図1は駐車場10の説明図である。駐車場10は店舗11の顧客のために店舗11に隣接して設けられている。駐車場10には、駐車場10への自動車25の入場のための入り口12、及び駐車場10からの自動車25の退場のための出口13が所定場所に設置される。図1の駐車場10では、入り口12及び出口13が各1個となっている。該駐車場10は、全時間有料、又は一定料金以上の買い物した場合のみ、入場時刻から所定時間までの駐車料金は無料、その後は、有料となっているものとなっているが、全時間無料の駐車場であってもよいとする。入り口12及び出口13には、それぞれゲート装置20,21が設置される。ゲート装置20,21は、それぞれ自動車25の入場及び退場を許容するときのみ、開かれる。
駐車場10内には、駐車場所15と共に、自動車25が各駐車場所15へ出入りするための通路16が設けられている。駐車場所15は、不使用中である駐車場所(以下、「空き駐車場所」という。)17と、使用中の駐車場所(以下、「使用中駐車場所」という。)18とに分けられる。
路側機24は、入り口12に設置され、入り口12における自動車25に対して、該自動車25の車載通信機(図示せず)とDSRCで双方向通信自在になっている。サーバ26は、路側機24へ接続され、路側機24を介して車載通信機とデータを送受する。カーナビゲーション装置は、車載通信機を介して路側機24から受信した簡易マップ情報と詳細情報とに基づいて、そのディスプレイに駐車場10内の地図画像と共に、空き駐車場所17又は出口13への誘導経路を表示するようになっている。
簡易マップ情報に係る簡易マップとは、典型的には、駐車場10内の地図を簡単な絵で表現したイメージ画像である。後述の図3において説明する駐車場画像28は簡易マップの一例である。簡易マップ上の各駐車場所の空満状態は、例えば、各駐車場に配備した各センサーの出力や、デジタルスティルカメラにより駐車場を撮影して、該デジタルスティルカメラの出力を分析することにより、検出できる。
詳細情報とは、簡易マップ情報に関連する情報であり、具体的には、(a)後述の図4において説明する区分図30及び升目31に係る情報、(b)車載通信機が路側機24から簡易マップ情報及び詳細情報を受信する升目31の番号に係る情報、(c)駐車場10の実際の寸法と駐車場画像28の寸法との比として縮尺情報、(d)駐車場画像28における方角に係る情報、及び(f)各升目31のカテゴリ情報が含まれる。
上述(a)の区分図30及び升目31に係る詳細情報に関して、各升目31は、それに付与された升目番号により区分図30上の位置を特定できる。上述(b)の車載通信機が路側機24から簡易マップ情報及び詳細情報を受信する升目31の番号に係る詳細情報に関して、該升目番号から通信時点での区分図30上の現在地升目(通信時点での自車位置の升目)を特定できる。
上述(f)の各升目31のカテゴリ情報に関して、カテゴリとは、各升目31が、通路16、空き駐車場所17、使用中駐車場所18、及びその他のどれに対応するかを示すものである。説明の便宜上、通路16、空き駐車場所17及び使用中駐車場所18に対応している升目をそれぞれ通路升目、空き升目、及び使用中升目と呼ぶことにする。カテゴリが通路升目となっている場合には、カテゴリ情報には、さらに、通路16の分岐点に対応しているか、及び進行可能方向は上下左右のどの升目の方向か応じたサブカテゴリ情報を付与される。
カテゴリ情報には、リンク情報も追加する。リンク情報とは、各升目に対して縦横に隣接する升目がどれかを示す情報である。なお、各升目には、図4で後述するように、区分図30上の位置を示す16進2桁の番号のIDが付与されている。したがって、各升目のリンク情報のIDを調べることにより、隣接升目が判明する。そして、隣接升目のカテゴリ情報を参照することにより、隣接升目が通路16及び空き駐車場所17等のどれになっているかを検知できる。
図2は駐車場10に適用される駐車場内誘導システム22による自動車25の誘導状況を示している。駐車場内誘導システム22は、路側機24及びサーバ26と共に、自動車25の自動車側誘導装置(図示せず)を含む。自動車側誘導装置は、例えば、車載通信機としてのDSRC通信機を装備するカーナビゲーション装置である。路側機24と自動車25のカーナビゲーション装置とは、自動車25が入り口12を通過する際に、入り口12においてDSRC27により相互に通信自在になっている。路側機24は、入り口12を通過する自動車に対して前述の簡易マップ情報及び詳細情報をプッシュ配信する。
自動車25のカーナビゲーション装置は、入り口12において簡易マップ情報及び詳細情報を受信しだい、その地図データベースに基づくディスプレイへの地図表示から駐車場内誘導システム22に基づく地図表示へ切り替える。カーナビゲーション装置は、受信した簡易マップ情報及び詳細情報に基づき、所定の空き駐車場所17への誘導経路を探索して、それを駐車場10内の地図画像上に重ねて、ディスプレイに表示する。自動車25の運転者は、ディスプレイに表示された駐車場10内の地図画像及び誘導経路を見て、所定の空き駐車場所17へ自動車25を移動させ、該空き駐車場所17に自分の自動車25を駐車させる。
駐車場10における自動車25の駐車位置は、次の退場開始時の現在升目(升目については図3以降で詳述)としてカーナビゲーション装置の不揮発性記憶装置に記憶される。運転者が施設で用を済ませ、駐車場10から退場する際には、自動車25のエンジンを始動させ、カーナビゲーション装置を作動させるとともに、駐車場所から出口13への誘導経路をカーナビゲーション装置のディスプレイに表示することを指示する。
カーナビゲーション装置は、現在升目等に基づき出口13への誘導経路を探索し、ディスプレイに駐車場内地図とともに、表示する。運転者はディスプレイの誘導経路に基づき、出口13へ自動車25を走行させる。
