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JP4918738B2 - Itoスパッタリングターゲットおよびその製造方法 - Google Patents

Itoスパッタリングターゲットおよびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ITO透明導電膜形成用のスパッタリングターゲットおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
透明導電膜であるITO(Indium Tin Oxide)薄膜の製造方法はスプレー熱分解法、CVD法等の化学的成膜法と電子ビーム蒸着法、スパッタリング法等の物理的成膜法に大別することができる。なかでもITOターゲットを用いたスパッタリング法は、大面積化が容易で、得られる膜の抵抗値および透過率の経時変化が少なく、また、成膜条件のコントロールが容易であるため、様々な分野で使用されている。
【0003】
ITO薄膜は高導電性、高透過率といった特徴を有し、更に微細加工も容易に行えることから、フラットパネルディスプレイ用表示電極、太陽電池用窓材、帯電防止膜等の広範囲な分野に渡って用いられている。特に液晶表示装置を始めとしたフラットパネルディスプレイ分野では近年大型化および高精細化が進んでおり、その表示用電極であるITO薄膜に対して低パーティクル化の要求が高まっている。
【0004】
基板へのパーティクル付着量は、スパッタリング中のアーキング発生頻度と深く係わっており、パーティクルの低減には、アーキングを低減させることが有効である。
【0005】
アーキングの低減には、スパッタリングターゲットに用いるITO焼結体の密度向上が有効であり、密度向上の手法として、例えば、特開平3−207858号等のように酸素加圧焼結を行う方法や、特開平9−25567号等のように微細酸化スズ粉末を用いる方法などが知られている。
【0006】
また、高密度化させた上で焼結体中の中間化合物相(酸化インジウムと酸化スズの複合酸化物相であり、スズが固溶した酸化インジウム相とは異なる)を低減させる方法も開示されている。例えば、特開平06−158308号公報および特開平07−166341号公報には、相対密度が90%以上で単相構造(SnO2相および中間化合物相が面積比で10%以下)を有し、比抵抗を1×10-3Ω・cm以下とするしたITOスパッタリングターゲットが開示されている。
【0007】
このターゲットは、アーキングによる膜特性の均一性悪化の防止と、アーキングを原因として形成されるターゲット表面の黒化による薄膜抵抗の増加防止を目的としており、スズ量を2〜6重量%と低減し、平均粒径0.1μm以下の酸化インジウム−酸化スズ複合粉末をプレス成形した後、1〜10気圧の加圧酸素雰囲気中1500〜1700℃で焼結することにより得られる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ITO薄膜に要求される性能は日々高まり、かつ、コスト低減要求も強まるなか、更なる改良が必要とされているのが現状である。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、相対密度99%以上の焼結体からなるITOスパッタリングターゲットのアーキング発生頻度の低減策について鋭意検討を行い、アーキング発生頻度は、該中間化合物相の形状と強く相関しており、任意の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察される中間化合物粒子の楕円長短軸比を2.1以上にすることにより、またその形状が、凹面を含む多角形状とすることにより発生頻度を低減できることを見出した。
【0010】
