 同ウエハテスト結果における不良グループ「G3」,「G4」,「G5」の近傍領域を拡大して示す図である。 同領域において、不良チップを不良グループ「G3」,「G4」,「G5」に分別した結果を示す図である。 不良グループ「G3」について算出した集中不良分布近傍領域、チップ指数及び追加不良チップを示す図である。 品質判定システムの一例を示す概略構成図である。 本発明のマーキング機構を含む品質判定システムの一例を示す概略構成図である。 本発明の品質判定プログラムを組み込んだアプリケーションソフトの一例を説明するためのフローチャートである。 同フローチャートにおける集中不良分布の検出ステップS13を説明するためのフローチャートである。 図32のフローチャートにおけるチップ指標分類ステップS14を説明するためのフローチャートである。 図32のフローチャートにおけるチップ品質判定、チップ品質判定の妥当性確認及び妥当性判定ステップS15を説明するためのフローチャートである。 図4と同じ集中不良分布Aに対する集中不良分布近傍領域の他の例を示す図である。 図4と同じ集中不良分布A及び集中不良分布近傍領域Bで8方向ついて集中不良分布に属する不良チップが存在する方向の数を算出した結果を示す図である。 ウエハテスト工程の最終的なウエハテスト結果の一例を示す図である。 図38のウエハテスト結果に対し、従来の追加インク打ち対象チップの選択方法によって集中不良分布から一定の範囲で追加インク打ち対象チップを選択した一例を示す図である。
符号の説明
101 ウエハ
103,105 不良チップ
107,109,111 良品チップ
A 集中不良分布
B,D 集中不良分布近傍領域
C 判定ステップの判定妥当性を確認するための矩形領域
G1,G2,G3,G4,G5 不良グループ
M ウエハ周辺チップ
a,b,c,d,e グループ

Claims (29)

  1. ウエハ上でX軸方向及びY軸方向にマトリクス状に配置されたチップの良品と不良品を判定したウエハテスト結果に基づいて、X軸方向及びY軸方向での4方向又はそれに斜め45度方向を加えた8方向での不良チップの連続性の確認を行ない、連続する不良チップは同じグループに属するように不良チップを不良グループに分別する不良チップ分別ステップと、
    少なくとも良品チップを判定対象チップとし、各不良グループに対して、判定対象チップを、X軸方向及びY軸方向での4方向又はそれに斜め45度方向を加えた8方向について対象の不良グループに属する不良チップが存在する方向の数に基づいて複数のチップ指標に分類する分類ステップと、を含む、ウエハにおける良品チップ分類方法。
  2. 各不良グループについて、その不良グループに属する不良チップ数と予め設定された不良チップ数しきい値を比較し、不良チップ数が不良チップ数しきい値以上のときにその不良グループを集中不良分布と判定する集中不良分布判定ステップを含み、
    前記分類ステップは、前記集中不良分布判定ステップで集中不良分布と判定された不良グループのみに対して判定対象チップをチップ指標に分類する請求項1に記載の良品チップ分類方法。
  3. 前記集中不良分布判定ステップは、不良グループに属する不良チップの少なくとも1つがウエハ周辺チップから所定範囲内に位置している不良グループに対し、不良グループに属する不良チップの全部がウエハ周辺チップから所定範囲内に位置していない不良グループに対して用いる不良チップ数しきい値よりも小さい不良チップ数しきい値を用いる請求項2に記載の良品チップ分類方法。
  4. 不良グループに属する全ての不良チップ及び近傍の良品チップを含む不良グループ近傍領域を設定する不良グループ近傍領域設定ステップを含み、
    前記分類ステップは、前記不良グループ近傍領域設定ステップで設定された不良グループ近傍領域内の良品チップを判定対象チップとしてチップ指標に分類する請求項1、2又は3のいずれか一項に記載の良品チップ分類方法。
  5. 前記不良グループ近傍領域設定ステップは、不良グループに属する全ての不良チップを少なくとも含む矩形領域を前記不良グループ近傍領域とする請求項4に記載の良品チップ分類方法。