図3は駐車場10についての駐車場画像28を示す。駐車場画像28は、駐車場10内の地図を簡単な絵で表現したイメージ画像となっている。該イメージ画像は、駐車場10における駐車場所15、通路16、空き駐車場所17及び使用中駐車場所18の位置が視覚的に分かるようになっている。各駐車場所15が空き駐車場所17及び使用中駐車場所18のいずれになっているかは、例えば各駐車場所15にセンサーを配備し、各センサーの出力から検出できる。路側機24から送信される駐車場画像28は、各センサーの出力に変更があるごとに、又は一定時間間隔が経過するごとに、各センサーの最新の出力に基づき、各駐車場所15の部位について空き駐車場所17又は使用中駐車場所18に対応する視覚表示へ変更されたものへ更新される。
駐車場10の撮影画像中の通路16の位置は固定されているので、例えば、各時刻に撮影して作成した駐車場画像28から道路部分を除去し、残りの撮影画像部分について、全部の駐車場所15が空き駐車場所17となっている基準の駐車場画像に対する背景差分方式で画像処理することにより、各撮影時の各駐車場所15について空き駐車場所17及び使用中駐車場所18のいずれになっているかを検出することができる。図3の駐車場画像28は、通路16、空き駐車場所17及び使用中駐車場所18の識別を容易にするために、適宜、適当な色分けが施されている。
なお、駐車場画像28の縦横の寸法比と、自動車25のカーナビゲーション装置のディスプレイの縦横の寸法比が一致していない場合には、駐車場画像28は、全体がディスプレイに完全に収まるように、縦横等率で縮小されると、ディスプレイには、駐車場画像28以外の画像部分が現れることもある。ディスプレイに不要部分を表示しないようにするために、カーナビゲーション装置が、駐車場画像28の縦及び横の縮尺を個々に調整したり、サーバ26(図1)が、カーナビゲーション装置の標準のディスプレイの縦横寸法比に合致するように、駐車場画像28の縦及び横の縮尺を個々に調整したものへ変換し、これを自動車25へ送信したりしてもよい。
図4は駐車場画像28に区分図30を対応付けたものである。対応付け後の区分図30は、駐車場画像28に一致する大きさとなるように、縮尺を調整されている。区分図30は、格子状に配列された複数の等形状及び等寸法の升目31に仕切られている。区分図30の縦及び横の升目数は、駐車場画像28の大きさに基づき調整される。
図30は、駐車場画像28に一致する大きさとなるように、縮尺を調整されている。
前述の詳細情報の内、駐車場画像28及び区分図30の各方角情報及び各縮尺情報は、駐車場画像28と区分図30との重ね合わせを的確に行なうために、使用される。なお、駐車場画像28及び区分図30の各方角及び各縮尺が駐車場側誘導装置及び自動車側誘導装置間で予め決められているのであれば、それら情報の送信は不要であることは言うまでもない。
升目31は、必要以上に小さくなることを回避しつつ、駐車場10内の通路16及び各駐車場所15の位置が升目31を特定することにより的確に判別できる大きさにされる。駐車場所15は、図4では、横長の長方形となっているので、升目31の縦寸法は、駐車場所15の幅以下に対応付けられる。また、升目31の横寸法は、駐車場画像28の縦方向へ延びる通路16の幅と駐車場所15の奥行きとの内、小さい方の寸法以下に対応付けられる。
区分図30における各升目31を判別するために、各升目31には升目番号が付けられ、升目番号は、例えば、区分図30における縦横の配置順に従う16進2桁の番号とされる。升目番号の具体例は図4に表示されているとおりであり、升目番号の右桁の16進値は基準升目(図4では、左上隅の升目)からの横方向の順番に対応し、左桁の16進値は基準升目からの縦方向の順番に対応している。なお、左桁の16進値が0である升目番号は、該0を省略して、図4には記入されている。
升目31は、通路16か、空き駐車場所17か、使用中駐車場所18かのカテゴリに分類される。区分図30の区分線と通路16、空き駐車場所17、使用中駐車場所18の輪郭線とはずれる場合がある。全体が通路16、駐車場所17、使用中駐車場所18のどれか1個に含まれている升目31のカテゴリは、該升目31が含まれている通路16、空き駐車場所17、又は使用中駐車場所18に対応付けられたカテゴリとする。通路16、空き駐車場所17、使用中駐車場所18の複数にまたがっている升目31のカテゴリは、該升目31がもっとも広く含まれている通路16、空き駐車場所17、使用中駐車場所18に対応付けられたカテゴリとする。このように、升目31の分類は、大雑把であっても、駐車場10内の運転者には、支障のない精度で、駐車場10内の誘導経路をカーナビゲーション装置のディスプレイにおいて提示できる。
図5は駐車場10における所定の空き駐車場所17への誘導経路の探索の仕方についての説明図である。なお、各升目31を特定するために、升目の後ろに升目番号を付ける。升目”3F”は入り口12の升目31、すなわち自動車25の自動車側誘導装置が路側機24からデータを受信した升目31である。自動車25の自動車側誘導装置は、升目”3F”の位置において路側機24と通信可能となる。現在地マーク33は、区分図30における自動車25の現在地を示し、35は、一方通行の通路16においてその進行方向マークを示している。現在地マーク33には、その向きにより自動車25の走行方向も示している。入場後の駐車場10内における自動車25の移動に伴い、現在地も変化するが、該現在地は、GPS情報から検出してもよいし、升目”3F”からの自動車25の移動を、ジャイロメータや速度計を使用して追跡することによっても検出できる。
