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JP4926263B2 - フライホイールおよび発電装置 - Google Patents

フライホイールおよび発電装置 Download PDF

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Description

本発明は、フライホイールおよび発電装置に関する。
フライホイールは、所定の慣性質量を有する独楽のような回転体を高速で回転させることにより、大きな運動エネルギを貯蔵することができるように構成されている。このようなフライホイールを用いた発電装置では、フライホイールが余剰な(あるいは再生成された)電気エネルギを回転体の運動エネルギとして貯蔵し、発電機がこのフライホイールの運動エネルギを電力エネルギに変換して、蓄電池を充電する。蓄電池に蓄積された電力エネルギは、負荷の消費電力として再利用され得る。
特開平9−21421号公報
フライホイールが効率よく運動エネルギを貯蔵するためには、フライホイールの回転抵抗を低下させることのほか、余剰エネルギを高効率で回転体の運動エネルギに変換する必要がある。従来の発電装置では、フライホイールとは別に設けられたモータ等の駆動装置を用いてフライホイールを駆動し、それにより、総ての余剰エネルギを回転体の運動エネルギに変換する必要があった。しかし、従来の発電装置では、余剰エネルギを回転体の運動エネルギに変換する際のエネルギ損失が大きいという問題があった。
上記の課題を解決するために、本発明に係る実施形態に従った発電装置は、電力を供給する充電可能なバッテリと、回転可能に設けられた回転軸と、上記回転軸に固定された少なくとも1つの永久磁石を含み、或る慣性重量を有し、且つ、上記回転軸とともに回転可能な永久磁石ロータと、上記永久磁石ロータの周りに該永久磁石ロータに対向して設けられた少なくとも1つの電磁石を含み、回転しないように固定された電磁石ステータとを備え、上記バッテリから上記電磁石に電力を供給することによって上記永久磁石ロータに運動エネルギを与えるフライホイールと、上記バッテリを充電するために上記永久磁石ロータの運動エネルギを電気エネルギに変換する発電器とを備えている。
このような構成を有することにより本実施形態による発電装置は、フライホイールの永久磁石ロータの回転を補助するために、バッテリから電磁石に電力を供給することによって永久磁石ロータに運動エネルギを直接与えることができる。従って、電気エネルギから運動エネルギへの変換におけるエネルギ損失が小さく、高効率で電気エネルギから運動エネルギへ変換することができる。
上記発電器は交流の電力を発生する発電器であり、当該発電装置は、上記発電器により生成された交流電力を直流電力に変換して、該直流電力を上記バッテリに供給するバッテリチャージャをさらに備えていてもよい。
当該発電装置は、上記永久磁石ロータおよび上記電磁石ステータを収容する筐体をさらに備え、上記筐体内は真空状態に維持されていてもよい。これにより、永久磁石ロータは、空気抵抗のほとんどない状態で回転することができる。
当該発電機は、上記バッテリの電力供給を受けて上記回転軸を回転させるモータと、上記バッテリの直流の電力を交流の電力に変換して、上記負荷、上記フライホイールおよび上記モータへ交流の電力を供給する変換器と、をさらに備えていてもよい。
当該発電装置は、上記発電器と上記バッテリチャージャとの間に接続され、上記モータ、上記フライホイールまたは負荷に電力を供給するトランスをさらに備えていてもよい。上記トランスを備えることによって、発電器から生成された交流電力をモータや負荷にそのまま直接利用できる。この場合、バッテリからの直流電力を交流電力に変換する必要が無いので、バッテリから電力を供給する場合よりも効率が良くなる。
上記バッテリ、上記フライホイールまたは上記モータは、上記負荷において生成された余剰電力または再生電力を受けるように構成されてもよい。