即ち、本発明は、酸化インジウム粉末と酸化スズ粉末を混合、成形、焼成して得られるITO焼結体からなるスパッタリングターゲットであって、その相対密度が99%以上で、焼結体が立方晶系酸化インジウムからなる母相と、酸化インジウムと酸化スズの中間化合物相の2相構造からなり、▲1▼焼結体の任意の断面をSEMを用いて観察される中間化合物粒子の楕円長短軸比が2.1以上であるITOスパッタリングターゲット、または、▲2▼焼結体の任意の断面をSEMを用いて観察される中間化合物粒子の80%以上が凹面を含む多角形状であるITOスパッタリングターゲット、および▲3▼酸化インジウム粉末と酸化スズ粉末とを、混合、成形し、1550℃以上、1650℃未満の純酸素気流中で焼結した後、焼結保持温度から少なくとも1300℃までの降温速度を、200℃/時間以上としたことを特徴とするITOスパッタリングターゲットの製造方法に関する。
【0011】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】
本発明のITOスパッタリングターゲットは、例えば、以下の方法で製造することができる。はじめに、酸化インジウム粉末と酸化スズ粉末とを所望の割合でボールミル用ポットに投入し、乾式あるいは湿式混合して混合粉末を調製する。使用する粉末の平均粒径は、1.5μm以下であることが好ましく、更に好ましくは0.1μmを越え1.5μm以下である。このような粉末を使用することにより、焼結体の密度増加効果が得られる。
【0013】
本発明では、混合粉末中の酸化スズの含有量は、SnO2/(In23+SnO2)で8重量%以上、15重量%未満とすることが好ましい。こうすることにより、スパッタリング法により製膜したときに得られる薄膜の抵抗率が低下する。
【0014】
こうして得られた粉末をプレス法あるいは鋳込法などの成形法により成形してITO成形体を製造する。プレス成形により成形体を製造する場合には所定の大きさの金型に混合粉末を充填した後、プレス機を用いて100〜300kg/cm2の圧力でプレスを行い成形体とする。この際、必要に応じてPVA等のバインダーを添加しても良い。一方、鋳込法により成形体を製造する場合には、混合粉末を水、バインダーおよび分散剤とともに混合してスラリー化し、こうして得られた50〜5000センチポイズの粘度を持つスラリーを鋳込み成形用の型に注入して成形体を製造する。
【0015】
次に、こうして得られた成形体は、必要に応じて冷間等方圧プレス(CIP)による処理を行う。この際、CIPの圧力は十分な圧密効果を得るため1ton/cm2以上、好ましくは2〜5ton/cm2であることが望ましい。
【0016】
成形を鋳込法により行った場合には、CIP後の成形体中に残存する水分およびバインダー等の有機物を除去するため300〜500℃の温度で5〜20時間程度の乾燥処理および脱バインダー処理を施すことが好ましい。また、成形をプレス法により行った場合でも、成形時にバインダーを使用したときには、同様の脱バインダー処理を行うことが好ましい。
【0017】
次に、このようにして得られた成形体の焼結を行う。昇温速度については特に限定されないが、焼結時間の短縮と割れ防止の観点から、10〜400℃/時間とするのが好ましい。
【0018】
本発明においては、この後の温度プロファイルが重要となる。
【0019】
焼結保持温度は、1550℃以上、1650℃未満、好ましくは、1580℃以上1620℃以下とする。こうすることにより、酸化インジウム格子中への酸化スズの固溶が、低温での固溶限界を超えて促進される。
【0020】
保持時間は5時間以上、好ましくは5〜30時間であることが望ましい。こうすることにより、高密度の焼結体が得やすくなる。
【0021】
降温は、少なくとも1300℃までは、200℃/時間以上の降温速度で降温する。好ましくは250℃/時間以上、さらに好ましくは300℃/時間以上とする。なお、ここでいう降温速度は焼結時の炉の温度パターンの設定値ではなく、炉内温度を示す。降温速度の上限値については特に規定されないが、焼結体の割れ防止を考慮すると、500℃/時間以下が好ましい。高温領域で低温での固溶限界以上に固溶していた酸化スズはこの降温過程で析出し中間化合物を形成するが、上記のような降温速度に設定することにより、析出量を低減させると共に、任意の断面をSEMで観察した際に観察される中間化合物相粒子の楕円長短軸比が2.1以上で、凹面を含む多角形状となる。
【0022】