区分図30において、通路16の分岐升目31は、升目”1”,”E”,”31”,”3E”,”71”,”7E”,”C1”,”CE”,”F1”,”FE”となっている。また、升目”EF”は出口13に対応する升目31としている。自動車25を駐車場10内の所定の空き駐車場所17へ案内する誘導経路34の探索方式及び誘導形式の手順について説明する。
S(ステップ)40:現在地升目”3F”から移動可能な各分岐升目”E”、”3E”、”7E”、”CE”、”FE”までの経路(経路は通路升目のみから構成される。)の升目数を算出する。この升目数の算出には、後述するリンク情報が利用され、リンク情報に基づく升目数の算出は次のS41で詳述する。なお、移動可能な分岐升目とは、通路升目の進行可能方向を考慮した意味である。すなわち、通路16の一方通行部分では、逆方向の進行は禁止されているので、分岐升目の内、進行可能方向へ先にある分岐升目のみが移動可能な分岐升目となる。
現在地升目”3F”から移動可能な各分岐升目”E”、”3E”、”7E”、”CE”、”FE”までの経路の升目数は次のようになる。
”3F”―”E”の升目数:”2F”→”1F”→”F”→”E”の4マス
”3F”―”3E”の升目数:”3E”の1マス
”3F”―”7E”の升目数:”4F”→”5F”→”6F”→”7F”→”7E”の5マス
”3F”―”CE”の升目数:”4F”→”5F”→”6F”→”7F”→”8F”→”9F”→”AF”→”BF”→”CF”→”CE”の10マス
”3F”―”FE”の升目数:”4F”→”5F”→”6F”→”7F”→”8F”→”9F”→”AF”→”BF”→”CF”→”DF”→”EF”→”FF”→”FE”の13マス
S41:S40で経路升目数を算出した各分岐升目に対して、次に移動可能な分岐升目までの間に空き駐車場所17があるかどうかを判定する。次の移動可能な分岐升目までの間に空き升目(空き駐車場所17)があるかどうかを判定するために、カテゴリ情報の中の前述のリンク情報を利用する。すなわち、リンク情報に基づき、各升目31に対して縦横に隣接する最大4個の升目が判明し、それら隣接升目のカテゴリ情報に基づき、該隣接升目が、通路升目か、通路升目の内の分岐点升目か、又は空き升目かを検出することができる。
リンク情報に基づくS41の処理を具体的に説明すると、升目”3F”のリンク情報には隣の升目のID”2F”,”3E”,”4F”が記載されている。リンク情報は全升目に付与されているため、任意の1個の升目から辿ることにより全体の升目の配置状態を把握できる。次に必要升目数の判別だが、例えば”3F”→”7E”の移動における経路升目数を計算する場合は、”3F”から移動可能な”2F”,”3E”,”4F”がそれぞれ通路升目か使用中升目(使用中駐車場所18)かを判断する。使用中升目ならそれより先の移動計算を終了する。通路升目であれば、そのまま移動計算を続ける。”4F”に移動した場合は、”3F”,”4E”,”5F”が隣り合う。”3F”は通過済みであるので、”4F”の次の移動先升目から外す。”4E”,”5F”から同様に隣接升目へ伸ばしていった結果、”7E”に辿り着く。”7E”に辿り着くのに最も少ない升目数を必要升目数と判別する。
空き駐車場所17がある場合は、該空き駐車場所17までの経路升目数を算出し、S40の結果に加算して、記憶する。加算値は駐車場10における出発地の升目”3F”から該空き駐車場所17までの合計升目数となる。空き駐車場所17がない場合は、次の移動可能な分岐点升目までの経路升目数を算出する。
例えば、分岐升目”E”及び”CE”の場合のS41の処理は次のようになる。最初に、分岐升目”E”の場合は、空き駐車場所17は無し→移動可能な次の分岐升目は”1”→分岐升目”1”までの経路升目数は13→現在升目からの合計升目数は13+4=17の処理順番となる。分岐升目”CE”の場合では、空き駐車場所17として”D8”が有る→D8までの経路升目数7→現在升目からの合計升目数は10+7=17の処理順番となる。
S41は、空き升目に到達するか、又は次に移動可能な分岐升目がなくなるかするまで、繰り返す。
S42:同一の空き升目31に到達する到達経路の内、合計升目数の最小の到達経路を誘導経路34として選択する。空き駐車場所17が1個しかない場合には、合計升目数の最小の到達経路を誘導経路34として単純に選択できる。空き駐車場所17が複数あるときは、運転者による駐車場所のカテゴリ選択に基づき所定の1個の空き駐車場所17を特定し、特定した空き駐車場所17に対応付けられる空き駐車場所以外の空き駐車場所17は、使用中駐車場所18と見なして、特定空き駐車場所17のみへの誘導経路34を探索するようにすることもできる。
S43:誘導経路34については、その探索中、出発地升目から該空き升目までに辿った通路升目の通過履歴情報を記録している。したがって、記録情報に基づき、駐車場画像28上に誘導経路34を重ねた画像をカーナビゲーション装置のディスプレイに表示する。
S44:自動車25が升目”3F”から移動するのに伴う現在地を駐車場画像28上に反映させるために、現在地升目の変化を、GPS情報を利用して、又はGPS情報を利用できない場合には、ジャイロ計や速度計の情報を利用して、検出し、現在地マーク33の表示位置を現在地升目の位置に更新していく。
目的の空き駐車場所17に自動車25が到着しだい、経路案内は終了する。なお、自動車25のカーナビゲーション装置のディスプレイに表示されるものは、典型的には、図5の内、駐車場画像28と誘導経路34のみである。区分図30、升目31及び升目番号はディスプレイには表示されない。しかし、区分図30、升目31及び/又は升目番号をディスプレイに適宜表示してもよい。