本発明に係る実施形態に従ったフライホイールは、回転可能に設けられた回転軸と、上記回転軸に固定された少なくとも1つの永久磁石を含み、或る慣性重量を有し、且つ、上記回転軸とともに回転可能な永久磁石ロータと、上記永久磁石ロータの周りに該永久磁石ロータに対向して設けられた少なくとも1つの電磁石を含み、回転しないように固定された電磁石ステータとを備え、上記電磁石に電力エネルギを供給することによって上記永久磁石ロータに運動エネルギを与える。
このような構成を有することにより本実施形態によるフライホイールは、電磁石に供給される電力によって永久磁石ロータに運動エネルギを直接与えることができる。従って、電気エネルギから運動エネルギへの変換におけるエネルギ損失が小さく、高効率で電気エネルギから運動エネルギへ変換することができる。
上記永久磁石ロータは、NまたはSのいずれかの永久磁石のみを含み、上記電磁石ステータの電磁石は、交流の電力によってNまたはSの磁極を交互に発生するように構成してもよい。
当該フライホイールは、上記永久磁石ロータおよび上記電磁石ステータを収容する筐体をさらに備え、上記筐体内は真空状態に維持されていてもよい。これにより、永久磁石ロータは、空気抵抗のほとんどない状態で回転することができる。
発明の目的
本発明は、フライホイールの回転体の運動エネルギを効率良く得ることができるフライホイールおよびそのようなフライホイールを備えた発電装置を提供することである。
本発明に係る第1の実施形態に従った発電装置の構成の一例を示すブロック図。 第1の実施形態に従ったフライホイール70の構成の一例を示す断面図。 フライホイール70の横方向から見た断面図。 本発明に係る第2の実施形態に従った発電装置の構成の一例を示すブロック図。 本発明に係る第3の実施形態に従った発電装置の構成の一例を示すブロック図。 第3の実施形態による発電装置の運転可能時間および比較例による発電装置の運転可能時間の実験結果を示すグラフ。
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態を説明する。本実施形態は、本発明を限定するものではない。
(第1の実施形態)
図1は、本発明に係る第1の実施形態に従った発電装置の構成の一例を示すブロック図である。本実施形態による発電装置は、バッテリ10と、DC−AC変換器20と、モータ30と、プーリー40〜43と、ベルト50、51と、回転軸60と、フライホイール70と、リコイル80と、発電器90と、バッテリチャージャ95とを備えている。
バッテリ10は、DC−AC変換器20を介して、負荷、モータ30、および、フライホイール70へ電力を供給する。バッテリ10は、例えば、直流12ボルトの充電可能なバッテリ、あるいは、このようなバッテリを複数個直列または並列に接続して構成されたバッテリ群であってもよい。バッテリ10が複数のバッテリから成るバッテリ群である場合、バッテリ10は、24ボルトや48ボルトの直流電圧を生成することができる。例えば、本実施形態によるバッテリ10は、12ボルトのバッテリを4個直列に接続した48ボルトのバッテリ群である。
DC−AC変換器20は、バッテリ10の直流電力を交流電力へ変換する。例えば、DC−AC変換器20は、直流(DC)24ボルトの電力を交流(AC)100ボルトの電力および交流(AC)200ボルトの電力に変換する。DC−AC変換器20によって変換された交流電力は、負荷、モータ30、および、フライホイール70へ供給される。本実施形態では、負荷およびフライホイール70は、AC100ボルトの交流電力によって駆動され、モータ30は、AC200ボルトの交流電力によって駆動される。
負荷は、電力を消費する電気機器であればよく、特に限定しない。例えば、負荷は、屋内または屋外で使用される照明器具や空調装置等でよい。また、負荷は、車両用の照明器具や空調装置等であってもよい。本実施形態では、負荷は、商用電力と同じAC100ボルトの電力を使用するが、AC200ボルトの電力を使用してもよい。