本発明のITOスパッタリングターゲットの表面構造をSEMにより調べた結果を図1に、このSEM像から中間化合物粒子に相当する部分を黒く抜き出したものを図2に示す。本発明でいう凹面を含む粒子とは、図1および図2に示すように粒子の輪郭線の少なくとも一部に凹面を含んでいることを意味する。また、本発明の凹面を含む多角形状であるITOスパッタリングターゲットとは、中間化合物粒子のうち80%(個数換算)以上が凹面を含んでいることを意味する。
【0023】
中間化合物相をこのような形状とすることにより、効果的にスパッタリング中のアーキングを抑制が可能となる。このような現象のメカニズムについては明らかになっていないが、上記のように高温で焼成した後、急激に冷却し、上記の形状の中間化合物相を形成することにより再現性良くアーキングを抑制することが可能となる。
【0024】
1550℃以上で焼結を行わない場合には、SEMにより観察される中間化合物の形状は、円形に近く凹面を持たないものが主となり、楕円長短軸比も2.1より小さい値となる。また、200℃/時間以上の急冷を行わなかった場合には、楕円長短軸比が2.1以上で凹面を持つ中間化合物が主とはならず、また中間化合物相の析出量が多くなるとともに中間化合物粒子の平均断面積が5μm2を越えてしまうため、アーキング低減効果が得られない。
【0025】
1300℃未満となった後の降温速度は、焼結体の割れを防止するため、100℃/時間以下とするのが好ましい。1200℃以下となった後に降温速度を遅くするとより好ましい。降温速度を遅くする温度の設定および降温速度の選択は、焼結炉の容量、焼結体サイズおよび形状、割れ易さなどを考慮して適宜決定すればよい。
【0026】
焼結時の雰囲気は、酸素気流中とし、焼結時に炉内に酸素を導入する際の酸素流量(L/min)と成形体仕込量(kg)の比(仕込重量/酸素流量)を、1.0以下とする。こうすることにより、高密度の焼結体を得やすくなる。
【0027】
本発明に係わる中間化合物粒子の楕円長短軸比、形状および平均断面積の測定方法は、例えば、次の通りに行えばよい。まずITO焼結体を適当な大きさに切断した後、表面研磨を行う。FE(Field Emission)−SEM等を用いて焼結体表面の写真を撮るとともに、ひとつひとつの粒子の定量分析を行い、Snが固溶した酸化インジウム相と中間化合物相に分類する。
【0028】
次に、結晶相の分類されたSEM像をコンピューターに取り込み画像解析を行う。本発明では、Media Cybernetics社製、ソフト名「Image−Pro Plus」を用いて測定を行った。
【0029】
中間化合物相の楕円長短軸比は、測定対称粒子の相当楕円(対称粒子と同面積でかつ物理学で言う1次および2次モーメントが等しい楕円)の長軸長と短軸長の比率(長軸/短軸)により求めた。
【0030】
凹面を含む多角形状については、定量分析の結果、中間化合物と同定された粒子の形状をSEM写真上、目視により観察した。
【0031】
平均断面積は、定量分析の結果、中間化合物と同定された粒子の面積の和(S)を粒子の数(n)で除して求めた。
【0032】
本発明では、相対密度は高いほどアーキング低減効果が得られるため、99.5%以上が好ましい。より好ましくは99.7%以上で、特に好ましくは99.8%以上である。
【0033】
なお、本発明でいう相対密度(D)とは、In23とSnO2の真密度の相加平均から求められる理論密度(d)に対する相対値を示している。相加平均から求められる理論密度(d)とは、ターゲット組成において、In23とSnO2粉末の混合量をa,b(g)とした時、それぞれの真密度7.18、6.95(g/cm3)を用いて、
d=(a+b)/((a/7.18)+(b/6.95))
により求められる。焼結体の測定密度をd1とすると、その相対密度は、
式:D=d1/d×100(%)
で求められる。
【0034】
次に、得られた焼結体を所望の形状に研削加工した後、必要に応じて無酸素銅等からなるバッキングプレートにインジウム半田等を用いて接合することにより、本発明のITOスパッタリングターゲットを得ることができる。
【0035】
得られたターゲットをスパッタリング装置内に設置し、アルゴンなどの不活性ガスと必要に応じて酸素ガスをスパッタリングガスとして用いて、dc或いはrf電界を印加してスパッタリングを行うことにより、所望の基板上にITO薄膜を形成することができ、この際アーキング発生量が低減されるという本発明の効果が発現される。