ここで、説明の便宜上、図5のように、入り口12から空き駐車場所17への誘導経路34を探索、表示する方式を「空き駐車場所誘導方式」と呼ぶことにし、また、駐車場10からの退場時に駐車場10内の所定の駐車場所から出口13への誘導経路34を探索、表示する方式を「出口誘導方式」と呼ぶことにする。
図6は出口誘導方式における誘導経路34の探索説明図である。駐車場所に対応する升目は”26”と仮定する。出口誘導方式は、空き駐車場所誘導方式と、誘導経路34の出発点及び到達点を変更しただけであり、その他の探索処理内容は同一である。
すなわち、出口誘導方式では、出発点として、入り口12に対応する升目”3F”に代えて、升目”26”を設定する。また、空き駐車場所誘導方式において空き駐車場所17が1個しかなかった場合の空き駐車場所17に対応する升目に代えて、出口13に対応する升目”EF”を設定する。そして、空き駐車場所誘導方式と同様に、升目”26”から”EF”までの誘導経路34を探索する。出口誘導方式の具体的な手順は次のとおりである。
S50(空き駐車場所誘導方式のS40に対応する。):現在升目”26”から移動可能な分岐升目までの経路の升目数を算出する。この升目数の算出も、S41で詳述したように、リンク情報に基づき行なわれる。なお、移動可能な分岐升目は”31”となり、経路は”36”→”35”→”34”→”33”→”32”→”31”となり、升目数は6マスとなる。
S51(空き駐車場所誘導方式のS41に対応する。):S50で経路升目数を算出した各分岐升目に対して、次に移動可能な分岐升目までの間に出口13があるかどうかを判定する。S51においても、S41の場合と同様に、リンク情報を利用する。すなわち、リンク情報に基づき、各升目31に対して縦横に隣接する最大4個の升目が判明し、それら隣接升目のカテゴリ情報に基づき、該隣接升目が、通路升目か、通路升目の内の分岐点升目か、又は出口升目かを検出することになる。
出口13がある場合は、該出口13までの経路升目数を算出し、S50の結果に加算して、記憶する。加算値は駐車升目”26”から該出口13までの合計升目数となる。出口13がない場合は、次の移動可能な分岐点升目までの経路升目数を算出する。
例えば、分岐升目”71”の場合のS51の処理は次のようになる。出口13は無し→移動可能な次の分岐升目は”71”→分岐升目”71”までの経路升目数は4→現在升目からの合計升目数は6+4=10。
S51は、出口13に対応する出口升目”EF”に到達するか、又は次に移動可能な分岐升目がなくなるかするまで、繰り返す。
S52(空き駐車場所誘導方式のS42に対応する。):出口升目”EF”に到達する到達経路の内、合計升目数の最小の到達経路を誘導経路34として選択する。図6の例では、誘導経路34は、”36”→・・・→”31”→・・・→”71”→・・・→”7E”→・・・→”CE”→・・・→”EE”となる。
S53(空き駐車場所誘導方式のS43に対応する。):誘導経路34については、その探索中、出発地升目から出口升目までに辿った通路升目の通過履歴情報を記録している。したがって、記録情報に基づき、駐車場画像駐車場画像28上に誘導経路34を重ねた画像をカーナビゲーション装置のディスプレイに表示する。
S54(空き駐車場所誘導方式のS44に対応する。):自動車25が升目”26”から移動するのに伴う現在地を駐車場画像28上に反映させるために、現在地升目の変化を、GPS情報を利用して、又はGPS情報を利用できない場合には、ジャイロ計や速度計の情報を利用して、検出し、現在地マーク33の表示位置を現在地升目の位置に更新していく。
出口13に自動車25が到着しだい、経路案内は終了する。なお、自動車25のカーナビゲーション装置のディスプレイに表示されるものは、典型的には、図6の内、駐車場画像28と誘導経路34のみである。区分図30、升目31及び升目番号はディスプレイには表示されない。しかし、区分図30、升目31及び/又は升目番号をディスプレイに適宜表示してもよい。
図7は運転者が駐車場10の駐車場所から自宅60へ戻るときの説明図である。図7に図示されている要素及び部位の内、図1と同一の要素及び部位は同符号で指示して説明は省略し、主要点について説明する。図7の駐車場10は計3個の出口13a〜cを有している。各出口13a〜cは、駐車場10の外のDB(地図データベース)登録道路61へ通じており、自動車25の運転者は、いずれかの出口を通ってから、所定のDB登録道路61を経て自宅60へ戻る。該自動車25には、後述の自動車側誘導装置80(図10)が搭載されている。
自動車25の運転者は、施設内で用事を済ませた後、駐車場10の駐車場所から自宅60へ戻るために、自動車側誘導装置80に自車位置から自宅60への誘導経路の探索を指示する。自動車側誘導装置80が探索しなければならない誘導経路は、出口13a〜cのいずれかを通過して、自宅60へ至るものとなるとともに、出発地から出口までの誘導経路部分(以下、「駐車場内誘導経路部分」という。)は駐車場10内に存在し、出口から自宅60までの誘導経路部分(以下、「駐車場外誘導経路部分」という。)は駐車場10の外に存在する。
前述したように、自動車25が入り口12において路側機24から受信する詳細情報には、駐車場画像28上の各出口13a〜cの位置を示す情報(出口升目位置情報)が含まれている。これにより、自動車25のカーナビゲーション装置は、どの出口13a〜cを指定されても、現在地から指定出口までの駐車場内誘導経路部分を、前述した出口誘導方式により支障なく探索することができる。