  6. 前記分類ステップで前記4方向とも対象の不良グループに属する不良チップが存在すると分類された判定対象チップである4方向不良チップに対して前記4方向について対象の不良グループに属する不良チップとの間に他の判定対象チップの存在及び他の4方向不良チップの存在を判定し、その集中不良分布に属する不良チップとの間に他の判定対象チップが存在しない又は他の4方向不良チップのみが存在すると前記4方向の全部について判定された4方向不良チップを別のチップ指標に分類する第2分類ステップをさらに含む請求項1から5のいずれか一項に記載の良品チップ分類方法。
  7. 判定対象チップをX軸方向及びY軸方向の4方向での連続性に基づいて4方向良品グループに分別する4方向判定対象チップ分別ステップと、
    前記分類ステップで前記4方向とも集中不良分布に属する不良チップが存在すると分類された判定対象チップである4方向不良チップのみを含む4方向良品グループに属する判定対象チップを別のチップ指標に分類する第3分類ステップと、をさらに含む請求項1から6のいずれか一項に記載の良品チップ分類方法。
  8. 判定対象チップをX軸方向及びY軸方向での4方向に斜め45度方向を加えた8方向での連続性に基づいて8方向良品グループに分別する8方向判定対象チップ分別ステップと、
    前記分類ステップで前記4方向とも集中不良分布に属する不良チップが存在すると分類された判定対象チップである4方向不良チップのみを含む8方向良品グループに属する判定対象チップを別のチップ指標に分類する第4分類ステップと、をさらに含む請求項1から7のいずれか一項に記載の良品チップ分類方法。
  9. 前記不良チップ分別ステップは、各不良チップについて所定範囲内にある他の不良チップの存在の確認を行ない、連続する不良チップのみならず所定範囲内に位置する不良チップも同じグループに属するように不良チップを不良グループに分別する請求項1から8のいずれか一項に記載の良品チップ分類方法。
  10. 不良グループから所定範囲内に位置する不良チップもしくは他の不良グループ又はその両方を併合して不良グループと判定する不良グループ併合ステップを含む請求項1から9のいずれか一項に記載の良品チップ分類方法。
  11. 前記不良グループ併合ステップは、予め設定された第1不良チップ数併合しきい値以上の個数の不良チップからなる不良グループのみに対し、予め設定された第2不良チップ数併合しきい値以上の個数の不良チップからなる他の不良グループのみを併合する請求項10に記載の良品チップ分類方法。
  12. 前記不良グループ併合ステップは併合する作業を繰り返し処理する請求項11に記載の良品チップ分類方法。
  13. 前記不良グループ併合ステップは、予め設定された第1不良チップ数併合しきい値以上の個数の不良チップからなる不良グループのみに対し、予め設定された第2不良チップ数併合しきい値以上の個数の不良チップからなる他の不良グループのみを併合し、併合した不良グループから所定範囲内に位置する不良グループに対しても予め設定された第2不良チップ数併合しきい値以上の個数の不良チップからなる他の不良グループのみを併合する請求項10又は11に記載の良品チップ分類方法。
  14. 前記ウエハテスト結果は、1つ以上のウエハテスト不良項目郡である請求項1から13のいずれか一項に記載の良品チップ分類方法。
  15. 請求項1から14のいずれか一項に記載の良品チップ分類方法の全ステップと、その全ステップの後に、チップ指標が付される際に対象となった不良グループに属する不良チップがチップ指標ごとに予め定められた判定用範囲内に存在する判定対象チップを追加不良チップと判定する判定ステップを含むチップ品質判定方法。
  16. 請求項1から14のいずれか一項に記載の良品チップ分類方法の全ステップと、その全ステップの後に、予め定められた判定用チップ指標と同じチップ指標をもつ判定対象チップを追加不良チップと判定する判定ステップを含むチップ品質判定方法。
  17. 請求項1から14のいずれか一項に記載の良品チップ分類方法の全ステップと、