モータ30は、DC−AC変換器20を介してバッテリ10からの電力の供給を受けてロータ31を回転させる。モータ30の最大消費電力は、規格上では約1000ワットである。ロータ31は、ベルト50を介してプーリー40と結合されており、プーリー40を回転させる。ベルト50は、プーリー40の回転運動をプーリー41に伝達するように、プーリー40と41とを連結している。プーリー41は、回転軸60に固定されており、回転軸60は、プーリー41とともに回転する。従って、モータ30は、バッテリ10の電力供給を受けて回転軸60を回転させる。
回転軸60は、プーリー41、プーリー42、フライホイール70およびリコイル80の回転の中心として共有されている。回転軸60の軸受けは、転がり軸受け、すべり軸受け、磁気軸受け等、特に限定しないが、回転抵抗の低い軸受けが好ましい。回転軸60の軸受けは、例えば、超伝導技術を用いた浮遊軸受けであってもよい。これにより、回転軸60の回転抵抗を可及的に低下させることができる。
フライホイール70は、図2を参照して後述するように、回転軸60とともに回転する永久磁石ロータ72を備え、永久磁石ロータ72の回転運動によって運動エネルギを蓄える。また、フライホイール70は、バッテリ10からの電力供給を受けて、この永久磁石ロータの回転を補助する。本実施形態において、フライホイール70は、AC100ボルトで1アンペアの電力を消費する。
リコイル80は、回転軸60に設けられており、外部から回転軸60に回転力を与えることができるように構成されている。慣性重量の大きなフライホイール70を静止状態から回転を開始する際には、非常に大きな動力を必要とする。このため、バッテリ10からの電力のみではフライホイール70の動作を開始できない場合、フライホイール70の動作開始に過剰な電力を消費する場合、あるいは、フライホイール70の動作開始に長時間掛かる場合に、オペレータがリコイル80を介して手動で永久磁石ロータを回転させることができる。ただし、バッテリ10がフライホイール70を回転させるのに充分な電力を供給できる場合には、リコイル80は不要である。
ベルト51は、プーリー42の回転運動をプーリー43に伝達するように、プーリー42と43とを連結している。プーリー43は、発電器90の軸91に固定されており、プーリー43の回転運動は、軸91に伝達される。
発電器90は、軸91の回転により発電し、発電された電力を、バッテリチャージャ95を介してバッテリ10に蓄積する。つまり、発電機90は、永久磁石ロータの運動エネルギを電気エネルギに変換して、この電気エネルギをバッテリ10に蓄積する。本実施形態では、発電器90は、例えば、AC100ボルトの交流電力を発電し、規格上では最大31Aの電流を生成可能な発電器である。
バッテリチャージャ95は、発電器90で発電された電力をバッテリ10へ充電する。このとき、バッテリチャージャ95は、AC100Vで発電された電力を直流電力に変換してバッテリ10へ蓄積する。本実施形態において、バッテリチャージャ95は、例えば、AC100ボルトで約12アンペアの電力を消費する。
負荷は、バッテリ10から電力供給を受けて、図1の破線矢印で示すように余剰電力あるいは再生電力をフライホイール70、モータ30またはバッテリチャージャ95へ供給してもよい。余剰電力あるいは再生電力が直流電力である場合、負荷は、余剰電力あるいは再生電力をバッテリ10へ直接戻してもよい。負荷が余剰電力あるいは再生電力を発生しない場合には、負荷は、バッテリ10から電力を消費するだけである。
図2は、第1の実施形態に従ったフライホイール70の構成の一例を示す断面図である。フライホイール70は、永久磁石ロータ72と、電磁石ステータ74と、筐体75とを備えている。筐体75は、永久磁石ロータ72および電磁石ステータ74を収容している。筐体75の内部は、真空状態に維持されている。
永久磁石ロータ72は、回転軸60の周囲を取り囲むように均等に配置された複数の永久磁石71を有し、回転軸60とともに回転可能なように回転軸60に固定されている。複数の永久磁石71は、それぞれ回転軸60から等しい距離に配置され、回転軸60の周りに円形状に等間隔で配置されている。また、永久磁石ロータ72は、運動エネルギを充分に蓄積できるように、或る慣性重量を有する。本実施形態では、永久磁石ロータ72の総ての永久磁石71は、N極またはS極のいずれか一方の極性のみに統一されている。即ち、永久磁石ロータ72は、N極またはS極のいずれか一方の極性の永久磁石71のみを含む。図2の例では、永久磁石ロータ72は、N極の永久磁石71のみを含む。