【0036】
【実施例】
(実施例1)
平均粒径0.5μmの酸化インジウム粉末90重量部と平均粒径0.5μmの酸化スズ粉末10重量部とをポリエチレン製のポットに入れ、乾式ボールミルにより72時間混合し、混合粉末を調製した。前記混合粉末のタップ密度を測定したところ2.0g/cm3であった。
【0037】
この混合粉末を金型に入れ、300kg/cm2の圧力でプレスして成形体とした。この成形体を3ton/cm2の圧力でCIPによる処理を行った。次にこの成形体を純酸素雰囲気焼結炉内に設置して、以下の条件で焼結した。
(焼結条件)
昇温速度:100℃/時間、焼結温度:1600℃、焼結時間:6時間、雰囲気:昇温時800℃から降温時400℃まで純酸素ガスを炉内に、(仕込重量/酸素流量)=0.8で導入、降温速度:1600℃から1200℃までは、400℃/時間、以降50℃/時間
得られた焼結体の密度をアルキメデス法で測定した。結果を表1に示す。
【0038】
この焼結体から湿式加工により5×7インチ厚さ6mmのターゲット用焼結体とSEM分析用のサンプルを切り出した。
【0039】
このサンプルの表面構造をSEMにより測定した結果を図1に、図1における中間化合物部分を黒く示したものを図2に示す。また、密度、中間化合物粒子の楕円長短軸比、形状および平均断面積を測定した結果を表1に示す。
【0040】
一方、ターゲット用焼結体をインジウム半田を用いて無酸素銅製のバッキングプレートにボンディングしてターゲットとした。このターゲットを以下のスパッタリング条件で連続放電させてアーキング発生量を調べた。
(スパッタリング条件)
DC電力:300W、ガス圧:7.0mTorr、スパッタリングガス:Ar+酸素、スパッタリングガス中の酸素ガス濃度(O2/Ar):0.05%、放電時間:66時間(ターゲットの残厚は約1mm)ここで、酸素ガス濃度は、得られる薄膜の抵抗率が最も低下する値に設定した。
【0041】
66時間連続放電した際の積算アーキング発生回数を表1に示す。積算アーキング発生回数は僅かであった。
【0042】
(実施例2)
1600℃から1200℃までの降温速度を、350℃/時間とした以外は、実施例1と同様の方法で、ITOターゲットと分析用サンプルを作製した。
【0043】
密度、中間化合物粒子の楕円長短軸比、形状および平均断面積を測定した結果を表1に示す。
また、実施例1と同様の連続放電試験を実施した結果を表1に示す。積算アーキング発生回数は僅かであった。
【0044】
(実施例3)
1600℃から1200℃までの降温速度を、300℃/時間とした以外は、実施例1と同様の方法で、ITOターゲットと分析用サンプルを作製した。
【0045】
密度と中間化合物粒子の楕円長短軸比、形状および平均断面積を測定した結果を表1に示す。
また、実施例1と同様の連続放電試験を実施した結果を表1に示す。積算アーキング発生回数は僅かであった。
【0046】
(実施例4)
1600℃から1200℃までの降温速度を、200℃/時間とした以外は、実施例1と同様の方法で、ITOターゲットと分析用サンプルを作製した。
【0047】
密度、中間化合物粒子の楕円長短軸比、形状および平均断面積を測定した結果を表1に示す。
また、実施例1と同様の連続放電試験を実施した結果を表1に示す。積算アーキング発生回数は僅かであった。
【0048】
(実施例5)
1600℃から1300℃までの降温速度を、400℃/時間、以降50℃/時間とした以外は、実施例1と同様の方法で、ITOターゲットと分析用サンプルを作製した。
【0049】
密度、中間化合物粒子の楕円長短軸比、形状および平均断面積を測定した結果を表1に示す。
また、実施例1と同様の連続放電試験を実施した結果を表1に示す。積算アーキング発生回数は僅かであった。
【0050】
(比較例1)
焼結温度を1500℃、1500℃から1200℃までの降温速度を400℃/時間とした以外は、実施例1と同様の方法で、ITOターゲットと分析用サンプルを作製した。
【0051】