一方、駐車場外誘導経路部分は、地図データベース部91(図10)の地図データベースを使用して、探索するものであるが、一般的な地図データベースは、駐車場10が地図データベースの地図上のどの位置にあるかのデータは有していても、駐車場10の各出口13a〜cが地図データベースの地図上のどこにあるかのデータは、駐車場10内の通路データや駐車場所データと同じく、有していない。したがって、もし自動車側誘導装置80が地図データベース部91の地図データベースのみのデータに基づき駐車場10及び自宅60をそれぞれ出発地及び目的地として探索する誘導経路は、駐車場内誘導経路部分については探索不能であり、駐車場外誘導経路部分のみとなってしまう。また、該駐車場外誘導経路部分の始点は、駐車場10の出口に一致せず、駐車場10に隣接する道路上の所定地点とか、駐車場10に一番近いノード(交差点)になってしまい、駐車場10の出口から駐車場外誘導経路部分の始点までの経路が省略されてしまう。
これに対処し、入り口12において路側機24から自動車側誘導装置80へ送信する詳細情報には、駐車場画像28上の各施設出口の位置情報と共に、地図データベースの地図上の施設出口位置、例えば各出口13a〜cの緯度経度を含める。自動車側誘導装置80は、このような各出口13a〜cの緯度経度と地図データベースのデータとに基づき、指定された出口から目的地までの駐車場外誘導経路部分を探索することが可能になる。
図8は自動車25が搭載する自動車側誘導装置80による誘導経路探索についての概略説明図である。前述したように、自動車側誘導装置80は、駐車場10の入り口12において路側機24から各出口13a〜cの緯度経度A,B,Cを含む詳細情報を受信する。自動車側誘導装置80は、自動車25の運転者より駐車場所から自宅60までの誘導経路の探索指示を受けると、各出口13a〜cを出発地(図8では、「仮想自車位置」と呼んでいる。)とし、自宅60を目的地とする誘導経路を探索する。この例では、出口は3個あるので、3個の誘導経路が探索される。
自動車側誘導装置80は、3個の誘導経路の中で、最短経路のものを駐車場外誘導経路部分64として選択する。次に、駐車場外誘導経路部分64の始点となっている出口が出口13a〜cのどれかを判別する。詳細情報には、各出口13a〜cの緯度経度と各出口升目との対応付けに係る情報が含まれているので、該対応付け情報に基づき駐車場外誘導経路部分64の始点から駐車場内誘導経路部分65の目的地とすべき出口升目を求めることができる。
図8の例では、駐車場外誘導経路部分64の始点は出口13cとなっている。自動車側誘導装置80は、駐車場所及び出口13cをそれぞれ出発地及び目的地とする駐車場内誘導経路部分65を前述した出口誘導方式(S50〜S54)により探索する。駐車場内誘導経路部分65の終点と駐車場外誘導経路部分64の始点とを一致させることにより、駐車場所から自宅60までの全体の誘導経路が完成する。
図9は駐車場10に設置される駐車場側誘導施設70の構成図である。駐車場側誘導施設70は、図1等で説明した路側機24の他に、路側機通信制御部71及び駐車場情報管理部72を備えている。路側機通信制御部71及び駐車場情報管理部72はサーバ26(図1)に実装されている。なお、図1では、路側機24は入り口12にしか図示されていないが、駐車料金を管理する場合には、各自動車25の退場時刻の検出及び駐車料金の算出等のために、1個のサーバ26(路側機通信制御部71及び駐車場情報管理部72)に対して路側機24は各出口13a〜cにもそれぞれ設置される。
駐車場情報管理部72は、駐車場画像28や詳細情報の生成等の駐車場10内の自動車25の誘導に係る情報処理の他、駐車料金管理に係る情報処理等の他の駐車場情報管理も行なう。路側機通信制御部71は、各路側機24を制御するとともに、駐車場情報管理部72からのデータを所定の路側機24から送信させたり、路側機24が受信したデータを駐車場情報管理部72へ送る。
図10は自動車側誘導装置80の構成図である。制御部81は、自動車側誘導装置80内のすべてのモジュールを制御する。DSRC通信制御部82は、車載通信機として、DSRCにより路側機24と相互に通信する。
操作部83は、タッチパネル/ハードキー/リモコン等であり、運転者が自動車側誘導装置80に指示を与えるときに使用され、指示内容を制御部81へ送る。表示部84は、LCDモニター等であり、制御部81からの情報を表示する。
自車位置認識部88は、衛星から受信したGPSデータに基づき自車位置(現在地)を算出するだけでなく、適宜、車速パルスセンサーやジャイロメータ等のセンサーからの入力に基づき自動車25の走行軌跡を計算し、走行軌跡に基づき自車位置を算出する。ルート探索部89は、出発地及び目的地からルート探索を実行する。案内部87は、ルート探索部89が探索したルートの中から所定の基準に従い1個のルートを今回の誘導経路に決定し、誘導経路に基づく案内を実行する。案内部87による案内の具体的内容は、誘導経路を表示部84に表示したり、自動車25が所定の地点に差し掛かると、スピーカ(図示せず)より案内音声を流すことである。
地図データベース部91は、地図情報から成る地図データベースを保持する。該地図データベースの地図情報には、駐車場10外の地図やDB登録道路61等のデータは含まれているものの、駐車場10内の地図、並びに入り口12及び出口13a〜cの位置に係るデータは含まれていない。記憶部93は、出発地及び目的地をそれぞれ駐車場10内及び駐車場10外の地点として探索した誘導経路を記憶する。地図情報制御部92は、誘導経路における自動車25の進行に応じて、表示部84の表示画面を、自車位置に応じて駐車場画像28から地図データベースの地図画面へ切替える。
図11は目的地案内処理方法100のフローチャートである。S101では、入り口12に設置されている路側機24から簡易マップ情報及び詳細情報等の駐車場内情報を有効エリア(例:入り口升目)内にDSRCによりプッシュ配信する。該詳細情報には、駐車場画像28上の各出口13a〜cの位置(升目番号)や、各出口13a〜cの緯度経度が含まれている。