電磁石ステータ74は、永久磁石ロータ72に対向して設けられた複数の電磁石73を含む。複数の電磁石73は、永久磁石ロータ72の周辺に沿って配置され、永久磁石ロータ72と接触しないように永久磁石71から一定の間隔(例えば、2ミリメートルの間隔)をあけて配置されている。従って、複数の電磁石73も、回転軸60から等しい距離に配置され、回転軸60の周りに円形状に等間隔で配置される。ただし、複数の電磁石73は、筐体75に対して固定されている。従って、電磁石ステータ74は、回転軸60や永久磁石ロータ72のようには回転せず、筐体75とともに静止している。電磁石ステータ74および永久磁石ロータ72は、永久磁石ロータ72が回転するときに、永久磁石71と電磁石73との間の間隔を維持するように設けられている。好ましくは、電磁石73は、永久磁石71と同数設けられており、永久磁石71に対して1対1に対応している。
複数の電磁石73の一方の端子は、共通端子として基準電位に維持されている。一方、複数の電磁石73の他方の端子には、交流電力がコミュニケータ100を介して供給される。交流電力は、例えば、商用と同じAC100ボルトの電力でよい。コミュニケータ100は、回転軸60に固定されており、回転軸60と共に回転する。これにより、コミュニケータ100は、端子L1〜L16に対して順番に交流電力を供給する。交流電力が電磁石73に供給されることによって、各電磁石73の磁極は、N極とS極とを交互に繰り返す。これにより、電磁石73は、永久磁石71に対して引力と斥力とを交互に印加し、永久磁石ロータ72を回転させる。
このような構成を有するフライホイール70は、永久磁石ロータ72の回転を補助するために、バッテリ10から電磁石73に交流電力を供給することによって永久磁石ロータ72に運動エネルギを直接与えることができる。従って、本実施形態によるフライホイール70は、電気エネルギから運動エネルギへの変換におけるエネルギ損失が小さく、高効率で電気エネルギから運動エネルギへ変換することができる。
図3は、フライホイール70の横方向の断面図である。図3を参照すると、回転軸60に永久磁石71およびコミュニケータ100が固定されており、永久磁石ロータ72の周りに電磁石73が設けられていることが分かる。上述の通り、本実施形態では、筐体75の内部は真空状態となっており、永久磁石ロータ72および電磁石ステータ74は、真空中に設けられている。永久磁石71と電磁石73との間の間隙も真空状態となっている。従って、永久磁石ロータ72は、真空中において空気抵抗のほとんどない状態で回転することができる。
次に、図1に示す本実施形態による発電装置を実際に運転させた実験結果を説明する。モータ30の消費電流の実測値は、約11.5アンペア(AC200ボルト)であり、フライホイール70の消費電流の実測値は約1アンペア(AC100ボルト)であり、バッテリチャージャ95の消費電流の実測値は約12A(AC100ボルト)であった。さらに、負荷の消費電流の実測値は、約5A(AC100ボルト)であった。つまり、図1に示す発電装置の消費電力Wout_totalは、約4100ワット(Wout_total=11.5×200+1×100+12×100+5×100)であった。
一方、発電器90の生成電流の実測値は、約9.5アンペア(AC100ボルト)であった。つまり、図1に示す発電装置の生成(発電)電力Win_totalは、約950ワット(Win_total=9.5×100)であった。尚、この実験では、便宜的に負荷として照明を用いたが、発電効率を単純に調べるために、負荷は、発電装置へ電力を供給してはいない。即ち、本実験では、負荷は、電力を消費するだけで、生成はしていない。
以上のような本実施形態による発電装置は、実験では、消費電力Wout_totalとして約4100ワットを消費し、生成電力Win_totalとして約950ワットを発電していた。よって、発電効率(Win_total/Wout_total)は、約23.2%となる。