この分析用サンプルの表面構造をSEMにより測定した結果を図3に、図3における中間化合物部分を黒く示したものを図4に示す。また、密度、中間化合物粒子の楕円長短軸比、形状および平均断面積を測定した結果を表1に示す。更に実施例1と同様の連続放電試験を実施した結果を表1に示す。多くのアーキングが発生した。
【0052】
(比較例2)
1600℃から1200℃までの降温速度を100℃/時間とした以外は、実施例1と同様の方法で、ITOターゲットと分析用サンプルを作製した。
【0053】
密度、中間化合物粒子の楕円長短軸比、形状および平均断面積を測定した結果を表1に示す。また、実施例1と同様の連続放電試験を実施した結果を表1に示す。多くのアーキングが発生した。
【0054】
(比較例3)
焼結温度を1500℃、1500℃から1200℃までの降温速度を100℃/時間とした以外は、実施例1と同様の方法で、ITOターゲットと分析用サンプルを作製した。
【0055】
密度、中間化合物粒子の楕円長短軸比、形状および平均断面積を測定した結果を表1に示す。また、実施例1と同様の連続放電試験を実施した結果を表1に示す。多くのアーキングが発生した。
【0056】
【表1】
Figure 0004918738
【発明の効果】
本発明により、アーキング発生が少なく、基板上へのパーティクルの付着が少なくなるITOスパッタリングターゲットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得られたITOスパッタリングターゲットの表面構造を示す図である。
【図2】 図1における中間化合物粒子に相当する部分を黒く示した図である。
【図3】 比較例1で得られたITOスパッタリングターゲットの表面構造を示す図である。
【図4】 図3における中間化合物粒子に相当する部分を黒く示した図である。

Claims (7)

  1. 酸化インジウム粉末と酸化スズ粉末とを混合、成形、焼成して得られるITO焼結体からなるスパッタリングターゲットであって、その相対密度が99%以上で、焼結体が立方晶系酸化インジウムからなる母相と、酸化インジウムと酸化スズとの中間化合物相との2相構造からなり、焼結体の任意の断面を走査型電子顕微鏡を用いて観察される前記中間化合物相粒子の楕円長短軸比が2.1以上であることを特徴とするITOスパッタリングターゲット。
  2. 酸化インジウム粉末と酸化スズ粉末とを混合、成形、焼成して得られるITO焼結体からなるスパッタリングターゲットであって、その相対密度が99%以上で、焼結体が立方晶系酸化インジウムからなる母相と、酸化インジウムと酸化スズとの中間化合物相との2相構造からなり、焼結体の任意の断面を走査型電子顕微鏡を用いて観察される前記中間化合物相粒子個数の80%以上が、凹面を含む多角形状であることを特徴とするITOスパッタリングターゲット。
  3. 前記中間化合物相粒子の平均断面積が、5μm以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のITOスパッタリングターゲット。
  4. 焼結体中のスズ含有量が、Sn/(In+Sn)×100%で、7.7重量%以上14.重量%未満であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のスパッタリングターゲット。
  5. 酸化インジウム粉末と酸化スズ粉末とを、混合、成形し、1550℃以上1650℃未満の純酸素気流中で焼結した後、焼結保持温度から少なくとも1300℃までの降温速度を、200℃/時間以上としたことを特徴とするITOスパッタリングターゲットの製造方法。
  6. 酸化インジウム粉末と酸化スズ粉末とを、酸化物換算で酸化スズが8重量%以上15重量%未満となる比率で混合することを特徴とする請求項5に記載のITOスパッタリングターゲットの製造方法。
  7. 焼結時に炉内に酸素を導入する際の酸素流量(L/min)と成形体仕込量(kg)の比(仕込重量/酸素流量)が、1.0以下であることを特徴とする請求項5または請求項6に記載のITOスパッタリングターゲットの製造方法。
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