    判定対象チップごとに、判定対象チップから所定範囲内かつチップ指標が付される際に対象となった不良グループに属する不良チップの個数を算出し、その個数を近傍不良チップ指数とする近傍不良チップ指数算出ステップと、
    前記全ステップ及び前記近傍不良チップ指数算出ステップの後に、チップ指標ごとに予め設定された近傍不良チップ指数しきい値以上の近傍不良チップ指数をもつ判定対象チップを追加不良チップと判定する判定ステップを含むチップ品質判定方法。
  18. 請求項1から14のいずれか一項に記載の良品チップ分類方法の全ステップと、
    判定対象チップごとに、チップ指標が付される際に対象となった不良グループに属する不良チップまでの最短距離を算出し、その最短距離を不良チップまでの距離指数とする不良チップまでの距離指数算出ステップと、
    前記全ステップ及び前記不良チップまでの距離指数算出ステップの後に、チップ指標ごとに予め設定された不良チップまでの距離指数しきい値以下の不良チップまでの距離指数をもつ判定対象チップを追加不良チップと判定する判定ステップを含むチップ品質判定方法。
  19. 前記判定ステップは、不良グループに属する不良チップに隣接する良品チップをチップ指標にかかわらず追加不良チップと判定する請求項15から18いずれか一項に記載のチップ品質判定方法。
  20. 前記判定ステップは、追加不良チップと判定した判定対象チップから所定範囲内にある良品チップも追加不良チップと判定する請求項15から19のいずれか一項に記載のチップ品質判定方法。
  21. 前記判定ステップの後に、不良グループに属する全ての不良チップ及び近傍の良品チップを含む不良グループ近傍領域内にある、対象の不良グループに属する不良チップ数と追加不良チップ数の差又は比率に基づいて前記判定ステップの判定の妥当性を確認する判定妥当性確認ステップを含む請求項15から20のいずれか一項に記載のチップ品質判定方法。
  22. 前記判定妥当性確認ステップは、不良グループに属する不良チップの個数に応じて判定基準を異ならせる請求項21に記載のチップ品質判定方法。
  23. 前記分類ステップの後に、同一の不良グループに対して同一のチップ指標をもつ判定対象チップをX軸方向及びY軸方向での4方向又はそれに斜め45度方向を加えた8方向での連続性に基づいてチップ指標グループに分別するチップ指標グループ分別ステップと、
    前記判定ステップの後に、チップ指標グループごとに、そのチップ指標グループに属する全ての追加不良チップを含みかつ最小の矩形の領域の外周に1チップ分以上加えた矩形領域内にある不良チップ数と追加不良チップ数の差又は比率に基づいて前記判定ステップの判定の妥当性を確認する判定妥当性確認ステップを含む請求項15から20のいずれか一項に記載のチップ品質判定方法。
  24. 前記判定妥当性確認ステップは、チップ指標に応じて判定基準を異ならせる請求項23に記載のチップ品質判定方法。
  25. 請求項1から13のいずれか一項に記載の各ステップをコンピュータに実行させるための良品チップ分類プログラム。
  26. 請求項15から24のいずれか一項に記載の各ステップをコンピュータに実行させるためのチップ品質判定プログラム。
  27. ウエハの目的の位置に印を付けるためのマーキング部と、前記マーキング部の動作を制御するための制御部を備え、前記制御部は請求項26に記載のチップ品質判定プログラムを備えており、前記チップ品質判定プログラムが不良チップ又は追加不良チップと判定したチップに対応するウエハ位置に印を付けるように前記マーキング部を動作させるマーキング機構。
  28. ウエハ上でX軸方向及びY軸方向にマトリクス状に配置されたチップの良品と不良品を判定するウエハテスト工程と、
    請求項15から24のいずれか一項に記載のチップ品質判定方法を用いて追加不良チップを検出するチップ品質判定工程と、
    前記ウエハからチップを切り出すチップ切出し工程と、を含む半導体装置の製造方法。
  29. 前記チップ品質判定工程で良品チップと認識されたチップのみをパッケージングするパッケージング工程を含む請求項28に記載の製造方法。
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