比較例として、従来のフライホイールを備えた発電装置の実験結果を説明する。本比較例で使用した従来のフライホイールは、永久磁石71および電磁石73を備えていないが、永久磁石ロータ72とほぼ同じ慣性質量を有する通常のロータを備えている。本比較例による発電装置のその他の構成は、本実施形態による発電装置の対応する構成と同じである。従って、バッテリ10、DC−AC変換器20、モータ30、発電器90、バッテリチャージャ95等の構成要素は、本実施形態の実験で用いたものと同じである。モータ30、バッテリチャージャ95、負荷の各消費電力も、本実施形態の上記実験のそれらと同じである。さらに、フライホイールの軸の抵抗も同じである。尚且つ、フライホイールのロータは真空中で回転させているため、フライホイールの空気抵抗も本実施形態の上記実験のそれと同じである。
このような条件のもと、以下のような実験結果を得た。モータ30の実際の消費電流は、約11.5アンペア(AC200ボルト)であり、バッテリチャージャ95の実際の消費電流は約12A(AC100ボルト)であった。さらに、負荷の実際の消費電流は、約5A(AC100ボルト)であった。つまり、本比較例による発電装置の消費電力Wout_total’は、約4000ワット(Wout_total’=11.5×200+12×100+5×100)であった。
一方、発電器90の実際の生成電流は、約6.2アンペア(AC100ボルト)であった。つまり、本比較例による発電装置の生成(発電)電力Win_total’は、約620ワット(Win_total’=6.2×100)であった。尚、本比較例の実験でも、負荷である照明は、電力を消費するだけで、生成はしていない。
以上のような本比較例による発電装置は、実験では、消費電力Wout_total’として約4000ワットを消費し、生成電力Win_total’として約620ワットを発電していた。よって、発電効率(Win_total’/Wout_total’)は、約15.5%となる。
以上の実験では、本実施形態による改良フライホイール70を備えた発電装置は、従来のフライホイールを備えた発電装置よりも発電効率を約7.7%改善することができることが分かった。
以上の実験から本実施形態によるフライホイールを備えた発電装置は、永久磁石ロータ72とその周囲に設けられた電磁石73とによって、電気エネルギを永久磁石ロータ72の運動エネルギ(回転エネルギ)に直接かつ効率良く変換することができることが分かった。
尚、本実施形態によるフライホイール70は、1アンペア(AC100V)の電力で駆動されていたが、それよりも大きな電力で駆動されてもよい。これにより、発電装置は、さらに大きな電気エネルギを高効率で運動エネルギに変換することができる。
さらに、本実施形態によるフライホイール70の駆動電力をさらに上昇させることにより、モータ30に代わり、フライホイール70自体が回転軸60を回転させ、かつ、発電器90を駆動させ得るように構成してもよい。この場合、モータ30、プーリー40、41、ベルト50が不要になる。よって、エネルギの変換効率をさらに高めることができるとともに、発電装置のコストを削減することができる。
(第2の実施形態)
図4は、本発明に係る第2の実施形態に従った発電装置の構成の一例を示すブロック図である。第2の実施形態は、発電器90とバッテリチャージャ95との間に接続されたトランス110を備えている点で第1の実施形態と異なる。第2の実施形態のその他の構成要素は、第1の実施形態の対応する構成要素と同じである。
トランス110は、AC100ボルトの交流電力をAC200ボルトへ変圧し、その交流電力をモータ30へ供給することができる。この場合、トランス110は、モータ30の消費電力の一部を補うことができる。これにより、DC−AC変換器20の電力負担が軽減される。また、フライホイール70、バッテリチャージャ95および/または負荷が発電器90からの電圧と異なる場合には、トランス110は、発電器90からの電力をフライホイール70、バッテリチャージャ95および/または負荷に適合した電圧に変圧して、変圧後の電力をフライホイール70、バッテリチャージャ95および/または負荷に供給してもよい。この場合、トランス110は、フライホイール70、バッテリチャージャ95および/または負荷の消費電力の総てを供給してもよい。これにより、DC−AC変換器20は、モータ30のみを駆動すれば足りるので、DC−AC変換器20の電力負担はさらに軽減される。