S102では、DSRC通信可能な車載機搭載の自動車25が有効エリアに進入したかどうかを監視し、自動車25が進入しだい、S103へ進む。S101,S102は、駐車場側誘導施設70において実行される処理であり、次のS103以降は自動車側誘導装置80において実行される。
S103では、自動車25の自動車側誘導装置80は、入り口12の路側機24がプッシュ配信する駐車場情報をDSRC通信制御部82により受信し、記憶部93へ記憶する。S104では、空き升目(空き駐車場所)へ停車し、自動車25のエンジンを停止する。
S105では、利用者(運転者)が所要を済ませ、駐車場10からの退出のためエンジンをオンする。自動車側誘導装置80は、それと同時に、利用者が既存のナビゲーションの目的地探索機能を使用して、駐車場外部の施設を目的地に設定するかどうかを監視する。そして、設定されたのであれば、S112へ進み、設定されないのであれば、S109へ進む。
S109は、図6及びS51〜S54において前述した出口誘導方式における誘導経路34の探索処理である。前述の出口誘導方式では、出口が駐車場10に1個しかない場合について説明したが、駐車場10が複数個の出口13a〜cを有している場合には、複数の出口の中から、例えば、自車位置から最も近い出口を自動的に選択したり、利用者に希望の出口(北出口とか南出口とか番号A−1の出口とか)をリスト表示の上、選択させたりし、こうして選択された出口への誘導経路が探索される。
S112では、設定された目的地情報を記憶部93に記憶する。また、記憶部93に記憶された駐車場情報内の出口情報からすべての出口13a〜cの緯度経度情報を抽出する。S113では、各出口13a〜cについて抽出した緯度経度を仮想的に現在地と設定し、その仮想現在地から記憶された目的地までの誘導経路を地図データベースの情報に基づき探索する。探索した地図データベースは記憶部93に記憶する。なお、S113におけるルート探索は、図8において前述した駐車場外誘導経路部分64の探索である。
S114では、すべての出口13a〜cに対してルート探索し、その終了を監視する。そして、未終了であれば、S113へ戻り、終了すれば、S117へ進む。
S117では、記憶部93のすべてのルート探索結果から最短ルートを抽出するとともに、他のルート情報は記憶部93から削除する。前述の図8では、出口13cからの駐車場外誘導経路部分64が最短ルートとして選択された。S118では、ステップ117で抽出した最短ルートに該当する出口(図8の例では出口13c)を判別する。
S119では、DSRC地図情報(例:図6の画面)上での出口13cまでの案内を実行する。S119の具体的内容は、図6及びS51〜S54において前述した出口誘導方式における誘導経路34の探索処理である。ただし、出口誘導方式における誘導経路34の目的地は出口13cとされる。
S120では、自動車側誘導装置80は、自動車25が出口13cに設置されている路側機24を通過し、かつ駐車料金精算が完了したかを監視する。該監視は、各出口13a〜cに設置されている路側機24への自動車25の車載機からの通信の有無に基づき実行される。S120の精算が完了しだい、S124へ進み、未完了であれば、S119へ戻る。
S124では、自動車25が出口13cを出て、DB登録道路61へ進入すると、地図情報制御部92によってDSRC受信地図情報(例:図6の画面)から、地図データベース部91の地図データベースに基づく地図情報へ表示部84の画面が切替えられる。その際、記憶部93に記憶された駐車場外誘導経路部分64情報を読み出し、駐車場外誘導経路部分64を表示部84の地図上に表示する。S125では、地図データベースに基づいて自宅60へ案内し、自宅60に到着しだい、目的地案内処理方法100を終了する。
図12は施設内外自動車誘導システム140の構成図である。施設内外自動車誘導システム140は、施設側誘導装置150、及び自動車に搭載される自動車側誘導装置180を備えている。施設側誘導装置150は、駐車場の所定位置に設置される路側機160を備え、路側機160から自動車側誘導装置180へはDSRC等の無線145を介して情報を送信自在になっている。
図7及び図8で前述した駐車場内外自動車誘導システムは施設内外自動車誘導システム140の具体例である。施設内外自動車誘導システム140における施設は、駐車場10に限定されず、サファリパーク、キャンピング場、自動車に乗り込んだまま映画を観覧する屋外映画場等、任意の施設であってもよい。
路側機160−自動車側誘導装置180間の通信は、典型的には、双方向通信であるが、路側機160から自動車側誘導装置180への一方向通信であってもよいとする。DSRCでは、通信距離が短いので、自動車側誘導装置180は、それが搭載されている自動車が路側機160に十分に接近している場所を通過している期間のみ、路側機160と通信可能になるとともに、通信位置(情報受信場所)を非常に狭い場所に限定できる。
通信位置は、通信期間の自車位置と判断できる。通信位置は、典型的には、施設の入り口であるが、これに限定されない。入り口から施設内へ少し入った地点や、入り口から最初の分岐場所へ向かう通路上の地点や、その他、施設内の所定地点であってもよい。
図13は施設側誘導装置150のブロック図である。施設側誘導装置150は、路側機160の他に、画像情報生成手段151、詳細情報生成手段152、及び送信制御手段153を備えている。
画像情報生成手段151は、施設内画像情報を生成する。詳細情報生成手段152は、施設内画像上の施設出口位置を示す画像用出口情報と、自動車側誘導装置180で利用可能な施設出口位置を示す自動車側誘導装置用出口情報とを少なくとも含む詳細情報を生成する。送信制御手段153は、施設内画像情報及び詳細情報を路側機160から送信させる。