トランス110が電力を供給する場合、発電器90から生成された交流電力をそのまま直接利用できる。この場合、バッテリ10からの直流電力を交流電力に変換する必要が無いので、バッテリ10から電力を供給する場合よりも効率が良い。
このように、第2の実施形態は、トランス110を備えることによって発電器90で発電された電力をさらに効率良く利用することができる。さらに、第2の実施形態は、第1の実施形態と同様に改良されたフライホイール70を備えている。よって、第2の実施形態は、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第3の実施形態)
図5は、本発明に係る第3の実施形態に従った発電装置の構成の一例を示すブロック図である。第3の実施形態は、直流電力を生成するダイナモを発電器93として備えている点で第1の実施形態と異なる。第3の実施形態は、ダイナモを発電器93として用いているため、第1の実施形態における交流発電器90およびバッテリチャージャ95は不要となる。
発電器93は、軸91の回転により直流電力を発電し、発電された電力を、バッテリ10に蓄積する。つまり、発電器93は、永久磁石ロータの運動エネルギを電気エネルギに変換して、この電気エネルギをバッテリ10に蓄積する。第3の実施形態では、発電器93は、例えば、DC24ボルトの直流電力を発電し、規格上、最大50Aの電流を生成可能な発電器である。尚、第3の実施形態では、バッテリ10は、12ボルトのバッテリを2個直列に接続した24ボルトのバッテリ群である。
第3の実施形態のように、本発明による発電装置は、交流電力の発電器90だけでなく、直流電力の発電器(ダイナモ)93を用いても実現することができる。第3の実施形態は、改良されたフライホイール70を備えているので、第1の実施形態と同様に、従来よりも高効率で電気エネルギから運動エネルギへ変換することができる。
図6は、第3の実施形態による発電装置の運転可能時間および比較例による発電装置の運転可能時間の実験結果を示すグラフである。発電器(ダイナモ)93を用いて発電する場合、発電器93の発電電力を実測することができないため、実験では運転可能時間を計測した。
第3の実施形態の実験は、図5に示した構成を有する発電装置を用いて行った。比較例の実験は、本実施形態によるフライホイール70に代えて、従来のフライホイールを備えた発電装置を用いて行った。比較例で用いたフライホイールは、永久磁石71および電磁石73を備えていないが、永久磁石ロータ72とほぼ同じ慣性質量を有する通常のロータを備えている。本比較例による発電装置のその他の構成は、第3の実施形態の実験で使用した発電装置の対応する構成と同じである。従って、バッテリ10、DC−AC変換器20、モータ30、発電器93等の構成要素は、第3の実施形態の実験で用いたものと同じである。さらに、フライホイールの軸の抵抗も同じである。尚且つ、フライホイールのロータは真空中で回転させているため、フライホイールの空気抵抗も本実施形態の上記実験のそれと同じである。
また、負荷は、第1の実施形態で用いた負荷と同じ照明である。
図6に示すように、比較例による発電装置は、約5時間継続して負荷としての照明を点灯させることができた。一方、第3の実施形態による発電装置は、約7時間継続して負荷としての照明を点灯させることができた。つまり、従来のフライホイールを、本実施形態による改良型のフライホイール70に代えることによって、発電装置は、照明をより長時間の間点灯させることができた。これは、第3の実施形態による発電装置が、比較例による発電装置に比較して発電効率が良好であることを意味する。尚、図6に示す実験結果は、実験を複数回行った結果であり、有意差が認められた。
以上から第3の実施形態のように発電器としてダイナモを用いたとしても、本発明の効果は失われない。即ち、第3の実施形態は、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、第3の実施形態によるフライホイール70は、1アンペア(AC100V)の電力で駆動されていたが、それよりも大きな電力で駆動されてもよい。これにより、発電装置は、さらに大きな電気エネルギを高効率で運動エネルギに変換することができる。
さらに、第3の実施形態によるフライホイール70の駆動電力をさらに上昇させることにより、モータ30に代わり、フライホイール70自体が回転軸60を回転させ、かつ、発電器93を駆動させ得るように構成してもよい。この場合、モータ30、プーリー40、41、ベルト50が不要になる。よって、エネルギの変換効率をさらに高めることができるとともに、発電装置のコストを削減することができる。
以上の実施形態による発電装置は、バッテリ10のみで駆動することができる。従って、本実施形態による発電装置は、商用電源の無い屋外において利用価値が高い。また、石油やガソリンなどの化石燃料を用いないので、環境に良い。フライホイール70は、上述のようにフライホイールの機能だけでなく、モータとしての機能も有するため、電気エネルギを永久磁石ロータ72の運動エネルギに直接変換する。このため上記実施形態による発電装置は効率が良い。また、フライホイール70が回転を維持できるように、フライホイール70のモータの機能を強化すれば、モータ30が不要になる。即ち、モータ30の機能をフライホイール70に組み合わせることによって、モータ30を省略し、コンパクトかつ高効率の発電装置が実現できる。
以上の実施形態によるフライホイール70は、バッテリ10のみで駆動しているので、乗用車に適用することもできる。
上記実施形態に係る発電装置およびフライホイールは、超伝導フライホイールと組み合わせることができる。ただし、超伝導フライホイールは、実際には、冷却のために液体窒素あるいは液体ヘリウム等が必要であり、コスト高となる。常温超伝導については、現段階では、材料の開発段階である。従って、上記実施形態に係るフライホイール70は、現実的であり、低コストで大量生産に適していると言える。
10…バッテリ
20…DC−AC変換器
30…モータ
40〜43…プーリー
50、51…ベルト
60…回転軸
70…フライホイール
80…リコイル
90…発電器
95…バッテリチャージャ
110…トランス

Claims (2)

  1. 電力を供給する充電可能なバッテリと、
    回転可能に設けられた回転軸と、前記回転軸に固定された複数の永久磁石を含み、或る慣性重量を有し、且つ、前記回転軸とともに回転可能な永久磁石ロータと、前記永久磁石ロータの周りに該永久磁石ロータに対向して設けられ、前記永久磁石に対して1対1に対応するように設けられた電磁石を含み、回転しないように固定された電磁石ステータと、前記回転軸とともに回転し、前記電磁石に順番に電力を与えるコミュニケータとを備え、前記バッテリから前記電磁石に電力を供給することによって前記永久磁石ロータに運動エネルギを与えるフライホイールと、
    前記バッテリを充電するために前記永久磁石ロータの運動エネルギを電気エネルギに変換し、交流電力を発生する発電器と
    前記発電器により生成された交流電力を直流電力に変換して、該直流電力を前記バッテリに供給するバッテリチャージャと、
    前記バッテリの電力供給を受けて前記回転軸を回転させるモータと、
    前記バッテリの直流電力を交流の電力に変換して、前記負荷、前記フライホイールおよび前記モータへ交流電力を供給する変換器と、
    前記発電器と前記バッテリチャージャとの間に接続され、前記モータ、前記フライホイールまたは負荷に電力を供給するトランスと、
    を備えた発電装置。
  2. 前記バッテリ、前記フライホイールまたは前記モータは、前記負荷において生成された余剰電力または再生電力を受けることを特徴とする請求項1に記載の発電装置。
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