自動車側誘導装置180の地図データベースの地図上の施設出口位置は、例えば、経度緯度で表したものとなっている。
施設内画像上の施設出口位置は、例えば、施設内画像を区分図30(図6)により区分して、区分図30の各升目にアドレスとしての番号を付与し、升目の番号により表すことができる。
好ましくは、詳細情報は、施設内画像上の通路位置、路側機160からの施設内画像上の情報受信位置、通路の分岐点位置、通路における自動車の許容進行方向、施設内画像情報の方角、及び/又は施設内画像情報の縮尺に係る情報を含む。
分岐点位置情報とは、どの通路部位が通路の分岐点に対応しているかに係るものである。進行方向情報とは、各通路部位について自動車の許容進行方向はどの方向かに係るものである。
図14は自動車側誘導装置180のブロック図である。自動車側誘導装置180は、地図データベース保持手段181、情報受信手段182、施設外誘導経路部分探索手段183、施設内誘導経路部分探索手段184、及び表示制御手段185を備えている。好ましくは、自動車側誘導装置180は、さらに、自車位置算出手段190及び出口選択手段191を備えている。
地図データベース保持手段181は、施設外の地図情報に係る地図データベースを保持する。情報受信手段182は、施設内に設置された路側機160から、施設内画像情報と、施設内画像上の施設出口位置を示す画像用出口情報、及び自動車側誘導装置で利用可能な施設出口位置を示す自動車側誘導装置用出口情報とを少なくとも含む詳細情報とを、無線で受信する。
施設外誘導経路部分探索手段183は、施設内の自車位置としての出発地から施設外の目的地への誘導経路探索において、施設出口から目的地までの施設外誘導経路部分を、地図データベースと地図データベース用出口情報とに基づき探索する。施設内誘導経路部分探索手段184は、誘導経路探索において、出発地から施設の施設出口までの施設内誘導経路部分を画像用出口情報に基づき探索する。
表示制御手段185は、施設内における誘導期間では施設内画像情報から生成した施設内画像上に施設内誘導経路部分を重ねた画像を、また、施設外における誘導期間では地図データベースから生成した地図上に施設外誘導経路部分を重ねた画像を、ディスプレイ188に表示する。
施設内画像情報は、典型的には、施設内を図形で簡単に表示した簡易図形であるが、他として、駐車場内をデジタルカメラで撮影した画像であってもよいとする。自動車側誘導装置180は、施設出口が複数ある場合、施設内画像上の施設出口位置と自動車側誘導装置180の地図データベースの地図上の施設出口位置との対応付け情報を含む詳細情報を受け取ってもよいし、自動車側誘導装置180の地図データベースの地図上の施設出口位置(例えば緯度経度)に基づきそれに対応する施設内画像上の施設出口位置を検出してもよい。その場合、情報受信場所の緯度経度の詳細情報が必要になることもある。
施設内の出発地とは、典型的には、今まで自動車を止めていた駐車場所であるが、これに限定されない。運転者は、自動車を駐車場所から通路へ出して、暫くしてから、出口への経路探索を指示したり、施設へ入場してから気が変わり、駐車することなく、直ちに、施設からの退場を決意して、出口への経路探索を指示したりすることがある。
施設の出口とは、図8の場合のように、出口13a〜cに限定されない。駐車場によっては、これら出口13a〜cを出た後も、暫く私有地内の道路が続いてから、DB登録道路61へ至ることがある。その場合、DB登録道路61へ入る直前の施設内の地点が施設の出口となる。
一般的なカーナビゲーション装置は、施設が地図データベースから生成した地図のどこに位置するかについての情報は地図データベースに蓄積しているものの、施設内の地図を表示することができないし、したがって、施設内の地点を出発地として、自宅等の施設外の地点を目的地とする誘導経路を適切に探索することができない。
これに対して、自動車側誘導装置180では、路側機160から自動車側誘導装置180へ施設内画像情報の送信により、自動車側誘導装置180のディスプレイ188に、施設内の地図として利用可能な施設内画像を表示することができるとともに、詳細情報に基づき施設外目的地への誘導経路を探索して、施設内画像上及び地図データベースの地図上にそれぞれ施設内誘導経路部分及び施設外誘導経路部分を重ね合わせてディスプレイ188に表示することができる。なお、施設内画像上に施設内誘導経路部分を重ね合わせた表示は、自車が施設から退場するまでの適切な誘導案内となる。
典型的なドライバによる駐車場の利用では、ドライバは、自動車を駐車場の空き駐車場所に自動車を止め、自動車のエンジンを切ってから、自動車から降り、用事を済ませてから、再び、自分の自動車へ戻り、エンジンをかける。エンジン停止中は、ナビゲーション装置等の車載電気機器は電源オフの状態になっているが、ドライバがエンジンを始動して、直ちに誘導経路探索を指示する場合にも、自動車側誘導装置180は、誘導経路探索の出発地としての駐車場内の自車位置を支障なくかつ速やかに検出することが要求される。
これに対処し、例えば、詳細情報は、空き駐車場所への施設画像上の誘導経路を探索するのに必要な情報を含む。施設内誘導経路部分探索手段184は、そして、自車が施設画像上のどの空き駐車場所に駐車していたかを特定して該特定した空き駐車場所を出発地として施設内誘導経路部分を探索することが好ましい。
その他の対処例として、詳細情報には、路側機160から施設内画像上の情報受信位置に係る情報を含む。自車位置算出手段190は、施設内画像上の自車位置を施設内画像上の情報受信位置情報に基づき算出する。そして、施設内誘導経路部分探索手段184は、自車位置算出手段190が算出した自車位置を出発地として施設内誘導経路部分を探索するようになっていてもよい。
自車がどの場所に駐車していたかは、すなわち、該自動車の、施設内画像上の駐車位置は、情報受信位置から駐車までの現在地の移動軌跡を辿ることにより検出可能である。駐車開始時に、カーナビゲーション装置の所定の不揮発性メモリに現在地としての駐車位置を記憶して、駐車終了時の退場開始の時に該駐車位置が現在地として不揮発性メモリから読み出される。情報受信場所からの現在地の移動軌跡は、GPSを利用して、又はGPSが使用不可能になっている場合には、ジャイロ計や速度計を利用して、測定できる。
情報受信手段182が受信する詳細情報には、さらに、施設内画像上の通路位置、通路の分岐点、通路における自動車の許容進行方向、施設内画像の方角、及び/又は施設内画像の縮尺に係る情報を含ませることができる。
出口選択手段191は、施設出口が複数個ある場合には、所定の基準により1個の施設出口を選択する。そして、自車位置算出手段190は、該選択した施設出口を始点とする施設外誘導経路部分及び終点とする施設内誘導経路部分を探索するように、施設外誘導経路部分探索手段183及び施設内誘導経路部分探索手段184に指示する。
所定の基準により選択する施設出口は、例えば、施設外誘導経路部分を最短にする施設出口、施設内誘導経路部分を最短にする施設出口、又はユーザが指示した施設出口である。
好ましくは、施設内誘導経路部分探索手段184における施設内誘導経路部分の探索では、施設内誘導経路部分の施設内画像を格子配列の升目に区分して、施設内画像の各位置を升目で対応付ける(例:図6)。施設内誘導経路部分探索手段184は、現在地から連続した通路升目を辿って出口升目まで到達し得た升目経路を施設内誘導経路部分とする。
典型的には、各升目は等形状かつ等寸法とされる。出口升目への施設内誘導経路部分が複数見つかった場合、施設内誘導経路部分探索手段184は、各施設内誘導経路部分の通路升目の個数から各施設内誘導経路部分の長さを判別し、長さが最小となっている施設内誘導経路部分を最終結果の施設内誘導経路部分(今回、運転者に提示する誘導経路)にする。
施設内誘導経路部分探索手段184における施設内誘導経路部分の探索では、現在地から連続した通路升目を辿って出口升目まで到達し得た升目経路を施設内誘導経路部分とする方式に代えて、
施設外誘導経路部分探索手段183における施設外誘導経路部分の探索と同様な方式、例えばダイクストラ法を利用することもできる。その場合、施設内誘導経路部分探索手段184では、分岐升目をノードとし、相互に隣接する分岐升目間を繋ぐ通路升目の連続列をリンクとして扱う。
好ましくは、自車位置算出手段190は、運転者からの探索指示後の自車移動期間も自車位置の算出を施設内及び施設外で継続し、表示制御手段185は、自車位置算出手段190が算出した施設内画像上の自車位置に現在地マーク(例:図6の現在地マーク33)を表示させる。
図15は施設内外自動車誘導方法200のフローチャートである。S201では、施設側誘導装置150において、施設内画像情報と、施設内画像上の施設出口位置を示す画像用出口情報、及び自動車側誘導装置180で利用可能な施設出口位置を示す自動車側誘導装置用出口情報を少なくとも含む詳細情報とを生成する。S202では、施設内画像情報及び詳細情報を施設側誘導装置150の路側機160から自動車側誘導装置180へ無線145で送信する。
S203では、施設内の自車位置としての出発地から施設外の目的地への誘導経路探索において、施設出口から目的地までの施設外誘導経路部分を地図データベースと地図データベース用出口情報とに基づき自動車側誘導装置180において探索する。S204では、誘導経路探索において、出発地から施設の施設出口までの施設内誘導経路部分を画像用出口情報に基づき自動車側誘導装置180において探索する。
S205では、施設内における誘導期間では施設内画像情報から生成した施設内画像上に施設内誘導経路部分を重ねた画像を、また、施設外における誘導期間では地図データベースから生成した地図上に施設外誘導経路部分を重ねた画像を、自動車側誘導装置180のディスプレイ188に表示する。
施設内外自動車誘導方法200において、施設の具体例、詳細情報の具体例、施設における自車位置算出の具体例に関しては、施設内外自動車誘導システム140の具体例をそのまま適用し得る。
施設内外自動車誘導方法200には、自車位置算出ステップを追加することができる。該自車位置算出ステップでは、自車が施設内にある期間は、施設内画像上の自車位置の算出を行う。そして、ディスプレイ188に施設内誘導経路部分を表示して、自車を誘導している期間では、施設内画像上に現在地マーク(例:図6の現在地マーク33)を表示する。
本発明を各種具体的形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で、各種具体的形態における各構成要素を変形(削除も含む。)して具体化できる。また、各種具体的形態間の構成要素の置換したり、各種具体的形態の複数の構成要素を組み合わせたりすることにより、種々の発明を形成することもできる。
140:施設内外自動車誘導システム、145:無線、150:施設側誘導装置、151:画像情報生成手段、152:詳細情報生成手段、153:送信制御手段、160:路側機、180:自動車側誘導装置、181:地図データベース保持手段、182:情報受信手段、183:施設外誘導経路部分探索手段、184:施設内誘導経路部分探索手段、185:表示制御手段、188:ディスプレイ、190:自車位置算出手段、191:出口選択手段、200:施設内外自動車誘導方法。